JP3856818B2 - アセトアミノフェンにおける着色の抑制および安定性の改良 - Google Patents

アセトアミノフェンにおける着色の抑制および安定性の改良 Download PDF

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Description

関連出願
本発明は出願中の米国特許出願第08/054,731号(1993年4月29日出願)の部分継続出願である。
発明の背景
発明の分野
本発明は、N−アセチル−p−アミノフェノール(APAP)−−アセトアミノフェンとしても知られている−−を精製するための改良法に関するものである。APAPは周知の店頭販売用の鎮痛薬および解熱薬である。
関連先行技術の説明
以下の先行技術文献は37 CFR 1.56,1.97および1.98の条件に従って示される。
米国特許第3,042,719号明細書(1962年7月3日、ハーンらに付与)には、APAPの水溶液を鉱酸で酸性化し、溶液を熱時濾過し、アルカリ性還元剤である亜硫酸塩、たとえばハイドロサルファイト(亜ジチオン酸ナトリウム)を添加しながら濾液を冷却することにより、粗製の変色(discolored)APAPを精製することが示されている。“脱色用(decoloring)”カーボンを高温溶液に添加してもよい。
米国特許第3,113,150号明細書(1963年12月3日、ヤングに付与)は、無水酢酸とp−アミノフェノールおよび水の混合物とを反応させ、反応混合物を冷却してAPAPを沈殿させ、濾過して過剰の酢酸を除去し、湿潤APAPを水酸化アンモニウムで中和し、得られた溶液をカーボンブラックと共に撹拌することによる、“純粋な”APAPの製造を教示している。
米国特許第3,748,358号明細書(1973年7月24日、バロンに付与)には、APAPを水溶液中において、予め酸性溶液で処理されたカーボンにより処理することによる、APAPの精製が示されている。
米国特許第3,781,354号明細書(1973年12月25日、コザックに付与)は、APAPを高温溶液中において塩化第二鉄で処理し、そして有色副生物を活性炭に吸着させることによる、APAPの精製を教示している。
米国特許第4,524,217号明細書(1985年6月18日、ダーベンポートらに付与)は、フェノールをフリーデル−クラフツ反応によりアセチル化し、または酢酸フェニルをフリース転位(Fries rearrangement)させて、4−ヒドロキシアセトフェン(4−HAP)を製造し、4−HAPをヒドロキシルアミンまたはヒドロキシルアミン塩と反応させて4−HAPオキシムを形成し、そしてこのオキシムをベックマン転位させてAPAPを形成することよりなる、APAP製造のための統合された方法を教示している。
以上に述べた米国特許明細書のすべてを、それらの記載全体を含めて本明細書に参考として引用する。
追加の背景情報
APAPを既知のいずれの方法で製造する際にも、有色体(color body)および有色体前駆物質が生成し、これらが製品に不都合な着色外観をもたせ、またはのちに発現させることが認められている。このため他の不純物のほかに有色体をも除去するAPAP精製のための種々の方法が開発され、従って精製された製品は実質的に純白色の外観をもつ。これらの方法は、有色体を含有する高温APAP水溶液に周知の脱色剤である吸着剤カーボンを添加することを含む場合がしばしばある。これらの方法のうち若干は、先に引用した文献の幾つかの説明中に記載されている。
粗製APAPの高温水溶液を吸着剤カーボンと接触させることによるAPAP脱色法の欠点は、このような処理の結果としてある種の不純物が初めて出現し、または増加することである。これらの不純物は以前は、すなわち精製前の粗製APAP中には存在しなかったものである。APAPの主要な用途が薬剤としてであるという事実からみて、これらの不純物の存在は、それらの形成を阻止するか、またはカーボン処理後にそれらの大部分を除去するか、またはこれらの不純物を実質的に非有色体(non-color body)に変換することにより、極めて低い実用最大量に維持しなければならない。
発明の概要
本発明によれば、不都合な有色体またはそれらの前駆物質を含有する粗製APAPに、粗製APAPの水溶液または有機溶液(または混合物)を調製し、次いで不都合な有色体を非有色体または非着色体(non-color-causing body)に変換するのに十分な期間、該溶液を化学量論的量未満(substoichiometric quantities)のアセチル化剤と接触させる工程を含む精製処理を施し;このアセチル化剤の量はAPAPが実質的に全く他の化合物に変換されないものである。アセチル化剤による粗製APAP水溶液の処理は、粗製APAPの製造に際して生成することが観察されている不都合な有色体(不純物)を実質的に減少させることが見出された。
好ましい態様の説明
アセチル化剤処理が施される、有色体を含有するAPAP水溶液は、大部分の場合少なくとも4重量%のAPAPを含有し、かつ溶液は少なくともAPAPを実質的に完全に溶解するのに十分なほど高温、たとえば少なくとも約40℃、好ましくは約60−約130℃であろう。本発明方法は、APAPの生産に用いられた製造方法とは関係なく、比較的純粋な脱色APAPの製造に有用である。本方法はAPAPの製造に際して生成する不純物または不都合な有色体の減少を達成するからである。従ってAPAPは、たとえば先に引用した米国特許第4,524,217号の記載に関する前記の説明において概説したようにその明細書の例に示される方法により、またはたとえば先に引用した米国特許第3,113,150号明細書に記載されるようにp−アミノフェノール(PAP)と無水酢酸を反応させることにより製造することができる。
先に述べたように、本明細書に記載した先行技術方法によるAPAPの製造に際しては不都合な有色体または不純物が生成する。この色彩安定性の問題に関与する主要な不純物の1つは、p−アミノフェノール(PAP)である。本発明者らは、APAP結晶化に際して少量、すなわち化学量論的量未満のアセチル化剤の添加により、PAP水準が実質的に低下し、従って総カラーインデックス(TCI)によって測定して、より色彩安定性の大きい製品が得られることを見出した。
本明細書に記載する先行技術方法のうち1または2以上により粗製APAPが製造されると、その材料を別個の容器に装入し、そこで水に溶解させることができる。前処理したい場合は、高温の水溶液状の粗製APAPをカーボン、たとえば活性炭で処理することができる。APAPおよびカーボンを混合したのち、カーボンを濾去し、得られた高温の粗製APAP水溶液を結晶化装置と定めた別個の容器に装入し、APAP結晶を形成させるために冷却を行う。この時点で、粗製APAPを含有する水溶液は、すべての粗製APAPがそれに溶解しているために十分なほど高温であることが望ましい。
好ましくは粗製APAP水溶液の温度は少なくとも40℃、またはより好ましくは約60−約130℃である。この時点で結晶化装置内において冷却を開始し、次いで高温の粗製APAP水溶液に十分な量のアセチル化剤を添加し、得られた混合物を、不都合な有色体(不純物)、たとえばPAPまたはそれから生じる可能性のある誘導体が非攻撃的物質、すなわち不利な、または希望しない着色を促進しないものに確実に変換される期間、撹拌する。
アセチル化剤は基本的には、PAPもしくはそれから生じる可能性のある有機誘導体または他の有機アミンを、APAPそのほか、酸化および/または重合に対して安定な、かつそれの着色汚染または不利な着色促進を生じないいずれかの化学物質に変換しうる物質である。本発明のいかなる仮説によっても制限されることは望まないが、アセチル化剤は芳香族アミンおよび関連の有色体前駆物質を“不動化(tie-up)”し、これにより色彩安定性の問題を軽減する機能をもつと仮定しうる。このカテゴリーに属し、従って本発明に使用しうるアセチル化剤には、無水酢酸、無水酢酸プロピオン酸、塩化アセチル、酢酸フェニル、ケテンおよびそれらの混合物が含まれる(ただしこれらに限定されない)。“アセチル化剤”という語にはアシル化剤、たとえば無水プロピオン酸、メチルケテン、プロピオン酸フェニル、無水酢酸蟻酸およびそれらの混合物が含まれると解すべきである。
この精製法に用いられるアセチル化剤の量は、APAPが他の化合物、たとえば4−アセトキシアセトアニリド(4−AAA)に変換される可能性があるため、重要である。従ってアセチル化剤は化学量論的量未満、すなわち存在する粗製APAPの全重量に対して一般に2.0重量%未満の量で使用される。好ましくはその量は約0.001−約1.5重量%である。2.0%より多い量、たとえば2.0−5.0%を用いることも、それを希望する場合、かつこのような多量が目的とする最終生成物(APAP)にほとんど、または全く影響を及ぼさない場合には、本発明の範囲に含まれる。
本発明の他の面においては、多量、すなわち>400ppmではAPAP結晶構造の不都合な形態変化を生じる可能性のある4−AAAの形成を抑制する工程が提供される。APAPのアセチル化により4−AAAが生成するのは当技術分野で周知である;International Journal of Pharmaceutics, 24(1985)239-258参照、その全体を本明細書に参考として引用する。
本発明のこの面においては、有色体を減少させるほか、4−AAAの形成を抑制することが望ましい。意外にも、この抑制はAPAPの結晶化に際してアセチル化剤を粗製APAP水溶液に制御下に添加することにより達成しうることが見出された。この工程において、かつすべての粗製APAPを高められた温度で水に溶解したのち、溶液を溶液の凝固点よりわずかに高い温度、たとえば約−2℃にまで冷却し、この冷却サイクルに際してアセチル化剤を水溶液と接触させる。この接触を3種類の異なる状況で実施しうることが見出された。第1に、アセチル化剤をAPAP溶液と1回の添加により一度に接触させることができる。第2に、アセチル化剤をAPAP溶液と、2つの異なる温度範囲でその2回の異なる添加により接触させることができる。これら後者の条件下では、アセチル化剤の約25−約50重量%を約80−約110℃の温度にあるAPAP溶液に添加し、次いで残りの試薬、すなわち約50−約75重量%を約50−約70℃の温度にあるAPAP溶液に添加する。アセチル化剤を冷却サイクルにおいて3以上の段階的添加および異なる温度水準で添加することも、この第2工程の範囲に含まれる。第3の場合、アセチル化剤を冷却サイクル(結晶化)において、その連続添加によりAPAP溶液と接触させる。
互いに独立した上記3種類の工程において、なぜ4−AAAが抑制され、かつPAP含量が最低であるかについてのメカニズムおよび/または仮説は明確には分かっていない。しかしこれは試験した時点では全く予想外であった。
以下の実施例は本発明をさらに説明するものである。
実施例1−4
無水酢酸を添加した実験および添加しない実験
一連の4回の実験を、3ガロンの容器を用いて小規模パイロットプラント型の操作で行った。最初の2実験は無水酢酸を用いずに行われた。次の2実験は、結晶化工程で着色抑制剤として無水酢酸を用いた。
ここに記載する各実験において、水4700g中における約1300gの粗製APAPを容器に装填した。無水酢酸(0または15.7g)をこの混合物に添加し、得られた混合物を100℃に加熱した。この温度に約10分間保持したのち、次の3時間にわたって容器を15℃に冷却し、その間にAPAPは溶液から晶出した。この期間が終了した時点で、残りのAPAPは溶液から晶出していた。固体APAPを溶液から遠心機により分離し、乾燥させた。
これらの実験で得られた最終APAP製品は、下記に示すように卓越した着色結果を与えた:
Figure 0003856818
上記のデータは、無水酢酸を添加した最終製品においてPAP水準が低下していることを示す。同様に無水酢酸処理を伴う製品のTCI試験は、より低い0.032および0.047の数値を示した。無水酢酸を添加しない実験では、この操作に典型的な0.064および0.065のTCI値が得られた。
無水酢酸を添加しない実験の初期ICは低い(0.006ないし0.007)。無水酢酸を添加した実験の初期IC値は、操作上の微小な変動のためこれよりわずかに高い範囲にある(0.012ないし0.020)。
不純物成分(4−AAA)4−アセトキシアセトアニリドは無水酢酸を添加しない実験においては検出されなかったが、無水酢酸を添加した実験においては高い水準にあった(185ないし207ppm)。これは15.7gの無水酢酸を結晶化工程で用いた場合に起こった。この4−AAA不純物は総有機不純物水準を約420ppmの水準にまで高めたが、これは許容しうる。
実施例5−13
結晶化工程で2gの無水酢酸を用いた統計的プロセス管理(SPC)実験
溶解および再結晶の前に15.7gの無水酢酸の添加を伴う前記実験に続いて、各実験において2gの無水酢酸(装填した粗製APAPの0.13%)の添加を採用して、9回の反復実験を行った。これらのSPC実験の理由は、精製プロセスでわずか2gの無水酢酸を導入したのちのAPAP製品の品質および色彩安定性をさらに評価すること、ならびに4−AAAの含量が<100ppmの製品を製造することであった。全般的に、これらの実験で得られた最終APAP製品は良好な品質のものであり、かつTCIにより測定して良好な色彩安定性を維持していた。結果を下記に示す:
Figure 0003856818
これら9実験のICは0.005−0.011であり、これらは許容しうる。TCIは0.026−0.052、平均0.038であり、これは無水酢酸を用いなかった場合に観察されたもののほぼ半分である。これらの結果は色彩安定性の向上したAPAP製品を示す。
PAP水準も7−16ppm、平均10ppmの低い範囲にあった。新たな成分(4−AAA)4−アセトキシアセトアニリドの水準は32−58、平均42であった。これらの4−AAA水準は許容しうる。
総有機不純物は満足すべきものであった。それらは117−183ppm、平均143ppmであり、これは工業規格限界より低い。
全般的にこれらの結果は、2gの無水酢酸の使用に関して高品質のAPAP製品を製造しうることを示す。この処理は最終APAP製品において4−AAA成分をわずかに高めるが、PAPおよびTCI水準を著しく低下させる。
上記に基づけば、精製工程で無水酢酸を使用すると卓越した色彩安定性の製品が得られることが容易に認められる。
実施例14−17
前記実施例1−13をそれらに提示したものと同じ条件を採用して反復し、ただしアセチル化剤は無水酢酸の代わりに無水酢酸プロピオン酸、塩化アセチル、酢酸フェニルおよびケテンである。結果は無水酢酸を用いて得たものと実質的に同じであり、全般的に良好な色彩安定性の製品が製造されることを証明する。
全精製操作中の他の工程でアセチル化剤を添加するのも本発明の範囲に含まれる。ただしそのアセチル化剤は、APAP製造に際して基礎反応が実施された後に初めて、すなわち反応帯域の下流で添加されることが重要である。従って、アセチル化剤をたとえば下記のプロセス時点で用いるのは本発明の概念に包含される:(1)粗生成物の濾過、中和および溶解工程;(2)カーボン処理工程;(3)カーボン除去のための濾過工程;(4)APAP結晶固体を沈殿させるための結晶化工程;(5)APAP固体を母液から分離するための遠心分離工程;ならびに(6)湿潤APAPを乾燥させて最終製品を得る乾燥工程。
従って本発明の範囲において、N−アセチル−p−アミノフェノール(APAP)を製造するための、無水酢酸とp−アミノフェノールおよび水の混合物とを反応させ、反応混合物を冷却してAPAPを沈殿させ、濾過して過剰の酢酸を除去し、湿潤APAPを塩基性物質、たとえば水酸化アンモニウムまたは水酸化ナトリウムで中和し、得られた溶液をカーボンブラックと共に撹拌する工程を含む方法であって、粗製APAP形成後の任意の時点で化学量論的量未満のアセチル化剤を粗製APAPに添加し、これにより粗製APAP中の有色体またはそれらの前駆物質が実質的に非有色体(安定な無色物質)に変換され;ただしAPAPは実質的に全く他の化合物に変換されないことを含む改良方法が提供される。
さらに本発明の範囲において、N−アシル−ヒドロキシ芳香族アミンを製造するための、ヒドロキシ芳香族ケトンをヒドロキシルアミン塩および塩基と反応させて該ケトンのケトオキシムを形成し、そして該オキシムをベックマン転位触媒と接触させて有色体またはそれらの前駆物質を含有する粗製芳香族アミンを形成させる工程を含む方法であって、粗製芳香族アミンを化学量論的量未満のアセチル化剤で、有色体またはそれらの前駆物質が実質的に非有色体(安定な無色物質)に変換されるのに十分であり、ただしAPAPは実質的に全く他の化合物に変換されない期間処理することにより粗製芳香族アミンを精製することを含む改良方法が提供される。
また本発明の範囲において、N−アセチル−p−アミノフェノール(APAP)を製造するための、4−ヒドロキシアセトフェノンをヒドロキシルアミン塩および塩基と接触させて4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムを形成し、次いで4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムを触媒の存在下でベックマン転位させて有色体またはそれらの前駆物質を含有する粗製APAPを形成させる工程を含む方法であって、粗製APAPを化学量論的量未満のアセチル化剤で、有色体またはそれらの前駆物質が実質的に非有色体(安定な無色物質)に変換されるのに十分であり、ただしAPAPは実質的に全く他の化合物に変換されない期間処理することにより粗製APAPを精製することを含む改良方法が提供される。
上記に概説した3方法に関して、“APAPは実質的に全く他の化合物に変換されない”という語は、粗製APAPをアセチル化剤で処理することにより形成される可能性のある4−AAAが400ppm(parts per million)未満であることを意味する。
実施例18および19
前記の実施例3および4(実験3および4)を反復し、ただし無水酢酸を結晶化(冷却)工程で2つの異なる温度、すなわち95℃および65℃において粗製APAPに添加した。95℃の水準では無水酢酸の約1/3(たとえば5.2g)を添加し、次いで65℃の水準では無水酢酸の残り約2/3(たとえば10.5g)を添加した。4−AAA含量を除いて、結果は実質的に同じであった。反復した実験3においては4−AAA含量は40ppmであり、実験4においてはそれは41ppmであった;これは実施例3および4における4−AAA含量207ppmおよび185ppmと対比される。段階的な添加の採用による4−AAAの実質的な減少は全く予想外であった。
APAPの水性混合物または水溶液にアセチル化剤を添加することに関して本発明を記載したが、APAPおよび有機溶剤の混合物をアセチル化剤で処理することも本発明の範囲に含まれる。有機溶剤はAPAPおよびアセチル化剤と反応性でない限り、いずれも使用しうる。たとえば本発明は、ジオキサン中で結晶化しつつある粗製APAPに化学量論的量未満の無水酢酸を添加することにより実施しうる。1992年8月7日に付与され、Chemical Abstracts 117(24):239864fに引用されているフランス特許第2672212号明細書を参照されたい。この文献全体を本明細書に参考として引用する。

Claims (25)

  1. 有色体またはそれらの前駆物質を含有する粗製N−アセチル−p−アミノフェノール(APAP)を精製する方法であって、粗製APAPの溶液を調製し、次いで有色体またはそれらの前駆物質を実質的に安定な無色物質に変換するのに十分な期間、該溶液を化学量論的量未満のアセチル化剤と接触させることを含み;供給されるアセチル化剤の量はAPAPが実質的に全く他の化合物に変換されないものであることを特徴とする方法。
  2. アセチル化剤が無水酢酸プロピオン酸である、請求項1に記載の方法。
  3. アセチル化剤が塩化アセチルである、請求項1に記載の方法。
  4. アセチル化剤が酢酸フェニルである、請求項1に記載の方法。
  5. アセチル化剤がケテンである、請求項1に記載の方法。
  6. アセチル化剤が無水酢酸である、請求項1に記載の方法。
  7. アセチル化剤が粗製APAPの重量に対して0.001−2%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
  8. 粗製APAPの溶液をまずカーボンで処理し、そして粗製APAPをアセチル化剤と接触させる前にカーボンを除去する、請求項1に記載の方法。
  9. N−アセチル−p−アミノフェノール(APAP)を製造するための、無水酢酸とp−アミノフェノールおよび水の混合物とを反応させ、反応混合物を冷却して粗製APAPを沈殿させ、濾過して過剰の酢酸を除去し、湿潤APAPを塩基性物質で中和し、得られた溶液をカーボンブラックと共に撹拌する工程を含む方法であって、粗製APAP形成後の任意の時点で化学量論的未満のアセチル化剤を粗製APAPに添加し、これにより粗製APAP中の有色体またはそれらの前駆物質が実質的に安定な無色物質に変換され、かつAPAPは実質的に全く他の化合物に変換されないことを含む改良方法。
  10. N−アシル−ヒドロキシ芳香族アミンを製造するための、ヒドロキシ芳香族ケトンをヒドロキシルアミン塩および塩基と接触させて該ケトンのケトオキシムを形成し、そして該オキシムをベックマン転移触媒と接触させて有色体またはそれらの前駆物質を含有する粗製N−アシル−ヒドロキシ芳香族アミンを形成させる工程を含む方法であって、粗製芳香族アミンを化学量論的量未満のアセチル化剤で、有色体またはそれらの前駆物質が実質的に安定な無色物質に変換されるのに十分であり、かつN−アシル−ヒドロキシ芳香族アミンは実質的に全く他の化合物に変換されない期間、精製することを含む改良方法。
  11. N−アセチル−p−アミノフェノール(APAP)を製造するための、4−ヒドロキシアセトフェノンをヒドロキシルアミン塩および塩基と反応させて4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムを形成し、次いで4−ヒドロキシアセトフェノンオキシムを触媒の存在下でベックマン転移させて有色体またはそれらの前駆物質を含有する粗製APAPを形成させる工程を含む方法であって、粗製APAPを化学量論的量未満のアセチル化剤で、有色体またはそれらの前駆物質が実質的に安定な無色物質に変換されるのに十分であり、かつAPAPは実質的に全く他の化合物に変換されない期間処理することにより粗製APAPを精製することを含む改良方法。
  12. アセチル化剤が無水酢酸プロピオン酸である、請求項11に記載の方法。
  13. アセチル化剤が塩化アセチルである、請求項11に記載の方法。
  14. アセチル化剤が酢酸フェニルである、請求項11に記載の方法。
  15. アセチル化剤がケテンである、請求項11に記載の方法。
  16. アセチル化剤が無水酢酸である、請求項11に記載の方法。
  17. アセチル化剤が粗製APAPの重量に対して0.001−2%の量で存在する、請求項11に記載の方法。
  18. 粗製APAPをまずカーボンで処理し、そして粗製APAPをアセチル化剤と接触させる前にカーボンを除去する、請求項11に記載の方法。
  19. アセチル化剤をAPAPと1回の添加により一度に接触させる、請求項1に記載の方法。
  20. アセチル化剤をAPAPと、2つの異なる温度範囲でその2回の異なる添加により接触させる、請求項1に記載の方法。
  21. APAPを溶液中で冷却することにより結晶化する追加工程が含まれ、APAPの結晶化に際して、アセチル化剤をその連続添加によりAPAPと接触させる、請求項1に記載の方法。
  22. 接触を80−110℃の第1温度範囲および50−70℃の第2温度範囲で行う、請求項20に記載の方法。
  23. アセチル化剤が無水プロピオン酸である、請求項1に記載の方法。
  24. 溶液が水溶液である、請求項1に記載の方法。
  25. 溶液が有機溶剤溶液である、請求項1に記載の方法。
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