JP3856516B2 - 接地抵抗低減方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気工事等の接地工事で使用する接地抵抗低減剤及びそれを用いた接地抵抗低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、通信設備や電力設備などを設置する場合に接地電極が敷設される。
この接地電極を敷設する際、接地抵抗が低ければ低いほど、大電流を円滑に地中の放電することができるため、各種接地抵抗低減処理が実施され、例えば、接地電極の周辺土壌に接地抵抗低減剤を充填・処理し、接地抵抗の低減を図る試みが行われてきた。
【0003】
代表的な接地抵抗低減剤としては、電気抵抗低下剤を、例えば、ベントナイト等の滞留剤で被覆したアルミナゲル系接地抵抗低減剤、炭素と生石灰等を成分とする炭素系接地抵抗低減剤、及び電気抵抗低下剤を含有させた変性尿素樹脂系接地抵抗低減剤等が挙げられる。
【0004】
これら接地抵抗低減剤を用いた処理方法は、例えば、接地電極を敷設する箇所を深さ75cm程度になるように掘削し、接地電極を敷設し、接地抵抗低減剤を粉末で又はスラリーで充填し、固化し、掘削土を埋め戻す方法等があり、比較的浅い箇所で接地電極を敷設する接地工法である。
しかしながら、常に、浅い箇所で接地電極を敷設できる場合ばかりではなく、地質の状態によっては地表面から数m〜数十mの深さでないと接地電極を敷設できない場合もあり、深打ち接地抵抗低減方法を検討する必要性が生じた。
【0005】
また、接地抵抗をなるべく低減させるために、接地面積を広くしたシート状の接地板等を使用することも可能である。
しかしながら、掘削場所に余裕がある場合は問題ないが、充分な場所が確保できない場合もあり、また、地表面がアスファルトやコンクリートの場合、広い範囲を工事するのは騒音や振動が発生し、工事時間もかかり好ましくなかった。
【0006】
さらに、先端部分に数カ所の孔を設けた中空の注入管を地中に挿入し、地上より液状の一液タイプの接地抵抗低減剤を圧送し、地中に注入する接地抵抗低減方法が知られている(特開昭59− 12580号公報)。
これらの方法では、ゲル化しない接地抵抗低減剤を注入するか、比較的長いゲル化時間を持つ接地抵抗低減剤を注入する必要があり、必要量以上の使用が要求されるという課題があった。
【0007】
本発明者は、種々検討を重ねた結果、ある特定の材料を使用することで上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、下記(1)〜(7)を含有してなるスラリーをA液とし、水硬性物質微粒子 100 重量部に対して固形分として5〜 30 重量部のシリカゾルたるゲル化材をB液とし、それぞれ別々に圧送し、あらかじめ砂質土地盤に挿入しておいた注入管を介して砂質土地盤内に注入し、注入管はそのまま接地電極とすることを特徴とする接地抵抗低減方法であり、注入管が二重管であることを特徴とする該接地抵抗低減方法である。
(1)高炉スラグをポルトランドセメントに配合し、かつ、平均粒子径3〜 10 μmに粒度調整した水硬性物質微粒子 100 重量部、
(2)カルシウムアルミネート 100 重量部にセッコウ 50 〜 150 重量部を配合してなり、かつ、ブレーン値で 4,000cm 2 /g 以上の急硬物質 50 〜 150 重量部、
(3)電気抵抗低下剤3〜 10 重量部、
(4)分散剤を固形分換算で 0.5 〜2重量部、
(5)(5−1)有機酸と炭酸カリウムの混合物と(5−2)トリポリリン酸ナトリウムから選ばれた一種又は二種以上の凝結遅延剤 0.1 〜2重量部、
(6)水 150 〜 400 重量部、
(7)水 100 重量部に対して、ベントナイト 10 重量部以下( 0 重量部を含まない)
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明は、工事面積が小さく、中空の注入管を地中に挿入し、地上より本発明の接地抵抗低減剤を圧送し、地中内に注入し注入管と一体化することにより、その注入管を接地電極として利用することで接地抵抗の低減を図るものである。また、使用する接地抵抗低減剤は、水硬性物質微粒子で構成されるため、地中への浸透性が良好であり、接地電極周辺土壌の接地抵抗を確実に低減処理することが可能である。
【0011】
本発明で使用する平均粒子径15μm以下の水硬性物質微粒子(以下水硬微粒子という)とは、水と接触すると硬化する平均粒子径15μm以下の微粒子であり、普通、早強、超早強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、フライアッシュ、シリカ、又は高炉スラグを混合した各種混合セメント、並びに、JISで定められた以外の任意の割合にフライアッシュ、シリカ、又は、高炉スラグをポルトランドセメントに配合した各種セメント等のセメントの粒度調整品、そして、シリカフュームをポルトランドセメントに配合し粒度調整したもの、さらに、潜在水硬性のある高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカフュームの粒度調整品等が挙げられる。これらの中で、化学的抵抗性が大きいこと、長期強度が大きいことから高炉スラグをポルトランドセメントに配合し粒度調整した水硬微粒子の使用が好ましい。
水硬微粒子の粒度は、平均粒子径15μm以下であれば特に問題はないが、より小さいものであれば、それだけ地中での浸透性が良好となるので好ましく、平均粒子径が3〜10μmのものがより好ましい。大きい粒子があると、例えば、硬い岩盤に多数の小さなクラックがある地質や密に粒子が充填された砂質土地質では、浸透性が悪くなり接地抵抗低減効果が得にくいので、最大粒子径を15μm以下にすることが特に好ましい。
【0012】
本発明で使用するゲル化材とは、水硬性物質のゲル化を促進する作用のある物質であり、具体的には、シリカゾル、アルミナゾル、及び水ガラスに代表されるシリカ・アルミナ系物質、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、硫酸アルミニウムやミョウバンなどの硫酸塩、並びに、アルカリ金属アルミン酸塩等の水溶液が挙げられ、場合によってはこれらの併用も可能である。
水硬微粒子との反応性や、強アルカリでなく土壌の環境破壊をまねくおそれが小さいことからシリカゾルの使用が好ましい。
ゲル化材の使用量は水溶液中の固形分として、水硬微粒子 100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、5〜30重量部がより好ましい。1重量部未満ではゲル化を促進させることが難しく、50重量部を越えると長期強度発現性を阻害する場合がある。
【0013】
本発明の急硬物質とは、ゲル化後の初期強度を向上させるものであり、カルシウムアルミネートが、また、初期や長期強度をさらに向上させる面で、カルシウムアルミネートにセッコウを配合したものが使用可能である。
ここで、カルシウムアルミネートとしては、鉱物成分として CaOを C、 Al2O3を Aとすると、CA、 CA2、 C3A、及び C12A7等で示されるカルシウムアルミネート熱処理物を粉砕したもの等が挙げられる。
さらに、SiO2を含有するアルミノケイ酸カルシウム、 C12A7の1つの CaOをCaF2等のハロゲン化物で置換した C11A7・CaX2(Xはフッ素等のハロゲン)、 SO3成分を含むC4A3・ SO3、C4A3 ・ SO3の CaSO4をハロゲン化物で置換したC3A3・CaX2、アルミナセメント、並びに、リチウム、ナトリウム、及びカリウム等のアルカリ金属が一部固溶したカルシウムアルミネート等も使用可能である。
急硬物質の粒度は、急硬性や初期強度発現性の面で、ブレーン値で3,000cm2/g以上が好ましく、4,000cm2/g以上がより好ましい。3,000cm2/g未満だと急硬性や初期強度発現性が低下する場合がある。
カルシウムアルミネートにセッコウを配合した急硬物質のセッコウの使用量は、カルシウムアルミネート 100重量部に対して、10〜 200重量部が好ましく、50〜 150重量部がより好ましい。10重量部未満では初期や長期強度を向上させることが難しく、 200重量部を越えると初期強度発現性が低下する場合がある。
急硬物質の使用量は、水硬微粒子 100重量部に対して、10〜 200重量部が好ましく、50〜 150重量部がより好ましい。10重量部未満では初期強度発現性の向上が得にくく、 200重量部を越えると長期強度発現性を阻害する場合がある。
【0014】
本発明で使用する凝結遅延剤とは、水硬微粒子又は水硬微粒子と急硬物質をスラリーとしたときの凝結時間を調整したり、粒子の分散性を向上したりするものであり、具体的には、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、及びリンゴ酸等又はこれらのナトリウム塩やカリウム塩などのオキシカルボン酸又はその塩や、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、トリポリリン酸塩、及びトリメタリン酸塩等のリン酸塩のナトリウム塩やカリウム塩などが挙げられる。
また、遅延させた後、ゲル化してからの強度発現性の向上の目的で上記有機酸と、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩との混合物を使用することも可能である。これらの中で、長期強度発現性に悪影響を与えにくい有機酸と炭酸カリウムの混合物やトリポリリン酸ナトリウムの使用が好ましい。
凝結遅延剤の使用量は、水硬微粒子 100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましく、 0.1〜2重量部がより好ましい。0.05重量部未満では遅延効果が小さく、3重量部を越えると遅延しすぎて長期強度発現性を阻害する可能性がある。
【0015】
本発明で使用する分散剤とは、水硬微粒子や急硬物質をスラリーとしたとき凝集し、粒子サイズが大きくなるのを防止し、スラリーの分散安定性を高める作用のあるものであり、具体的には、セメント混和剤として一般的に使用されているナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルアリルスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ポリカルボン酸塩系化合物等の減水剤や、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤等の各種界面活性剤も使用可能である。分散剤は、液状又は粉末状いずれでも使用可能である。
分散剤の使用量は、水硬微粒子100 重量部に対して、固形分換算で 0.3〜3重量部が好ましく、 0.5〜2重量部がより好ましい。 0.3重量部未満では効果が小さく、3重量部を越えると強度発現性を阻害する場合がある。
【0016】
本発明でスラリーを調製するときに使用する水の使用量は、水硬微粒子 100重量部に対して、 100〜 500重量部が好ましく、 150〜 400重量部が好ましい。 100重量部未満ではスラリーの粘度が高くなり、地中での浸透性が低下する場合があり、 500重量部を越えると充分な強度発現性が得にくい場合がある。
【0017】
本発明で使用する電気抵抗低下剤とは、それ自身導電性のある物質や電気抵抗が低下する物質であり、水硬微粒子又は急硬物質の水和反応により得られる硬化体の接地抵抗をさらに低減させるもので、具体的には、微粉カーボンや、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、及び塩化アンモニウム等の水と共存して導電性を付与するものや、石灰窒素、尿素、金属酸化物、金属粉等が挙げられる。
電気抵抗低下剤の使用量は、水硬微粒子 100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。1重量部未満では材料の固有抵抗が低く、接地低減効果が期待できない場合があり、20重量部を越えると使用効果の向上が期待できない場合がある。
【0018】
本発明の接地抵抗低減剤の使用方法は、水と混合してスラリーを調製するミキサー、スラリーを圧送する注入ポンプ、地中内に挿入する中空の注入管が用意されていれば特に限定されるものではない。
例えば、A液側は、ミキサ−に所定量の水を入れ、撹拌しながら水硬微粒子と、必要に応じ、急硬物質、凝結遅延剤、分散剤を添加しスラリーを調製する。このときの添加する順番は、水、凝結遅延剤、分散剤、水硬微粒子、急硬物質の順番が好ましい。
B液側は、液状のものはタンクからそのまま圧送すれば良く、粉体状のものは溶解させる必要があれば撹拌機付きのタンクで溶解後、また、溶解させる必要がなければスラリーで圧送することが可能である。
また、場合によっては、水硬微粒子と急硬物質を別々にスラリー化し、ゲル化材の水溶液と合流する三液注入も可能である。
【0019】
本発明では、ブリージングの低減や分散安定性のためにベントナイト等の膨潤性物質や、メチルセルロース等の増粘剤を併用することも可能である。
膨潤性物質を使用するときは、使用する水 100重量部に対して、10重量部以下とするのが好ましい。また、増粘剤を使用するときは、水硬微粒子 100重量部に対して、0.5 重量部以下とするのが好ましい。
【0020】
本発明で使用する注入管の設置方法は、削岩機に中空の自穿孔ボルトを装着し削孔し、そのまま配置する方法や、地盤が比較的硬く削孔した孔が自立するようであれば、削岩機で削孔し、表面にねじを切っていない中空パイプを配置する方法や、削孔した孔壁が崩れて塞がらないようにケーシング堀りする方法等が挙げられる。
本発明で使用する注入管の種類は、一重、二重、又は三重構造のいずれの注入管も使用可能である。
一重管を使用する場合は、注入管に圧送液が入る直前でA液とB液が混合されるようにY字管を配置することが可能である。その際、A液とB液が良く混合されるように静止ミキサーをY字管と注入管の間に配置することも可能である。
二重管を使用する場合は、Y字管を必要とせず、管の内側又は外側にA液又はB液を圧送することも可能であり、大量に注入する場合等は、Y字管を介して管の内側及び外側両方にA、B混合液を圧送することも可能である。
三重管を使用する場合も、内側、中側、外側のいずれかにA液又はB液を圧送することが可能であり、A液とB液の混合液を通すことも可能である。混合液を注入管内を通すときは、凝結遅延剤によりゲル化時間を数分以上とすることが好ましい。
【0021】
【実施例】
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
【0022】
参考例1
水硬微粒子 100重量部に、表1に示す水を加えスラリーとし、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表1に併記する。
また、砂質土をメスシリンダーに詰め、表面に実験No. 1- 2と実験No. 1-19のスラリーを等量注ぎ、砂質土への浸透速度を比較したところ、実験No. 1- 2では、1.5 リットル/min であるのに対し、実験No. 1-19では、0.77リットル/min であった。
【0023】
<使用材料>
水硬微粒子A:高炉スラグ/普通ポセ重量比4/1混合品、平均粒子径4μm
水硬微粒子B:高炉スラグ/普通ポセ重量比4/1混合品、平均粒子径9μm
水硬微粒子C:普通ポセ粒度調製品、平均粒子径15μm
水硬微粒子D:高炉スラグ/普通ポセ重量比4/1混合品、平均粒子径23μm
【0024】
<測定方法>
固有抵抗 :アクリル板で作成した4×4×10cmの両端に銅板を張り付けた型枠 に流し込み、ゲル化する前に測定した。
圧縮強度 :20℃において、スラリーを4×4×16cmの型枠に流し込み硬化後脱 型し、所定材齢に達したら圧縮強度を測定した。
【0025】
【表1】
【0026】
参考例2
水硬微粒子A 100重量部に水 200重量部を加えスラリーを調製し、水硬微粒子A 100重量部に対して、固形分換算で表2に示すゲル化材を加え、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表2に併記する。
【0027】
<使用材料>
ゲル化材α:シリカゾル、市販品、SiO230重量%、Na2O 0.4重量%
ゲル化材β:3号水ガラス、市販品、30%水溶液
ゲル化材γ:アルミン酸ナトリウム、市販品、50%水溶液
【0028】
【表2】
【0029】
参考例3
水硬微粒子A 100重量部、表3に示す急硬物質、及び水 400重量部を加えスラリーとし、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表3に併記する。
【0030】
<使用材料>
カルシウムアルミネート:主成分 C12A7、非晶質、ブレーン値6,000cm2/g
セッコウ :無水セッコウ粉砕品、ブレーン値5,900cm2/g
【0031】
【表3】
【0032】
参考例4
水硬微粒子A 100重量部、急硬物質I 100重量部、水 400重量部、及び表4に示す凝結遅延剤を加えスラリーとし、そのゲル化時間、固有抵抗、及び圧縮強度を測定した。結果を表4に併記する。
【0033】
<使用材料>
急硬物質I:カルシウムアルミネート/セッコウの等重量混合品
凝結遅延剤a:市販品、炭酸カリウム/酒石酸重量比7/3の混合品
凝結遅延剤b:トリポリリン酸ナトリウム、市販品
【0034】
<測定方法>
ゲル化時間:スラリーを調製してから流動性を失うまでの時間
【0035】
【表4】
【0036】
参考例5
水硬微粒子A 100重量部、表5に示す電気抵抗低下剤、及び水 200重量部を加えてスラリーとし、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表5に併記する。
【0037】
<使用材料>
電気抵抗低下剤イ:塩化カリウム、市販品
電気抵抗低下剤ロ:微粉カ−ボン、平均粒子径12μm
【0038】
【表5】
【0039】
参考例6
水硬微粒子A 100重量部、表6に示す分散剤、及び水 200重量部を加えてスラリーとし、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表6に併記する。
【0040】
<使用材料>
分散剤 :市販のナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物系分散剤
【0041】
【表6】
【0042】
参考例7
水硬微粒子A 100重量部、表7に示す急硬物質I、凝結遅延剤、分散剤、及び電気抵抗低下剤、並びに水 400重量部を加えスラリーとし、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表7に併記する。
【0043】
【表7】
【0044】
参考例8
水硬微粒子A 100重量部、急硬物質I 100重量部、凝結遅延剤b 0.5重量部、及び水 400重量部を加えスラリーを調製し、水硬微粒子A 100重量部に対して、固形分換算で表8に示すゲル化材αを加え、そのゲル化時間、固有抵抗、及び圧縮強度を測定した。結果を表8に併記する。
【0045】
<測定方法>
ゲル化時間:調製したスラリーとゲル化材の水溶液を混合してから流動性が失わ れるまでの時間
【0046】
【表8】
【0047】
参考例9
水硬微粒子A 100重量部、電気抵抗低下剤イ5重量部、及び水 200重量部を加えスラリーを調製し、水硬微粒子A 100重量部に対して、固形分換算で表9に示すゲル化材αを加え、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表9に併記する。
【0048】
【表9】
【0049】
参考例10
水硬微粒子A 100重量部に、分散剤1重量部と水 200重量部を加えスラリーを調製し、表10に示すゲル化材αを加え、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表10に併記する。
【0050】
【表10】
【0051】
参考例11
水硬微粒子A 100重量部、表11に示す急硬物質I、凝結遅延剤、分散剤、及び電気抵抗低下剤、並びに、水 400重量部を加えスラリーを調製し、水硬微粒子A 100重量部に対して、ゲル化材α30重量部を加え、その固有抵抗と圧縮強度を測定した。結果を表11に併記する。
【0052】
【表11】
【0053】
参考例12
水硬微粒子A 100重量部、急硬物質I 100重量部、凝結遅延剤b 1.0重量部、分散剤 1.0重量部、電気抵抗低下剤 5.0重量部、及び水 400重量部を加えスラリーを調製しA液とした。
一方、ゲル化材αの水溶液をB液とし、水硬微粒子A 100重量部に対して30重量部となるように、それぞれ別々に圧送し、予め地中に挿入しておいた自穿孔タイプの3mの一重管より地中に注入した。
その結果、A液とB液が混合された時点からのゲル化時間を測定すると、32秒であった。
注入した地盤は、レキの多い砂質土地盤であり、毎分10リットルの流速で注入した。その時の最高注入圧力は6kg/cm2であり、合計 100リットル注入したが順調に行うことができた。
【0054】
参考例13
A液とB液をそれぞれ別々に圧送し、レキの多い砂質土地盤に予め挿入しておいた3mの二重管より注入したこと以外は参考例12と同様に行った。
この時、内側はA液、外側はB液とした。始めに、A液を 100リットリ注入した後、B液を50リットル注入した。このような方法により所定の範囲の地盤の接地抵抗を低減することが可能である。
また、A液とB液を同時に注入することにより、もっと狭い範囲の地盤の接地抵抗を低減することが可能であった。
A液とB液を混合した時点からのゲル化時間は53秒であった。
【0055】
参考例14
A液とB液をそれぞれ別々に圧送し、レキの多い砂質土地盤に予め挿入しておいた3mの三重管より注入したこと以外は参考例12と同様に行った。
この時、内側と中側はA液、外側はB液とした。このように注入すると、同じ時間でA液を二倍量注入することが可能であり、施工スピードの短縮化を図ることができた。
【0056】
実施例1
水硬微粒子A 100重量部に、急硬物質I 100重量部、凝結遅延剤b 1.0重量部、分散剤 1.0重量部、電気抵抗低下剤 5.0重量部、並びに、水 100重量部に対してベントナイトを2重量部混合し、1日膨潤させた溶液を 400重量部加えスラリーを調製しA液とした。この時のA液の固形分分離がなかった。
一方、ゲル化材αの水溶液をB液とし水硬微粒子A 100重量部に対して、40重量部となるように、それぞれ別々に圧送し、レキの多い砂質土地盤に予め挿入しておいた3mの二重管より注入したが、注入性に問題はなかった。
【0057】
【発明の効果】
本発明の接地抵抗低減剤を使用することで、充分な接地抵抗の低減が図れる。深打ち接地工事が可能であり、接地工事面積を小さくとれ広い場所が必要でない。それに伴い、工事による振動、騒音の発生を少なくできる。
また、ゲル化材を使用し二液注入することで、比較的短い時間で流動性を失わせることが可能であるため、注入改良領域を限定することが可能である。さらに、水硬微粒子を注入するため、浸透性が良好である。特に、砂質土地盤への浸透性も良好である。従って、均一な改良領域を形成することが可能である。
Claims (2)
- 下記(1)〜(7)を含有してなるスラリーをA液とし、水硬性物質微粒子 100 重量部に対して固形分として5〜 30 重量部のシリカゾルたるゲル化材をB液とし、それぞれ別々に圧送し、あらかじめ砂質土地盤に挿入しておいた注入管を介して砂質土地盤内に注入し、注入管はそのまま接地電極とすることを特徴とする接地抵抗低減方法。
(1)高炉スラグをポルトランドセメントに配合し、かつ、平均粒子径3〜 10 μmに粒度調整した水硬性物質微粒子 100 重量部、
(2)カルシウムアルミネート 100 重量部にセッコウ 50 〜 150 重量部を配合してなり、かつ、ブレーン値で 4,000cm 2 /g 以上の急硬物質 50 〜 150 重量部、
(3)電気抵抗低下剤3〜 10 重量部、
(4)分散剤を固形分換算で 0.5 〜2重量部、
(5)(5−1)有機酸と炭酸カリウムの混合物と(5−2)トリポリリン酸ナトリウムから選ばれた一種又は二種以上の凝結遅延剤 0.1 〜2重量部、
(6)水 150 〜 400 重量部、
(7)水 100 重量部に対して、ベントナイト 10 重量部以下( 0 重量部を含まない) - 注入管が二重管であることを特徴とする請求項1記載の接地抵抗低減方法。
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