JP3856508B2 - トラン誘導体化合物およびその用途 - Google Patents

トラン誘導体化合物およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なトラン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物、さらに該組成物を用いた液晶電気光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶電気光学素子は、時計、電卓をはじめ、近年では測定器、自動車用計器、複写器、カメラ、OA機器用表示装置、家電製品用表示装置等種々の用途に使用され始めており、各機種の動作環境に適応するために、広い動作温度範囲、低動作電圧、高速応答性、化学的安定性等の種々の性能が要求されている。
【0003】
しかし、現在のところ、これらすべての特性を単独の材料で満たす材料はないため、複数の液晶、および、非液晶の材料を混合して液晶組成物としている。このため、各種特性のすべてではなく、1または2以上の特性に優れた液晶または非液晶の材料開発が望まれている。
【0004】
液晶を用いた電気光学素子分野において、ツイストネマチック(TN)型セルでは、セル外観を損なう原因となるセル面での干渉縞の発生を防止するために、セルに充填される液晶材料の屈折率異方性値(Δn)とセル厚さ(d:単位はμm)の積(Δnd)をある特定の値に設定する必要がある。
【0005】
Δndの値が一定値に設定された場合、Δn値の大きな材料を使用すれば、d値を小ならしめることができる。d値が小となれば、応答時間(τ)は、よく知られたτ∝d2 の関係式に従って小となる。したがって、Δn値が大きな液晶材料は、応答速度が速く、しかも干渉縞のない液晶表示セルを製作するのに極めて有用である。
【0006】
ところで、実用可能な液晶材料の多くは、通常、室温付近にネマチック相を有する化合物と、室温より高い温度領域にネマチック相を有する化合物とからなる数種またはそれ以上の成分を混合することにより調製されている。
【0007】
また、最近では、液晶表示セルの応用製品の多様化に伴い、動作温度範囲を高温側に拡大した液晶材料が要求されており、このため、特にネマチック相−等方性液体相(N−I)転移温度(透明点;Tc)の高い化合物が必要とされている。
【0008】
したがって、Δn値が大きく、Tcが高く、さらに他の液晶または非液晶との相溶性に優れ、化学的にも安定な化合物を提供することは、応答速度が速く、動作温度範囲が広く、しかも干渉縞のない液晶表示セルを製作する上で極めて重要な課題である。
【0009】
このような課題を解決するために、下記式(2)で表されるトラン誘導体化合物(特開平1−305040号公報)や、下記式(3)で表されるトラン誘導体化合物(特開平6−316541号公報)等が提案されている。なお式(2)において、R3 およびR4 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、式(3)において、R5 およびR6 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜10の直鎖アルキル基を表し、X5 〜X8 はそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表す。
【0010】
【化2】
Figure 0003856508
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、式(2)で表される化合物は、他の液晶または非液晶との相溶性の点で不十分であり、液晶組成物への添加量が限定されるという問題があり、式(3)で表される化合物は、Tcが低下してしまうという問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の問題を解決すべくなされたものであり、Δn値が大きく、化学的にも安定であり、かつ高いTcを有すると同時に他の液晶または非液晶との相溶性にも優れた新規な材料を提供するものである。
【0013】
すなわち、本発明は、下式(1)で表されるトラン誘導体化合物、および該化合物を含有する液晶組成物、さらに該組成物を用いた液晶電気光学素子を提供する。
【0014】
ただし、式(1)におけるR1、R2、およびX1〜X4は下記の意味を示す。
1:炭素数1〜10の直鎖の脂肪族炭化水素基。
2:水素原子または炭素数1〜10の直鎖の脂肪族炭化水素基。
1、X2、X3、およびX4:それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子であり、かつ、X1〜X4の1つ以上はフッ素原子。
【0015】
【化3】
Figure 0003856508
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明のトラン誘導体化合物は式(1)で表される。
式(1)において、R1 は炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基を表し;R2 は水素原子または炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
ここで「脂肪族炭化水素基」とは、特に記載しない限り炭素原子と水素原子からなる基をいい、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基が好ましく用いられ、これらは直鎖、分岐鎖、環構造のいずれの構造であってもよいが、直鎖状の炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基が特に好ましい。R1 およびR2 の具体例としては、実施例中に記載したものが挙げられる。
【0017】
式(1)において、X1 、X2 、X3 、およびX4 はそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表すが、X1 〜X4 のうち少なくとも1つはフッ素原子を表す。X1 〜X4 が結合する1,4−フェニレン基におけるフッ素原子の置換位置は、特に限定されない。
本発明の式(1)で表されるトラン誘導体化合物の具体例としては後述する実施例中に記載するものが挙げられる。
【0018】
本発明の式(1)で表されるトラン誘導体化合物は、例えば、次の方法1または方法2に従って製造することができる。なお、下記式中、R1 、R2 、X1 、X2 、X3 、X4 は、式(1)における意味と同じ意味を示す。
【0019】
【化4】
Figure 0003856508
【0020】
すなわち、方法1においては、目的化合物に対応するフェニルアセチレン誘導体(4)と4−ブロモヨードベンゼン誘導体(5)とを、トリエチルアミン等の塩基の存在下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム触媒およびヨウ化第一銅を触媒として、−50〜50℃で反応させることにより、4−ブロモヨードベンゼン誘導体(5)のヨウ素部位と選択的に反応させて化合物(6)を得る。
【0021】
次いで、得られた化合物(6)と、目的化合物に対応するフェニルアセチレン誘導体(7)とを、トリエチルアミン等の塩基の存在下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム触媒およびヨウ化第一銅を触媒として、室温付近の温度で反応させることにより、目的とする式(1)の化合物を得ることができる。
【0022】
また、方法2においては、目的化合物に対応するフェニルアセチレン誘導体(7)と、4−ブロモヨードベンゼン誘導体(8)とを−50〜50℃で反応させることにより、ヨウ素部位と選択的に反応させて化合物(9)を得る。得られた化合物(9)と目的化合物に対応するフェニルアセチレン誘導体(4)とを室温付近の温度で反応させることにより、目的とする式(1)の化合物を得ることができる。
【0023】
【化5】
Figure 0003856508
【0024】
なお、本発明の式(1)のトラン誘導体化合物の製造方法は、上記の製造方法に限定されず、種々の製造方法が採用され得る。
【0025】
式(1)のトラン誘導体化合物は、液晶化合物として有用な化合物である。該化合物は、Δn値が大であるとともに、Tc値が高く、また、化学的にも安定なだけでなく、特に他の液晶、または、非液晶等の他の材料との相溶性に優れる新規な材料である。したがって、該化合物を液晶組成物に含ませることによって、優れた液晶組成物とすることができる。例えば、従来の液晶組成物に式(1)のトラン誘導体化合物を含ませた液晶組成物は、Δnを大きくし、動作温度範囲を高温側に拡大することができる。
【0026】
液晶組成物とする場合には、通常は、式(1)のトラン誘導体化合物の少なくとも1種を、他の液晶化合物、非液晶質化合物、またはこれらの混合物に含ませる。液晶組成物中の式(1)のトラン誘導体化合物の量は、用途、使用目的、他の化合物の種類等によって適宜変更され得るが、通常の場合には、組成物の100重量部中に0.1〜50重量部程度が好ましく、特に0.1〜10重量部が好ましい。
【0027】
液晶組成物中に含ませる他の化合物としては、液晶組成物の用途、要求性能等により異なるが、通常は、液晶化合物および該液晶化合物に類似の構造を有する化合物を主成分とし、これに必要に応じた他の化合物を添加するのが好ましい。
【0028】
他の化合物の具体例としては、誘電異方性を向上させる成分、高温で液晶性を示す成分、低粘性成分、屈折率異方性値を調製する成分、コレステリック性を付与する成分、2色性を示す成分、導電性を付与する成分等が挙げられる。
液晶組成物中に含ませ得る他の化合物の例としては、以下の具体例が挙げられる。なお、下式におけるR7 、R8 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、またはシアノ基等の基を表し、Phは1,4−フェニレン基、Cyはトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表す。
【0029】
【化6】
7 −Cy−Cy−R8
7 −Cy−Ph−R8
7 −Ph−Ph−R8
7 −Ph−C≡C−Ph−R8
7 −Cy−COO−Ph−R8
7 −Ph−COO−Ph−R8
7 −Cy−CH=CH−Ph−R8
7 −Cy−CH2 CH2 −Ph−R8
7 −Ph−CH2 CH2 −Ph−R8
7 −Cy−Ph−Ph−R8
7 −Cy−Ph−C≡C−Ph−R8
7 −Ph−Ph−Ph−R8
7 −Cy−Ph−Ph−Cy−R8
7 −Ph−Ph−C≡C−Ph−R8
7 −Cy−COO−Ph−Ph−R8
7 −Cy−Ph−COO−Ph−R8
7 −Cy−COO−Ph−COO−Ph−R8
7 −Ph−COO−Ph−COO−Ph−R8
7 −Ph−COO−Ph−OCO−Ph−R8
【0030】
また、液晶組成物中に含ませる他の化合物としては、上記化合物に限定されない。例えば、上記化合物の環構造または末端基の水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、またはメチル基等へ置換されていてもよく、また、上記化合物の環構造または末端基の水素原子は、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリミジン環、またはジオキサン環等の他の六員環または五員環等へ置換されていてもよい。また、環と環との間に存在する結合基を他の結合基に変更してもよい。これらの置換または変更は、目的とする性能に合わせて適宜選択すればよい。
【0031】
本発明のトラン誘導体化合物を含む液晶組成物は、注入等の方法で液晶セルに導入し、さらに電極付の基板間に挟持されて液晶電気光学素子とせしめる。該液晶電気光学素子は、ツイストネマチック(TN)方式、ゲスト−ホスト(GH)方式、動的散乱方式、フェーズチェンジ方式、DAP方式、二周波駆動方式、強誘電性液晶表示方式等の種々のモードで使用することができる。
【0032】
代表的な液晶電気光学素子としては、TN型液晶電気光学素子が挙げられる。なお、ここでいう液晶電気光学素子は、表示用途以外、例えば、調光窓、光シャッタ、偏光変換素子等の用途にも使用することができる。
上記の液晶電気光学素子は、以下の方法で得ることができる。まず、プラスチック、ガラス等の基板上に、必要に応じてSiO2 、Al23 等のアンダーコート層やカラーフィルタ層を形成し、その上にIn23 −SnO2 (ITO)、SnO2 等の電極を設け、パターニングした後、必要に応じてポリイミド、ポリアミド、SiO2 、Al23 等のオーバーコート層を形成し、配向処理する。これにシール材を印刷し、電極面が相対向するように配して周辺をシールし、シール材を硬化して空セルを形成する。
【0033】
さらこの空セルに、本発明の液晶組成物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セルを構成する。液晶セルには、必要に応じて偏光板、カラー偏光板、光源、カラーフィルタ、半透過反射板、反射板、導光板、紫外線カットフィルタ等を積層し、次に、文字、図形等を印刷したり、ノングレア加工等をして液晶電気光学素子とする。
【0034】
なお、上述の説明は、液晶電気光学素子の基本的な構成および製法を示したに過ぎず、例えば2層電極を用いた基板、2層の液晶層を形成した2層液晶セル、TFT、MIM等の能動素子を形成したアクティブマトリクス基板を用いたアクティブマトリクス素子等、種々の構成のものを使用することができる。
【0035】
さらに、液晶電気光学素子は、上記のTN型以外のモード以外のモードにも使用することができ、具体的には、例えば高ツイスト角のスーパーツイストネマチック(STN)型液晶電気光学素子、多色性色素を用いたゲスト−ホスト(GH)型液晶電気光学素子、強誘電性液晶電気光学素子等が挙げられる。また、電気的にではなく、熱による書き込みをするタイプのものにも用いられる。
【0036】
【実施例】
[実施例1−1] 1−(4’−エトキシフェニルエチニル)−4−(4’’−プロピルフェニルエチニル)−2−フルオロベンゼンの合成例
2−フルオロ−4−ブロモヨードベンゼン5. 4g(18mmol)をトリエチルアミン30mlに溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0. 42g(0.36mmol)およびヨウ化第一銅0. 10g(0.54mmol)を添加した後、4−エトキシフェニルアセチレン2.6g(18mmol)を10℃以下で滴下し、同温度で1時間撹拌した。
【0037】
次いでこの反応液を氷水100mlおよび濃塩酸30mlの混合液中に撹拌しながら加え、トルエンにて抽出後、水洗、乾燥を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/トルエン展開)により精製し、溶媒留去後、エタノールにより再結晶を行い、2−フルオロ−4−ブロモ−4’−エトキシトラン3.5g(11mmol)を得た(収率61%)。この化合物の融点は79.2℃であった。
【0038】
この化合物2. 5g(7.8mmol)および4−プロピルフェニルアセチレン1.7g(12mmol)をトリエチルアミン30mlに溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0. 18g(0.16mmol)およびヨウ化第一銅0. 045g(0.23mmol)を添加した後、65℃で2時間撹拌した。
【0039】
次いでこの反応液を氷水100mlおよび濃塩酸30mlの混合液中に撹拌しながら加え、クロロホルムにて抽出後、水洗、乾燥を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/トルエン展開)により精製し、溶媒留去後、メタノール−トルエン混合溶媒により2回再結晶を行い、目的とする標記化合物1.9g(5.0mmol)を得た(収率64%)。この化合物の融点(C−N転移温度)は133.1℃、Tc(N−I転移温度)は259.7℃であった。
【0040】
1 H−NMR(CDCl3 溶媒、TMS基準) δ(ppm):0.89(triplet、CH3 CH2 CH2 −、3H)、1.37(triplet、CH3 CH2 O−、3H)、1.52〜1.67(multiplet、CH3 CH2 CH2 −、2H)、2.54(triplet、CH3 CH2 CH2 −、2H)、3.98(quartet、−CH2 O−、2H)、6.76〜7.42(multiplet、aromatic、11H)。
19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 基準) δ(ppm):−110.69〜−110.79(multiplet)。
MS m/e 382(M+ )。
【0041】
[実施例1−2]
実施例1−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに、対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表1に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Aに示す化合物を得た。ただし、式1A中、R2 はそれぞれ表1に示す基を表す。
なお、以下の実施例中に記載される化合物の例示において、R1 またはR2 がアルキル基である場合の構造は直鎖構造であることを示す。
【0042】
【化7】
Figure 0003856508
【0043】
【表1】
Figure 0003856508
【0044】
[実施例1−3]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに、対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表2に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Bに示す化合物を得た。ただし、式1B中、R1 はそれぞれ表2に示す基を表す。
【0045】
【表2】
Figure 0003856508
【0046】
[実施例1−4]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−メトキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がメチル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)においてR2 が表3に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Cに示す化合物を得た。ただし、式1C中、R2 はそれぞれ表3に示す基を表す。
【0047】
[実施例1−5]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−プロポキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がプロピル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表3に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Dに示す化合物を得た。ただし、式1D中、R2 はそれぞれ表3に示す基を表す。
【0048】
[実施例1−6]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ブトキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がブチル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表3に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Eに示す化合物を得た。ただし、式1E中、R2 はそれぞれ表3に示す基を表す。
【0049】
[実施例1−7]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ペンチルオキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がペンチル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表3に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Fに示す化合物を得た。ただし、式1F中、R2 はそれぞれ表3に示す基を表す。
【0050】
[実施例1−8]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ヘキシルオキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がヘキシル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表3に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Gに示す化合物を得た。ただし、式1G中、R2 はそれぞれ表3に示す基を表す。
【0051】
[実施例1−9]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ヘプチルオキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がヘプチル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表4に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Hに示す化合物を得た。ただし、式1H中、R2 はそれぞれ表4に示す基を表す。
【0052】
[実施例1−10]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−オクチルオキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がオクチル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表4に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Jに示す化合物を得た。ただし、式1J中、R2 はそれぞれ表4に示す基を表す。
【0053】
[実施例1−11]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ノニルオキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がノニル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表4に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Kに示す化合物を得た。ただし、式1K中、R2 はそれぞれ表4に示す基を表す。
【0054】
[実施例1−12]
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに4−デシルオキシフェニルアセチレン〔式(4)においてR1 がデシル基である化合物〕を用い、さらに4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表4に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式1Lに示す化合物を得た。ただし、式1L中、R2 はそれぞれ表4に示す基を表す。
【0055】
化8
Figure 0003856508
【0056】
【表3】
Figure 0003856508
【0057】
【表4】
Figure 0003856508
【0058】
[実施例2−1] 1−(4’−エトキシフェニルエチニル)−4−(4’’−プロピルフェニルエチニル)−3−フルオロベンゼンの合成例
実施例1−1の4−エトキシフェニルアセチレン〔式(4)。R1 がエチル基〕の代わりに4−プロピルフェニルアセチレン〔式(7)。R2 がプロピル基〕を用い、実施例1−1と同様に反応させることにより、2−フルオロ−4−ブロモ−4’−プロピルトラン 2.8g(8.8mmol)を得た(収率72%)。
【0059】
この化合物と、実施例1−1の4−プロピルフェニルアセチレン〔式(7)。R2 がプロピル基〕の代わりに4−エトキシフェニルアセチレン〔式(4)。R1 がエチル基〕を用い、実施例1−1と同様の方法で反応させることにより、目的とする標記化合物2.0g(5.1mmol)を得た(収率58%)。
MS m/e 382(M+ )。
【0060】
[実施例2−2]
実施例2−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに、対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表に示される化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Aに示す化合物を得た。ただし、式2A中、R1 はそれぞれ表に示す基を表す。
【0061】
【化9】
Figure 0003856508
【0062】
【表5】
Figure 0003856508
【0063】
[実施例2−3]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−メチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がメチル基である化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表6に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Bに示す化合物を得た。ただし、式2B中、R1 はそれぞれ表6に示す基を表す。
【0064】
[実施例2−4]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−エチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がエチル基の化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表6に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Cに示す化合物を得た。ただし、式2C中、R1 はそれぞれ表6に示す基を表す。
【0065】
[実施例2−5]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ブチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がブチル基である化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表6に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Dに示す化合物を得た。ただし、式2D中、R1 はそれぞれ表6に示す基を表す。
【0066】
[実施例2−6]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ペンチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2がペンチル基である化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表6に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Eに示す化合物を得た。ただし、式2E中、R1 はそれぞれ表6に示す基を表す。
【0067】
[実施例2−7]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ヘキシルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がヘキシル基である化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表6に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Fに示す化合物を得た。ただし、式2F中、R1 はそれぞれ表6に示す基を表す。
【0068】
[実施例2−8]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ヘプチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がヘプチル基である化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表7に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Gに示す化合物を得た。ただし、式2G中、R1 はそれぞれ表7に示す基を表す。
【0069】
[実施例2−9]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−オクチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がオクチル基である化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表7に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Hに示す化合物を得た。ただし、式2H中、R1 はそれぞれ表7に示す基を表す。
【0070】
[実施例2−10]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ノニルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がノニル基である化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表7に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Jに示す化合物を得た。ただし、式2J中、R1 はそれぞれ表7に示す基を表す。
【0071】
[実施例2−11]
実施例2−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−デシルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がデシル基である化合物〕を用い、また、4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表7に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式2Kに示す化合物を得た。ただし、式2K中、R1 はそれぞれ表7に示す基を表す。
【0072】
【化10】
Figure 0003856508
【0073】
【表6】
Figure 0003856508
【0074】
【表7】
Figure 0003856508
【0075】
[実施例3−1] 1−(4’−エトキシフェニルエチニル)−4−(4’’−プロピルフェニルエチニル)−2,3−ジフルオロベンゼンの合成例
実施例1−1における2−フルオロ−4−ブロモヨードベンゼンの代わりに2,3−ジフルオロ−4−ブロモヨードベンゼンを用い、これを4−エトキシフェニルアセチレンを実施例1−1と同様の方法で反応させることにより、2,3−ジフルオロ−4−ブロモ−4’−エトキシトラン 1.8g(5.3mmol)を得た(収率58%)。
この化合物と、4−プロピルフェニルアセチレンを、実施例1−1と同様の方法で反応させることにより、目的とする標記化合物0.8g(2.0mmol)を得た(収率38%)。
MS m/e 400(M+ )。
【0076】
[実施例3−2]
実施例3−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに、対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表11に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Aに示す化合物を得た。ただし、式3A中、R1 はそれぞれ表11に示す基を表す。
【0077】
[実施例3−3]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−メチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がメチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表11に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Bに示す化合物を得た。ただし、式3B中、R1 はそれぞれ表11に示す基を表す。
【0078】
[実施例3−4]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−エチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がエチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表11に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Cに示す化合物を得た。ただし、式3C中、R1 はそれぞれ表11に示す基を表す。
【0079】
[実施例3−5]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ブチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がブチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表11に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Dに示す化合物を得た。ただし、式3D中、R1 はそれぞれ表11に示す基を表す。
【0080】
[実施例3−6]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ペンチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がペンチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表11に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Eに示す化合物を得た。ただし、式3E中、R1 はそれぞれ表11に示す基を表す。
【0081】
[実施例3−7]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ヘキシルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がヘキシル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表12に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Fに示す化合物を得た。ただし、式3F中、R1 はそれぞれ表12に示す基を表す。
【0082】
[実施例3−8]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ヘプチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がヘプチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表12に示される基である〕を用いて同様に反応させ、式3Gに示す化合物を得た。ただし、式3G中、R1 はそれぞれ表12に示す基を表す。
【0083】
[実施例3−9]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−オクチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がオクチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表12に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Hに示す化合物を得た。ただし、式3H中、R1 はそれぞれ表12に示す基を表す。
【0084】
[実施例3−10]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ノニルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がノニル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表12に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Jに示す化合物を得た。ただし、式3J中、R1 はそれぞれ表12に示す基を表す。
【0085】
[実施例3−11]
実施例3−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−デシルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がデシル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表12に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式3Kに示す化合物を得た。ただし、式3K中、R1 はそれぞれ表12に示す基を表す。
【0086】
【化11】
Figure 0003856508
【0087】
【表11】
Figure 0003856508
【0088】
【表12】
Figure 0003856508
【0089】
[実施例4−1] 1−(4’−エトキシフェニルエチニル)−4−(4’’−プロピルフェニルエチニル)−3,5−ジフルオロベンゼンの合成例
実施例1−1における2−フルオロ−4−ブロモヨードベンゼンの代わりに3,5−ジフルオロ−4−ブロモヨードベンゼンを用い、これを4−エトキシフェニルアセチレンを実施例1−1と同様の方法で反応させることにより、3,5−ジフルオロ−4−ブロモ−4’−エトキシトラン 2.2g(6.5mmol)を得た(収率52%)。
この化合物と、4−プロピルフェニルアセチレンを、実施例1−1と同様の方法で反応させることにより、目的とする標記化合物1.2g(2.9mmol)を得た(収率45%)。
MS m/e 400(M+ )。
【0090】
[実施例4−2]
実施例4−1の4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに、対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表13に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Aに示す化合物を得た。ただし、式4A中、R1 はそれぞれ表13に示す基を表す。
【0091】
[実施例4−3]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−メチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がメチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表13に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Bに示す化合物を得た。ただし、式4B中、R1 はそれぞれ表13に示す基を表す。
【0092】
[実施例4−4]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−エチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がエチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わり対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表13に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Cに示す化合物を得た。ただし、式4C中、R1 はそれぞれ表13に示す基を表す。
【0093】
[実施例4−5]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ブチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がブチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表13に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Dに示す化合物を得た。ただし、式4D中、R1 はそれぞれ表13に示す基を表す。
【0094】
[実施例4−6]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ペンチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がペンチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表13に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Eに示す化合物を得た。ただし、式4E中、R1 はそれぞれ表13に示す基を表す。
【0095】
[実施例4−7]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ヘキシルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がヘキシル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表14に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Fに示す化合物を得た。ただし、式4F中、R1 はそれぞれ表14に示す基を表す。
【0096】
[実施例4−8]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ヘプチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がヘプチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表14に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Gに示す化合物を得た。ただし、式4G中、R1 はそれぞれ表14に示す基を表す。
【0097】
[実施例4−9]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−オクチルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がオクチル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表14に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Hに示す化合物を得た。ただし、式4H中、R1 はそれぞれ表14に示す基を表す。
【0098】
[実施例4−10]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−ノニルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がノニル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表14に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Jに示す化合物を得た。ただし、式4J中、R1 はそれぞれ表14に示す基を表す。
【0099】
[実施例4−11]
実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに4−デシルフェニルアセチレン〔式(7)においてR2 がデシル基である化合物〕を用い、さらに4−エトキシフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(4)のR1 が表14に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式4Kに示す化合物を得た。ただし、式4K中、R1 はそれぞれ表14に示す基を表す。
【0100】
【化12】
Figure 0003856508
【0101】
【表13】
Figure 0003856508
【0102】
【表14】
Figure 0003856508
【0103】
[実施例5−1] 1−(4’−プロピルフェニルエチニル)−4−(4’’−メトキシフェニルエチニル)−3,5−ジフルオロベンゼンの合成例
実施例4−1の4−エトキシフェニルアセチレン〔式(4)。R1 がエチル基〕の代わりに4−プロピルフェニルアセチレン〔式(7)。R2 がプロピル基〕を用い、実施例4−1と同様に反応させることにより、3,5−ジフルオロ−4−ブロモ−4’−プロピルトラン2.4g(7.2mmol)を得た(収率48%)。
【0104】
この化合物と、実施例4−1の4−プロピルフェニルアセチレン〔式(7)。R2 がプロピル基〕の代わりに4−メトキシフェニルアセチレン〔式(4)。R1 がメチル基〕を用い、実施例4−1と同様の方法で反応させることにより、目的とする標記化合物1.7g(4.3mmol)を得た(収率60%)。
MS m/e 386(M+ )。
【0105】
[実施例5−2]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表15に示される基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Aに示す化合物を得た。ただし、式5A中、R2 はそれぞれ表15に示す基を表す。
【0106】
[実施例5−3]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表15に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−エトキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がエチル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Bに示す化合物を得た。ただし、式5B中、R2 はそれぞれ表15に示す基を表す。
【0107】
[実施例5−4]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表15に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−プロピルオキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がプロピル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Cに示す化合物を得た。ただし、式5C中、R2 はそれぞれ表15に示す基を表す。
【0108】
[実施例5−5]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表15に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ブチルオキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がブチル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Dに示す化合物を得た。ただし、式5D中、R2 はそれぞれ表15に示す基を表す。
【0109】
[実施例5−6]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表15に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ペンチルオキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がペンチル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Eに示す化合物を得た。ただし、式5E中、R2 はそれぞれ表15に示す基を表す。
【0110】
[実施例5−7]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表16に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ヘキシルオキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がヘキシル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Fに示す化合物を得た。ただし、式5F中、R2 はそれぞれ表16に示す基を表す。
【0111】
[実施例5−8]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表16に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ヘプチルオキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がヘプチル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Gに示す化合物を得た。ただし、式5G中、R2 はそれぞれ表16に示す基を表す。
【0112】
[実施例5−9]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表16に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−オクチルオキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がオクチル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Hに示す化合物を得た。ただし、式5H中、R2 はそれぞれ表16に示す基を表す。
【0113】
[実施例5−10]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表16に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−ノニルオキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がノニル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Jに示す化合物を得た。ただし、式5J中、R2 はそれぞれ表16に示す基を表す。
【0114】
[実施例5−11]
実施例5−1の4−プロピルフェニルアセチレンの代わりに対応するフェニルアセチレン誘導体〔式(7)のR2 が表16に示される基である化合物〕を用い、また、4−メトキシフェニルアセチレンの代わりに4−デシルオキシフェニルアセチレン誘導体〔式(4)においてR1 がデシル基である化合物〕を用いて同様に反応させ、式5Kに示す化合物を得た。ただし、式5K中、R2 はそれぞれ表16に示す基を表す。
【0115】
【化13】
Figure 0003856508
【0116】
【表15】
Figure 0003856508
【0117】
【表16】
Figure 0003856508
【0118】
[実施例6]
メルク社製液晶組成物ZLI−1565のTcは85. 9℃であり、25℃での屈折率異方性値(Δn)は0.125である。この組成物90重量部に、実施例1−1で合成した化合物である1−(4’−エトキシフェニルエチニル)−4−(4’’−プロピルフェニルエチニル)−2−フルオロベンゼンを10重量部添加したところ、組成物のTcは103. 4℃へと大幅に上昇し、Δn(25℃)も0.160へと大幅に上昇した。また、この組成物を25℃で10日間放置したところ、結晶の析出はみられなかった。
【0119】
[比較例1]
メルク社製液晶組成物ZLI−1565の90重量部に、公知化合物である、1−(4’−プロピルフェニルエチニル)−4−(4’’−プロピルフェニルエチニル)−2−フルオロベンゼン(特開平6−316541号公報記載の化合物)を10重量部添加したところ、組成物のTcは99. 1℃となり、Δn(25℃)は0.156となった。このことより、本発明の化合物を含有した液晶組成物の方が、Δnが大きく、動作温度範囲もより高温側に拡大していることがわかった。
【0120】
[比較例2]
メルク社製液晶組成物ZLI−1565の95重量部に、公知化合物である、4−プロピル−4’−(4’’−プロピルフェニルエチニル)トラン(特開平1−305040号公報記載の化合物)を5重量部添加し、25℃で3日間放置したところ、結晶の析出がみられた。
【0121】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のトラン誘導体化合物は、大きな屈折率異方性値(Δn)を有すると同時に、高いN−I転移温度(Tc)を有しており、また、化学的にも安定なだけでなく、特に他の液晶、または、非液晶等の他の材料との相溶性に優れる、新規な材料である。したがって、本発明のトラン誘導体化合物を他の材料に含ませることにより、その液晶組成物のΔnを大きくし、動作温度範囲を高温側に拡大することが可能となり、化学的にも安定な液晶組成物を構成させ得る効果を生ずる。よって、本発明の液晶組成物を用いることにより、応答速度が速く、しかも干渉縞がなく、動作温度範囲の広い液晶電気光学素子を得ることができる。

Claims (5)

  1. 下式(1)で表されるトラン誘導体化合物。ただし、式(1)におけるR1、R2、およびX1〜X4は下記の意味を示す。
    1:炭素数1〜10の直鎖の脂肪族炭化水素基。
    2:水素原子または炭素数1〜10の直鎖の脂肪族炭化水素基。
    1、X2、X3、およびX4:それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子であり、かつ、X1〜X4の1つ以上はフッ素原子。
    Figure 0003856508
  2. 前記脂肪族炭化水素基が、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基である請求項1に記載のトラン誘導体化合物。
  3. 前記1およびR2が炭素数1〜10の直鎖のアルキル基である請求項1または2のトラン誘導体化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかのトラン誘導体化合物を含有する液晶組成物。
  5. 請求項の液晶組成物を、電極付の基板間に挟持してなる、液晶電気光学素子。
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