JP3855883B2 - リジッドフレキシブル多層プリント配線板の製造法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品実装をできるリジッド部と曲げ可能なフレキシブル部とを有するリジッドフレキシブル多層プリント配線板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リジッドフレキシブル多層プリント配線板は、リジッドな(硬い)多層プリント配線板と曲げが可能な少なくとも1枚のフレキシブルプリント配線板を物理的にも電気的にも連結した構造を有し、全体で一つのプリント配線板として機能する。二つのリジッド部をフレキシブル部で連結した構成では、フレキシブル部を曲げることにより二つのリジッド部を重ねることができ、狭い空間にプリント配線板を収容するのに好都合である。また、リジッド部からフレキシブル部を引出した構成では、フレキシブル部に、プリント配線板を他へ接続するためのフラットケーブル及びコネクタとしての機能を持たせることも可能である。
【0003】
従来、リジッドフレキシブルプリント配線板は、次のような工程で製造されている。図8(a)に示すように、フレキシブルな内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を内側から外側へこの順に重ね、これらを加熱加圧成形により一体化してシールド板を製造するに際し、離型性金属箔4を内層プリント配線板1とプリプレグ2との間に配置しておく。離型性金属4の配置箇所は、後に露出させる内層プリント配線板1の対応箇所である。また、離型性金属箔4の大きさを、後に露出させる内層プリント配線板1の対応箇所の大きさより若干大きくしておく。
【0004】
このように成形したシールド板表面の金属箔をエッチング加工して所定のプリント配線を形成する。そして、加熱加圧成形したプリプレグ2により構成された絶縁層2’にレーザ光を照射して前記離型性金属箔4に達する溝を入れて、図8(b)に示すように、離型性金属箔4上の絶縁層2’を離型性金属箔4と共に取り除き、内層プリント配線板1の一部を露出させる。当該露出部はフレキシブル部6であり、非露出部は4層のプリント配線を有するリジッド部5である。
離型性金属箔4は、レーザ光のそれ以上の侵入を阻止する遮蔽層としての役目をもち、取り除く絶縁層の領域より若干大きい形状で位置精度良く配置されなければならない。このような技術は、例えば、特開2000−307247号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術においては、絶縁層を介してプリント配線を多層化するに当たって、離型性金属箔の正確な位置決めを行なうと共に位置ずれ防止策を講じる必要がある。また、絶縁層を離型性金属箔と共に取り除くと、フレキシブル部のプリント配線が露出するので、この部分を必要に応じて可撓性のカバーレイフィルムで覆い絶縁する必要がある。しかし、リジッド部とフレキシブル部の間には段差があるので、フレキシブル部にカバーレイフィルムを熱圧着するためには、前記段差に応じた形状の熱盤が必要となり、少量多品種の製造には対応が難しい。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、所定領域の絶縁層の一部を取り除くことによりその厚さを薄くし、当該領域をフレキシブルにしたリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造するに当たり、所定領域の絶縁層の位置精度良い取り除きを容易に行なえるようにし、フレキシブル部のプリント配線を絶縁層で覆うことも容易に行なえるようにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る製造法は、内層と外層に樹脂絶縁層を介してプリント配線を有する多層プリント配線板を製造するに当たり、次の点を特徴とする。
すなわち、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工して内層のプリント配線を形成するときに、当該プリント配線から独立した所定領域は金属箔をエッチングせず遮蔽用として残す。そして、樹脂絶縁層を介してプリント配線を多層化した後、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。絶縁層に照射したレーザ光は、遮蔽用金属箔に達すると遮蔽用金属箔に阻まれてそれ以上は進まないので、遮蔽用金属箔より上に位置する絶縁層だけを取り除くことができる。絶縁層と金属箔とでは、レーザ光の吸収に著しい差があり、金属箔はレーザ光を反射することを利用して、レーザ光により絶縁層を選択的に分解除去するのである。さらに、前記遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去し、板厚の薄くなった当該領域をフレキシブル部とする。
【0008】
本発明においては、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工して内層のプリント配線を形成するときに遮蔽用金属箔の領域も同時に形成される。従って、遮蔽用金属箔の領域を位置精度良く配置することができる。また、遮蔽用金属箔は樹脂絶縁層に一体化されているので、樹脂絶縁層を介してプリント配線を多層化するときに位置ずれを起こすこともない。遮蔽用金属箔を取り除いた下側は絶縁層であり、内層のプリント配線は露出しない。
【0009】
レーザ光を照射して樹脂絶縁層を一部取り除いた領域は、多層のプリント配線板全体厚から見れば厚さが薄いのでフレキシブル部である。一方、樹脂絶縁層を取り除かない領域は厚さが厚くリジッド部である。本発明においてフレキシブルとは、絶縁層を繰返して曲げ可能な性質をいうだけでなく、少なくとも1回はクラックや白化を生じることなく小さな力で絶縁層を曲げることができる性質をいう。
【0010】
内層と外層に樹脂絶縁層を介してプリント配線を有する多層プリント配線板を製造する工程は種々あり、例示すると次のとおりである。
(1)樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板の両面にプリプレグと金属箔を内側から外側へこの順に重ねる。これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法。
(2)樹脂絶縁層に一体化された両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料を2枚用意する。これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグを挟んで加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法。
(3)両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料2枚と、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板を用意する。プリント配線形成面を内側にして向き合せた前記2枚の材料の間に前記内層プリント配線板を配置し、各層間にプリプレグを挟む。これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法。
【0011】
上記(1)の場合は、内層プリント配線板の当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用として残す。そして、上記加熱加圧成形による一体化の後に、遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とする。
【0012】
上記(2)の場合は、片面にプリント配線を形成した材料の当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用として残す。そして、上記加熱加圧成形による一体化の後に、遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とする。
【0013】
上記(3)の場合は、片面にプリント配線を形成した材料の当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用として残す。そして、加熱加圧成形による一体化の後に、遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とする。
【0014】
本発明において、「外層の絶縁層から遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。」とは、文言どおり遮蔽用金属箔より上の絶縁層を全てレーザ光の照射により除去する場合だけでなく、外層の絶縁層から所定厚さをルータ加工等の機械切削により除去してから、遮蔽用金属箔に達する残り厚さをレーザ光の照射により除去する場合を含む。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施例1(図1参照)
樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を内側から外側へこの順に重ねる。これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法である。
本実施例においては、内層プリント配線板1は、金属箔をエッチングしてプリント配線を形成するときに、当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。遮蔽用金属箔3’の領域に対応する内層プリント配線板1の反対面には、プリント配線を形成する。この内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を内側から外側へこの順に重ね(図1(a))、これらを加熱加圧成形により一体化した後、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層2’から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層2’を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、内層にプリント配線を有しその両面が絶縁層で覆われたフレキシブル部6となる(図1(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホールが設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
【0016】
上記の例は、内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を重ねて加熱加圧成形する工程(ビルドアップ)を1回だけ実施している。しかし、ビルドアップを複数回繰り返してもよい。その場合は、ビルドアップを全て完了した後に、上記所定領域の絶縁層と遮蔽用金属箔を取り除く工程を実施する。
【0017】
上記あるいは以下に述べる実施例において、内層プリント配線板1の樹脂絶縁層には、ポリエステルフィルムやポリイミドフィルムからなる絶縁層のほか、ガラス繊維の織布・不織布や有機繊維の織布・不織布に熱硬化性樹脂を含浸し加熱加圧成形により構成した絶縁層を採用することができる。後者の絶縁層は前者の絶縁層ほどフレキシブルではない。しかし、厚さが薄ければ(おおよそ190μm以下)小さな力で十分に曲げることができる。熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド、不飽和ポリエステルなどを適宜選択する。曲げを容易にするために、変性により可撓性を付与した熱硬化性樹脂を採用してもよい。
【0018】
プリプレグ2は、上記の織布・不織布にエポキシ樹脂、ポリイミド、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂を含浸乾燥したものである。有機繊維の織布・不織布に熱硬化性樹脂を含浸乾燥したプリプレグを加熱加圧成形した絶縁層はレーザ加工性がよく、有機繊維の織布・不織布としてアラミド繊維不織布は好ましいものである。絶縁層2’に照射するレーザ光の種類は、CO2レーザや紫外線レーザなどである。
【0019】
プリント配線を構成する金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔など、プリント配線の目的に応じて適宜選択する。
【0020】
実施例2(図2参照)
上記実施例1において、内層プリント配線板1は、金属箔をエッチングしてプリント配線を形成するときに、当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。遮蔽用金属箔3’の領域に対応する内層プリント配線板1の反対面には、プリント配線を形成しない。この内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を内側から外側へこの順に重ね(図2(a))、これらを加熱加圧成形により一体化した後、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層2’から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層2’を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、表層にプリント配線を有するフレキシブル部6となる(図2(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホールが設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
本実施例では、フレキシブル部6のプリント配線は露出したままであるが、当該プリント配線は、リジッド部5の表層プリント配線と同一表面上にあるので、その被覆作業は容易である。
【0021】
実施例3(図3参照)
樹脂絶縁層に一体化された両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料を2枚用意する。これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグ2を挟んで加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法である。
本実施例においては、片面にプリント配線を形成した材料の一方については、当該プリント配線から独立した所定領域で、金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。片面にプリント配線を形成した材料の他方は、前記遮蔽用金属箔3’の領域に対応する面にプリント配線を形成する。そして、これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグ2を挟んで(図3(a))、加熱加圧成形により一体化する。
上記一体化の後に、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、内層にプリント配線を有しその両面が絶縁層で覆われたフレキシブル部6となる(図3(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホール8が設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
【0022】
実施例4(図4参照)
上記実施例3において、片面にプリント配線を形成した材料の一方については、当該プリント配線から独立した所定領域で、金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。片面にプリント配線を形成した材料の他方は、前記遮蔽用金属箔3’の領域に対応する面にプリント配線を形成しない。そして、これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグ2を挟んで(図4(a))、加熱加圧成形により一体化する。
上記一体化の後に、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、表層にプリント配線を有するフレキシブル部6となる(図4(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホール8が設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
本実施例では、フレキシブル部6のプリント配線は露出したままであるが、当該プリント配線は、リジッド部5の表層プリント配線と同一表面上にあるので、その被覆作業は容易である。
【0023】
実施例5(図5参照)
両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料2枚と、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板1を用意する。プリント配線形成面を内側にして向き合せた前記2枚の材料の間に内層プリント配線板1を配置し、各層間にプリプレグ2を挟む。これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法である。
本実施例においては、片面にプリント配線を形成した材料2枚のそれぞれについて、当該プリント配線から独立した所定領域の金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。そして、これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間に内層プリント配線板1を配置し、各層間にプリプレグ2を挟んで(図5(a))、加熱加圧成形により一体化する。
上記一体化の後に、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する両表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、内層に2層のプリント配線を有しその両面が絶縁層2’で覆われたフレキシブル部6となる(図5(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、両表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホールが設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
【0024】
上記実施例5において説明した(図5(b))に示すように、さらに、フレキシブル部6の表面絶縁層2’からプリント配線に達するレーザ光を照射し、表面絶縁層2’を取り除いて当該プリント配線の一部を露出させる実施の態様もある。この場合、フレキシブル部6に、プリント配線板を他へ接続するためのフラットケーブル及びコネクタとしての機能を持たせることが可能となる。ほかの実施例においても、同様の構成を付加することができる。
【0025】
実施例6(図6、図7参照)
上述した実施例1〜5を発展させ、図6に示すように(配線パターンの図示を省略してある)、二つのリジッド部5の間にフレキシブル部6を配置し、リジッド部間をフレキシブル部で連結した構成にすることができる。この構成によれば、フレキシブル部6を曲げることによりリジッド部5を重ねることができ、狭い空間にプリント配線板を収容するのに好都合である。同様に、三つ以上のリジッド部間をフレキシブル部で連結し、各フレキシブル部をつづら折りしてリジッド部を重ね合せることもできる。
また、上述した実施例1〜5を発展させ、図7に示すように(配線パターンの図示を省略してある)、異なる二つの層に位置する内層プリント配線を、異なるフレキシブル部6とすることができる。異なる二つのフレキシブル部6は、上面から見たとき重ならない位置に配置する。重ならない位置に配置することにより、レーザ光照射による絶縁層の取り除きが可能になる。
【0026】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る方法によれば、フレキシブル部のプリント配線を絶縁層で覆ったリジッドフレキシブルプリント配線板を容易に製造することが可能となる。絶縁層の一部を取り除いてフレキシブル部とする加工も、位置精度よく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る実施例2によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る実施例3によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図4】本発明に係る実施例4によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る実施例5によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図6】本発明に係る実施例6により製造したリジッドフレキシブル多層プリント配線板を示す断面説明図である。
【図7】本発明に係る実施例6により製造した別のリジッドフレキシブル多層プリント配線板を示す断面説明図である。
【図8】従来の技術によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1は内層プリント配線板
2はプリプレグ
2’は絶縁層
3は金属箔
3’は遮蔽用金属箔
4は離型性金属箔
5はリジッド部
6はフレキシブル部
7はスルーホール
8はビアホール
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品実装をできるリジッド部と曲げ可能なフレキシブル部とを有するリジッドフレキシブル多層プリント配線板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リジッドフレキシブル多層プリント配線板は、リジッドな(硬い)多層プリント配線板と曲げが可能な少なくとも1枚のフレキシブルプリント配線板を物理的にも電気的にも連結した構造を有し、全体で一つのプリント配線板として機能する。二つのリジッド部をフレキシブル部で連結した構成では、フレキシブル部を曲げることにより二つのリジッド部を重ねることができ、狭い空間にプリント配線板を収容するのに好都合である。また、リジッド部からフレキシブル部を引出した構成では、フレキシブル部に、プリント配線板を他へ接続するためのフラットケーブル及びコネクタとしての機能を持たせることも可能である。
【0003】
従来、リジッドフレキシブルプリント配線板は、次のような工程で製造されている。図8(a)に示すように、フレキシブルな内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を内側から外側へこの順に重ね、これらを加熱加圧成形により一体化してシールド板を製造するに際し、離型性金属箔4を内層プリント配線板1とプリプレグ2との間に配置しておく。離型性金属4の配置箇所は、後に露出させる内層プリント配線板1の対応箇所である。また、離型性金属箔4の大きさを、後に露出させる内層プリント配線板1の対応箇所の大きさより若干大きくしておく。
【0004】
このように成形したシールド板表面の金属箔をエッチング加工して所定のプリント配線を形成する。そして、加熱加圧成形したプリプレグ2により構成された絶縁層2’にレーザ光を照射して前記離型性金属箔4に達する溝を入れて、図8(b)に示すように、離型性金属箔4上の絶縁層2’を離型性金属箔4と共に取り除き、内層プリント配線板1の一部を露出させる。当該露出部はフレキシブル部6であり、非露出部は4層のプリント配線を有するリジッド部5である。
離型性金属箔4は、レーザ光のそれ以上の侵入を阻止する遮蔽層としての役目をもち、取り除く絶縁層の領域より若干大きい形状で位置精度良く配置されなければならない。このような技術は、例えば、特開2000−307247号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術においては、絶縁層を介してプリント配線を多層化するに当たって、離型性金属箔の正確な位置決めを行なうと共に位置ずれ防止策を講じる必要がある。また、絶縁層を離型性金属箔と共に取り除くと、フレキシブル部のプリント配線が露出するので、この部分を必要に応じて可撓性のカバーレイフィルムで覆い絶縁する必要がある。しかし、リジッド部とフレキシブル部の間には段差があるので、フレキシブル部にカバーレイフィルムを熱圧着するためには、前記段差に応じた形状の熱盤が必要となり、少量多品種の製造には対応が難しい。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、所定領域の絶縁層の一部を取り除くことによりその厚さを薄くし、当該領域をフレキシブルにしたリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造するに当たり、所定領域の絶縁層の位置精度良い取り除きを容易に行なえるようにし、フレキシブル部のプリント配線を絶縁層で覆うことも容易に行なえるようにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る製造法は、内層と外層に樹脂絶縁層を介してプリント配線を有する多層プリント配線板を製造するに当たり、次の点を特徴とする。
すなわち、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工して内層のプリント配線を形成するときに、当該プリント配線から独立した所定領域は金属箔をエッチングせず遮蔽用として残す。そして、樹脂絶縁層を介してプリント配線を多層化した後、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。絶縁層に照射したレーザ光は、遮蔽用金属箔に達すると遮蔽用金属箔に阻まれてそれ以上は進まないので、遮蔽用金属箔より上に位置する絶縁層だけを取り除くことができる。絶縁層と金属箔とでは、レーザ光の吸収に著しい差があり、金属箔はレーザ光を反射することを利用して、レーザ光により絶縁層を選択的に分解除去するのである。さらに、前記遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去し、板厚の薄くなった当該領域をフレキシブル部とする。
【0008】
本発明においては、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工して内層のプリント配線を形成するときに遮蔽用金属箔の領域も同時に形成される。従って、遮蔽用金属箔の領域を位置精度良く配置することができる。また、遮蔽用金属箔は樹脂絶縁層に一体化されているので、樹脂絶縁層を介してプリント配線を多層化するときに位置ずれを起こすこともない。遮蔽用金属箔を取り除いた下側は絶縁層であり、内層のプリント配線は露出しない。
【0009】
レーザ光を照射して樹脂絶縁層を一部取り除いた領域は、多層のプリント配線板全体厚から見れば厚さが薄いのでフレキシブル部である。一方、樹脂絶縁層を取り除かない領域は厚さが厚くリジッド部である。本発明においてフレキシブルとは、絶縁層を繰返して曲げ可能な性質をいうだけでなく、少なくとも1回はクラックや白化を生じることなく小さな力で絶縁層を曲げることができる性質をいう。
【0010】
内層と外層に樹脂絶縁層を介してプリント配線を有する多層プリント配線板を製造する工程は種々あり、例示すると次のとおりである。
(1)樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板の両面にプリプレグと金属箔を内側から外側へこの順に重ねる。これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法。
(2)樹脂絶縁層に一体化された両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料を2枚用意する。これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグを挟んで加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法。
(3)両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料2枚と、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板を用意する。プリント配線形成面を内側にして向き合せた前記2枚の材料の間に前記内層プリント配線板を配置し、各層間にプリプレグを挟む。これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法。
【0011】
上記(1)の場合は、内層プリント配線板の当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用として残す。そして、上記加熱加圧成形による一体化の後に、遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とする。
【0012】
上記(2)の場合は、片面にプリント配線を形成した材料の当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用として残す。そして、上記加熱加圧成形による一体化の後に、遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とする。
【0013】
上記(3)の場合は、片面にプリント配線を形成した材料の当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用として残す。そして、加熱加圧成形による一体化の後に、遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とする。
【0014】
本発明において、「外層の絶縁層から遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去する。」とは、文言どおり遮蔽用金属箔より上の絶縁層を全てレーザ光の照射により除去する場合だけでなく、外層の絶縁層から所定厚さをルータ加工等の機械切削により除去してから、遮蔽用金属箔に達する残り厚さをレーザ光の照射により除去する場合を含む。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施例1(図1参照)
樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を内側から外側へこの順に重ねる。これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法である。
本実施例においては、内層プリント配線板1は、金属箔をエッチングしてプリント配線を形成するときに、当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。遮蔽用金属箔3’の領域に対応する内層プリント配線板1の反対面には、プリント配線を形成する。この内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を内側から外側へこの順に重ね(図1(a))、これらを加熱加圧成形により一体化した後、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層2’から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層2’を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、内層にプリント配線を有しその両面が絶縁層で覆われたフレキシブル部6となる(図1(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホールが設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
【0016】
上記の例は、内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を重ねて加熱加圧成形する工程(ビルドアップ)を1回だけ実施している。しかし、ビルドアップを複数回繰り返してもよい。その場合は、ビルドアップを全て完了した後に、上記所定領域の絶縁層と遮蔽用金属箔を取り除く工程を実施する。
【0017】
上記あるいは以下に述べる実施例において、内層プリント配線板1の樹脂絶縁層には、ポリエステルフィルムやポリイミドフィルムからなる絶縁層のほか、ガラス繊維の織布・不織布や有機繊維の織布・不織布に熱硬化性樹脂を含浸し加熱加圧成形により構成した絶縁層を採用することができる。後者の絶縁層は前者の絶縁層ほどフレキシブルではない。しかし、厚さが薄ければ(おおよそ190μm以下)小さな力で十分に曲げることができる。熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド、不飽和ポリエステルなどを適宜選択する。曲げを容易にするために、変性により可撓性を付与した熱硬化性樹脂を採用してもよい。
【0018】
プリプレグ2は、上記の織布・不織布にエポキシ樹脂、ポリイミド、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂を含浸乾燥したものである。有機繊維の織布・不織布に熱硬化性樹脂を含浸乾燥したプリプレグを加熱加圧成形した絶縁層はレーザ加工性がよく、有機繊維の織布・不織布としてアラミド繊維不織布は好ましいものである。絶縁層2’に照射するレーザ光の種類は、CO2レーザや紫外線レーザなどである。
【0019】
プリント配線を構成する金属箔は、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔など、プリント配線の目的に応じて適宜選択する。
【0020】
実施例2(図2参照)
上記実施例1において、内層プリント配線板1は、金属箔をエッチングしてプリント配線を形成するときに、当該プリント配線から独立した所定領域では、金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。遮蔽用金属箔3’の領域に対応する内層プリント配線板1の反対面には、プリント配線を形成しない。この内層プリント配線板1の両面にプリプレグ2と金属箔3を内側から外側へこの順に重ね(図2(a))、これらを加熱加圧成形により一体化した後、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層2’から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層2’を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、表層にプリント配線を有するフレキシブル部6となる(図2(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホールが設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
本実施例では、フレキシブル部6のプリント配線は露出したままであるが、当該プリント配線は、リジッド部5の表層プリント配線と同一表面上にあるので、その被覆作業は容易である。
【0021】
実施例3(図3参照)
樹脂絶縁層に一体化された両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料を2枚用意する。これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグ2を挟んで加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法である。
本実施例においては、片面にプリント配線を形成した材料の一方については、当該プリント配線から独立した所定領域で、金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。片面にプリント配線を形成した材料の他方は、前記遮蔽用金属箔3’の領域に対応する面にプリント配線を形成する。そして、これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグ2を挟んで(図3(a))、加熱加圧成形により一体化する。
上記一体化の後に、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、内層にプリント配線を有しその両面が絶縁層で覆われたフレキシブル部6となる(図3(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホール8が設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
【0022】
実施例4(図4参照)
上記実施例3において、片面にプリント配線を形成した材料の一方については、当該プリント配線から独立した所定領域で、金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。片面にプリント配線を形成した材料の他方は、前記遮蔽用金属箔3’の領域に対応する面にプリント配線を形成しない。そして、これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグ2を挟んで(図4(a))、加熱加圧成形により一体化する。
上記一体化の後に、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、表層にプリント配線を有するフレキシブル部6となる(図4(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホール8が設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
本実施例では、フレキシブル部6のプリント配線は露出したままであるが、当該プリント配線は、リジッド部5の表層プリント配線と同一表面上にあるので、その被覆作業は容易である。
【0023】
実施例5(図5参照)
両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料2枚と、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板1を用意する。プリント配線形成面を内側にして向き合せた前記2枚の材料の間に内層プリント配線板1を配置し、各層間にプリプレグ2を挟む。これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法である。
本実施例においては、片面にプリント配線を形成した材料2枚のそれぞれについて、当該プリント配線から独立した所定領域の金属箔をエッチングせず遮蔽用金属箔3’として残す。そして、これら2枚を、プリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間に内層プリント配線板1を配置し、各層間にプリプレグ2を挟んで(図5(a))、加熱加圧成形により一体化する。
上記一体化の後に、遮蔽用金属箔3’の領域に対応する両表面の金属箔3の領域をエッチングにより除去する。このエッチング工程では、必要に応じて、レーザ光の照射によりビアホールを形成するための窓穴が金属箔3にあけられる。
上記エッチングにより露出した外層の絶縁層から遮蔽用金属箔3’に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔3’より上の絶縁層を除去する。さらに、遮蔽用金属箔3’をエッチング加工により除去する。こうして厚さの薄くなった当該領域は、内層に2層のプリント配線を有しその両面が絶縁層2’で覆われたフレキシブル部6となる(図5(b))。ほかの領域は、リジッド部5となる。前記遮蔽用金属箔3’のエッチングは、両表面の金属箔3をエッチング加工してプリント配線を形成する工程と一緒に実施すればよい。適宜、スルーホール7やビアホールが設けられる。その後、外形加工を打ち抜きやルータで行なう。
【0024】
上記実施例5において説明した(図5(b))に示すように、さらに、フレキシブル部6の表面絶縁層2’からプリント配線に達するレーザ光を照射し、表面絶縁層2’を取り除いて当該プリント配線の一部を露出させる実施の態様もある。この場合、フレキシブル部6に、プリント配線板を他へ接続するためのフラットケーブル及びコネクタとしての機能を持たせることが可能となる。ほかの実施例においても、同様の構成を付加することができる。
【0025】
実施例6(図6、図7参照)
上述した実施例1〜5を発展させ、図6に示すように(配線パターンの図示を省略してある)、二つのリジッド部5の間にフレキシブル部6を配置し、リジッド部間をフレキシブル部で連結した構成にすることができる。この構成によれば、フレキシブル部6を曲げることによりリジッド部5を重ねることができ、狭い空間にプリント配線板を収容するのに好都合である。同様に、三つ以上のリジッド部間をフレキシブル部で連結し、各フレキシブル部をつづら折りしてリジッド部を重ね合せることもできる。
また、上述した実施例1〜5を発展させ、図7に示すように(配線パターンの図示を省略してある)、異なる二つの層に位置する内層プリント配線を、異なるフレキシブル部6とすることができる。異なる二つのフレキシブル部6は、上面から見たとき重ならない位置に配置する。重ならない位置に配置することにより、レーザ光照射による絶縁層の取り除きが可能になる。
【0026】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る方法によれば、フレキシブル部のプリント配線を絶縁層で覆ったリジッドフレキシブルプリント配線板を容易に製造することが可能となる。絶縁層の一部を取り除いてフレキシブル部とする加工も、位置精度よく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る実施例2によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る実施例3によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図4】本発明に係る実施例4によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る実施例5によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【図6】本発明に係る実施例6により製造したリジッドフレキシブル多層プリント配線板を示す断面説明図である。
【図7】本発明に係る実施例6により製造した別のリジッドフレキシブル多層プリント配線板を示す断面説明図である。
【図8】従来の技術によりリジッドフレキシブル多層プリント配線板を製造する様子を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1は内層プリント配線板
2はプリプレグ
2’は絶縁層
3は金属箔
3’は遮蔽用金属箔
4は離型性金属箔
5はリジッド部
6はフレキシブル部
7はスルーホール
8はビアホール
Claims (4)
- 内層と外層に樹脂絶縁層を介してプリント配線を有する多層プリント配線板を製造するに当たり、
樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工して内層のプリント配線を形成するときに、当該プリント配線から独立した所定領域は金属箔をエッチングせず遮蔽用として残し、
樹脂絶縁層を介してプリント配線を多層化した後、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去し、さらに、前記遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とすることを特徴とするリジッドフレキシブル多層プリント配線板の製造法。 - 内層と外層に樹脂絶縁層を介してプリント配線を有する多層プリント配線板を製造する方法が、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板の両面にプリプレグと金属箔を内側から外側へこの順に重ね、これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法であり、
内層プリント配線板の当該プリント配線から独立した所定領域は金属箔をエッチングせず遮蔽用として残し、
上記加熱加圧成形による一体化の後に、前記遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去し、さらに、前記遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とすることを特徴とする請求項1記載のリジッドフレキシブル多層プリント配線板の製造法。 - 内層と外層に樹脂絶縁層を介してプリント配線を有する多層プリント配線板を製造する方法が、樹脂絶縁層に一体化された両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料を2枚用意し、これらをプリント配線形成面を内側にして向き合せ、その2枚の間にプリプレグを挟んで加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法であり、
片面にプリント配線を形成した材料の当該プリント配線から独立した所定領域は金属箔をエッチングせず遮蔽用として残し、
上記加熱加圧成形による一体化の後に、前記遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去し、さらに、前記遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とすることを特徴とする請求項1記載のリジッドフレキシブル多層プリント配線板の製造法。 - 内層と外層に樹脂絶縁層を介してプリント配線を有する多層プリント配線板を製造する方法が、両面金属箔張り積層板の片面にプリント配線を形成した材料2枚と、樹脂絶縁層に一体化された金属箔をエッチング加工してプリント配線を形成した内層プリント配線板を用意し、プリント配線形成面を内側にして向き合せた前記2枚の材料の間に前記内層プリント配線板を配置し、各層間にプリプレグを挟んで、これらを加熱加圧成形により一体化して多層プリント配線板を製造する方法であり、
片面にプリント配線を形成した材料の当該プリント配線から独立した所定領域は金属箔をエッチングせず遮蔽用として残し、
上記加熱加圧成形による一体化の後に、前記遮蔽用金属箔の領域に対応する表面の金属箔の領域を除去し、外層の絶縁層から前記遮蔽用金属箔に達するレーザ光を照射して、遮蔽用金属箔より上の絶縁層を除去し、さらに、前記遮蔽用金属箔をエッチング加工により除去して、当該領域をフレキシブル部とすることを特徴とする請求項1記載のリジッドフレキシブル多層プリント配線板の製造法。
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