JP3855318B2 - 永久磁石ロータ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネットトルクのみならずリラクタンストルクをも有効利用し、機器の高効率化を実現する永久磁石ロータ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の永久磁石ロータは、図25に示すように鉄などの高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコア252に、シャフト穴254を中心として同心状に配された磁極数組の打ち抜き穴255a,255bに、永久磁石253a,253bを埋設してなる。
【0003】
ロータの磁極間相互の磁路Pqを通る磁束をq軸磁束、またq軸磁束を発生させるようなステータ巻線259に流れる電流をq軸電流といい、q軸磁束のとおりやすさをq軸インダクタンスということにする。一方、ロータの磁極の中心間の磁路Pdを流れる磁束をd軸磁束、またd軸磁束を発生させるようなステータ巻線に流れる電流をd軸電流といい、d軸磁束のとおりやすさをd軸インダクタンスということにする。この構造は、q軸インダクタンス−d軸インダクタンス>0となることにより、電流位相を進めることで、リラクタンストルクを有効に利用し、高効率を実現していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、リラクタンストルクを有効に利用するためには、電流位相βを0゜<β<45°の範囲内で進める必要があった。β=0のとき、マグネットトルクは最大となるが、リラクタンストルクを利用するために電流位相を進めることにより、マグネットトルクを最大に使用できないという欠点を有していた。また、電流位相を進めるため特別な制御回路を必要とした。
【0005】
上記欠点を解決するため、特開平7−143694に示す「同期機のロータ構造及び同期型モータ」では、永久磁石と突極との位置関係を検討し、マグネットトルクとリラクタンストルクのピークを一致させて出力の増幅をはかっている。
【0006】
図26は特開平7−143694に示す「同期機のロータ構造及び同期型モータ」の断面図である。2極モータは、ステータ270とロータ261を備えている。ステータコア268に施された巻線269に電流が流れることにより、ロータ261が回転する。ロータ261には2ヶ所の突極266a,266b及び2個の永久磁石263a,263bを有する。前記突極の位置は、前記永久磁石の位置267に対してロータ回転前進側に電気角略45゜ずらした位置となっている。しかし、特開平7−143694に示す「同期機のロータ構造及び同期型モータ」では、マグネットトルク最大の位置でリラクタンストルクを最大とすることは可能であるが、磁極の表面積を大きく減少されることになる。高効率化のためには磁極表面積を大きく取り、かつマグネットトルクの最大となる電流位相とリラクタンストルクの最大となる電流位相を一致させる構造が必要である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコアと前記ロータコアの中心を貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された磁極数組の永久磁石からなる永久磁石ロータにおいて、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置における磁束の通りやすさ、すなわちインダクタンスが他の角度のそれより高くなるような構造としたものである。
【0008】
上記構造とすることにより、マグネットトルクを十分に確保しつつ、リラクタンストルクを最も有効に利用することができ、機器の高効率化が実現される。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために本発明は、高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコアと前記ロータコアの中心を貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された複数個の永久磁石からなる直流モータの永久磁石ロータにおいて、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置における磁束の通りやすさ、すなわちインダクタンスが他の角度のそれより高くなるような構造としたものである。
【0010】
また、上記構造として、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置に突起形状の突極部を設けたものである。これによって、マグネットトルクの最大となる点と、リラクタンストルクの最大となる点が一致し、その点で運転することにより効率の高いモータが実現できる。
【0011】
また、ロータコアの表面付近に前記シャフトを中心として同心円弧状に等間隔に配置された複数個の永久磁石用打ち抜き穴を有し、前記永久磁石用打ち抜き穴に挿入された永久磁石の磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置に前記永久磁石用打ち抜き穴間のロータコア部を有することにより、永久磁石をロータコア内部に埋設するため、永久磁石飛散防止手段が不要となる。
【0012】
また、ロータコアの表面に略リング状の永久磁石を有し、永久磁石内側すなわちロータコア外周から、ロータコア中心までの距離が、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置が大きく、ロータ回転後進側に電気角略45゜の位置が小さくすることにより、ロータ外周全て永久磁石とすることにでき、磁石表面積を最大限に大きくすることにより、マグネットトルクを最大にすることができる。
【0013】
また、ロータコア表面に複数個の略リング形状の永久磁石を配した永久磁石ロータにおいて、ロータコア内部に複数個のスリットを有し、前記スリットの先端が磁極中心よりロータ回転前進側に電気角略45゜の位置付近でロータコア外周に向かってほぼ直角をなして集まり、ロータの求心方向に凸の形状で、前記スリットが1磁極あたり1層以上設けることにより、永久磁石の厚みを均一にでき、かつリラクタンストルクを有効利用することが可能となる。
【0014】
また、スリットがロータコア外周より外側かつロータ回転後進側に電気角略45゜の位置に中心をもつ円弧形状とすることにより、ロータコア内部の磁路を確保し、リラクタンストルクを有効に利用することができる。
【0015】
また、2極永久磁石ロータにおいては、複数のスリットが磁極中心を結んだ線よりロータ回転前進側に電気角略45゜の線に平行とするとよい。
【0016】
また、スリットに非磁性体またはロータコア材質より磁性の低い磁性体を充填または埋設することにより、ロータコア強度を強くすることができる。
【0017】
また、圧延方向をそろえて積層された無方向性電磁鋼板からなるロータコアと、前記ロータコアを貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された永久磁石からなる2極永久磁石ロータにおいて、圧延方向が磁極中心を結んだ線よりロータ回転前進側に電気角略45゜の線に平行としてもよい。
【0018】
また、磁化容易方向をそろえて積層された方向性電磁鋼板からなるロータコアと、前記ロータコアを貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された永久磁石からなる2極永久磁石ロータにおいて、磁化容易方向が磁極中心を結んだ線よりロータ回転前進側に電気角略45゜の線に平行としてもよい。
【0019】
また、同期モータの永久磁石ロータの場合は、高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコアと前記ロータコアの中心を貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された永久磁石と、ロータコアの外周付近による複数個の導体バーと、前記導体バーをロータコア両端面で短絡する導体エンドリングからなり、脱調トルクをTo、負荷トルクをTlとしたとき、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の位置における磁束の通りやすさ、すなわちインダクタンスが他の角度のそれより高くなるような構造とすることにより、負荷回転時においてマグネットトルクとリラクタンストルクを有効に利用できるとともに、始動回路を必要とせず、導体バー及び導体エンドリングに流れる電流により始動することが可能である。
【0020】
また、ロータコアに1個またはロータ磁極数の約数個の小穴を設けることにより、着磁の際、正確に位置合わせができるとともに、着磁の際、治具を前記小穴に挿入することにより、リラクタンストルクによりロータが回転するのを抑えることが可能である。
【0021】
また、スリットを有する直流モータの永久磁石ロータにおいては、ロータコア両端に少なくとも各一枚ずつ、スリットのない、または他のロータコアシートのスリットよりも小さいスリットを有するロータコアシートを積層することにより、磁石成形時のロータコアにかかる応力やロータ回転による遠心力などによる変形によるエアギャップ不同などを防止し、精度良く、効率の高いモータを提供することができる。
【0022】
また、スリットを有し、導体バー及び導体エンドリングを有する同期モータの永久磁石ロータにおいては、ロータコア両端に少なくとも各一枚ずつ、スリットのない、または導体エンドリングにスリットがかからないような大きさのスリットを有するロータコアシートを積層することにより、導体バー及び導体エンドリングを一体としてダイカスト成形する際、スリットに導体が流れ込むのを防止し、成形時の応力によるロータコアの変形などを防止することができる。
【0023】
また、直流モータの永久磁石ロータの製造方法として、ロータコアシートを積層してロータコアを構成した後、ボンドマグネットをロータコアと一体成形して円筒形のロータとし、着磁を行うことにより、ロータコア及び永久磁石の寸法精度がよく、かつ生産性よく永久磁石ロータが製造できる。
【0024】
また、同期モータの永久磁石ロータの製造方法としては、ロータコアシートを積層してロータコアを構成した後、前記導体バーと前記導体エンドリングとを一体としてダイカストした後、ボンドマグネットをロータコアと一体成形して円筒形のロータとし、着磁を行うことにより、導体バー及び導体エンドリング成形による熱で永久磁石が破損、または磁性を失うことなく、かつ精度よく、生産性よく永久磁石ロータの製造ができる。
【0025】
また、ロータコアに磁極数組のスリットを有する同期モータの永久磁石ロータの製造方法において、ロータコアシートを積層してロータコアを構成した後、少なくとも一方の端面が短絡されていない導体バーをロータコアに挿入し、導体バーの短絡されていない端面を前記導体エンドリングを溶接した後、ボンドマグネットをロータコアと一体成形して円筒形のロータとし、着磁を行うことにより、あらかじめ成形された導体バーをロータコアに挿入するため高熱にする必要がなく、スリットに導体が流れ込むことなく、かつ永久磁石の破損、または磁性を失うことなく、精度よく、生産性よく永久磁石ロータが製造できる。
【0026】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0027】
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例における直流モータの2極永久磁石ロータの断面を示す図である。ロータ11は、鉄などの高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコア12とロータコアの中心にあるシャフト穴14に圧入されたシャフト(図示せず)と、前記シャフトを中心として配置された2個の永久磁石13と前記永久磁石の飛散防止のための管15からなり、スイッチング素子などにより整流された電流がステータ巻線(図示せず)を流れることにより発生する回転磁界により、Rの方向に回転している。前記永久磁石は等間隔にロータコア表面に配置され、永久磁石間には突起形状の突極部16を有する。突極部は、永久磁石固定位置から90゜の位置にあるが、磁極の中心17bからはロータ回転前進側に45゜の位置にある。1個の磁石の内部にN極とS極の境目17aが存在する。
【0028】
一般に図25に示すような逆突極性を有するロータをもつ永久磁石モータのトルクは、マグネットトルクTM=Pn・Ψa・Ia・cosβとリラクタンストルクTR=0.5・Pn・(Lq−Ld)・Ia2・sin2βとの和で表される。ここで、Pnは極対数、Ψaは永久磁石による鎖交磁束、Iaはステータ電流、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、βは電流進角(電気角)である。図18に、マグネットトルクとリラクタンストルク、総合トルクを示した。マグネットトルクはβ=0゜で最大となり、リラクタンストルクはβ=45゜で最大となる。従って、総合トルクは、0゜<β<45゜の範囲内で最大となる。しかし、総合トルク最大となる点は、マグネットトルク最大の点ともリラクタンストルク最大の点とも一致せず、マグネットトルク及びリラクタンストルクを最大限に利用しているとはいえない。一方、本実施例においては、突極を磁極中心からロータ回転前進側に45゜とすることにより、リラクタンストルクは、TR=0.5・Pn・(Lq−Ld)・Ia2・cos2βとなり、β=0゜において、マグネットトルクもリラクタンストルクも最大となる。図17に、マグネットトルクとリラクタンストルク、総合トルクを示した。総合トルクの最大値は、図18と比較して約20%上昇している。また、電流位相βを0゜で運転できる。
【0029】
(実施例2)
図2は、本発明の他の実施例における直流モータの4極永久磁石ロータの断面を示す図である。構成及び動作,効果は実施例1と同じなので省略する。4極の場合、電気角45゜は機械角22.5゜となる。従って、突極部26は、磁極の中心27bからロータ回転前進側に電気角45゜、機械角では22.5゜の位置にある。また、本実施例では、永久磁石飛散防止に管を用いず、永久磁石をコアに接着している。
【0030】
(実施例3)
図3は、本発明の他の実施例における直流モータの4極永久磁石ロータの断面を示す図である。ロータ31は、ロータコア32の表面付近にシャフト穴34に圧入されたシャフト(図示せず)を中心として同心円弧状に等間隔に配置された4個の永久磁石用打ち抜き穴38を有し、前記永久磁石用打ち抜き穴に挿入された永久磁石33の磁極中心37bからロータ回転前進側に電気角45゜、機械角22.5゜の位置に前記永久磁石用打ち抜き穴間のロータコア部36を有する。1個の磁石の内部にN極とS極の境目37aが存在する。
【0031】
効果は実施例1と同じなので省略する。
本実施例においては、永久磁石をロータコア内部に埋設するため、ロータコア薄肉部35が存在し、永久磁石飛散防止手段が不要となる。
【0032】
(実施例4)
図4は、本発明の他の実施例における直流モータの2極永久磁石ロータの断面を示す図である。ロータ41は、ロータコア42の表面に略リング状の永久磁石43を有し、永久磁石内側すなわちロータコア外周から、ロータコア中心までの距離が、磁極中心47bからロータ回転前進側に電気角45゜の位置46aが大きく、ロータ回転後進側に電気角45゜の位置46bが小さい。2極永久磁石ロータの場合は、ロータコア形状が、磁極中心47bからロータ回転前進側に電気角45゜の位置を結ぶ線を長軸とする楕円となる。
【0033】
効果は実施例1と同じであるので省略する。
本実施例においては、ロータ外周全て永久磁石とすることにより、磁石表面積を最大限に大きくすることができ、マグネットトルクを最大にすることができる。
【0034】
なお、小穴45を設けると、着磁の際、着磁中心をあわせる目印となる。また前記小穴に治具を挿入してロータを押さえることにより、着磁の際リラクタンストルクが働いてロータが回転し、着磁不完全となることを防止できる。
【0035】
前記小穴は、全ロータコアシートにあってもよく、またロータコアの端部にあるロータコアシートのみにあってもよい。
【0036】
(実施例5)
図5は、本発明の他の実施例における直流モータの4極永久磁石ロータの断面を示す図である。ロータ51は、ロータコア52の表面に略リング状の永久磁石53を有し、永久磁石内側すなわちロータコア外周から、ロータコア中心までの距離が、磁極中心57bからロータ回転前進側に電気角45゜の位置56aが大きく、ロータ回転後進側に電気角45゜の位置56bが小さい。
【0037】
効果は、実施例4と同じなので省略する。
(実施例6)
図6は、本発明の他の実施例における直流モータの4極永久磁石ロータの断面を示す図である。ロータ61は、ロータコア62表面にリング状の永久磁石63を有し、ロータコア内部にスリット65a,65bを有し、前記スリットの先端66が磁極中心67bよりロータ回転前進側に電気角45゜の位置付近でロータコア外周に向かってほぼ直角をなして集まり、ロータの求心方向に凸の形状で、前記スリットが1磁極当たり2層ある。ここでは、スリット形状はロータコア外周より外側かつロータ回転後進側に電気角45゜の位置に中心68をもつ円弧形状である。
【0038】
本構造により、ロータコアに、突極性をもたせることにより、マグネットトルクのみならずリラクタンストルクをも有効に利用でき、マグネットトルクとリラクタンストルクの最大となる点を一致させることにより、同一入力により、より高いトルクを発生させることができ、効率の高いモータを提供することができる。また、永久磁石の厚みを均一にできるため、成形がしやすく減磁耐力にも有利である。
【0039】
なお、本実施例においては、円弧形状のスリットであったが、ロータ求心方向に凸であればよく、磁極数も4に限るものではない。例えば、磁極数が増せば円弧形状よりV型形状が有利となる。円弧形状のスリットの場合、多層構造としたとき、スリットとスリットの間に等幅のなめらかな磁路が形成されるため、リラクタンストルクを大きくするために有効である。
【0040】
また、スリットの1磁極当たりの層数も選択自由である。
さらに、スリット内部には樹脂などの非磁性体を充填し、または透磁率の低い物質を埋設することにより、強度や精度的に有利となる。
【0041】
(実施例7)
図7は、本発明の他の実施例における直流モータの2極永久磁石ロータの断面を示す図である。ロータ71は、ロータコア72表面にリング状の永久磁石73を有し、ロータコア内部にスリット75a,75b,75cを有し、そのスリットが180゜の位置で相対する磁極中心77bを結んだ線よりロータ回転前進側に電気角45゜の線に平行である。
【0042】
効果は実施例6と同じなので省略する。
線状のスリットであり、加工が容易で精度がよい。
【0043】
多極の場合は、シャフト穴を中心として、磁極の数だけ、放射状にスリットを配置するとよい。
【0044】
(実施例8)
図8は、本発明の他の実施例における直流モータの2極永久磁石ロータの断面を示す図である。ロータ81は、磁化容易方向をそろえて積層された方向性電磁鋼板からなるロータコア82表面にリング状の永久磁石83を有し、磁化容易方向Lが磁極中心87bを結んだ線よりロータ回転前進側に電気角45゜の線に平行である。
【0045】
本構造により、磁化容易方向と磁化困難方向(磁化容易方向に直角の方向)とのインダクタンスの差により、リラクタンストルクが発生する。また、マグネットトルクとリラクタンストルクの最大となる点が一致するため、同一入力でより高いトルクを発生し、効率の高い永久磁石モータを提供することができる。
【0046】
構造が単純であるため加工が容易であり、生産性,強度,精度ともにすぐれている。
【0047】
また、無方向性電磁鋼板を用いる場合は、圧延方向が磁極中心87bを結んだ線よりロータ回転前進側に電気角45゜の線に平行となるようにするとよい。
【0048】
本実施例は、前記実施例との任意の組み合わせでもよい。
(実施例9)
図9は、本発明の他の実施例における同期モータの2極永久磁石ロータの断面を示す図である。ロータ91は鉄などの高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコア92と前記ロータコアの中心のシャフト穴94を貫くシャフト(図示せず)と前記シャフトを中心として配置された2個の永久磁石93からなり、脱調トルクをTo、負荷トルクをTlとしたとき、磁極中心97bからロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の位置に突起状の突極96を有する。また、ロータコアの外周付近に複数個の導体によるバー99を軸方向に有し、ロータの両端面で導体エンドリング(図示せず)により短絡されている。
【0049】
交流電流がステータ巻線(図示せず)を流れることにより発生する回転磁界により、Rの方向に回転している。
【0050】
本構造により、ロータコアに突極性をもたせることにより、マグネットトルクのみならずリラクタンストルクをも有効に利用でき、負荷回転時にリラクタンストルクが最大となる構造をとることにより、同一入力により、より高いトルクを発生させることができ、効率の高いモータを提供することができる。
【0051】
一般に無負荷回転時は、ロータ磁極中心にステータ巻線に流れる電流によりつくられる対となる磁極がくる。脱調時は、ロータ磁極中心からロータ回転前進側に電気角90゜の位置にステータ巻線に流れる電流によりつくられる対となる磁極がくる。負荷回転時は、負荷の重さに応じて、ロータ磁極中心からロータ回転前進側に電気角0゜から90゜の間にステータ巻線に流れる電流によりつくられる対となる磁極がくる。従って、負荷時のロータ磁極の、ステータ巻線に流れる電流によりつくられる磁極に対する遅れは、電気角0゜から90゜の間となり、その角度を(90−θ)とすると、Tl/To=cosθとなる。リラタンストルクは、電流位相がロータ回転前進側に電気角45゜で最大となるので、ロータ磁極中心からロータ回転前進側に電気角(45−θ)゜の位置において、インダクタンスが最大となる構造とするとよい。負荷が変化する場合、平均負荷トルクまたは、最も長い時間用いられる負荷トルクをTlとして計算すればよい。
【0052】
また、始動時、ロータに入る磁束量の変化に応じて導体バー及び導体エンドリングに誘導電流が流れるため、回路を必要とせずに始動することが可能である。
【0053】
本実施例では、2極永久磁石ロータを示したが、図10のごとく4極、またはそれ以上であってもよい。また、磁石の固定方法として、図9ではステンレスなどの磁石飛散防止管95のほかに、図10のように永久磁石をロータコアに接着する方法、図11のようにロータコア112に打ち抜き穴118を設け、永久磁石113を埋設する方法などがある。
【0054】
また、突極を設けず図12,図13のごとく、ロータコア122,132の外周を円ではなく、磁極の中心127b,137bから、ロータ回転前進側に電気角{45−COS-1(Tl/To)}゜の位置126a,136aを大きく、ロータ回転後進側に電気角{45+COS-1(Tl/To)}゜の位置126b,136bを小さくすることによって、リラクタンストルクを発生させてもよい。
【0055】
また、図14,図15のように、ロータコア内部にスリットを設けてもよい。同様に図16のように、ロータ161を磁化容易方向をそろえて積層された方向性電磁鋼板からなるロータコア162表面にリング状の永久磁石163を有し、磁化容易方向Lが磁極中心167bを結んだ線よりロータ回転前進側に電気角{45−COS-1(Tl/To)}゜の線に平行となるようにしてもよい。
【0056】
すなわち、本実施例の趣旨にそって、ロータ構造,永久磁石形状,突極形状,スリット形状などは種々の変形が可能である。
【0057】
(実施例10)
図19は、本発明の他の実施例における直流モータの4極永久磁石ロータの構成を示す図である。ロータ191は、略リング状の永久磁石193を有し、ロータコア192内部の特定の位置にスリット195a,195bを有する。ロータコアの両端面少なくともそれぞれ1枚以上のロータコアシート198b,198cは、他のロータコアシート198aのスリット195a,195bより小さいスリット195c,195dを有する。
【0058】
本構成により、磁石成型時のロータコアにかかる応力やロータ回転による遠心力などによる変形によるエアギャップ不同などを防止することができる。
【0059】
永久磁石は、略リング状に限らず磁極数個に分割されたものや、ロータコア内部に埋設されたものであってもかまわない。
【0060】
図20は、ロータコア両端面にスリットのないロータコアシート208b,208cを設けている。ロータコアの強度を高めるとともに、ロータコアシートの加工が容易であり生産性がよい。
【0061】
(実施例11)
図21は、本発明の他の実施例における同期モータの4極永久磁石ロータの構成を示す図である。ロータ211は、略リング状の永久磁石213を有し、ロータコア212内部の特定の位置にスリット215a,215bを有する。ロータコア外周付近には、導体バー用穴219を有し、前記導体バー用穴に導体バーを設置し、両端を導体エンドリング220a,220bにより短絡している。
【0062】
ロータコアの両端面少なくともそれぞれ1枚以上のロータコアシート218b,218cは、導体エンドリングにかからない小さいスリット215c,215dを有する。
【0063】
本構成により、磁石成型時のロータコアにかかる応力やロータ回転による遠心力などによる変形によるエアギャップ不同などを防止することができるとともに、導体バー及び導体エンドリングをダイカスト成形するとき、スリットに導体が流れ込むことを防止する。
【0064】
図22は、ロータコア両端面にスリットのないロータコアシート228b,228cを設けている。ロータコアの強度を高めるとともに、ロータコアシートの加工が容易であり生産性がよい。
【0065】
(実施例12)
図23は、本発明の他の実施例における直流モータの4極永久磁石ロータの製造方法を示す図である。永久磁石ロータ231は、ロータコアシート238を積層したロータコア232と前記ロータコア中心のシャフト穴234に貫かれたシャフト(図示せず)と略リング状に成形された永久磁石233からなる。
【0066】
まず、ロータコアシート238を積層してロータコア232を形成する。次に、ボンドマグネット233を一体成形して、その後に着磁をしてロータ231とする。これにより、ロータコアの形状によらず永久磁石の寸法精度が良く、着磁の精度も出やすい。
【0067】
なお、ロータコアの形状,スリットの有無,突極の有無,導体バー及び導体エンドリングの有無によらず、本発明の趣旨に応じて種々の変形が可能である。
【0068】
なお、同期モータの永久磁石ロータであって、導体バー及び導体エンドリングを有する場合は、図22のようにロータコアシート228aを積層した後、導体バーと導体エンドリングとを一体としてダイカストし、その後にボンドマグネット223を成形し着磁する。
【0069】
ボンドマグネットの成形温度は80〜100℃前後であり、導体としてアルミニウムをダイカストして用いる場合、ダイカスト温度は600℃前後である。従って、ダイカストを先に行いボンドマグネット成形を後に行うことにより、永久磁石を破壊することなく、磁性を失うことなく、永久磁石ロータを製造できる。
【0070】
(実施例13)
図24は、本発明の他の実施例における同期モータの4極永久磁石ロータの製造方法を示す図である。ロータコア242にスリット245a,245bを有する場合、導体バーと導体エンドリングを一体としてダイカスト成形すると、導体が前記スリットに流れ込む可能性がある。本実施例においては、ロータコアシート248を積層してロータコア242を形成し、スリットへの導体の流れ混みを防止するため、あらかじめ成形された導体バー240の少なくとも片側の端面を短絡しないで開放した状態で前記ロータコアに挿入し、短絡されていない端面に導体エンドリング250を溶接する。その後、ボンドマグネット243をロータコアと一体として成形して円筒形のロータとして、所定の位置に着磁を行いロータ241を製造する。
【0071】
本実施例により、スリットに導体が流れ込むことなく、永久磁石を破壊することなく、磁性を失うことなく、永久磁石ロータを製造できる。
【0072】
なお、導体バーや導体エンドリングの材質としては、アルミニウムや銅などが適している。
【0073】
また、導体バーの本数や断面形状、導体エンドリングの形状などは、本実施例以外にも種々に変形が可能である。
【0074】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0075】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、ロータコア形状によりマグネットトルクとリラクタンストルクのピークを一致させ、同じ入力により多くのトルクを発生させることができ、単純な構造で直流モータの効率を向上させることができる。
【0076】
また、請求項9においては、従来の直流モータと全く同じ構造で、コアの打ち抜き方向を変えるだけで、磁束の流れ易さの違いによりリラクタンストルクが働き、同じ入力により多くのトルクを発生させることができ、単純な構造で直流モータの効率を向上させることができる。
【0077】
また、請求項10においては、方向性電磁鋼板を用いることにより、磁束の流れ易さの違いによりリラクタンストルクが働き、同じ入力により多くのトルクを発生させることができ、単純な構造で直流モータの効率を向上させることができる。
【0078】
また、請求項11においては、同期モータにおいて、負荷回転時にリラクタンストルクが最大となる構造とすることにより、同じ入力により多くのトルクを発生させることができ、単純な構造で同期モータの効率を向上させることができる。
【0079】
また、請求項19においては、従来の同期モータと全く同じ構造で、コアの打ち抜き方向を変えるだけで、磁束の流れ易さの違いによりリラクタンストルクが働き、同じ入力により多くのトルクを発生させることができ、単純な構造で同期モータの効率を向上させることができる。
【0080】
また、請求項20においては、方向性電磁鋼板を用いることにより、磁束の流れ易さの違いによりリラクタンストルクが働き、同じ入力により多くのトルクを発生させることができ、単純な構造で同期モータの効率を向上させることができる。
【0081】
また、請求項21においては、ロータコアに小穴を設けることにより、着磁の際の位置合わせの目印となり、精度良く着磁が可能である。
【0082】
また、請求項22においては、磁石成形時のロータコアにかかる応力やロータ回転による遠心力などによる変形によるギャップ不同などを防止し、精度良く、効率の高いモータを提供することができる。
【0083】
また、請求項23においては、導体バー及び導体エンドリングを一体としてダイカスト成形する際、スリットに導体が流れるのを防止することができる。
【0084】
また、請求項24においては、ロータコア及び永久磁石の寸法精度が良く、生産性よく永久磁石を製造することができる。
【0085】
また、請求項25においては、導体バー及び導体エンドリング成形による熱で永久磁石が破損、または磁性を失うことなく、精度良く、生産性よく永久磁石ロータの製造が可能となる。
【0086】
また、請求項26においては、導体バーをロータコア内部に埋設する際に高温にする必要がなく、ロータコアのスリットにも導体が流れ込むことなく、かつ永久磁石の破損、または磁性を失うことなく、永久磁石ロータの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における永久磁石ロータの構成図
【図2】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図3】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図4】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図5】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図6】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図7】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図8】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図9】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図10】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図11】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図12】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図13】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図14】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図15】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図16】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成図
【図17】本発明における永久磁石モータのトルクと電流位相の関係を示す図
【図18】従来の永久磁石モータのトルクと電流位相の関係を示す図
【図19】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成を示す図
【図20】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成を示す図
【図21】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成を示す図
【図22】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの構成を示す図
【図23】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの製造方法を示す図
【図24】本発明の他の実施例における永久磁石ロータの製造方法を示す図
【図25】従来の永久磁石モータを示す構成図
【図26】特開平7−143694における永久磁石モータを示す構成図
【符号の説明】
11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,111,121,131,141,151,161,191,201,211,221,231,241 ロータ
12,22,32,42,52,62,72,82,92,102,112,122,132,142,152,162,192,202,212,222,232,242 ロータコア
13,23,33,43,53,63,73,83,93,103,113,123,133,143,153,163,193,203,213,223,233,243 永久磁石
14,24,34,44,54,64,74,84,94,104,114,124,134,144,154,164,194,204,214,224,234,244 シャフト穴
16,26,36,46,56,96,106 突極部
17b,27b,37b,47b,57b,67b,77b,87b,97b,107b,117b,127b,137b,147b,157b,167b 磁極中心
38,118 打ち抜き穴
45 小穴
65a,65b,75a,75b,75c,145a,145b,155a,155b,155c,195a,195b,205a,205b,215a,215b,225a,225b,245a,245b スリット
78,148,158 円弧中心
99,109,119,129,139,149,159,169,240 導体バー
116 ロータコア部
195c,195d,215c,215d スリット(小)
198a,198b,198c,208a,208b,208c,218a,218b,218c,228a,228b,228c,238,248 ロータコアシート
219,229,249 導体バー用穴
220a,220b,230a,230b,250 導体エンドリング
T 総合トルク
TM マグネットトルク
TR リラクタンストルク
R ロータ回転方向
L 磁化容易方向
Pq q軸磁束の磁路
Pd d軸磁束の磁路
β 電流位相の進み角(電気角)
Claims (19)
- 高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコアと前記ロータコアの中心を貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された複数個の永久磁石において、前記永久磁石の間にロータコアによる突起形状の突極部を設け、前記突極部が磁極中心よりロータ回転前進側に電気角略45゜の位置に存在し、1つの永久磁石の内部にN極とS極の境目が存在し、前記突極部を挟んで磁極の同極が配置し、前記突極部以外のロータ外周全て永久磁石であることを特徴とした直流モータの永久磁石ロータ。
- 高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコアと前記ロータコアの中心を貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された複数個の永久磁石と、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置における磁束の通りやすさ、すなわちインダクタンスが他の角度のそれより高くなるような構造を持つ永久磁石ロータにおいて、ロータコアの表面に略リング状の永久磁石を有し、永久磁石内側すなわちロータコア外周から、ロータコア中心までの距離が、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置が最も大きく、ロータ回転後進側に電気角略45゜の位置が最も小さく、ロータ外周全て永久磁石であることを特徴とした直流モータの永久磁石ロータ。
- 高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコアと前記ロータコアの中心を貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された複数個の永久磁石と、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置における磁束の通りやすさ、すなわちインダクタンスが他の角度のそれより高くなるような構造を持つ永久磁石ロータにおいて、ロータコアの表面に複数個の略リング形状の永久磁石を有し、ロータコア内部に複数個のスリットを有し、前記スリットの先端が磁極中心よりロータ回転前進側に電気角略45゜の位置付近でロータコア外周に向かってほぼ直角をなして集まり、ロータの求心方向に凸の形状で、前記スリットが1磁極あたり1層以上であり、ロータ外周全て永久磁石であることを特徴とした直流モータの永久磁石ロータ。
- スリットがロータコア外周より外側かつロータ回転後進側に電気角略45゜の位置に中心をもつ円弧形状である請求項3記載の直流モータの永久磁石ロータ。
- 高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコアと前記ロータコアの中心を貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された2極の永久磁石と、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略45゜の位置における磁束の通りやすさ、すなわちインダクタンスが他の角度のそれより高くなるような構造を持つ永久磁石ロータにおいて、ロータコア外周に複数個の略リング形状の永久磁石を有し、ロータコア内部に複数のスリットを有し、前記スリットが180゜の位置で相対する磁極中心を結んだ線よりロータ回転前進側に電気角略45゜の線に平行であり、ロータ外周全て永久磁石であることを特徴とした直流モータの永久磁石ロータ。
- スリットに非磁性体またはロータコア材質より磁性の低い磁性体を充填または埋設したことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の直流モータの永久磁石ロータ。
- 高透磁率材または積層された電磁鋼板からなるロータコアと前記ロータコアの中心を貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された複数個の永久磁石と、前記ロータコアの外周付近に配置された複数個の導体によるバーと、前記導体バーをロータコア両端面で短絡する導体エンドリングからなる同期モータの永久磁石ロータであって、脱調トルクをTo、負荷トルクをTlとしたとき、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の位置における磁束の通りやすさ、すなわちインダクタンスが他の角度のそれより高くなるような構造をもつ同期モータの永久磁石ロータ。
- ロータコアの表面に複数個の永久磁石を等間隔に配置し、前記永久磁石の間にロータコアによる突起形状の突極部を設けた永久磁石ロータであって、前記突極部が磁極中心よりロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の位置に存在することを特徴とした請求項7記載の同期モータの永久磁石ロータ。
- ロータコアの表面付近に前記シャフトを中心として同心円弧状に等間隔に配置された複数個の永久磁石用打ち抜き穴を有し、前記永久磁石用打ち抜き穴に挿入された永久磁石の磁極中心からロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の位置に前記永久磁石用打ち抜き穴間のロータコア部を有することを特徴とする請求項7記載の同期モータの永久磁石ロータ。
- ロータコアの表面に略リング状の永久磁石を有し、永久磁石内側すなわちロータコア外周から、ロータコア中心までの距離が、磁極中心からロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の位置が大きく、ロータ回転後進側に電気角略{45+COS-1(Tl/To)}゜の位置が小さいことを特徴とする請求項7記載の同期モータの永久磁石ロータ。
- ロータコア表面に複数個の略リング形状の永久磁石を配した永久磁石ロータにおいて、ロータコア内部に複数個のスリットを有し、前記スリットの先端が磁極中心よりロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の位置付近でロータコア外周に向かってほぼ直角をなして集まり、ロータの求心方向に凸の形状で、前記スリットが1磁極あたり1層以上である請求項7記載の同期モータの永久磁石ロータ。
- スリットがロータコア外周より外側かつロータ回転後進側に電気角略{45+COS-1(Tl/To)}゜の位置に中心をもつ円弧形状である請求項11記載の同期モータの永久磁石ロータ。
- ロータコア外周に複数個の略リング形状の永久磁石を配した永久磁石ロータにおいて、ロータコア内部に複数のスリットを有し、前記スリットが180゜の位置で相対する磁極中心を結んだ線よりロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の線に平行であることを特徴とする請求項7記載の同期モータの永久磁石ロータ。
- スリットに非磁性体またはロータコア材質より磁性の低い磁性体を充填または埋設したことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の同期モータの永久磁石ロータ。
- 圧延方向をそろえて積層された無方向性電磁鋼板からなるロータコアと、前記ロータコアを貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された永久磁石からなる2極永久磁石ロータにおいて、圧延方向が磁極中心を結んだ線よりロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の線に平行であることを特徴とする同期モータの永久磁石ロータ。
- 磁化容易方向をそろえて積層された方向性電磁鋼板からなるロータコアと、前記ロータコアを貫くシャフトと、前記シャフトを中心として配置された永久磁石からなる2極永久磁石ロータにおいて、磁化容易方向が磁極中心を結んだ線よりロータ回転前進側に電気角略{45−COS-1(Tl/To)}゜の線に平行であることを特徴とする同期モータの永久磁石ロータ。
- 請求項11〜13のいずれか1項に記載の同期モータの永久磁石ロータの構造であって、かつ少なくともロータコア両端に各一枚ずつ、スリットのない、または導体エンドリングにスリットがかからないような大きさのスリットを有するロータコアシートが積層された、同期モータの永久磁石ロータ。
- 請求項7〜16のいずれか1項に記載の同期モータの永久磁石ロータの製造方法において、ロータコアシートを積層してロータコアを構成した後、前記導体バーと前記導体エンドリングとを一体としてダイカストした後、ボンドマグネットをロータコアと一体成形して円筒形のロータとし、着磁を行う、同期モータの永久磁石ロータの製造方法。
- 請求項7〜16のいずれか1項に記載の同期モータの永久磁石ロータの製造方法において、ロータコアシートを積層してロータコアを構成した後、少なくとも一方の端面が短絡されていない導体バーをロータコアに挿入し、導体バーの短絡されていない端面を前記導体エンドリングを溶接した後、ボンドマグネットをロータコアと一体成形して円筒形のロータとし、着磁を行う、同期モータの永久磁石ロータの製造方法。
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