JP3855088B2 - 突入電流防止装置、ヒューズ装置およびスイッチング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源を供給してコンデンサが並列に接続された負荷を作用させる突入電流防止装置、この突入電流防止装置にヒューズを設けたヒューズ装置、および、これら突入電流防止装置またはヒューズ装置を接続するスイッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気エネルギを駆動源とする電気装置としては一般的に電源および負荷により構成され、図7の回路構成に示すように、負荷L側の出力端子A,B間に電源Eの瞬断に対応するためにコンデンサCが負荷に対して並列に接続され、コンデンサCおよび負荷Lに対して直列に接続されたスイッチSの閉成により負荷Lを駆動させるとともにコンデンサCに電荷が蓄積される構成が採られている。
【0003】
さらに、従来の電気装置は、コンデンサCに電荷を蓄積する電流のループにおけるインピーダンスが小さい場合、瞬時に大電流が流れて回路素子の破損などを生じたり、瞬時電源変動を起して、負荷に影響を及ぼすおそれがあるため、ループの電流の流れを制限するために抵抗器Rを直列に接続している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来抵抗器Rを備えた電気装置では、コンデンサCへの充電が完了した後は、ループの電流の流れを制限する必要がなくなるため、抵抗器Rは不要な発熱源となり、電源効率の低下を招く。そのため、スイッチSを閉成してから所定時経過後、すなわちコンデンサCへの充電が完了した後に、抵抗器Rを回路から切り離す、すなわち電流をバイパスするループを設ける必要がある。
【0005】
そこで、接続されている抵抗器Rを取り外す工程は煩雑であるため、図7に示すように、抵抗器Rに並列にスイッチSを設け、コンデンサCへの充電が完了した後にスイッチSを閉成し、抵抗器Rをバイパスして電流が流れるようにすることが考えられるが、コンデンサCへの充電が完了した後にスイッチSWを閉成して抵抗器Rを切り離す一連の突入電流防止を機能させる工程の煩雑性は低減できないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、一連の突入電流防止を容易に効率よく機能させる突入電流防止装置、ヒューズ装置およびスイッチング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の突入電流防止装置は、電源を供給してコンデンサが並列に接続された負荷を作用させ、かつ一対の接続端子が取り付けられたホルダに接続される突入電流防止装置であって、ケース体と、このケース体に一端が外方に突出して配設され、前記ホルダへの接続によって前記電源と前記コンデンサおよび前記負荷との間に電気的かつ機械的に接続される互いに絶縁された一対の端子と、前記ケース体内に前記端子間に接続されて配設された限流抵抗器と、前記ケース体内に配設され前記端子に電気的かつ機械的に接続された所定の状態で前記限流抵抗器に流れる電流をバイパスするバイパス手段とを具備したものである。
【0008】
そして、ホルダへの接続によって電源とコンデンサおよび負荷との間に電気的かつ機械的に接続される互いに絶縁された端子間に、限流抵抗器を接続するとともに、端子に電気的かつ機械的に接続された所定の状態で限流抵抗器の電流をバイパスするバイパス手段を設けるため、ホルダに端子を接続する際に端子が電気的に接続した状態で限流抵抗器を介して電源が流れ、コンデンサに大電流が流れることによる損傷を防止し、電気的かつ機械的に接続された所定の状態でバイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失を抑制して、電源効率を向上させるので、端子をホルダに接続する一動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上が得られる。
【0009】
請求項2記載の突入電流防止装置は、請求項1記載の突入電流防止装置において、バイパス手段は、限流抵抗器と並列に端子間に接続された常開スイッチと、前記端子がホルダに接続されることにより電気的かつ機械的に接続された所定の状態で前記常開スイッチを閉成するスイッチ閉成手段とを備えたものである。
【0010】
そして、端子がホルダに接続されることにより電気的かつ機械的に接続された所定の状態で、限流抵抗器と並列に端子間に接続した常開スイッチを閉成するスイッチ閉成手段を設けてバイパス手段を構成したため、簡単な構成で一動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上が得られる。
【0011】
請求項3記載の突入電流防止装置は、請求項1または2記載の突入電流防止装置において、前記端子がホルダに接続されることにより電気的かつ機械的に接続されたことを報知する報知手段を具備したものである。
【0012】
そして、端子がホルダに接続されることにより電気的かつ機械的に接続されたことを報知する報知手段を設けるため、端子がホルダに確実に接続され、バイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失が抑制されていることを容易に認識可能となる。
【0013】
請求項4記載の突入電流防止装置は、請求項2記載の突入電流防止装置において、スイッチ閉成手段は、前記端子がホルダに接続されることにより一部がケース体の表面に臨んで移動可能な移動体を備えたものである。
【0014】
そして、バイパス手段を構成するスイッチ閉成手段に、端子がホルダに接続されることにより一部がケース体の表面に臨んで移動可能な移動体を設けたため、端子がホルダに確実に接続され、バイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失が抑制されていることを、移動体がケース体の表面に臨むか否かを目視で確認することにより簡単な構成で容易に認識可能となる。
【0015】
請求項5記載の突入電流防止装置は、請求項4記載の突入電流防止装置において、移動体は、ケース体の端子が突出する面に進退可能に配設され、この端子がホルダに接続された際に前記ケース体内に後退して一部がケース体の表面に臨んで移動可能に配設されたものである。
【0016】
そして、バイパス手段を構成するスイッチ閉成手段の移動体を、ケース体の端子が突出する面に進退可能で、端子がホルダに接続された際にケース体内に後退して一部がケース体の表面に臨んで移動するように配設したため、端子がホルダに確実に接続され、バイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失が抑制されているか否かを目視で容易に確認できる構成が簡単な構造で得られる。
【0017】
請求項6記載のスイッチング装置は、電源により作用し並列にコンデンサが接続された負荷に前記電源を供給するスイッチング装置であって、請求項1ないし5いずれか一記載の突入電流防止装置と、この突入電流防止装置の端子が着脱可能に接続され、前記突入電流防止装置の限流抵抗器を前記負荷および前記コンデンサと前記電源との間に直列状に接続する互いに絶縁された一対の接続端子が取り付けられたホルダとを具備したものである。
【0018】
そして、請求項1ないし5いずれか一記載の突入電流防止装置の端子を、ホルダの互いに絶縁された接続端子に着脱可能に接続することにより、負荷および負荷に並列に接続されたコンデンサと電源との間に突入電流防止装置の限流抵抗器を直列状に接続するため、突入電流防止装置の端子を接続端子に電気的に接続した状態で突入電流防止装置の限流抵抗器を介して電源がコンデンサに供給され、コンデンサに大電流が流れることによる損傷を防止しつつコンデンサを充電し、突入電流防止装置の端子を接続端子に電気的かつ機械的に接続して突入電流防止装置を取り付けた所定の状態で突入電流防止装置のバイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失を抑制して、電源効率を向上させるので、突入電流防止装置の端子を活線挿脱する一接続動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上を図りつつ負荷への電源の供給をスイッチングできる。
【0019】
請求項7記載のヒューズ装置は、請求項1ないし5いずれか一記載の突入電流防止装置と、この突入電流防止装置の端子間に限流抵抗器およびバイパス手段と直列に接続されて前記突入電流防止装置のケース体内に配設されるヒューズとを具備したものである。
【0020】
そして、請求項1ないし5いずれか一記載の突入電流防止装置の端子間に限流抵抗器およびバイパス手段と直列にヒューズを接続したため、突入電流防止装置をホルダに接続する際および接続後の過電流に対する確実な保護が得られる。
【0021】
請求項8記載のヒューズ装置は、請求項7記載のヒューズ装置において、ヒューズが溶断したことを報知するヒューズ溶断報知手段を具備したものである。
【0022】
そして、ヒューズが溶断したことを報知するヒューズ溶断報知手段を設けたため、ヒューズが溶断して負荷を作用させる電源の供給が停止して負荷が作用できなくなった状態を容易に認識可能となる。
【0023】
請求項9記載のヒューズ装置は、請求項8記載のヒューズ装置において、ヒューズ溶断報知手段は、ヒューズが溶断した際に一部がケース体の表面に臨んで移動可能な溶断表示体を備えたものである。
【0024】
そして、ヒューズ溶断報知手段にヒューズが溶断した際に一部がケース体の表面に臨んで移動可能な溶断表示体を設けたため、ヒューズが溶断して負荷が作用できなくなった状態を、溶断表示体がケース体の表面に臨むか否かを目視で確認することにより簡単な構成で容易に認識可能となる。
【0025】
請求項10記載のヒューズ装置は、請求項9記載のヒューズ装置において、溶断表示体は、導電性および弾性を有し、弾性変形した状態でヒューズおよび端子間に接続され、前記ヒューズの溶断により弾性による復元力にて一部がケース体の表面に臨んで移動可能に配設されたものである。
【0026】
そして、ヒューズ溶断報知手段を構成する溶断表示体を、導電性および弾性に形成し、ヒューズの溶断により弾性力による復元にて一部がケース体の表面に臨んで移動するように弾性変形した状態でヒューズおよび端子間に接続するため、ヒューズが溶断して負荷が作用できなくなった状態を目視により容易に確認できる構成を簡単な構造で得られる。
【0027】
請求項11記載のヒューズ装置は、請求項7ないし10いずれか一記載のヒューズ装置において、ヒューズ溶断報知手段は、ヒューズの溶断により接離する接点を備えたものである。
【0028】
そして、ヒューズ溶断報知手段にヒューズの溶断により接離する接点を設けたため、ヒューズの溶断を接点の接離により、例えば警報装置などを動作させて報知するなど電気的な報知が可能となる。
【0029】
請求項12記載のスイッチング装置は、電源により作用し並列にコンデンサが接続された負荷に前記電源を供給するスイッチング装置であって、請求項7ないし11いずれか一記載のヒューズ装置と、このヒューズ装置の端子が着脱可能に接続され、前記ヒューズ装置の限流抵抗器を前記負荷および前記コンデンサと前記電源との間に直列状に接続する互いに絶縁された一対の接続端子が取り付けられたホルダとを具備したものである。
【0030】
そして、請求項7ないし11いずれか一記載のヒューズ装置の端子を互いに絶縁された接続端子に着脱可能に接続することにより、負荷および負荷に並列に接続されたコンデンサと電源との間にヒューズ装置の限流抵抗器を直列状に接続するため、ヒューズ装置の端子を接続端子に電気的に接続した状態でヒューズ装置の限流抵抗器を介して電源がコンデンサに供給され、コンデンサに大電流が流れることによる損傷を防止しつつコンデンサを充電し、ヒューズ装置の端子を接続端子に電気的かつ機械的に接続してヒューズ装置を取り付けた所定の状態でヒューズ装置のバイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失を抑制して、電源効率を向上させるので、ヒューズ装置の端子を活線挿脱する一接続動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上を図るとともにヒューズ装置の活線挿脱の際および接続後の過電流に対する負荷の確実な保護を図りつつ、負荷への電源の供給をスイッチングできる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の突入電流防止装置の実施の一形態の構成を図面を参照して説明する。
【0032】
図1において、1は電気装置で、この電気装置1は、電気装置本体2とヒューズ装置3とにて構成されたスイッチング装置4を有している。そして、電気装置本体2は、箱状の本体ケース5を有している。また、図示しない電源装置には、図2の回路図に示すように、電源である直流電源Eが供給されて作用、例えば駆動する電動機や点灯する照明器具、発熱する発熱体などの負荷L1〜L4がそれぞれ接続される出力端子A1〜A4,B1〜B4が設けられている。さらに、出力端子A1〜A4,B1〜B4間には、直流電源Eが瞬断しても負荷L1〜L4が安定して作用するための負荷L1〜L4に対してそれぞれ並列に接続されたコンデンサC1〜C4が設けられている。そして、直流電源Eと各負荷L1〜L4が接続される一方の出力端子A1〜A4との間に、負荷L1〜L4に直流電源Eを供給して負荷L1〜L4を作用させる電源スイッチS1〜S4が接続されている。
【0033】
また、本体ケース5には、ホルダ6が取り付けられている。このホルダ6は、一対の接続端子6a,6bおよび接点装着端子7を備えた絶縁性の本体部8と、この本体部8とにて本体ケース5を挟持して取り付けられる絶縁性のモールド体9とにて構成されている。また、本体部8は、上部本体ケース8aと下部本体ケース8bとが接合されて構成され、内部に接続端子6a,6bを収容する一対の接続端子室10a,10bと、接点装着端子7を収容する接点装着端子室11とが区画形成されている。そして、上部本体ケース8aには、接続端子室10a,10bおよび接点装着端子室11に連通する外方に向けてラッパ状に拡開する挿入孔13,13が開口形成されている。また、下部本体ケース8bには、接続端子室10a,10bに連通して接続端子6a,6bの一部を挿通して本体部8から突出させる端子孔14が設けられている。さらに、上部本体ケース8aの挿入孔13が開口する面の縁には、外周方向に壁状に突出する鍔部15が設けられている。また、本体部8には、下部本体ケース8bから上部本体ケース8aに亘って雌ねじ部16が設けられている。
【0034】
一方、モールド体9は、本体部8の下部本体ケース8b側の一部を収容する一面を開口した略箱状に形成されている。そして、モールド体9には、下部本体ケース8bが当接する底面部9aに端子孔14,14に対応して端子貫通孔18,18がそれぞれ設けられ、本体部8を収容した際に接続端子6a,6bおよび接点装着端子7をそれぞれ貫通して外方に突出する。また、モールド体9には、本体部8の雌ねじ部16に対応してねじ挿通孔19が設けられている。そして、本体部8を電気装置本体2の本体ケース5に開口形成したホルダ孔20に外方から挿入し、鍔部15をホルダ孔20の周縁に係合させ、本体ケース5の内側からモールド体9を本体ケース5を挟持するように本体部8に取り付け、図示しないねじを本体部8の雌ねじ部16に取り付け、ホルダ6を本体ケース5に取り付ける。
【0035】
また、接続端子6a,6bは、導電性および弾性を有した細長板状で、一端側に細長板状の接合部22,22がそれぞれ設けられ、他端側に一端側に向けて折り返して形成した接続片部23,23がそれぞれ設けられた一対の接続端子片24,24にて構成されている。そして、接続端子6a,6bは、接続端子片24,24の折り返し形成した接続片部23,23を接合部22,22を対向させて互いに接触させ、接続片部23,23が接続端子室10a,10b内に位置し一端側の接合部22,22を互いに接合して本体部8の下部本体ケース8bの端子孔14,14およびモールド体9の端子貫通孔18,18を介して外方に突出して本体部8内に収容されている。なお、接続片部23,23は、挿入孔13に対向する位置で接合する。
【0036】
そして、接続端子6a,6bは、図2の回路図に示すように、直流電源Eと負荷L1〜L4を接続する一方の出力端子A1〜A4間に位置して互いに絶縁して接続される。
【0037】
さらに、接点装着端子7は、導電性および弾性を有した細長板状の一対の接点装着端子片25,25にて構成されている。そして、接点装着端子片25は、一端側に細長板状の端子片部26が設けられ他端側に一端側に向けて折り返して形成した接点片部27が設けられ、接点片部27が互いに接触されて接点装着端子室11内に位置し、接点片部27が本体部8の下部本体ケース8bの端子孔14およびモールド体9の端子貫通孔18を介して外方に突出して本体部8内に収容されている。なお、接点片部27は、挿入孔13に対向する位置で接合する。
【0038】
そして、接点装着端子7は、表示や音声などにて報知する図示しない警報回路に接続される。なお、警報回路は、一対の接点装着端子片25,25間が短絡すると動作するようになっている。
【0039】
一方、ヒューズ装置3は、図1および図3ないし図5に示すように、絶縁性の上部ケース31aおよび下部ケース31bにて構成された中空状のケース体32を有している。そして、このケース体32内には、バイパス手段を構成する常開スイッチであるマイクロスイッチ33が上部ケース31aおよび下部ケース31bに挟持固定されて収容されている。このマイクロスイッチ33は、一面側に一対のスイッチ端子34,34を有し、反対側の面に進退自在で常時付勢されて突出する操作子36を有し、操作子36が後退されるとスイッチ端子34,34間が開成し、操作子36が突出する状態で前記スイッチ端子34,34間が閉成する。そして、このマイクロスイッチ33は、操作子36が突出側に報知室35を区画し、スイッチ端子34,34が突出する側に抵抗器室37を区画するように配設されている。
【0040】
また、ケース体32には、報知室35に連通して上部ケース31aに報知窓40が開口形成されているとともに、報知室35に連通して報知窓40に対向する位置の下部ケース31bに検知孔41が開口形成されている。さらに、報知窓40の一縁には、内方に向けて突出する係合爪部42が設けられ、この係合爪部42の報知室35側の面は係合爪部42の突出方向にしたがって肉薄となるように傾斜する案内面43が設けられている。
【0041】
そして、報知室35内には、報知手段を構成するとともにマイクロスイッチ33とにてバイパス手段45を構成しマイクロスイッチ33を開閉するスイッチ閉成手段としての略棒状の移動体46が上部ケース31aおよび下部ケース31bの対向方向に沿って摺動自在に配設されている。この移動体46は、一端側に検知孔41に嵌挿されて進退自在な検知部47を有し、この検知部47が検知孔41内に後退した際に報知窓40を閉塞するように報知窓40に臨む報知部48を他端側に設けている。また、移動体46には、検知部47が検知孔41から突出した状態でマイクロスイッチ33の操作子36を後退させる押圧部49と、検知部47が検知孔41内に後退して報知部48が報知窓40を閉塞するように臨む状態で操作子36が付勢により突出して位置する凹部50とが移動方向に隣設して設けられている。
【0042】
さらに、移動体46の報知部48の縁には、係止爪部52が突設されている。この係止爪部52は、検知部47が検知孔41内に後退して報知部48が報知窓40に閉塞するように臨む状態に移動体46が移動する際、報知窓40の縁に設けられた係合爪部42の案内面43に当接して案内され、係合爪部42を乗り越えて係合爪部42に係合されて、検知部47が検知孔41内に後退して報知部48が報知窓40に閉塞するように臨む状態に移動体46を保持して移動を規制するようになっている。
【0043】
そして、マイクロスイッチ33の一対のスイッチ端子34,34間には、限流抵抗器である抵抗素子54が張設されている。この抵抗素子54は、スイッチ端子34,34に設けられた図示しない略円形の孔に両端に設けられたリード線34aがそれぞれ挿通されて半田付けなどにより接続されて、抵抗器室37内に収容されている。
【0044】
また、抵抗器室37内には、上部ケース31aおよび下部ケース31bに挟持されて固定された略円筒状のヒューズ保護部55が設けられ、このヒューズ保護部55により抵抗素子54が配設された抵抗器室37に区画して表示室56が形成されている。このヒューズ保護部55は、絶縁性部材にて一端側にしたがって内径が径大となるように抵抗器室37側に拡開するように略円筒状に形成されている。
【0045】
さらに、表示室56内には、下部ケース31bに設けられたリブ57により、接点室58が区画形成されている。そして、抵抗器室37、表示室56および接点室58は、下部ケース31bにそれぞれ設けられた端子挿通孔59,59により外方に連通している。また、表示室56は、上部ケース31aに開口形成された表示窓61により外方に連通している。
【0046】
そして、抵抗器室37内には、マイクロスイッチ33に接続された抵抗素子54の一方のリード線34aが接続される端子である導電性を有した第一の端子62aが配設されている。この第一の端子62aは、一端にケース体32内に突設された第一の端子台部63に係合固定される第一の保持片部64を屈曲形成し、他端に端子挿通孔59を介して外方に突出する細長板状の第一の端子接続部65を設けている。さらに、第一の端子62aには、第一の保持片部64に抵抗素子54のリード線34aが半田付けされて接続される半田溜り部66が円弧状に一部切り起こし形成されている。
【0047】
また、抵抗器室37内には、ケース体32内に突設された第二の端子台部67に係合保持された導電性を有した連結端子68が配設されている。この連結端子68は、一端に第二の端子台部67に係合固定される連結保持片部69を屈曲形成し、他端に細長板状のヒューズ取付片70をヒューズ保護部55の一端側である抵抗器室37に臨む端部に対向して屈曲形成している。さらに、ヒューズ取付片70の基端部である連結端子68の略中間部に、抵抗素子54の他方のリード線34aが半田付けにて接続される半田溜り部71を切り起こし形成している。
【0048】
そして、連結端子68のヒューズ取付片70には、ヒューズ保護部55に嵌挿するヒューズである金属線73の一端が接続されている。この金属線73は、低融点かつ軟質の例えば銀(Ag)を主成分とする低融点合金にて細線状に形成されている。
【0049】
一方、表示室56内には、抵抗器室37内に配設された第一の端子62aと対をなす端子である導電性を有した第二の端子62bが配設されている。この第二の端子62bは、一端に第二の端子台部67に係合固定される第二の保持片部75を屈曲形成し、他端に端子挿通孔59を介して外方に突出する細長板状の第二の端子接続部76を設けている。
【0050】
また、表示室56内には、導電性および弾性を有したヒューズ溶断報知手段としての溶断表示体77が配設されている。この溶断表示体77は、一端が略垂直に折曲して表示部78を形成するとともに、他端側を一端側の表示部78に向けて弾性を持たせて屈曲したバネ部79を形成している。そして、バネ部79を第二の端子62bの第二の端子接続部76に当接させて電気的に接続するとともに表示部78を設けた側をヒューズ保護部55の他端側である表示室56に臨む端部に対向させて、溶断表示体77を表示室56内に配設している。
【0051】
さらに、溶断表示体77には、表示室56側でヒューズ保護部55の端部に対向する位置に、一端が連結端子68に接続されヒューズ保護部55を嵌挿する金属線73の他端が接続されている。この金属線73の接続は、溶断表示体77が金属線73に引っ張られるように弾性に抗してヒューズ保護部55の端部に向けて弾性変形されて張設される。この金属線73の張設により表示部78は表示窓61からケース体32内に退避した状態となり、金属線73が溶断するなどにより切断すると溶断表示体77の弾性力による復元にて表示部78が表示窓61を閉塞するように表示窓61に臨んで位置する。
【0052】
一方、接点室58には、接点である接点端子80が配設されている。この接点端子80は、導電性の細長板状の第一の接点端子81aと導電性で弾性を有した細長板状の第二の接点端子81bとが、絶縁部材82を介在して互いに絶縁して一体的に接合されて形成されている。なお、接点端子80は、第一の接点端子81aおよび第二の接点端子81bの一端側が自由端となるように所定の間隙を介して対向するように絶縁部材82を介在している。
【0053】
そして、第二の接点端子81bの一端には、第一の接点端子81aとの対向面と反対側の面に接点部83が一体的に設けられている。この接点部83は、先端部が略球面状に形成され、ケース体32の接点室58を区画するリブ57に設けられた接点貫通孔84に先端部が表示室56内に突出するように嵌挿されている。そして、金属線73が溶断するなどにより切断して溶断表示体77の表示部78が表示窓61に閉塞するように臨んで位置するように溶断表示体77が弾性力にて復元した際に、溶断表示体77が接点部83に当接して押し込んで第二の接点端子81bを弾性変形させ、第一の接点端子81aおよび第二の接点端子81bが接触するようになっている。
【0054】
なお、接点端子80は、図4に示すように、第一の端子62aおよび第二の端子62bよりケース体32の下面から突出する突出量が少なく、すなわち短く突出し、ヒューズ装置3を電気装置本体2に取り付ける際に第一の端子62aおよび第二の端子62bが電気装置本体2のホルダ6の接続端子6a,6bにそれぞれ接触して電気的に接続した状態で、接点端子80がホルダ6の接点装着端子7に接触しないようになっている。
【0055】
次に、上記実施の形態の電気装置1の回路構成を図2を参照して説明する。
【0056】
直流電源Eが供給されて作用する負荷L1〜L4および直流電源Eの瞬断に対応して安定して負荷L1〜L4を作用させるためのコンデンサC1〜C4が並列に接続された並列回路に、閉成により電源装置の直流電源Eとの閉路を形成して負荷L1〜L4に直流電源Eを供給する電源スイッチS1〜S4が直列に接続された作用回路91〜94が、直流電源Eに対して複数、例えば4つ並列に接続されている。なお、各作用回路91〜94のコンデンサC1〜C4は、各負荷L1〜L4に対応して容量が設定される。また、各作用回路91〜94の電源スイッチS1〜S4および負荷L1〜L4を接続する一方の出力端子A1〜A4間には、ヒューズ装置3のマイクロスイッチ33および抵抗素子54が並列に接続されこれらマイクロスイッチ33および抵抗素子54の並列回路に金属線73が直列に接続された突入電流防止回路95〜98が直列に接続される。
【0057】
次に、上記実施の形態のヒューズ装置3を電気装置本体2に装着して活線挿脱しスイッチングする動作を図面を参照して説明する。
【0058】
電気装置本体2に組み付けられたホルダ6の挿入孔13,13に、ヒューズ装置3の第一の端子62a、第二の端子62bおよび接点端子80の先端部を挿入する。この挿入により、図4に示すように、ヒューズ装置3の第一の端子62aおよび第二の端子62bが電気装置本体2のホルダ6の接続端子6a,6bにそれぞれ接触して電気的に接続し、ヒューズ装置3の接点端子80はホルダ6の接点装着端子7に接触しない状態となる。この図4に示す状態で、ヒューズ装置3の突出する移動体46の検知部47は、電気装置本体2の本体ケース5の外面に当接せず、マイクロスイッチ33は開成した状態である。
【0059】
このため、電源スイッチS1〜S4が閉成されている場合には、ヒューズ装置3の第一の端子62aおよび第二の端子62bが電気装置本体2のホルダ6の接続端子6a,6bにそれぞれ接触して電気的に接続されることにより活線挿入された状態となり、抵抗素子54を直流電源Eが流れ、コンデンサC1〜C4が充電されるとともに、負荷L1〜L4に直流電源Eが供給されて作用する。
【0060】
さらに、ヒューズ装置3をホルダ6に押し込むと、図5に示すように、第一の端子62aおよび第二の端子62bが接続端子6a,6bの接触する一対の接続端子片24,24の接続片部23,23間を広げるように弾性変形して挿入される。また、接点端子80も接点装着端子7に接触し、一対の接点装着端子片25,25間を広げるように弾性変形して挿入される。この図5に示す状態でも、ヒューズ装置3の移動体46の検知部47は、電気装置本体2の本体ケース5の外面に当接せず、マイクロスイッチ33は開成した状態である。
【0061】
このため、抵抗素子54に直流電源Eが流れ続け、コンデンサC1〜C4が充電され続ける。
【0062】
そしてさらに、ヒューズ装置3をホルダ6に押し込むと、図1に示すように、第一の端子62aおよび第二の端子62bは接続端子6a,6bに接続固定され、接点端子80は接点装着端子7に接続固定され、ヒューズ装置3が電気装置本体2のホルダ6に取り付けられる。この図1に示す状態で、移動体46の検知部47は電気装置本体2の本体ケース5の外面に当接して押し込まれる。この検知部47の押し込みにより、移動体46の報知部48が報知窓40に閉塞するように臨み、ヒューズ装置3が電気装置本体2に確実に取り付けられた、すなわちいわゆるプラグインされたことが報知窓40に閉塞するように臨む報知部48により目視にて認識できる。さらに、この移動体46の移動により、移動体46の押圧部49に押し込まれているマイクロスイッチ33の操作子36が移動体46の凹部50内に突出し、マイクロスイッチ33が閉成する。
【0063】
このマイクロスイッチ33の閉成により、マイクロスイッチ33に電流がバイパスされ、抵抗素子54にはほとんど電流が流れなくなり、抵抗素子54が作用回路91〜94から実質的に切り離された状態となる。
【0064】
一方、作用回路91〜94に過電流が流れた際には、金属線73が溶断する。この金属線73の溶断により、作用回路91〜94が開放して負荷L1〜L4への直流電源Eの供給が停止して負荷L1〜L4の作用が停止し、負荷L1〜L4やコンデンサC1〜C4などの各種電気部品の過電流による損傷を防止する。さらに、金属線73の溶断により、溶断表示体77の弾性力による復元にて表示部78が表示窓61に閉塞するように臨んで位置する状態となり、金属線73が溶断して負荷L1〜L4への直流電源Eの供給が遮断されたことが表示窓61に閉塞するように臨む表示部78により目視にて認識できる。
【0065】
また、溶断表示体77の復元により、溶断表示体77が接点端子80の表示室56内に突出する接点部83に当接して押し込み、第二の接点端子81bを弾性変形させる。この第二の接点端子81bの弾性変形により、第一の接点端子81aおよび第二の接点端子81bが接触して接点端子80が短絡する。そして、この接点端子80の短絡により、接点端子80の第一の接点端子81aおよび第二の接点端子81bがそれぞれ接続する電気装置本体2の警報回路に接続された接点装着端子片25,25間が短絡した状態となって警報回路が閉路となる。このため、溶断表示体77による表示と合わせて、警報回路が動作して、表示や音声などにより金属線73が溶断した旨を報知する。
【0066】
ところで、図2に示すように、直流電源Eに対して複数の作用回路91〜94が設けられることが一般的であり、別途作用回路を増設することも一般的に行われる。
【0067】
そして、別途作用回路の増設の際、増設する作用回路のコンデンサの充電電流により、既設の作用回路91〜94の作用中の負荷L1〜L4がダウンするおそれがあるが、いわゆるプラグインされるヒューズ装置3の活線挿入により突入電流が防止され、安定した負荷L1〜L4の作用が得られる。
【0068】
上述したように、電気装置本体2の並列の負荷および瞬断対策用のコンデンサC1〜C4と交流電源Eとの間に電気的かつ機械的に接続される互いに絶縁された一対の第一の端子62aおよび第二の端子62b間に、コンデンサC1〜C4の突入電流による損傷を防止する突入電流防止用の抵抗素子54と、第一の端子62aおよび第二の端子62bが電気装置本体2に電気的かつ機械的に接続された状態で抵抗素子54に直流電源Eが流れることを阻害するバイパス手段45を構成するマイクロスイッチ33とを並列に接続したため、電気装置本体2に第一の端子62aおよび第二の端子62bを接続する際に、第一の端子61aおよび第二の端子62bが電気的に接続した状態で抵抗素子54を介して交流電源Eが流れ、コンデンサC1〜C4に大電流が流れることによる損傷を防止でき、第一の端子62aおよび第二の端子62bが電気的かつ機械的に接続され電気装置本体2にヒューズ装置3が取り付けられた状態でマイクロスイッチ33が閉成して電流の流れを変えて抵抗素子54に電流が流れないようにして、抵抗素子54での電源損失を抑制し電源効率を向上でき、ヒューズ装置3を取り付ける活線挿入のいわゆるプラグインの一動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上ができる。
【0069】
また、抵抗素子54と並列に常開のマイクロスイッチ33を接続し、ヒューズ装置3を電気装置本体2に取り付けた状態で常開のマイクロスイッチ33を閉成させるため、簡単な構成で、いわゆるプラグインの一動作で一連の突入電流を防止できるとともに電源効率を向上できる。
【0070】
さらに、ヒューズ装置3を電気装置本体2に取り付けることにより、移動体46が移動して常開のマイクロスイッチ33を閉成させるため、簡単な構成で、いわゆるプラグインの一動作で一連の突入電流を防止できるとともに電源効率を向上でき、ヒューズ装置3を軽量小型化でき、製造性を向上できる。
【0071】
そして、マイクロスイッチ33を閉成させる移動体46を、電気装置本体2に接続させる第一の端子62aおよび第二の端子62bが突出する側の面に一部を突出させて進退可能に配設したため、簡単な構成でヒューズ装置3を電気装置本体2に取り付けた際にマイクロスイッチ33を閉成させて抵抗素子54をバイパスさせる構成が得られ、ヒューズ装置3の軽量小型化および製造性の向上が容易に得られる。
【0072】
さらに、ヒューズ装置3を電気装置本体2に取り付ける方向に沿って移動体46を移動可能に設け、マイクロスイッチ33を開閉する操作子36の進退方向を移動体46の移動方向に対して交差、すなわち直交する方向となるように配設し、移動体46に操作子36を押圧する押圧部49および挿入する凹部50を移動体46の移動方向に沿って隣設したため、簡単な構成で容易にマイクロスイッチ33を開閉できる。
【0073】
また、ヒューズ装置3を電気装置本体2に取り付けた際に、移動体46が移動して常開のマイクロスイッチ33を閉成させ、抵抗素子54に電流が流れることを阻害して実質的に抵抗素子54を作用回路91〜94から切り離した状態となったことを表示するため、ヒューズ装置3が確実に取り付けられ抵抗素子54による電源損失が抑制できたことを容易に認識できる。
【0074】
そして、このヒューズ装置3が確実に取り付けられ抵抗素子54による電源損失が抑制できた旨を表示する構成として、マイクロスイッチ33を閉成させる移動体46に設けた報知部48を、ケース体32の報知窓40に閉塞するように臨ませて表面に位置するようにしたため、簡単な構成で容易に目視により認識でき、ヒューズ装置3の軽量小型化および製造性の向上が容易に得られる。
【0075】
さらに、ヒューズ装置3が電気装置本体2に確実に取り付けられた際に、ケース体32の報知窓40に突設した係合爪部42に係合して移動体46の移動を規制する係止爪部52を移動体46に設けたため、ヒューズ装置3が確実に電気装置本体2に取り付けられたことを簡単な構成で容易に表示できるとともに、一旦電気装置本体2に取り付けて使用した旨を容易に表示できる。
【0076】
また、抵抗素子54にマイクロスイッチ33を並列に接続して電気装置本体2に取り付けられた状態でマイクロスイッチ33が閉成して抵抗素子54を切り離し、いわゆるプラグインの一動作で一連の突入電流を防止できるとともに電源効率を向上できる突入電流防止機能にヒューズである金属線73を設けたため、電気装置本体2への取り付け時および取り付けた後の過電流から電気装置1を確実に保護できる。
【0077】
さらに、図2の回路図に示すように、複数の作用回路91〜94を備えた構成において、各作用回路91〜94にヒューズとしての金属線73は必要不可欠で、この金属線73と突入電流防止機能とを一体的に構成しているため、ヒューズ装置3を着脱することによるプラグインにより活線挿脱されるので、スイッチの機能に代替させることが可能となり、例えば図2に示す回路図中の電源スイッチS1〜S4との代替が可能となって電源スイッチS1〜S4を省略できるなど、回路構成の簡略化が容易に図れる。
【0078】
そして、金属線73が溶断したことを表示するため、金属線73が溶断して電気装置1の負荷L1〜L4を作用させる直流電源Eの供給が停止して負荷L1〜L4が作用できなくなった状態を容易に認識でき、特に図2の回路図に示すように、複数の作用回路91〜94が設けられた場合には、いずれの作用回路91〜94の金属線73が溶断したのかを容易に認識でき、保守管理性を向上できる。
【0079】
また、金属線73が溶断した際に、溶断表示体77が移動して表示部78がケース体32の表面に臨むため、金属線73が溶断したことを目視により容易に認識できる。
【0080】
さらに、溶断表示体77を導電性および弾性を有した部材にて形成し、弾性変形させた状態で金属線73に接続し、金属線73が溶断した際に弾性力により復元して溶断表示体77に設けた表示部78がケース体32の表示窓61に臨むようにしたため、金属線73が溶断したことを報知する構成が簡単な構造ででき、軽量小型化および製造性の向上が容易に得られる。
【0081】
また、金属線73が溶断した際に常時絶縁された接点端子80が接触する構成としたため、例えば接点端子80を警報回路に接続させて、金属線73が溶断したことを表示や音声などにより報知するなど、金属線73が溶断したことを電気的に認識させること構成が容易に得られる。
【0082】
さらに、この金属線73が溶断したことを電気的に認識させる構成として、金属線73が溶断することにより移動する溶断表示体77の移動により接点端子80が短絡する構成としたため、金属線73が溶断したことを電気的に認識させること構成を簡単な構造ででき、軽量小型化および製造性の向上が容易に得られる。
【0083】
そして、ヒューズ保護部55に嵌挿した金属線73を配設するため、容易に金属線73を配設できるとともに、ヒューズ保護部55を一端側にしたがって内径が径大となるように抵抗器室37側に拡開させて形成したため、金属線73の溶断の際に生じる金属蒸気が表示窓61を開口した表示室56に吹き出すことを抑制でき、表示窓61を介して外部に金属蒸気が吹き出して周囲の電気回路を短絡させてしまうなどを防止できる。
【0084】
なお、上記実施の形態において、ヒューズとしての金属線73を備えたヒューズ装置3を電気装置本体2に取り付ける構成について説明したが、例えば電気装置本体2側に別途ヒューズを設け、ケース体32内にはヒューズとしての金属線73を配設しない突入電流防止機能のみを備えた構成などでもできる。
【0085】
また、移動体46により電気装置本体2に取り付けた状態でマイクロスイッチ33を閉成する構成としたが、例えばマイクロスイッチ33の操作子36を第一の端子62aおよび第二の端子62bが突出する側のケース体32の外面に直接突設させ、電気装置本体2に取り付けられた状態で操作子36が電気装置本体2の本体ケース4により押し込まれて閉成する構成など、マイクロスイッチ33を閉成する構成は、上記実施の形態に限られるものではない。
【0086】
さらに、電気装置本体2に取り付けられたことを報知する構成としては、例えばマイクロスイッチ33のスイッチ端子34,34間に別途報知回路を設け、電気的に報知するなど、いずれの報知する構成でもよく、また報知する構成を設けなくてもよい。
【0087】
また、ヒューズの溶断を報知する構成として、溶断表示体77を設けて溶断表示体77の表示部78をケース体32の表面に臨ませて表示するとともに、溶断表示体77の移動にて接触し警報回路を短絡させる接点端子80を設けて説明したが、例えばヒューズの溶断により接点端子80が接離するようにして、警報回路などにて電気的に報知させるのみ、もしくは、溶断表示体77の表示のみでもよく、さらにはヒューズの溶断を報知する構成を設けなくてもよい。
【0088】
そして、ヒューズ装置3を取り付けることによりマイクロスイッチ33が閉成して抵抗素子54を作用回路91〜94から実質的に切り離す構成について説明したが、例えば図6に示すように、抵抗素子54とジャンパ線や異なる抵抗値の抵抗素子などのバイパス路99とを並列に設けた並列回路をスイッチ100の切り換えにより切り換えて機械的に抵抗素子54を切り離すなど、バイパス手段45の構成としては、プラグインによる取り付け動作で抵抗素子54を作用回路91〜94から切り離し可能ないずれの構成でもできる。
【0089】
また、移動体を設けず、第一の端子62aおよび第二の端子62bを、ピンジャックなどのようにそれぞれ突出方向で2端子となるように形成し、電気装置本体2に取り付ける際に先端側が接続端子6a,6bに接触した状態では抵抗素子54に連通し、さらに押し込んで電気装置本体2に装着した状態では基端側の端子部分同士を短絡させる構成とするなどしてもよい。
【0090】
さらに、本体ケース5の外面に移動体46を一体的に突設し、電気装置本体2にヒューズ装置3を取り付ける際に移動体46がヒューズ装置3のケース体32内に挿入されるようにし、ヒューズ装置3が取り付けられた状態でヒューズ装置3内のマイクロスイッチ33の操作子36に当接してマイクロスイッチ33を閉成させるようにしてもよい。
【0091】
【発明の効果】
請求項1記載の突入電流防止装置によれば、ホルダへの接続によって電源とコンデンサおよび負荷との間に電気的かつ機械的に接続される一対の端子間に、限流抵抗器を接続するとともに、端子に電気的かつ機械的に接続された所定の状態で限流抵抗器をバイパスするバイパス手段を設けたため、ホルダに端子を接続する際に端子が電気的に接続した状態で限流抵抗器を介して電源が流れ、コンデンサに大電流が流れることによる損傷を防止でき、電気的かつ機械的に接続された所定の状態でバイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失を抑制して、電源効率を向上させるので、端子をホルダに接続する一動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上ができる。
【0092】
請求項2記載の突入電流防止装置によれば、請求項1記載の突入電流防止装置の効果に加え、端子がホルダに接続されることにより電気的かつ機械的に接続された所定の状態で、限流抵抗器と並列に端子間に接続した常開スイッチをスイッチ閉成手段により閉成するため、簡単な構成で一動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上ができる。
【0093】
請求項3記載の突入電流防止装置によれば、請求項1または2記載の突入電流防止装置の効果に加え、端子がホルダに接続されることにより電気的かつ機械的に接続されたことを報知する報知手段を設けたため、端子がホルダに確実に接続されて限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失が抑制されていることを容易に認識できる。
【0094】
請求項4記載の突入電流防止装置によれば、請求項2記載の突入電流防止装置の効果に加え、端子がホルダに接続されることにより一部がケース体の表面に臨んで移動可能な移動体を設けたため、端子がホルダに確実に接続されて限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失が抑制されていることを、移動体がケース体の表面に臨むか否かを目視で確認することにより簡単な構成で容易に認識できる。
【0095】
請求項5記載の突入電流防止装置によれば、請求項4記載の突入電流防止装置の効果に加え、移動体をケース体の端子が突出する面に進退可能で、端子がホルダに接続された際にケース体内に後退して一部がケース体の表面に臨んで移動するように配設したため、端子がホルダに確実に接続されて限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失が抑制されているか否かを目視で容易に確認できる構成を簡単な構造でできる。
【0096】
請求項6記載のスイッチング装置によれば、請求項1ないし5いずれか一記載の突入電流防止装置の端子を接続端子に着脱可能に接続して、負荷およびコンデンサと電源との間に突入電流防止装置の限流抵抗器を直列状に接続するため、端子を接続端子に電気的に接続した状態で活線挿入される限流抵抗器を介して電源がコンデンサに供給され、コンデンサに大電流が流れることによる損傷を防止しつつコンデンサを充電し、端子を接続端子に電気的かつ機械的に接続して突入電流防止装置を取り付けた状態でバイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失を抑制して、電源効率を向上させるので、突入電流防止装置の端子を活線挿脱する一接続動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上を図りつつ、負荷への電源の供給をスイッチングできる。
【0097】
請求項7記載のヒューズ装置によれば、請求項1ないし5いずれか一記載の突入電流防止装置の端子間に限流抵抗器およびバイパス手段と直列にヒューズを接続したため、突入電流防止装置をホルダに接続する際および接続後の過電流に対して確実に保護できる。
【0098】
請求項8記載のヒューズ装置によれば、請求項7記載のヒューズ装置の効果に加え、ヒューズが溶断したことを報知するヒューズ溶断報知手段を設けたため、ヒューズが溶断して負荷を作用させる電源の供給が停止して負荷が作用できなくなった状態を容易に認識できる。
【0099】
請求項9記載のヒューズ装置によれば、請求項8記載のヒューズ装置の効果に加え、ヒューズが溶断した際に一部がケース体の表面に臨んで移動可能な溶断表示体を設けたため、ヒューズが溶断して負荷が作用できなくなった状態を、溶断表示体がケース体の表面に臨むか否かを目視で確認することにより簡単な構成で容易に認識できる。
【0100】
請求項10記載のヒューズ装置によれば、請求項9記載のヒューズ装置の効果に加え、溶断表示体を導電性および弾性に形成してヒューズの溶断により弾性力による復元にて一部がケース体の表面に臨んで移動するように弾性変形した状態でヒューズおよび端子間に接続したため、ヒューズが溶断して負荷が作用できなくなった状態を目視により容易に確認できる構成を簡単な構造でできる。
【0101】
請求項11記載のヒューズ装置によれば、請求項7ないし10いずれか一記載のヒューズ装置の効果に加え、ヒューズ溶断報知手段にヒューズの溶断により接離する接点を設けたため、例えば警報装置などを動作させて報知するなど、ヒューズの溶断を接点の接離により電気的に報知できる。
【0102】
請求項12記載のスイッチング装置によれば、請求項7ないし11いずれか一記載のヒューズ装置の端子を接続端子に着脱可能に接続することにより、負荷およびコンデンサと電源との間にヒューズ装置の限流抵抗器を直列状に接続するため、端子を接続端子に電気的に接続した状態で活線挿入される限流抵抗器を介して電源がコンデンサに供給され、コンデンサに大電流が流れることによる損傷を防止しつつコンデンサを充電し、端子を接続端子に電気的かつ機械的に接続してヒューズ装置を取り付けた状態でバイパス手段により限流抵抗器をバイパスして限流抵抗器での電源損失を抑制して、電源効率を向上させるので、ヒューズ装置の端子を活線挿脱する一接続動作で一連の突入電流の防止および電源効率の向上を図るとともにヒューズ装置の活線挿脱の際および接続後の過電流に対する負荷の確実な保護を図りつつ、負荷への電源の供給をスイッチングできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の突入電流防止装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】 同上突入電流防止装置の回路構成を示す回路図である。
【図3】 同上ヒューズ装置を示す断面図である。
【図4】 同上ヒューズ装置を電気装置本体に取り付ける動作を説明する説明図である。
【図5】 同上ヒューズ装置を電気装置本体に取り付ける動作を説明する説明図である。
【図6】 本発明の他の実施の形態の突入電流防止装置の回路構成を示す回路図である。
【図7】 従来例の突入電流防止装置の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
3 ヒューズ装置
4 スイッチング装置
6 ホルダ
6a,6b 接続端子
32 ケース体
33 常開スイッチとしてのマイクロスイッチ
45 バイパス手段
46 報知手段を構成しスイッチ閉成手段である移動体
54 限流抵抗器としての抵抗素子
62a 端子である第一の端子
62b 端子である第二の端子
73 ヒューズとしての金属線
77 ヒューズ溶断報知手段を構成する溶断表示体
80 接点としての接点端子
C1〜C4 コンデンサ
E 電源である直流電源
L1〜L4 負荷
Claims (12)
- 電源を供給してコンデンサが並列に接続された負荷を作用させ、かつ一対の接続端子が取り付けられたホルダに接続される突入電流防止装置であって、
ケース体と、
このケース体に一端が外方に突出して配設され、前記ホルダへの接続によって前記電源と前記コンデンサおよび前記負荷との間に電気的かつ機械的に接続される互いに絶縁された一対の端子と、
前記ケース体内に前記端子間に接続されて配設された限流抵抗器と、
前記ケース体内に配設され前記端子に電気的かつ機械的に接続された所定の状態で前記限流抵抗器に流れる電流をバイパスするバイパス手段と
を具備したことを特徴とする突入電流防止装置。 - バイパス手段は、
限流抵抗器と並列に端子間に接続された常開スイッチと、
前記端子がホルダに接続されることにより電気的かつ機械的に接続された所定の状態で前記常開スイッチを閉成するスイッチ閉成手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の突入電流防止装置。 - 前記端子がホルダに接続されることにより電気的かつ機械的に接続されたことを報知する報知手段を具備した
ことを特徴とする請求項1または2記載の突入電流防止装置。 - スイッチ閉成手段は、前記端子がホルダに接続されることにより一部がケース体の表面に臨んで移動可能な移動体を備えた
ことを特徴とする請求項2記載の突入電流防止装置。 - 移動体は、ケース体の端子が突出する面に進退可能に配設され、この端子がホルダに接続された際に前記ケース体内に後退して一部がケース体の表面に臨んで移動可能に配設された
ことを特徴とする請求項4記載の突入電流防止装置。 - 電源により作用し並列にコンデンサが接続された負荷に前記電源を供給するスイッチング装置であって、
請求項1ないし5いずれか一記載の突入電流防止装置と、
この突入電流防止装置の端子が着脱可能に接続され、前記突入電流防止装置の限流抵抗器を前記負荷および前記コンデンサと前記電源との間に直列状に接続する互いに絶縁された一対の接続端子が取り付けられたホルダと
を具備したことを特徴とするスイッチング装置。 - 請求項1ないし5いずれか一記載の突入電流防止装置と、
この突入電流防止装置の端子間に限流抵抗器およびバイパス手段と直列に接続されて前記突入電流防止装置のケース体内に配設されるヒューズと
を具備したことを特徴とするヒューズ装置。 - ヒューズが溶断したことを報知するヒューズ溶断報知手段を具備した
ことを特徴とする請求項7記載のヒューズ装置。 - ヒューズ溶断報知手段は、
ヒューズが溶断した際に一部がケース体の表面に臨んで移動可能な溶断表示体を備えた
ことを特徴とする請求項8記載のヒューズ装置。 - 溶断表示体は、導電性および弾性を有し、弾性変形した状態でヒューズおよび端子間に接続され、前記ヒューズの溶断により弾性による復元力にて一部がケース体の表面に臨んで移動可能に配設された
ことを特徴とする請求項9記載のヒューズ装置。 - ヒューズ溶断報知手段は、
ヒューズの溶断により接離する接点を備えた
ことを特徴とする請求項7ないし10いずれか一記載のヒューズ装置。 - 電源により作用し並列にコンデンサが接続された負荷に前記電源を供給するスイッチング装置であって、
請求項7ないし11いずれか一記載のヒューズ装置と、
このヒューズ装置の端子が着脱可能に接続され、前記ヒューズ装置の限流抵抗器を前記負荷および前記コンデンサと前記電源との間に直列状に接続する互いに絶縁された一対の接続端子が取り付けられたホルダと
を具備したことを特徴とするスイッチング装置。
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