JP3854927B2 - プロテインキナーゼを検出するための方法およびキット - Google Patents

プロテインキナーゼを検出するための方法およびキット Download PDF

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Description

本発明は、プロテインキナーゼ活性を検出するための方法およびそのような方法を行うためのキットに関する。
プロテインキナーゼは、広範囲の様々な細胞事象の調節において非常に重要な役割を果たしている。これらの酵素は、リン酸残基を細胞内ポリペプチドにおける特定のアミノ酸に転移することによって作用して、これらのタンパク質基質の活性化をもたらし、そして細胞の増殖および分化および分裂を含む一連の活性化制御事象を始動させる。様々なプロテインキナーゼが腫瘍生物学の分野で広範囲に研究されている。細胞内のキナーゼの活性が制御されないことにより、腫瘍の形成がもたらされると考えられている。製薬業界は、広範囲の様々な腫瘍の処置を助けるために、これらのキナーゼを標的とする薬物の探索を絶えず行っている。少なくとも1200個のプロテインキナーゼが細胞機能の調節に関与している。それらは膜酵素および細胞質ゾル酵素として存在し、セリン、トレオニンおよびチロシンのアミノ酸残基をリン酸化する。これらの基質特異性に基づいて、キナーゼは、セリン/トレオニンキナーゼおよびチロシンキナーゼの2つのグループに分けられる。これにより、リン酸基を受け取り、それをタンパク質/ペプチドに結合させるこれらのタンパク質の能力に注目する多数の技術が開発されている。
非常に広く使用されている技術の1つが、32Pまたは33Pのいずれかのγ-リン酸を利用する放射性同位体法である。活性なキナーゼが存在する場合、標識されたリン酸はATPからタンパク質基質またはペプチド基質に転移される。これらのアッセイは、高比活性に標識されたATPの存在下で行う必要がある。これは、非標識ATPの濃度をマイクロモーラーの濃度範囲内に保つことから生じる。また、必要とされる感度を達成するためにも、ペプチド基質は高濃度(5μM〜20μM)で使用されなければならない。得られるリンタンパク質における増大した放射能を、その後、ホスホセルロース紙に捕捉した後、シンチレーション・カウンターを使用して検出することができる。
他の方法には、様々な免疫沈殿法が含まれる。これらのアッセイを行っているとき、キナーゼと、ATPと、基質との反応が進行させられ、その後、Laemmli緩衝液などの緩衝液を使用して停止させられる。その後、タンパク質が、SDS/PAGE電気泳動を使用して泳動される。その後、ゲルはニトロセルロース膜にブロットされ、そして選ばれたリン酸化アミノ酸に対する抗体を使用して、リン酸化された基質に対してプローブされる。リン酸化されたバンドの存在を、西洋ワサビ・ペルオキシダーゼにコンジュゲート化された二次抗体を使用し、その後、化学発光検出システムを使用し、そして写真フィルムへの感光によって可視化することができる。しかし、放射性同位体アッセイの代替として提案されてきた方法の多くの場合のように、上記のウエスタン・ブロッティング技術は感度がなく、極めて手間がかかる。
生物発光または化学発光のいずれかによる発光検出の使用により、非常に高感度な検出システムが可能になる。Lehel他(1997、Anal. Biochem.、244、340〜346)は、プロテインキナーゼ活性を検出するために化学発光によるマイクロタイター・プレート・アッセイの使用を報告した。このアッセイは、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロプレートに捕捉されるビオチン化基質ペプチドをモノクローナル抗体とともに使用することに基づいている。著者らは、アッセイを開発するためにプロテインキナーゼA(PKA)を選んだが、選ばれたプロテインキナーゼC(PKC)、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII、受容体相互作用タンパク質およびsrcの活性に関する結果も信頼できることを見出した。これらのアッセイは、阻害剤の存在下および非存在下、20μMのATPおよび目的のキナーゼの存在下で行われた。キナーゼ反応は、完了するまで行われた。次いで、プレートは洗浄され、その後、抗体との結合、そして西洋ワサビ・ペルオキシダーゼにコンジュゲート化された二次抗体による化学発光検出が行われ、化学発光が、Tropix(登録商標)(米国)化学発光基質キットを使用して測定された。このアッセイは、依然として、特異的な基質が利用できることに頼っており、そしてまた生じたリンタンパク質に対する抗体にも頼っている。
利用されている別の方法は、マイクロチップに基づく技術を採用することである。Cohen他(1999、Anal. Biochem.、273、89〜97)は、フォトリソグラフィー技術に基づくPKA用アッセイを報告した。蛍光標識されたペプチド基質および生成物のチップ上での電気泳動分離を行うことにより、リン酸基のATPからヘプタペプチド(Kemptide)のセリン残基への移動を測定することができる。この技術は、PKA活性を検出するために開発されていた。
Eu他(1999、Anal. Biochem.、271、168〜176)は、生物発光によるATPの測定が、尿試料中に存在する基質(ガラクトース)の量に関連する方法を記載する。
Sala-NewbyおよびCampbell(1992、FEBS Lett.、307、241〜244)は、プロテインキナーゼA認識部位RRFSを含有し、かつ天然ルシフェラーゼのC末端ペルオキシソーム・シグナルを含まないように操作されたホタル・ルシフェラーゼの使用を記載する。この変異ルシフェラーゼは、COS細胞において発現させられ、それらの細胞における環状AMPによるプロテインキナーゼAの活性化を検出および定量するために使用された。
上記の方法は、環状AMPによるプロテインキナーゼAの活性化についてだけ有用であるので、極めて特異的であることが理解される。従って、この方法は、特異的な酵素およびそれが反応する基質に基づく上記に記載されたプロテインキナーゼ検出システムと同じ問題に悩まされる。
キナーゼ・ファミリーまたはリン酸化されるアミノ酸残基にかかわりなくキナーゼ活性を測定することができるアッセイは存在しない。これは、現在利用可能な方法はすべて、特異的な酵素および関与する基質に注目しているという事実のためである。
Lehel他(1997、Anal. Biochem.、244、340〜346)
本発明は、ある1つのプロテインキナーゼに対して特異的でなく、むしろ、広範囲のプロテインキナーゼの活性を測定する一般的な手段として使用することができる、プロテインキナーゼ活性の測定方法を提供しようとするものである。
本発明により、プロテインキナーゼ活性を測定するための方法で、
(a)ATPおよび試験されるプロテインキナーゼを含む第1の溶液と、試験される前記プロテインキナーゼの非存在下でATPを含む第2の溶液とを提供すること、
(b)試験されるプロテインキナーゼによってリン酸化され得る基質をステップ(a)の第1の溶液および第2の溶液に加えること、
(c)ステップ(b)において形成された反応混合物のそれぞれにおけるATPおよび/またはADPの濃度あるいはその経時的変化速度を、生物発光反応を使用して測定すること、そして
(d)ATPおよび/またはADPの濃度に関する情報を使用して、試験されるプロテインキナーゼの活性を決定すること
を含む方法が提供される。
キナーゼは、好ましくは、リン酸化によってステップ(a)に先立って活性化される。キナーゼは、非常に複雑な細胞内シグナル変換カスケードに関与している。アゴニストが細胞膜の受容体に結合したとき、多数のリン酸化事象が非常に迅速に開始される。休止細胞では、多数のキナーゼがその不活性型の形態にあり、したがって、これらの酵素がそれらの基質をリン酸化することができるためには、リン酸化されることが必要である。ドミノ様の作用によって、経路の成分の1つが活性化されると、シグナルの大きな増幅がもたらされることがある。例えば、Rafは、MEK(MAPKキナーゼ)をリン酸化および活性化するセリン/トレオニンキナーゼである。一方、MEKは、チロシン残基およびトレオニン残基をリン酸化することによってMAPK(Erk-1およびErk-2)を活性化する二重チロシン/トレオニンキナーゼである。これらのMAPKは、次に、その基質(すなわち、ミエリン塩基性タンパク質)をリン酸化することができるように活性化される。
市販のキナーゼは、(供給者によって既にリン酸化された)その活性型形態で、またはその不活性型形態で得ることができる。後者は、シグナル伝達経路内のそれよりも上流に位置する別のキナーゼによるリン酸化を必要とする。
本発明の方法は、特定タイプのキナーゼ(すなわち、セリン/トレオニン対チロシン)に対して選択的ではないので、例えば、MEKがErk-1をリン酸化し、その後、Erk-1がミエリン塩基性タンパク質をリン酸化するときに見られるATPの減少を測定することによって、特定の経路におけるすべてのキナーゼの段階毎の活性化をモニターするために使用することができる。
本発明の第2の態様により、プロテインキナーゼの活性を調節する化合物を識別するための方法で、
(a)ATPおよびプロテインキナーゼおよび試験される化合物を含む第1の溶液と、試験される前記化合物の非存在下でATPおよびプロテインキナーゼを含む第2の溶液とを提供すること、
(b)プロテインキナーゼによってリン酸化され得る基質をステップ(a)の第1の溶液および第2の溶液に加えること、
(c)ステップ(b)において形成された反応混合物のそれぞれにおけるATPおよび/またはADPの濃度あるいはその経時的変化速度を、生物発光反応を使用して測定すること、
(d)ATPおよび/またはADPの濃度に関する情報を使用して、第1の溶液および第2の溶液におけるプロテインキナーゼの活性を決定すること、
(e)プロテインキナーゼの活性を調節する化合物を識別するために、第1の溶液におけるプロテインキナーゼの活性を第2の溶液におけるプロテインキナーゼの活性と比較し、それにより、第1の溶液におけるプロテインキナーゼの活性が第2の溶液におけるプロテインキナーゼの活性と異なる場合、試験される化合物がプロテインキナーゼの調節因子として識別されること
を含む方法が提供される。
本発明の方法において使用される例示的なキナーゼ/基質の組合せには、JNK-1/c-jun、JNK-2/c-jun、MAPキナーゼ-1(ERK-1)/ミエリン塩基性タンパク、MAPキナーゼ-2(ERK-2)/ミエリン塩基性タンパク、PKA/Kemptide、MEK-1/不活性型MAPキナーゼ-2(ERK-2)、JNK2α2/ATF-2、JNK2α2/c-jun、SAPK-3/ミエリン塩基性タンパク質、SAPK-4/ミエリン塩基性タンパク質、およびraf-1/不活性型MEK-1が含まれる。
「調節する」によって、プロテインキナーゼの活性が試験化合物の存在下で増大または低下または妨害/阻害されるという意味が包含される。従って、本発明の方法は、化合物がプロテインキナーゼの阻害剤または活性化剤であるかどうかを決定するために使用することができる。
試験される化合物は、第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性よりも低い場合、プロテインキナーゼの阻害剤として識別される。好ましくは、試験される化合物は、第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性の90%未満である場合、プロテインキナーゼの阻害剤として識別される。より好ましくは、試験される化合物は、第1の溶液におけるキナーゼの活性が、第2の溶液におけるキナーゼの活性の80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満または10%未満である場合、プロテインキナーゼの阻害剤として識別される。最も好ましくは、試験される化合物は、第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性の50%未満である場合、プロテインキナーゼの阻害剤として識別される。
同様に、試験される化合物は、第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性よりも大きい場合、プロテインキナーゼの活性化剤として識別される。好ましくは、試験される化合物は、第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性よりも10%より大きい場合、プロテインキナーゼの活性化剤として識別される。より好ましくは、試験される化合物は、第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性よりも20%より大きい場合、または30%より大きい場合、または40%より大きい場合、または50%より大きい場合、または75%より大きい場合、または100%より大きい場合、または200%より大きい場合、プロテインキナーゼの活性化剤として識別される。最も好ましくは、試験される化合物は、第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性よりも少なくとも50%大きい場合、プロテインキナーゼの活性化剤として識別される。
好都合には、本発明の方法のステップ(a)の第1の溶液および第2の溶液は実質的に細胞を含まない。
本発明の第2の態様による方法のステップ(a)〜ステップ(d)は、異なるキナーゼおよびその対応する基質を毎回使用して1回またはそれ以上繰り返すことができる。
プロテインキナーゼの活性を増大させる化合物は、医学において、特にガンの研究において有用性を見出すことでき、そして治療剤として有用であり得る。プロテインキナーゼの活性を低下または妨害/阻害する化合物もまた、そのような適用において有用性を見出すことができる。
好ましくは、ステップ(a)の第1の溶液および第2の溶液は緩衝液を含み、好都合にはHepes緩衝液を含む。
好都合には、ステップ(a)〜ステップ(c)は連続して行われる。
ステップ(b)において基質が加えられた後、反応は、ステップ(c)に先立って、様々な期間および様々な温度で行わせることができることが当業者によって理解される。好都合には、ステップ(b)において基質が加えられた後、反応混合物は、ステップ(c)に先立って、30℃で10分間反応させられる。便宜的には、ステップ(b)において基質が加えられた後、反応混合物は、ステップ(c)に先立って、30℃で10分間または室温で1時間反応させられる。
好ましくは、本発明の方法のステップ(c)は、
(i)ルシフェリンまたはその誘導体およびルシフェラーゼを含む生物発光試薬を前記反応混合物に加えること(ただし、前記のルシフェリンまたはその誘導体はATPの存在下でのルシフェラーゼとの生物発光反応において光を発する)、そして
(ii)生じる生物発光反応によって放射される光の強度またはその経時的変化をATP濃度の測定値として測定すること、
を含む。
ステップ(c)の生物発光試薬はルシフェリン/ルシフェラーゼの一般的なタイプのいずれでも可能である。活性な基質はD-ルシフェリンまたはその誘導体である。米国特許第5,374,534号には、本発明の方法においてルシフェラーゼとともに使用され得るD-ルシフェリン誘導体が開示される。任意の他の誘導体を使用することができる。
ルシフェラーゼ酵素は、好ましくは、天然物から、特にホタルから、最も具体的にはPhotinus pyralis(ホタル)から得られる。しかし、ルシフェラーゼの供給源は、生物発酵反応においてルシフェリン(またはその誘導体)およびATPと反応する限り、重要ではない。例には、Lucicola cruciata(ゲンジボタル)、Diptera spp.およびColeoptera spp.から得られるルシフェラーゼがある。
合成ルシフェラーゼ(例えば、組換えルシフェラーゼ)を本発明において使用することができる。これは、Devine他(1993、Biochemica et Biophysica Acta、1173、121〜132)によって記載され、そして欧州特許第0301541号および米国特許第5,583,024号において記載される。
変異ルシフェラーゼもまた本発明の方法において使用することができる(下記参照)。
好ましい実施形態において、本発明の方法は、ステップ(b)において形成された反応混合物に、キナーゼと基質との反応を停止させる試薬を加えるさらなるステップ(b')が、ステップ(b)の後、ステップ(c)の前に行われることを含む。
多数の酸が、停止試薬としての使用に好適であり、例えば、リン酸などの、実験室で広く使用されている酸が好適である。あるいは、高濃度のEDTAまたはEGTAを用いることができる。ルシフェラーゼは、EDTA/EGTAの作用に対する抵抗性が他の酵素よりも大きく、高濃度のこれらの塩のもとでの反応効率は、変異ルシフェラーゼ酵素の使用によって増大する。さらに、酵素反応を停止させるための他の知られている緩衝液はどれも使用することができる。
停止試薬は、好ましくは、リン酸、EDTAまたはEGTAである。
停止試薬の使用は、非常に多数の試料を試験に先立って作製し、貯蔵することができるので、特に好都合である。この特徴は、本発明の方法のハイ・スループット適用(下記参照)のためには特に望ましい。
この好ましい実施形態の方法は、好都合には、ステップ(b')において形成された混合物のpHを、ルシフェラーゼ酵素が活性であるpHに、通常的にはpH7.0に調節するさらなるステップ(b")が、ステップ(b')の後、ステップ(c)の前に行われることを含む。好ましくは、ステップ(b")は、Hepes緩衝液を加えることを含む。
pHを調節するステップは、停止試薬を加えた後の溶液のpHで、必要とする活性を保持する変異ルシフェラーゼの使用によって回避することができる。25℃以上ではあまり活性でない野生型ルシフェラーゼではなく、30℃で活性であるルシフェラーゼを用いることもまた有用である。熱安定性のルシフェラーゼ変異体を使用することのさらなる利点は、高い温度に対するその耐性に加えて、酵素内の重要なアミノ酸が、低いpHおよび高塩溶液に対する耐性を含む、酵素の性能を高める他の有利な性質をもたらすように変異され得るということである。従って、これらの性質は、停止液が使用される場合、有益である。
好適な変異ルシフェラーゼをKikkoman Biochemicals(キッコーマン(株)バイオケミカル事業部、日本)から得ることができる。
本発明の方法における使用に好適な他の例示的な変異ルシフェラーゼが、White他(1996)、Biochem. J.、319、343〜350;Squirrel他(1997)、J. Defence Science、2、292〜297;KarpおよびOker-Blom(1999)、Biomolecular Engineering、16、101〜104;Branchini他(1999)、Biochemistry、38、13223〜13230;Branchini他(2000)、Biochemistry、39、5433〜5440;Tatsumi他(1996)、Anal. Biochem.、243、176〜180;国際特許出願公開WO98/46729、同WO96/22376、同WO99/02697、欧州特許EP0449621B、米国特許第5,330,906号、米国特許第6,074,859号および国際特許出願公開WO95/18853に開示されている。
好都合には、ステップ(c)は、ステップ(ii)において測定される光の強度が実質的に一定のレベルに達した後に行われる下記のステップ:
(iii)ADPをATPに変換する試薬を加えること、
(iv)ルシフェリンまたはその誘導体およびルシフェラーゼを含む生物発光試薬をステップ(iii)の前記反応混合物に加えること、そして
(v)生じる生物発光反応によって放射される光の強度を測定すること、
をさらに含み、この場合、ステップ(v)における光の強度とステップ(ii)における光の定常状態での強度との差がステップ(ii)の反応混合物におけるADP濃度の測定値である。
「実質的に一定の」により、光の強度が、光強度の測定を行うために要されるのと同じ時間で大きく変化しないという意味が包含される。非限定的な例として、この用語は、放射された光の強度の変化割合が1分あたり5%未満であり、好ましくは1分あたり3%未満であるという意味を包含することが意図される。いずれの場合においても、当業者は、ATPベースラインにおける何らかの小さい変化によって大きく影響を受けないADP変換試薬を添加することによって産生されるATPの有効な読み取り値を得ることができるようにレベルが十分に一定しているかどうかを評価することができる。
代わりの好ましい実施形態において、ステップ(b)およびステップ(c)は同時に行われる。
さらなる態様により、本発明は、本発明の方法を使用して識別される化合物を提供する。
本発明の方法は、ハイ・スループット・スクリーニングを行うために、すなわち、薬学的製造物に対するリード物質を得るために非常に多数の化学合成物および天然由来産物をスクリーニングするために好適であることが当業者によって理解される。そのようなスクリーニング・アッセイにおいて、化合物は、マイクロタイター・プレート技術を使用するスクリーニングのためにグループ化することができる。
従って、本発明の方法は、96ウエル・プレート形式に加えて、384ウエル・プレートおよび1536ウエル・プレートと一緒に小容量で行うことができる。実験室ロボットが使用されるこれらの状況のもとでは、アッセイは非常に多数のプレートにおいて調製される。その後、アッセイは、注入器を伴うルミノメーターの中にプレートを移すためにロボットを使用して行うことができ、そしてアッセイを上記のように行うことができる。
別の選択肢が、生物発光反応から生じる光の「輝き」の半減期が長いことによりもたらされる。反応がプラトー状態に達すると、放射光の強度は実質的に一定の状態になる。これにより、生物発光試薬を回分様式でプレートに加えることができ、したがって、プレートは、試薬を添加した3時間後〜4時間後でさえ読み取ることができる。
本発明はさらに、本発明の第2の態様の方法において使用されるキットを提供する。このキットは、
(a)ルシフェリンまたはその誘導体およびルシフェラーゼを含む生物発光試薬で、前記のルシフェリンまたはその誘導体がATPの存在下でのルシフェラーゼとの生物発光反応において光を発する生物発光試薬、
(b)キナーゼ、
(c)前記キナーゼによってリン酸化され得る基質、および
(d)ATP
を含む。
キットは、好都合には、生物発光試薬、キナーゼ、基質および/またはATPを再構成または希釈または溶解するための1つまたは2つ以上の緩衝液をさらに含む。
キットはまた、前記キナーゼと前記基質との反応を停止させることができる試薬(例えば、リン酸)をさらに含むことができる。
本発明によるキットは、ピルビン酸キナーゼおよびホスホエノールピルビン酸を含む試薬などの、ADPをATPに変換する1つまたは2つ以上の試薬をさらに含むことができる。
好ましい実施形態において、本発明のキットは、2つ以上の異なるキナーゼおよびそれらの基質を含む。したがって、化合物がキナーゼ活性を調節するかどうかを明らかにするために、そしてそのような阻害の特異性を明らかにするために、試験される化合物を、複数の異なるキナーゼに対してスクリーニングするために好適なキットが考えられる。
本発明によるキットはマルチウエル・マイクロタイター・プレートをさらに含むことができる。この用語は、プレートの形態で一緒に連結された複数の反応器または反応ウエルを含む器具を包含することが意図される。それぞれのウエルは小さい容量を有し、通常、96ウエル・プレートでは250μl〜300μlの容量を、384ウエル・プレートでは60μl〜70μlの容量を、そして1536ウエル・プレートでは6μl〜8μlの容量を有する。現在、最も一般的なプレートは96個のウエルを有しているが、384個のウエルおよび1536個のウエルを有するプレートが知られており、これらは本発明により有用である。好ましくは、キットは、96個以上のウエルを含有するマルチウエルのマイクロタイター・プレートを含む。
好都合には、本発明のキットにおける1つまたは2つ以上の試薬は凍結乾燥形態で提供される。
次に、本発明の特定の態様を包含する様々な実施例が、下記の図を参照する非限定的な例示として記載される。
(実施例)
本発明者らは、無細胞系におけるプロテインキナーゼ活性の影響を示すために一連の実験を行った。すべてのプロテインキナーゼおよび基質はUpstate Biotechnology Inc.(UBI;Lake Placid、米国)によって供給された。多数の異なる配合物で使用された他の試薬はどれも、付属1に示される。
実施例1 - JNK-1の活性の測定
最初の実験組は、JNK-1の活性を、2つの他のキナーゼ(MEKK1およびMKK4)による本酵素の活性化の後で測定することであった。これらの酵素を活性化するために使用されたアッセイ緩衝液は10倍ストック液として作製された(配合は付属1に示される)。アッセイは下記のように行われたが、JNKを活性化するためのプレミックスが最初に調製された。
JNK酵素は1.234mg/mlのストック濃度で使用され、MEKK1は1mg/mlで、そしてMKK4は0.28mg/mlで使用された。活性化混合物を、8.7μlのJNK、2.5μlのMEKK1、8.4μlのMKK4、1μlの10mM ATP(Calbiochem、英国)、1μlのジチオスレイトール(Sigma、英国)、5μlの10Xアッセイ緩衝液および23.4μlの蒸留水とともにポリエチレンチューブ(Sarstedt)に加えた。これを室温で一晩インキュベーションした。実際のアッセイを行うために、50μlの活性化された濃縮物を作業濃度の9mlのJNKアッセイ緩衝液で希釈した(すなわち、1:10で希釈した)。使用された基質は、8.61mg/mlの濃度でのGST-c-junであった。簡単に記載すると、12μlのGST-c-junを1545μlの作業濃度のアッセイ希釈緩衝液で希釈した。それぞれのアッセイ点を白色の不透明な96ウエル・マイクロタイター・プレート(Dynex)の三連ウエルで行った。それぞれのウエルには、15μlの基質混合物が加えられ、続いて30μlの活性化されたJNK酵素が加えられた。その後、反応を室温で1時間行った。その後、反応を、20μlの2%(v/v)リン酸(Sigma、英国)の添加によって停止させた。三連ウエルの1つの組には135μlのTris酢酸緩衝液(pH7.75、配合については付属1を参照のこと)を加え、三連ウエルの別の組には135μlの200mM Hepes緩衝液(pH7.75、配合については付属1を参照のこと)を加えた。この後、20μlのATPモニタリング試薬(配合については付属1を参照のこと)をそれぞれのウエルに加えた。その後、プレートをMicrobeta(登録商標)Jetルミノメーター(Perkin-Elmer Life Sciences)に直ちに入れ、光出力を1秒間の積算で求めた。図1には、キナーゼの存在下で見られる光出力の低下が示される。
停止液
これらの実験は、キナーゼ反応を設定された時点で停止させるために2%リン酸を用いて行われた。停止液を使用することのある種の利点、すなわち、キナーゼと、キナーゼがリン酸化する基質との反応を停止させることができる任意の試薬を使用することのある種の利点は、本発明の方法での試験に先立って、非常に多数の試料を作製し、貯蔵することができるということである。この特徴は、ハイ・スループット・スクリーニング適用のためには特に有利な点である。停止液に関する問題の1つは、pHの低下がルシフェラーゼ酵素に有害な影響を及ぼすということであり、従って、十分な緩衝化能が、ATPが測定されるときには存在しなければならない。この最初の一連の実験では、Hepesが、リン酸の影響を中和するために、はるかに良好な緩衝液であることが証明された。実験が、Hepesの濃度を増大させながら行われ、この実験により、200mMの緩衝液はウエル内のpHをpH7.0に戻し、これにより、キナーゼを再活性化することなく、ルシフェラーゼ-ルシフェリンの反応を進行させることができたことが示された。Tris酢酸緩衝液はあまり効率的ではなく、しかしながら、検出されたRLU値の差がキナーゼ酵素の存在下において依然として存在したが、その差はHepesの場合ほど顕著ではなかった。Hepesを用いた結果は、用いない場合よりも低いRLU値を示したが、この方法では、キナーゼ活性を、ルシフェラーゼ-ルシフェリンの反応を使用して検出される前に抑えることができた。この結果として、下記の実験のほとんどは、別途示されない限り、希釈緩衝液として200mMのHepesを用いて行われた。図2には、2つの異なる実験から得られたデータが示され、リン酸停止液およびHepes緩衝液の両方の効果が明らかにされている。
当業者は、停止液を加えた後における緩衝液の使用が、pHおよび塩に対して安定である変異ルシフェラーゼを使用することによって避けられ得ることを理解する。25℃以上であまり活性でない野生型ルシフェラーゼではなく、30℃において熱安定性である変異ルシフェラーゼを使用することもまた望ましい。好適な変異体は様々な供給源から入手することができる。例えば、pHおよび塩に対して安定な熱安定性の変異体をKikkoman Biochemicals(キッコーマン(株)バイオケミカル事業部、日本)から得ることができる(上記参照)。
実施例2 - MAPK-1/ERK-1の活性の測定
本発明の上記方法によるキナーゼ活性のモニタリングが、ATPからリン酸を切断する他の酵素を用いて行われることを確認するために、本発明者らは、シグナル伝達において重要であり、そして薬物発見における標的として使用される多数の他のキナーゼを調べた。
MAPキナーゼ-1/ERK-1活性を、ホスホ・アクセプターとしてのミエリン塩基性タンパク質の存在下で調べた。この酵素は、250μlにおける25μgのストック濃度でUBIから活性型形態で供給された。簡単に記載すると、10μlのアッセイ希釈緩衝液(UBI、配合については付属1を参照のこと)を白色壁の96ウエル・マイクロタイター・プレート(Dynex)の三連ウエルに加えた。これに、10μlのMAPK1および10μlのミエリン塩基性タンパク質(UBI、2mg/ml)、そして10μlのATPカクテル(UBI、配合については付属1を参照のこと)を加えた。プレートをシールして、反応を30℃で10分間行った。この後、110μlのアッセイ希釈緩衝液またはHepes緩衝液のいずれかをウエルに加え、その後、200mMのHepes緩衝液で再構成された20μlのATPモニタリング試薬を加えた。結果は、この酵素をその基質の存在下で用いることによる光出力の低下を示した。UBI緩衝液の場合、RLU値が77367から35578に低下したが、Hepes緩衝液の場合、91256から73424への低下であった。
ADPの増大に基づく検出
この実験を用いて、本発明者らはまた、ピルビン酸キナーゼを含有する20μlのADP変換試薬(配合については付属1を参照のこと)を加えることによりADPをATPに変換することによってADPの何らかの生じた増大を検出することが可能であるかどうかを明らかにした。ADPの量を測定するために、読み取りが、最初のATP光シグナルを10分間減衰させた後に行われた。その後、変換試薬が加えられ、さらなる読み取りが5分後に行われた。これらの読み取り値はすべて、Microbeta(登録商標)Jet(Perkin-Elmer Life Sciences)を使用して1秒後に得られた積算値であった。ADPの存在量は、最初の光読み取り値と、変換試薬の添加前に得られた読み取り値との光出力の差と相関した。データは、図3に示されるように、ADPの増大を測定することは可能であることを示した。
実施例3 - MAPK-2/ERK-2の活性の測定
上記のプロトコルはまた、同じ基質(ミエリン塩基性タンパク質)の存在下におけるMAPK-2/ERK-2の影響を明らかにするために使用された。MAPK-2は、25μlの緩衝液(配合については付属1を参照のこと)において2.5μgの酵素の濃度でUBIによって供給され、比活性は662.5U/mgであった(1U=1nmoleのリン酸がミエリン塩基性タンパク質に取り込まれる)。この酵素を、50μlにおいて12.5μgの濃度でUBIによって同様に供給される不活性型形態と比較した。両方の酵素は、10μlにおいて25ngのタンパク質がそれぞれのウエルに添加され得るようにUBIのアッセイ希釈緩衝液で希釈された。ミエリン塩基性タンパク質を上記の実施例に記載されるように加え、そして200mMのHepesが、ATPモニタリング試薬の添加前にウエルに添加される緩衝液として使用された。アッセイは三連ウエルで行われ、不活性型酵素について10075±339のRLU値を示した。これは、酵素非添加対照からの光出力(11440±1372)と非常に類似していた。活性型酵素に対するRLU値は、10分のインキュベーションの後、7008±430へのATPの低下を示した。不活性型酵素の場合の441と比較して、5272の活性な試料におけるADP変換試薬の添加後のRLU値の増大を検出することもまた可能であった。
実施例4 - ATPの減少に対するキナーゼ濃度の影響
ATPの減少に対するキナーゼ活性の濃度依存的な影響が存在するかどうかを明らかにするために、MAPK-1を、最大濃度からの連続した2倍希釈物を用いて1.56ng/10μlから100ng/10μlの範囲の濃度で使用した。使用されたミエリン塩基性タンパク質の濃度は前の実験の場合と同じであった。アッセイは、前の2つの実験の場合のように、すなわち、UBIの試薬を使用して行われたが、110μlの200mM Hepes緩衝液がATP読み取り値の測定の前に添加された。結果は、検出されるATPレベルがMAPK-1の濃度の増大とともに濃度依存的に減少することを示した。1.56ngが各ウエルに添加されたとき、酵素の影響は認められなかったが、3.13ng以上の濃度では著しい影響が認められた(図4を参照のこと)。
実施例5 - 光の減衰に対するATP濃度の影響:緩衝液タイプの影響
ルシフェラーゼ酵素自体は、ATPをAMPおよび無機リン酸に変換するATPaseである。ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応の結果としての光出力が最初に増大した後、光シグナルは時間とともに減衰し始める。本発明者らは、200μMまで増大するATP濃度を上記の実験において使用して光の減衰を調べた。ATP標準物(Sigma、英国)を、各ウエルに添加される10μlあたり200μMから3.125μMまでの連続した2倍希釈で希釈した。標準物は、UBIから得られるアッセイ希釈緩衝液、Tris酢酸緩衝液(pH7.75)および200mMのHepes(pH7.7)の3つの異なる緩衝液で希釈された。10μlの標準物、およびATP非添加緩衝液対照を、不透明な白色の96ウエル・マイクロタイター・プレートの三連ウエルに加えた。実験は2枚のプレートを用いて行われた。一方のプレートでは、140μlのTris酢酸緩衝液がすべてのウエルに加えられ、もう一方では、同じ容量の200mMのHepes緩衝液が加えられた。これらの試薬を加えた直後に、20μlのATPモニタリング試薬をすべてのウエルに加えた。その後、プレートをBerthold(登録商標)Detection Systems MPL2ルミノメーターに入れ、プログラムを、2分毎にそれぞれのウエルについて1秒間の積算読み取り値が得られるように設定した。図5のグラフには、(時間0における)初期の光出力と、異なる緩衝液条件および200μMのストックATP(ウエルにおける12μMの最終濃度)を用いて観測された光シグナルの減衰とが示される。
実施例6 - キナーゼアッセイに対するルシフェリン-ルシフェラーゼ(AMR)試薬の影響:光シグナルの低下としてのキナーゼ活性の検出
実験はまた、キナーゼアッセイをルシフェリン-ルシフェラーゼ試薬(AMR)の存在下で行ったときの影響、およびシグナル減衰速度に対するその影響を調べるために行われた。使用された酵素は、各ウエルに添加される10μlあたり1μgでのJNK-2(Upstate Biotechnology Inc.、米国)であり、c-jun(1-169)-GST基質(Upstate Biotechnology Inc.、米国)もまた同じ濃度で加えられた。それぞれのウエルには、10μlの200μM ATP標準物および10μlのHepes緩衝液(200mM)が加えられた。対照のウエルには、10μlの酵素が10μlのHepes緩衝液で置き換えられ、活性な試薬のすべてがウエル内に存在し、さらに120μlのHepes希釈緩衝液が加えられると、その後、20μlのAMRが加えられ、シグナルの減衰が、Berthold(登録商標)Detection Systems MPL2ルミノメーターを使用して2分間の期間について20秒毎にモニターされた。1秒間の積算読み取り値がそれぞれの時点で得られた。データは、図6に示されるように、シグナル減衰速度がJNK-2酵素の存在下において増大することを示した。このことは、キナーゼ活性はまた、停止液が存在しない場合、光シグナルの加速された低下として検出され得ることを示している。
実施例7 - キナーゼの活性型形態および不活性型形態の比較
本発明者らはまた、MAPK-1およびMAPK-2の活性化形態および不活性型形態を比較し、これらの酵素の不活性型形態による低下したキナーゼ活性を示した。場合により、ある量の自己リン酸化が存在するようであったが、これは、酵素非添加対照とは大きく異なってはいなかった。不活性型MAPK-1対活性化形態に対する濃度曲線により、酵素のキナーゼ活性がATP量を減少させる様子、従って、シグナル減衰を増大させる様子が明瞭に示された。実験は、実施例3に詳しく記載されるように行われたが、この場合には、反応の速度論が反応の最初の6分間について調べられた。図7から、10μlあたり100ngのMAPK-1(588ng/mlの最終濃度)では、シグナル減衰率(%)の著しい増大が6分までもたらされたことを理解することができる。アッセイは、3つの異なる実験において三連で行われた。AMRが添加されるとすぐに、プレートは、Labsystems Luminoskan(登録商標)ルミノメーターを使用して6分間にわたり1分毎に1秒の積算値を求めるために読み取りが行われた。
類似した影響が、MEK-1によるMAPK-2のリン酸化の場合にも認められた。この実験シリーズでは、MEK-1は、5U/50μlのストック酵素の1μl〜5μlを添加することによって75μg/mlから375μg/mlまでのウエル内最終濃度で使用された。Upstate Biotechnology Incから引用された活性は7850U/mgであった(1ユニットは、最大、1ユニットの不活性型MAPK-2を活性化する)。不活性型MAPK-2は、5.88μg/mlの最終濃度が得られるように、10μlでそれぞれのウエルに加えられた。再度ではあるが、200μMのATPおよびHepes緩衝液が存在する場合、シグナルの減衰は、対照における14%から、使用された最大濃度に対する36%まで濃度依存的に増大した。
実施例8 - 異なるキナーゼ緩衝液の影響
文献には、多数の異なる反応緩衝液が、キナーゼアッセイを行うために使用されているので、本発明者らは、アッセイが緩衝液の構成成分にかかわりなく行えることを確保するために、これらの緩衝液を用いてATP検出試薬を試験することに決めた。これらの緩衝液が使用される理由は、ATPおよびタンパク質/ペプチド基質の存在下でのキナーゼ反応に対して最適な条件を与えるものであるからである。図8には、プロテインキナーゼのアッセイにおいて一般的に使用されている13個の異なる緩衝液の影響が示される。緩衝液の構成成分は表1に示される。
Figure 0003854927
ATPをそれぞれの緩衝液で希釈して、100μlを96ウエル・マイクロタイター・プレートの各ウエルに加え、20μlのATP検出試薬をウエルに加え、そして光出力を、Berthold(登録商標)Detection Systems Orionルミノメーターを使用する1秒の積算読み取りの後に検出した。
図8の結果は、緩衝液0および緩衝液9が光出力を弱めているが、アッセイ感度は影響を受けなかったことを示している。これらのアッセイは、通常、数十マイクロモルから数百マイクロモルのATP濃度を用いて、すなわち、著しい光出力が、シグナルを減少させる緩衝液を用いても依然として検出可能である、本実施例において使用される1μMの濃度よりも大きい濃度で行われる。
実施例9 - 生物発光アッセイにおけるTris酢酸緩衝液の使用
本発明者らは、Tris緩衝液ならびにHepesにおける生物発光アッセイの成績を比較した。本発明者らは、pH7.75のTris酢酸緩衝液においてATP検出試薬を再構成することが可能であることを示している。しかし、酸停止液(例えば、リン酸)を使用するとき、上記に記載されるHepes緩衝液再構成システムを使用することが好ましい。
アッセイが、多数の異なるキナーゼおよび基質を使用して行われた。この実験は、Hepes緩衝液について記載される方法に類似する方法を使用して行われた。アッセイは96ウエル・マイクロタイター・プレートのウエルにおいて100μlの容量で行われ、適切な濃度の酵素および基質のそれぞれが、その酵素について最も好適な反応緩衝液においてウエルに加えられた。その後、反応が、ATPを適切な濃度で添加することによって開始され、反応を30℃で10分間行い、その後、20μlのATP検出試薬(Tris酢酸緩衝液において再構成されたもの)を加えて、光出力を1秒間の積算により検出した。下記の実施例では、ATP検出試薬は、Hepesではなく、Tris酢酸緩衝液(pH7.75)において再構成された。
基質としてのATF-2およびc-Junを用いたJNK2α2
この酵素を、Upstate Discoveryから得られるATF-2基質ペプチドおよびc-Jun基質ペプチドの両方を用いて試験した。
アッセイ緩衝液:100mM Tris-HCl、pH7.4
20mMジチオスレイトール
20mM MgCl
10%グリセロール
0.004% Brij-35
経時変化実験を透明なプラスチック試験管において100μl(または200μl)の容量で行った。反応を30℃の水浴またはインキュベーターのいずれかで行った。
Upstate Discoveryは、アッセイ点あたり5μgでのATF-2基質およびアッセイ点あたり20mUでのJNK2α2の使用を推奨した。
ストックATF-2(LB018LFp107)は10μlずつの分量で4.3mg/ml(10μl中43μg)である。基質をストック液から1:8に希釈して、10μlをチューブに加え、反応混合物において5.38μgの最終濃度にした。
ストックJNK2α2(LB021SDp81)は77U/mg(100U/ml)すなわち1.3mg/mlであり、10μl量(1U)に小分けする。濃度曲線を、酵素ストック原液の5μl(50mU)、1:2液の5μl(25mU)、1:4液の5μl(12.5mU)および1:8液の5μl(6.25mU)を100μlの最終反応容量あたり加えることによって作製した。
ストックATPは10μl量において1Mである。ATPを、Tris-HCl緩衝液(390μlの添加)で1:40に希釈し、その後、さらに1:100に希釈して、250μMの作業用溶液を得た。その後、10μlを100μlの最終反応容量のそれぞれに加えた。これにより、チューブにおいて25μMの最終濃度が得られた。
従って、チューブには、
10μlの基質
5μlの酵素
10μlのATP
75μlのアッセイ緩衝液
が含まれた。
キナーゼ活性を測定するために、20μlの試料を5分間隔でチューブから取り出し、96ウエルの白色不透明なマイクロタイター・プレートのウエルに加えた。その後、Tris-Ac緩衝液において再構成された20μlのAMRをウエルに加えて、プレートを1秒間の積算でルミノメーターで読み取った。
再現性を確認するために、より大きい容量を調整して、三連の試料を短い時点について採取した。
図9には、基質のみの対照と比較して、酵素および基質の存在下における光出力の経時的な低下が示される。
図9にはまた、ATP検出試薬を用いた検出のために、キナーゼ活性の結果として形成されたADPをATPに戻すADP変換試薬(20μl)を添加したときの影響が示される。ADP変換試薬をピペットで加えた後の光シグナルの低下は、ウエル内のpHが添加後に低下したためであった。図9は、酵素非添加対照と比較して、酵素および基質の存在下における光出力の顕著な低下を明瞭に示している。
上記の方法において記載されるように、アッセイを、同じATP濃度およびペプチド濃度に対して、JNK2α2の濃度を低下させながら繰り返した。図10には、JNK2α2を2.55μM(50mU)から320nMに低下させることによって得られたデータが示される。
ATF-2に加えて、本発明者らはまた、別のJNK基質、すなわち、c-Junペプチドを調べた。c-JunペプチドとのJNK2α2活性を測定するために、実験が、上記と同じプロトコルを使用して行われたが、ATF-2ではなく、10μlのc-Junが添加された。
ストックc-Jun(LB023JTp72)は、805μlにおいて4.83mg/mlで、10μl=48.3μgであり、ATF-2とほぼ同じ量のペプチドを使用するために、再び1:9に希釈され、その後、チューブあたり10μlが加えられる。
図11では、2つの異なる基質が比較されたとき、キナーゼ活性の結果としてのATPの低下が比較される。データにより、ATF-2がJNK2α2活性についてはc-Junよりも効率的な基質であるという、Upstate Discoveryから受け取った情報が確認された。
SAPK-3およびミエリン塩基性タンパク質
SAPK3は、様々な細胞外アゴニストによって活性化され得るマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)ファミリーのメンバーである。これらのストレス感受性タンパク質キナーゼは、キナーゼ反応におけるリン受容体としてミエリン塩基性タンパク質(MBP)を利用することができる。本発明者らは、このキナーゼ活性が、Hepes緩衝液に加えて、Tris酢酸緩衝液(pH7.75)において再構成されたADP検出試薬を用いて測定され得ることを示している。アッセイは下記の通りに行われた。
このアッセイは、30℃でのインキュベーションを用いて、MAPK-2/ERK-2の場合と同じ緩衝液を使用して行われた。ATPは、JNK2α2の場合と同じ濃度で使用された。
アッセイ緩衝液:25mM Tris-HCl、pH7.5
10mM 酢酸Mg
0.1mM EGTA
前記酵素の場合のように、アッセイは、経時変化を行うためにチューブにおいて組み立てられた。キナーゼ反応が完了した後、20μlの反応混合物を96ウエルの不透明な白色のマイクロターター・プレートのウエルに入れ、その後、20μlのATP検出試薬を加えた。光出力を1秒間の積算で再び測定した。
チューブには、10μlの酵素、10μlの基質、10μlのATPおよび70μlのアッセイ緩衝液が含まれた。
SAPK3ストック液(LB012SDp174、220μl)は1.55mg/mlの濃度および87.3U/mgで提供された。酵素を10μl量(15.5μg)に小分けした。その後、酵素を1:3に希釈した(=5.17μg/10μl)。酵素濃度曲線のために、酵素を1:5(1.03μg)および1:10(0.52μg)にさらに希釈した。アッセイは、100μlの最終反応容量あたり10μlを加えることによって行われた。最終的な酵素濃度は、0μg/ml、0.517μg/ml、1.03μg/mlおよび5.17μg/mlであった(それぞれ、0nM、72.8nM、145.6nMおよび728.0nMのナノモル濃度に対応する;図12の凡例を参照のこと)。
Calbiochemから得られるMBP(0.5mg/ml)は、100μlの最終反応容量あたり10μlのストック原液が使用された(2.72μMの最終濃度)。
SAPK3/MBP実験の結果が図12に示される。図12において、(光出力によって測定されたとき)ATPの濃度依存的な低下が明らかである。
SAPK4およびミエリン塩基性タンパク質
上記の実験はまた、SAPK4およびMBPを用いて繰り返された。これらのアッセイは、MAPK2/ERK-2およびSAPK3の場合と同じアッセイ緩衝液を使用して行われた。
ストックSAPK4(LB012SDp176)は、127μlにおいて、1.64mg/mlで、144.1U/mgである。これを5μlの試料に小分けした(8.2μg/小分け物)。作業用ストックを作製するために、酵素を1:4(2.05μg/5μl)に希釈し、次いで1:5(410ng/5μl)および1:10(205ng/5μl)にさらに希釈した。その後、5μlをそれぞれのチューブに加え、これにより、100μlの反応容量について、0μg/ml、0.103μg/ml、0.205μg/mlおよび1.25μg/mlのチューブ内の最終濃度が得られた(対応するナノモル濃度は図13に示される)。
ストックMBP(Life Technologies)は2.5mg/mlである。10μlが100μlの最終反応容量のそれぞれに加えられた(250μg/mlすなわち13.6μM)。
MBPの濃度が大きくなると、時間0における光シグナルの急速な減少が示された。これは、実際には、試薬を添加した約2分後であった。試料をチューブから取り出し、それらをプレートに入れ、そしてATP検出試薬を加えるためにこのような長い時間を要したからであった(図13参照)。
SAPキナーゼを用いて行われた研究により、多数の異なる供給者から得られるMBPを使用することが可能であることもまた示された(しかし、アッセイの成績は、供給されたタンパク質の性状に依存することが見出された)。
これらのデータにより、Tris酢酸緩衝液が、以前に記載されたHepes緩衝液と同様に、ATP検出試薬を再構成するために使用できることが確認される。
実施例10 - ATP濃度の影響
上記の実験はすべて、ATPが25μMの最終濃度で行われた。本発明者らは、生物発光システムにより、より大きいATP濃度およびより低いATP濃度でキナーゼ活性が検出され得るかどうかを調べることにした。アッセイは、上記に記載されるのと同じ緩衝液を用いて、そして同じ容量を用いて行われた。しかし、下記の実施例では、実験は、チューブにおいてではなく、白色壁の96ウエル・マイクロタイター・プレートのウエルにおいて行われた。30℃で30分後、プレートをインキュベーターから取り出して、20μlのATP検出試薬をそれぞれのウエルに加え、光出力を1秒間の積算で読み取った。
JNK2α2
図14には、1μM、10μMおよび100μMの3つの異なる最終濃度のATPで得られた結果が示される(結果は三連ウエルの平均値±SDとして示される)。使用された基質は2.11μMの最終濃度でのATF-2であり、酵素は1.25μMであった。アッセイ緩衝液は、上記のJNK2α2について記載される緩衝液と同じであった。
SAPK3
ATP濃度曲線実験を、SAPK3および基質としてのMBPを用いて繰り返した。図15には、光出力の変化に対する種々のATP濃度の影響が示される(結果は三連ウエルの平均値±SDとして示される)。SAPK3は728nMの濃度で使用され、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)はウエルにおいて2.72μMの最終濃度であった。100μMにおいて、基質の存在下における酵素の影響が認められた。この場合、光シグナルは、5,267,900±133,688から4,574,666±283,204への693,234のRLUの低下があった。これは、RLU値における有意な減少であり、そしてこの高濃度のATPでは、酵素および基質の量が制限因子であることを示していた。
RLU値の差はATP濃度と直接相関しており、光出力のこの低下は、SAPK3によって脱リン酸化されたATPの量に関連する。このことは、RLU値の差が示される図16においてさらに明らかにされる。図16は、10μMの場合と同じ量のATPが100μMのATPで消費されたことを示している。
図16から明らかではないが、使用されたATPの最少濃度に関してRLU値の差もまた有意であった。この場合、RLU値は818±18から300±17(平均値±SD)に低下した。
実施例11 - 384ウエル・マイクロタイター・プレートにおけるアッセイ成績
上記に記載される経時変化実験により、アッセイをより大きい容量でチューブにおいて行い、その後、それぞれの時点において、白色不透明なマイクロタイター・プレート(96ウエル)に添加するための20μlの試料で行うことが可能であることが確認された(この場合、光出力が20μlのATP検出試薬の添加後に測定される)。本発明者らはまた、アッセイを96ウエル・プレートのウエルにおいて100μlの容量で行うことが可能であることを示している。
図17には、より大きい反応容量からの20μlを使用したとき、およびアッセイが384ウエル・マイクロタイター・プレートのウエルにおいて直接行われたときのアッセイ成績の比較が示される。384ウエルでは、キナーゼ反応は20μlの容量で行われ、20μlのATP検出試薬が加えられる。データは、チューブ(100μl)または384ウエル・プレート(20μl)で行われたとき、アッセイの成績に差がないことを示している。
実施例12 - キナーゼカスケードの研究
キナーゼの活性化は、シグナル伝達経路内の上流の他のキナーゼによるリン酸化の結果であることが非常に多い。この1つの例が、MEK-1によるMAPK-2の活性化、その後、MBPをリン酸化するMAPK-2の能力である。本発明者らはこのシステムを使用して、MAPK-2がMEK-1によってリン酸化および活性化されることを確認した。このタンパク質が活性化されていた場合、MAPK-2が続いてATPの存在下においてMBPにさらされたとき、ATPの減少が見られる。このアッセイは100μlの容量でチューブにおいて行われ、不活性型MAPK2の最初の活性化が、10μMのATPを用いて30℃で行われた。アッセイ緩衝液には、25mMのTris酢酸(pH7.75)が0.1mMのEGTAおよび10mMの酢酸マグネシウムとともに含まれた。MEK-1は114nMの最終濃度で使用され、不活性型MAPK-2は516nMの最終濃度であった。
キナーゼ活性を測定するために、その後、20μlが96ウエル・プレートの二連ウエルに加えられ、そして20μlのATP検出試薬を加えて、光シグナルが1秒間の積算で測定された。
0.25mg/mlのMBP(Calbiochem)の10μl、10μMのATPの10μlおよびアッセイ緩衝液の60μlを含む三連ウエルを含有する別のプレートを準備し、これに、チューブからの20μlのMEK-1/MAPK2反応混合物を加えて、反応をインキュベーターにおいて30℃で30分間行った。この時間の後、20μlのATP検出試薬をウエルに加えて、光出力を測定した。
結果が下記の図18に示される。図18には、基質のみの対照におけるRLU値の増大が認められ、この増大は、元のMEK-1/MAPK-2反応混合物からのATPの添加に関連する。データは、MAPK-2がリン酸化され、従って、MBPの存在下においてキナーゼ活性そのものを示すことができたことを明瞭に示している。さらなる対照を、不活性型MAPK-2およびMBPを用いて行ったが、これは、光シグナルの低下を示さなかった。
実施例13 - 基質リン酸化のウエスタン・ブロッティング研究
本発明者らは、キナーゼの機能的活性を誘導し、そして生物発光アッセイを使用してこの活性を検出することができることを示すことに加えて、光出力の低下がペプチド/タンパク質基質におけるアミノ酸のリン酸化と関連することをウエスタン・ブロッティングによって確認した。
方法
試料調製:キナーゼ反応を100μlの容量で完了させた後、20μlの反応混合物を20μlの2xLaemmli試料緩衝液(Amersham、Bucks、英国)に加え、100℃で4分間加熱し、ただちに氷上に置き、その後、使用した。
分子量HRPタンパク質マーカー(New England BioLabs)を、10μlのマーカーを10μlのウエスタン・ブロッティング試料緩衝液に加えることによって調製した。
ゲル電気泳動(SDS PAGE)および転写ブロット:それぞれの調製された試料の20μl(10μlのキナーゼ反応混合物に等しい)を12%のSDSレディー・ゲル(BioRad、Herts、英国)のレーン・ウエル内に加えて、標準的なTrisグリシン泳動緩衝液を用いて180Vで45分間泳動した。
ゲルを標準的なTris-グリシン-メタノール転写緩衝液中、室温で5分間平衡化させ、その後、BioRadミニ・ブロット装置を100Vで60分間使用してニトロセルロース膜に転写した。
膜のプローブ処理:その膜を、Pierce Superblock(登録商標)(IL、米国)ブロッキング緩衝液中で室温で1時間阻止処理をした。使用された一次抗体は、MAPK、p38およびJNKについてはPromega(Wisconsin、米国)により供給され、抗リン酸化MBPについてはUBIにより供給された。抗体希釈物は、蒸留水で10倍に希釈されたSuperblock(登録商標)中で作製された。一次抗体は1:10000で使用され、そして適する場合、二次抗体は1:20000で使用された。HRPコンジュゲート化検出試薬が、HRPタンパク質マーカーを検出するために1:10000で使用された。
化学発光検出:プローブ処理された膜を、10mlのSuperSignal(登録商標)West Pico(Pierce、IL、米国)と、軽く振とうしながらを2分間インキュベーションした。その後、プローブ処理されたブロットをHyperfilm(Amersham、Bucks、英国)に20秒間感光させた。リン酸化された目的物を、識別のために分子量マーカーに対して比較した。
結果
図19には、30℃で30分後のMBPに対するSAPK3活性の影響が示される。この実験では、アッセイは、前記に記載されたようにチューブにおいて行われた。ATPレベルを測定するために、20μl量の試料が96ウエル発光適合プレートの二連ウエル内に取り出され、そして残りがウエスタン・ブロッティング分析のために使用された。ブロットは、リン酸化MBPに対する抗体(Upstate Biotechnology)を使用してプローブ処理された。
上記の実験を、SAPK4と、MBPの多数の異なる供給物とを使用して繰り返した。結果が図20に示され、そして、結果より、いくつかのタンパク質は、同じ濃度で使用されたときでさえ、生物発光アッセイおよびウエスタン・ブロッティングの両方に関して異なる結果をもたらしたことが強調される。ブロットは、同じ抗リン酸化MBPで再びプローブ処理された。結果が示すように、使用されたMBPのバッチの1つ(CB)は、いずれの検出アッセイにおいても影響がなかった。Upstate Biotechnologyから得られるMBPの2つの異なる試料が使用された。1つは脱リン酸化形態(DePhos)であり、もう1つは標準的なMBP(UBI)であった。生物発光データにより、同じ量のタンパク質が使用された場合(2.72μM)、脱リン酸化形態がSAPK4アッセイにおいてより効率的であることが示唆された。これは免疫ブロッティングから明らかにすることができず、これにより、生物発光はキナーゼ活性に対してより高感度かつより定量的なアッセイであることが確認される。
まとめ
上記の実施例1〜実施例13に記載される研究により、本発明の方法およびキットの万能性が明らかにされる。
具体的には、本発明の方法は、多数の異なるプロテインキナーゼ/基質の組合せを研究するために使用することができる。上記の実施例において使用されたプロテインキナーゼ酵素には、下記が含まれた:
(i)ペプチドが基質としてのc-junの存在下におけるJNK-1およびJNK-2;
(ii)基質としてミエリン塩基性タンパク質を用いたMAPK-1/ERK-1およびMAPK-2/ERK-2;
(iii)基質として不活性型MAPK2を用いたMEK-1;
(iv)基質としてATF-2およびc-junを用いたJNK2α2;
(v)基質としてミエリン塩基性タンパク質を用いたSAPK-3;そして
(vi)基質としてミエリン塩基性タンパク質を用いたSAPK-4。
さらに、様々な比較が、ミエリン塩基性タンパク質の存在下においてMAPK-1/ERK-1およびMAPK-2/ERK-2の両方の活性化形態と不活性型形態との間で行われた。
これらの実験から得られた結果は、検出可能なATPの減少、測定されたADPの増大、そしてまたルシフェラーゼの存在下における加速されたシグナル減衰によって、キナーゼ活性をATPおよび適切な酵素基質の存在下において検出することが可能であったことを示している。
本発明のアッセイの利点のいくつかが下記の点でまとめられる。
・本発明のアッセイは、ATPからリン酸を切断する任意のプロテインキナーゼに適用することができる。
・プロテインキナーゼ活性を、ATPおよび/またはADPの検出に先立って、完了させることができる。
・アッセイをATPモニタリング試薬の存在下で行うことができ、この場合、プロテインキナーゼ活性は、シグナル減衰の増大と一緒に、光出力の低下として測定される。
・アデニル酸ヌクレオチドの変化は、酵素、基質およびATP濃度の変動に関して濃度依存的な影響を示した。
・光シグナルの低下はタンパク質のリン酸化と相関する。
・本発明の方法は、プロテインキナーゼの阻害剤を検出および研究するために使用することができる。
・本発明の方法は、プロテインキナーゼのカスケード系を研究するために使用することができる。
・本発明のアッセイは室温または30℃で行うことができる。
・アデニル酸ヌクレオチドの変化を停止液の存在下または非存在下で検出することができ、これにより、試料の大量スクリーニングが可能になる。適切な緩衝液(例えば、Hepes)を使用することによって、2%リン酸でプロテインキナーゼ反応を停止させ、プロテインキナーゼ活性の結果としてのATPの減少量を検出することもまた可能であった。
・本発明の方法は多数の異なるプロテインキナーゼ緩衝液とともに使用することができる。
・ATP検出試薬はTris酢酸緩衝液またはHepes緩衝液のいずれでも使用することができる。
・本発明のアッセイはキットとして供給することができる。種々のキットを、停止試薬の使用とともに、または停止試薬を使用することなく、ATPの低下を測定するために供給することができる。キットはまた、プロテインキナーゼ活性の結果としてのADPの増加を検出するために、(付属1に概略されるような)ADP変換試薬を含有することができる。
本発明の方法の適用
本発明の方法およびアッセイは、上記の実施例に記載されるように、無細胞系におけるキナーゼ活性の測定として使用することができる。このことは、これにより、本発明の方法およびアッセイが、例えば、キナーゼの調節因子(特に、阻害剤)として作用し得る薬物を識別するために、ハイ・スループット・スクリーニング実験室において使用することができるので、製薬産業では特に重要である。この適用のために、アッセイは、上記の実施例に記載されるようにまさに行うことができる。
本発明の方法およびアッセイはまた、細胞抽出物におけるキナーゼ活性を測定するために、そして細胞キナーゼ活性の調節因子の作用を測定するために使用することができる。これらの実験を行うために、上記の実施例における知られているキナーゼを細胞抽出物/上清に置き換えることができる。基質は、記載されるように加えられ、そして阻害剤/活性化剤で処理された細胞におけるキナーゼ活性の何らかの変化を検出することができる。
ますます多くのプロテインキナーゼが、新しい腫瘍治療剤を開発するために標的化されている。このリストが大きくなるに従い、それぞれのキナーゼに対して特異的な試験を使用することは実用的ではなくなり、そして極めて費用のかかるものになる。本発明のアッセイおよびキットにより、広範囲のキナーゼを検出することができ、そして共通した終点検出システムがすべてのキナーゼに提供される。これにより、より容易な使用が、目的とするすべての検出試薬ならびに様々なキナーゼおよび阻害剤を用いて、そして不透明な白色(または黒色)のルミノメーター用マイクロタイター・プレートを用いてロボットが組み立てられ得る場合には、特にハイ・スループット・スクリーニング実験室において可能になる。
さらに、停止液の使用により、非常に多数のプレートを、ATPおよび/またはADPのレベルを分析する前にバッチ処理(すなわち、停止処理)することができる。
実施例14 - キナーゼ阻害剤の研究
スタウロスポリン
本発明者者らは、最初に、作用範囲が広いキナーゼ阻害剤のスタウロスポリン(Calbiochem)を調べることを選んだ。最初、本発明者らは、この阻害剤がルシフェラーゼ-ルシフェリン反応に影響を及ぼさないことを確保するために、ATP検出試薬に対する(DMSO中での)阻害剤を試験した。
図21には、生物発光検出システムに対するスタウロスポリンの影響が示される。結果は三連ウエルの平均値±SDとして示される。
データは、阻害剤の濃度が最大のときでさえ、光出力に対する影響が大きくなかったことを示している。実験は、96ウエル・プレートにおいて100μlの容量で10μMのATPを使用し、20μlのATP検出試薬を添加して行われた。
スタウロスポリンの影響を、基質としてATF-2を用いたJNK2α2酵素について試験した。下記の図が示すように、予想された阻害活性を、生物発光によるプロテインキナーゼアッセイ系を使用して検出することができた。
図22には、JNK2α2活性に対する2つの異なるスタウロスポリン濃度の影響が示される。低い方の濃度ではほとんど影響がなかったが、5μMでは約50%の阻害が30℃で30分後にもたらされた。
上記のアッセイは、30℃の水浴で、プラスチック・チューブにおいて200μlの容量で行われた。それぞれの時点で、20μlの試料がチューブから取り出され、96ウエル・プレートのウエルに加えられ、その後、20μlのATP検出試薬が添加された。使用されたATPの最終濃度は12.5μMであり、JNK2α2は1.25μMであり、ATF-2は2.55μMであった。
ゲニステイン
本発明者らはまた、基質としてMBPを用いたMAPK-1活性に対するゲニステイン(Calbiochem)の影響を調べた。
使用されたアッセイ緩衝液は、SAPキナーゼの場合と同じであった(下記参照)。アッセイは、30℃で30分間、96ウエル・マイクロタイター・プレートにおいて100μlの容量で行われた。MBP(Calbiochem)は、前記に記載されたのと同じ濃度(2.72μM)で使用され、活性化されたMAPK1/ERK1(UBI)が100μlの反応容量あたり2.5Uの最終濃度で使用された。阻害剤は、10μlが0.1%(v/v)DMSOにおいてウエルあたり添加されることにより、0μM、0.1μM、0.25μM、0.5μMおよび1.0μMの濃度で添加された。
完全にするために、DMSO添加およびDMSO無添加の対照試料(それぞれ、0+DMSOおよび0-DMSO)もまた、アッセイ成績に対するDMSOの影響がないことを確認するために分析された。
図23には、基質としてMBPを用いたMAPK-1活性に対するゲニステインの濃度(μM単位)を増大させたときの影響が示される(結果は二連ウエルの平均値±SDとして表される)。具体的には、データは、ゲニステインの影響が500nMにおいて存在することを示し、増大した阻害活性が1μMで見られた。
PD098059
本発明者らはまた、不活性型MEK-1のraf-1活性化に対する選択的阻害剤PD098059の影響を調べた。
PD098059に関して、阻害剤の存在下における光出力の濃度依存的な増大が認められた。このことはキナーゼ活性の低下を示している。
図24には、raf-1活性に対するPD098059の2つの異なる濃度の影響が示される(結果は三連ウエルの平均値±SDである)。これらのデータにより、本発明のアッセイは、キナーゼの阻害活性を測定するために好適であることが確認された。
この実験によりまた、別のキナーゼ/基質系(すなわち、raf-1/不活性型MEK-1)の活性を検出することが可能であったので、本発明の方法およびアッセイが万能であることが証明される。
付属1
ATPモニタリング試薬(AMR)配合
再構成されたAMR
酢酸マグネシウム 20mM Sigma
ピロリン酸四ナトリウム 8μM Sigma
ウシ血清アルブミン 0.32%w/v Sigma
D-ルシフェリン 712μM ConCell
L-ルシフェリン 17.8μM ConCell
ルシフェラーゼ 17nM Europa Bioproducts
デキストラン 3mgml−1 Sigma
Tris 40mM Sigma
EDTA 800μM Sigma
最終反応濃度
酢酸マグネシウム 2.36mM
ピロリン酸四ナトリウム 236nM
ウシ血清アルブミン 0.009%w/v
D-ルシフェリン 21μM
L-ルシフェリン 525nM
ルシフェラーゼ 500pM
デキストラン 88.5gml−1
Tris 1.18mM
EDTA 23.6μM
Tris酢酸(TA)緩衝液(1リットルに対する必要量)
Tris 12.1g Sigma
EDTA 0.744g Sigma
0.1MのTris/2mMのEDTAを氷酢酸でpH7.75に調節する。
Hepes緩衝液、200mM(1リットルに対する必要量)
EDTA 0.744g Sigma
Hepes 47.6g Sigma
氷酢酸でpH7.75に調節する。
UBI緩衝液(UBIのデータ・シートの通り)
20mM MOPS pH7.2
25mM β-グリセロリン酸
5mM EGTA
1mMオルトバナジン酸ナトリウム
1mMジチオスレイトール
JNKアッセイ緩衝液(x10濃縮物に対する配合)
250mM Hepes pH7.5 Sigma
1.5M 塩化ナトリウム Sigma
200mM塩化マグネシウム Sigma
0.01%ツイーン20 Sigma
使用時に20mMのジチオスレイトール(Sigma)および150μMのATP(Sigma)を添加する。
ADP変換試薬(600mlに対する必要量)
ピルビン酸キナーゼ(50000ユニット) 20ml Calbiochem
1Mホスホエノールピルビン酸(モノナトリウム塩) 10ml Sigma
2M酢酸カリウム 100ml Sigma
Tris酢酸緩衝液、pH7.75 470ml
最終濃度
ストック 反応混合物
PK 7.6U/ml 0.8U/ml
PEP 1.67mM 175nM
酢酸カリウム 33mM 3.5mM
付属2:供給者
Berthold Detection Systems GmbH Dynex Labsystems
Bleichstrasse 56-58 Action Court
D-75173 Pforzheim Ashford Road
Germany Ashford
Middlesex TWl5 1XB

Biotrace Ltd Labsystems Oy
The Science Park Sorvaajankatu 15
Bridgend Helsinki
CF3l 3NA Finland
00810

Calbiochem-Novabiochem (UK) Ltd Perkin Elmer Life Sciences
Boulevard Industrial Park Perkin Elmer House
Padge Road 204 Cambridge Science Park
Beeston Cambridge CB4 OGZ
Nottingham NG9 2JR

ConCell BV Sarstedt
Wevelinghoven 26 68 Boston Road
Nettetal Beaumont Leys
D-41334 Leicester LE4 lAW
Germany

Europa Bioproducts Ltd Sigma-Aldrich Co Ltd
Europa House Fancy Road
15-17 North Street, Wicken Poole
Ely, Cambridge Dorset BHI2 4QH
CB7 5XW

Fahrenheit Lab Supplies Upstate Biotechnology Inc. (UBI)
Northfield Road 199 Saranac Avenue
Rotherham Lake Placid
South Yorkshire S60 1RR NY 12946
SA

Labtech International Ltd Wallac Oy
1 Acorn House P0 Box 10
The Broyle Turku
Ringmer FI-20101
East Sussex BN8 5NW Finland
プロテインキナーゼJNK-1に関連するATP光出力(相対的光ユニット;RLU)の低下を示す図である。3つの異なる実験の平均値±平均値の標準誤差(SEM)が示される。これらは、200mM Hepesの存在下で得られたデータからの結果である。 活性化されたJNKの存在下および非存在下で得られる光出力(RLU)に対するHepesおよび停止液の影響を示す図である。結果は、三連で行われた2つの異なる実験の平均値±標準偏差(SD)として表される。対照として、20μlの蒸留水が停止液の代わりに添加された。 ADPの増大に対するMAPK-1/ERK-1の影響を示す図である。データは、変換試薬の添加前および添加後のRLU差として示される。結果は、それぞれの条件について6つの異なる二連実験の平均値±SDを表す。 光出力の低下に対するMAPK-1の濃度を増大させたときの影響を示す図である。結果は、三連で行われた3つの異なる実験の平均値±SEMとして表される。 種々の緩衝化条件におけるATPモニタリング試薬および12μMのATPを用いて観測される初期の光出力およびその後のシグナル減衰を示す図である。示される結果は1つの代表的な実験からのものである。 ATPモニタリング試薬の存在下で最初の2分間について測定されるシグナル減衰に対するJNK-2活性の影響を示す図である。結果は、3つの実験を代表する1つの実験から得られたものである。アッセイは96ウエル・マイクロタイター・プレートの三連ウエルで行われた。 光シグナルの減衰に対するMAPK-1の濃度を増大させたときの影響を示す図である。この実験ではまた、不活性型形態に対する酵素の活性化形態の影響が比較された。結果は三連の実験の平均値±SDとして表される。 1μMのATPを用いた光出力(RLU)に対する種々のキナーゼ緩衝液の影響を示す図である。データは6つの二連ウエルの平均値±SDとして示される。緩衝液の詳細については表1を参照のこと。 基質としてATF-2を用いたJNK2α2キナーゼ活性の結果としての光出力の減少に対する経時的変化を示す図である。ADPの検出は、ATPからのリン酸基の切断を確認する対照として作用するように行われた。JNK2α2は50mUで使用され、ATF-2は5.38μgで使用された。 キナーゼ活性を指標とする、30℃におけるATPの減少の経時的なJNK2α2濃度曲線を示す図である。ADP変換試薬は、反応混合物におけるADPの存在を確認するために添加された。 基質としてのc-JunおよびATF-2とともにJNK2α2を使用する光シグナルの低下の比較を示す図である。 光シグナルの濃度依存的低下を伴うSAPK3濃度曲線を示す図である。SAPK3濃度はナノモル濃度として示される。 (MBP基質を用いた)低下した光出力に対するSAPK4の濃度依存的影響を示す図である。SAPK4濃度はナノモル濃度として示される。 基質としてのATF-2の存在下におけるJNK2α2活性のATP検出濃度を増大させたときの影響を示す図である。結果は三連ウエルの平均値±SDである。 基質としてのMBPの存在下におけるSAPK3活性に対するATP濃度を増大したときの影響を示す図である。結果は三連ウエルの平均値±SDとして示される。 SAPK3およびMBPの増大する濃度のATPの存在下におけるRLUの減少を示す図である。SAPK3は728nMで使用され、MBPは100μg/mlの最終濃度で使用された。 より大きい反応容量からの20μlを使用したとき、およびアッセイが384ウエル・マイクロタイター・プレートのウエル内において直接行われたときのキナーゼアッセイの成績の比較を示す図である。 MEK-1によるMAPK2の活性化、その後の、事前に活性化されたMAPK-2によるMBPのリン酸化を示す図である。 ウエスタン・ブロッティングによるリン酸化MBPの免疫染色を用いた光シグナルの低下の相関を示す図である。ブロットの左レーンはMBP非添加対照との相関であり、右レーンは、Upstate Biotechnology(UBI)のMBPに対するSAPK3活性の影響を示す。 キナーゼ活性の生物発光アッセイとウエスタン・ブロッティングの結果との比較を示す図である。 生物発光検出システムに対するスタウロスポリンの影響を示す図である。結果は三連ウエルの平均値±SDとして表される。 (基質としてATF-2を用いた)JNK2α2活性に対する2つの異なるスタウロスポリン濃度の影響を示す図である。 (基質としてMBPを用いた)MAPK-1活性に対するゲニステインの濃度を増大させたときの影響を示す図である。 (基質として不活性型MEK-1を用いた)raf-1活性に対するPD098059の2つの異なる濃度の影響を示す図である。結果は三連ウエルの平均値±SDである。

Claims (41)

  1. プロテインキナーゼ活性を測定するための方法であって、
    (a)ATP、試験されるプロテインキナーゼ、および試験されるプロテインキナーゼによりリン酸化され得る基質を含む第1の溶液、並びに、前記試験されるキナーゼおよび試験される前記プロテインキナーゼによりリン酸化され得る基質の非存在下でATPを含む第2の溶液を準備する工程;
    (b)工程(a)において形成された反応混合物のそれぞれにおけるATPおよび/またはADPの濃度あるいはその経時的変化速度を、生物発光反応を使用して測定する工程;および
    (c)ATPおよび/またはADPの濃度に関する情報を使用して、試験されるプロテインキナーゼの活性を決定する工程
    を含む方法。
  2. プロテインキナーゼの活性を調節する化合物を同定するための方法であって、
    (a)ATP、プロテインキナーゼ、試験される化合物、および試験されるプロテインキナーゼによりリン酸化され得る基質を含む第1の溶液、並びに、前記試験される化合物の非存在下でATP、前記プロテインキナーゼ、および前記プロテインキナーゼによりリン酸化され得る基質を含む第2の溶液を準備する工程;
    (b)工程(a)において形成された反応混合物のそれぞれにおけるATPおよび/またはADPの濃度あるいはその経時的変化速度を、生物発光反応を使用して測定する工程;および
    (c)ATPおよび/またはADPの濃度に関する情報を使用して、第1の溶液および第2の溶液におけるプロテインキナーゼの活性を決定する工程、
    (d)プロテインキナーゼを調節する化合物を同定するために、第1の溶液におけるプロテインキナーゼの活性を第2の溶液におけるプロテインキナーゼの活性と比較し、それにより、第1の溶液におけるプロテインキナーゼの活性が第2の溶液におけるプロテインキナーゼの活性と異なる場合、試験される化合物がプロテインキナーゼの調節因子として同定される工程
    を含む方法。
  3. 工程(a)において前記溶液を準備する際に、前記基質を、当該基質以外の前記第1の溶液または第2の溶液を構成する全ての成分を含む溶液に添加する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(a)の第1の溶液および第2の溶液が細胞を含まない、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性よりも低い場合、試験される化合物がプロテインキナーゼの阻害剤として同定される、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性の50%未満である場合、試験される化合物がプロテインキナーゼの阻害剤として同定される、請求項5に記載の方法。
  7. 第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性よりも高い場合、試験される化合物がプロテインキナーゼの活性化剤として同定される、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第1の溶液におけるキナーゼの活性が第2の溶液におけるキナーゼの活性よりも少なくとも50%高い場合、試験される化合物がプロテインキナーゼの活性化剤として同定される、請求項7に記載の方法。
  9. 同一の前記試験される化合物に対して、工程(a)から工程(c)までを、異なるキナーゼおよびその対応する基質を毎回使用して1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項2または3に記載の方法。
  10. キナーゼが工程(a)に先立って活性化される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程(a)の第1の溶液および第2の溶液が緩衝液を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  12. 緩衝液がHepes緩衝液である、請求項11に記載の方法。
  13. 工程(a)および工程(b)が連続して行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  14. 工程(a)において形成された反応混合物が、工程(c)の前に、室温において1時間反応させられる、請求項13に記載の方法。
  15. 工程(a)において形成された反応混合物に、キナーゼと基質との反応を停止させる試薬を加える追加の工程(b')が、工程(a)の後であって工程(b)の前に行われることを含む、請求項13に記載の方法。
  16. 停止試薬が、リン酸、EGTAおよびEDTAからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 工程(b')において形成された混合物のpHをpH7.0に調節する追加の工程(b")が、工程(b')の後であって工程(b)の前に行われることを含む、請求項15または16に記載の方法。
  18. 工程(b")が、Hepes緩衝液を加えることを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 工程(a)および工程(b)が同時に行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  20. 工程(b)が、
    (i)ルシフェリンまたはその誘導体およびルシフェラーゼを含む生物発光試薬を前記反応混合物に加えること(ただし、前記ルシフェリンまたはその誘導体はATP存在下のルシフェラーゼとの生物発光反応で光を発する)、ならびに
    (ii)生じた生物発光反応によって放射される光の強度またはその経時的変化をATP濃度を基準として測定すること、
    を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  21. 工程(b)が、工程(ii)において測定される光の強度が実質的に一定のレベルに達した後に行われる下記の工程:
    (iii)ADPをATPに変換する試薬を加える工程、
    (iv)ルシフェリンまたはその誘導体およびルシフェラーゼを含む生物発光試薬を工程(iii)の前記反応混合物に加える工程、および
    (v)生じた生物発光反応によって放射される光の強度を測定する工程、
    をさらに含み、
    工程(v)における光の強度と工程(ii)における光の定常状態での強度との差が工程(ii)の反応混合物におけるADP濃度の測定値である、請求項20に記載の方法。
  22. キナーゼがJNK-1であり、基質がGST-c-junである、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. キナーゼがMAPキナーゼ-1(ERK-1)であり、基質がミエリン塩基性タンパク質である、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  24. キナーゼがMAPキナーゼ-2(ERK-2)であり、基質がミエリン塩基性タンパク質である、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  25. キナーゼがPKAであり、基質がKemptideである、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  26. キナーゼがJNK-2であり、基質がGST-c-junである、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  27. キナーゼがMEK-1であり、基質が不活性型MAPキナーゼ-2(ERK-2)である、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  28. キナーゼがJNK2α2であり、基質がATF-2である、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  29. キナーゼがJNK2α2であり、基質がc-junである、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  30. キナーゼがSAPK-3であり、基質がミエリン塩基性タンパク質である、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  31. キナーゼがSAPK-4であり、基質がミエリン塩基性タンパク質である、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  32. キナーゼがraf-1であり、基質が不活性型MEK-1である、請求項2から21のいずれか一項に記載の方法。
  33. (a)ルシフェリンまたはその誘導体およびルシフェラーゼを含む生物発光試薬であって、前記のルシフェリンまたはその誘導体がATP存在下のルシフェラーゼとの生物発光反応で光を発する生物発光試薬、
    (b)プロテインキナーゼ、
    (c)前記プロテインキナーゼによってリン酸化され得る基質、および
    (d)ATP
    を含む、請求項2または3に記載の方法において使用されるキット。
  34. 生物発光試薬、キナーゼ、基質および/またはATPを再構成または希釈または溶解するための1つ以上の緩衝液をさらに含む、請求項33に記載のキット。
  35. 前記キナーゼと前記基質との反応を停止させることができる試薬をさらに含む、請求項33に記載のキット。
  36. ADPをATPに変換する1つ以上の試薬をさらに含む、請求項33に記載のキット。
  37. ADPをATPに変換する試薬がピルビン酸キナーゼおよびホスホエノールピルビン酸を含む、請求項36に記載のキット。
  38. 2つ以上の異なるキナーゼおよびそれらの基質をさらに含む、請求項33から37のいずれか一項に記載のキット。
  39. 1つまたは複数の試薬が凍結乾燥形態で提供される、請求項33から38のいずれか一項に記載のキット。
  40. マルチウエル・マイクロタイター・プレートをさらに含む、請求項33から39のいずれか一項に記載のキット。
  41. マルチウエル・マイクロタイター・プレートが96個以上のウエルを含有する、請求項40に記載のキット。
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