JP3854884B2 - すだれ用樹脂パイプ、その製造方法及びそれを使用してなるすだれ - Google Patents

すだれ用樹脂パイプ、その製造方法及びそれを使用してなるすだれ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、すだれ用樹脂パイプに関する。特に発泡ポリプロピレン樹脂からなる、自然な風合いを有する樹脂パイプ及びそれを使用してなるすだれに関する。また、当該すだれ用樹脂パイプの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
葦や竹などの天然素材を原料とするすだれは、日除けなどに広く使われている。しかしながら、生産性が良好で品質の均一なすだれを製造しやすいことから、葦や竹の代わりにポリ塩化ビニル樹脂やポリプロピレン樹脂を原料とする樹脂パイプを用いたすだれも、現在では広く普及している。
【0003】
しかしながら、樹脂パイプは表面が平滑であるために、テカリを生じ、自然な風合いのすだれを得ることは困難であった。自然な風合いのすだれを得るための手法のひとつとして、特開昭60−227714号公報には、成形された合成樹脂条を雌型ローラーと雄型ローラーの間に通して、竹の節のような形状を付与したすだれ用緯条が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記特開昭60−227714号公報に記載されたすだれ用緯条は、大きい寸法の凹凸を付与して天然物に似させているのであって、表面のテカリによる不自然さまでは解消できていなかった。したがって、表面の質感は天然素材とは相違するものであった。
【0005】
また、すだれの一部は伊達巻などの食品包装用にも使用されている。この場合には、天然素材を使用したのでは衛生上の管理が困難になる場合が多く、衛生管理の容易な樹脂製のすだれを使用したいという要望が強い。しかしながら、上述のように表面が平滑でテカリを生じる樹脂パイプを使用したのでは、高級感に欠けるという問題があった。
【0006】
すだれの製造時においては、均一な形状を有する樹脂パイプは工程通過性が良好であるが、その一方で、表面が平滑であるために製品のすだれから樹脂パイプが抜けやすいという問題を有していた。逆に天然素材を用いたすだれの場合には樹脂パイプは抜けにくくなるものの、形状が一定でないために工程通過性が低下することになる。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、生産性が良好で均一な製品を得やすい樹脂パイプでありながら、天然素材に近い自然な風合いを有するすだれ用樹脂パイプ及びその製造方法を提供するものである。また、その樹脂パイプを緯条として使用してなる自然な風合いのすだれを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、発泡ポリプロピレン樹脂からなるすだれ用樹脂パイプであって、外径(d)が2.5〜10mmであり、外径(d)に対する肉厚(t)の比(t/d)が0.02〜0.2であり、発泡率が2〜30%であり、パイプ表面の全体に細かいピッチで縦方向の筋模様を有し、かつ該筋模様より大きいピッチでランダムな凹凸模様が形成されてなることを特徴とするすだれ用樹脂パイプを提供することによって解決される。このとき、当該樹脂パイプの外径(d)が2.5〜10mmで外径(d)に対する肉厚(t)の比(t/d)が0.02〜0.2であることによって、適度な剛性を保ちながら軽量性に優れる。さらに、自然な外観を有しながら適度な剛性を保つために当該樹脂パイプの見かけ比重が0.7〜0.95であることが好ましい。
【0009】
本発明の樹脂パイプは、パイプ表面の全体に細かいピッチで縦方向の筋模様を有し、かつ該筋模様より大きいピッチでランダムな凹凸模様が形成されてなることが好ましい。こうすることで外観が自然な風合いになるとともに、製品のすだれから樹脂パイプに抜け落ちにくくなる。
【0010】
また、上記課題は、ポリプロピレン樹脂及び発泡剤からなる原料を、前記原料中の発泡剤の含有量が0.05〜0.3重量%となるように押出機に投入し、押出機中で溶融混練してから環状の開口部を有するダイスから押出し、冷却槽中に導いて固化させてから延伸することなく、前記ダイスの開口部の外径(D)に対するすだれ用樹脂パイプの外径(d)の比(d/D)が0.2〜0.8になるように、引取速度10〜100m/分で引取って切断する、発泡率が2〜30%であるすだれ用樹脂パイプの製造方法を提供することによっても解決される。こうすることによって効率的に自然な外観の樹脂パイプを製造することができる。
【0011】
このとき、前記原料中の発泡剤の含有量が0.05〜0.3重量%であることにより、自然な外観を有しながら適度な剛性を保つことができる。また、引取速度が10〜100m/分であること、前記ダイスの開口部の外径(D)に対するすだれ用樹脂パイプの外径(d)の比(d/D)が0.2〜0.8であることにより、いずれも自然な風合いの樹脂パイプを生産性良く製造できる
【0012】
さらに、上記課題は、上記すだれ用樹脂パイプを緯条として使用してなるすだれを提供することによって解決される。こうして得られた樹脂製すだれは、自然な風合いを有していて、日除けや目隠しのみならず、食品包装用などに広く使用される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、発泡ポリプロピレン樹脂からなるすだれ用樹脂パイプである。樹脂成分としてはポリプロピレン樹脂のみを含むのが好ましいが、他の樹脂を本発明の効果を阻害しない範囲内で少量含んでも構わない。使用されるポリプロピレン樹脂とともに、各種の添加剤を配合使用した原料を用いることができる。
【0014】
原料として配合使用することが好ましいものとして、発泡剤が挙げられる。発泡剤の種類は特に限定されるものではなく、溶融成形温度以下の沸点を有する物質からなる揮発性発泡剤であっても良いし、高温下で分解して気体を発生する物質からなる分解型発泡剤であっても良い。混練装置の構造が簡単でよいという点からは、分解型発泡剤を使用する方が好ましい。発泡剤の配合量は、原料全体に対して0.05〜0.3重量%であることが好ましい。発泡剤の配合量が少なすぎると表面のテカリを除去しきれない場合があり、0.1重量%以上であることがより好適である。一方、配合量が多すぎると、発泡率が大きくなり過ぎてパイプ壁に貫通孔が開くおそれがあり、パイプの剛性も低下するので、0.3重量%以下であることが好適である。
【0015】
また、原料として顔料を使用することも好ましい。天然の葦や竹、あるいは木などはいずれも着色しているので、それらに対応した色の顔料を配合することで天然素材により近い外観にすることができる。また、日除けや目隠しなどの用途に使用する場合の遮光性や隠ぺい力を向上させることもできる。顔料の種類や配合量は目的によって適宜調整される。
【0016】
さらに、無機フィラーを含有することも好ましい。炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉などの無機フィラーを配合することで、隠ぺい力を向上させて、表面の摩擦係数を増加させることができる。充填剤としては、炭酸カルシウムが価格も安くて好適である。配合量は原料全体に対して通常2〜30重量%である。
【0017】
また、日除けなど、直射日光に曝されるような用途の場合には、紫外線吸収剤を配合することが好ましい。こうすることで、天然素材を用いて製造されたすだれよりも耐久性が向上したすだれを製造することができる。配合される紫外線吸収剤は特に限定されない。なお、食品包装用など、衛生性が重視されて、直射日光があたらない用途では積極的に紫外線吸収剤を添加する必要は乏しい。
【0018】
上記のような原料を用いて溶融成形して、本発明の樹脂パイプが成形される。通常押出成形によって連続的にパイプが成形される。原料は適宜混合されてから押出機に投入される。均一な品質の製品を得るためには、全ての原料を予めタンブラーなどでよく混合しておくことが好ましい。ポリプロピレン樹脂ペレットと粉末状の発泡剤を使用する場合には、ポリプロピレン樹脂ペレット表面に発泡剤粉末を均一にまぶし付けることが重要であり、ブレンドオイルを使用して混合することが好ましい。また、このときの混合時間は10分以上とすることが好ましい。こうすることで、発泡ムラの少ない樹脂パイプを製造できる。
【0019】
溶融成形に際しては、原料を押出機に投入し、押出機中で溶融混練してから環状の開口部を有するダイスから押出し、冷却槽中に導いて固化させてから延伸することなく引取って切断する方法が好適である。
【0020】
溶融温度はポリプロピレンの融点以上とすればよいが、剪断発熱による温度上昇も考慮して、適当な発泡状態になるように、押出機のシリンダーの温度を設定しなければならない。環状の開口部を持つダイスを使用することで、パイプ状の形状に成形できる。このとき、ダイスの中心部からエアーを吹き込むことが、パイプ形状を安定させるために好ましい。また、環状開口部の形状は特に限定されず異型であっても良いが、ハンドリング性の良い円柱状のパイプを製造するのであれば、円環状の開口部であることが好ましい。ダイスの開口部の寸法は得られるパイプの寸法を考慮して決定されるが、ダイスの開口部の外径(D)に対するすだれ用樹脂パイプの外径(d)の比(d/D)が0.2〜0.8であることが好ましい。比(d/D)が小さい値をとることによって、溶融樹脂が縦方向に引き伸ばされて、縦方向の縞模様が形成されるものと推定される。比(d/D)はより好適には0.3以上であり、また、より好適には0.5以下である。
【0021】
押出された溶融樹脂は細くなりながら冷却槽に導かれ、固化される。冷却槽の種類は特に限定されるものではないが、水浴を用いることが好適である。冷却槽を通過したパイプは、引取られて切断される。引取手段としてはローラーを使用することが好ましい。引取速度は10〜100m/分であることが好ましい。引取速度を10m/分以上とすることで、溶融樹脂が縦方向に引き伸ばされやすくなり、縦方向の縞模様が形成されやすくなる。より好適には30m/分以上である。一方、引取速度が100m/分を超える場合には、パイプの破断が起こりやすくなり生産安定性が低下するおそれがある。より好適には70m/分以下である。
【0022】
引取られたパイプは一定の寸法に切断される。切断される寸法は通常100〜300cmである。これをこのまま、あるいはさらに短く切断して各種用途に適した寸法にする。樹脂パイプの長さは使用される用途によって異なるが、日除け、目隠しあるいはインテリア用途に使用するのであれば、通常30〜270cm程度である。また、食品包装用途に使用されるのであれば通常5〜40cm程度である。
【0023】
得られる樹脂パイプの外径(d)は2.5〜10mmであることがすだれの一般的用途を考慮すれば好ましい。より好適には3mm以上であり、また、6mm以下である。外径(d)に対する肉厚(t)の比(t/d)が0.02〜0.2であることが、適度な剛性を保ちながら軽量性に優れて好ましい。比(t/d)は、より好適には0.04以上であり、また、0.1以下である。
【0024】
さらに、自然な外観を有しながら適度な剛性を保つために当該樹脂パイプの見かけ比重が0.7〜0.95であることが好ましい。ポリプロピレンの比重が約0.9であり、これに適当な量の無機フィラーを加えた場合の樹脂の比重は、無発泡の状態で通常1前後になることが多いことから、適度に発泡している本発明の樹脂パイプの見かけ比重は、無発泡のものの比重よりも小さくなり、上記範囲の値を取りやすい。なお、発泡樹脂パイプの見かけ比重と、それから発泡剤だけを除いた無発泡樹脂パイプの比重の差から発泡率(含有される空気の体積比率)を算出することができる。こうして算出される発泡率は30%以下であり、20%以下であることが好ましい。発泡率が30%を超えると樹脂パイプの剛性が低下して、すだれに使用した際の形態保持性に問題を有する場合がある。一方発泡率は2%以上であり、5%以上であることが好ましい。発泡率が2%未満の場合には表面に適当な凹凸形状が発現しないおそれがある。
【0025】
本発明の樹脂パイプは、パイプ表面の全体に細かいピッチで縦方向の筋模様を有することが好ましい。このような細かい筋模様を有することで、あたかも天然素材の表面に見られる繊維状の模様のような外観を得ることができる。筋模様のピッチは、1mmの間に5本以上の筋を有するものであることが好ましい。さらに、当該筋模様より大きいピッチでランダムな凹凸模様が形成されてなることが好ましい。それにより、表面のテカリが抑制され、マット調の自然な風合いを有することができる。しかも天然素材のような突発的な大きい不均一部分は有さないので、すだれ製造時のハンドリング性能が低下することもない。また、適度な凹凸を有するために製品のすだれから樹脂パイプが抜け落ちにくくなる。
【0026】
こうして得られた樹脂パイプは、それを緯条として織り込む、あるいは編み込むことですだれにすることができる。経糸としては、綿糸あるいは綿とポリエステルとの混紡糸などを使用することができる。経糸の上端と下端は、糊付けしたり結び目を作ったりして、樹脂パイプが外れないようにする。なお、「簀巻き」と呼ばれる魚肉練り製品などでは、経糸で織り編みすることなく、単に樹脂パイプをすだれ状に並べて貼り付けて使用することがあるが、本発明のすだれ用樹脂パイプはそのような用途に対しても同様な視覚的効果が得られるものであり、使用可能である。
【0027】
日除け、目隠しあるいはインテリア用途であれば、通常、上下をプラスチックレールなどで覆い、適宜取り付け金具などが装着されて製品とされる。これらの用途では、通常、幅が30〜270cm程度、長さが40〜280cm程度の寸法が採用される。本発明のすだれは、適度な換気と調光機能という、すだれが本来有する機能を備えるとともに、光を適度に拡散させることができ、目に優しい落ち着いた雰囲気を形成するのに役立つ。したがって、店舗装飾やPOP広告などにも好適に使用される。すだれは、日本的な雰囲気を醸し出すことができ、日本人にとって馴染み感のある素材なので、これを用いることで店舗イメージや商品イメージの向上に寄与できる場合がある。
【0028】
一方食品包装用途に使用されるのであれば、上下をプラスチックレールなどで覆うことなくそのまま使用されることが多い。この場合の寸法は、通常、幅が5〜40cm程度、長さが10〜60cm程度である。包装される食品は伊達巻、和菓子、みやげ物などである。もちろん食品以外の包装用途に使用することもできる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
以下の材料をタンブラーに投入して、70分間混合してから、押出機に投入した。
・ポリプロピレン
日本ポリケム(株)製「FY3VE」 75kg
・炭酸カルシウム含有ポリプロピレンマスターバッチ
出光石油化学(株)製「E−302A」 25kg
(炭酸カルシウム含有率:50重量%)
・発泡剤
オーケー化成(株)製「MULTI FORM P−5」 220g
・顔料入りポリプロピレンマスターバッチ
トーワ化学(株)製「No.3−24−11201」 1.4kg
(色:ブラウン)
・紫外線吸収剤入りポリプロピレンマスターバッチ
トーワ化学(株)製「DB−UV」 2kg
・ブレンドオイル
大日本インキ化学工業(株)製「ブレンドオイルH」 30ml
【0030】
押出機は、スクリュー径45mm、シリンダー長1010mmの一軸押出機を使用した。シリンダー温度はホッパーに近い部分から4分割して順に、140℃、150℃、160℃、160℃になるように設定した。ダイスの開口部の形状は外径(D)が11.1mmであり、内径が7.6mmであり、ダイスの中心部に設けられた小孔からパイプ中にエアーを吹き込んだ。押出機先端のダイスから吐出された溶融樹脂は、細くなりながら10cm程度空中で引取られて水浴中に導入されて固化した。2m程度の水浴から導出された樹脂パイプをローラーを用いて47m/分の速度で引取り、186cmの長さに切断した。こうして1分間に約25本の生産速度で樹脂パイプを製造することができた。
【0031】
得られた樹脂パイプの外径(d)は4.3mm、内径は3.7mm、肉厚(t)は0.3mmであり、比(t/d)は0.07であった。また、比(d/D)は0.39であった。また、樹脂パイプを長さ30cmに切断して縦方向に水中に浸漬し、その水没部分の長さを全長で割ることで見かけ比重を求めた。20本の樹脂パイプの見かけ比重を測定し、大きい方から2本と、小さい方から2本をそれぞれ除いて、残りの16本の平均値を得たところ、0.84であった。以下の比較例でも示すように、無発泡のパイプの比重は1.00であったことから、発泡率(含有される空気の体積比率)はこれらの差から算出することができ、本実施例の樹脂パイプでは16%であった。
【0032】
樹脂パイプの表面を観察した写真を図1に示す。適度に艶が消されてテカリが抑制され、マット調の自然な風合いの外観となっている。その上、天然素材のような微細な筋模様が観察され、ランダムな凹凸も形成されて適度な不均質さが認められた。図2は樹脂パイプの表面を拡大観察した写真であり、パイプ直径の約2/3(3mm程度)の部分が示されている写真である。無数の筋模様がパイプの軸方向に沿って形成されていることがわかる。1mmの間隔に10本程度の筋が観察される。また、筋模様より大きいピッチで大きな波打ちのような凹凸模様がランダムに形成されていることもわかる。図3は、樹脂パイプを軸方向に垂直な方向に破断した破断面を観察した写真である。パイプ壁中に細かい気泡が含まれていることが観察される。
【0033】
得られた樹脂パイプを緯条として用いてすだれを製造した。黒色の綿糸を経糸として使用し、これを10cm間隔と3cm間隔が交互になるようにして計32ヶ所配置する構成とした。2本の対向する経糸の間に樹脂パイプを挟みこんでは、その2本の経糸を繰り出すガイドを180度回転させて経糸をねじり、再び樹脂パイプを挟みこんでねじる、という操作を繰り返して、2本の経糸の間に樹脂パイプを編み込んでいった。170cmの長さまで編み込んだところで、樹脂パイプを挟み込まずにガイドを反転させる操作を繰り返して経糸だけを撚り合わせ、その部分を糊付けてほどけないようにしてから切断した。続いて、樹脂パイプ中央部で切断し、両端のパイプの耳も切り揃えて、2枚のすだれを得た。得られたすだれは、幅が88cm、高さが170cmで、経糸が16ヶ所配置されているものであった。すだれの上下に、それぞれ数本の樹脂パイプを覆うように黒色のプラスチックレールを装着して日除け用すだれを得た。
【0034】
得られたすだれは、天然素材のような自然な風合いを有しているものであった。しかも軽量性、形態保持性、隠ぺい性も、日除け用すだれとしては十分なものであった。得られたすだれの端から5本目と6本目の経糸の間の位置で樹脂パイプを1本だけ切断し、5本の経糸が掛かった状態の樹脂パイプを手で引き抜いたところ、思い切り力を加えてようやく引き抜くことができた。なお、16本の経糸が掛かった状態では引き抜くことは全く不可能であった。長期間の使用によって経糸の締め付けがある程度緩んできても、樹脂パイプが抜けにくいすだれになっていると推定される。
【0035】
比較例1
実施例1の原料から発泡剤を除いた以外は実施例1と同様にして樹脂パイプを製造した。得られたパイプの比重を実施例1と同様に測定したところ、パイプ先端がちょうど水面にきたところで静止し、比重は1.00であった。
【0036】
得られた樹脂パイプを用いて、実施例1と同様にしてすだれを製造した。得られたすだれは、パイプ表面が平滑であって、テカリが顕著に認められ、天然素材に見られるような独特の風合いが感じられないものであった。また、実施例1と同様にして、経糸5本掛けの状態ですだれから樹脂パイプを横方向に引き抜こうとしたところ、実施例1に比べるとはるかに小さい力で引き抜くことができた。
【0037】
【発明の効果】
本発明のすだれ用樹脂パイプを使用することで、テカリのない自然な風合いの外観を有するすだれを提供することができる。樹脂パイプであるから、均質性に優れていて、すだれを製造する際のハンドリング性にも優れる。また、この樹脂パイプからなるすだれは、樹脂パイプが抜け落ちにくく耐久性に優れる。このすだれを日除けなど屋外用途に使用する場合には天然素材を使用する場合に比べて耐久性に優れるし、食品包装用途に使用する場合には、衛生管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の樹脂パイプの表面を観察した写真である。
【図2】実施例1の樹脂パイプの表面を拡大観察した写真である。
【図3】実施例1の樹脂パイプを軸方向に垂直な方向に破断した破断面を観察した写真である。

Claims (3)

  1. 発泡ポリプロピレン樹脂からなるすだれ用樹脂パイプであって、外径(d)が2.5〜10mmであり、外径(d)に対する肉厚(t)の比(t/d)が0.02〜0.2であり、発泡率が2〜30%であり、パイプ表面の全体に細かいピッチで縦方向の筋模様を有し、かつ該筋模様より大きいピッチでランダムな凹凸模様が形成されてなることを特徴とするすだれ用樹脂パイプ。
  2. ポリプロピレン樹脂及び発泡剤からなる原料を、前記原料中の発泡剤の含有量が0.05〜0.3重量%となるように押出機に投入し、押出機中で溶融混練してから環状の開口部を有するダイスから押出し、冷却槽中に導いて固化させてから延伸することなく、前記ダイスの開口部の外径(D)に対するすだれ用樹脂パイプの外径(d)の比(d/D)が0.2〜0.8になるように、引取速度10〜100m/分で引取って切断する、発泡率が2〜30%であるすだれ用樹脂パイプの製造方法。
  3. 請求項記載のすだれ用樹脂パイプを緯条として使用してなるすだれ。
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