JP2003275094A - すだれ用樹脂パイプ、その製造方法及びそれを使用してなるすだれ - Google Patents

すだれ用樹脂パイプ、その製造方法及びそれを使用してなるすだれ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が良好で均一な製品を得やすい樹脂パ
イプでありながら、天然素材に近い自然な風合いを有す
るすだれ用樹脂パイプ及びその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 発泡ポリプロピレン樹脂からなり、パイ
プ表面の全体に細かいピッチで縦方向の筋模様を有し、
かつ該筋模様より大きいピッチでランダムな凹凸模様が
形成されてなるすだれ用樹脂パイプとする。当該樹脂パ
イプはポリプロピレン樹脂及び発泡剤からなる原料を押
出機に投入し、押出機中で溶融混練してから環状の開口
部を有するダイスから押出し、冷却槽中に導いて固化さ
せてから延伸することなく引取って切断して製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、すだれ用樹脂パイ
プに関する。特に発泡ポリプロピレン樹脂からなる、自
然な風合いを有する樹脂パイプ及びそれを使用してなる
すだれに関する。また、当該すだれ用樹脂パイプの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】葦や竹などの天然素材を原料とするすだ
れは、日除けなどに広く使われている。しかしながら、
生産性が良好で品質の均一なすだれを製造しやすいこと
から、葦や竹の代わりにポリ塩化ビニル樹脂やポリプロ
ピレン樹脂を原料とする樹脂パイプを用いたすだれも、
現在では広く普及している。
【0003】しかしながら、樹脂パイプは表面が平滑で
あるために、テカリを生じ、自然な風合いのすだれを得
ることは困難であった。自然な風合いのすだれを得るた
めの手法のひとつとして、特開昭60−227714号
公報には、成形された合成樹脂条を雌型ローラーと雄型
ローラーの間に通して、竹の節のような形状を付与した
すだれ用緯条が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記特開
昭60−227714号公報に記載されたすだれ用緯条
は、大きい寸法の凹凸を付与して天然物に似させている
のであって、表面のテカリによる不自然さまでは解消で
きていなかった。したがって、表面の質感は天然素材と
は相違するものであった。
【0005】また、すだれの一部は伊達巻などの食品包
装用にも使用されている。この場合には、天然素材を使
用したのでは衛生上の管理が困難になる場合が多く、衛
生管理の容易な樹脂製のすだれを使用したいという要望
が強い。しかしながら、上述のように表面が平滑でテカ
リを生じる樹脂パイプを使用したのでは、高級感に欠け
るという問題があった。
【0006】すだれの製造時においては、均一な形状を
有する樹脂パイプは工程通過性が良好であるが、その一
方で、表面が平滑であるために製品のすだれから樹脂パ
イプが抜けやすいという問題を有していた。逆に天然素
材を用いたすだれの場合には樹脂パイプは抜けにくくな
るものの、形状が一定でないために工程通過性が低下す
ることになる。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、生産性が良好で均一な製品を得やすい樹
脂パイプでありながら、天然素材に近い自然な風合いを
有するすだれ用樹脂パイプ及びその製造方法を提供する
ものである。また、その樹脂パイプを緯条として使用し
てなる自然な風合いのすだれを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、発泡ポリプ
ロピレン樹脂からなるすだれ用樹脂パイプを提供するこ
とによって解決される。このとき、当該樹脂パイプの外
径(d)が2.5〜10mmで外径(d)に対する肉厚
(t)の比(t/d)が0.02〜0.2であること
が、適度な剛性を保ちながら軽量性に優れて好ましい。
さらに、自然な外観を有しながら適度な剛性を保つため
に当該樹脂パイプの見かけ比重が0.7〜0.95であ
ることが好ましい。
【0009】本発明の樹脂パイプは、パイプ表面の全体
に細かいピッチで縦方向の筋模様を有し、かつ該筋模様
より大きいピッチでランダムな凹凸模様が形成されてな
ることが好ましい。こうすることで外観が自然な風合い
になるとともに、製品のすだれから樹脂パイプに抜け落
ちにくくなる。
【0010】また、上記課題は、ポリプロピレン樹脂及
び発泡剤からなる原料を押出機に投入し、押出機中で溶
融混練してから環状の開口部を有するダイスから押出
し、冷却槽中に導いて固化させてから延伸することなく
引取って切断する、すだれ用樹脂パイプの製造方法を提
供することによっても解決される。こうすることによっ
て効率的に自然な外観の樹脂パイプを製造することがで
きる。
【0011】このとき、前記原料中の発泡剤の含有量が
0.05〜0.5重量%であることが、自然な外観を有
しながら適度な剛性を保つことができて好適である。ま
た、引取速度が10〜100m/分であること、前記ダ
イスの開口部の外径(D)に対するすだれ用樹脂パイプ
の外径(d)の比(d/D)が0.2〜0.8であるこ
とが、いずれも自然な風合いの樹脂パイプを生産性良く
製造する上で好適である。
【0012】さらに、上記課題は、上記すだれ用樹脂パ
イプを緯条として使用してなるすだれを提供することに
よって解決される。こうして得られた樹脂製すだれは、
自然な風合いを有していて、日除けや目隠しのみなら
ず、食品包装用などに広く使用される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、発泡ポリプロピレン樹脂からなるすだれ用樹
脂パイプである。樹脂成分としてはポリプロピレン樹脂
のみを含むのが好ましいが、他の樹脂を本発明の効果を
阻害しない範囲内で少量含んでも構わない。使用される
ポリプロピレン樹脂とともに、各種の添加剤を配合使用
した原料を用いることができる。
【0014】原料として配合使用することが好ましいも
のとして、発泡剤が挙げられる。発泡剤の種類は特に限
定されるものではなく、溶融成形温度以下の沸点を有す
る物質からなる揮発性発泡剤であっても良いし、高温下
で分解して気体を発生する物質からなる分解型発泡剤で
あっても良い。混練装置の構造が簡単でよいという点か
らは、分解型発泡剤を使用する方が好ましい。発泡剤の
配合量は、原料全体に対して0.05〜0.5重量%で
あることが好ましい。発泡剤の配合量が少なすぎると表
面のテカリを除去しきれない場合があり、0.1重量%
以上であることがより好適である。一方、配合量が多す
ぎると、発泡率が大きくなり過ぎてパイプ壁に貫通孔が
開くおそれがあり、パイプの剛性も低下するので、0.
3重量%以下であることがより好適である。
【0015】また、原料として顔料を使用することも好
ましい。天然の葦や竹、あるいは木などはいずれも着色
しているので、それらに対応した色の顔料を配合するこ
とで天然素材により近い外観にすることができる。ま
た、日除けや目隠しなどの用途に使用する場合の遮光性
や隠ぺい力を向上させることもできる。顔料の種類や配
合量は目的によって適宜調整される。
【0016】さらに、無機フィラーを含有することも好
ましい。炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、
カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉などの
無機フィラーを配合することで、隠ぺい力を向上させ
て、表面の摩擦係数を増加させることができる。充填剤
としては、炭酸カルシウムが価格も安くて好適である。
配合量は原料全体に対して通常2〜30重量%である。
【0017】また、日除けなど、直射日光に曝されるよ
うな用途の場合には、紫外線吸収剤を配合することが好
ましい。こうすることで、天然素材を用いて製造された
すだれよりも耐久性が向上したすだれを製造することが
できる。配合される紫外線吸収剤は特に限定されない。
なお、食品包装用など、衛生性が重視されて、直射日光
があたらない用途では積極的に紫外線吸収剤を添加する
必要は乏しい。
【0018】上記のような原料を用いて溶融成形して、
本発明の樹脂パイプが成形される。通常押出成形によっ
て連続的にパイプが成形される。原料は適宜混合されて
から押出機に投入される。均一な品質の製品を得るため
には、全ての原料を予めタンブラーなどでよく混合して
おくことが好ましい。ポリプロピレン樹脂ペレットと粉
末状の発泡剤を使用する場合には、ポリプロピレン樹脂
ペレット表面に発泡剤粉末を均一にまぶし付けることが
重要であり、ブレンドオイルを使用して混合することが
好ましい。また、このときの混合時間は10分以上とす
ることが好ましい。こうすることで、発泡ムラの少ない
樹脂パイプを製造できる。
【0019】溶融成形に際しては、原料を押出機に投入
し、押出機中で溶融混練してから環状の開口部を有する
ダイスから押出し、冷却槽中に導いて固化させてから延
伸することなく引取って切断する方法が好適である。
【0020】溶融温度はポリプロピレンの融点以上とす
ればよいが、剪断発熱による温度上昇も考慮して、適当
な発泡状態になるように、押出機のシリンダーの温度を
設定しなければならない。環状の開口部を持つダイスを
使用することで、パイプ状の形状に成形できる。このと
き、ダイスの中心部からエアーを吹き込むことが、パイ
プ形状を安定させるために好ましい。また、環状開口部
の形状は特に限定されず異型であっても良いが、ハンド
リング性の良い円柱状のパイプを製造するのであれば、
円環状の開口部であることが好ましい。ダイスの開口部
の寸法は得られるパイプの寸法を考慮して決定される
が、ダイスの開口部の外径(D)に対するすだれ用樹脂
パイプの外径(d)の比(d/D)が0.2〜0.8で
あることが好ましい。比(d/D)が小さい値をとるこ
とによって、溶融樹脂が縦方向に引き伸ばされて、縦方
向の縞模様が形成されるものと推定される。比(d/
D)はより好適には0.3以上であり、また、より好適
には0.5以下である。
【0021】押出された溶融樹脂は細くなりながら冷却
槽に導かれ、固化される。冷却槽の種類は特に限定され
るものではないが、水浴を用いることが好適である。冷
却槽を通過したパイプは、引取られて切断される。引取
手段としてはローラーを使用することが好ましい。引取
速度は10〜100m/分であることが好ましい。引取
速度を10m/分以上とすることで、溶融樹脂が縦方向
に引き伸ばされやすくなり、縦方向の縞模様が形成され
やすくなる。より好適には30m/分以上である。一
方、引取速度が100m/分を超える場合には、パイプ
の破断が起こりやすくなり生産安定性が低下するおそれ
がある。より好適には70m/分以下である。
【0022】引取られたパイプは一定の寸法に切断され
る。切断される寸法は通常100〜300cmである。
これをこのまま、あるいはさらに短く切断して各種用途
に適した寸法にする。樹脂パイプの長さは使用される用
途によって異なるが、日除け、目隠しあるいはインテリ
ア用途に使用するのであれば、通常30〜270cm程
度である。また、食品包装用途に使用されるのであれば
通常5〜40cm程度である。
【0023】得られる樹脂パイプの外径(d)は2.5
〜10mmであることがすだれの一般的用途を考慮すれ
ば好ましい。より好適には3mm以上であり、また、6
mm以下である。外径(d)に対する肉厚(t)の比
(t/d)が0.02〜0.2であることが、適度な剛
性を保ちながら軽量性に優れて好ましい。比(t/d)
は、より好適には0.04以上であり、また、0.1以
下である。
【0024】さらに、自然な外観を有しながら適度な剛
性を保つために当該樹脂パイプの見かけ比重が0.7〜
0.95であることが好ましい。ポリプロピレンの比重
が約0.9であり、これに適当な量の無機フィラーを加
えた場合の樹脂の比重は、無発泡の状態で通常1前後に
なることが多いことから、適度に発泡している本発明の
樹脂パイプの見かけ比重は、無発泡のものの比重よりも
小さくなり、上記範囲の値を取りやすい。なお、発泡樹
脂パイプの見かけ比重と、それから発泡剤だけを除いた
無発泡樹脂パイプの比重の差から発泡率(含有される空
気の体積比率)を算出することができる。こうして算出
される発泡率は30%以下であることが好ましく、20
%以下であることがより好ましい。発泡率が30%を超
えると樹脂パイプの剛性が低下して、すだれに使用した
際の形態保持性に問題を有する場合がある。一方発泡率
は2%以上であることが好ましく、5%以上であること
がより好ましい。発泡率が2%未満の場合には表面に適
当な凹凸形状が発現しないおそれがある。
【0025】本発明の樹脂パイプは、パイプ表面の全体
に細かいピッチで縦方向の筋模様を有することが好まし
い。このような細かい筋模様を有することで、あたかも
天然素材の表面に見られる繊維状の模様のような外観を
得ることができる。筋模様のピッチは、1mmの間に5
本以上の筋を有するものであることが好ましい。さら
に、当該筋模様より大きいピッチでランダムな凹凸模様
が形成されてなることが好ましい。それにより、表面の
テカリが抑制され、マット調の自然な風合いを有するこ
とができる。しかも天然素材のような突発的な大きい不
均一部分は有さないので、すだれ製造時のハンドリング
性能が低下することもない。また、適度な凹凸を有する
ために製品のすだれから樹脂パイプが抜け落ちにくくな
る。
【0026】こうして得られた樹脂パイプは、それを緯
条として織り込む、あるいは編み込むことですだれにす
ることができる。経糸としては、綿糸あるいは綿とポリ
エステルとの混紡糸などを使用することができる。経糸
の上端と下端は、糊付けしたり結び目を作ったりして、
樹脂パイプが外れないようにする。なお、「簀巻き」と
呼ばれる魚肉練り製品などでは、経糸で織り編みするこ
となく、単に樹脂パイプをすだれ状に並べて貼り付けて
使用することがあるが、本発明のすだれ用樹脂パイプは
そのような用途に対しても同様な視覚的効果が得られる
ものであり、使用可能である。
【0027】日除け、目隠しあるいはインテリア用途で
あれば、通常、上下をプラスチックレールなどで覆い、
適宜取り付け金具などが装着されて製品とされる。これ
らの用途では、通常、幅が30〜270cm程度、長さ
が40〜280cm程度の寸法が採用される。本発明の
すだれは、適度な換気と調光機能という、すだれが本来
有する機能を備えるとともに、光を適度に拡散させるこ
とができ、目に優しい落ち着いた雰囲気を形成するのに
役立つ。したがって、店舗装飾やPOP広告などにも好
適に使用される。すだれは、日本的な雰囲気を醸し出す
ことができ、日本人にとって馴染み感のある素材なの
で、これを用いることで店舗イメージや商品イメージの
向上に寄与できる場合がある。
【0028】一方食品包装用途に使用されるのであれ
ば、上下をプラスチックレールなどで覆うことなくその
まま使用されることが多い。この場合の寸法は、通常、
幅が5〜40cm程度、長さが10〜60cm程度であ
る。包装される食品は伊達巻、和菓子、みやげ物などで
ある。もちろん食品以外の包装用途に使用することもで
きる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 以下の材料をタンブラーに投入して、70分間混合して
から、押出機に投入した。 ・ポリプロピレン 日本ポリケム(株)製「FY3VE」 75kg ・炭酸カルシウム含有ポリプロピレンマスターバッチ 出光石油化学(株)製「E−302A」 25kg (炭酸カルシウム含有率:50重量%) ・発泡剤 オーケー化成(株)製「MULTI FORM P−5」 220g ・顔料入りポリプロピレンマスターバッチ トーワ化学(株)製「No.3−24−11201」 1.4kg (色:ブラウン) ・紫外線吸収剤入りポリプロピレンマスターバッチ トーワ化学(株)製「DB−UV」 2kg ・ブレンドオイル 大日本インキ化学工業(株)製「ブレンドオイルH」 30ml
【0030】押出機は、スクリュー径45mm、シリン
ダー長1010mmの一軸押出機を使用した。シリンダ
ー温度はホッパーに近い部分から4分割して順に、14
0℃、150℃、160℃、160℃になるように設定
した。ダイスの開口部の形状は外径(D)が11.1m
mであり、内径が7.6mmであり、ダイスの中心部に
設けられた小孔からパイプ中にエアーを吹き込んだ。押
出機先端のダイスから吐出された溶融樹脂は、細くなり
ながら10cm程度空中で引取られて水浴中に導入され
て固化した。2m程度の水浴から導出された樹脂パイプ
をローラーを用いて47m/分の速度で引取り、186
cmの長さに切断した。こうして1分間に約25本の生
産速度で樹脂パイプを製造することができた。
【0031】得られた樹脂パイプの外径(d)は4.3
mm、内径は3.7mm、肉厚(t)は0.3mmであ
り、比(t/d)は0.07であった。また、比(d/
D)は0.39であった。また、樹脂パイプを長さ30
cmに切断して縦方向に水中に浸漬し、その水没部分の
長さを全長で割ることで見かけ比重を求めた。20本の
樹脂パイプの見かけ比重を測定し、大きい方から2本
と、小さい方から2本をそれぞれ除いて、残りの16本
の平均値を得たところ、0.84であった。以下の比較
例でも示すように、無発泡のパイプの比重は1.00で
あったことから、発泡率(含有される空気の体積比率)
はこれらの差から算出することができ、本実施例の樹脂
パイプでは16%であった。
【0032】樹脂パイプの表面を観察した写真を図1に
示す。適度に艶が消されてテカリが抑制され、マット調
の自然な風合いの外観となっている。その上、天然素材
のような微細な筋模様が観察され、ランダムな凹凸も形
成されて適度な不均質さが認められた。図2は樹脂パイ
プの表面を拡大観察した写真であり、パイプ直径の約2
/3(3mm程度)の部分が示されている写真である。
無数の筋模様がパイプの軸方向に沿って形成されている
ことがわかる。1mmの間隔に10本程度の筋が観察さ
れる。また、筋模様より大きいピッチで大きな波打ちの
ような凹凸模様がランダムに形成されていることもわか
る。図3は、樹脂パイプを軸方向に垂直な方向に破断し
た破断面を観察した写真である。パイプ壁中に細かい気
泡が含まれていることが観察される。
【0033】得られた樹脂パイプを緯条として用いてす
だれを製造した。黒色の綿糸を経糸として使用し、これ
を10cm間隔と3cm間隔が交互になるようにして計
32ヶ所配置する構成とした。2本の対向する経糸の間
に樹脂パイプを挟みこんでは、その2本の経糸を繰り出
すガイドを180度回転させて経糸をねじり、再び樹脂
パイプを挟みこんでねじる、という操作を繰り返して、
2本の経糸の間に樹脂パイプを編み込んでいった。17
0cmの長さまで編み込んだところで、樹脂パイプを挟
み込まずにガイドを反転させる操作を繰り返して経糸だ
けを撚り合わせ、その部分を糊付けてほどけないように
してから切断した。続いて、樹脂パイプ中央部で切断
し、両端のパイプの耳も切り揃えて、2枚のすだれを得
た。得られたすだれは、幅が88cm、高さが170c
mで、経糸が16ヶ所配置されているものであった。す
だれの上下に、それぞれ数本の樹脂パイプを覆うように
黒色のプラスチックレールを装着して日除け用すだれを
得た。
【0034】得られたすだれは、天然素材のような自然
な風合いを有しているものであった。しかも軽量性、形
態保持性、隠ぺい性も、日除け用すだれとしては十分な
ものであった。得られたすだれの端から5本目と6本目
の経糸の間の位置で樹脂パイプを1本だけ切断し、5本
の経糸が掛かった状態の樹脂パイプを手で引き抜いたと
ころ、思い切り力を加えてようやく引き抜くことができ
た。なお、16本の経糸が掛かった状態では引き抜くこ
とは全く不可能であった。長期間の使用によって経糸の
締め付けがある程度緩んできても、樹脂パイプが抜けに
くいすだれになっていると推定される。
【0035】比較例1 実施例1の原料から発泡剤を除いた以外は実施例1と同
様にして樹脂パイプを製造した。得られたパイプの比重
を実施例1と同様に測定したところ、パイプ先端がちょ
うど水面にきたところで静止し、比重は1.00であっ
た。
【0036】得られた樹脂パイプを用いて、実施例1と
同様にしてすだれを製造した。得られたすだれは、パイ
プ表面が平滑であって、テカリが顕著に認められ、天然
素材に見られるような独特の風合いが感じられないもの
であった。また、実施例1と同様にして、経糸5本掛け
の状態ですだれから樹脂パイプを横方向に引き抜こうと
したところ、実施例1に比べるとはるかに小さい力で引
き抜くことができた。
【0037】
【発明の効果】本発明のすだれ用樹脂パイプを使用する
ことで、テカリのない自然な風合いの外観を有するすだ
れを提供することができる。樹脂パイプであるから、均
質性に優れていて、すだれを製造する際のハンドリング
性にも優れる。また、この樹脂パイプからなるすだれ
は、樹脂パイプが抜け落ちにくく耐久性に優れる。この
すだれを日除けなど屋外用途に使用する場合には天然素
材を使用する場合に比べて耐久性に優れるし、食品包装
用途に使用する場合には、衛生管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の樹脂パイプの表面を観察した写真で
ある。
【図2】実施例1の樹脂パイプの表面を拡大観察した写
真である。
【図3】実施例1の樹脂パイプを軸方向に垂直な方向に
破断した破断面を観察した写真である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡ポリプロピレン樹脂からなるすだれ
    用樹脂パイプ。
  2. 【請求項2】 外径(d)が2.5〜10mmで外径
    (d)に対する肉厚(t)の比(t/d)が0.02〜
    0.2である請求項1記載のすだれ用樹脂パイプ。
  3. 【請求項3】 見かけ比重が0.7〜0.95である請
    求項1又は2記載のすだれ用樹脂パイプ。
  4. 【請求項4】 パイプ表面の全体に細かいピッチで縦方
    向の筋模様を有し、かつ該筋模様より大きいピッチでラ
    ンダムな凹凸模様が形成されてなる請求項1〜3のいず
    れか記載のすだれ用樹脂パイプ。
  5. 【請求項5】 ポリプロピレン樹脂及び発泡剤からなる
    原料を押出機に投入し、押出機中で溶融混練してから環
    状の開口部を有するダイスから押出し、冷却槽中に導い
    て固化させてから延伸することなく引取って切断する、
    すだれ用樹脂パイプの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記原料中の発泡剤の含有量が0.05
    〜0.5重量%である請求項5記載のすだれ用樹脂パイ
    プの製造方法。
  7. 【請求項7】 引取速度が10〜100m/分である請
    求項5又は6記載のすだれ用樹脂パイプの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ダイスの開口部の外径(D)に対す
    るすだれ用樹脂パイプの外径(d)の比(d/D)が
    0.2〜0.8である請求項5〜7のいずれか記載のす
    だれ用樹脂パイプの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか記載のすだれ用
    樹脂パイプを緯条として使用してなるすだれ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013151843A (ja) * 2012-01-26 2013-08-08 Fukuvi Chem Ind Co Ltd 人工萱状物及びその製造方法、及び人工萱状物を用いた構造体
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