JP3854004B2 - 電子装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各操作ボタンを指先で容易に操作できる電子装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年の電子工業の進歩を反映して、無線通信機、有線通信機、計算機、ゲーム機等の電子装置が、小型軽量化する傾向にある。
【０００３】
そして、人々が身につける事物の多機能化という観点から、特に、腕時計に既存の機能を付加したもの、すなわち、携帯に適した電子装置としての、例えば腕時計を兼ねた携帯電話装置の小型軽量化も進んでいる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
そして、このような腕時計を兼ねた携帯電話装置では、装置本体に信号を入力する複数の操作ボタンを指先で操作し易いようにするために、どのように配置すればよいのかが、重要な問題となる。
【０００５】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、各操作ボタンを指先で容易に操作できる電子装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の電子装置は、装置本体と、この装置本体に移動自在に設けられた可動体と、この可動体に設けられた時刻表示部と、前記装置本体の外周辺に周方向に沿って配設された複数の操作ボタンとを具備した電子装置であって、前記装置本体は、前記各操作ボタンの内方側に形成された凹状部を有し、前記凹状部に挿脱可能に挿入される容器を具備したものである。
【０００７】
請求項２記載の電子装置は、装置本体と、この装置本体に移動自在に設けられた可動体と、この可動体に設けられた時刻表示部と、前記装置本体の外周辺に周方向に沿って配設された複数の操作ボタンとを具備した電子装置であって、前記装置本体は、前記各操作ボタンの内方側に形成された凹状部を有し、前記凹状部に挿入され表示部を有する挿入用電子装置を具備したものである。
【０００８】
請求項３記載の電子装置は、請求項１または２記載の電子装置において、装置本体は、可動体を回動可能に連結する可動体連結部を有するものである。
【０００９】
請求項４記載の電子装置は、請求項３記載の電子装置において、装置本体は、可動体を付勢力により回動させてこの装置本体から離間させる付勢手段を有するものである。
【００１０】
請求項５記載の電子装置は、請求項４記載の電子装置において、装置本体は、可動体を付勢手段の付勢力に抗してこの装置本体に係脱自在に係止する係止手段を有するものである。
【００１１】
請求項６記載の電子装置は、請求項１ないし５のいずれか一記載の電子装置において、装置本体が、通話機能を有するものである。
【００１２】
請求項７記載の電子装置は、請求項１ないし６のいずれか一記載の電子装置において、装置本体と外部との通信を可能にする中継器を具備したものである。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【００１４】
図１において、１は電子装置としての、腕時計を兼ねた携帯電話装置で、この腕時計を兼ねた携帯電話装置１は、腕時計の形をした多機能を有する装置である。
【００１５】
この腕時計を兼ねた携帯電話装置１は、装置本体２を備え、この装置本体２は例えば通話機能を有している。すなわち、この装置本体２は、図示しない無線送受信装置の電子回路部を備え、この電子回路部には図示しない電池等の電源装置、通話用のマイクロフォン、通話用のスピーカ、アンテナ等が接続されている。
【００１６】
また、この装置本体２は、本体ケース３を備え、この本体ケース３は、腕に装着可能な大きさで、例えば略円形板状に形成され、この本体ケース３の外周辺には、この本体ケース３の表面周縁に位置して周方向に沿って互いに等間隔をおいて、複数の操作ボタン５，５…が配設されている。
【００１７】
そして、これら複数の操作ボタン５，５…は、装置本体２に所定の信号を入力するためのもので、円形状の各操作ボタン５は、例えば０から９までの１０個の円形状の数字ボタン、＊ボタン、＃ボタン等にて構成され、各操作ボタン５を押圧操作すると、所定の信号が装置本体２に送られて入力され、この信号に基づいて装置本体２が適宜に動作する。
【００１８】
また、この本体ケース３の表面中心側には、各操作ボタン５の内方側に位置して、一定の大きさの空間を形成する円柱状の凹状部７が形成され、この凹状部７には薬等の小さい物品を入れることができる小型の容器８が挿脱可能に挿入される。
【００１９】
この容器８は、凹状部７の大きさに対応した有底円筒状の容器本体９を有し、この容器本体９の上面には上方に向って開口した円形の上面開口部10が形成され、この上面開口部10が円形板状の蓋体11にて開閉自在に閉塞される。また、この容器本体９の周側面の上端には、環状の嵌合突出縁部12が上面開口部10の周縁に位置して外方に向って突出形成され、この嵌合突出縁部12の外径が凹状部７の内径よりやや小さく、この嵌合突出縁部12が凹状部７に係脱自在に嵌合される。
【００２０】
さらに、この本体ケース３の径方向の両端部には、細長棒等にて構成された一対のバンド連結部15，15が形成され、各バンド連結部15には細長帯状のバンド16の長手方向の端部が連結され、このバンド16にて本体ケース３が使用者の腕または手首等に装着される。
【００２１】
また、この本体ケース３の径方向の一端部、つまり０の数字ボタンである操作ボタン５側の端部には、蝶番等にて構成された可動体連結部としてのケース連結部18が形成され、このケース連結部18には略円形板状の可動体としての可動ケース19の径方向の一端部が回動可能に連結され、この可動ケース19は本体ケース３に対して移動自在、例えば開閉自在である。
【００２２】
この可動ケース19は、時計を示す部分を構成する可動式、例えば開閉式のもので、図２に示すように、各操作ボタン５がこの可動ケース19にて確実に覆い隠されるように、本体ケース３と同一の外径寸法をもって略円形板状に形成され、閉状態で本体ケース３に重ね合わされてこの本体ケース３と一体化した状態となる。
【００２３】
そして、この可動ケース19の表面、つまり、この可動ケース19の本体ケース３と対向する側とは反対側の面には、文字盤等にて構成されたアナログ式の時刻表示部20がこの表面全体にわたって設けられている。
【００２４】
この時刻表示部20は例えば円形状に形成され、この時刻表示部20の外周部にはＩからＸＩＩまでの１２個の文字21が周方向に沿って互いに等間隔をおいて配設され、これら文字21が互いに長さの異なる長い針22および短い針23にて指し示されることにより、時刻が表示される。なお、この可動ケース19の側面一部には１個の竜頭24が回転自在に取り付けられている。
【００２５】
そして、この可動ケース19は、図示しないばね等の付勢手段による付勢力を受けて、本体ケース３から離間する方向、つまり開方向に回動し、図２に示す本体ケース３の表面を覆い隠した状態から、図１に示す本体ケース３の表面を露出させた状態に変化する。
【００２６】
また、本体ケース３および可動ケース19のそれぞれの径方向の他端部には、図示しない留め金等を含むラッチ機構等にて構成された係止手段が設けられ、この係止手段にて可動ケース19が、図２に示されるように、付勢手段の付勢力に抗して本体ケース３に係止されている。この係止状態は、バンド連結部15のばね棒体15a を側面から押圧操作、或いは、図示しない係止解除ボタンを押圧操作すると、解除される。
【００２７】
次に、上記一実施の形態の作用を説明する。
【００２８】
腕時計を兼ねた携帯電話装置１を腕時計として使用する場合、可動ケース19を本体ケース３に付勢力に抗して係止手段にて係止させ、この可動ケース19にて本体ケース３の表面を覆い隠すと、可動ケース19が、図２に示されるように、本体ケース３に重ね合わされてこの本体ケース３と一体化した状態となり、腕時計を兼ねた携帯電話装置１が外見的には腕時計と同様の形態となる。
【００２９】
そして、この腕時計を兼ねた携帯電話装置１を携帯電話として使用する際には、例えば図示しない係止解除ボタンを指先で押圧操作すると、可動ケース19が、図示しない付勢手段による付勢力を受けて、本体ケース３から離間する方向に回動し、この可動ケース19が、図２に示す本体ケース３の表面を覆い隠した状態から、図１に示す本体ケース３の表面を露出させた状態に変化する。
【００３０】
次いで、この露出した本体ケース３の表面周縁に位置する複数の操作ボタン５を指先で押圧操作すると、所定の信号が装置本体２に入力され、この信号に基づいて装置本体２が適宜に動作し、使用者がマイクロフォン、スピーカを用いて簡単に通話できる。
【００３１】
一方、腕時計および携帯電話に加えて、例えば薬等の小さい物品を携帯するに当っては、それら薬等の小さい物品を容器８内に適宜に収容し、この収容した容器８を本体ケース３の凹状部７に挿脱可能に挿入する。
【００３２】
このようにして、上記一実施の形態によれば、時刻表示部20を一方の可動ケース19に設け、かつ、複数の操作ボタン５を他方の本体ケース３の外周辺に周方向に沿って配設したため、時刻表示部20のための十分なスペースを容易に確保できるばかりでなく、各操作ボタン５の幅寸法が比較的大きく、各操作ボタン５を指先にて容易に操作でき、操作性の向上を図ることができる。
【００３３】
また、時刻表示部20を一方の可動ケース19の表面全体に設けたため、この時刻表示部20にて時刻の確認を容易にできる。
【００３４】
さらに、複数の操作ボタン５を他方の本体ケース３の外周辺における表面周縁に周方向に沿って互いに等間隔をおいて配設したため、各操作ボタン５の幅寸法が比較的大きく、かつ、各操作ボタン５間の間隔が比較的広く、各操作ボタン５を指先にて容易に正確に操作でき、例えば、間違って隣の操作ボタン５に触れるといった操作間違いの危険性が少なく、しかも、１０個或いは１２個といった多数の操作ボタン５を配列できる。
【００３５】
さらに、ケース連結部18が、可動ケース19を本体ケース３に対して回動可能に連結するので、可動ケース19を回動により確実に開閉できる。
【００３６】
また、付勢手段が、可動ケース19を付勢力により回動させて、本体ケース３から離間させ、本体ケース３の表面を露出させた状態にするので、指先等で可動ケース19に大きな回動力を加える必要がなく、可動ケース19を自動的に動かすことができ、可動ケース19を容易に回動でき、可動ケース19を図１に示す状態に開放できる。
【００３７】
さらに、係止手段が、付勢手段の付勢力に抗して本体ケース３の表面を覆い隠した状態にある可動ケース19を本体ケース３に係脱自在に係止するので、この係止手段による係止状態を解除しない限り、この係止手段にて可動ケース19の係止状態を確実に維持できる。
【００３８】
また、容器８を利用することにより、凹状部７に薬等の小さい物品を簡単に収容でき、例えば、その小さい物品にて凹状部７がよごれること等を防止できる。
【００３９】
さらに、容器８が容器本体９の上面開口部10を開閉自在に閉塞する蓋体11を備えるので、この蓋体11にて、容器本体９に収容された物品が不本意に容器８からこぼれ落ちることを防止でき、また、操作ボタン５の押圧操作時に、誤って収容物品を押圧することがなく、容器本体９内の収容物品を適切に保護できる。
【００４０】
また、容器本体９の嵌合突出縁部12が、本体ケース３の凹状部７に嵌合するので、この嵌合突出縁部12にて、凹状部７に挿入された容器８が不本意に取れることを防止できる。
【００４１】
さらに、操作ボタン５を使用しない場合に、各操作ボタン５を可動ケース19にて確実に覆い隠すことができるので、使用者の知らないうちに操作ボタン５が操作されることがなく、装置本体２の誤動作を防止できる。
【００４２】
なお、上記一実施の形態においては、電子装置は、腕時計を兼ねた携帯電話装置１である構成として説明したが、例えば、腕時計を兼ねた計算機、ペンダント式時計を兼ねた携帯電話装置、ペンダント式時計を兼ねた計算機、或いは、小型時計にヘルツ波による他の通信手段等を組み合わせたものでもよい。
【００４３】
また、上記いずれの実施の形態においても、複数の操作ボタン５は、本体ケース３の表面周縁に周方向に沿って互いに間隔をおいて配設した構成について説明したが、例えば、本体ケース３の周側面に周方向に沿って互いに間隔をおいて配設した構成でもよく、また、複数の操作ボタン５間に間隔を設けず、各操作ボタン５を連続的に設けてもよい。
【００４４】
さらに、上記いずれの実施の形態においても、時刻表示部20は、可動ケース19の表面にこの表面全体にわたって設けた構成について説明したが、例えば、可動ケース19の表面の一部に設けた構成でもよい。
【００４５】
さらに、上記いずれの実施の形態においても、可動ケース19と本体ケース３とは、ケース連結部18にて回動可能に連結した開閉式の構成について説明したが、例えば、本体ケース３に対して可動ケース19を摺動可能に連結して、開閉式ではなく滑り外し式の構成とすることもできる。
【００４６】
また、装置本体２の無線送受信装置の電子回路部、電源装置としての一次電池或いは二次電池（蓄電池）の全部または一部、マイクロフォン、スピーカ等は、本体ケース３の内部だけでなく、可動ケース19の内部、バンド16の内部や上部等に適宜配設してもよい。
【００４７】
さらに、容器８は必ずしも必要ではなく、薬等の小さい物品を本体ケース３の凹状部７に直接入れてもよい。
【００４８】
また、図３に示すように、本体ケース３の凹状部７に容器８の代わりに、３つの表示盤等にて構成される表示部25a ，25b ，25c を有する挿入用電子装置8aを挿入してもよい。この挿入用電子装置8aは、例えば計算機能、ゲーム機能、或いは通話機能等の通信機能等を有するものであり、各表示部25a ，25b ，25c は横方向に細長矩形板状に形成され、各表示部25a ，25b ，25c が互いに平行状に３行、４行等複数行をなして配設され、本体ケース３の表面上に位置している。そして、この挿入用電子装置8aの表示部25a ，25b ，25c により、適宜の情報を得ることができる。
【００４９】
さらに、腕時計を兼ねた携帯電話装置１等の電子装置は、電力を消費して装置本体２と外部との無線通信を可能にするための、図示しない電子中継器等にて構成された中継器を備えた構成とすることもできる。この中継器は、衣服のポケットやズボン用のベルト等に装着して携帯可能、つまり使用者の衣服や身体上に装着して携帯できるような大きさに形成され、内部には必要に応じて図示しない例えば無線送受信装置、或いは、電池等の電源装置等が収容されている。
【００５０】
そして、この中継器が装置本体２からの弱い信号を有線または無線を介して受信すると、この信号に対応する強い信号がこの中継器から外部に送信され、装置本体２にて外部との無線通信が可能となり、この中継器を利用することにより、装置本体２と外部との通信を確実できる。
【００５１】
また、装置本体２、中継器に電力を供給する電池等の電源装置を、使用者の衣服や身体上に装着して携帯可能な別の構成とすれば、装置本体２の軽量化が図られ、携帯性を向上できる。
【００５２】
【発明の効果】
請求項１記載の電子装置によれば、時刻表示部のための十分なスペースを容易に確保できるばかりでなく、各操作ボタンの幅寸法が比較的大きく、各操作ボタンを指先で容易に操作でき、しかも、容器を利用することにより、凹状部に小さい物品を簡単に収容できる。
【００５３】
請求項２記載の電子装置によれば、時刻表示部のための十分なスペースを容易に確保できるばかりでなく、各操作ボタンの幅寸法が比較的大きく、各操作ボタンを指先で容易に操作でき、しかも、挿入用電子装置の表示部により、適宜の情報を得ることができる。
【００５４】
請求項３記載の電子装置によれば、可動体連結部が可動体を回動可能に連結するので、可動体を回動により開閉できる。
【００５５】
請求項４記載の電子装置によれば、付勢手段が可動体を付勢力により回動させて装置本体から離間させるので、指先等で可動体に大きな回動力を加えず開放できる。
【００５６】
請求項５記載の電子装置によれば、係止手段が可動体を付勢手段の付勢力に抗して装置本体に係脱自在に係止するので、この係止手段による係止状態を解除しない限り、この係止手段にて可動体を確実に係止できる。
【００５７】
請求項６記載の電子装置によれば、通話機能を利用することにより、装置本体にて簡単に通話できる。
【００５８】
請求項７記載の電子装置によれば、中継器を利用することにより、装置本体と外部との通信を確実にできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の電子装置の一実施の形態を示す可動ケースを開いた状態での斜視図である。
【図２】 同上電子装置を示す可動ケースを閉じた状態での斜視図である。
【図３】 本発明の電子装置の他の実施の形態を示す可動ケースを開いた状態での斜視図である。
【符号の説明】
１ 電子装置としての腕時計を兼ねた携帯電話装置
２ 装置本体
５ 操作ボタン
７ 凹状部
８ 容器
18 可動体連結部としてのケース連結部
19 可動体としての可動ケース
20 時刻表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、各操作ボタンを指先で容易に操作できる電子装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年の電子工業の進歩を反映して、無線通信機、有線通信機、計算機、ゲーム機等の電子装置が、小型軽量化する傾向にある。
【０００３】
そして、人々が身につける事物の多機能化という観点から、特に、腕時計に既存の機能を付加したもの、すなわち、携帯に適した電子装置としての、例えば腕時計を兼ねた携帯電話装置の小型軽量化も進んでいる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
そして、このような腕時計を兼ねた携帯電話装置では、装置本体に信号を入力する複数の操作ボタンを指先で操作し易いようにするために、どのように配置すればよいのかが、重要な問題となる。
【０００５】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、各操作ボタンを指先で容易に操作できる電子装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の電子装置は、装置本体と、この装置本体に移動自在に設けられた可動体と、この可動体に設けられた時刻表示部と、前記装置本体の外周辺に周方向に沿って配設された複数の操作ボタンとを具備した電子装置であって、前記装置本体は、前記各操作ボタンの内方側に形成された凹状部を有し、前記凹状部に挿脱可能に挿入される容器を具備したものである。
【０００７】
請求項２記載の電子装置は、装置本体と、この装置本体に移動自在に設けられた可動体と、この可動体に設けられた時刻表示部と、前記装置本体の外周辺に周方向に沿って配設された複数の操作ボタンとを具備した電子装置であって、前記装置本体は、前記各操作ボタンの内方側に形成された凹状部を有し、前記凹状部に挿入され表示部を有する挿入用電子装置を具備したものである。
【０００８】
請求項３記載の電子装置は、請求項１または２記載の電子装置において、装置本体は、可動体を回動可能に連結する可動体連結部を有するものである。
【０００９】
請求項４記載の電子装置は、請求項３記載の電子装置において、装置本体は、可動体を付勢力により回動させてこの装置本体から離間させる付勢手段を有するものである。
【００１０】
請求項５記載の電子装置は、請求項４記載の電子装置において、装置本体は、可動体を付勢手段の付勢力に抗してこの装置本体に係脱自在に係止する係止手段を有するものである。
【００１１】
請求項６記載の電子装置は、請求項１ないし５のいずれか一記載の電子装置において、装置本体が、通話機能を有するものである。
【００１２】
請求項７記載の電子装置は、請求項１ないし６のいずれか一記載の電子装置において、装置本体と外部との通信を可能にする中継器を具備したものである。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【００１４】
図１において、１は電子装置としての、腕時計を兼ねた携帯電話装置で、この腕時計を兼ねた携帯電話装置１は、腕時計の形をした多機能を有する装置である。
【００１５】
この腕時計を兼ねた携帯電話装置１は、装置本体２を備え、この装置本体２は例えば通話機能を有している。すなわち、この装置本体２は、図示しない無線送受信装置の電子回路部を備え、この電子回路部には図示しない電池等の電源装置、通話用のマイクロフォン、通話用のスピーカ、アンテナ等が接続されている。
【００１６】
また、この装置本体２は、本体ケース３を備え、この本体ケース３は、腕に装着可能な大きさで、例えば略円形板状に形成され、この本体ケース３の外周辺には、この本体ケース３の表面周縁に位置して周方向に沿って互いに等間隔をおいて、複数の操作ボタン５，５…が配設されている。
【００１７】
そして、これら複数の操作ボタン５，５…は、装置本体２に所定の信号を入力するためのもので、円形状の各操作ボタン５は、例えば０から９までの１０個の円形状の数字ボタン、＊ボタン、＃ボタン等にて構成され、各操作ボタン５を押圧操作すると、所定の信号が装置本体２に送られて入力され、この信号に基づいて装置本体２が適宜に動作する。
【００１８】
また、この本体ケース３の表面中心側には、各操作ボタン５の内方側に位置して、一定の大きさの空間を形成する円柱状の凹状部７が形成され、この凹状部７には薬等の小さい物品を入れることができる小型の容器８が挿脱可能に挿入される。
【００１９】
この容器８は、凹状部７の大きさに対応した有底円筒状の容器本体９を有し、この容器本体９の上面には上方に向って開口した円形の上面開口部10が形成され、この上面開口部10が円形板状の蓋体11にて開閉自在に閉塞される。また、この容器本体９の周側面の上端には、環状の嵌合突出縁部12が上面開口部10の周縁に位置して外方に向って突出形成され、この嵌合突出縁部12の外径が凹状部７の内径よりやや小さく、この嵌合突出縁部12が凹状部７に係脱自在に嵌合される。
【００２０】
さらに、この本体ケース３の径方向の両端部には、細長棒等にて構成された一対のバンド連結部15，15が形成され、各バンド連結部15には細長帯状のバンド16の長手方向の端部が連結され、このバンド16にて本体ケース３が使用者の腕または手首等に装着される。
【００２１】
また、この本体ケース３の径方向の一端部、つまり０の数字ボタンである操作ボタン５側の端部には、蝶番等にて構成された可動体連結部としてのケース連結部18が形成され、このケース連結部18には略円形板状の可動体としての可動ケース19の径方向の一端部が回動可能に連結され、この可動ケース19は本体ケース３に対して移動自在、例えば開閉自在である。
【００２２】
この可動ケース19は、時計を示す部分を構成する可動式、例えば開閉式のもので、図２に示すように、各操作ボタン５がこの可動ケース19にて確実に覆い隠されるように、本体ケース３と同一の外径寸法をもって略円形板状に形成され、閉状態で本体ケース３に重ね合わされてこの本体ケース３と一体化した状態となる。
【００２３】
そして、この可動ケース19の表面、つまり、この可動ケース19の本体ケース３と対向する側とは反対側の面には、文字盤等にて構成されたアナログ式の時刻表示部20がこの表面全体にわたって設けられている。
【００２４】
この時刻表示部20は例えば円形状に形成され、この時刻表示部20の外周部にはＩからＸＩＩまでの１２個の文字21が周方向に沿って互いに等間隔をおいて配設され、これら文字21が互いに長さの異なる長い針22および短い針23にて指し示されることにより、時刻が表示される。なお、この可動ケース19の側面一部には１個の竜頭24が回転自在に取り付けられている。
【００２５】
そして、この可動ケース19は、図示しないばね等の付勢手段による付勢力を受けて、本体ケース３から離間する方向、つまり開方向に回動し、図２に示す本体ケース３の表面を覆い隠した状態から、図１に示す本体ケース３の表面を露出させた状態に変化する。
【００２６】
また、本体ケース３および可動ケース19のそれぞれの径方向の他端部には、図示しない留め金等を含むラッチ機構等にて構成された係止手段が設けられ、この係止手段にて可動ケース19が、図２に示されるように、付勢手段の付勢力に抗して本体ケース３に係止されている。この係止状態は、バンド連結部15のばね棒体15a を側面から押圧操作、或いは、図示しない係止解除ボタンを押圧操作すると、解除される。
【００２７】
次に、上記一実施の形態の作用を説明する。
【００２８】
腕時計を兼ねた携帯電話装置１を腕時計として使用する場合、可動ケース19を本体ケース３に付勢力に抗して係止手段にて係止させ、この可動ケース19にて本体ケース３の表面を覆い隠すと、可動ケース19が、図２に示されるように、本体ケース３に重ね合わされてこの本体ケース３と一体化した状態となり、腕時計を兼ねた携帯電話装置１が外見的には腕時計と同様の形態となる。
【００２９】
そして、この腕時計を兼ねた携帯電話装置１を携帯電話として使用する際には、例えば図示しない係止解除ボタンを指先で押圧操作すると、可動ケース19が、図示しない付勢手段による付勢力を受けて、本体ケース３から離間する方向に回動し、この可動ケース19が、図２に示す本体ケース３の表面を覆い隠した状態から、図１に示す本体ケース３の表面を露出させた状態に変化する。
【００３０】
次いで、この露出した本体ケース３の表面周縁に位置する複数の操作ボタン５を指先で押圧操作すると、所定の信号が装置本体２に入力され、この信号に基づいて装置本体２が適宜に動作し、使用者がマイクロフォン、スピーカを用いて簡単に通話できる。
【００３１】
一方、腕時計および携帯電話に加えて、例えば薬等の小さい物品を携帯するに当っては、それら薬等の小さい物品を容器８内に適宜に収容し、この収容した容器８を本体ケース３の凹状部７に挿脱可能に挿入する。
【００３２】
このようにして、上記一実施の形態によれば、時刻表示部20を一方の可動ケース19に設け、かつ、複数の操作ボタン５を他方の本体ケース３の外周辺に周方向に沿って配設したため、時刻表示部20のための十分なスペースを容易に確保できるばかりでなく、各操作ボタン５の幅寸法が比較的大きく、各操作ボタン５を指先にて容易に操作でき、操作性の向上を図ることができる。
【００３３】
また、時刻表示部20を一方の可動ケース19の表面全体に設けたため、この時刻表示部20にて時刻の確認を容易にできる。
【００３４】
さらに、複数の操作ボタン５を他方の本体ケース３の外周辺における表面周縁に周方向に沿って互いに等間隔をおいて配設したため、各操作ボタン５の幅寸法が比較的大きく、かつ、各操作ボタン５間の間隔が比較的広く、各操作ボタン５を指先にて容易に正確に操作でき、例えば、間違って隣の操作ボタン５に触れるといった操作間違いの危険性が少なく、しかも、１０個或いは１２個といった多数の操作ボタン５を配列できる。
【００３５】
さらに、ケース連結部18が、可動ケース19を本体ケース３に対して回動可能に連結するので、可動ケース19を回動により確実に開閉できる。
【００３６】
また、付勢手段が、可動ケース19を付勢力により回動させて、本体ケース３から離間させ、本体ケース３の表面を露出させた状態にするので、指先等で可動ケース19に大きな回動力を加える必要がなく、可動ケース19を自動的に動かすことができ、可動ケース19を容易に回動でき、可動ケース19を図１に示す状態に開放できる。
【００３７】
さらに、係止手段が、付勢手段の付勢力に抗して本体ケース３の表面を覆い隠した状態にある可動ケース19を本体ケース３に係脱自在に係止するので、この係止手段による係止状態を解除しない限り、この係止手段にて可動ケース19の係止状態を確実に維持できる。
【００３８】
また、容器８を利用することにより、凹状部７に薬等の小さい物品を簡単に収容でき、例えば、その小さい物品にて凹状部７がよごれること等を防止できる。
【００３９】
さらに、容器８が容器本体９の上面開口部10を開閉自在に閉塞する蓋体11を備えるので、この蓋体11にて、容器本体９に収容された物品が不本意に容器８からこぼれ落ちることを防止でき、また、操作ボタン５の押圧操作時に、誤って収容物品を押圧することがなく、容器本体９内の収容物品を適切に保護できる。
【００４０】
また、容器本体９の嵌合突出縁部12が、本体ケース３の凹状部７に嵌合するので、この嵌合突出縁部12にて、凹状部７に挿入された容器８が不本意に取れることを防止できる。
【００４１】
さらに、操作ボタン５を使用しない場合に、各操作ボタン５を可動ケース19にて確実に覆い隠すことができるので、使用者の知らないうちに操作ボタン５が操作されることがなく、装置本体２の誤動作を防止できる。
【００４２】
なお、上記一実施の形態においては、電子装置は、腕時計を兼ねた携帯電話装置１である構成として説明したが、例えば、腕時計を兼ねた計算機、ペンダント式時計を兼ねた携帯電話装置、ペンダント式時計を兼ねた計算機、或いは、小型時計にヘルツ波による他の通信手段等を組み合わせたものでもよい。
【００４３】
また、上記いずれの実施の形態においても、複数の操作ボタン５は、本体ケース３の表面周縁に周方向に沿って互いに間隔をおいて配設した構成について説明したが、例えば、本体ケース３の周側面に周方向に沿って互いに間隔をおいて配設した構成でもよく、また、複数の操作ボタン５間に間隔を設けず、各操作ボタン５を連続的に設けてもよい。
【００４４】
さらに、上記いずれの実施の形態においても、時刻表示部20は、可動ケース19の表面にこの表面全体にわたって設けた構成について説明したが、例えば、可動ケース19の表面の一部に設けた構成でもよい。
【００４５】
さらに、上記いずれの実施の形態においても、可動ケース19と本体ケース３とは、ケース連結部18にて回動可能に連結した開閉式の構成について説明したが、例えば、本体ケース３に対して可動ケース19を摺動可能に連結して、開閉式ではなく滑り外し式の構成とすることもできる。
【００４６】
また、装置本体２の無線送受信装置の電子回路部、電源装置としての一次電池或いは二次電池（蓄電池）の全部または一部、マイクロフォン、スピーカ等は、本体ケース３の内部だけでなく、可動ケース19の内部、バンド16の内部や上部等に適宜配設してもよい。
【００４７】
さらに、容器８は必ずしも必要ではなく、薬等の小さい物品を本体ケース３の凹状部７に直接入れてもよい。
【００４８】
また、図３に示すように、本体ケース３の凹状部７に容器８の代わりに、３つの表示盤等にて構成される表示部25a ，25b ，25c を有する挿入用電子装置8aを挿入してもよい。この挿入用電子装置8aは、例えば計算機能、ゲーム機能、或いは通話機能等の通信機能等を有するものであり、各表示部25a ，25b ，25c は横方向に細長矩形板状に形成され、各表示部25a ，25b ，25c が互いに平行状に３行、４行等複数行をなして配設され、本体ケース３の表面上に位置している。そして、この挿入用電子装置8aの表示部25a ，25b ，25c により、適宜の情報を得ることができる。
【００４９】
さらに、腕時計を兼ねた携帯電話装置１等の電子装置は、電力を消費して装置本体２と外部との無線通信を可能にするための、図示しない電子中継器等にて構成された中継器を備えた構成とすることもできる。この中継器は、衣服のポケットやズボン用のベルト等に装着して携帯可能、つまり使用者の衣服や身体上に装着して携帯できるような大きさに形成され、内部には必要に応じて図示しない例えば無線送受信装置、或いは、電池等の電源装置等が収容されている。
【００５０】
そして、この中継器が装置本体２からの弱い信号を有線または無線を介して受信すると、この信号に対応する強い信号がこの中継器から外部に送信され、装置本体２にて外部との無線通信が可能となり、この中継器を利用することにより、装置本体２と外部との通信を確実できる。
【００５１】
また、装置本体２、中継器に電力を供給する電池等の電源装置を、使用者の衣服や身体上に装着して携帯可能な別の構成とすれば、装置本体２の軽量化が図られ、携帯性を向上できる。
【００５２】
【発明の効果】
請求項１記載の電子装置によれば、時刻表示部のための十分なスペースを容易に確保できるばかりでなく、各操作ボタンの幅寸法が比較的大きく、各操作ボタンを指先で容易に操作でき、しかも、容器を利用することにより、凹状部に小さい物品を簡単に収容できる。
【００５３】
請求項２記載の電子装置によれば、時刻表示部のための十分なスペースを容易に確保できるばかりでなく、各操作ボタンの幅寸法が比較的大きく、各操作ボタンを指先で容易に操作でき、しかも、挿入用電子装置の表示部により、適宜の情報を得ることができる。
【００５４】
請求項３記載の電子装置によれば、可動体連結部が可動体を回動可能に連結するので、可動体を回動により開閉できる。
【００５５】
請求項４記載の電子装置によれば、付勢手段が可動体を付勢力により回動させて装置本体から離間させるので、指先等で可動体に大きな回動力を加えず開放できる。
【００５６】
請求項５記載の電子装置によれば、係止手段が可動体を付勢手段の付勢力に抗して装置本体に係脱自在に係止するので、この係止手段による係止状態を解除しない限り、この係止手段にて可動体を確実に係止できる。
【００５７】
請求項６記載の電子装置によれば、通話機能を利用することにより、装置本体にて簡単に通話できる。
【００５８】
請求項７記載の電子装置によれば、中継器を利用することにより、装置本体と外部との通信を確実にできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の電子装置の一実施の形態を示す可動ケースを開いた状態での斜視図である。
【図２】 同上電子装置を示す可動ケースを閉じた状態での斜視図である。
【図３】 本発明の電子装置の他の実施の形態を示す可動ケースを開いた状態での斜視図である。
【符号の説明】
１ 電子装置としての腕時計を兼ねた携帯電話装置
２ 装置本体
５ 操作ボタン
７ 凹状部
８ 容器
18 可動体連結部としてのケース連結部
19 可動体としての可動ケース
20 時刻表示部
Claims (7)
- 装置本体と、
この装置本体に移動自在に設けられた可動体と、
この可動体に設けられた時刻表示部と、
前記装置本体の外周辺に周方向に沿って配設された複数の操作ボタンとを具備した電子装置であって、
前記装置本体は、前記各操作ボタンの内方側に形成された凹状部を有し、
前記凹状部に挿脱可能に挿入される容器を具備した
ことを特徴とする電子装置。 - 装置本体と、
この装置本体に移動自在に設けられた可動体と、
この可動体に設けられた時刻表示部と、
前記装置本体の外周辺に周方向に沿って配設された複数の操作ボタンとを具備した電子装置であって、
前記装置本体は、前記各操作ボタンの内方側に形成された凹状部を有し、
前記凹状部に挿入され表示部を有する挿入用電子装置を具備した
ことを特徴とする電子装置。 - 装置本体は、可動体を回動可能に連結する可動体連結部を有する
ことを特徴とする請求項１または２記載の電子装置。 - 装置本体は、可動体を付勢力により回動させてこの装置本体から離間させる付勢手段を有する
ことを特徴とする請求項３記載の電子装置。 - 装置本体は、可動体を付勢手段の付勢力に抗してこの装置本体に係脱自在に係止する係止手段を有する
ことを特徴とする請求項４記載の電子装置。 - 装置本体が、通話機能を有する
ことを特徴とする請求項１ないし５のいずれか一記載の電子装置。 - 装置本体と外部との通信を可能にする中継器
を具備したことを特徴とする請求項１ないし６のいずれか一記載の電子装置。
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