JP3574863B2 - 携帯電話機 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アンテナを内蔵したカバーによってキーボタン部を開閉可能に覆った携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機には種々な形式のものがあるが、これらに共通する形式としては、図8に示すように、無線通信用の外部アンテナ1が備えられているとともに、電話機2の表面に番号キーや各種の機能キーのボタン3が備えられている。
図8に示す従来の携帯電話機2ではアンテナ1は収納式に備えられており、通話時にはアンテナ1を電話機2から引き出して伸ばし、携帯時にはアンテナ1を電話機2の内部に納めるようにしている。
このような収納式のアンテナ1を備えた携帯電話機2は、アンテナ1を収納すると出っ張りの少ないコンパクトな形態となるため携帯に便利であるが、アンテナ1を収納してしまうことから、携帯時における受信感度が低下してしまうという携帯電話機の性能に係わる問題がある。
【0003】
そこで、図9に示すように、携帯電話機2にアンテナ1を折り畳み式に備え、通話時にはアンテナ1を電話機2から上方へ回して伸びた状態とし、携帯時にはアンテナ1を電話機2の側部へ回して畳んだ状態とする携帯電話機がある。この形式の携帯電話機では、携帯時にもアンテナ1が外部に露出していることから受信感度を高いレベルに維持することができる。
しかしながら、このようなアンテナ折り畳み式の携帯電話2にあっては、アンテナ1を折り畳むことによって携帯時にコンパクト化は達成できるが、アンテナ1が外部に出たままであるので、携帯電話機をバックや衣服のポケットから出し入れする際に引っかかりが多く、取扱性が悪いという問題がある。
【0004】
また、収納式と折り畳み式のいずれのアンテナにあっても、アンテナ1の出し入れを行うときには、操作者が一方の手で電話機2を把持し、他方の手でアンテナを引き出すといったように、両手で操作を操作を行わなければならない。このため、荷物の携帯時やデスクワークで執筆作業時等のように片手がふさがっている状態で通話を行おうとする場合には、荷物を置いたり作業を中止しなければならず、使い勝手が悪いものであった。
【0005】
更に、図8や図9に示した携帯電話機2では、キーボタン3が電話機2の表面に常に露出しているため、携帯に際して誤って通話キー等のボタンが押され、誤動作や無駄なバッテリ消費を招いてしまうという問題があった。
これに対して、携帯時には電話機本体を2つ折りにできる携帯電話機があり、この形式の携帯電話機では2つ折りによってキーボタン部が覆われるために、携帯時にキーボタンが誤って押されてしまう事態は防止できる。
しかしながら、このような2つ折り形式の携帯電話機にあっても、上記した収納式でアンテナを備えたものがほとんどであり、受信感度に関する問題は依然解決されてはいなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来より上記のような種々な形式の携帯電話機が存在するがそれぞれ一長一短があり、従来の携帯電話機は、携帯時にアンテナ受信感度が低下してしまうという問題と携帯時にキーボタンが誤操作され易いという問題とをともに解決したものではなかった。
更に、操作には両手を使用になければならないという問題をも考慮すると、従来の携帯電話機は使い勝手の面でも十分ではなく、更なる改良が望まれていた。
【0007】
本発明は上記従来の事情に鑑みなされたもので、上記した従来の問題を合理的に解決し、携帯時におけるアンテナ受信感度を高レベルに維持しつつキーボタンの誤操作を効果的に防止した携帯電話機を提供することを目的とする。
更に、本発明は、上記の機能を発揮しつつ片手でも容易に操作することができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の携帯電話機は、無線通信用のアンテナを備えるとともに、電話機本体の表面に配設されたキーボタンを備えた携帯電話機において、アンテナを設けたアンテナ収納部の一端を電話機本体(送受信回路収納部)に上方へ開くように枢支してキーボタン部を開閉可能に覆うとともに、アンテナ収納部のアンテナと送受信回路収納部の送受信回路とを接続する接続経路を枢支軸と同軸上に設けた円筒部材内を通して配設し、更に、アンテナ収納部を合成樹脂により形成するとともに当該アンテナ収納部の縁部にアンテナを設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の携帯電話機は、カバーとなるアンテナ収納部と電話機本体との枢支部にはラッチ機構が設けられて、カバーはキーボタン部を覆う閉じた状態と電話機本体の上方に延びた開いた状態との2位置で位置決めされることを特徴とする。
また、本発明の携帯電話機は、アンテナはループ形状であることを特徴とする。
【0010】
【作用】
この携帯電話機によると、携帯時にはカバーでキーボタン部を覆うことによってキーボタンの誤操作を防止する。そして、カバーはその機能から当然に開いた状態でも閉じた状態でも常に電話機本体の表面部に位置するものであり、このカバーに内蔵されたアンテナも常に電話機本体の表面部に位置することとなって高レベルな受信感度が維持できる。
【0011】
更に、この携帯電話機によると、カバーはラッチ機構によって開いた状態と閉じた状態との2位置で保持され、これによって、アンテナもより高い受信感度が得られる伸びた状態とコンパクトに畳まれた状態とに保持される。そして、ラッチ機構は2位置保持であることから、ラッチ機構による一の位置での保持を解除することで、カバーは容易に他の位置へ回動させることができる。したがって、操作者が片手で携帯電話機を持って指先等でカバーを少し押し上げてラッチ機構による保持を解除し、そのまま携帯電話機を振ってカバーを回動させて開かせることもでき、携帯電話機のアンテナ伸ばし操作を片手で行うこともできる。
【0012】
更に、この携帯電話機によると、カバーという限られた大きさの部材に内蔵しても、アンテナはループ状とすることにより十分な長さを確保することができ、高レベルの受信感度を実現できる。更に、アンテナによってカバーの縁部が補強され、樹脂等から形成されるカバーもこれによって十分な強度が確保できる。
【0013】
【実施例】
本発明の一実施例に係る携帯電話機を図面を参照して説明する。
図1には本実施例の携帯電話機10の外観を示してあり、同図の(a)は携帯電話機本体12に取り付けたカバー11を閉じた状態、同図の(b)はカバー11を開いた状態を表している。なお、電話機本体12の外殻ケーシング及びカバー11は従来より一般的な携帯電話機と同様に合成樹脂により形成されている。
【0014】
携帯電話機本体12にはその表面に番号キーや機能キーから成る複数のキーボタン13が配設され、更には、メッセージや電話番号等を表示する液晶パネルから成るディスプレイ14が設けられている。カバー11はその一端部で後述するラッチ機構を有した軸を介して電話機本体12に枢着されており、この軸を中心として閉じた状態と開いた状態との回動し得るようになっている。
【0015】
カバー11は、キーボタン13を配設した領域を覆う大きさの平板部15と、平板部15の縁に立設された縁部16とを有しており、平板部15にはカバー11を閉じた状態でディスプレイ14を露出させる窓17が形成されている。したがって、カバー11が閉じた状態では平板部15によってキーボタン13は覆われ、ディスプレイ14が窓17から露出した状態となる。
【0016】
カバーの縁部16には図2或いは図3に示すようにアンテナ18が内蔵されており、このアンテナ18はその端部において後述するように電話機本体12側に接続されている。
図2に示すアンテナ18は一方の縁部16に内蔵された直線状のアンテナであり、図3に示すアンテナ18は縁部16に沿って内蔵されたループ状のアンテナである。いずれの形式のアンテナ18にあっても本発明の携帯電話機に適用することができるが、ループ状のアンテナ18を用いた方が好ましく、アンテナの長さが長くとれて更に高レベルのアンテナ受信感度を実現できるとともに、アンテナ18によって樹脂製のカバー11が補強されることとなる。
【0017】
縁部16の両端部にはカバー11を電話機本体12に回転自在に取り付ける略円筒状の軸19が設けられており、これら軸19は図4及び図5に示すように電話機本体12に設けられた支持軸20に嵌合され、これによって、カバー11はこれら軸19、20を中心として回転自在に電話機本体12に取り付けられている。
円筒軸19の内周面には凹部21が2箇所形成されており、これら凹部21は互いに180度離隔して位置している。また、支持軸20の外周面には凹部21に対応した凸部22が2箇所形成されており、これら凸部22も180度離隔して位置している。
【0018】
これら凹部21と凸部22はカバー11を閉じた状態とカバー11を180度回動させて開いた状態とで互いに係合する位置に設置されており、これら凹部21と凸部22との係合にとってカバー11は回り止めされて閉じた状態と開いた状態との2位置で位置決め保持される。すなわち、これら凹部21と凸部22によってラッチ機構が構成されており、これら凹部21と凸部22と嵌合関係が入れ替わることによってカバー11を2位置で位置決め保持する。
なお、円筒軸19には切込23が形成されており、この切込23によって円筒軸19は弾性的に拡開し、凸部22を有した支持軸20の相対的な回転を可能ならしめている。
【0019】
また、円筒軸19の底面中央には縁部16に内蔵したアンテナ18の端子24が露出して設けられている一方、支持軸20の先端面中央には電話機本体12に内蔵した送受信回路(図示せず)に接続した端子25が露出して設けられている。これら端子24と端子25とは円筒軸19と支持軸20とを嵌合させた状態で互いに当接し、カバー11の回動によっても常に当接した状態に保持される。したがって、これら端子24、25を介してアンテナ18は電話機本体12の送受信回路に接続されている。
【0020】
図1及び図6に示すように、電話機本体12の側部には係合凹部26が設けられている一方、カバー縁部16の係合凹部26に対応した位置には係合鉤部27が設けられている。樹脂製カバー11自体の弾性を利用して、係合鉤部27は係合凹部26に着脱自在に係合し、カバー11が閉じた状態では係合鉤部27は係合凹部26に係合してカバー11の回動を係止する。したがって、上記の凹部21と凸部22との嵌合及びこれら係合凹部26と係合鉤部27との嵌合によって、カバー11は閉じた状態に保持される。
【0021】
上記構成の携帯電話機10によると、図1の(a)に示すようにカバー11を閉じてコンパクトな状態で携帯することができ、この携帯状態では平板部15でキーボタン13が覆われるため、キーボタン13が誤って押されるという誤操作が防止される。そして、凹部21と凸部22とから成るラッチ機構及び係合凹部26と係合鉤部27とから成る係止機構によって、この閉じた状態にあるカバー11は携帯時の揺れ等によっては簡単に開かないようになっているため、キーボタン13はカバー11によって確実に保護される。
また、このようにカバー11を閉じてアンテナ18を畳んだ状態にしても、アンテナ18は外部に露出しないまでも電話機本体12の表面部に位置するため、高レベルな受信感度が維持される。
【0022】
一方、図1の(b)に示すように、通話に際してカバー11を開ける場合には、操作者が指先を係合凹部26に挿入してカバー11を少し持ち上げるようにするだけで、係合鉤部27が係合凹部26から外れるとともに、ラッチ機構の凹部21と凸部22との嵌合も外れ、カバー11はスムースに上方へ回動し得るようになる。したがって、カバー11をほぼ180度回動した位置へ容易に回動させることができる。
そして、このように回動させたカバー11に少しの力を加えることにより、ラッチ機構の凹部21と凸部22とが組合せを換えて再び嵌合するため、カバー11は開いた状態に保持される。したがって、通話に際してカバー11が邪魔になることはなく、また、カバー11に内蔵されたアンテナ18は電話機本体12から伸ばした状態となり、より受信感度が高められる。
【0023】
このようにカバー11は操作者の意図によって容易に開閉させることができるため、片手操作によってもカバー11の開閉(すなわち、アンテナ18の伸長及び折り畳み)を容易に行うことができる。例えば、カバー11を閉じた電話機本体12を操作者が片手で把持し、その指先を係合凹部26に挿入してカバー11を少し持ち上げるようにし、図7に示すように電話機12を少し振ってカバー11に慣性を与えれば、これによって、カバー11は回動して開いた状態となる。また。この逆の振り動作をすれば、同様にして、カバー11は閉じた状態となる。
なお、カバー11の開閉に伴って、ラッチ機構の凹部21と凸部22とが嵌合するため、各状態となる毎に操作者に節度感が伝わり、カバー11の各状態を操作者は明確に把握することができて良好な操作感が得られる。
【0024】
なお、電話機本体12とカバー11との間に設けるラッチ機構は、上記実施例に示したものに限定されるものではなく、例えば、電話機本体12側とカバー11側とに凹凸面を形成して、これら凹凸面を摺り合わせて位置保持するもの等、公知の種々な構造のラッチ機構を用いることができる。
また、ラッチ機構は、上記実施例に示した閉じた状態と開いた状態との2位置だけでなく、これらの中間の状態でもカバー11を位置決め保持できるようにしてもよい。
【0025】
また、アンテナ感度の向上とキーボタン誤操作の防止とを目的範囲とする場合には、ラッチ機構は必須ではなく、例えば、電話機本体12とカバー11との枢着部にフリクションをもたせて、カバー11を閉じた状態と開いた状態とでフリクションによって位置保持できるようにしてもよい。
また、上記実施例で示した係合凹部26と係合鉤部27とから成る係止機構は必須ではなく、ラッチ機構の係止力やフリクションの大きさの設定によっては、係止機構を省略してもカバー11を閉じた状態に確実に保持することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の発明によると、キーボタン部を開閉可能に覆うカバーに無線通信用のアンテナを内蔵したため、携帯時には高レベルのアンテナ受信感度を維持しつつキーボタンの誤操作を確実に防止した、コンパクトにして携帯に便利な携帯電話機が実現される。
また、上記の効果に加え、カバーと電話機本体との間にラッチ機構を設けてカバーの開閉動及び位置決めを容易化したため、カバーの開閉操作、すなわち、アンテナの伸長操作を操作者が片手によっても容易に行うことができ、使い勝手がよい携帯電話機が実現される。
また、上記の効果に加え、カバーの周縁に沿ってループ状のアンテナを内蔵したため、アンテナの長さを確保して高レベルな受信感度が得られるとともに、カバーを樹脂等で形成した場合にあってもアンテナによってカバーの強度が補強される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る携帯電話機の外観を示す図であり、(a)はカバーを閉じた状態の斜視図、(b)はカバーを開いた状態の斜視図である。
【図2】カバーに内蔵するアンテナの一例を示す斜視図である。
【図3】カバーに内蔵するアンテナの他の一例を示す斜視図である。
【図4】ラッチ機構の構造を軸に直角に断面して示す断面図である。
【図5】ラッチ機構の構造を軸に平行に断面して示す断面図である。
【図6】電話機本体とカバーとの係止機構の構造を示す断面図である。
【図7】携帯電話機の操作例を説明する概念図である。
【図8】携帯電話機の従来例を示す斜視図である。
【図9】携帯電話機の他の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 カバー、
12 電話機本体、
13 キーボタン、
18 アンテナ、
19 円筒軸
20 支持軸、
21 凹部、
22 凸部、
【産業上の利用分野】
本発明は、アンテナを内蔵したカバーによってキーボタン部を開閉可能に覆った携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機には種々な形式のものがあるが、これらに共通する形式としては、図8に示すように、無線通信用の外部アンテナ1が備えられているとともに、電話機2の表面に番号キーや各種の機能キーのボタン3が備えられている。
図8に示す従来の携帯電話機2ではアンテナ1は収納式に備えられており、通話時にはアンテナ1を電話機2から引き出して伸ばし、携帯時にはアンテナ1を電話機2の内部に納めるようにしている。
このような収納式のアンテナ1を備えた携帯電話機2は、アンテナ1を収納すると出っ張りの少ないコンパクトな形態となるため携帯に便利であるが、アンテナ1を収納してしまうことから、携帯時における受信感度が低下してしまうという携帯電話機の性能に係わる問題がある。
【0003】
そこで、図9に示すように、携帯電話機2にアンテナ1を折り畳み式に備え、通話時にはアンテナ1を電話機2から上方へ回して伸びた状態とし、携帯時にはアンテナ1を電話機2の側部へ回して畳んだ状態とする携帯電話機がある。この形式の携帯電話機では、携帯時にもアンテナ1が外部に露出していることから受信感度を高いレベルに維持することができる。
しかしながら、このようなアンテナ折り畳み式の携帯電話2にあっては、アンテナ1を折り畳むことによって携帯時にコンパクト化は達成できるが、アンテナ1が外部に出たままであるので、携帯電話機をバックや衣服のポケットから出し入れする際に引っかかりが多く、取扱性が悪いという問題がある。
【0004】
また、収納式と折り畳み式のいずれのアンテナにあっても、アンテナ1の出し入れを行うときには、操作者が一方の手で電話機2を把持し、他方の手でアンテナを引き出すといったように、両手で操作を操作を行わなければならない。このため、荷物の携帯時やデスクワークで執筆作業時等のように片手がふさがっている状態で通話を行おうとする場合には、荷物を置いたり作業を中止しなければならず、使い勝手が悪いものであった。
【0005】
更に、図8や図9に示した携帯電話機2では、キーボタン3が電話機2の表面に常に露出しているため、携帯に際して誤って通話キー等のボタンが押され、誤動作や無駄なバッテリ消費を招いてしまうという問題があった。
これに対して、携帯時には電話機本体を2つ折りにできる携帯電話機があり、この形式の携帯電話機では2つ折りによってキーボタン部が覆われるために、携帯時にキーボタンが誤って押されてしまう事態は防止できる。
しかしながら、このような2つ折り形式の携帯電話機にあっても、上記した収納式でアンテナを備えたものがほとんどであり、受信感度に関する問題は依然解決されてはいなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来より上記のような種々な形式の携帯電話機が存在するがそれぞれ一長一短があり、従来の携帯電話機は、携帯時にアンテナ受信感度が低下してしまうという問題と携帯時にキーボタンが誤操作され易いという問題とをともに解決したものではなかった。
更に、操作には両手を使用になければならないという問題をも考慮すると、従来の携帯電話機は使い勝手の面でも十分ではなく、更なる改良が望まれていた。
【0007】
本発明は上記従来の事情に鑑みなされたもので、上記した従来の問題を合理的に解決し、携帯時におけるアンテナ受信感度を高レベルに維持しつつキーボタンの誤操作を効果的に防止した携帯電話機を提供することを目的とする。
更に、本発明は、上記の機能を発揮しつつ片手でも容易に操作することができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の携帯電話機は、無線通信用のアンテナを備えるとともに、電話機本体の表面に配設されたキーボタンを備えた携帯電話機において、アンテナを設けたアンテナ収納部の一端を電話機本体(送受信回路収納部)に上方へ開くように枢支してキーボタン部を開閉可能に覆うとともに、アンテナ収納部のアンテナと送受信回路収納部の送受信回路とを接続する接続経路を枢支軸と同軸上に設けた円筒部材内を通して配設し、更に、アンテナ収納部を合成樹脂により形成するとともに当該アンテナ収納部の縁部にアンテナを設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の携帯電話機は、カバーとなるアンテナ収納部と電話機本体との枢支部にはラッチ機構が設けられて、カバーはキーボタン部を覆う閉じた状態と電話機本体の上方に延びた開いた状態との2位置で位置決めされることを特徴とする。
また、本発明の携帯電話機は、アンテナはループ形状であることを特徴とする。
【0010】
【作用】
この携帯電話機によると、携帯時にはカバーでキーボタン部を覆うことによってキーボタンの誤操作を防止する。そして、カバーはその機能から当然に開いた状態でも閉じた状態でも常に電話機本体の表面部に位置するものであり、このカバーに内蔵されたアンテナも常に電話機本体の表面部に位置することとなって高レベルな受信感度が維持できる。
【0011】
更に、この携帯電話機によると、カバーはラッチ機構によって開いた状態と閉じた状態との2位置で保持され、これによって、アンテナもより高い受信感度が得られる伸びた状態とコンパクトに畳まれた状態とに保持される。そして、ラッチ機構は2位置保持であることから、ラッチ機構による一の位置での保持を解除することで、カバーは容易に他の位置へ回動させることができる。したがって、操作者が片手で携帯電話機を持って指先等でカバーを少し押し上げてラッチ機構による保持を解除し、そのまま携帯電話機を振ってカバーを回動させて開かせることもでき、携帯電話機のアンテナ伸ばし操作を片手で行うこともできる。
【0012】
更に、この携帯電話機によると、カバーという限られた大きさの部材に内蔵しても、アンテナはループ状とすることにより十分な長さを確保することができ、高レベルの受信感度を実現できる。更に、アンテナによってカバーの縁部が補強され、樹脂等から形成されるカバーもこれによって十分な強度が確保できる。
【0013】
【実施例】
本発明の一実施例に係る携帯電話機を図面を参照して説明する。
図1には本実施例の携帯電話機10の外観を示してあり、同図の(a)は携帯電話機本体12に取り付けたカバー11を閉じた状態、同図の(b)はカバー11を開いた状態を表している。なお、電話機本体12の外殻ケーシング及びカバー11は従来より一般的な携帯電話機と同様に合成樹脂により形成されている。
【0014】
携帯電話機本体12にはその表面に番号キーや機能キーから成る複数のキーボタン13が配設され、更には、メッセージや電話番号等を表示する液晶パネルから成るディスプレイ14が設けられている。カバー11はその一端部で後述するラッチ機構を有した軸を介して電話機本体12に枢着されており、この軸を中心として閉じた状態と開いた状態との回動し得るようになっている。
【0015】
カバー11は、キーボタン13を配設した領域を覆う大きさの平板部15と、平板部15の縁に立設された縁部16とを有しており、平板部15にはカバー11を閉じた状態でディスプレイ14を露出させる窓17が形成されている。したがって、カバー11が閉じた状態では平板部15によってキーボタン13は覆われ、ディスプレイ14が窓17から露出した状態となる。
【0016】
カバーの縁部16には図2或いは図3に示すようにアンテナ18が内蔵されており、このアンテナ18はその端部において後述するように電話機本体12側に接続されている。
図2に示すアンテナ18は一方の縁部16に内蔵された直線状のアンテナであり、図3に示すアンテナ18は縁部16に沿って内蔵されたループ状のアンテナである。いずれの形式のアンテナ18にあっても本発明の携帯電話機に適用することができるが、ループ状のアンテナ18を用いた方が好ましく、アンテナの長さが長くとれて更に高レベルのアンテナ受信感度を実現できるとともに、アンテナ18によって樹脂製のカバー11が補強されることとなる。
【0017】
縁部16の両端部にはカバー11を電話機本体12に回転自在に取り付ける略円筒状の軸19が設けられており、これら軸19は図4及び図5に示すように電話機本体12に設けられた支持軸20に嵌合され、これによって、カバー11はこれら軸19、20を中心として回転自在に電話機本体12に取り付けられている。
円筒軸19の内周面には凹部21が2箇所形成されており、これら凹部21は互いに180度離隔して位置している。また、支持軸20の外周面には凹部21に対応した凸部22が2箇所形成されており、これら凸部22も180度離隔して位置している。
【0018】
これら凹部21と凸部22はカバー11を閉じた状態とカバー11を180度回動させて開いた状態とで互いに係合する位置に設置されており、これら凹部21と凸部22との係合にとってカバー11は回り止めされて閉じた状態と開いた状態との2位置で位置決め保持される。すなわち、これら凹部21と凸部22によってラッチ機構が構成されており、これら凹部21と凸部22と嵌合関係が入れ替わることによってカバー11を2位置で位置決め保持する。
なお、円筒軸19には切込23が形成されており、この切込23によって円筒軸19は弾性的に拡開し、凸部22を有した支持軸20の相対的な回転を可能ならしめている。
【0019】
また、円筒軸19の底面中央には縁部16に内蔵したアンテナ18の端子24が露出して設けられている一方、支持軸20の先端面中央には電話機本体12に内蔵した送受信回路(図示せず)に接続した端子25が露出して設けられている。これら端子24と端子25とは円筒軸19と支持軸20とを嵌合させた状態で互いに当接し、カバー11の回動によっても常に当接した状態に保持される。したがって、これら端子24、25を介してアンテナ18は電話機本体12の送受信回路に接続されている。
【0020】
図1及び図6に示すように、電話機本体12の側部には係合凹部26が設けられている一方、カバー縁部16の係合凹部26に対応した位置には係合鉤部27が設けられている。樹脂製カバー11自体の弾性を利用して、係合鉤部27は係合凹部26に着脱自在に係合し、カバー11が閉じた状態では係合鉤部27は係合凹部26に係合してカバー11の回動を係止する。したがって、上記の凹部21と凸部22との嵌合及びこれら係合凹部26と係合鉤部27との嵌合によって、カバー11は閉じた状態に保持される。
【0021】
上記構成の携帯電話機10によると、図1の(a)に示すようにカバー11を閉じてコンパクトな状態で携帯することができ、この携帯状態では平板部15でキーボタン13が覆われるため、キーボタン13が誤って押されるという誤操作が防止される。そして、凹部21と凸部22とから成るラッチ機構及び係合凹部26と係合鉤部27とから成る係止機構によって、この閉じた状態にあるカバー11は携帯時の揺れ等によっては簡単に開かないようになっているため、キーボタン13はカバー11によって確実に保護される。
また、このようにカバー11を閉じてアンテナ18を畳んだ状態にしても、アンテナ18は外部に露出しないまでも電話機本体12の表面部に位置するため、高レベルな受信感度が維持される。
【0022】
一方、図1の(b)に示すように、通話に際してカバー11を開ける場合には、操作者が指先を係合凹部26に挿入してカバー11を少し持ち上げるようにするだけで、係合鉤部27が係合凹部26から外れるとともに、ラッチ機構の凹部21と凸部22との嵌合も外れ、カバー11はスムースに上方へ回動し得るようになる。したがって、カバー11をほぼ180度回動した位置へ容易に回動させることができる。
そして、このように回動させたカバー11に少しの力を加えることにより、ラッチ機構の凹部21と凸部22とが組合せを換えて再び嵌合するため、カバー11は開いた状態に保持される。したがって、通話に際してカバー11が邪魔になることはなく、また、カバー11に内蔵されたアンテナ18は電話機本体12から伸ばした状態となり、より受信感度が高められる。
【0023】
このようにカバー11は操作者の意図によって容易に開閉させることができるため、片手操作によってもカバー11の開閉(すなわち、アンテナ18の伸長及び折り畳み)を容易に行うことができる。例えば、カバー11を閉じた電話機本体12を操作者が片手で把持し、その指先を係合凹部26に挿入してカバー11を少し持ち上げるようにし、図7に示すように電話機12を少し振ってカバー11に慣性を与えれば、これによって、カバー11は回動して開いた状態となる。また。この逆の振り動作をすれば、同様にして、カバー11は閉じた状態となる。
なお、カバー11の開閉に伴って、ラッチ機構の凹部21と凸部22とが嵌合するため、各状態となる毎に操作者に節度感が伝わり、カバー11の各状態を操作者は明確に把握することができて良好な操作感が得られる。
【0024】
なお、電話機本体12とカバー11との間に設けるラッチ機構は、上記実施例に示したものに限定されるものではなく、例えば、電話機本体12側とカバー11側とに凹凸面を形成して、これら凹凸面を摺り合わせて位置保持するもの等、公知の種々な構造のラッチ機構を用いることができる。
また、ラッチ機構は、上記実施例に示した閉じた状態と開いた状態との2位置だけでなく、これらの中間の状態でもカバー11を位置決め保持できるようにしてもよい。
【0025】
また、アンテナ感度の向上とキーボタン誤操作の防止とを目的範囲とする場合には、ラッチ機構は必須ではなく、例えば、電話機本体12とカバー11との枢着部にフリクションをもたせて、カバー11を閉じた状態と開いた状態とでフリクションによって位置保持できるようにしてもよい。
また、上記実施例で示した係合凹部26と係合鉤部27とから成る係止機構は必須ではなく、ラッチ機構の係止力やフリクションの大きさの設定によっては、係止機構を省略してもカバー11を閉じた状態に確実に保持することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の発明によると、キーボタン部を開閉可能に覆うカバーに無線通信用のアンテナを内蔵したため、携帯時には高レベルのアンテナ受信感度を維持しつつキーボタンの誤操作を確実に防止した、コンパクトにして携帯に便利な携帯電話機が実現される。
また、上記の効果に加え、カバーと電話機本体との間にラッチ機構を設けてカバーの開閉動及び位置決めを容易化したため、カバーの開閉操作、すなわち、アンテナの伸長操作を操作者が片手によっても容易に行うことができ、使い勝手がよい携帯電話機が実現される。
また、上記の効果に加え、カバーの周縁に沿ってループ状のアンテナを内蔵したため、アンテナの長さを確保して高レベルな受信感度が得られるとともに、カバーを樹脂等で形成した場合にあってもアンテナによってカバーの強度が補強される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る携帯電話機の外観を示す図であり、(a)はカバーを閉じた状態の斜視図、(b)はカバーを開いた状態の斜視図である。
【図2】カバーに内蔵するアンテナの一例を示す斜視図である。
【図3】カバーに内蔵するアンテナの他の一例を示す斜視図である。
【図4】ラッチ機構の構造を軸に直角に断面して示す断面図である。
【図5】ラッチ機構の構造を軸に平行に断面して示す断面図である。
【図6】電話機本体とカバーとの係止機構の構造を示す断面図である。
【図7】携帯電話機の操作例を説明する概念図である。
【図8】携帯電話機の従来例を示す斜視図である。
【図9】携帯電話機の他の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 カバー、
12 電話機本体、
13 キーボタン、
18 アンテナ、
19 円筒軸
20 支持軸、
21 凹部、
22 凸部、
Claims (4)
- 表面に番号キーを配設した送受信回路収納部とアンテナを設けたアンテナ収納部とを、アンテナ収容部により番号キーを覆う第1の位置と、電話機を使用する状態でアンテナ収容部を上方へ開く第2の位置との間で回動可能に枢着し、
送受信回路収納部に内蔵された送受信回路とアンテナ収納部のアンテナとを接続する接続経路を前記枢着軸と同軸上に設けた円筒部材内を通して配設し、
更に、アンテナ収納部を合成樹脂により形成するとともに当該アンテナ収納部の縁部にアンテナを設けたことを特徴とする携帯電話機。 - 請求項1に記載の携帯電話機において、
送受信回路収納部とアンテナ収容部との間には、送受信回路収納部とアンテナ収容部との回動位置を第1の位置と第2の位置とに保持するラッチ機構又はフリクションが設けられていることを特徴とする携帯電話機。 - 請求項1又は請求項2に記載の携帯電話機において、
アンテナ収納部に設けられたアンテナはループアンテナであることを特徴とする携帯電話機。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯電話機において、
送受信回路収納部とアンテナ収納部とを第1の位置に保持する係止機構が設けられていることを特徴とする携帯電話機。
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Family Applications (1)
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-
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