JP3853770B2 - 保護コーティング - Google Patents

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Description

本発明は非クロメート保護コーティング溶液、およびこれから得られ鉄や鉄合金上における保護コーティングとして特に有用なコーティング組合物に関するものである。
クロムベースの高温アルミニウムコーティングは、例えば圧縮機ディスクなどのスチール製の部品を、高温および大気腐食による損傷から保護するために使用されている。クロムベースの各アルミニウムコーティングは非常に効果的であるが、そのようなコーティングは六価クロムの使用に関連した健康上の懸念により支持されなくなっている。
当然のことながら、金属に対し、具体的には鉄およびスチールを含む各鉄合金に対して、高温や大気腐食による損傷からの保護に関して産業の需要を満たす非クロメート保護コーティングを提供することが非常に望まれている。
従って本発明の目的は、金属基板に対する非クロメート保護コーティングを提供することにある。本発明の他の目的は、鉄および鉄合金の基板に対する非クロメート保護コーティングを提供することにある。
本発明の更に別の目的は、非クロメート保護コーティングを形成するための非クロメート保護コーティング溶液を提供することにある。
上述の目的および利点は本発明により達成される。
本発明によれば、非クロメート保護コーティング溶液は、25から75重量%(wt%:以下同じ)までのHO(水)、10から20重量%までのHPO(リン酸)、2から10重量%までのMgO(酸化マグネシウム)、10から50重量%までのAl(アルミニウム)、および、V(酸化バナジウム)、Ce(MoOおよびSrWO(タングステン酸ストロンチウム)からなる群より選択される0.5から10重量%までの金属酸化物、を有してなる。この非クロメート保護コーティング溶液は、2.5から5.0の間のpH値を有する。
また、上記溶液から得られる非クロメート保護コーティングは、15から40重量%までのHPO(リン酸)、3から20重量%までのMgO(酸化マグネシウム)、20から75重量%までのAl(アルミニウム)、およびV(酸化バナジウム)、Ce(MoOおよびSrWO(タングステン酸ストロンチウム)からなる群より選択される1.0から20重量%までの金属酸化物を有してなる。
すなわち、本発明では、鉄および鉄合金、特にスチールへのコーティングに有用な非クロメート保護コーティングおよびコーティング溶液であり、V、Ce(MoOまたはSrWOを腐食防止成分として含んでなる。
本発明の非クロメート保護コーティングおよびコーティング溶液のその他の詳細は以下の詳細な説明および実施形態から明らかである。
本発明は鉄および鉄合金、具体的にはスチールのコーティングに特に有用である、非クロメート保護コーティングおよびコーティング溶液に関するものである。本発明によれば、非クロメート保護コーティングは、15から40重量%までのHPO(リン酸)、3から20重量%までのMgO(酸化マグネシウム)、20から75重量%までのAl(アルミニウム)、およびV(酸化バナジウム)、Ce(MoOおよびSrWO(タングステン酸ストロンチウム)からなる群より選択される1.0から20重量%までの金属酸化物を有してなる。Vが金属酸化物として使用される場合、好ましい非クロメート保護コーティングは15から25重量%までのHPO、3から10重量%までのMgO、30から60重量%までのAl、および1から5重量%までのVを有してなる。好ましい金属酸化物がCe(MoOの場合、好ましい非クロメートコーティング組合物は、13から20重量%までのHPO、3から10重量%までのMgO、35から70重量%までのAl、および7から20重量%までのCe(MoOを有してなる。好ましい金属酸化物がSrWOの場合、好ましい非クロメート保護コーティング組合物は、13から20重量%までのHPO、3から10重量%までのMgO、35から70重量%までのAl、および7から20重量%までのSrWOを有してなる。本発明の非クロメート保護コーティングは、鉄および鉄合金、特にスチールのコーティングに対して、特に有用である。
本発明の保護コーティングを作るために使用される非クロメート保護コーティング溶液は、25から75重量%までのHO、5から20重量%までのHPO、2から10重量%までのMgO、10から50重量%までのAl、およびV、Ce(MoOおよびSrWOからなる群より選択される0.5重量%から10重量%までの金属酸化物を有してなる。Vが好ましい金属酸化物として使用される場合、このコーティング溶液は、50から75重量%までのHO、10から14重量%までのHPO、2から5重量%までのMgO、15から35重量%までのAl、および0.5から2重量%までのVを有してなる。Ce(MoOが好ましい金属酸化物として使用される場合、保護コーティング溶液は、50から75重量%までのHO、8から12重量%までのHPO、2から5重量%までのMgO、20から40重量%までのAl、および5から10重量%までのCe(MoOを有してなる。SrWOが好ましい金属酸化物として使用される場合、保護コーティング溶液は、50から75重量%までのHO、8から12重量%までのHPO、2から5重量%までのMgO、20から40重量%までのAl、および5から10重量%までのSrWOを有してなる。各コーティング溶液は約2.5から5.0の間のpH値、好ましくは約3.0から4.0までの間のpH値を有している。金属基板は従来公知の処理法で溶液を使ってコーティングされる。
各クロムコーティングと比較される際に、本発明の各保護コーティングの有効性が以下の例において例証される。
4枚のカーボンスチール(炭素鋼)パネルが基板材料として使用された。各パネルにコーティングを施す前に、それぞれのパネルにはグリットブラスト処理が施され、脱イオン水で水洗いされ、乾燥された。コーティング混合物がペイントブラシによって各パネルの一側の面に施された。各パネルは一晩中、水平にされて空気乾燥された。次いでそれぞれのパネルは更に176°F(80℃)で30分間だけ炉内で乾燥され、その後625°F(329℃)で1時間の間だけ加熱炉内で硬化された。
4枚のパネルのうちの1枚が六価クロムを含有した溶液でコーティングが施された。残りの3枚のパネルは本発明の各保護コーティング溶液でコーティングが施された。コーティングの処方ないし調合はコーティング溶液の準備中に作成された観察結果と共に以下の表1に示されている。
Figure 0003853770
コーティングされた各パネルの耐食性を試験するため、工業銘柄の硫酸と硝酸との体積比3:1の混合物を使用し、またpH値が3になるまで脱イオン水で希釈することで溶液が準備された。次いで2500ppmの量の塩化ナトリウムが溶液に加えられた。溶液は、コンプレッサディスクが体験する特定の稼動環境における腐食性凝縮物をシミュレートしたものである。それぞれの切取試片つまりクーポンの上のコーティングを通って角から角へ”X”を刻み付けるため、ダイアモンドが先端部についたマーキング工具が使用された。刻み付けられた各クーポンは、次いで試験用溶液に15分間浸漬され、1時間空気乾燥され、その後800°F(426℃)で2時間だけ加熱炉内に置かれた。最終的に各クーポンは湿度100%の乾燥機内に20時間置かれた。この手順が繰り返され、各コーティングは5回の繰り返し試験後に評価された。この観察結果は以下のテーブル2において詳細に説明されている。
Figure 0003853770
表2から明らかなように、Vが最も望ましい非クロメート金属酸化物としての性能を有していた。Ce(MoOおよびSrWOはVのレベルに至る性能を有していなかったが、両者の性能は許容し得るものであった。
以上、本発明をその特定の実施形態に関して説明したが、本発明は本明細書に説明され例示されたものに限定されず、種々の変形、変更、代替が可能である。よって、本発明は、特許請求の範囲により規定された範囲内のこれら変形、変更、代替を含包するように意図している。

Claims (9)

  1. 25から75重量%までのHO、
    5から20重量%までのHPO
    2から10重量%までのMgO、
    10から50重量%までのAl、および
    (MoOおよびSrWOからなる群より選択される0.5から10重量%までの金属酸化物、を有してなる非クロメート保護コーティング溶液。
  2. 50から75重量%までのHO、
    8から12重量%までのHPO
    2から5重量%までのMgO、
    20から40重量%までのAl、および
    5から10重量%までのCe(MoOを有してなる、ことを特徴とする請求項1記載の非クロメート保護コーティング溶液。
  3. 50から75重量%までのHO、
    8から12重量%までのHPO
    2から5重量%までのMgO、
    20から40重量%までのAl、および
    5から10重量%までのSrWOを有してなる、ことを特徴とする請求項1記載の非クロメート保護コーティング溶液。
  4. 溶液が2.5から5.0の間のpH値を有している、ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の非クロメート保護コーティング溶液。
  5. 溶液が3.0から4.0の間のpH値を有している、ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の非クロメート保護コーティング溶液。
  6. 非クロメート保護コーティングでコーティングされた金属基板を有してなる複合材料であって、前記非クロメート保護コーティングが、
    15から40重量%までのHPO
    3から20重量%までのMgO、
    20から75重量%までのAl、および
    (MoOおよびSrWOからなる群より選択される1.0から20重量%までの金属酸化物を有してなる、ことを特徴とする複合材料。
  7. 前記非クロメート保護コーティングが、
    13から20重量%までのHPO
    3から10重量%までのMgO、
    35から70重量%までのAl、および
    7から20重量%までのCe(MoOを有してなる、ことを特徴とする請求項記載の複合材料。
  8. 前記非クロメート保護コーティングが、
    13から20重量%までのHPO
    3から10重量%までのMgO、
    35から70重量%までのAl、および
    7から20重量%までのSrWOを有してなる、ことを特徴とする請求項記載の複合材料。
  9. 前記金属基板が、鉄および鉄合金よりなる群から選択されるものである、ことを特徴とする請求項からのいずれかに記載の複合材料。
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