JP3853716B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に係る発明であって、特に、焼きつきを防止し、フリッカを低減することができる駆動方法を有する液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマトリックス型液晶表示装置で行われていた、インターレス映像信号による表示について説明する。図5(a)に、従来のマトリックス型液晶表示装置に係る表示の模式図を示す。この模式図では、k−2行からk+3までの6行、8列のマトリックス状に画素が図示されている。また、図中の白丸、黒丸、白四角、黒四角は、画素を示し、白丸には+Va、黒丸には−Va、白四角には+Vb、黒四角には−Vbの電圧がそれぞれ印加されている。
【0003】
マトリックス型液晶表示装置の駆動方式は、AC駆動方式であり、このAC駆動方式にはフレーム反転、ライン反転、ドット反転方式がある。図5では、ドット反転方式で説明する。このドット反転方式とは、隣接するドット(画素)間の極性が各フィールドで異なるように反転する駆動方式である。例えば、k−1行1列の画素に注目すると、2n−1フィールドでは−Va、2nフィールドでは+Va、さらに、2n+1フィールドでは−Vaの電圧が印加されている。
【0004】
図5(b)にk−1行1列の画素に印加される電圧波形を示す。この波形は、液晶に長時間にわたってDC電圧が印加されることで液晶内部で分極が生じ、焼きつきなどの表示不良を引き起こすのを防ぐためである。つまり、偶数フィールドの2n−2及び2nフィールドで電圧+Vaが印加され、奇数フィールドの2n−1及び2n+1フィールドで電圧−Vaが印加されている。そのため、偶数フィールドと奇数フィールドとで電圧が打ち消し合い、k−1行1列の画素にDC電圧成分は存在しない。
【0005】
しかし、マトリックス型液晶表示装置に入力されるインターレス映像信号は、偶数フィールドと奇数フィールドとで常に同じ映像信号であるとは限らない。つまり、k−1行1列の画素のように偶数フィールドと奇数フィールドとで極性が異なる同じ大きさの電圧が印加される場合だけではなく、異なる大きさの電圧が印加される場合もある。例えば、図5(a)に示すk行1列の画素に注目すると、奇数フィールドでは+Va、偶数フィールドでは−Vbの電圧が印加されている。
【0006】
この場合、図5(c)にk行1列の画素に印加される電圧波形を示す。この波形では、偶数フィールドの2n−2及び2nフィールドで電圧−Vbが印加され、奇数フィールドの2n−1及び2n+1フィールドで電圧+Vaが印加されている。そのため、偶数フィールドと奇数フィールドとで電圧が打ち消し合わず、k行1列の画素にDC電圧成分が残る。このときのDC電圧成分は、(Va−Vb)/2となる。この状態が長時間続くと焼きつきなどの表示不良を引き起こしてしまう。
【0007】
そこで、残るDC電圧成分による焼きつきなどの表示不良を防止する駆動方法として以下のような駆動方法がある。図6(a)に、マトリックス型液晶表示装置に係る表示の模式図を示す。図6(a)の模式図では、図5(a)と同様k−2行からk+3までの6行、8列のマトリックス状に画素が図示されている。また、図中の白丸、黒丸、白四角、黒四角は、画素を示し、白丸には+Va、黒丸には−Va、白四角には+Vb、黒四角には−Vbの電圧がそれぞれ印加されている。
【0008】
k行1列の画素に注目すると、2n−1フィールドでは+Va、2nフィールドでは+Vb、2n+1フィールドでは−Vaの電圧が印加されている。さらにmフィールド後の2n+m−1フィールドでは−Va、2n+mフィールドでは−Vb、2n+m+1フィールドでは+Va、2n+m+2フィールドでは−Vbの電圧がそれぞれ印加されている。これを図6(c)にk行1列の画素に印加される電圧波形として示す。
【0009】
この波形では、2n−1フィールド以前の偶数・奇数フィールドに印加される電圧極性と2nフィールドから2n+m−1フィールドまでの偶数・奇数フィールドに印加される電圧極性とが反転している。つまり、図6に示す駆動方法は、1フィールド単位よりも長い周期(図6ではmフィールド)ごとに、入力された映像信号の期間と入力された映像信号の逆電圧極性の期間とが交互に反転するような駆動方法である。これにより、図6(c)で示すように2n−1フィールド以前では、偶数フィールドと奇数フィールドに印加される電圧の差より+(Va−Vb)/2のDC電圧成分が生じ、2nフィールドから2n+m−1フィールドまでは、偶数フィールドと奇数フィールドに印加される電圧の差より−(Va−Vb)/2のDC電圧成分が生じる。
【0010】
そのため、長い期間でこの駆動方法で駆動すると、+(Va−Vb)/2のDC電圧成分と−(Va−Vb)/2のDC電圧成分とがmフィールドごとに現れ、互いにDC電圧成分を打ち消し合うことになる。よって、k行1列の画素には、DC電圧成分が残らず、焼きつきなどの表示不良の問題を解消することができる。
【0011】
なお、k−1行1列の画素に注目しても、2n−1フィールドでは−Va、2nフィールドでは−Va、2n+1フィールドでは+Vaの電圧が印加されている。さらにmフィールド後の2n+m−1フィールドでは+Va、2n+mフィールドでは+Va、2n+m+1フィールドでは−Va、2n+m+2フィールドでは+Vaの電圧がそれぞれ印加されている。これを図6(b)にk行1列の画素に印加される電圧波形として示す。
【0012】
このk−1行1列の画素でも、1フィールド単位よりも長い周期(図6ではmフィールド)ごとに、入力された映像信号の期間と入力された映像信号の逆電圧極性の期間とが交互に反転するような駆動であるため、図6(b)に示すように2nフィールドで−Va/2のDC電圧成分が、2n+mフィールドで+Va/2のDC電圧成分がそれぞれ生じる。これもk行1列の画素と同様、長い期間でこの駆動方法で駆動することにより、+Va/2のDC電圧成分と−Va/2のDC電圧成分とがmフィールドごとに現れ、互いにDC電圧成分を打ち消し合うことになる。よって、k−1行1列の画素にもDC電圧成分が残らない。図6に示した駆動方法については特許文献1に詳しい。
【0013】
図6に示した駆動方法を行うことにより、画素に印加されるDC電圧成分を打ち消し合い、焼きつきなどの表示不良の問題を解消することができる。しかし、1フィールド単位よりも長い周期(図6ではmフィールド)ごとに、入力された映像信号の期間と入力された映像信号の逆電圧極性の期間とが交互に反転するような駆動方法であるため、図6(b)に示すように大きさがVa/2のDC電圧成分がmフィールドごとに現れる。そのため、このDC電圧成分が画素に印加される電圧に重畳し、輝度差を生じさせ液晶表示装置の画面にフリッカを発生させる。一般的にDC電圧成分の大きさがそのまま映像信号に重畳される訳ではないが、フリッカの強度は、DC電圧成分の大きさに依存する。
【0014】
そこで、フリッカを低減する駆動方法として、液晶の光源のスイッチと、液晶駆動信号とを同期させ、画面にフリッカが見えるタイミングに合わせて液晶の光源の輝度を変化させる方法がある。この駆動方法により、フリッカを人の目に認識されるレベル以下にすることが可能である。この駆動方法については、特許文献2で詳細に説明されている。
【0015】
【特許文献1】
特許第2577796号公報
【特許文献2】
特開2000−214437号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献2で示した駆動方法では、液晶表示装置内の光源の輝度を変化させるため、画面全体を一様にしか変化させることしかできない。一方、フリッカは、画面全体に一様に発生する訳ではなく、画素に印加される電圧(例えば、+Va等)によって異なってくる。また、フリッカの強度は、画素に印加されるDC電圧成分の大きさに依存するため、部分的にDC電圧成分が異なる場合、フリッカの強度も画面内で異なる。
【0017】
従って、1画面中に輝度が異なる映像信号が入力される場合や映像信号が順次更新されるような動画の場合では、特許文献2で示した駆動方法を用いても、画面中に生じるフリッカについて全て対応することができない。そのため、特許文献2で示した駆動方法であっても、人の目にフリッカが認識されてしまう場合がある。
【0018】
そこで、本発明は、液晶にDC電圧成分が長時間印加されることによる焼きつきを軽減し、かつフリッカが認識されないような駆動方法を備える液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る解決手段は、画素がマトリックス状に配置され、奇数フィールドと偶数フィールドとで入力される映像信号が異なるインターレス駆動する液晶表示装置であって、奇数フィールドと偶数フィールドとで入力される映像信号の電圧極性を反転させる手段と、1フィールドより長い所定の周期ごとに、入力される映像信号の期間と入力される映像信号の逆電圧極性の期間とを交互に反転させる手段と、入力される映像信号の期間と入力される映像信号の逆電圧極性の期間とが反転するタイミングの最初のフィールドに属する、映像信号を変化させて画素に供給する補正映像データを生成する映像信号制御手段とを備える。
【0020】
本発明の請求項2に係る解決手段は、請求項1記載の液晶表示装置であって、映像信号制御手段は、映像信号に所定の係数を掛けることにより補正映像データを生成する。
【0021】
本発明の請求項3に係る解決手段は、請求項2記載の液晶表示装置であって、映像信号制御手段は、映像信号の輝度の大きさにより映像信号に掛ける所定の係数を変化させる。
【0022】
本発明の請求項4に係る解決手段は、請求項1記載の液晶表示装置であって、映像信号制御手段は、映像信号に所定の値を加えることにより補正映像データを生成する。
【0023】
本発明の請求項5に係る解決手段は、請求項4記載の液晶表示装置であって、映像信号制御手段は、映像信号の輝度の大きさにより映像信号に加える所定の値を変化させる。
【0024】
本発明の請求項6に係る解決手段は、請求項1記載の液晶表示装置であって、映像信号制御手段は、あらかじめ定められたルックアップテーブルを参照して、映像信号に対応する補正映像データを生成する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態に係るマトリックス型液晶表示装置1の構成図を示す。図1において、PC等から出力された映像信号は、基本回路2に入力される。この基本回路2では、他の液晶表示装置と同様、映像信号の画質補正、モジュール制御信号の発生やスケーリング等の必要な動作を行っている。CPU3は、基本回路2やタイミング発生回路4の制御を行い、本実施の形態における液晶表示装置の駆動を制御している。
【0027】
次に、タイミング発生回路4は、液晶パネル5を駆動する垂直同期信号Vに同期して、AC駆動制御回路6が電圧極性を駆動することができるタイミング信号を発生する。AC駆動制御回路6は、液晶パネル5の電圧極性を制御する信号を発生する。本実施の形態では、垂直同期信号Vのパルス幅を変化させることによって電圧極性を制御している。なお、パルス幅は、CPU3により指定される。
【0028】
次に、画像補正回路7は、AC駆動制御回路6が電圧極性を制御するタイミングに合わせて、フリッカをキャンセルするために映像信号を変化させ補正映像データを生成する。補正映像データの生成は、CPU3により制御される。変化させる必要のない映像信号は、映像データに変換される。液晶パネル5は、表示パネルと、奇数フィールドと偶数フィールドの1フィールドごとに画素に印加する電圧極性を反転駆動するためのドライバと、1フィールド単位よりも長い周期ごとに、入力された映像信号の期間と入力された映像信号の逆電圧極性の期間とが交互に反転するような駆動する回路を備えている。そして、液晶パネル5は、画像補正回路7から出力された映像データ及び補正映像データと、AC駆動制御回路6から出力された極性制御信号と、基本回路2から出力されるタイミング信号に従い表示パネル上に映像を表示する。
【0029】
図2(a)に本実施の形態に係るマトリックス型液晶表示装置の表示の模式図を示す。図2(a)の模式図では、k−2行からk+3までの6行、8列のマトリックス状に画素が図示されている。また、図中の白丸、黒丸、白四角、黒四角、白三角、黒三角、白菱形、黒菱形は、画素を示し、白丸には+Va、黒丸には−Va、白四角には+Vb、黒四角には−Vb、白三角には+Vc、黒三角には−Vc、白菱形には+Vd、黒菱形には−Vdの電圧がそれぞれ印加されている。
【0030】
図2(a)のk行1列の画素に注目すると、2n−1フィールドでは+Va、2nフィールドでは+Vd、2n+1フィールドでは−Vaの電圧が印加されている。さらにmフィールド後の2n+m−1フィールドでは−Va、2n+mフィールドでは−Vd、2n+m+1フィールドでは+Va、2n+m+2フィールドでは−Vbの電圧がそれぞれ印加されている。これを電圧波形として示したのが、図2(c)である。
【0031】
この波形では、2n−1フィールド以前の偶数・奇数フィールドには、+(Va−Vb)/2のDC電圧成分が生じている。そのため、このDC電圧成分が長時間k行1列の画素に存在すると焼きつきを起こすことになる。そこで、本実施の形態に係る液晶表示装置の駆動方法では、2nフィールドから2n+m−1フィールドまでS期間は、2n−1フィールド以前の偶数・奇数フィールドに印加された映像信号の逆電圧極性が印加されている。そのため、2nフィールドから2n+m−1フィールドまでは、−(Va−Vb)/2のDC電圧成分が生じ、2n−1フィールド以前に生じる+(Va−Vb)/2のDC電圧成分とキャンセルすることになる。ここで、2nフィールドでは+Vd、2n+mフィールドでは−Vdが印加されているが、1フィールドはS期間に較べ非常に短い為、DC電圧成分はおおよそ上記の値になる。
【0032】
つまり、図2(c)に示す駆動方法では、1フィールド単位よりも長い周期(S期間)ごとに、入力された映像信号の期間と入力された映像信号の逆電圧極性の期間とが交互に反転するような駆動方法である。これにより、+(Va−Vb)/2のDC電圧成分の期間と−(Va−Vb)/2のDC電圧成分の期間とがS期間ごとに現れ、互いにDC電圧成分を打ち消し合いk行1列の画素の焼きつきを軽減する。
【0033】
なお、S期間は、1フィールド単位よりも長いが、画素に残像が残る期間よりも短い期間である。また、S期間は、ほぼmフィールド分の期間であるが、厳密に等しくなくても良い。mフィールド付近のおおよその時間で極性制御することで長い時間で見ればDC電圧成分は、ほぼ打ち消し合うこととなり、焼きつきを軽減することができるからである。
【0034】
また、電圧極性の制御方法には、外部から液晶パネル5へのH/Lの制御信号を供給することで制御する方法、AC駆動制御回路6の垂直同期信号Vとイネーブル信号Enの関係によって制御するもの等がある。本実施の形態では、垂直同期信号Vの幅とイネーブル信号Enとの関係(垂直同期信号の先頭よりイネーブル信号の先頭までのタイミングが、常に一定)によって制御、つまり垂直同期信号Vの幅を1水平(H)分増減することで極性を反転させている。
【0035】
次に、図2(a)のk−1行1列の画素に注目する。図6では、1フィールド単位よりも長い周期(図6ではmフィールド)ごとに、入力された映像信号の期間と入力された映像信号の逆電圧極性の期間とが交互に反転することにより、大きさがVa/2のDC電圧成分がS期間(mフィールド)ごとに現れる。そのため、このDC電圧成分が2nフィールドの画素に印加される電圧に重畳し、画素の輝度を変化させ液晶表示装置の画面にフリッカを生じさせていた。
【0036】
本実施の形態では、図2(a)の2nフィールドでのk−1行1列の画素では、本来−Vaの電圧が印加されている必要があるのを、DC電圧成分を考慮して−Vcの電圧を印加している。つまり、図2(a)のk−1行1列の画素では、2n−1フィールドでは−Va、2nフィールドでは−Vc、2n+1フィールドでは+Vaの電圧が印加されている。さらにmフィールド後の2n+m−1フィールドでは+Va、2n+mフィールドでは+Vc、2n+m+1フィールドでは−Va、2n+m+2フィールドでは+Vaの電圧がそれぞれ印加されている。これを電圧波形として示したのが図2(b)である。
【0037】
本実施の形態の駆動方法では、1フィールド単位よりも長い周期(S期間)ごとに、入力された映像信号の期間と入力された映像信号の逆電圧極性の期間とが交互に反転するような駆動により生じるDC電圧成分を考慮して、k−1行1列の画素について、2nフィールドでは−Vc、S期間後の2n+mフィールドでは+Vcの電圧が印加されている。これにより、2nフィールド、2n+mフィールドに−Va、+Vaの電圧を印加した場合に比べて、重畳するDC電圧成分によるフリッカを低減することができる。
【0038】
ここで、k−1行1列の画素が2nフィールドに印加される電圧について説明する。まず、基本回路2には、液晶パネル5で−Vaの電圧を印加する映像信号が入力され、この映像信号が画像補正回路7に送られる。CPU3の制御により画像補正回路7において、映像信号は補正係数αが掛けられ補正映像データとして生成される。この補正映像データが液晶パネル5に入力され、k−1行1列の画素に−Vcの電圧を印加される。なお、2nフィールドに生じるDC電圧成分による単位輝度あたりの輝度変化量Dcとすると、補正係数αは、1−Dcとなる。例えば、50%の輝度の映像信号(画素に印加される電圧で表すと+Vaとする。)で、輝度変化量Dcが0.1である場合、補正係数αは(1−0.1)より0.9となり、補正映像データは(50%×0.9)より45%の輝度となる。この45%の輝度を画素に印加される電圧で表すと+Vcとする。
【0039】
同様にDC電圧成分が生じる全ての画素、全てのフィールドにおいて、映像信号から補正映像データが生成される。例えば、k+3行1列の画素は、2nフィールドでは−Vd、2n+mフィールドでは+Vdの電圧が印加されている。なお、一般的には、DC電圧成分の大きさは印加される電圧の大きさに依存し、フリッカの強度はDC電圧成分の大きさに依存する。そのため、k+3行1列の画素のフリッカ強度は、(+Va)>(+Vb)関係から、k−1行1列の画素のフリッカ強度より小さくなる。
【0040】
図3に、本実施の形態に係る映像データのタイミングチャートを示す。ここで、D2nは2nフィールドでの映像データである。本実施の形態では、入力された映像信号の期間と入力された映像信号の逆電圧極性の期間とが交互に反転する電圧の極性が反転するタイミングの最初のフィールド2nフィールド、2n+mフィールドに補正映像データが供給される。この補正映像データは、映像データに補正係数αが掛けられたD2n×α、D2n+m×αと表されている。図3に示した映像データ及び補正映像データが液晶パネル5に供給され映像が表示される。
【0041】
上記のように、映像信号に補正係数αを掛けた補正映像データとすることで、DC電圧成分が長時間印加されることによる焼きつきを軽減し、かつDC電圧成分の重畳による輝度変化を低減させてフリッカを低減することができる。また、本実施の形態の液晶表示装置の駆動方法では、映像信号に基づいて必要な領域のフリッカを低減することができる。なお、上記の実施の形態では、画像補正回路7で映像信号に補正係数を掛けて補正映像データを生成する例を示したが、映像信号に補正係数を掛けるのではなく、画素へ印加する電圧に対して補正係数を掛けることにより、DC電圧成分の重畳によるフリッカを低減させることも可能である。
【0042】
(実施の形態2)
図4に、マトリックス型液晶表示装置の輝度と輝度変化量の液晶特性を示す。液晶表示装置においては輝度と輝度変化量との液晶特性は直線的ではない。例えば、輝度が高くなるについて輝度変化量は小さくなる。そのため、実施の形態1で説明した補正係数αを全ての輝度に対して適用すると、実際の液晶表示装置の輝度と輝度変化量との液晶特性からフリッカを十分に低減できない輝度が生じてしまう。
【0043】
そこで、本実施の形態では、液晶表示装置の輝度と輝度変化量との液晶特性から、それぞれの輝度に対する補正係数を設定する。図4では、輝度が0〜Laまでの領域では輝度変化量をXaとして、補正係数を1−Xaとする。次に、輝度がLa〜Lbまでの領域では輝度変化量をXbとして、補正係数を1−Xbとする。さらに、輝度がLb〜Lmaxまでの領域では輝度変化量をXcとして、補正係数を1−Xcとする。これにより、輝度と輝度変化量との液晶特性に即した、最適な補正係数が適用されフリッカを十分に低減できる。
【0044】
なお、図4では輝度を3つの領域(0〜La、La〜Lb、Lb〜Lmax)に分割したが、さらに輝度と輝度変化量との液晶特性に即した補正係数を求めるためには、輝度をより多くの領域に分割して、それぞれの領域において補正係数を設定することにより可能となる。
【0045】
(実施の形態3)
実施の形態2でも説明したように、より輝度と輝度変化量との液晶特性に即した補正係数とするためには、輝度をより多くの領域に分割することである。輝度が64階調の場合は、輝度を64分割して補正係数を求めれば、全ての輝度に最適な補正係数が与えられたフリッカを低減できる駆動が可能となる。
【0046】
本実施の形態では上記の考えから、あらかじめ輝度ごとに補正係数が参照できるようなルックアップテーブルを作成しておき、それを画像補正回路7のメモリー内に記憶させておく。このルックアップテーブルを用いて、該当する輝度に対する補正係数を映像信号に適用して補正映像データを生成して、フリッカを低減することが可能となる。
【0047】
これにより、輝度が選択可能な階調ごとに分割して補正係数を求めておけば、全ての輝度に最適な補正係数が与えられたフリッカを低減できる駆動が可能となる。なお、全ての階調ごとにルックアップテーブルを作成するのではなく、一定間隔の階調のみでルックアップテーブルを作成することも可能である。
【0048】
(実施の形態4)
実施の形態1では、補正係数を映像信号に適用して補正映像データを生成していたが、表示する画像が限られた特定用途の液晶表示装置のような場合には、表示される画像が単純であるため、個々の画素について補正係数を求めて補正映像データを生成しなくても、十分なフリッカを低減できると考えられる。
【0049】
本実施の形態では、表示画像の輝度で起きるフリッカを補正する補正値を映像データに一意に加えることでフリッカを低減している。これにより、実施の形態1で必要な補正係数を映像信号に適用して補正映像データを生成する回路が不要になり、簡単な回路構成で十分なフリッカを低減できる。
【0050】
また、フリッカを補正する補正値を表示画像の輝度によって変更することで、様々な輝度の表示画像に対して十分なフリッカを低減が可能となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の液晶表示装置は、入力される前記映像信号の前記期間と入力される前記映像信号の逆電圧極性の前記期間とが反転するタイミングの最初のフィールドに属する前記映像信号を変化させて前記画素に供給する補正映像データを生成する映像信号制御手段を備えるので、DC電圧成分が長時間印加されることによる焼きつきを軽減し、DC電圧成分の重畳による輝度変化を低減させてフリッカを低減することができる効果がある。
【0052】
本発明の請求項2に記載の液晶表示装置は、前記映像信号に所定の係数を掛けることにより前記補正映像データを生成するので、映像信号に基づいて必要な領域のフリッカを低減することができる効果がある。
【0053】
本発明の請求項3に記載の液晶表示装置は、前記映像信号の輝度の大きさにより前記映像信号に掛ける所定の係数を変化させるので、輝度と輝度変化量との液晶特性に即した、最適な補正係数が適用されフリッカを十分に低減できる効果がある。
【0054】
本発明の請求項4に記載の液晶表示装置は、前記映像信号に所定の値を加えることにより前記補正映像データを生成するので、簡単な回路構成で十分なフリッカを低減できる効果がある。
【0055】
本発明の請求項5に記載の液晶表示装置は、前記映像信号の輝度の大きさにより前記映像信号に加える所定の値を変化させるので、様々な輝度の表示画像に対して十分なフリッカを低減が可能となる効果がある。
【0056】
本発明の請求項6に記載の液晶表示装置は、あらかじめ定められたルックアップテーブルを参照して、前記映像信号に対応する前記補正映像データを生成するので、全ての輝度に最適な補正係数が与えられたフリッカを低減できる駆動が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るマトリックス型液晶表示装置の構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係るマトリックス型液晶表示装置の表示の模式図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る映像データのタイミングチャートである。
【図4】 本発明の実施の形態2に係るマトリックス型液晶表示装置の輝度と輝度変化量の液晶特性を示す図である。
【図5】 従来の技術に係るマトリックス型液晶表示装置の表示の模式図である。
【図6】 従来の技術に係るマトリックス型液晶表示装置の表示の模式図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置、2 基本回路、3 CPU、4 タイミング発生回路、5液晶パネル、6 AC駆動制御回路、7 画像補正回路。
Claims (6)
- 画素がマトリックス状に配置され、奇数フィールドと偶数フィールドとで入力される映像信号が異なるインターレス駆動する液晶表示装置であって、
前記奇数フィールドと前記偶数フィールドとで入力される前記映像信号の電圧極性を反転させる手段と、
1フィールドより長い所定の周期ごとに、入力される前記映像信号の期間と入力される前記映像信号の逆電圧極性の期間とを交互に反転させる手段と、
入力される前記映像信号の前記期間と入力される前記映像信号の逆電圧極性の前記期間とが反転するタイミングの最初のフィールドに属する前記映像信号を変化させて前記画素に供給する補正映像データを生成する映像信号制御手段とを備える液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置であって、
前記映像信号制御手段は、前記映像信号に所定の係数を掛けることにより前記補正映像データを生成することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項2記載の液晶表示装置であって、
前記映像信号制御手段は、前記映像信号の輝度の大きさにより前記映像信号に掛ける所定の係数を変化させることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置であって、
前記映像信号制御手段は、前記映像信号に所定の値を加えることにより前記補正映像データを生成することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項4記載の液晶表示装置であって、
前記映像信号制御手段は、前記映像信号の輝度の大きさにより前記映像信号に加える所定の値を変化させることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置であって、
前記映像信号制御手段は、あらかじめ定められたルックアップテーブルを参照して、前記映像信号に対応する前記補正映像データを生成することを特徴とする液晶表示装置。
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Publications (2)
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