JP3853591B2 - 遮光膜、低反射膜およびその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケルとバナジウムとの合金、またはニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物のいずれか一つの薄膜からなるフラットパネルディスプレイのブラックマトリクスとして用いられる遮光膜、およびニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物または酸窒化物から選ばれる材質より得られる薄膜を一層以上積層した積層膜からなる吸収層と、ニッケルとバナジウムとの合金、またはニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物から選ばれる材質より得られる薄膜を一層以上積層した積層膜からなる遮光層とを、この順に積層してなる低反射膜、並びにその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置やプラズマディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイでは、カラー表示を目的としたカラーフィルターが採用されている。カラーフィルターには、赤(R)、緑(G)、青(B)のマイクロカラーフィルターが各画素に対応してマトリクス状に形成されており、これらマイクロカラーフィルター相互間に、コントラストや色純度を良くし、視野性を向上させることを目的として、ブラックマトリクス(以下「BM」ともいう)と呼ばれる黒色の部材が形成されている。
BMの形成には、通常、クロムまたはクロム化合物が使用されており、金属クロム単層膜からなる遮光膜や、金属クロムと酸化クロムとの積層膜、または、金属クロム、酸化クロムおよび窒化クロムの積層膜などの低反射膜からなっている。これらBMは、透明なガラス基板上にクロム単層膜を形成した遮光膜付き基板や、ガラス基板上に酸化クロムや窒化クロムなどの吸収層を形成した後、この上に金属クロム単層膜からなる遮光層を積層した低反射膜付き基板をウエットエッチングなどによりパターンニングして得られる。
【0003】
ところで、クロムまたはクロム化合物からなるBMは、非常に良い光学特性、遮光特性、エッチング特性、密着性、および高温多湿環境下における耐久性を示す一方、ウエットエッチングなどによるパターンニングの際に選択されるエッチング液の組み合わせによっては、エッチングの際に生じるクロム廃液中に6価クロムが含まれることがある。6価クロムは環境を汚染するという問題があるため、カラーフィルター製造工程においてクロムを含まないBMの開発が求められており、例えばニッケル系の材料を用いたBMが多数知られている。
また、近年フラットパネルディスプレイに対する要求、すなわち高精細化、高品位化に対する要求は年々高まってきており、そのためニッケル系のBMに対しても、従来では特に問題でなかった特性が問題となりつつある。具体的には、BMパターンニング幅が狭くなることにより、従来では問題とならなかった薄膜の密着性、エッチングの際にパターンサイドに発生するオーバーエッチング特性、高温多湿環境下における膜質の安定性などが十分ではなくなるため、歩留まりの向上や、BM特性の安定性という観点からこれらの改善が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、クロム以外の材料を用いて、クロムまたはクロム化合物と同等以上の光学特性および耐久性を兼ね備えた遮光膜を有する遮光膜付き基板、または遮光層と吸収層からなる低反射膜を有する低反射膜付き基板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題に鑑み、鋭意検討を行った結果、金属元素としてニッケルとバナジウムとを用いて遮光膜および低反射膜を構成することにより、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)ニッケルとバナジウムとの合金、またはニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物のいずれか一つの薄膜からなる遮光膜であって、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が26/74〜52/48であることを特徴とする遮光膜、(2)ニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物または酸窒化物から選ばれる材質より得られる薄膜を一層以上積層した積層膜からなる吸収層と、ニッケルとバナジウムとの合金、またはニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物から選ばれる材質より得られる薄膜を一層以上積層した積層膜からなる遮光層とを、この順に積層してなる低反射膜であって上記吸収層および遮光層を構成する薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が26/74〜52/48であることを特徴とする低反射膜、(3)上記(1)の遮光膜を有する基板、(4)上記(2)の低反射膜を有する基板、(5)上記(3)または(4)の基板を用いてなる機器に関するものである。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の請求項3,6および7に記載のスパッタリングターゲットは、実質的にニッケルおよびバナジウムからなり、バナジウムを原子比で26〜52%含有する合金または金属焼結体からなるものである。このような合金は、電子ビーム溶解法、真空溶解法、不活性雰囲気溶解法などさまざまな方法で製造できる。
例えば、真空溶解法を例に挙げると、ニッケル塊とバナジウム塊とを真空溶解炉の坩堝へ投入し、誘導コイルにパワーを投入し溶解する。このとき、溶解してから10分以上保持することが均一組成の溶湯を得ることができるため望ましい。次いで、溶湯を銅製またはカーボン製モールドなどに注いだ後、冷却することでインゴットを得る。溶解時の温度は、ニッケルの融点以上、すなわち1,500℃以上が望ましい。冷却速度はインゴット中の組織均一性を得るためにできるだけ急冷したほうが望ましい。また、結晶配向性や、組織中の粒径を制御するために必要に応じて圧延処理を施すこともできる。このようにして本発明の前記の合金を得ることができる。
なお、本発明でいう「実質的にニッケルおよびバナジウムからなる」とは、ニッケルおよびバナジウムのほかに不可避不純物を含んでいることを意味する。
【0007】
また、前記の金属焼結体は、実質的にニッケルおよびバナジウムからなり、バナジウムを原子比で26〜52%含有するものである。このような焼結体は、例えば、真空焼成法、雰囲気焼成法、ホットプレス法、HIP法などの方法によって製造することができる。
例えば、HIP法により本発明の金属焼結体を製造する場合、原料粉末はニッケル粉末とバナジウム粉末とを所定の割合に混合しても良いし、ニッケルとバナジウムとを溶解後粉砕またはアトマイズ法などによる処理により得られた合金粉末でもよい。
混合粉末を使用する場合、原料粉の粒度は焼結体組織中におけるニッケルとバナジウムの分散性を考慮すると、30メッシュ以下が好ましい。より好ましくは60メッシュ以下である。これは、得られる焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いてニッケルとバナジウムからなる薄膜を製造した場合、得られた薄膜中のバナジウムが均一に分散し、また異常放電などが発生しないといった安定な放電が期待できるためである。
粉末の混合はボールミルなどの乾式混合で行えばよい。前述のようにして得られたニッケルとバナジウムとの混合粉末をプレス法またはCIP法により成形することによって、成形体を製造する。
プレス法により成形体を作成する場合は、所定の金型に混合粉末を充填した後、粉末プレス機を用いて100kg/cm2以上の圧力でプレスを行う。CIP法によって成形する場合には、ゴム性の型に粉末を充填し、ゴム栓などで密封する。その後、CIP装置を用いて2ton/cm2以上の圧力で緻密化する。
このようにして得られた成形体を金属製の容器に入れ、真空脱気した後、封止し、焼成する。焼成条件については、十分な密度を得るため、焼結温度900〜1,100℃、圧力1,000〜2,000kg/cm2、焼結時間2時間以上であることが望ましい。
【0008】
次に、ホットプレス法により前記の金属焼結体を製造する方法を説明する。上記と同様の方法で製造された原料粉末を、カーボンモールドに投入し、焼結温度1,000〜1,250℃、荷重200〜300kg/cm2、焼結時間2時間以上で焼成する。雰囲気は焼結体の酸素含有量の増加を押さえるため、真空または不活性雰囲気であることが好ましい。
このようにして、本願発明の実質的にニッケルとバナジウムとからなる金属焼結体を得ることができる。
得られた合金または焼結体を所望の形状に加工することにより、電子ビーム蒸着法などで用いられる蒸着材とすることもできる。
上記のような方法で得られた実質的にニッケルとバナジウムとからなる合金または金属焼結体を所望の形状に加工し、必要に応じて無酸素銅またはクロム含有銅などからなるバッキングプレートにインジウム半田などを用いて接合することにより、本願発明のスパッタリングターゲットが得られる。
このとき、インジウム半田による接合を容易にするために、加工された合金または金属焼結体のバッキングプレートに接する面を、クロム、ニッケル、銅などにより被覆してもよい。
【0009】
ここで、ターゲット中のバナジウムの含有量は原子比で26%〜52%であることが好ましく、より好ましくは34〜52%である。このことにより遮光膜の反射率安定性、およびエッチング特性は安定する。加えてバナジウムの含有量を39〜52%とすることによりそれらの特性はさらに安定する。一方、生産性の観点からは、バナジウムの含有量は原子比で26%〜40%であることが好ましい。この範囲のバナジウム含有量とすることにより、この組成のスパッタリングターゲットにより製造された遮光膜または低反射膜のパターンニングが、より短時間で実施できるためである。
バナジウムの含有量が26%より少ないと、本発明の効果が薄れ、パターンニング特性、密着性、高温多湿環境下での耐久性が劣化する。さらに、ターゲット中のバナジウムの含有量が26%より少ないと、酸素ガスや、窒素ガスをアルゴンガスとともに使用する反応性スパッタリング時において、酸素ガスや窒素ガスの導入量に変動があった場合、スパッタレートが変化しやすくなる。そのため、得られる遮光膜および低反射膜の光学特性、例えば反射率などが安定しないなど品質安定性に影響が生じる。また、52%を超えると、形成される薄膜の耐薬品性が強くなりパターンニングに要する時間がかかるため生産性が劣化する。
【0010】
本発明の遮光膜は、ニッケルとバナジウムとの合金、またはニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物のいずれか一つの薄膜からなる遮光膜であって、これらの薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が26/74〜52/48である遮光膜である。これらの遮光膜は、例えば、前述のスパッタリングターゲットを用いて製造することができる。
例えば、このような薄膜をDCスパッタリング法により製造する場合には、スパッタガスとして、アルゴンガス、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス、アルゴンガスと窒素ガスとの混合ガス、アルゴンガス、酸素ガスおよび窒素ガスとの混合ガスのいずれかを用いることにより、ニッケルとバナジウムとの合金薄膜、またはニッケルとバナジウムとの酸化物薄膜、窒化物薄膜若しくは酸窒化物薄膜のいずれか一つの薄膜を形成することができる。
【0011】
これらの薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)は28/72〜50/50であることが好ましい。これは、この組成範囲にある薄膜が、パターンニング特性、密着性、高温多湿環境下での耐久性において優れているからである。一方、反射率特性の観点からは34/66〜52/48であることが好ましく、さらに39/61〜52/48とすることにより望ましい。
すなわち、ニッケルに対するバナジウムの原子比が26/74より少ないと、本発明の効果が薄れ、パターンニング特性、密着性、高温多湿環境下での耐久性が劣化し、一方、52/48を超えると、耐薬品性が強くなりパターンニングに要する時間がかかるため生産性が劣化する場合があるからである。
【0012】
また、本発明の遮光膜を構成するニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物、酸窒化物とは、各々、ニッケルとバナジウムとのほかに酸素、窒素およびその両者を含み透明でない程度の酸化度、窒化度および酸窒化度を有すればよく、必ずしも化学量論的な化合物に限定されるものではない。
酸素、窒素の導入量は遮光膜としての光学特性が得られる範囲であれば良く、特に限定されない。これらの薄膜の膜厚は、十分な遮光特性を得るために70nm以上が好ましく、成膜時間やエッチング時間などの生産性を考慮すると200nm以下が好ましい。
【0013】
成膜条件としては、スパッタリングチャンバー内の残留ガスの影響を避けるため、バックグランドプレッシャーは、できるだけ低いことが好ましく、5×10-5torr以下が好ましい。また、成膜時のガス圧は、0.5〜5×10-3torrの範囲が放電安定性の点で好ましい。なお、本発明の遮光膜はDCスパッタリング法に限らず、RFスパッタリング法、DCにRFを重畳させたスパッタリング法や、蒸着法などによっても製造することができる。
上記のようにして、遮光膜をガラス基板やフィルム基板上に形成することにより、本願発明の遮光膜付き基板を得ることができる。
【0014】
一方、本発明の低反射膜は、ニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物または酸窒化物から選ばれる材質より得られる薄膜を一層以上積層した積層膜からなる吸収層と、ニッケルとバナジウムとの合金、またはニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物から選ばれる材質より得られる薄膜を一層以上積層した積層膜からなる遮光層とを、この順に積層してなる低反射膜であって、上記吸収層および遮光層を構成する薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が26/74〜49/51であることを特徴とするものである。
【0015】
例えば、このような薄膜をDCスパッタリング法により製造する場合には、スパッタガスとして、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス、アルゴンガスと窒素ガスとの混合ガス、アルゴンガス、酸素ガスおよび窒素ガスとの混合ガスのいずれかを用いることにより、ニッケルとバナジウムとの酸化物薄膜、窒化物薄膜および酸窒化物薄膜を得ることができ、これらの薄膜の一層以上を積層した積層膜により吸収層を形成する。
次いで、この吸収層の上に、スパッタガスとして、アルゴンガスを用いて得られるニッケルとバナジウムとの合金薄膜、また上記と同様な方法を用いて得られるニッケルとバナジウムとの酸化物薄膜、窒化物薄膜若しくは酸窒化物薄膜の一層以上を積層した積層膜による遮光層を形成し低反射膜を得る。
【0016】
これらの吸収層および遮光層を構成する薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)は、いずれも26/74〜49/51であることが好ましい。これは、この組成範囲にある薄膜が、パターンニング特性、密着性、高温多湿環境下での耐久性において優れているからである。
また、前述の遮光膜の場合と同じ理由で、ニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が26/74〜52/48であるスパッタリングターゲットを用いることが好ましい。さらに、表示特性に影響を及ぼすパターンニング特性より33/67〜49/51であることが好ましく、特に37/63〜49/51であればよりパターンニング特性が改善され好ましい。
また、本発明の遮光層を構成するニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物、酸窒化物とは、各々、ニッケルとバナジウムとのほかに、酸素、窒素およびその両者を含み光学的に透明でない程度の酸化度、窒化度および酸窒化度であれば良く、必ずしも化学量論的な化合物に限定されるものではない。酸素、窒素の導入量は、遮光膜としての光学特性が得られる範囲であれば良く、特に限定されない。
【0017】
吸収層を構成するニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物、酸窒化物とは、各々、ニッケルとバナジウムのほかに酸素、窒素およびその両者を含み、少なくとも光学的に透明である程度の酸化度、窒化度および酸窒化度であれば良く、必ずしも化学量論的な化合物に限定されるものではない。
酸素、窒素の導入量は、吸収層としての光学特性が得られる範囲であれば良く、特に限定されない。
【0018】
本発明の遮光層の膜厚は、前述の遮光膜と同じ理由により、70〜200nmが好ましい。なお、遮光層が複数の薄膜の積層膜として構成されている場合は、積層膜全体の膜厚がこの範囲であることが好ましい。また、吸収層の膜厚は、十分な吸収効果を得るために10nm以上とすることが好ましく、成膜時間やエッチング時間などの生産性を考慮して150nm以下とすることが好ましい。吸収層が複数の薄膜の積層膜として構成されている場合は、積層膜全体の膜厚がこの範囲であることが好ましい。
成膜条件としては、前述の遮光膜の場合と同様に、スパッタリングチャンバー内の残留ガスの影響を避けるため、バックグランドプレッシャーはできるだけ低いことが好ましく、5×10-5torr以下が好ましい。また、成膜時のガス圧は、0.5〜5×10-3torrの範囲が放電安定性の点で好ましい。なお、本発明の遮光層および吸収層を構成する薄膜はDCスパッタリング法に限らず、RFスパッタリング法、DCにRFを重畳させたスパッタリング法や、蒸着法などによっても製造することができる。
【0019】
また、本発明の低反射膜では、遮光層の上にさらに吸収層を積層することにより、低反射膜の特性を制御することもでき、例えば、液晶セル内の反射光が問題となるような特定用途に対してより好ましいBMを形成することもできる。さらに本発明の吸収層は、酸化物、窒化物、酸窒化物以外に、炭化物などの薄膜も使用することもできる。
上記のようにして、低反射膜をガラス基板やフィルム基板上に形成することにより、本願発明の低反射膜付き基板を得ることができる。
【0020】
また、本発明にかかる機器とは、遮光膜付き基板または低反射膜付き基板を用いてなることを特徴とする機器であり、プラズマディスプレー、液晶ディスプレー、フィールドエミッション方式ディスプレー、ELディスプレーなどである。例えば、液晶ディスプレーの場合、上記方法で製造された遮光膜付き基板、または低反射膜付き基板を、所望のパターンにエッチングし、BMを形成した後、R、G、Bの顔料などのパターン、保護層、透明電極などを形成しカラーフィルター基板を形成する。次に、TFT基板などの対向電極基板とカラーフィルター基板を貼り合わせ、これらの基板間に液晶を封入することで液晶パネルを製造し、得られた液晶パネルを使用し液晶ディスプレーを有する機器を製造する。
このようにして、本発明である遮光膜または低反射膜付き基板を用いてなるフラットパネルディスプレイなどの機器を構成することができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
粒径10μm以下のニッケル粉末1122g、粒径250μm以下のバナジウム粉末378gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を内径200mmのカーボン製のモールドに入れ、ホットプレス法にて以下の焼結条件により焼結を行った。
焼結温度:1,200℃
荷重:200kg/cm2
昇温速度:200℃/h
焼結時間:2時間
雰囲気:真空
得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.95g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが72%、バナジウムが28%であった。
この焼結体を湿式加工法により直径150mm、厚さ3mmの焼結体に加工し、インジウム半田を用いて無酸素銅のバッキングプレートにボンディングしてターゲットとした。
このターゲットを以下のスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
基板:ガラス基板
DC電力:400W
ガス圧:1.1mTorr
アルゴンガス流量:120SCCM
基板温度:150℃
膜厚:130nm
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが72.1%、バナジウムが27.9%であった。
【0022】
実施例2
粒径10μm以下のニッケル粉末1051g、粒径250μm以下のバナジウム粉末449gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し焼結温度を1,100℃とした以外は実施例1と同様の方法で焼結を行った。
得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.80g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが67%、バナジウムが33%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工方法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが67.1%、バナジウムが32.9%であった。
【0023】
実施例3
サイズが10mm×10mm×5mm程度のニッケルチップ1576g、サイズが10mm×5mm×5mm程度のバナジウムチップ674gを真空溶解装置内の坩堝に投入後、誘導加熱方式により溶解し溶湯の温度を1,600℃とした。このまま15分保持した後、この溶湯を内寸法180mm×180mm×5mmのカーボン製モールドに注ぎ、そのまま真空中で自然冷却し合金板を得た。
得られた合金の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.82g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが67%、バナジウムが33%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工方法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが67.2%、バナジウムが32.8%であった。
【0024】
実施例4
粒径10μm以下のニッケル粉末950g、粒径250μm以下のバナジウム粉末550gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例2と同様の方法で焼結を行った。
得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.60g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが60%、バナジウムが40%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工方法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが59.9%、バナジウムが40.1%であった。
【0025】
実施例5
粒径10μm以下のニッケル粉末803g、粒径250μm以下のバナジウム粉末697gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例2と同様の方法で焼結を行った。
得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.31g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが50%、バナジウムが50%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工方法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが50.0%、バナジウムが50.0%であった。
【0026】
比較例1
粒径10μm以下のニッケル粉末1408g、粒径250μm以下のバナジウム粉末92gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例1同様の方法で焼結を行った。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、8.64g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが93%、バナジウムが7%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが92.9%、バナジウムが7.1%であった。
【0027】
比較例2
粒径10μm以下のニッケル粉末1301g、粒径250μm以下のバナジウム粉末199gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例1同様の方法で焼結を行った。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、8.37g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが85%、バナジウムが15%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが85.1%、バナジウムが14.9%であった。
【0028】
比較例3
粒径10μm以下のニッケル粉末1,177g、粒径250μm以下のバナジウム粉末323gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例1同様の方法で焼結を行った。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、8.09g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが76%、バナジウムが24%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが76.2%、バナジウムが23.8%であった。
【0029】
比較例4
粒径10μm以下のニッケル粉末728g、粒径250μm以下のバナジウム粉末772gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例1同様の方法で焼結を行った。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.18g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが45%、バナジウムが55%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが45.1%、バナジウムが54.9%であった。
【0030】
比較例5
粒径10μm以下のニッケル粉末1,500gを内径200mmのカーボン製のモールドに入れ、実施例2同様の方法で焼結体を得た。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、8.89g/cm3であった。この焼結体を実施例1と同様な加工法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
【0031】
実施例6
実施例1と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、このターゲットを以下のスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。製造手順としてはスパッタリング条件1による吸収層、スパッタリング条件2による遮光層の順にガラス基板上に連続成膜を実施した。
(スパッタリング条件1)
DC電力:400W
ガス圧:1.1mTorr
アルゴンガス流量:120SCCM
酸素ガス流量:10SCCM
基板温度:150℃
膜厚:43nm
(スパッタリング条件2)
DC電力:400W
ガス圧:1.1mTorr
アルゴンガス流量:120SCCM
窒素ガス流量:5SCCM
基板温度:150℃
膜厚:130nm
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は26.0/74.0であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は27.3/72.7であった。
【0032】
実施例7
実施例2と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は31.0/69.0であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は32.2/67.8であった。
【0033】
実施例8
実施例3と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は31.2/68.8であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は32.3/67.7であった。
【0034】
実施例9
実施例2と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、このターゲットを以下のスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。製造手順としてはスパッタリング条件3、スパッタリング条件2の順にガラス基板上に連続成膜を実施した。
(スパッタリング条件3)
DC電力:400W
ガス圧:1.1mTorr
アルゴンガス流量:120SCCM
酸素ガス流量:6SCCM
窒素ガス流量:20SCCM
基板温度:150℃
膜厚:43nm
(スパッタリング条件2)
DC電力:400W
アルゴンガス圧:1.1mTorr
アルゴンガス流量:120SCCM
窒素ガス流量:5SCCM
基板温度:150℃
膜厚:130nm
スパッタリング条件3で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、酸素および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は31.1/68.9であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は32.1/67.9であった。
【0035】
実施例10
実施例4と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は37.2/62.8であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は39.0/61.0であった。
【0036】
実施例11
実施例5と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は46.5/53.5であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は48.8/51.2であった。
【0037】
比較例6
比較例1と同様な方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は6.5/93.5であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は6.8/93.2であった。
【0038】
比較例7
比較例2と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は14.0/86.0であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は14.6/85.4であった。
【0039】
比較例8
比較例3と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は22.3/77.7であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は23.4/76.6であった。
【0040】
比較例9
比較例4と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は51.2/48.8であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は53.6/46.4であった。
【0041】
比較例10
比較例5と同様な方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケルおよび酸素により構成されていた。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケルおよび窒素により構成されていた。
【0042】
実施例12
粒径10μm以下のニッケル粉末1037g、粒径250μm以下のバナジウム粉末463gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例2と同様の方法で焼結を行った。
得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.65g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが66%、バナジウムが34%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工方法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが66.1%、バナジウムが33.9%であった。
【0043】
実施例13
粒径10μm以下のニッケル粉末1,008g、粒径250μm以下のバナジウム粉末492gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例2と同様の方法で焼結を行った。
得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.60g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが64%、バナジウムが36%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工方法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが63.9%、バナジウムが36.1%であった。
【0044】
実施例14
粒径10μm以下のニッケル粉末980g、粒径250μm以下のバナジウム粉末520gをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を製造した。
この粉末を使用し実施例2と同様の方法で焼結を行った。
得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、7.51g/cm3であった。また、焼結体の組成をICP法により分析したところ原子比でニッケルが62%、バナジウムが38%であった。
この焼結体を実施例1と同様な加工方法によりターゲットとした。このターゲットを実施例1と同様な方法でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、遮光膜付き基板を得た。
得られた薄膜の組成をICP法により分析したところ、原子比でニッケルが62.1%、バナジウムが37.9%であった。
【0045】
実施例15
実施例12と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は31.6/68.4であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は33.1/66.9であった。
【0046】
実施例16
実施例13と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は33.5/66.5であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は35.1/64.9であった。
【0047】
実施例17
実施例14と同様の方法によりスパッタリングターゲットを得た後、実施例6と同様なスパッタリング条件でスパッタリングして基板上に薄膜を形成し、低反射膜付き基板を得た。
スパッタリング条件1で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および酸素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は35.3/64.7であった。
スパッタリング条件2で得られた薄膜の組成をICPにより定量分析したところ、ニッケル、バナジウム、および窒素により構成されており、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(V/Ni)は37.1/62.9であった。
【0048】
上記実施例1〜5、12〜14および比較例1〜5によって得られた遮光膜付き基板について、パターンニング特性、耐熱性、耐湿性、反射率特性の評価を実施した。また、実施例6〜11、15〜17および比較例6〜10によって得られた低反射膜付き基板について、パターンニング特性およびエッチング特性の評価を実施した。
パターンニング特性評価は、遮光膜または低反射膜付き基板上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィー法を用いてラインアンドスペースが20μmのパターンを形成する。その後、塩酸(7.2N)に塩化第二鉄を5容積%加えたエッチング液を40℃に調整した後、パターンニングを行った。エッチング時間はジャストエッチングに要した時間の2倍とした。この時のレジストの密着性およびパターンニングされた遮光膜または低反射膜のオーバーエッチング量を評価し、レジスト剥離が生じたもの、オーバーエッチング量が1.5μm以上であるものをNGとした。
【0049】
耐熱性の評価は、遮光膜または低反射膜付き基板を大気中で、200℃、2時間放置後、クロスカット試験を行うことによって行った。クロスカット試験では1mm角のパターンをカッターナイフにて100個製造し、その後セロハンテープを密着した後、剥離させたときにセロハンテープに付着した膜のパターン数が1個以上であるものをNGとした。
耐湿性試験は、遮光膜または低反射膜付き基板を60℃、90%RH、120時間放置後の表面粗さをAFMにて測定し、試験前後での表面粗さ(Rmax)の変化を測定した。
反射率安定性は、遮光膜付き基板を2時間煮沸した後、波長550nmでの反射率を測定し、試験前後での反射率変化量が5.0%以上のものNGとした。
エッチング特性評価は、パターンニング特性と同様に低反射膜付き基板上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィー法を用いてラインアンドスペースが20μmのパターンを形成する。その後、塩酸(7.2N)に塩化第二鉄を5容積%加えたエッチング液を40℃に調整した後、パターンニングを行った。エッチング時間は、ジャストエッチングに要した時間の2倍とした。その後、レジストを除去しエッチングされたパターンの吸収層の幅(a)と遮光膜の幅(b)をSEMにて測定し、(a−b)/2の絶対値を段差量として定義した。段差量が0.5μm以上であるものや、SEM観察時に基板上にエッチング残り(残渣)がある場合は、パネルにした際のコントラストに悪影響を及ぼす可能性があるためNGとした。
また、実施例6〜11、15〜17および比較例6〜10で用いたターゲットについて、放電特性試験を行った。放電特性試験は、各々のターゲットを用いて、成膜パワーを400W、成膜ガス圧を1.1×10−3torr、Arガス流量を120SCCMの条件で酸素ガス流量を0から15SCCMに変化させたときのスパッタリングレートの変化を測定することにより行った。この時のスパッタリングレートの変化が0.025nm/sec以上の場合、低反射膜を製造する場合反射特性に影響が生じるためNGとした。
また、実施例および比較例中のICP法による分析方法は、試料を王水中で分解した後ICP発光法によりNiとVの定量分析を行った。
【0050】
実施例1〜5、12〜14および比較例1〜5の遮光膜付き基板の評価結果を表1に、実施例6〜11、15〜17および比較例6〜10の低反射膜付き基板の評価結果を表2にそれぞれ示す。表2には、ターゲットの放電特性試験として測定したスパッタレート変化も併せて示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
表1に示すように、遮光膜のパターンニング特性、耐熱性、耐湿性については、実施例1から実施例5、実施例12から実施例14のいずれにおいても、NGは発生しなかった。これに対して、バナジウムの含有量が原子比で24%以下のターゲットを用いた比較例1〜3および比較例5では、いずれの試験結果もNGであった。
また、バナジウムの含有量が原子比で55%のターゲットを用いた比較例4では、レジスト剥離性、耐熱性、耐湿性は良好であったが、遮光層のエッチングに長時間が必要であった。
遮光膜の煮沸前後での反射率変化量についてはバナジウム含有量が原子比で28%以上のターゲットを用いた実施例1〜5、実施例12〜14の遮光膜は、反射率の変化量が5%以下であった。バナジウム含有量が原子比で34%以上のターゲットを用いた実施例4〜5、実施例12〜14の遮光膜は反射率の変化量が2%以下と良好であった。さらにバナジウム含有量が原子比で40%以上のターゲットを用いた実施例4〜5の遮光膜は反射率の変化量が1.5%未満と特に良好であった。
【0054】
また、表2に示すように、低反射膜のパターンニング特性および放電特性は、実施例6から実施例11、実施例15から実施例17のいずれにおいても良好であった。これに対して、バナジウムの含有量が原子比で24%以下のターゲットを用いた比較例6〜8および比較例10では、レジストの剥離が生じ、またオーバーエッチング量が1.5μm以上であった。
バナジウムの含有量が原子比で55%のターゲットを用いた比較例9では、レジスト剥離性、放電特性は良好であったが、遮光層のエッチングにかかる時間が長く、また、時間をかけてエッチングを行った後においても、吸収層のパターンニングができなかった。
低反射膜のエッチング特性については、バナジウム含有量が原子比で28%以上のターゲットを用いた実施例6〜11、実施例15〜17の低反射膜は、パターンニング後の段差量が0.30μm以下であった。バナジウム含有量が原子比で34%以上のターゲットを用いた実施例10〜11、実施例15〜17の低反射膜では段差量が0.20μm以下と良好であった。さらにバナジウム含有量が原子比で40%以上のターゲットを用いた実施例10,11では段差量が0.10μm未満と特に良好であった。これに対して、バナジウムの含有量が原子比で24%以下のターゲットを用いた比較例6〜8では、段差量が0.5μm以上、または残渣が基板上に確認された。
また、実施例2の遮光膜付き基板および実施例7の低反射膜付き基板について、波長400nmから700nmの範囲における反射率の測定を実施した結果を図1および図2に示すが、これらの反射率特性は従来のクロム系のもつ反射率と同等以上の特性を示した。
【0055】
【発明の効果】
本発明のニッケル・バナジウム系の遮光膜および低反射膜は、クロムを一切使用しないため、パターンニング工程の際に環境を汚染する有害物質を排出することがない。また、ターゲット中のバナジウム組成を調整することにより、従来のクロム系と同等以上の光学特性、パターンニング特性、耐熱性、耐湿性、反射率特性、エッチング特性を有する遮光膜または低反射膜を得ることができ、かつ、これらの遮光膜付き基板または低反射膜付き基板を、従来のプロセスを大幅に変更することなく得ることができる。また、それらをフラットパネルディスプレイのBM基板として用い、フラットパネルディスプレイを有する機器に応用できる。
【図面の説明】
【図1】実施例2で得られた遮光膜付き基板の反射率測定結果を示す図である。
【図2】実施例7で得られた低反射膜付き基板の反射率測定結果を示す図である。
Claims (13)
- ニッケルとバナジウムとの合金、またはニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物のいずれか一つの薄膜からなるフラットパネルディスプレイのブラックマトリクスとして用いられる遮光膜であって、薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が26/74〜52/48であることを特徴とする遮光膜。
- 薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が28/72〜50/50である請求項1に記載の遮光膜。
- 薄膜が、ニッケル、バナジウムおよび不可避不純物からなり、バナジウムを原子比で26〜52%含有する合金または金属焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いて形成されたものである請求項1に記載の遮光膜。
- ニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物または酸窒化物から選ばれる材質より得られる薄膜を一層以上積層した積層膜からなる吸収層と、ニッケルとバナジウムとの合金、またはニッケルとバナジウムとの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物から選ばれる材質より得られる薄膜を一層以上積層した積層膜からなる遮光層とを、この順に積層してなる低反射膜であって上記吸収層および遮光層を構成する薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が26/74〜52/48であることを特徴とする低反射膜。
- 薄膜中のニッケルに対するバナジウムの原子比(バナジウム/ニッケル)が26/74〜49/51である請求項4に記載の低反射膜。
- 薄膜が、ニッケル、バナジウムおよび不可避不純物からなり、バナジウムを原子比で26〜52%含有する合金または金属焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いて形成されたものである請求項4に記載の低反射膜。
- 請求項1に記載の遮光膜または請求項4に記載の低反射膜を形成するためのスパッタリングターゲットであって、ニッケル、バナジウムおよび不可避不純物からなり、バナジウムを原子比で26〜52%含有する合金または金属焼結体からなるスパッタリングターゲット。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮光膜が基板上に形成されていることを特徴とする遮光膜付き基板。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の低反射膜が基板上に形成されていることを特徴とする低反射膜付き基板。
- 基板が透明である請求項8に記載の遮光膜付き基板。
- 基板が透明である請求項9に記載の低反射膜付き基板。
- 請求項10に記載の遮光膜付き基板を用いてなることを特徴とする機器。
- 請求項11に記載の低反射膜付き基板を用いてなることを特徴とする機器。
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