JP3853578B2 - 無人搬送車における走行距離計測装置 - Google Patents

無人搬送車における走行距離計測装置 Download PDF

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  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無人搬送車の誘導制御のために使用する搬送台車(以下台車とする)の走行移動距離を計測する走行距離計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動倉庫等、諸用途に無人搬送車が使用されている。無人搬送車を制御する上において、台車の走行移動距離を正確に計測することが、最も重要なファクターとなっている。
【0003】
特に、電磁誘導や磁気誘導などのガイド式誘導に比べて、台車の姿勢角度と走行距離情報によって、常に現在位置を把握しながら、自律走行を行なうジャイロ誘導のようにガイドレス式の誘導では、精度の高い走行移動距離を計測することが要求される。
【0004】
従来、台車の走行移動距離を計測する方法としては、
1)サーボ制御である走行モータにエンコーダを取付け、モータの回転数をカウントし、走行距離に換算する方法。
2)台車を支持する車輪の車軸にエンコーダを取付け、車輪の回転数をカウントし、走行距離に換算する方法等がある。
【0005】
しかし、これ等の方法では、荷重を受ける車輪の回転数から走行距離を換算するものであるから、荷重の変化による車輪、つまり、タイヤの変形による差が出て、計測値に誤差が生じる。
また、経年変化によるタイヤの摩耗が大きく、これによる誤差も生じると云う不都合があった。
【0006】
このため、荷重を受ける車輪の変形による影響を無くすため、図6に示すごとく、台車フレーム1に、操舵輪2および従動輪3(多くの場合キャスター輪が使用される)とは別に、計測用の車輪4を設け、該計測輪4にエンコーダを取付け、計測輪4の回転数をカウントし、走行距離に換算する方法もあった。
【0007】
この図6に示す方法の場合、計測輪4が台車フレーム1に固定されているときは、台車が旋回するとき(図6のA)、斜行するとき(図6のB)、横行するとき(図6のC)にスラスト力が働き、計測輪4の回転が不安定になり、正確な計測値を得ることができなかったし、そもそも斜行や横行には追従できず、破損することもしばしばであった。
【0008】
また、台車の走行にスムーズに追従させるため、上記の計測輪4をキャスター輪とするものもあったが、キャスター輪は支持軸と車軸との間に取付け幅を有しているので、キャスター輪が向きを変えることによるキャスター輪の移動があり、走行移動距離を正確に計測できないと云う問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、計測輪を荷重が掛からないように台車フレームに支持し、かつ、操舵輪の操舵に同期して、操舵輪の操舵角と同じ角度に操舵されるようにし、精度の高い計測をなし得る無人搬送車における走行距離計測装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
台車フレームに、ステアリングモータを設置し、台車フレームに回転自在に支持した操舵軸により操舵輪を平面内において回動可能に支持し、該操舵輪の操舵軸を、前記ステアリングモータのモータ軸に回転伝達機構を介して連結すると共に、台車フレームに回転自在に支持した計測輪用操舵軸に計測輪を平面内において回動可能、かつ、台車フレームに対して昇降可能に支持し、該計測輪用操舵軸を、ステアリングモータのモータ軸に回転連動機構を介して連結し、計測輪を、操舵輪の操舵に同期して操舵輪の操舵角と同角度に操舵させるようにし、かつ、計測輪にエンコーダを取付け、計測輪の回転数をカウントして走行距離を計測するようにした。
【0011】
また、台車フレームに、ステアリングモータを設置し、台車フレームに回転自在に支持した操舵軸により操舵輪を平面内において回動可能に支持し、該操舵輪の操舵軸を、前記ステアリングモータのモータ軸に回転伝達機構を介して連結すると共に、台車フレームに回転自在に支持した計測輪用操舵軸に計測輪を平面内において回動可能、かつ、台車フレームに対して昇降可能に支持し、該計測輪用操舵軸を、操舵輪の操舵軸に回転連動機構を介して連結し、計測輪を、操舵輪の操舵に同期して操舵輪の操舵角と同角度に操舵させるようにし、かつ、計測輪にエンコーダを取付け、計測輪の回転数をカウントして走行距離を計測するようにした。
【0012】
さらに、計測輪を計測輪用操舵軸に対して上下動可能に支持し、計測輪用操舵軸にバネ受け板を固定し、バネ受け板と計測輪を支持する支持枠との間にバネを挿設して計測輪を走行面に圧着させるようにしたこと。
および、計測輪を支持する計測輪用支持枠に計測輪用操舵軸を固定し、計測輪用操舵軸と回転連動機構とをスプライン嵌合させ、かつ、計測輪用操舵軸を貫通させる軸穴を設けたバネ受け板を台車フレームの底面に固定し、該バネ受け板と計測輪を支持する支持枠との間にバネを挿設して計測輪を走行面に圧着させるようにしたことも特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明による走行距離計測装置の概略を示す要部平面図、図2は同断面図である。
図において、5は台車フレームである。6は台車フレーム5上に設置されたステアリングモータであって、該ステアリングモータ6のモータ軸には歯車7とホィール8が固定されている。
【0014】
9は操舵輪、10は操舵輪9を支持する枠体であって、該支持枠10は、台車フレーム5に回転自在に支持された操舵軸11に固定されている。
したがって、操舵輪9は、操舵軸11の回転により、平面内において回動可能である。12は操舵軸11に固定された歯車であり、前記歯車7とアイドラーを介して噛合している。
【0015】
この実施例において走行モータは、操舵輪9内に保持されたホィールインモータ13が使用されており、操舵輪9はホィールインモータ13を介して支持枠10に支持されている。
【0016】
14は計測輪、15は計測輪14を支持する枠体であって、該計測輪用支持枠15は、台車フレーム5に回転自在に支持された計測輪14の操舵軸16にスプライン嵌合している。
したがって、計測輪14は、計測輪用操舵軸16の回転により、平面内において回動可能であり、また、計測輪用操舵軸16に対して上下動自在に支持されている。この支持方法について以下に説明する。
【0017】
計測輪用操舵軸16には、上部にホィール17が固定され、中間部にバネ受け板18が固定されている。
19はバネ受け板18と計測輪用支持枠15との間に挿設されたバネである。
したがって、計測輪用支持枠15に支持される計測輪14は、バネ19によって走行面に押し当てられる。
【0018】
20は、計測輪用支持枠15の端部に取付けられた計測輪用エンコーダであり、計測輪14の回転数をカウントし、走行距離に換算する。
21は、台車フレーム5に回転自在に取付けられたホィールであって、ステアリングモータ6のモータ軸に取付けられたホィール8との間にタイミングベルト22が巻回されている。
【0019】
23はホィール21と同軸にして、台車フレーム5に回転自在に取付けられたホィールであって、前記計測輪用操舵軸16に固定されたホィール17との間にタイミングベルト24が巻回されている。
したがって、ステアリングモータ6によって回転されるホィール8の回転は、ホィール21、23とタイミングベルト22、24によってホィール17に伝えられ、計測輪用操舵軸16はステアリングモータ6のモータ軸と同方向に回転される。
【0020】
ステアリングモータ6のモータ軸と操舵輪9の操舵軸11との回転連動機構として、歯車機構を使用したが、これに限らずホィールとタイミングベルトによる構成等、他の構成とすることができる。
また、ステアリングモータ6のモータ軸と計測輪用操舵軸16との回転連動機構として、ホィールとタイミングベルトによるものとしたが、これに限らず、歯車機構やラックとピニオンによる構成等も使用し得る。
【0021】
また、ステアリングモータ6のモータ軸を台車フレーム5の底辺部まで延在して支持し、該モータ軸の底辺部近くに歯車を取付け、該歯車に噛合う歯車を設けて、該歯車機構により計測輪用操舵軸16を回転するようにしてもよい。
【0022】
さらに、計測輪14の支持機構についても、計測輪用操舵軸16を計測輪用支持枠15に固定し、計測輪用操舵軸16とホィール17とをスプライン嵌合させる構成とすることもできる。この場合、バネ受け板18は台車フレーム5の底面に固定し、また、軸穴を設けて計測輪用操舵軸16を貫通させるようにする。
【0023】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。図3は本発明の他の実施の形態による走行距離計測装置の概略を示す要部の平面図であり、図4は同断面図である。なお、前述した図1、図2に示した実施の形態と異なる部分について説明し、同一部分については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0024】
16′は計測輪用操舵軸であって、台車フレーム5に同フレームを貫通して、回転自在に支持されている。
26は計測輪用操舵軸16′の上端部に固定されたリンクであり、27は操舵輪の操舵軸11の上端部に固定されたリンクであって、両リンク26と27は連結ロッド28で連結されている。
【0025】
したがって、操舵輪の操舵軸11が回転すれば、リンク27、連結ロッド28、リンク26を介して計測輪用操舵軸16′も操舵軸11と同じ角度だけ回転される。
つまり、この例では、計測輪用操舵軸16′を操舵輪の操舵軸11に回転連結機構を介して連結した構成となっている。
【0026】
なお、回転連結機構として、リンク26、27に代えて夫々ホィールを取り付け、両ホィール間にタイミングベルトを巻回する構成としても同効である。
また、この実施の形態の例においても、リンク26を台車フレーム5に支持し、計測輪用操舵軸16′をリンク26にスプライン嵌合させ、計測輪用支持枠15を計測輪用操舵軸16′に固定する構成とすることもできる。
上述した回転連結機構以外の構成については、ステアリングモータ6の取り付け位置が変わるだけで、図1、図2に示した例と同一である。
【0027】
本発明の構成は以上の通りであって、次にその作用について説明する。
まず、走行モータ13を駆動することによって、操舵輪9を回転させ、台車を走行する。
この台車の走行により、計測輪14も走行回転するので、その回転数がエンコーダ20によってカウントされ、走行距離が計測される。
【0028】
操舵するときは、ステアリングモータ6を回転すると、歯車7、12が回転する。これによって、操舵軸11がステアリングモータ6のモータ軸と同方向に回転され、支持枠10を回転して、操舵輪9を操舵する。
【0029】
このとき、図1、図2の例では計測輪用操舵軸16は、ホィール8、21、23、17とタイミングベルト22、24によって、ステアリングモータ6のモータ軸と同方向に回転される。
また、図3、図4の例では計測輪用操舵軸16′は、リンク27、連結ロッド28、リンク26によって、操舵軸11と同方向に回転される。
【0030】
つまり、何れの場合も計測輪14は、操舵輪9の操舵と同期して同方向に、同角度操舵される。図5にこの状態を示している。(A)はカーブ走行時、(B)は斜行時、(C)は横行時である。もちろん、計測輪14の操舵角が操舵輪9の操舵角と一致するようにホィール径、リンク長さが設定されている。
なお、25は従動輪であって、キャスター輪が使用されている。
【0031】
上述のごとく、計測輪14は操舵輪9の操舵と同期して、同角度に操舵されるし、台車荷重を受けないので、荷重の変動や台車の操舵によって変形することはなく、また、スラスト力も受けない。さらに、バネ19によって走行面に軽く圧着されているので、空回りすることもない。
【0032】
したがって、計測輪用エンコーダ20は、台車の走行距離を正確に検出することになる。しかも、計測輪14は台車の荷重やスラスト力を受けないので、経年変化による摩耗も少なく、長期にわたって正確な走行距離計測が可能である。
【0033】
なお、図5(A)のカーブ走行時のごとく、操舵輪9の前輪と後輪が同角度でない場合は、操舵輪9の操舵軸11の走行半径の中心と、計測輪14の計測輪用操舵軸16の走行半径の中心とが一致しないので、理論上計測輪14に、スラスト力が作用するが、これは極めて微小なスラスト力であり、車輪が変形する等の影響を与えるようなスラスト力ではなく、問題ではない。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、台車の走行距離を計測する計測輪を、操舵輪の操舵に同期して、操舵輪の操舵角と同じ角度に操舵するようにし、また、台車の荷重が掛からないように台車フレームに支持するようにした。
【0035】
このような構成としたので、計測輪は変形したり、スラスト力を受けることもなく、スムーズな走行回転が得られ、台車の走行移動距離を、極めて精度高く計測し得るようになった。また、経年変化による摩耗も少なく、長期にわたって正確な走行距離計測が可能となり、無人搬送車の誘導制御の信頼性が高まった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走行距離計測装置の部分平面図。
【図2】同上断面図。
【図3】他の実施の形態による走行距離計測装置の部分平面図。
【図4】同上断面図。
【図5】本発明の装置による操舵の状態を説明する概略図。
【図6】従来の装置による操舵の状態を説明する概略図。
【符号の説明】
1 台車フレーム 2 操舵輪
3 従動輪 4 計測輪
5 台車フレーム 6 ステアリングモータ
7 歯車 8 ホイール
9 操舵輪 10 支持枠
11 操舵軸 12 歯車
13 走行モータ 14 計測輪
15 計測輪用支持枠 16 計測輪用操舵軸
17 ホィール 18 バネ受け板
19 バネ 20 計測輪用エンコーダ
21 ホィール 22 タイミングベルト
23 ホィール 24 タイミングベルト
25 従動輪 26 回動リンク
27 回動リンク 28 連結ロッド

Claims (4)

  1. 台車フレームに、ステアリングモータを設置し、台車フレームに回転自在に支持した操舵軸により操舵輪を平面内において回動可能に支持し、該操舵輪の操舵軸を、前記ステアリングモータのモータ軸に回転伝達機構を介して連結すると共に、台車フレームに回転自在に支持した計測輪用操舵軸に計測輪を平面内において回動可能、かつ、台車フレームに対して昇降可能に支持し、該計測輪用操舵軸を、ステアリングモータのモータ軸に回転連動機構を介して連結し、計測輪を、操舵輪の操舵に同期して操舵輪の操舵角と同角度に操舵させるようにし、かつ、計測輪にエンコーダを取付け、計測輪の回転数をカウントして走行距離を計測するようにしたことを特徴とする無人搬送車における走行距離計測装置。
  2. 台車フレームに、ステアリングモータを設置し、台車フレームに回転自在に支持した操舵軸により操舵輪を平面内において回動可能に支持し、該操舵輪の操舵軸を、前記ステアリングモータのモータ軸に回転伝達機構を介して連結すると共に、台車フレームに回転自在に支持した計測輪用操舵軸に計測輪を平面内において回動可能、かつ、台車フレームに対して昇降可能に支持し、該計測輪用操舵軸を、操舵輪の操舵軸に回転連動機構を介して連結し、計測輪を、操舵輪の操舵に同期して操舵輪の操舵角と同角度に操舵させるようにし、かつ、計測輪にエンコーダを取付け、計測輪の回転数をカウントして走行距離を計測するようにしたことを特徴とする無人搬送車における走行距離計測装置。
  3. 計測輪を計測輪用操舵軸に対して上下動可能に支持し、計測輪用操舵軸にバネ受け板を固定し、バネ受け板と計測輪を支持する支持枠との間にバネを挿設して計測輪を走行面に圧着させるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の無人搬送車における走行距離計測装置。
  4. 計測輪を支持する支持枠に計測輪用操舵軸を固定し、計測輪用操舵軸と回転連動機構とをスプライン嵌合させ、かつ、計測輪用操舵軸を貫通させる軸穴を設けたバネ受け板を台車フレームの底面に固定し、該バネ受け板と計測輪を支持する支持枠との間にバネを挿設して計測輪を走行面に圧着させるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の無人搬送車における走行距離計測装置。
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