JP3853294B2 - Soi型半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

Soi型半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SOI基板を用いたSOI型半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造では、純度の高い半導体基板が用いられるが、半導体基板にわずかに含まれる重金属の影響により、半導体素子に接合リークが生じたり、ゲート酸化膜の耐圧低下が発生したりする。それゆえ、重金属の存在は、好ましくない。
【0003】
このような重金属汚染に対しては、一般的にゲッタリングを呼ばれる手法を用いて、重金属を捕獲し、重金属を半導体素子から遠ざけることによって、作製される半導体素子の特性に重金属が影響を与えないようにしている。具体的な方法としては、ブラッシュダメージ法がある。この方法は、半導体基板の裏面にブラッシュダメージを与え、このダメージ層により重金属を捕獲するものであり、これにより、重金属が半導体素子の特性に影響を及ぼさないようにしている。
【0004】
しかしながら、SOI基板を用いたSOI型半導体装置を製造する場合、そのような方法を適用することはできない。なぜならば、SOI型半導体装置においては、半導体素子は、埋め込み酸化膜によって半導体基板と分離されたSOI活性層に形成されているからである。つまり、一部の重金属は、埋め込み酸化膜を通過することができないため、半導体基板裏面に形成したダメージ層では重金属汚染を防止することはできない。したがって、SOI型半導体装置に適した重金属のゲッタリング方法の開発が必要となる。
【0005】
このような問題点を解決するSOI型半導体装置のゲッタリング方法は、例えば、特許文献1に開示されている。図18を参照にしながら、従来のSOI型半導体装置について説明する。
【0006】
図18(a)は、従来のSOI型半導体装置のCMOSトランジスタの平面構成を示しており、一方、図18(b)は、図18(a)中のY−Y’線に沿った断面構成を示している。
【0007】
図18(a)および(b)に示した構成では、SOI基板における支持基板としての半導体基板101上に、第1の絶縁膜としてのシリコン酸化膜102を介して、SOI基板の活性層となるn-型半導体層103が積層して形成されている。n-型半導体層103は、シリコン酸化膜102およびシリコン酸化膜105によって、島状に誘電体分離されている。詳細に述べると、埋め込まれたシリコン酸化膜102にまで達する分離溝104をエッチングにより形成した後、分離溝104の側壁部分に絶縁膜としてのシリコン酸化膜105を形成し、さらにポリシリコン層106を埋め込んで、シリコン酸化膜102とシリコン酸化膜105とによってn-型半導体層103を島状に誘電体分離している。
【0008】
このようにして形成された島状のn-型半導体層103の中には、PチャネルMOSトランジスタのNウェルとしてn型半導体層122、NチャネルMOSトランジスタのPウェルとしてp型半導体層123、および、重金属のゲッタリングのための高濃度の不純物拡散領域(p+層)110が形成されている。言い換えると、島状に分離された複数のn-型半導体層103のそれぞれについて、高濃度の不純物拡散領域110が設けられている。また、ゲート酸化膜125aおよび125b、ゲート電極124aおよび124b、PチャネルMOSトランジスタのドレイン領域とソース領域を形成するためのp+型半導体層126aおよび126b、NチャネルMOSトランジスタのドレイン領域およびソース領域となるn+型半導体層127aおよび127bが形成されている。このような構成に、さらに配線が形成されて、CMOSトランジスタが作製される。
【0009】
このCMOSトランジスタにおいて、高濃度の不純物拡散領域110をP型不純物であるボロンで形成し、その表面濃度を1×1018原子/cm3以上で5×1020原子/cm3以下とすると、高濃度の不純物拡散領域110が重金属をゲッタリングし、それにより、接合リークやゲート酸化膜の耐圧低下を防ぐことができる。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−315736号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、捕獲した重金属の周辺に結晶欠陥が生じるため、上記従来のSOI型半導体装置では、高濃度の不純物拡散領域110からPN接合までの距離を充分に離す必要があり、半導体素子単体が大きくなり、結果として半導体チップが大きくなってしまうという課題が存在することを本願発明者は見出した。つまり、上記SOI型半導体装置では、絶縁膜により分離された島内に形成された半導体素子と同じ島内に(または、活性領域の直近に)、高濃度の不純物拡散領域110を形成しているため、半導体素子の寸法が大きくなってしまう。上記公報では、分離領域を形成する分離溝104をまたいで、高濃度の不純物拡散領域110を形成する方法も提案されているが、この場合でも、高濃度の不純物拡散領域110を拡散する時の横広がりにより、半導体素子内までゲッタリング層(不純物拡散領域110)が広がるため、PN接合までの距離を確保する結果として半導体素子単体が大きくなり、半導体チップ全体が大きくなる。
【0012】
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、小型のSOI型半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によるSOI型半導体装置は、絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半導体層とを含むSOI基板と、前記半導体層に形成された能動型の半導体素子とを少なくとも備えたSOI型半導体装置であって、前記能動型の半導体素子は、前記半導体層を島状に分離するための分離領域によって囲まれてなる素子形成領域内に形成されており、前記能動型の半導体素子が形成された前記素子形成領域以外の前記半導体層の一部には、高濃度不純物を含むゲッタリング層が形成されており、かつ、前記能動型の半導体素子が形成された前記素子形成領域内には、前記ゲッタリング層は形成されていない。
【0014】
前記ゲッタリング層における前記高濃度不純物の表面濃度は、1×1018原子/cm3以上であることが好ましい。
【0015】
前記半導体層には、前記能動型の半導体素子が複数形成されており、全ての前記能動型の半導体素子は、前記ゲッタリング層から1.5mm以内の距離に位置していることが好ましい。
【0016】
ある好適な実施形態において、前記素子形成領域には、N型およびP型の少なくとも一方のウェルが形成されており、前記ゲッタリング層の深さは、前記ウェルの深さと比べて実質的に同じまたは深い。
【0017】
ある好適な実施形態では、1つの前記素子形成領域に複数の前記能動型の半導体素子が形成されており、 前記素子形成領域を包囲した前記分離領域の外側に、前記ゲッタリング層が形成されている。
【0018】
ある好適な実施形態では、前記ゲッタリング層は、前記分離領域と離されて配置されている。
【0019】
ある好適な実施形態では、前記SOI基板は、シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成された前記絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されたSOI活性層とから構成されており、前記半導体層は、シリコンからなるSOI活性層であり、前記SOI活性層は、前記能動型の半導体素子としてのトランジスタを少なくとも有しており、前記能動型の半導体素子が形成される領域内には、前記ゲッタリング層は形成されていない。
【0020】
ある好適な実施形態において、前記SOI型半導体装置は、半導体チップであり、前記半導体チップの周辺領域には、低電位側電源配線および高電位側電源配線のうちの少なくとも1つの電源配線が設けられており、前記ゲッタリング層は、前記電源配線の直下に位置する半導体層に形成されている。
【0021】
前記ゲッタリング層と前記電源配線とが電気的に接続されていてもよい。
【0022】
ある好適な実施形態において、前記SOI型半導体装置は、切断されると半導体チップとなる半導体チップ領域を複数含むウェハ状の構成を有しており、前記ウェハ状の構成を有する前記SOI型半導体装置は、隣り合った前記半導体チップ領域の境界部分をスクライブレーンとし、かつ、当該スクライブレーン内の前記半導体層の少なくとも一部に前記ゲッタリング層を有している。
【0023】
ある好適な実施形態において、前記SOI型半導体装置は、半導体チップであり、前記半導体チップの周辺に沿って、複数のボンディングパットが設けられており、前記複数のボンディングパットの少なくとも1つの直下またはその周辺部に、前記ゲッタリング層が設けられている。
【0024】
前記ゲッタリング層は、前記少なくとも1つのボンディングパッドの外縁から30μm以内の領域(当該ボンディングパッド内の領域も含む。)の直下に設ければよい。
【0025】
ある好適な実施形態において、前記SOI型半導体装置は、バス配線、電源配線およびグラウンド配線の少なくとも1つを有しており、前記バス配線、前記電源配線および前記グラウンド配線の少なくとも1つの下に、前記ゲッタリング層が設けられている。
【0026】
ある好適な実施形態において、前記半導体層の上には、絶縁膜を介して、受動型の半導体素子が形成されており、前記ゲッタリング層は、前記受動型の半導体素子の下に位置する前記半導体層に形成されており、前記受動型の半導体素子は、容量および多結晶シリコン抵抗の少なくとも1つである。
【0027】
ある好適な実施形態において、前記SOI型半導体装置は、複数の回路ブロックを有しており、前記複数の回路ブロックのそれぞれは、1辺の長さが3mm以下の寸法を有しており、前記複数の回路ブロックのそれぞれの周辺に前記ゲッタリング層が設けられている。
【0028】
ある好適な実施形態において、前記SOI型半導体装置は、出力トランジスタを有しており、前記出力トランジスタは、1辺の長さが3mm以下となるように複数のブロックに分離されており、前記複数のブロックのそれぞれの周囲に、前記ゲッタリング層が設けられている。
【0029】
ある好適な実施形態において、前記SOI型半導体装置は、大規模ロジック回路を有しており、前記大規模ロジック回路は、1辺の長さが3mm以下となるように複数のブロックに分割して配置されており、前記複数のブロックのそれぞれの周囲に、前記ゲッタリング層が設けられている。
【0030】
本発明による第1のSOI型半導体装置の製造方法は、絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半導体層とを含むSOI基板を用意する工程と、前記半導体層の表面のうち、能動型の半導体素子が形成されることとなる素子形成予定領域を除く部分に選択的に、高濃度不純物を含むゲッタリング層を形成する工程と、前記ゲッタリング層を形成する工程の後または当該工程と同一工程において、前記半導体層に含まれている重金属のゲッタリングを促進するための熱処理を行う工程と、前記熱処理の後、前記素子形成予定領域を島状に分離するように前記半導体層に分離領域を形成する工程と、前記分離領域によって囲まれた前記素子形成予定領域内に、能動型の半導体素子を形成する工程とを包含する。
【0031】
本発明による第2のSOI型半導体装置の製造方法は、半導体から構成されたSOI活性層を含むSOI基板を用意する工程と、前記SOI活性層の表面のうち、能動型の半導体素子が形成されることとなる素子形成予定領域を除く部分に選択的に、高濃度不純物を含むゲッタリング層を形成する工程と、前記ゲッタリング層を形成した後、前記SOI活性層の表面における前記素子形成予定領域に、ウェル形成用の不純物を導入する工程と、導入した前記不純物をドライブインして前記素子形成予定領域にウェルを形成するために、熱処理をする工程と、前記熱処理の後、前記素子形成予定領域を島状に分離するように前記半導体層に分離領域を形成する工程とを包含する。
【0032】
本発明による第3のSOI型半導体装置の製造方法は、半導体から構成されたSOI活性層を含むSOI基板を用意する工程と、前記SOI活性層の表面のうち、能動型の半導体素子が形成されることとなる素子形成予定領域を除く部分に選択的にゲッタリング層を形成するために、高濃度不純物を導入する工程と、前記SOI活性層の表面における前記素子形成予定領域に、ウェル形成用の不純物を導入する工程と、導入した前記不純物をドライブインして前記素子形成予定領域にウェルを形成するとともに、ゲッタリングを促進するために熱処理をする工程と、前記熱処理の後、前記素子形成予定領域を島状に分離するように前記半導体層に分離領域を形成する工程とを包含する。
【0033】
本発明による第4のSOI型半導体装置の製造方法は、絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半導体層とを含むSOI基板を用意する工程と、前記半導体層の表面のうち、能動型の半導体素子が形成されることとなる素子形成予定領域を除く部分に、高濃度不純物を含むゲッタリング層を形成する工程と、前記素子形成予定領域にウェル形成用の不純物を選択的に導入した後、熱処理を行うことにより、ウェルを形成する工程と、前記素子形成予定領域内に前記ゲッタリング層を含まないように、前記半導体層の前記素子形成予定領域を囲む分離領域を形成する工程と、前記素子形成領域に、能動型の半導体素子を形成する工程とを包含する。
【0034】
ある好適な実施形態において、前記ゲッタリング層を形成する工程は、所定領域に開口部を有する酸化膜マスクを前記半導体層上に形成する工程と、前記酸化膜マスクの前記開口部を通じて、前記半導体層に高濃度不純物を導入する工程と、前記高濃度不純物の導入後に、前記酸化膜マスクをエッチングする工程とを含み、前記ゲッタリング層を形成する工程において、前記半導体層の前記所定領域に形成された段差を、以後用いられるマスクの位置合わせための基準として使用する。
【0035】
ある好適な実施形態において、前記ゲッタリング層における前記高濃度不純物の表面濃度は、1×1018原子/cm3以上である。
【0036】
ある好適な実施形態において、用意される前記SOI基板は、切断されると半導体チップとなる半導体チップ領域を複数含むウェハであり、前記半導体チップ領域のそれぞれは、グラウンド配線が設けられる領域、バス配線が設けられる領域、電源配線が設けられる領域、ボンディングパッドが設けられる領域、受動型の半導体素子が設けられる領域からなる群から選択される少なくとも1つの領域と、複数の前記素子形成予定領域とを有しており、前記少なくとも1つの領域における前記半導体層に、前記ゲッタリング層が形成される。
【0037】
ある好適な実施形態において、用意される前記SOI基板は、切断されると半導体チップとなる半導体チップ領域を複数含むウェハであり、隣り合った前記半導体チップ領域の境界部分をスクライブレーンとして、当該スクライブレーン内の前記半導体層に前記ゲッタリング層を形成する。
【0038】
ある好適な実施形態において、用意される前記SOI基板は、切断されると半導体チップとなる半導体チップ領域を複数含むウェハであり、前記半導体チップ領域のそれぞれは、回路ブロックの形成領域を複数有しており、前記各回路ブロック形成領域は、1辺の長さが3mm以下の寸法を有し、当該各回路ブロック形成領域の周囲に位置する前記半導体層に、前記ゲッタリング層が形成される。
【0039】
本発明による他のSOI型半導体装置は、絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半導体層とを含むSOI基板と、前記半導体層に形成された能動型の半導体素子とを少なくとも備えたSOI型半導体装置であって、前記能動型の半導体素子は、前記半導体層を島状に分離するための分離領域によって囲まれてなる素子形成領域内に形成されており、前記能動型の半導体素子が形成された前記素子形成領域以外の前記半導体層の一部には、前記半導体層中の重金属を捕獲するためのゲッタリング層が形成されており、かつ、前記能動型の半導体素子が形成された前記素子形成領域内には、前記ゲッタリング層は形成されていない。
【0040】
前記ゲッタリング層は、前記半導体層中の前記重金属を捕獲可能な格子欠陥を有するダメージ層であってもよい。
【0041】
本発明によると、能動型の半導体素子が形成された素子形成領域内においてゲッタリング層が形成されていないので、小型のSOI型半導体装置を実現することができる。
【0042】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
(実施形態1)
図1および図2を参照しながら、本発明の実施形態1にかかるSOI型半導体装置1000を説明する。図1(a)は、本実施形態のSOI型半導体装置1000に含まれる能動型の半導体素子(CMOSトランジスタ)の構成の要部を模式的に示しており、図1(b)は、図1(a)中のX−X’線に沿った断面構成を模式的に示している。
【0043】
本実施形態のSOI型半導体装置1000は、絶縁膜2と、絶縁膜2上に形成された半導体層3とを含むSOI基板50と、半導体層3に形成された能動型の半導体素子60とを有している。能動型の半導体素子60は、半導体層3を島状に分離するための分離領域4によって囲まれてなる素子形成領域70内に形成されている。能動型の半導体素子60が形成された素子形成領域70以外の半導体層3の一部(80)には、高濃度不純物を含むゲッタリング層9が形成されている。ただし、能動型の半導体素子60が形成された素子形成領域70内には、ゲッタリング層9は形成されていない。このように構成すると、分離領域4を隔てる距離によってゲッタリング層9と半導体素子60との間の距離を充分に確保できる一方、素子形成領域70内にゲッタリング層9が設けられた従来の構成のものと比較して、素子形成領域70の面積を小さくすることができ、その結果、SOI型半導体装置1000全体を小型にすることができる。半導体素子がバイポーラトランジスタである場合は、半導体素子単体毎に素子分離が必要となるため、その効果は顕著である。
【0044】
本実施形態において、半導体層3には、能動型の半導体素子60が複数形成されており、そして、全ての能動型の半導体素子60は、ゲッタリング層9から例えば1.5mm以内の距離に位置している。この距離以内に全ての能動型の半導体素子60を配置させた理由については後述する。図1に示した例では、分離領域4の内側に位置する1つの素子形成領域70に、能動型の半導体素子60が複数個形成されており、そして、分離領域4の外側に、ゲッタリング層9が形成されている。この例においては、素子形成領域70の外縁を画定している分離領域4の周囲を覆うように、その分離領域4の外側に環状のゲッタリング層9が形成されている。なお、素子形成領域70内にゲッタリング層9が位置しないのであれば、ゲッタリング層9は分離領域4に接してもよいし、離して形成してもよい。
【0045】
図1(a)および(b)に示すように、素子形成領域70には、N型およびP型の少なくとも一方のウェル(7、8)が形成されており、ゲッタリング層9の深さは、ウェル(7、8)の深さよりも深くされている。ゲッタリング層9が深いほど、製造プロセス段階で多くの重金属を捕獲できるため、接合リークやゲート酸化膜の耐圧低下をより効果的に防止することができ、その結果、より高性能のSOI型半導体装置を実現することができる。図1(b)では、ゲッタリング層9の外形を模式的に示しているが、実際には、所定の割合で横方向にも拡散して広がるため、ゲッタリング層9を深くするほど、ゲッタリング層9の平面方面および断面の面積は広くなる。集積回路を形成する場合、素子形成領域は数多く設けられるので、素子形成領域内にゲッタリング層9を形成したときにはその面積増大の影響は非常に大きくなるのであるが、本実施形態では、素子形成領域70以外の領域80にゲッタリング層9を形成することにより、その影響を極力小さくすることができ、それゆえに、ゲッタリング層9の面積が広くなったとしても、それに伴って、SOI型半導体装置1000の大きさが必要以上に大きくなることもない。なお、製造方法によっては、ゲッタリング層9の深さを、ウェル(7、8)の深さと比べて実質的に同じにすることも可能である。
【0046】
ここで、図1に示した構成を、図18に示した構成のようにした場合には、図1中の各素子形成領域70ごとに、ゲッタリング層9を設けることになるのであるが、本実施形態のように、素子形成領域70内にゲッタリング層9を設けない構成であっても、十分に重金属をゲッタリングすることは可能であり、この構成により、半導体チップの面積を増加することなく、高いゲッタリング能力を有する小型のSOI型半導体装置1000を実現することができる。このような効果を有する本実施形態の構成は、本願発明者の次のような考えに基づいて完成されたものであり、以下、素子形成領域70内にゲッタリング層9を設けない構成であっても、重金属をゲッタリングできることについて説明する。
【0047】
まず、前提として、重金属は、半導体製造工程中の熱処理によりSOI活性層3中を移動する。すると、全ての半導体素子(または、素子形成領域70)中に、ゲッタリング層(9)を設けなくとも、熱処理により移動する距離よりも近い領域に高濃度のゲッタリング層(9)を設けておけば、重金属のゲッタリングは可能となる。特に、分離領域4を形成する分離溝を形成する前にゲッタリング層(9)を形成すれば、半導体製造工程中の熱処理により重金属が移動する距離まで離してゲッタリング層を設けても、重金属のゲッタリングは可能となる。したがって、全ての半導体素子(または、素子形成領域70)中にゲッタリング層(9)を設ける必要は無く、局所的にゲッタリング層(9)を形成すれば、十分に重金属のゲッタリングは可能となる。
【0048】
また、半導体製造工程中の熱処理によってSOI活性層3中を移動する重金属の移動量は、熱処理温度が高く、熱処理時間が長いほど大きくなるため、ゲッタリング層を半導体製造工程の最大熱処理前に形成しておけば、十分にゲッタリング効果を得ることができる。また、半導体製造工程中の熱処理によりSOI活性層中を移動する重金属の移動量は、熱処理温度、熱処理時間で決まるため、半導体製造工程中の熱処理条件でゲッタリング効果が期待できる離間距離内に配置し、かつ、半導体素子からゲッタリング層までの離間距離を十分に確保することにより、ゲッタリング層を効率良く配置することができる。
【0049】
ゲッタリング層9に含まれる高濃度不純物の表面濃度は、例えば1×1018原子/cm3以上であり、この濃度範囲であれば、ゲッタリング層9が効果的に重金属のゲッタリング機能を発揮することができる。ゲッタリング層9は、素子形成領域70中には形成されていないので、この表面濃度の上限は特に制限されることはない。典型的には、半導体層3内の固溶限界(例えば、約5×1020原子/cm3)が上限となる。ゲッタリング層9中の不純物は、例えば、リンのようなN型不純物であってもよいし、ボロンのようなP型不純物であってもよい。図2を参照しながら、ゲッタリング層9が、重金属をゲッタリングする機構について説明する。
【0050】
まず、図2(a)に示すように、シリコンからなる半導体層3に高濃度の不純物(リン)を導入して拡散させると、図2(b)に示すように、結晶格子にあるシリコン(Si)とリン(P)が置換し、置換されたシリコンにより、重金属(鉄)をゲッタリングすることが可能となる。つまり、格子に配置したシリコン(Si)中にリン(P)を拡散してくると(図2(a))、格子にあるシリコン(Si)とリン(P)とが置換し、格子位置にリン(P)が入り込み、余ったシリコン(Si)が鉄(Fe)を捕獲して、シリサイドとなり、鉄をゲッタリングする(図2(b))。この機構により、ゲッタリング層9を通過する重金属が捕獲され、素子が形成される前の素子形成領域70中における重金属の濃度を低減させることができる。重金属のゲッタリングは、特に高温の熱処理工程と共に顕著に実行されるが、例えば鉄は、高温(1150℃)で処理されるドライブイン処理で1.5mm拡散するため、それゆえ、n+型高濃度ゲッタリング層9を半導体素子から1.5mm以内の領域に形成しておけば、1.5mm以内の鉄はゲッタリング層9にゲッタリングされ、半導体素子60内にほとんど残留しないので、接合リークやゲート酸化膜の耐圧低下を防ぐことができる。
【0051】
本実施形態の構成をさらに詳細に説明すると、次の通りである。SOI基板50における半導体層3は、シリコンからなるSOI活性層であり、そして、SOI基板50は、支持基板としての半導体基板1(例えば、シリコン基板)と、半導体基板1上に形成された絶縁膜(例えば、酸化シリコン膜)2と、絶縁膜2上に形成されたSOI活性層3とから構成されている。このSOI活性層3(素子形成領域70)には、能動型の半導体素子60としてのトランジスタを少なくとも含む半導体集積回路が形成されている。そして、半導体集積回路が形成される領域(70)内には、ゲッタリング層9は形成されていない。
【0052】
なお、図1に示したトランジスタは、MOSトランジスタであるが、これに限定されず、他のトランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ)でもよい。また、素子形成領域70には、能動型の半導体素子として、トランジスタ以外の素子(例えば、サイリスタ)を設けてもよい。もちろん、素子形成領域70中に受動型の半導体素子(例えば、抵抗、コンデンサ)を設けても良い。また、SOI活性層3に半導体集積回路が形成されるので、支持基板としての基板の種類は特に限定されず、シリコン基板以外のものを用いてもよく、場合によっては、基板1を省略することも可能である。
【0053】
図1に示した構成では、SOI基板における支持基板としての半導体基板1上に、第1の絶縁膜としてのシリコン酸化膜2を介して、活性層となるn-型半導体層3が積層して形成されている。SOI基板50において活性層となるn-型半導体層3上には、ゲッタリング層9、PチャネルMOSトランジスタのNウェルとしてn型半導体層7、NチャネルMOSトランジスタのPウェルとしてp型半導体層8が形成されている。また、n-型半導体層3を島状に分離するために、分離溝4が形成されている。分離溝4は、埋め込まれたシリコン酸化膜2に達するまでn-型半導体層3をエッチングすることにより形成されている。分離溝4の側壁部分には、第2の絶縁膜としてのシリコン酸化膜5が形成されており、さらに、シリコン酸化膜5の覆われた分離溝4の中には、ポリシリコン層6が埋め込まれている。このように、n-型半導体層3は、埋め込みシリコン酸化膜2とシリコン酸化膜5とによって島状に誘電体分離されている。
【0054】
さらに、公知のCMOSのトランジスタ構造と同様に、ゲート酸化膜10、ゲート電極11、PチャネルMOSトランジスタのドレイン領域とソース領域を形成するためのp+型半導体層12、NチャネルMOSトランジスタのドレインとソース領域を形成するためのn+型半導体層13が形成されている。実際のデバイスでは、この構造に、さらに配線(不図示)が形成されることになる。本実施形態のSOI型半導体装置に含まれる各層の厚さ等の条件は、重複を避けるため、以下の本実施形態の製造方法の説明において例示することとする。
【0055】
次に、図3から図6を参照しながら、本実施形態にかかるSOI型半導体装置1000の製造方法を説明する。図3(a)から図6(c)は、本実施形態の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0056】
最初に、図3(a)に示すように、SOI基板50を用意する。SOI基板50は、次のようにして形成することが可能である。まず、n-型半導体基板を酸化することによって、0.5〜3μmの酸化膜2を形成した後、酸化膜2を形成した面に支持基板となる半導体基板1を加熱接着する。その後、n-型半導体基板を研磨して、SOI活性層となるn-型半導体層3の厚さが0.5〜30μmのSOI基板50を得る。なお、埋め込み酸化膜2およびn-型半導体層3の厚さは、形成する半導体素子(60)の耐圧や特性に合わせて適宜選択すればよい。
【0057】
次に、図3(b)に示すように、n-型半導体層3の表面を酸化した後、重金属のゲッタリング層としてn+型ゲッタリング層9を形成する領域に位置する酸化膜をレジストマスクを用いてエッチングすることにより、n+型ゲッタリング層9を形成するための酸化膜マスク21を形成する。次いで、酸化膜マスク21の開口した領域に、リンを加速電圧100kev、注入量8×1015原子/cm2でイオン注入する。
【0058】
その後、図3(c)に示すように、酸素を含む雰囲気で熱処理してn+型のゲッタリング層9を形成するととともに、n-型半導体層3上にシリコン段差を形成する。このシリコン段差は、以後の工程のマスク合わせ基準とすることができる。このときに、n+型のゲッタリング層9の表面濃度は、1×1020(原子/cm3)となる。なお、この表面濃度は一例であり、この表面濃度が例えば1×1018(原子/cm3)以上となるように注入量を選定すればよい。また、上述したように、ゲッタリング層9は、半導体素子が形成されることになる領域中に形成されないため、この表面濃度の上限は制限されることはなく、n-型半導体層3内の固溶限界が上限となる。
【0059】
なお、本実施形態では、イオン注入法によってゲッタリング層9を形成しているが、不純物蒸着法を用いてゲッタリング層9を形成してもよい。また、ゲッタリング層9を形成するのにリンを用いているが、ボロン、ヒ素を用いてゲッタリング層9を形成してもよい。
【0060】
本実施形態では、n+型ゲッタリング層9をCMOSトランジスタのウェル形成の熱処理前に形成する。その理由は、ウェル形成の熱処理温度が製造プロセス中において最も高く、それゆえ、熱処理中の重金属の移動度が大きくなり、ゲッタリング層9によるゲッタリング効果を大にすることができるからである。ただし、注意しなければならないのは、分離溝4の側壁酸化膜5を形成した後の熱処理では、一部の重金属は酸化膜5を通過できないため、分離溝4の形成前にゲッタリング層9を形成することが必要である点である。
【0061】
次に、図3(d)に示すように、ウェル形成のためのイオン注入を行う。本実施形態では、まず、PチャネルMOSトランジスタのNウェルとしてのn型半導体層7を形成するために、n-型半導体層3上にレジストマスクを形成してリンをイオン注入し、次いで、レジストマスクを除去した後、NチャネルMOSトランジスタのPウェルとしてのp型半導体層8を形成するため、別のレジストマスクを用いてボロンをイオン注入する。
【0062】
次に、図4(a)に示すように、レジストマスクを除去した後、高温の熱処理を行ってドライブイン処理すると、n型半導体層7およびp型半導体層8のウェハが形成される。この熱処理は、例えば、窒素雰囲気中で1150℃、100分の熱処理である。この熱処理の際に、重金属は、SOI活性層3内を移動し、そして、ゲッタリング層9に到達すると捕獲される。
【0063】
次に、図4(b)に示すように、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとを分離するため、まず、ウェルを形成したn-型半導体層3上に窒化シリコン膜を形成し、次いで、レジストマスクを用いて窒化シリコン膜を局所的にエッチングし、そして、そのレジストマスクを除去した後、熱酸化によりLOCOS酸化膜22を形成する。その後、窒化シリコン膜を除去する。
【0064】
次に、図4(c)に示すように、再度、窒化シリコン膜23を形成した後、レジストマスクを用いて窒化シリコン膜23およびLOCOS酸化膜22を局所的にエッチングし、その後、レジストマスクを除去する。次いで、図4(d)に示すように、窒化シリコン膜23をマスクとして、シリコン層(n-型半導体層)3をエッチングすると、分離溝4が形成される。
【0065】
次に、図5(a)に示すように、n-型半導体層3内に絶縁された島を形成するため、熱酸化により、分離溝4の側面に20nm〜1μmの厚さの側壁酸化膜5を形成する。次いで、図5(b)に示すように、CVD法によりアモルファスシリコンを堆積して、分離溝4内にアモルファスシリコンを埋め込む。埋め込まれたアモルファスシリコンは、その後に行う熱処理の過程でポリシリコン層6に変質していく。
【0066】
次に、図5(c)に示すように、表面に残ったポリシリコン層6の表面層を全面エッチングした後、分離溝4内のポリシリコンの表面を絶縁するため、図5(d)に示すように、表面酸化膜24を形成する。次いで、窒化シリコン23を除去する。このようにして、分離領域(分離溝)が形成される。
【0067】
なお、本実施形態では、分離溝(分離領域)4をLOCOS酸化膜22が存在する箇所に形成しているが、それ以外の箇所に形成しても、同様のゲッタリング効果を得ることができる。また、分離溝側壁4の絶縁膜5として熱酸化膜を用いたが、CVDによる酸化膜を用いても良い。さらに、分離溝埋め込みのために多結晶シリコンを用いたが、CVDによる酸化膜を用いてもよい。
【0068】
次に、図6(a)に示すように、PチャネルMOSトランジスタおよびNチャネルMOSトランジスタが形成される領域の表面を酸化してゲート酸化膜10を形成した後、CVD法によりシリコンを堆積した後、熱処理を行って多結晶シリコン膜を形成する。次いで、レジストマスク(不図示)を用いて多結晶シリコン膜をエッチングし、ゲート電極11を形成する。
【0069】
さらに、図6(b)に示すように、レジストマスクとゲート電極11とLOCOS酸化膜22とをマスクとして、PチャネルMOSトランジスタ領域において、PチャネルMOSトランジスタのドレインとソースを形成するためのp+型半導体層12をイオン注入によって形成する。一方、NチャネルMOSトランジスタ領域において、NチャネルMOSトランジスタのドレインとソースを形成するためのn+型半導体層13をイオン注入によって形成し、その後、熱処理すると、図6(c)のようになる。
【0070】
この後に、配線を形成すると、PチャネルMOSトランジスタおよびNチャネルMOSトランジスタが形成される。このようにして、本実施形態のSOI型半導体装置1000が得られる。
【0071】
本実施形態の製造方法によると、SOI基板50の半導体層3の表面の一部に選択的にゲッタリング層9を形成した後、半導体層3に分離領域4を形成する前に、ウェルを形成するための熱処理を施すと同時にゲッタリングを行う。次いで、半導体層3のうちゲッタリング層9が形成されておらず、かつ、分離領域4によって囲まれた素子形成領域(70)内に、能動型の半導体素子(60)を形成するので、半導体素子における接合リークの防止やゲート酸化膜の耐圧低下の防止を図ることができるとともに、小型のSOI型半導体装置1000を製造することができる。
【0072】
さらに、最初の拡散工程でゲッタリング層9を形成するため、このときに、半導体層3の表面にできる段差を、その後の拡散工程で使用するマスクを位置合わせするための基準マークとすることができる。同じマスク乾板上に基準マーク用とゲッタリング層用のパターンを形成することができ、基準マーク専用のマスク乾板を用いる必要がないため、製造工程を簡略化できるというメリットも得られる。
【0073】
次に、図7および図8を参照しながら、本実施形態のSOI型半導体装置1000の他の製造方法を説明する。図7(a)から図8(c)は、本実施形態の当該他の製造方法を説明するための工程断面図である。この製造方法では、ゲッタリング層9の形成と、ウェル(7、8)の形成を同一工程にて実行する点が特徴である。これにより、製造工程の簡略化を図ることができる。なお、イオン注入の条件等は、上述の製造方法と実質的に同じである。
【0074】
まず、図7(a)に示すように、SOI基板50を用意する。SOI基板50の形成方法は、図3(a)において説明したのと同様である。
【0075】
次に、図7(b)に示すように、重金属のゲッタリング層としてのn+型のゲッタリング層9を形成する領域に、レジストマスク25を用いてリンをイオン注入する。次いで、図7(c)に示すように、PチャネルMOSトランジスタのNウェルとしてのn型半導体層7を形成するために、レジストマスク26を用いてリンをイオン注入する。その後、図7(d)に示すように、レジストマスク26を除去した後、NチャネルMOSトランジスタのPウェルとしてのp型半導体層8を形成するため、レジストマスク27を用いてボロンをイオン注入する。
【0076】
次に、図8(a)に示すように、レジストマスクを除去した後、一括してドライブイン熱処理を行うと、図8(b)に示すように、n+型ゲッタリング層9とn型半導体層7とp型半導体層8とが同時に形成される。この熱処理は、例えば、窒素雰囲気中で1150℃、100分の熱処理である。この熱処理により、重金属はSOI活性層3内を移動し、ゲッタリング機能を有するゲッタリング層9に到達すると捕獲される。
【0077】
次に、図8(c)に示すように、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとを分離するため、LOCOS酸化膜22を形成する。LOCOS酸化膜22の形成は、図4(b)において説明したのと同様である。すなわち、窒化シリコンを形成した後、レジストマスクを用いて窒化シリコンを局所的にエッチングし、レジストマスクを除去した後、熱酸化により、LOCOS酸化膜22を形成し、その後、窒化シリコンを除去する。これ以降の工程は、上述の製造方法と同様であるので省略する。
【0078】
この製造方法によれば、ゲッタリング層9とウェル層(7、8)とを同時に形成することができ、工程を短縮することが可能である。上述の製造方法では、ウェル層(7、8)よりも先にゲッタリング層9を形成したのであるが、この製造方法では、ゲッタリング層9とウェル層(7、8)とを同時に形成するので、両者の深さは、実質的に同程度となる。
【0079】
なお、この手法では、ゲッタリング層9とウェル層(7、8)とを形成するイオン注入が全て完了した後に同時に熱処理するため、これらのイオン注入の順序はどの順序でもよい。
(実施形態2)
次に、図9から図17を参照しながら、本発明による実施形態2にかかるSOI型半導体装置を説明する。
【0080】
本実施形態のSOI型半導体装置は、図18に示した構成と異なり、各素子形成領域70内ごとにゲッタリング層9を設ける必要がないので、設計の自由度が大幅に高まる。つまり、ゲッタリング効果を得る上では、全ての能動型の半導体素子60は、ゲッタリング層9から所定の距離以内(例えば、1.5mm以内)に配置されている条件を満たせば良いため、設計の自由度が上がることになる。それに加えて、SOI型半導体装置を形成する上で、デッドスペースとなる箇所に、例えば、他の部材が位置している領域の下層に該当するn-型半導体層に、ゲッタリング層9を設けることも可能となる。また、電源ライン(電源配線および/またはグラウンド配線)が形成される領域は、比較的大きな面積を必要とすることが多いので、電源ラインの周囲にデッドスペース(空き領域)ができてしまうことが多く、従って、その空き領域に、ゲッタリング層9を設けることも可能である。さらに、抵抗素子が配列される領域中の、抵抗素子が形成されていない部分もデッドスペース(空き領域)となるので、そこにゲッタリング層9を設けることもできる。
【0081】
そのような空き領域にゲッタリング層9を形成した場合、デッドスペースを有効活用することにより、ゲッタリング層9のみで占有される面積の広がりを防ぐことができ、更なる小型化を図ることができる。言い換えると、各素子形成領域70内ごとに少なくとも1つのゲッタリング層9を設けなくて済むだけでも、チップ面積の縮小を図ることができるのに、他の部材が位置している領域と重ねてゲッタリング層9を設けることにより、更なるチップ面積の縮小を実行することができる。つまり、本発明は、半導体チップのレイアウトを視野に入れた場合、さらに効果を奏するものとなる。以下、本発明の実施形態2のSOI型半導体装置を詳述する。
<第1の構成>
図9(a)は、本実施形態にかかるSOI型半導体装置の第1の構成を模式的に示す平面図であり、図10は、図9(a)中のA−A’線における断面構成を模式的に示す図である。
【0082】
図9(a)および図10に示したSOI型半導体装置1100は、半導体チップの構成を有している。半導体チップであるSOI型半導体装置1100の周辺領域には、低電位側電源配線であるグラウンド配線33が設けられており、そして、グラウンド配線33の下に、ゲッタリング層9が設けられている。このSOI型半導体装置1100においては、チップ内のグラウンド電位を安定させるためにチップ周辺にグラウンド配線33(図9(a)中の左ハッチング部分)を設けている。そして、チップ周辺のグラウンド配線33下に、ゲッタリング層9は形成されている。なお、図9では、半導体ウェハ状態のときにおいて、各半導体チップ領域の周辺に位置し、切りしろとなるスクライブレーン(または、スクライブレーンの一部)31も示している。ここで、スクライブレーン31は、グラウンド配線33のさらに外周に位置している。
【0083】
図9(a)に示すように、この構成では、グラウンド配線33の内周に、複数のボンディングパッド32が設けられており、その内側には、回路ブロック34が位置している。回路ブロック34は、例えば、図1に示すようなCMOSトランジスタ60等の複数の半導体素子を含む回路網で構成されている。
【0084】
チップ周辺のグラウンド配線33の下にゲッタリング層9を設けた場合であっても、小さい半導体チップのときには、重金属が熱処理により拡散する距離にゲッタリング層9を配置することができるので、ゲッタリング層9により、十分に重金属をゲッタリングすることができる。また、グラウンド配線33の下に形成しているため、ゲッタリング層9がない場合と同じチップ面積で、接合リークやゲート酸化膜の耐圧低下を防止したSOI型半導体装置1100を実現することが可能となる。なお、上述の構成では、低電位側電源配線であるグラウンド配線33をチップ周辺に設けた例で説明したが、グラウンド配線33に代えて、高電位側電源配線(Vcc配線)を設けて、その下にゲッタリング層9を設けても構わない。
【0085】
また、図10に示すように、ゲッタリング層9とグラウンド配線33とを電気的に接続させるようにすることも可能である。言い換えると、グラウンド配線33の下に形成されたゲッタリング層9にコンタクトを設けてもよい。このようにすると、ゲッタリング層9により、チップのグラウンド電位を安定させることができるという利点が得られる。なお、両者をコンタクトさせずに、単に、グラウンド配線33の下にゲッタリング層9を設けるだけでも、勿論、本実施形態の効果は得られる。
【0086】
グランド配線33は、図9(b)に示すように、半導体チップの周辺領域に配列された複数のボンディングパッド32の内側(例えば、ボンディングパッド32と回路ブロック34との空きスペース)に配置させることも可能であり、その場合には、グランド配線33の下にゲッタリング層9を配置させればよい。また、図9(a)に示したように、ボンディングパッド32の外側にグランド配線33を設けた場合でも、周辺領域に配列された複数のボンディングパッド32の内側(例えば、ボンディングパッド32と回路ブロック34との空きスペース)にゲッタリング層9を配置させることも可能である。ボンディングパッド32の内側にゲッタリング層9を配置させた場合には、ゲッタリング層9と回路ブロック34に位置する領域とが近くなるので、重金属の熱拡散のことを考慮すると、回路ブロック34に位置する領域内の重金属をより効率的に除去することが可能となる。
【0087】
なお、ゲッタリング層9は、図9(a)および(b)に示すように連続的に形成してもよいし、図9(c)に示すように、離散的に形成してもよい。図9(c)では、短冊状の領域9aを配列させて、図9(a)および(b)に示したレベルのゲッタリング層9を構築させている。小領域(9a)のゲッタリング層を形成する用いるメリットは、ゲットスペースに配列させる上での設計や編集が容易になり得ることである。小領域(9a)は、同一形状のものを等間隔に配列させてもよいし、任意の形状のものを任意の間隔に配列させてもよい。ゲッタリング層を離散的に形成する構成は、後述の実施形態にも適用できる。
<第2の構成>
図11は、本実施形態にかかるSOI型半導体装置の第2の構成を模式的に示す平面図である。上記第1の構成では、低電位側電源配線(グラウンド配線)33の下にゲッタリング層9が設けたが、本構成では、スクライブレーン領域(図9中の符号31に相当する箇所)にゲッタリング層9を設けている。以下、さらに説明する。
【0088】
図11に示したSOI型半導体装置1200は、ウェハ状の構成を有しており、スクライブレーン領域31に沿って切断されると半導体チップとなる半導体チップ領域1200−1を複数含むウェハ1200である。
【0089】
スクライブレーン領域31は、半導体チップ領域1200−1の周辺部に設けられた低電位側電源配線33よりも外側に位置し、隣り合った半導体チップ領域1200−1の境界部分に位置しており、ウェハ1200状態で全ての拡散を完了した後、ダイヤモンドカッタ(図示せず)等で切断される切りしろの箇所である。このスクライブレーン領域31は、その大部分がダイヤモンドカッタで切断される際に欠落し、半導体チップ状態では一部分が残るのみである。従って、回路構成に使われる半導体素子や配線等が形成されることはなく、ウェハ1200の状態では一種のデッドスペースとなる箇所でもある。スクライブレーン領域31は、その幅が半導体チップ領域1200−1の1個分当たり約30μm幅であり、隣り合わせた半導体チップ領域の分も含めて約60μm幅である。
【0090】
そして、図11に示したSOI型半導体装置では、そのウェハ1200のスクライブレーン領域31に位置する半導体層にゲッタリング層9を設けている。ゲッタリング層9は、スクライブレーン領域31の全域に設けることを理想とするが、スクライブレーン領域31に設けたゲッタリング層9の一部が欠けても構わない。
【0091】
上記第1の構成と同様に、ゲッタリング層9をスクライブレーン領域31に形成しても、重金属をゲッタリングすることができ、接合リークやゲート酸化膜の耐圧低下を防止した小型のSOI型半導体装置を実現することができる。切りしろであるスクライブレーン31には、回路構成を行うための半導体素子を形成しないので、ゲッタリング層9を形成することによって、チップ面積は増大しない。また、ゲッタリング層9は、デバイス完成後は特に必要ではないので、ウェハからチップへの切断時に削除されても問題はない。
【0092】
なお、ゲッタリング層9の一部が欠けていても、スクライブレーン領域31の大部分に形成されていれば、ほぼ同等の効果がある。従って、スクライブレーン領域31内におけるゲッタリング層9の欠け部分に、プロセスモニター用の半導体素子(図示せず)や、マスクを位置合わせするための合わせマーク(図示せず)等を設けても構わない。もし、このように構成すると、ウェハ1200の状態でプロセスモニター用半導体素子の電気的特性を測定して、回路構成に用いられた半導体素子の電気的特性を間接的に確認することができる。また、合わせマークは、全ての拡散工程を完了すると不要になるため、スクライブレーン領域31に配置しても問題にはならない。そして、その合わせマークをスクライブレーン領域31内に設けた場合は、それ以外の領域に設けた場合と比べて半導体チップ領域の大きさを小さくすることができる。
<第3の構成>
図12は、本実施形態にかかるSOI型半導体装置の第3の構成を模式的に示す平面図である。本構成では、ボンディングパット32の下に、ゲッタリング層9を設けており、この点が上述の構成と異なる。
【0093】
さらに説明すると、図12に示したSOI型半導体装置1300は、半導体チップの構成を有しており、そして、半導体チップ1300には、その周辺に沿って複数のボンディングパッド32が配列されている。
【0094】
ボンディングパッド32は、内部配線で使用される金属と同じもので構成され、SOI基板のSOI活性層上に形成された絶縁膜の更にその上に形成されている。ボンディングパッド32には、半導体チップ1300内に集積化された回路の入力または出力が配線(図示せず)によって接続される。そして、後工程であるワイヤーボンディング工程では、リードフレーム(図示せず)との接続を施すために、金線がボンディングされる。このワイヤーボンディング工程では、熱圧着法や超音波圧着法が用いられ、ボンディングパッド32直下の半導体層にストレスが加えられる。そのストレスが起因してリーク不良となる可能性があるため、通常、ボンディングパッド32直下の半導体層には半導体素子を形成しないことから、直下の半導体層はデッドスペースになっている。また、直下だけでなく、その周辺部もデッドスペースとなっている。この部分もデッドスペースとなるのは、ワイヤボンディング工程のマシーンの精度の問題であり、より詳細に述べると、パッド32の中心を狙ってボンディングしても、ボンディングの位置がパッド32からはみ出すことがあり、それを考慮して、パッド32の周辺部(例えば、パッド外縁から30μm以内)をデッドスペースにしている。
【0095】
そして、本構成では、半導体チップ1300の周辺に沿って配列された複数のボンディングパッド32の直下またはその周辺部の半導体層にゲッタリング層9を設けている。このように構成すると、元々デッドスペースとなっているボンディングパッド32直下またはその周辺部にゲッタリング層9を設けても、チップ面積を増大する要因にはならず、上記第1の構成と同様にゲッタリング効果が得られ、接合リークやゲート酸化膜の耐圧低下を防止した小型のSOI型半導体装置を実現することができる。
<第4の構成>
図13は、本実施形態にかかるSOI型半導体装置の第4の構成を模式的に示す平面図である。本構成では、回路ブロックのそれぞれの周辺にゲッタリング層9が設けられており、この点が上述の構成と異なる。
【0096】
さらに説明すると、図13に示したSOI型半導体装置1400は、複数の回路ブロック34を有しており、各回路ブロック34は、1辺の長さが3mm以下の寸法となるように設計されている。このように設計した上で、回路ブロック34毎に周辺にゲッタリング層9を形成すると、ゲッタリング層9を全ての半導体素子から1.5mm以内の領域に設けることができることができる。したがって、大きいチップを用いた場合でも、半導体素子形成領域の重金属を効果的にゲッタリングすることが可能となる。また、半導体素子毎にゲッタリング層を設ける構成と比較して、はるかにチップ面積を小さくすることができる。
【0097】
本構成は、SOI型半導体装置が、出力トランジスタや大規模ロジック回路を有している場合において特に好適である。その理由は、その出力トランジスタ部分や大規模ロジック回路部分は大きくなることが多いので、その部分の回路ブロックを分割して、本構成のようにすれば、ゲッタリング効果を効果的に得られるとともに、チップ面積の小さくすることができるからである。当該出力トランジスタが大電流出力トランジスタである場合には、分割した大電流出力トランジスタ毎の周辺にゲッタリング層9を形成し、そして、分割された複数の大電流出力トランジスタを並列に動作させるようにすればよい。また、大規模ロジック回路の場合には、分割した大規模ロジック回路毎の周辺にゲッタリング層9を形成し、分割された複数の大規模ロジック回路を互いに配線で接続して、動作させるようにすればよい。
<第5の構成>
図14は、本実施形態にかかるSOI型半導体装置の第5の構成を模式的に示す平面図である。図15、図16および図17は、それぞれ、図14中のA−A’線、B−B’線およびC−C’線に沿った断面図である。本構成では、バス配線、高電位側電源配線および低電位側電源配線の少なくとも1つの下に、および/または、受動型の半導体素子の下にゲッタリング層9が設けられており、この点が上述の構成と異なる。以下、さらに詳述する。
【0098】
図14に示した例では、本構成のSOI型半導体装置1500は、バス配線41、高電位側電源配線39、低電位側電源配線40、および、受動型の半導体素子(例えば、抵抗42、容量43)を有している。
【0099】
また、高電位側電源配線39および低電位側電源配線(グラウンド配線)40は、半導体チップ内に集積化した各回路へ電源供給するための電源配線である。これらの電源配線は、半導体チップ1500のSOI活性層を覆う酸化膜上に形成され、且つ、半導体チップ1500の周辺に沿って配列された複数のボンディングパッド32のうちVdd用ボンディングパッドおよびGND用ボンディングパッドに接続される。
【0100】
本発明では、バス配線41は、1層目のみ、あるいは2層目のみの複数の配線が密集して並行に束ねられた配線のことを意味し、その配線が施された領域直下の半導体層には半導体素子が形成されていないものと定義する。配線本数で言えば、5本以上の配線層を密集して施した配線が対象となる。一般的にバス配線は、ある回路ブロックからその他の1つ又は複数の回路ブロックへと数多くの信号を伝達するために、その信号に合わせた数の配線を束ねて配線され得る。特にCMOSを用いたデジタル回路では、回路ブロック間で複数の信号を相互に交信するために採用されることが多い。そして、バス配線領域における配線は、配線に必要な占有面積をできるだけ小さくするため、配線幅および配線間隔を最小許容寸法で配線する場合が多い。ただし、信号の波形鈍りや、クロストーク等の電気的特性を重視する場合には、必ずしも最小寸法の配線を配線しない。
【0101】
バス配線の下の領域は、そこに半導体素子を形成すると、その半導体素子の電極部が配線の妨げになることから、通常、バス配線の下の領域には、半導体素子は設けられず、それゆえ、その領域はデッドスペースとなる。また、受動型の半導体素子の一種である抵抗42および容量43は、それぞれ、多結晶シリコン抵抗および酸化膜容量であり、半導体チップの酸化膜の上に形成されているので、それらを配置した領域直下の半導体層もデッドスペースとなり得る。
【0102】
図14に示すように、SOI型半導体装置1500のバス配線41、高電位側電源配線39、低電位側電源配線40の下には、ゲッタリング層9が形成されている。なお、これらの配線の全ての下に、ゲッタリング層9を形成しなくとも、いずれか1つの配線の下に形成しても構わない。バス配線41についてのゲッタリング層9は、図17にて再び示すこととする。
【0103】
また、図15に示すように、ゲッタリング層9は、多結晶シリコン抵抗42の下に設けられている。多結晶シリコン抵抗42は、LOCOS酸化膜22上に形成された多結晶シリコン抵抗体42−1を有し、多結晶シリコン抵抗体42−1には、金属電極42−2が接続されている。多結晶シリコン抵抗42は、酸化膜22上に形成されているので、この下に位置する半導体層にゲッタリング層9を設けても、多結晶シリコン抵抗42の特性に影響を及ぼさない。したがって、抵抗42の下を、ゲッタリング層9の形成領域として使用することが可能であり、そして、この領域にゲッタリング層9を形成することにより、チップ面積の増大を防ぐことが可能となる。
【0104】
さらに、図16に示すように、ゲッタリング層9は、酸化膜容量43の下にも設けられている。酸化膜容量43は、酸化膜43’と、下部電極となる多結晶シリコン45と、上部電極となる1層目のアルミニウム配線46とから構成されており、LOCOS酸化膜22上に形成されている。つまり、酸化膜43’は、LOCOS酸化膜22上の下部電極となる多結晶シリコン45上に形成されている。そして、LOCOS酸化膜22の下に、ゲッタリング層9が形成されている。上述した抵抗42と同様に、酸化膜容量43もまた、LOCOS酸化膜22上に形成されているので、酸化膜容量43の下の領域にゲッタリング層9を設けても、酸化膜容量43の特性に影響を及ぼさない。したがって、この領域を、ゲッタリング層の形成領域として用いることが可能であり、それゆえ、チップ面積の増大を防ぐことが可能となる。
【0105】
そして、図17に示すように、ゲッタリング層9は、バス配線41の下にも設けられている。バス配線41は、複数の1層目配線46からなる。そして、これらの配線46と直交する方向の左右に2層目配線47を引き出して、複数の回路ブロックに結線される、逆に2層目配線47でバス配線を構成し、1層目配線で信号を引き出しても構わない。なお、図17中の配線46および47は、アルミニウムからなる配線である。
【0106】
図15および図16で示した素子と同様に、バス配線41もまた酸化膜上に形成されるので、バス配線41の下の領域にゲッタリング層9を設けても、バス配線の特性に影響を及ぼさない。したがって、この領域にゲッタリング層9を設けることが可能であり、それゆえ、チップ面積の増大を防ぐことが可能となる。
【0107】
図14から図16に示したように、本構成によれば、絶縁膜上に形成された受動素子、配線の下にゲッタリング層9を形成しているので、チップ面積を増加させずに、接合リークやゲート酸化膜の耐圧低下を抑制したSOI型半導体装置1500を実現することが可能となる。なお、全ての配線および受動素子の下にゲッタリング層9を形成せずに、それらの一部にゲッタリング層9を形成してもよい。
【0108】
なお、本実施形態の各構成は、相互に組み合わせても良く、例えば、第1の構成と、第2または第3の構成とを組み合わせてよい。また、上記の実施形態1の構成および改変例は、実施形態2の各構成に適用できるものである。
【0109】
また、上述の実施形態では、高濃度不純物を含む半導体層からゲッタリング層9を構築したが、これに限定されず、半導体層中の重金属を捕獲する領域であれば、その領域をゲッタリング層とすることが可能である。例えば、ゲッタリング層は、半導体層中の重金属を捕獲可能な格子欠陥を有するダメージ層から構築することも可能である。このようなダメージ層は、半導体層(例えば、図3(a)中の半導体層3)に、酸素、炭素、シリコン、窒素等のイオンをイオン注入して形成することができる。つまり、半導体層の所定領域へのイオン注入によって、その領域に格子欠陥を生じさせ、その格子欠陥を有するダメージ層を、重金属を捕獲するためのゲッタリング層として利用することができる。
【0110】
以上、本発明の好ましい例について説明したが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の変形が可能である。
【0111】
【発明の効果】
本発明によると、能動型の半導体素子が形成された素子形成領域以外の半導体層の一部にゲッタリング層が形成されており、かつ、能動型の半導体素子が形成された素子形成領域内にゲッタリング層は形成されていないので、小型のSOI型半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明による実施形態1にかかるSOI型半導体装置1000に含まれる能動型の半導体素子(CMOSトランジスタ)の構成の要部を模式的に示す平面図であり、(b)は、(a)中のX−X’線に沿った断面図である。
【図2】(a)および(b)は、ゲッタリング層9が重金属をゲッタリングする機構について説明するための図である。
【図3】(a)から(d)は、実施形態1にかかるSOI型半導体装置1000の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図4】(a)から(d)は、実施形態1にかかるSOI型半導体装置1000の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図5】(a)から(d)は、実施形態1にかかるSOI型半導体装置1000の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図6】(a)から(c)は、実施形態1にかかるSOI型半導体装置1000の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図7】(a)から(d)は、実施形態1にかかるSOI型半導体装置1000の他の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図8】(a)から(c)は、実施形態1にかかるSOI型半導体装置1000の他の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図9】(a)および(b)は、本発明による実施形態2にかかるSOI型半導体装置の第1の構成を模式的に示す平面図である。(c)は、離散的に形成されたゲッタリング層の構成を示す平面図である。
【図10】図9中のA−A’線における断面構成を模式的に示す図である。
【図11】本発明による実施形態2にかかるSOI型半導体装置の第2の構成を模式的に示す平面図である。
【図12】本発明による実施形態2にかかるSOI型半導体装置の第3の構成を模式的に示す平面図である。
【図13】本発明による実施形態2にかかるSOI型半導体装置の第4の構成を模式的に示す平面図である。
【図14】本発明による実施形態2にかかるSOI型半導体装置の第5の構成を模式的に示す平面図である。
【図15】図14中のA−A’線に沿った断面図である。
【図16】図14中のB−B’線に沿った断面図である。
【図17】図14中のC−C’線に沿った断面図である。
【図18】(a)は、従来のSOI型半導体装置のCMOSトランジスタの平面図であり、(b)は、(a)中のY−Y’線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 支持基板としての半導体基板
2 絶縁膜(シリコン酸化膜)
3 半導体層(活性層としてのn--型半導体層)
4 分離溝(分離領域)
5 シリコン酸化膜
6 ポリシリコン膜
7 Nウェルとしてのn-型半導体層
8 Pウェルとしてのp-型半導体層
9 ゲッタリング層
10 ゲート酸化膜
11 ゲート電極
12 PチャネルMOSトランジスタのドレイン・ソース領域
13 NチャネルMOSトランジスタのドレイン・ソース領域
21 酸化膜マスク
22 LOCOS酸化膜
23 窒化シリコン
25、26、27 レジストマスク
31 スクライブレーン
32 ボンディングパッド
33 低電位側電源配線
34 回路ブロック
39 高電位側電源配線
40 低電位側電源配線
41 バス配線(バス配線ブロック)
42 抵抗
43 容量
46 アルミニウム配線
50 SOI基板
60 能動型の半導体素子(CMOSトランジスタ)
1000 SOI型半導体装置
1100、1200、1300、1400、1500 SOI型半導体装置

Claims (10)

  1. 絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半導体層とを含むSOI基板と、
    前記半導体層に形成された能動型の半導体素子と
    を少なくとも備えたSOI型半導体装置であって、
    前記能動型の半導体素子は、前記半導体層を島状に誘電体分離するための前記絶縁膜に達する分離溝からなる分離領域によって囲まれてなる素子形成領域内に形成されており、
    前記素子形成領域には、N型およびP型の少なくとも一方のウェルが形成されており、
    前記能動型の半導体素子が形成された前記素子形成領域以外の前記半導体層の一部には、高濃度の不純物拡散層からなるゲッタリング層が形成されており、かつ、前記能動型の半導体素子が形成された前記素子形成領域内には、前記ゲッタリング層は形成されておらず、
    前記ゲッタリング層の深さは、前記ウェルの深さと比べて同じまたは深い、SOI型半導体装置。
  2. 前記半導体層には、前記能動型の半導体素子が複数形成されており、
    全ての前記能動型の半導体素子は、前記ゲッタリング層から1.5mm以内の距離に位置している、請求項1に記載のSOI型半導体装置。
  3. 前記SOI型半導体装置は、複数の回路ブロックを有しており、
    前記複数の回路ブロックのそれぞれは、1辺の長さが3mm以下の寸法を有しており、
    前記複数の回路ブロックのそれぞれの周辺に前記ゲッタリング層が設けられている、請求項1に記載のSOI型半導体装置。
  4. 前記SOI型半導体装置は、出力トランジスタを有しており、
    前記出力トランジスタは、1辺の長さが3mm以下となるように複数のブロックに分離されており、
    前記複数のブロックのそれぞれの周囲に、前記ゲッタリング層が設けられている、請求項1に記載のSOI型半導体装置。
  5. 前記SOI型半導体装置は、大規模ロジック回路を有しており、
    前記大規模ロジック回路は、1辺の長さが3mm以下となるように複数のブロックに分割して配置されており、
    前記複数のブロックのそれぞれの周囲に、前記ゲッタリング層が設けられている、請求項1に記載のSOI型半導体装置。
  6. 前記ゲッタリング層は、前記分離領域と離されて配置されている、請求項1に記載のSOI型半導体装置。
  7. 絶縁膜上に形成された半導体層で構成されたSOI活性層を含むSOI基板を用意する工程と、
    前記SOI活性層の表面のうち、能動型の半導体素子が形成されることとなる素子形成予定領域を除く部分に選択的に、高濃度不純物を含むゲッタリング層を形成する工程と、
    前記ゲッタリング層を形成した後、前記SOI活性層の表面における前記素子形成予定領域に、ウェル形成用の不純物を導入する工程と、
    導入した前記不純物をドライブインして前記素子形成予定領域にウェルを形成するために、熱処理をする工程と、
    前記熱処理の後、前記素子形成予定領域を島状に誘電体分離するように前記半導体層に前記絶縁膜に達する分離溝からなる分離領域を形成する工程と
    を包含する、SOI型半導体装置の製造方法。
  8. 前記分離領域によって囲まれた前記素子形成予定領域に、前記能動型の半導体素子を形成する工程をさらに含む、請求項7に記載のSOI型半導体装置の製造方法。
  9. 用意される前記SOI基板は、切断されると半導体チップとなる半導体チップ領域を複数含むウェハであり、
    前記半導体チップ領域のそれぞれは、回路ブロックの形成領域を複数有しており、
    前記各回路ブロック形成領域は、1辺の長さが3mm以下の寸法を有し、当該各回路ブロック形成領域の周囲に位置する前記半導体層に、前記ゲッタリング層が形成される、請求項7に記載のSOI型半導体装置の製造方法。
  10. 前記分離領域を形成する工程において、前記ゲッタリング層が前記分離領域と離されて配置されるように当該分離領域を形成する、請求項8に記載のSOI型半導体装置の製造方法。
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