JP3853255B2 - 油圧駆動冷却ファン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建設機械のエンジン室に設けられる冷却ファンに係わり、特に、冷却ファンを油圧駆動する油圧モータを備えた油圧駆動冷却ファン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械、例えば油圧ショベルは、ブーム、アーム、バケット等のフロント装置や上部旋回体を、油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータによって動作させる。これら油圧アクチュエータは、エンジンによって駆動される油圧ポンプからの吐出圧油によって作動される。上部旋回体は、カバーで覆われており、エンジンや油圧ポンプは、カバー内に設けたエンジン室に配置されている。通常、この種の建設機械では、エンジンの冷却を行うために、エンジン室内に設けた冷却ファンを駆動して、カバーに設けた吸気孔から外気を導入し冷却風を生起する。冷却ファンによって生起された冷却風は、エンジン室内に導入された後、例えばラジエータ、オイルクーラ、インタクーラ等の各種熱交換器を通過して冷却し、カバーに設けた排気孔からエンジン室外部に排出される。
【0003】
ここで、冷却ファンとしては、エンジンのクランク軸からの駆動力で回転されるものが用いられる場合もあるが、例えば極めて大きな冷却能力が要求されるいわゆる超大型油圧ショベルや、エンジン室内のスペースが極めて小さくレイアウト上の制約が大きい小型油圧ショベル等においては、エンジンとは切り離して冷却ファン駆動用油圧モータを別途設け、これによってファンを駆動するようになっている。このような従来技術としては、例えば特開2000−161233号公報に記載のものがある。
【0004】
この従来技術においては、エンジンを冷却する冷却風を生起する冷却ファンと、この冷却ファンを駆動するファン用油圧モータと、このファン用油圧モータへの圧油を吐出する第1油圧ポンプと、油圧作業機を駆動する油圧アクチュエータへの圧油を吐出する可変容量型の第2油圧ポンプと、第2油圧ポンプの吐出管路から分岐して第1油圧ポンプの吐出管路へ合流する合流管路に設けた制御弁と、第1油圧ポンプから前記ファン用油圧モータへの圧油供給管路から分岐する管路に設けられ、ラジエータ水温に応じて通過流量を変化させるサーモバルブとを有する油圧駆動冷却ファン装置が開示されている。
【0005】
そして、冷却ファンの風量が不足してラジエータの水温が上昇すると、サーモバルブが閉じてその上流側の制御圧力が上昇して第2油圧ポンプの傾転角(すなわち吐出流量)が増大し、これによって制御弁が開いて第2油圧ポンプからの圧油の一部が第1油圧ポンプからの圧油と合流してファン用油圧モータへ供給され、この結果冷却ファンが高速で回転して冷却風量が増大する。ラジエータの水温が低下すると、サーモバルブが開いて制御圧力が低下し、第2油圧ポンプの吐出流量が減少して制御弁が閉じ、ファン用油圧モータには第1油圧ポンプからの圧油のみが供給されて冷却ファンは低速で回転し冷却風量が減少するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には、以下の課題が存在する。
【0007】
すなわち、上記従来技術では、冷却の過不足に応じて冷却ファンを制御するために、ラジエータ冷却水の温度に応じて開閉動作する高機能なサーモバルブを用いている。このサーモバルブは、精密な電子部品が多数必要となり、コスト高となるとともに、屋外において粉塵等の舞う劣悪な環境下で稼動することの多い建設機械では、信頼性や耐久性を確保することが困難である。
【0008】
本発明の目的は、安価でかつ高い信頼性及び高い耐久性を確保できる油圧駆動ファン冷却装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、エンジンを冷却する冷却風を生起する冷却ファンと、この冷却ファンを駆動するファン用油圧モータと、このファン用油圧モータへの圧油を吐出する第1油圧ポンプとを有する油圧駆動冷却ファン装置において、略一定圧力の油圧源と、この油圧源からの圧油供給管路に設けられ、圧油の粘性に応じた通過流量特性が互いに異なる2つの絞り手段と、これら2つの絞り手段の間の圧力を用いて、前記ファン用油圧モータの回転数を制御する回転数制御手段とを有する。
【0010】
本発明においては、略一定圧力の油圧源からの圧油は圧油供給管路に導かれ、2つの絞り手段にてそれぞれ絞られる。このとき、これら2つの絞り手段の圧油粘性−流量特性が異なることにより、圧油供給管路に配置されたこれら2つの絞り手段に同一流量の圧油が流れるために、これら絞り手段の間には、当該圧油の粘度に応じた圧力が生じる。
【0011】
例えば上流側の絞り手段が粘性依存性が大きく下流側の絞り手段が粘性依存性が小さい場合、下流側の絞り手段は圧油が比較的高温で粘度が小さくても圧油が比較的低温で粘度が大きくてもほぼ同じくらいの通過流量特性となる。これに対し、上流側の絞り手段は圧油が比較的高温となって粘度が小さくなると通過流量が増大する特性となるため、上流側絞り手段と下流側絞り手段で同一の流量とするためには上流側絞り手段の前後差圧を低下させ下流側絞り手段の前後差圧を上昇させなければならないため、2つの絞り手段の間の圧力が増大する。また例えば上流側の絞り手段が粘性依存性が小さく下流側の絞り手段が粘性依存性が大きい場合は、上記と逆で、下流側の絞り手段は圧油が比較的高温となって粘度が小さくなると通過流量が増大する特性となるため、上流側絞り手段の前後差圧を上昇させ下流側絞り手段の前後差圧を低下させなければならず、2つの絞り手段の間の圧力が低下する。このようにして2つの絞り手段の間において圧油温度に応じて圧力を発生させ、この圧力を用いて、回転数制御手段でファン用油圧モータの回転数を制御する。
【0012】
本発明は、以上のようにして、冷却の過不足を圧油の温度として検出するとともにこれを2つの絞り手段の間の制御圧力に変換してファンの駆動回転数を制御する。このように油圧回路のみで構成されたシステムとできることにより、高機能なサーモバルブを用いる従来構造と異なり、安価にシステムを構成でき、また高い信頼性及び高い耐久性を確保することができる。
【0013】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記2つの絞り手段のうち一方はチョーク手段であり、他方はオリフィス手段である。
【0014】
(3)上記(1)において、また好ましくは、油圧作業機を駆動する油圧アクチュエータへの圧油を吐出する可変容量型の第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプの吐出圧及び前記第2油圧ポンプの吐出圧に応じて前記第2油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御手段とをさらに有する。
【0015】
(4)上記(1)において、また好ましくは、前記回転数制御手段は、前記2つの絞り手段の間の圧力の値に応じ、前記ファン用油圧モータへ供給する流量を制御する流量制御手段である。
【0016】
(5)上記(4)において、さらに好ましくは、前記流量制御手段は、前記第1油圧ポンプの吐出管路から前記ファン用油圧モータへの油圧管路から分岐して設けた管路のブリードオフ流量を制御する油圧制御弁である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
本発明の第1実施形態を図1〜図3により説明する。
図1は、本発明の油圧駆動冷却ファン装置の一実施形態を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。
【0019】
図1において、図示しない油圧作業機を駆動する油圧アクチュエータ(例えば図1中では油圧シリンダにて図示)1と、エンジン(原動機)2と、このエンジン2により駆動され油圧アクチュエータ1への圧油を吐出する可変容量型のメインポンプ3と、このメインポンプ3の吐出圧に応じてメインポンプ3の吐出流量を制御する斜板制御シリンダ4と、メインポンプ3から油圧アクチュエータ1への圧油の流れを制御するパイロット操作式のコントロールバルブ5と、このコントロールバルブ5を切り換え操作するための油圧パイロット操作式の操作レバー装置6と、略一定圧力の油圧源としての固定容量型のパイロットポンプ7と、このパイロットポンプ7に接続され操作レバー装置6へパイロット元圧を供給するためのパイロット管路8と、このパイロット管路8から分岐されたパイロット管路9に設けたチョーク10と、このチョーク10の下流側に圧力検出管路11を介して設けたオリフィス12と、パイロットポンプ7の吐出圧の最大値を規定するリリーフ弁13と、例えば油圧作業機を備えた建設機械のエンジン室内に設けられたオイルクーラ14、ラジエータ15、及びエンジン2等を冷却する冷却風を生起する冷却ファン16と、この冷却ファン16を駆動するファン用油圧モータ17と、エンジン2に駆動されファン用油圧モータ17への圧油を吐出管路18を介して吐出するファン用ポンプ19と、吐出管路18から分岐されたバイパス管路20のブリードオフ流量を制御するブリードオフ弁21と、ファン用ポンプ19の吐出圧の最大値を規定するリリーフ弁22とが設けられている。
【0020】
操作レバー装置6は、操作レバー6aと、その操作量に応じてパイロットポンプ7からパイロット管路8を介しての吐出圧(1次パイロット圧)を減圧した操作パイロット圧(2次パイロット圧)を出力する減圧弁6b,6cとを備えている。そして、操作レバー装置6の操作レバー6aを図1中矢印A側(又はその反対側、以下かっこ内対応関係同じ)に操作すると、その操作量に応じて減圧弁6b(又は6c)で生成した操作パイロット圧をコントロールバルブ5の操作パイロット部5a(又は5b)へ出力するようになっている。これによって、コントロールバルブ5を切換位置5A(又は5B)に切り換え、メインポンプ3からの圧油を油圧アクチュエータ1に導くようになっている。
【0021】
可変容量型のメインポンプ3は、例えば斜板3aの傾転角(押しのけ容積)を変えることによりその1回転あたりの吐出量(容量)を調整する斜板ポンプであり、斜板3aの傾転角は斜板制御シリンダ4により制御されている。
【0022】
斜板制御シリンダ4は、吐出管路23のメインポンプ3の吐出圧を管路24を介し導くボトム側(図1中上側)油圧室4aと、管路25を介しタンク26に接続されるロッド側(図1中下側)油圧室4bと、メインポンプ3の基準トルクを設定するためのバネ4cと、このバネ4cの付勢力及びその受圧面積のバランスにより駆動されるピストン4dとを備えている。そして、ボトム側油圧室4aに導かれるメインポンプ3の吐出圧がバネ4cによって設定された基準トルクに対応する吐出圧より低いときは、ピストン4dが図1中上方に駆動されて、メインポンプ3の斜板3aの傾転角すなわちポンプ傾転が増大して、メインポンプ3の吐出量を増大させる。また、逆にボトム側油圧室4aに導かれるメインポンプ3の吐出圧が上記基準トルクに対応する吐出圧より高いときは、ピストン4dが図1中下方に駆動されて、メインポンプ3の斜板3aの傾転角すなわちポンプ傾転が減少し、メインポンプ3の吐出量を低減させる。
【0023】
ここで、本実施形態の大きな特徴として、上記したパイロット管路9に設けたチョーク10及びオリフィス12による圧油の通過流量特性の違いにより、これらチョーク10とオリフィス12との間に設けた圧力検出管路11において圧油の油温tに応じた圧力Paが生成されている。その詳細について説明する。
【0024】
チョーク10はその開口面積に比べて流路が比較的長くなっており、その通過流量Q1は式(1)に示すように圧油の粘性の影響を受ける特性となる。
【0025】
Q1=K(P0−P1)/μ (1)
P0:チョーク入口側圧力、P1:チョーク出口側圧力、
K:比例定数(開口面積、流路長さ等により決まる定数)、
μ:圧油の粘度
但し、本実施形態では、チョーク10の入口側圧力P0はパイロットポンプ7の吐出圧となり一定圧である。
【0026】
オリフィス12はその開口面積に比べて流路が短くなっており、その通過流量Q2は式(2)に示すように粘性の影響をほとんど受けない特性である。
【0027】
【数1】
【0028】
P2:オリフィス入口側圧力、P3:オリフィス出口側圧力
J:比例定数(開口面積等により決まる定数)
但し、本実施形態では、オリフィス12下流側はタンク23に接続されており、出口側圧力P3はタンク圧となり一定圧である。
【0029】
本実施形態においては、上記したようにチョーク10下流側に圧力検出管路11を介してオリフィス12を直列に配置していることから、チョーク10の通過流量Q1及びオリフィス12の通過流量Q2は等しくなり(Q1=Q2)、またチョーク10の出口側圧力P1及びオリフィス12の入口側圧力P2は等しくて圧力検出管路11の圧力Paである(すなわちP1=P2=Pa)。よって、式(1)(2)より圧力検出管路11内の圧油の粘度μと圧力Paとの関係が算出され、また粘度μは温度tに依存するので、圧力検出管路11内の圧油の温度tと圧力Paとの関係が導き出される。すなわち、圧力検出管路11の圧力Paは圧油の温度tに応じた値となる。
【0030】
なお、圧油供給管路8,9及び圧力検出管路11内は常に圧油の流れが生じており、圧力検出管路11内の圧油の温度tは油圧回路全体の温度とみなせる。
【0031】
このようにして生成された圧力検出管路11内の圧力Paがブリードオフ弁21の操作パイロット部21aに出力され、ブリードオフ弁21は圧力Paに応じてブリードオフ開口面積を操作して、バイパス管路20内の流量を制御するようになっている。この結果、ファン用ポンプ19から吐出管路18を介したファン用油圧モータ17への圧油流量が制御されて、ファン用油圧モータ17及び冷却ファン16の回転数Nを制御するようになっている。
【0032】
なお、以上において、ファン用油圧ポンプ19は請求項1記載の第1油圧ポンプを構成し、メインポンプ3は請求項3記載の第2油圧ポンプを構成する。また、パイロットポンプ7は略一定圧力の油圧源を構成し、パイロット管路9は油圧源からの圧力供給管路を構成する。また、斜板制御シリンダ4は、第2油圧ポンプの吐出圧に応じて第2油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御手段を構成する。
【0033】
また、吐出管路18は第1油圧ポンプからファン用油圧モータへの油圧管路を構成し、バイパス管路20は第1油圧ポンプからファン用油圧モータへの油圧管路から分岐して設けた管路を構成し、ブリードオフ弁21は第1油圧ポンプからファン用油圧モータへの油圧管路から分岐して設けた管路のブリードオフ流量を制御する油圧制御弁を構成する。
【0034】
次に、本実施形態の動作及び作用効果を以下に説明する。
【0035】
例えば建設機械の油圧作業機を駆動して掘削積み込み作業等を行うために、操作者がパイロット操作式の操作レバー装置6を操作すると、操作レバー装置6の減圧弁6b,6cからその操作量に応じた操作パイロット圧をコントロールバルブ5の操作パイロット部5a,5bに出力する。これによってコントロールバルブ5が切り換えられ、エンジン2により駆動する油圧ポンプ3からの吐出油によりアクチュエータ1が駆動される。
【0036】
一方このとき、エンジン2の駆動とともにファン用ポンプ19が駆動され、このファン用ポンプ19からの吐出油によりファン用油圧モータ17を駆動し、これによって冷却ファン16が回転駆動して冷却風を生起して、エンジン室内に備えられたラジエータ14、オイルクーラ15、及びエンジン2等を冷却する。
【0037】
ここで、本実施形態においては、略一定圧力のパイロットポンプ7からの圧油がパイロット管路8,9に導かれ、チョーク10、圧力検出管路11、オリフィス12の順で介してタンク26に導かれる。このとき、これらチョーク10及びオリフィス12による圧油の流量特性の違いにより、これらチョーク10とオリフィス12との間に設けた圧力検出管路11において圧油の油温tに応じた圧力Paが生じる。このことを図2及び図3を用いて説明する。
【0038】
図2は、圧油の油温tと圧力検出管路11の圧力Paとの関係を表す特性図である。横軸は圧油の油温tを、縦軸は圧力検出管路11の圧力Paをとって表している。図3は、圧力検出管路11の圧力Paと冷却ファン16の回転数Nとの関係を表す特性図である。横軸は圧力検出管路11の圧力Paを、縦軸は冷却ファン16の回転数Nをとって表している。
【0039】
例えば上述した作業の開始直後は、圧油の油温tが低く粘度μが大きいため、オリフィス12は粘性の影響をほとんど受けないのに対して、粘性の影響を受けるチョーク10は通過流量Q1が少なくなるような特性となる。しかしながら、チョーク10及びオリフィス12は直列に配置されており、これらの通過流量Q1と通過流量Q2は等しくなくてはならないため、これを実現するためにチョーク10側の前後差圧(P0−Pa)が大きくなり、オリフィス12側の前後差圧(Pa−Pa)が小さくなる。この結果、図2に示すように、圧力検出管路11内の圧力Paは比較的低くなる。これにより、ブリードオフ弁21はバネ21bの付勢力でブリードオフ位置21Bに切り換えられ、ファン用油圧ポンプ19からの圧油の一部をバイパス管路20及び絞り21Baを介してタンク26に導く。この結果、ファン用油圧ポンプ19から吐出管路18を介したファン用油圧モータ17への圧油流量が少なくなり、図3に示すようにファン用油圧モータ17及び冷却ファン16の回転数Nは低くなる。
【0040】
一方、作業の進展とともに圧油の温度tが高くなって粘度μが小さくなるにつれて、チョーク10は通過流量Q1が多くなるような特性となるため、チョーク10の通過流量Q1とオリフィス12の通過流量Q2とを等しくするためのチョーク10側の前後差圧(P0−Pa)が小さくなり、これに伴ってオリフィス12側の前後差圧(Pa−Pa)が大きくなる。この結果、図2に示すように圧力検出管路11内の圧力Paは指数関数的に高くなる。これにより、ブリードオフ弁21は遮断位置21Aに切り換えられ、バイパス管路20を遮断する。この結果、ファン用油圧ポンプ19から吐出管路18を介したファン用油圧モータ17への圧油流量が多くなり、図3に示すようにファン用油圧モータ17及び冷却ファン16の回転数Nは高くなる。
【0041】
以上のようにして、本実施形態では、オイルクーラ14を冷却する冷却ファン16の冷却風量の過不足を圧油の油温tとして検出するとともに、圧油の油温tをチョーク10下流側とオリフィス12上流側の間に設けた圧力検出管路11における圧力Paに変換し、この圧力Paに応じて冷却ファン16の駆動回転数Nを制御する。これにより、オイルクーラ14を過不足なく最適に冷却することができる。
【0042】
なお、一般的に建設機械において、オイルクーラ14の油温tと大気温との温度差ΔTaは、ラジエータ15の冷却水温度と大気温との温度差ΔTbと同じ値若しくはそれ以上(ΔTa≧ΔTb)となるように、オイルクーラ14及びラジエータ15の容量が設定されている。これにより、本実施形態のように、圧油の油温tに応じてオイルクーラ14を冷却する必要風量を確保できるように冷却ファン16の回転数Nを制御することで、ラジエータ15も過不足なく最適に冷却することができる。
【0043】
以上のようにして油圧回路のみで構成された冷却システムとできることにより、従来構造のように高機能なサーモバルブ等を用いることなく、安価にシステムを構成でき、また高い信頼性及び高い耐久性を確保することができる。
【0044】
また、本実施形態では、ファン用油圧モータ17へ圧油を吐出する専用のファン用ポンプ19を設け、冷却ファン16の駆動を必要な回転数Nに制御しているので、従来構造の冷却ファン駆動の場合(例えば冷却ファンをエンジン2のクランク軸を介して駆動させたり、メインポンプ3等からの吐出圧油で駆動させたりする場合)と異なり、油圧作業機を駆動するような掘削積み込み作業時等においても冷却ファン16の不要な回転駆動を抑え、またオイルクーラ14の圧油を過冷却して粘性が高くなることで油圧駆動装置のエネルギー効率が低下することを防ぐことができる。
【0045】
本発明の第2実施形態を図4〜図6により説明する。本実施形態は、ファン用ポンプ19の入力トルクに応じてメインポンプ3の入力トルクを制御するいわゆるパワーシフト制御を行う実施形態である。
【0046】
図4は、本実施形態による油圧駆動冷却ファン装置を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。図4において上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0047】
本実施形態において、ファン用ポンプ19の吐出圧Pxに応じてメインポンプ3の吐出流量を制御する斜板制御シリンダ27が追設されている。この斜板制御シリンダ27は、上記斜板制御シリンダ4同様、ファン用ポンプ19の吐出管路18の吐出圧Pxを管路28を介し導くボトム側(図4中上側)油圧室27aと、管路25を介しタンク26に接続されるロッド側(図4中下側)油圧室27bと、ファン用ポンプ19の吐出圧Pxに応じてメインポンプ3の増減トルクを設定するためのバネ27cと、このバネ27cの付勢力及びその受圧面積のバランスにより駆動されるピストン27dとを備えている。そして、ボトム側油圧室27aに導かれるファン用ポンプ19の吐出圧Pxがバネ27cによって設定された所定の吐出圧より低いときは、ピストン27dが図4中上方に駆動されて、メインポンプ3の斜板3aの傾転角すなわちポンプ傾転が増大して、メインポンプ3の吐出量を増大させる。また、逆にボトム側油圧室27aに導かれるファン用ポンプ19の吐出圧Pxがバネ27cによって設定された所定の吐出圧より高いときは、ピストン27dが図4中下方に駆動されて、メインポンプ3の斜板3aの傾転角すなわちポンプ傾転が減少し、メインポンプ3の吐出量を低減させる。この結果、上述した斜板制御シリンダ4の機能と合わせ、ファン用ポンプ19の吐出圧Pxすなわちファン用ポンプ19の入力トルクに応じて、メインポンプ3の吐出流量すなわちメインポンプ3の入力トルク制限値を制御するようになっている。
【0048】
なお、上記において、斜板制御シリンダ27は、請求項3記載の第1油圧ポンプの吐出圧に応じて第2油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御手段を構成する。
【0049】
以上のように構成した本実施形態によれば、上記した本発明の一実施形態と同様、安価にシステムを構成でき、高い信頼性及び高い耐久性を確保することができる。
【0050】
また、本実施形態の斜板制御シリンダ27においては、ファン用ポンプ19の吐出圧Pxすなわちファン用ポンプ19の入力トルクに応じて、メインポンプ3の吐出流量すなわちメインポンプ3の入力トルク制限値を制御する。詳細には、例えば、図5に示す状態Aのようにファン用ポンプ19の吐出圧Pxが低圧でその入力トルクが比較的小さい場合は、斜板制御シリンダ27によりメインポンプ3の入力トルク制限値を比較的高い値に設定してメインポンプ3側により多くのトルクを分配するようにし、図6に示す高流量側の特性線に基づき、斜板制御シリンダ4によりメインポンプ3の吐出圧に応じてメインポンプ3の吐出流量を制御する。また、図5に示す状態Bのようにファン用ポンプ19の吐出圧Pxが高圧でその入力トルクが比較的大きい場合は、斜板制御シリンダ27によりメインポンプ3の入力トルク制限値を比較的低い値に設定してファン用ポンプ19側に分配される入力トルクを増大させ、図6に示す低流量側の特性線に基づき、斜板制御シリンダ4によりメインポンプ3の吐出圧に応じてメインポンプ3の吐出流量を制御する。
【0051】
このように、メインポンプ3及びファン用ポンプ19の入力トルクを合わせた入力トルクの最大値を制限するように制御を行うことにより、エンジン2に過負荷がかかりエンスト等が発生するのを防止しつつ、入力トルクを最適に分配してエネルギの有効活用を図ることができる。
【0052】
本発明の第3実施形態を図7〜図9により説明する。本実施形態は、前述の第2実施形態においてチョークとオリフィスの位置を入れ替えた実施形態である。
【0053】
図7は、本実施形態による油圧駆動冷却ファン装置を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。図7において上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0054】
この図7において、本実施形態では、パイロット管路9に設けたオリフィス12の下流側に圧力検出管路11を介してチョーク10が設けられており、バイパス管路20にはブリードオフ流量を制御するブリードオフ弁29が設けられている。本実施形態の圧力検出管路11においても、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様、チョーク10及びオリフィス12による圧油の流量特性の違いにより、圧油の油温tに応じた圧力Pbが生じる。その詳細について説明する。
【0055】
まず、オリフィス12及びチョーク10は直列に配置されているので、オリフィス12の通過流量Q2及びチョーク10の通過流量Q1は等しくなる(Q2=Q1)。また、オリフィス12の出口側圧力P3及びチョーク10の入口側圧力P0は等しくて圧力検出管路11の圧力Pbであり(すなわちP3=P0=Pb)、オリフィス12の入口側圧力P2はパイロットポンプ7の吐出圧となり一定圧であり、チョーク10下流側はタンク26に接続されて出口側圧力P1はタンク圧となり一定圧である。よって、先に述べた式(1)(2)より圧力検出管路11内の圧油の粘度μと圧力Pbとの関係が算出され、また粘度μは温度tに依存するので、圧力検出管路11内の圧油の温度tと圧力Pbとの関係が導き出される。すなわち、圧力検出管路11の圧力Pbは、圧油の温度tに応じた値となる。
【0056】
このようにして生成された圧力検出管路11内の圧力Pbがブリードオフ弁29の操作パイロット部29aに出力され、ブリードオフ弁29は圧力Pbに応じてブリードオフ開口面積を操作して、バイパス管路20内の流量を制御するようになっている。この結果、ファン用ポンプ19から吐出管路18を介したファン用油圧モータ17への圧油流量が制御されて、ファン用油圧モータ17及び冷却ファン16の回転数Nを制御するようになっている。
【0057】
なお、上記において、ブリードオフ弁29は、請求項5記載の第1油圧ポンプからファン用油圧モータへの油圧管路から分岐して設けた管路のブリードオフ流量を制御する油圧制御弁を構成する。
【0058】
次に、本実施形態の作用・効果を図8及び図9を用いて説明する。
図8は、圧油の油温tと圧力検出管路11の圧力Pbとの関係を表す特性図である。横軸は圧油の油温tを、縦軸は圧力検出管路11の圧力Pbをとって表している。図9は、圧力検出管路11の圧力Pbと冷却ファン16の回転数Nとの関係を表す特性図である。横軸は圧力検出管路11の圧力Pbを、縦軸は冷却ファン16の回転数Nをとって表している。これら図8及び図9は第1実施形態における図2及び図3にそれぞれ対応する図であり、図示のように、それぞれ図2及び図3とちょうど逆の特性となっている。
【0059】
すなわち、例えば油圧作業機を駆動させる作業の開始直後は、圧油の油温tが低く粘度μが大きいので、チョーク10は通過流量Q1が少なくなるような特性となるため、チョーク10の通過流量Q1とオリフィス12の通過流量Q2とを等しくするためのチョーク10側の前後差圧(Pb−P1)が大きくなり、オリフィス12側の前後差圧(P2−Pb)が小さくなる。この結果、図8に示すように、圧力検出管路11内の圧力Pbは比較的高くなる。これにより、ブリードオフ弁29はブリードオフ位置29Bに切り換えられ、ファン用油圧ポンプ19からの圧油の一部をバイパス管路20及び絞り29Baを介してタンク26に導く。この結果、ファン用油圧ポンプ19から吐出管路18を介したファン用油圧モータ17への圧油流量が少なくなり、図9に示すようにファン用油圧モータ17及び冷却ファン16の回転数Nは低くなる。
【0060】
一方、圧油の温度tが高くなって粘度μが小さくなるにつれて、チョーク10は通過流量Q1が多くなるような特性となるため、オリフィス12の通過流量Q2とチョーク10の通過流量Q1とを等しくするためのチョーク10側の前後差圧(Pb−P1)が小さくなり、これに伴ってオリフィス12側の前後差圧(P2−Pb)が大きくなる。この結果、図8に示すように圧力検出管路11内の圧力Pbは指数関数的に低くなる。これにより、ブリードオフ弁29はバネ29bの付勢力で遮断位置29Aに切り換えられ、バイパス管路20を遮断する。この結果、ファン用油圧ポンプ19から吐出管路18を介したファン用油圧モータ17への圧油流量が多くなり、図9に示すようにファン用油圧モータ17及び冷却ファン16の回転数Nは高くなる。
【0061】
このようにして、本実施形態は、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様、オイルクーラ14を冷却する冷却ファン16の冷却風量の過不足を圧油の油温tとして検出するとともに、圧油の油温tをオリフィス12下流側とチョーク10上流側との間に設けた圧力検出管路11における圧力Pbに変換し、この圧力Pbに応じて冷却ファン16の駆動回転数Nを制御する。これにより、オイルクーラ14及びラジエータ15を過不足なく最適に冷却することができる。
【0062】
以上のように構成した本実施形態によっても、油圧回路のみで構成された冷却システムとできることにより、安価にシステムを構成でき、また高い信頼性及び高い耐久性を確保することができる。
【0063】
なお、上記第1〜第3実施形態において、ブリードオフ弁21,29は、それぞれバネ21b,29bを備えており、これらバネ21b,29bの付勢力とパイロット操作部21a,29aの圧力Pa,Pbとのバランスによりそれぞれ切り換えられるような構造を例にとり説明したが、これに限らない。すなわち、例えば図10に示すブリードオフ弁29’のように、バネ29bの代わりに、絞り30aを設けた管路30を介してパイロットポンプ7のパイロット管路9の吐出圧を減圧した基準圧を導くパイロット操作部29cを備え、前記基準圧とパイロット操作部29aの圧力Pbとの圧力差により切り換えられるような構造としてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0064】
本発明の第4実施形態を図11により説明する。本実施形態は、ファン用ポンプ19からファン用油圧モータ17へ供給される流量を直接制御する実施形態である。
【0065】
図11は、本実施形態による油圧駆動冷却ファン装置を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。図11において上記第1〜第3実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0066】
この図11において、本実施形態では、ファン用ポンプ19から吐出管路18を介しファン用油圧モータ17への圧油供給配管18aに、圧力検出管路11の圧力Pbに応じて開閉し流量を制御する油圧制御弁31が設けられている。この油圧制御弁31は、操作パイロット部31aに入力された圧力検出管路11の圧力Pbに応じて開口面積が操作され、ファン用ポンプ19から吐出管路18及び圧油供給配管18aを介したファン用油圧モータ17への圧油流量を制御して、ファン用油圧モータ17及び冷却ファン16の回転数Nを制御するようになっている。
【0067】
なお、上記において、油圧制御弁31は、請求項4記載のファン用油圧モータへ供給する流量を制御する流量制御手段を構成する。
【0068】
本実施形態においては、圧力検出管路11の圧力Pbが比較的高い場合(言い換えれば圧油の油温tが低く粘度μが大きい場合、前述の図8参照)、油圧制御弁31は遮断位置31Aに切り換えられ、ファン用油圧モータ17への圧油供給配管18aを遮断するので、冷却ファン16が回転駆動されない。また、逆に圧力検出管路11の圧力Pbが低くなるにつれて(言い換えれば圧油の油温tが高く粘度μが小さくなるにつれて、前述の図8参照)、油圧制御弁31はバネ31bの付勢力で連通位置31Bに切り換えられ、ファン用油圧ポンプ19からの圧油を絞り31Baを介してファン用油圧モータ17に導くので冷却ファン16が駆動し、吐出管路18の圧油流量の増大とともに冷却ファン16の回転数Nは高くなる(前述の図9参照)。
【0069】
以上のようにして、本実施形態は、上記第1〜第3実施形態と同様、圧力検出管路11の圧力Pbに応じて冷却ファン16の駆動回転数Nを制御する。これにより、オイルクーラ14及びラジエータ15を過不足なく最適に冷却することができる。また、油圧回路のみで構成された冷却システムとできることにより、安価にシステムを構成でき、また高い信頼性及び高い耐久性を確保することができる。
【0070】
本発明の第5実施形態を図12により説明する。本実施形態は、圧力検出管路11で生成された圧力Pbを用いて直接可変容量型のファン用油圧モータの斜板の傾転角を制御することにより、冷却ファン16の回転数Nを制御する実施形態である。
【0071】
図12は、本実施形態による油圧駆動冷却ファン装置を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。図12において上記第1〜第4実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0072】
この図12において、本実施形態では、吐出管路18に設けられ冷却ファン16を駆動する可変容量型のファン用油圧モータ32と、このファン用油圧モータ32の回転数を圧力検出管路11の圧力Pbに応じて制御する斜板制御シリンダ33とが設けられている。
【0073】
ファン用油圧モータ32は、例えば斜板32aの傾転角を変えることによりその回転数を調整する斜板モータであり、斜板32aの傾転角は斜板制御シリンダ33により制御されている。
【0074】
斜板制御シリンダ33は、圧力検出管路11の圧力Pbを管路34を介し導くボトム側(図12中上側)油圧室33aと、管路35を介しタンク26に接続されるロッド側(図12中下側)油圧室33bと、ファン用油圧モータ32の基準回転数を設定するためのバネ33cと、このバネ33cの付勢力及びその受圧面積のバランスにより駆動されるピストン33dとを備えている。そして、ボトム側油圧室33aに導かれる圧力検出管路11の圧力Pbがバネ33cによって設定された基準回転数に対応する圧力より低いときは、ピストン33dが図12中上方に駆動されて、ファン用油圧モータ32の斜板32aの傾転角が変化してその容量が小さくなり、ファン用油圧モータ32の駆動回転を増大させる。また、逆にボトム側油圧室33aに導かれる圧力検出管路11の圧力Pbが上記基準回転数に対応する圧力より高いときは、ピストン33dが図12中下方に駆動されて、ファン用油圧モータ32の斜板32aの傾転角が変化してその容量が大きくなり、ファン用油圧モータ32の駆動回転を低減させる。
【0075】
なお、上記において、ファン用油圧モータ32の斜板32a及び斜板制御シリンダ33は、請求項1記載の2つの絞り手段の間の圧力を用いて、ファン用油圧モータの回転数を制御する回転数制御手段を構成する。
【0076】
本実施形態においては、圧力検出管路11の圧力Pbが比較的高い場合(言い換えれば圧油の油温tが低く粘度μが大きい場合、前述の図8参照)、斜板制御シリンダ33にてファン用油圧モータ32の駆動回転を小さくし、冷却ファン16の回転数Nが低減する(前述の図9参照)。また、逆に圧力検出管路11の圧力Pbが低くなるにつれて(言い換えれば圧油の油温tが高く粘度μが小さくなるにつれて、前述の図8参照)、斜板制御シリンダ33にてファン用油圧モータ32の駆動回転を大きくし、冷却ファン16の回転数Nが増大する(前述の図9参照)。
【0077】
以上のようにして、本実施形態は、上記第1〜第4実施形態と同様、圧力検出管路11の圧力Pbに応じて冷却ファン16の駆動回転数Nを制御する。この結果、オイルクーラ14及びラジエータ15を過不足なく最適に冷却することができる。また、油圧回路のみで構成された冷却システムとできることにより、安価にシステムを構成でき、また高い信頼性及び高い耐久性を確保することができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、冷却の過不足を圧油の温度として検出するとともにこれを2つの絞り手段の間の制御圧力に変換してファンの駆動回転数を制御する、油圧回路のみで構成されたシステムとできるので、安価にシステムを構成でき、また高い信頼性及び高い耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第1実施形態を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。
【図2】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第1実施形態を構成する圧力検出管路の圧油の油温tと圧力Paとの関係を表す特性図である。
【図3】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第1実施形態を構成する圧力検出管路の圧力Paと冷却ファンの回転数Nとの関係を表す特性図である。
【図4】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第2実施形態を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。
【図5】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第2実施形態を構成するメインポンプ及びファン用ポンプのトルク配分を表す特性図である。
【図6】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第2実施形態を構成する斜板制御シリンダのパワーシフト制御によるメインポンプの吐出流量を表す特性図である。
【図7】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第3実施形態を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。
【図8】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第3実施形態を構成する圧力検出管路の圧油の油温tと圧力Pbとの関係を表す特性図である。
【図9】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第3実施形態を構成する圧力検出管路の圧力Pbと冷却ファンの回転数Nとの関係を表す特性図である。
【図10】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第3実施形態の変形例を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。
【図11】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第4実施形態を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である。
【図12】本発明の油圧駆動冷却ファン装置の第5実施形態を油圧作業機の駆動装置とともに表す油圧回路図である
【符号の説明】
1 油圧アクチュエータ
2 エンジン
3 メインポンプ(第2油圧ポンプ)
4 斜板制御シリンダ(ポンプ制御手段)
7 パイロットポンプ(略一定圧力の油圧源)
9 パイロット管路(圧油供給管路)
10 チョーク
11 圧力検出管路
12 オリフィス
16 冷却ファン
17 ファン用油圧モータ
18 吐出管路
19 ファン用ポンプ(第1油圧ポンプ)
20 バイパス管路
21 ブリードオフ弁(油圧制御弁)
27 斜板制御シリンダ(ポンプ制御手段)
29 ブリードオフ弁(油圧制御弁)
31 油圧制御弁
32 可変容量型油圧モータ
33 斜板制御シリンダ
N 冷却ファンの回転数
Pa 圧力検出管路の圧力
Pb 圧力検出管路の圧力
Q1 チョークの通過流量
Q2 オリフィスの通過流量
Claims (5)
- エンジンを冷却する冷却風を生起する冷却ファンと、この冷却ファンを駆動するファン用油圧モータと、このファン用油圧モータへの圧油を吐出する第1油圧ポンプとを有する油圧駆動冷却ファン装置において、
略一定圧力の油圧源と、
この油圧源からの圧油供給管路に設けられ、圧油の粘性に応じた通過流量特性が互いに異なる2つの絞り手段と、
これら2つの絞り手段の間の圧力を用いて、前記ファン用油圧モータの回転数を制御する回転数制御手段とを有することを特徴とする油圧駆動冷却ファン装置。 - 請求項1記載の油圧駆動冷却ファン装置において、前記2つの絞り手段のうち一方はチョーク手段であり、他方はオリフィス手段であることを特徴とする油圧駆動冷却ファン装置。
- 請求項1記載の油圧駆動冷却ファン装置において、油圧作業機を駆動する油圧アクチュエータへの圧油を吐出する可変容量型の第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプの吐出圧及び前記第2油圧ポンプの吐出圧に応じて前記第2油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御手段とをさらに有すること特徴とする油圧駆動冷却ファン装置。
- 請求項1記載の油圧駆動冷却ファン装置において、前記回転数制御手段は、前記2つの絞り手段の間の圧力の値に応じ、前記ファン用油圧モータへ供給する流量を制御する流量制御手段であることを特徴とする油圧駆動冷却ファン装置。
- 請求項4記載の油圧駆動冷却ファン装置において、前記流量制御手段は、前記第1油圧ポンプから前記ファン用油圧モータへの油圧管路から分岐して設けた管路のブリードオフ流量を制御する油圧制御弁であることを特徴とする油圧駆動冷却ファン装置。
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