JP3852863B2 - 液体又は固体の移送方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、気体が溶解又は分散する高圧液体の噴射流を利用することによって、液体、又は砂利、石、泥、廃棄物等の固体を移送したり、それら移送する液体又は固体を洗浄することができる液体又は固体の移送方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液体又は固体の移送方法の一例が特公昭54−42682号公報(特願昭50−94407)に開示されている。この移送方法は、図6に示すように、高圧液体接続管3の噴射口1より高圧で液体を噴射し、この噴射流が噴射される際に空気導入管5より吸入した空気によって包囲され、この空気によって包囲された噴射流が吐出管8内を突走し、この突走によって生じた負圧力で液体又は固体を吸上管9の吸上口より吸い上げて、この吸い上げた液体等を吐出管8の吐出口より吐出するものである。なお、空気導入管5より吸入した空気が噴射流を包囲することによってキャビテーションを解消することができ、これによって高圧噴射流が推力を落とすことなく利用することができる。また、図6に示す2は噴射流突入口、4は噴射流保護管である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の移送方法では、図6に示すように、キャビテーションを解消する為の空気を吸入する空気導入管5を設けてあるので、噴射流により吸上管9内に発生する吸上力が、この空気導入管5から吸入される空気によって低下するという問題がある。
【0004】
そして、図6に現れているように、高圧液体接続管3の噴射口1と噴射流突入口2との間に空気導入管5を設ける必要があり、そして、この空気導入管5から空気を吸入することができるように噴射流保護管4の内径を噴射口1の内径よりも大きくする必要があることより、噴射口1から出る噴射流は、この噴射流保護管4内で膨張し、この膨張によって噴射速度が低下する。このように、噴射速度が低下するとその低下した分だけ吸上管9の吸上口より液体等を吸い上げる力が低下する。つまり、図6に示す従来の移送方法では、噴射口1から出る噴射流によって得られる吸上力の全ての力を利用することができないという問題がある。
【0005】
従って、上記吸上力の低下によって移送効率が低下し、これによって、移送時間の延長、エネルギ効率の低下を招くという問題がある。
【0006】
また、本願発明者は、本発明に係る液体又は固体の移送方法(又は移送装置)によって、その移送中の又は移送した液体又は固体を洗浄することも目的としている。つまり、気体が溶解又は分散する高圧液体を例えば大気圧に戻すと多量の微細な気泡を発生し、この多量の微細な気泡の働きにより洗浄の対象である液体又は固体を洗浄することも意図している。
【0007】
しかし、図6に示す移送方法では、空気導入管5から吸入される空気は、噴射口1から出る噴射流の外側を包囲することができるが噴射流に溶解又は分散させることが殆どできないので、この噴射流を大気圧に戻しても多量の微細な気泡は発生せず、従って、本願発明のように、多量の微細な気泡の働き、例えば気泡が破裂する際に発生する超音波によって洗浄の対象である液体又は固体を洗浄することはできない。
【0008】
本発明は、液体又は固体を洗浄しながら効率よく移送することができる液体又は固体の移送方法及びそれに使用する移送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の液体又は固体の移送方法は、吸込口と吐出口を有する移送管の管壁に設けられている噴射口より気体が溶解又は分散する高圧液体を移送管内に向かってこの移送管による液体又は固体(以下、「液体等」という。)の移送方向に噴射することにより、上記移送管の吸込口より液体等を吸い込んでそれら吸い込んだ液体等を上記吐出口より吐出して移送する液体または固体の移送方法において、上記高圧液体が、第1のポンプによって加圧した液体を第2のポンプでさらに加圧すると共に一部を気体流入手段を介し第2のポンプに戻して気体が溶解または分散したものとしてあることを特徴とするものである。
【0010】
第2の発明の液体又は固体の移送装置は、一方に設けた吸込口より液体又は固体(以下、「液体等」という。)を吸い込んでそれら吸い込んだ液体等を他方に設けた吐出口より吐出して移送する移送管と、この移送管の管壁に設けられ気体が溶解又は分散する高圧液体を上記移送管内に向かって上記液体等の移送方向に噴射する噴射口と、を具備する液体又は固体の移送装置において、液体を吸い込む第1の吸込口、及びこの第1の吸込口より吸い込んだ液体を吐出する第1の吐出口を有する第1のポンプと、第1の吐出口より吐出される液体を吸い込む第2の吸込口、及びこの第2の吸込口より吸い込んだ液体を吐出する第2の吐出口を有する第2のポンプと、第2の吸込口に気体を流入させるための気体流入手段とを具備し、上記第2の吐出口を上記噴射口に接続する連通管が途中から分岐してその分岐した連通管が途中に上記気体流入手段を設けられ第1の吐出口と第2の吸込口を接続する連通管の途中に接続していることを特徴とするものである。
【0011】
第3の発明は、第2の発明の液体又は固体の移送装置において、上記第2の吐出口を噴射口に接続する連通管の上記分岐した部分と上記噴射口との間の連通管に減圧装置を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
第1及び第2の各発明によると、噴射口より高圧液体を移送管内に向かってこの移送管の液体又は固体の移送方向に噴射することにより、移送管の吸込口側に負圧力を発生させることができ、この負圧力によって吸込口から移送する液体又は気体を吸い込んでそれら吸い込んだ液体又は気体を吐出口より吐出して移送することができる。そして、この高圧液体には、気体が溶解又は分散しているので、噴射流によるキャビテーションを解消することができる。
【0013】
そして、移送管内に噴射する液体は高圧であるので、液体内に多量の気体を溶解又は分散させることができ、従って、この高圧液体をその高圧よりも低い例えば大気圧に戻すとその液体中に多量の微細な気泡が発生し、この多量の微細な気泡の働き、例えば気泡が破裂する際に発生する超音波により洗浄の対象である液体又は固体を洗浄することができる。第1のポンプ及び第2のポンプを駆動すると、第1のポンプが、液体を第1の吸込口より吸込んで第1の吐出口から吐出し、第2のポンプが、第1の吐出口より吐出された液体を第2の吸込口より吸込んで第2の吐出口から吐出する。そして、気体流入手段は、第2の吸込口に気体を流入させることができ、これにより、第2のポンプ内に気体を流入させることができる。その結果、第2のポンプは、気体が混入する液体を所定の高圧力下でインペラにより攪拌することができるので、気体を液体に溶解及び分散させることができる。特に、気体流入手段は、上記第2の吐出口を上記噴射口に接続する連通管が途中から分岐してその分岐した連通管が途中に上記気体流入手段を設けられ第1の吐出口と第2の吸込口を接続する連通管の途中に接続しているから、つまり、第1のポンプの後段において第2のポンプ、その吐出口、分岐した部分、気体流入手段、第2のポンプの吸込口を通って循環する管路があるから、第2のポンプ内で多量の気体を液体中に溶解及び分散させることができる。
【0014】
第3の発明によると、減圧装置は、第2のポンプの吐出口の圧力低下を防止することができ、その圧力低下を防止した分だけ気体を液体に多く溶解及び分散させることができる。
【0015】
【実施例】
本発明に係る液体又は固体の移送方法を適用した移送装置の第1実施例を図1を参照して説明する。この実施例の液体又は固体の移送装置(以下、単に「移送装置」ということがある。)は、例えば被洗浄物である米、大豆等の穀物91を吸い上げて穀物91を洗浄しながら所定のタンク93内に移送する際に使用するものである。つまり、図1に示す移送装置は、タンク27内の洗浄用の清水28を吸込んで、高圧下でこの水28に空気を溶解及び分散させ、そして、この空気を溶解等させた水を所望の圧力に減圧して移送管94内に噴射することにより、タンク92内の穀物91を移送管94の吸込口95から吸い込んで吐出口96から吐出し、これにより、洗浄済みの穀物91を別のタンク93に移送するものである。
【0016】
移送管94は、円筒状の管であり、図1に示すように、略鉛直方向に伸延する吸込み管97と、この吸込み管97の上端部と連通して接続し、図1の右方向に略水平に伸延して下方向に向かって終端する吐出管98と、を有している。この吸込み管97の下端に形成されている開口が吸込口95であり、この吸込口95は図1に示すようにタンク92内に貯蔵されている洗浄前の穀物91の中に挿入してある。そして、吐出管98の下端(先端)に形成されている開口が吐出口96であり、この吐出口96は別のタンク93内に開口している。
【0017】
そして、図2(a)の拡大断面図に示すように、吸込み管97と吐出管98との接続部に噴射口99を設けてある。この噴射口99の中心軸線100が吐出管98の水平に伸延する基端部98aの中心軸線101と略一致しており、この噴射口99には後述する気液混合装置90の吐出管46が接続している。
【0018】
気液混合装置90は、図1に示すように、第1のポンプ31、第2のポンプ32、減圧装置33、気体流入手段34を備えている。
第1のポンプ31は、渦巻きポンプである。ただし、渦巻きポンプに限定するものではなく、これ以外のポンプを使用することができる。要は、吸い込んだ水にエネルギを与える機能を有し、第1のポンプ31と連通する第2のポンプ32内の圧力を所定の圧力に上昇させることができるものであればよい。なお、図には示さないが、第1のポンプ31は、モータと連結しており、このモータによって回転駆動される。そして、図1に示すように、第1のポンプ31の第1の吸込口35には、吸込み管36の一端が接続しており、吸込み管36の他端が清水28中に漬かっている。第1のポンプ31の第1の吐出口37と第2のポンプ32の第2の吸込口38とは、連通管39、40及びT字型接続管41を介して連通している。
【0019】
第2のポンプ32は、渦巻きポンプである。ただし、渦巻きポンプに限定するものではなく、これ以外のポンプを使用することができる。要は、吸い込んだ水にエネルギを与える機能と、内側に流入する水と空気とを攪拌することができる機能とを備えるものであればよい。なお、図には示さないが、第2のポンプ32は、モータと連結しており、このモータによって回転駆動される。そして、図1に示すように、第2のポンプ32の第2の吐出口42は、連通管43、44及びT字型接続管45を介して減圧装置33の入口と連通している。
【0020】
減圧装置33は、減圧弁であり、入口から流入した空気が溶解及び分散されている高圧の水を所望の高圧に減圧して出口から排出する。この減圧装置33の出口から排出された所定の高圧の水は、吐出管46を通って噴射口99から噴射されて吐出管98を突走する。この減圧装置33は、噴射口99から噴射される噴射流の噴射速度を適切な速度に調節することができ、この適切な速度に調節された噴流によって穀物91に移送力を付与することができる。また、この減圧装置33は、第2のポンプ32の吐出口42の圧力低下を防止することができ、その圧力低下を防止した分だけ空気を清水に多く溶解及び分散させることができる。ただし、必要に応じて減圧装置33を省略することができる。
【0021】
気体流入手段34は、図1に示すようにインジェクタ13を備えている。インジェクタ13は、図5に示すものである。インジェクタ13は、ノズル14の入口17に連通管47の一端が接続されており、この連通管47の他端がT字型接続管45の1つの開口部と接続している。そして、インジェクタ13の吹き出し部15の出口20には、連通管48の一端が接続しており、連通管48の他端がT字型接続管41の1つの開口部と接続している。更に、インジェクタ13の空気取り入れ口16には連通管49が接続しており、この連通管49にはバルブ50を設けてある。このバルブ50の他方の開口部は大気に開放している。なお、図5に示す18はノズル孔、19は吹き出し孔、21は空洞部である。
【0022】
図1に示す51、51は、圧力計であり、各連通管40、44内の圧力を測定するためのものである。
【0023】
次に、上記構成の液体又は固体の移送装置を使用して穀物91を吸い上げて別のタンク93に洗浄しながら移送する手順、及びその方法を説明する。まず、気液混合装置90により、空気を溶解及び分散させた水を製造する手順を説明する。第1のポンプ31及び第2のポンプ32を回転駆動する。すると、第1のポンプ31が、清水28を第1の吸込口35より吸込んで第1の吐出口37から吐出し、第2のポンプ32が、第1の吐出口37より吐出された水を第2の吸込口38より吸込んで第2の吐出口42から吐出する。第2の吐出口42より吐出された水の一部は、連通管44を通って減圧装置33に流入し、減圧装置33により所定の高圧に減圧されて吐出管46から吐出する。一方、第2の吐出口42より吐出された水の一部は、T字型接続管45により分岐されてインジェクタ13を通り、インジェクタ13を通過した水は、T字型接続管41に流入して第1の吐出口37より吐出される水と合流して再び第2の吸込口38に流入する。このようにインジェクタ13に水が流れた状態でインジェクタ13のバルブ50を開放する。すると、インジェクタ13のノズル孔18を通って空洞部21に噴射された水が空気取り入れ口16より空気を引き込んで巻き込むことができ、この空気を巻き込んだ水を吹き出し孔19を通って出口20から噴出することができる。
【0024】
この状態で、第1の吐出口37と第2の吐出口42間の流路内の水の圧力を、第1のポンプ31と第2のポンプ32によって高圧力に上昇させることができる。そして、その高圧下において空気の混入した水を、第2のポンプ32内でそのインペラの回転により攪拌することができるので、多量の空気を水に溶解及び分散させることができる。
【0025】
そして、このように高圧下で空気を溶解等させた水を、減圧装置33により所定の高圧に減圧して移送管94内に噴射することができる。
【0026】
次に、移送管94内に噴射された高圧水が穀物91を吸い上げて移送する作用を説明する。減圧装置33から噴出する空気の溶解等する高圧水は、吐出管46を通って噴射口99から噴射し、この噴射流は移送管94の吐出管98内を突走し、これによって、移送管94の吸込み管97の吸込口95側に強力な負圧力を発生させることができる。この負圧力によって吸込口95から被洗浄物の穀物91を吸い込んでそれら吸い込んだ穀物91を吸込み管97、及び吐出管98を通して吐出口96から吐出する。このようにして、タンク92内に貯蔵されている穀物91を別のタンク93に連続して移送することができる。そして、移送管94内には図1に示すように穀物91が引っ掛かる障害となる突起等が設けられていないので、穀物91をスムースに停滞することがなく移送することができる。
【0027】
また、移送管94は、図1に示すように、吸込口95、吐出口96、及び噴射口99を有するのみで、図6に示す従来の移送装置のように吸上管9内と大気とを連通する空気導入管5を設ける必要がないので、穀物91を吸い上げる吸上力が低下することがない。
更に、高圧水を移送管94の管壁に設けた噴射口99より吐出管98内に直接噴射することができる構成であるので、この高圧水の噴射流の噴射速度が図6に示す従来のように低下することがなく、従って、噴射口99から出る噴射流によって得られる吸込力(又は吸上力)の全ての力を利用することができる。
【0028】
そして、高圧水に空気を溶解又は分散させているので、キャビテーションの発生を防止することができ、これにより、この高圧水が通る移送管94の損傷や騒音を防止することができ、及びエネルギの有効利用を図ることができる。
【0029】
次に、被洗浄物である米等の穀物91を洗浄することができる理由を説明する。まず、噴射口99から噴射される高圧水が吐出管98内でその圧力が低下すると、この高圧水に溶解している空気が多数の超微細な気泡となって発生し、この多数の超微細な気泡が穀物91の一粒一粒に衝突することによって穀物91の表面に付着する汚れを落とすことができるからである。そして、多数の超微細な気泡が破裂する際に超音波を発生し、この超音波によっても汚れを落とすことができるからである。そして、この実施例では、上記気液混合装置90を使用しているので、多量の空気を清水に溶解させることができ、これによって極めて多数の超微細な気泡を発生させることができる。その結果、極めて高い洗浄効果が得られる。なお、タンク93に溜まった汚れを含む水は、タンク93からオーバーフローさせてもよいし、タンク93の下面に網又は水を通過させるスクリーンを設けて水のみを排出させてもよい。
【0030】
第2実施例を図4(a)を参照して説明する。第2実施例では、気液混合装置102が第1実施例のものと相違しており、これ以外の移送管94、及びこの移送管94に設けられている噴射口99は第1実施例のものと同等であり、同等部分の詳細な説明を省略する。
【0031】
この実施例の気液混合装置102は、図1に示す第1実施例の気液混合装置90のT字型接続管45と減圧装置33との間に設けた連通管44の途中に第2のポンプ32と同等のポンプ(渦巻きポンプ)53を設けたものである。これ以外は第1実施例と同等である。このポンプ53には、第2のポンプ32の第2の吐出口42から吐出される空気の溶解等された高圧水が供給され、この供給された高圧水をこのポンプ53によって第1実施例よりも更に高圧にすることができる。これにより、減圧装置33の二次側圧力を調節することによりこの減圧装置33から吐出される水の圧力を第1実施例よりも高めることができ、これにより空気の溶解等する極めて高圧の水を移送管94内に噴射させることができる。その結果、穀物91の移送能力を第1実施例よりも向上させることができる。そして、空気の溶解量も第1実施例よりも向上させることができるので洗浄力も向上する。
【0032】
第3実施例を図4(b)を参照して説明する。第3実施例では、気液混合装置103が第1実施例のものと相違しており、これ以外の移送管94、及びこの移送管94に設けられている噴射口99は第1実施例のものと同等であり、同等部分の詳細な説明を省略する。
【0033】
この実施例の気液混合装置103は、図1に示す第1実施例の気液混合装置の吸込み管36の途中に第1のポンプ31と同等のポンプ(渦巻きポンプ)54を設けたものである。これ以外は第1実施例と同等である。ポンプ54は、水28に漬かっている吸込み管36を通して吸い込んだ水28を所定の水圧に上昇させ、この加圧水を第1の吸込口35に供給する。これによって、第2のポンプ32内の圧力を第1実施例よりも上昇させることができる。従って、減圧装置33の二次側圧力を調節することによりこの減圧装置33から吐出される空気の溶解等された水の圧力を第1実施例よりも高めることができる。これにより空気の溶解等する極めて高圧の水を移送管94内に噴射させることができ、その結果、穀物91の移送能力を第1実施例よりも向上させることができる。そして、空気の溶解量も第1実施例よりも向上させることができるので洗浄力も向上する。
【0034】
第4実施例を図4(c)を参照して説明する。第4実施例では、気液混合装置104が第1実施例のものと相違しており、これ以外の移送管94、及びこの移送管94に設けられている噴射口99は第1実施例のものと同等であり、同等部分の詳細な説明を省略する。
【0035】
この実施例の気液混合装置104は、図1に示す第1実施例の気液混合装置90のT字型接続管41と第2のポンプ32の第2の吸込口38とを連通する連通管40の途中に第2のポンプ32と同等のポンプ(渦巻きポンプ)55を設けたものである。これ以外は第1実施例と同等である。この気液混合装置104によると、第1のポンプ31が吐出する空気の混合する水を、ポンプ55と第2のポンプ32とによって昇圧することができるので、第2のポンプ32内の圧力を第1実施例よりも上昇させることができる。従って、減圧装置33の二次側圧力を調節することによりこの減圧装置33から吐出される空気の溶解等された水の圧力を第1実施例よりも高めることができる。これにより空気の溶解等する極めて高圧の水を移送管94内に噴射させることができ、その結果、穀物91の移送能力を第1実施例よりも向上させることができる。そして、空気の溶解量も第1実施例よりも向上させることができるので洗浄力も向上する。
【0036】
次に、噴射口99を有する移送管94の他の例を各図を参照して説明する。図2(b)、図3(a)、(b)は、各移送管を構成する吸込み管と吐出管の結合部の拡大縦断面図である。
図2(b)に示す移送管105は、図2(a)に示す移送管94を構成する吐出管98の基端部98aの内径を縮小して噴射口99の内径よりも少し大き目となるように形成したもので、それ以外は図2(a)のものと同等である。このように、吐出管98の基端部98aの内径を適切な大きさに形成することにより、噴射口99から噴射する高圧水が吸込み管97内の空気、穀物91を効果的に巻き込んで吐出管98内に押し込めるようにすることができる。即ち、吸込み管97内の負圧力(吸込力)を効果的に低下させることができ、これによって効率よく穀物91を吸い上げて移送することができる。
【0037】
図3(a)に示す移送管106は、吸込み管97と吐出管98とを互いに略平行して設けた構成である。このように、吸込み管97と吐出管98とを略平行して設けたことにより、吸込み管97内を搬送されてきた穀物91が吐出管98の内壁に衝突した際に失われる衝突エネルギを比較的小さくすることができ、これにより、穀物91の移送を効率的に行うことができる。
【0038】
図3(b)に示す移送管107は、図2(a)に示す移送管94の噴射口99を環状突起108により形成し、この環状突起108の先端縁を、吸込み管98の中心軸線109の近傍に配置した構成である。つまり、噴射口99から噴射する噴射流の最も速度の速いのは、環状突起108の先端縁の箇所であり、従って、環状突起108の先端縁を吸込み管97の中心軸線109の近傍に配置したことにより、吸込み管97内の負圧力(吸込力)を効果的に低下させることができる。これによって効率よく穀物91を吸い上げて移送することができる。そして、環状突起108は、噴射口99が吐出管46の内径よりも細くなるように絞ってあるので、吐出管46内の高圧水を噴射口99から高速で噴射することができる。また、図3(b)に示す吐出管46の内径を図2(a)に示す吐出管46の内径よりも大きくしてあるので、高圧水が吐出管46内を通過する際の損失を図2(a)に示すものよりも低減させることができる。
【0039】
ただし、上記各実施例では、本発明に係る液体又は固体の移送方法及びその装置を穀物91を移送する用途に適用したが、穀物91以外の例えば砂利、石等を洗浄しながら移送する用途に適用することもできる。
【0040】
また、例えば砂層濾過槽(図示せず)に使用されている砂層の砂は、水垢等のスケールが或る一定以上付着すると使用不能になるが、このスケールの付着する砂をこの移送装置を使用して洗浄することにより繰り返して使用することができる。即ち、砂層の砂を洗浄する用途にも適用することができる。
【0041】
そして、例えば排水処理工程における浮上分離方式にも使用することができる。つまり、図1に示す吸込み管36から汚水(浮遊物質を含む水)を吸い込み、吸込み管97の吸込口95からも汚水を吸い込んでこれら汚水を吐出管98の吐出口96から吐出してこれら吸い込んだ汚水を元の汚水槽に戻す。このようにして、空気の溶解及び分散する高圧の汚水が汚水槽に供給されると、この高圧の汚水に溶解している空気が多数の超微細な気泡となって発生し、この多数の超微細な気泡が汚水中を浮上するする際に浮遊物質に付着して浮遊物質に浮力を与え、これによって浮遊物質を汚水面に浮上させて浮遊物質と水とを分離することができる。
【0042】
このように、気泡の大きさが超微細であるので、浮遊物質の表面にそれら気泡が付着することができ、浮遊物質を効果的に浮上させることができる。そして、吐出管98の吐出口96を適切な方向に向けることにより、吐出口96から吐出される超微細な気泡が分散する汚水を汚水槽内に強制的に対流させることができ、これにより、気泡を汚水槽の略全域に分散させることができる。その結果、汚水槽全域に亘って浮遊する浮遊物質を効果的に汚水面に浮上させることができる。
【0043】
また、上記第1乃至第4実施例では、インジェクタ13を使用して水28に空気を混入させる構成としたが、インジェクタ13を設けずに、各インジェクタ13と対応する位置を通過する水に、所定量の圧縮空気を強制的に混入させる構成とすることができる。空気を強制的に供給する装置として、例えばコンプレッサを使用することができる。ただし、供給する空気量を調整する為にコンプレッサの空気吐出口に流量調整弁を設ける必要がある。
【0044】
【発明の効果】
第1乃至第3の各発明によると、高圧液体を移送管の管壁に設けた噴射口より移送管内に直接噴射することができる構成であるので、この高圧液体の噴射流の噴射速度が従来のように低下することがなく、従って、噴射口から出る噴射流によって得られる吸込力(又は吸上力)の全ての力を利用することができるという効果がある。
【0045】
そして、図6に示す従来の移送装置では、吸上管9と連通する空気導入管5を設けてあるのでこの空気導入管5から空気が吸い込まれる為に吸上管9の吸上力がその分だけ低下するが、本発明によると、そのような空気導入管5が不要であるから従来のように吸込力(又は吸上力)が低下することがない。
【0046】
このように、本発明によると、従来の移送方法では避けることができない吸上力の低下を確実に解消することができ、これによって移送効率の向上、即ち、移送時間の短縮、エネルギ効率の向上を図ることができるという効果がある。
【0047】
そして、気体が溶解又は分散する高圧液体を使用しているので、キャビテーションの発生を防止することができ、これにより、この高圧液体が通る移送管等の装置の損傷や騒音を防止することができ、及びエネルギの有効利用を図ることができる。
【0048】
また、この高圧液体をその高圧力よりも低い例えば大気圧に戻すとその液体中に多量の微細な気泡が発生し、この多量の微細な気泡の働きにより洗浄の対象である液体又は固体を洗浄することができるという効果がある。即ち、液体(例えば汚水)を洗浄する場合では、これら多量の微細な気泡が汚水中を浮上する際にこの気泡が浮遊物質に付着してそれら浮遊物質を汚水面に浮上させることができ、これによって浮遊物質と水とを分離することができる。そして、例えば米、大豆等の固体を洗浄する場合では、これら多量の微細な気泡が破裂するときに生じる超音波によって米等の固体の表面に付着する汚れを落とすことができる。
主に第1のポンプにより第2のポンプ内の圧力を所定の高圧力にすることができ、この所定の高圧力下で気体の混入する液体を第2のポンプのインペラによって攪拌する構成である。従って、気体を液体に溶解させるための例えば圧力タンクが不要であるのでこの移送装置全体の嵩を小さくすることができると共に、構造が簡単であり、これによって、設置スペースを狭くすることができるし、この移送装置の費用の低減を図ることができるという効果がある。そして、気体の混入する液体を攪拌する第2のポンプ内の圧力を、第1のポンプによって所望の圧力に上げることができるので、比較的多量の気体を液体に溶解又は分散させることができる。これにより、気体を溶解又は分散させた液体を例えば大気圧に戻すと、比較的多量の気泡を発生させることができ、その結果、高い洗浄効果を得ることができる。
【0049】
第3の発明によると、減圧装置は、第2のポンプの吐出口の圧力低下を防止することができ、その圧力低下を防止した分だけ気体を液体に多く溶解及び分散させることができる。その結果、高い洗浄効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る液体又は固体の移送装置を示す正面図である。
【図2】(a)は同第1実施例の噴射口を有する移送管の一部を示す拡大縦断面図、(b)は同発明の噴射口を有する移送管の他の実施例でありその移送管の一部を示す拡大縦断面図である。
【図3】(a)は同発明の噴射口を有する移送管の他の実施例でありその移送管の一部を示す拡大縦断面図、(b)は同発明の噴射口を有する移送管の他の実施例でありその移送管の一部を示す拡大縦断面図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は同発明の第2、第3及び第4実施例に係る液体又は固体の移送装置に設けられている気液混合装置を示す正面図である。
【図5】同第1乃至第4実施例のインジェクタの拡大断面図である。
【図6】従来の液体及び固体の移送装置の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
28 清水
31 第1のポンプ
32 第2のポンプ
33 減圧装置
34 気体流入手段
35 第1の吸込口
37 第1の吐出口
38 第2の吸込口
42 第2の吐出口
90 気液混合装置
91 穀物
94 移送管
95 吸込口
96 吐出口
99 噴射口
Claims (3)
- 吸込口と吐出口を有する移送管の管壁に設けられている噴射口より気体が溶解又は分散する高圧液体を移送管内に向かってこの移送管による液体又は固体(以下、「液体等」という。)の移送方向に噴射することにより、上記移送管の吸込口より液体等を吸い込んでそれら吸い込んだ液体等を上記吐出口より吐出して移送する液体または固体の移送方法において、上記高圧液体が、第1のポンプによって加圧した液体を第2のポンプでさらに加圧すると共に一部を気体流入手段を介し第2のポンプに戻して気体が溶解または分散したものとしてあることを特徴とする液体又は固体の移送方法。
- 一方に設けた吸込口より液体又は固体(以下、「液体等」という。)を吸い込んでそれら吸い込んだ液体等を他方に設けた吐出口より吐出して移送する移送管と、この移送管の管壁に設けられ気体が溶解又は分散する高圧液体を上記移送管内に向かって上記液体等の移送方向に噴射する噴射口と、を具備する液体又は固体の移送装置において、液体を吸い込む第1の吸込口、及びこの第1の吸込口より吸い込んだ液体を吐出する第1の吐出口を有する第1のポンプと、第1の吐出口より吐出される液体を吸い込む第2の吸込口、及びこの第2の吸込口より吸い込んだ液体を吐出する第2の吐出口を有する第2のポンプと、第2の吸込口に気体を流入させるための気体流入手段とを具備し、上記第2の吐出口を上記噴射口に接続する連通管が途中から分岐してその分岐した連通管が途中に上記気体流入手段を設けられ第1の吐出口と第2の吸込口を接続する連通管の途中に接続していることを特徴とする液体又は固体の移送装置。
- 請求項2に記載の液体又は固体の移送装置において、上記第2の吐出口を噴射口に接続する連通管の上記分岐した部分と上記噴射口との間の連通管に減圧装置を設けたことを特徴とする液体又は固体の移送装置。
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