JP3852783B1 - 水晶エピタキシャル基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】
サファイア基板上に水晶をヘテロエピタキシャル水晶薄膜では、カットアングルを補正することができない欠点とサファイア基板と水晶薄膜との熱膨張係数の差で生じる残留応力の問題を解決する。
【解決手段】
任意に傾けたオフ角2°〜4°の水晶基板に500℃以下の低温でのホモエピタキシャル膜の作製に光CVD装置を使用し、無ひずみ加工の状態の水晶基板上にホモエピタキシャル水晶を結晶成長させることで成長方位の制御を可能とし、水晶基板と水晶薄膜とのの間の残留応力が発生しないため長期安定性に優れたATカット水晶振動子や弾性表面波デバイス用水晶エピタキシャル基板を提供できる。本発明の水晶エピタキシャル基板は、大口径のΦ4インチ水晶ウェハを使用する。バッチ処理でこのΦ4インチ水晶ウェハ上に多数のパターンを形成後、ダイシングで個々のチップに分割し、一括処理が可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バルク波や弾性表面波の発振子、振動子、フィルタ及び波長板に用いられる水晶に対して、これまでの水熱合成法では得られない結晶成長過程を制御して転位(線状欠陥)や異物(インクルージョン)の無い完全結晶からなる水晶エピタキシャル基板に関する。
水晶薄膜は発振子、振動子、高周波フィルタ用弾性表面波素子、光素子用波長板に用いられ、産業上非常に重要な材料である。それらの作製方法として、水熱合成法で得られる水晶を研磨して薄板化する方法、あるいはサファイア基板にAP−VPE(大気圧気相へテロエピタキシャル成長)法、ゾルゲル法、CVD(プラズマ化学的気相堆積)法、スパッタ法、レーザアブレーション法により直接サファイア基板上に水晶をヘトロエピタキシャルさせ水晶薄膜を作製する方法などがある。
近年、単結晶水晶の薄膜化技術として、特開2005−154210号、特開2003−289236号、特開2002−80296号、特開平8−157297号、特開平8−225398号、特開平8−268718号、特開平8−91977号および特開平9−315897号の多くの報告がなされている。
これらの研究において、単結晶水晶薄膜化は、Siのアルコキシドを原材料とするゾルゲル法やプラズマCVD法やスパッタ法などにより作製されている。ゾルゲル法では、原料溶液へのアルコール、水、アミンの添加、還流、基板へのコーティング、乾燥、熱処理等の多くの複雑な工程が必要である。プラズマCVD法、スパッタ法、レーザアブレーション法は高減圧や超真空環境が必要である。また、基板上に形成された水晶薄膜の成長速度も0.25μm/hと、かなり小さいものである。一方、AP−VPE法はデバイス作製技術としては、MBE(分子線エピキタシー)法やMOCVD(有機金属気相成長)法にその地位を譲ったエピタキシャル成長法である。通常のAP−VPE法は、膜の成長速度は遅い。特開2002−80296号で提案されているAP−VPE法では、大気圧中でSiのアルコキシド原料と酸素との反応により六方晶系サファイア基板上に三方晶系水晶をヘテロエピタキシャル成長させている。特開2005−154210号は、このAP−VPE法により水晶結晶の格子定数と異なるサファイア基板上にヘテロエピタキシャル成長させる二段階成長法である。少なくとも二層の水晶層(ただし、いずれの水晶層も結晶相と非晶質相とからなり、サファイア基板に遠い側の水晶層内の結晶相の比率よりも高くなるように調整されている)の上に水晶エピタキシャル薄膜が形成される。この水晶エピタキシャル薄膜は、水晶X線回折パターンで水晶の回転Yカットである38°13′:面指数(数1)のブラッグ角(数2)に対して(数3)に回折ピークが現れていることが報告されている。ATカット面が優先的に配向して成長し、水晶薄膜が積層されることも示されている。非特許文献1には、すでにサファイア基板にエピタキシャル成長するCdTeには一定の成長方向にある傾き角で成長していくことが記載され、特にA面α―Al(サファイア)基板は傾き角も約3°と大きいことが報告されている。
携帯電話の超小型化、高性能化を実現するために、水熱合成法で製造される人工水晶が水晶振動子やモノリシクフィルタに多量に使用されるようになった。高周波帯における水晶振動子やモノリシクフィルタに使用される水晶板は、厚みは数10μmが要請される。機械加工では50μmが加工限界であることから、エッチング(ドライエッチング、ウェットエッチング)で水晶をマイクロ加工する方法が多用されている。水晶に転位があると、水晶をエッチング(ドライエッチング、ウェットエッチング)したときに転位に沿ってエッチチャンネル(針状の穴を形成する線状欠陥)やエッチピット(腐食穴)が生じ、水晶振動子のQが急速に低下する。したがって人工水晶には、耐エッチング性に優れた高品質のものが要求される。非特許文献2に示すように無転位の人工水晶の研究が進められている。水熱合成法による人工水晶では、転位が2本/cm〜3本/cmのものも生産されているが、無転位の完全結晶は実現できていない。人工水晶の成長誘起欠陥としては、1.転位、2.成長縞、3.成長セクタ境界、4.不均一な不純物分布に起因する成長縞、成長セクタ境界以外の格子歪、5.インクルージュン等がある。転位は、人工水晶においてさまざまな密度(数本/cmから数千本/cm以上)で発生する。それらは原因別にみるとア.種子の転位を引き継いだもの、イ.種子―成長結晶間の格子定数差が大きいと界面で多く発生するもの、ウ.成長の途中で結晶中に取り込まれた固相インクルージュンから発生したもの、がある。イとウの場合のインクルージュンは組成にFeを含む。表1は、JIS C 6704(人工水晶)に規定している工業生産された人工水晶の1cm当たりに許容される異物(インクルージョン)の個数である。
"サファイア基板上へのCdTeのVPE成長"山梨大学工学部研究報告 第40号1989年12月 "Dislocation-Free and Low-Dislocation Quartz Prepared byHydrothermal Crystallization "J.Cryst.Growth.,43 (1978)
本発明が解決しようとしている課題は、特開2005−154210号で実現されている水晶エピタキシャル薄膜に内在する基本的な問題である水晶振動子を作製する際の電極膜厚により起こる頂点温度のずれをカットアングルで補正(成長方位の制御)できない欠点を解決することである。特開2005−154210号のサファイア基板上に2層の緩衝層(バファ層)の上に形成した水晶エピタキシャル薄膜の格子定数はそれぞれ0.4913nmと0.476nmである。格子不整合は約3%であり、格子不整合による転位の発生を抑え、ある程度の厚みの水晶エピタキシャル膜を得るには、製造工程上、サファイア基板と水晶エピタキシャル膜の間に緩衝層を入れることが必須である。さらにC面サファイア基板とATカット水晶エピタキシャル薄膜の熱膨張係数は異なるため、結晶成長温度から室温まで冷却する間に熱応力が発生し、この熱応力は室温での残留応力となる。サファイアは50℃でC軸に垂直で5.7ppmである。一方、水晶はZ軸に垂直方向は20℃で6.7ppm、平行方向では12.2ppmであるからATカット水晶(35°)の熱膨張係数は、(数4)となる。C面サファイア基板上の水晶薄膜は、C面サファイアの熱膨張係数5.7ppmとATカット水晶の熱膨張係数8.18ppmとなり熱膨張係数に差がある。サファイアの熱膨張係数と水晶の熱膨張係数の違いにより、水晶エピタキシャル薄膜内部に残留応力が残り応力問題を解決する必要がある。さらに本発明では、水晶エピタキシャル薄膜のマイクロ加工時に耐エッチング性に優れた水晶エピタキシャル基板を実現することも課題である。
課題の解決策は、以下の通りである。
本発明の水晶エピタキシャル基板は、所望のカットアングルで切断、研磨加工された水晶基板上に水晶を直接又は水晶緩衝層の上にホモエピタキシャルに水晶を結晶成長させてなる。本発明で使用する基板は、母材となる人工水晶の選択に異物(インクルージョン)の密度により等級づけされた最高ランクのものにこだわる必要がないが、メカノケミカルポリシング後の表面に欠陥密度が少ない水晶基板が水晶エピタキシャル基板として望ましい。表面が無ひずみの水晶を使用することで、完全結晶からなるエピタキシャル水晶膜を水晶基板上に形成することができる。所望のカットアングルで切断、研磨加工された水晶基板上に水晶を直接にまたは水晶緩衝層を介してホモエピタキシャルに結晶成長させてなる水晶エピタキシャル基板を水晶基板の裏面から凹部に加工する。裏面から凹部加工するために使用するマスクは、金属薄膜や誘電体薄膜、例えばCr膜をマスクとして使用する。異方性エッチングは、不要な水晶を除去して水晶エピタキシャル薄膜が露出して存在する領域を形成する。本発明で使用する水晶基板は、ダブルローテイションカットであるITカット水晶基板やSCカット水晶基板についても適用できる。
本発明は、所望のカットアングルで切断、研磨加工された無ひづみ水晶(人工水晶または天然水晶)基板、例えば右水晶の面指数(数1)から3°傾いたオフ角であるATカット基板上に、緩衝層(無欠陥で無ひずみ加工の水晶基板の場合はこの工程は不要)上に水晶薄膜をホモヘテロエピタキシャルに結晶成長させてなるATカット水晶エピタキシャル基板が実現できる。
本発明は、水晶の面指数(数1)から任意の角度、例えば3°傾いたATカット水晶基板上に緩衝層として水晶薄膜、その上に単結晶ATカット面水晶をホモエピタキシャルに結晶成長させた水晶エピタキシャル基板を、弗酸または弗化アンモニウム溶液で水晶基板を裏面からウェットエッチングで母材としての水晶を除去して、水晶エピタキシャル薄膜が露出して存在する領域が形成された凹部が形成されたダイアフラム構造の水晶エピタキシャル基板とする。本発明は、水晶の面指数(数1)から任意の角度2°〜4°の間の任意に傾いたATカット水晶基板上に水晶緩衝層を介して水晶薄膜をホモエピタキシャル成長させてダイアフラム構造のATカット水晶エピタキシャル基板を得ている。本願発明のエピタキシャル水晶基板は、格子整合されたホモエピタキシャル成長であるため膜厚に制限は無い。本発明の水晶エピタキシャル成長装置には、特願2005−371205号に記載された光CVD装置を使用している。
以上のとおり、本発明の水晶ホモタキシャル基板は、従来の発明では実現できなかったデバイス構造で、発振子、振動子、高周波フィルタ用弾性表面波素子と幅広い分野において適用できるものである。本願発明の水晶エピタキシャル基板は、当業者が容易になしうるものではない。その工業的価値は極めて高い。
本発明を実施するための最良の形態としては、所望のカットアングルで切断、研磨加工された水晶(人工水晶または天然水晶)基板上に直接または水晶緩衝層、成長層である水晶をホモエピタキシャルに結晶成長させてなる水晶エピタキシャル基板である。本発明の水晶エピタキシャル基板の裏面に金属薄膜または誘電体薄膜(例えばCr膜)のマスクで裏面からエッチングで水晶を除去して水晶エピタキシャル薄膜が露出して存在する領域からなる凹部が形成された水晶エピタキシャル基板とする。このエピタキシャル水晶薄膜にバルク波の励振用電極を設けることで、Qの高い高周波水晶振動子となる。本発明は、大口径のΦ4インチ水晶ウェハを使用する。バッチ処理で、このΦ4インチ水晶ウェハ上に多数のパターンを形成後、ダイシングで個々のチップに分割し、一括処理する。本発明は、ハンドリングに優れた水晶振動子が提供できる。弾性表面波素子としては、STカット水晶基板上に直接または水晶緩衝層を介して成長層である水晶をホモエピタキシャルに成長させた水晶エピタキシャル基板とする。使用される周波数帯において、基板とエピタキシャル膜の熱膨張係数は必然的に同じであるため、残留応力は生じない。本発明は、長期経時特性に優れた水晶振動子や弾性表面波振動子を提供できるという利点がある。
図1は、本発明の一実例である水晶エピタキシャル基板の断面図である。
本発明で使用される所望のカットアングルで切断、研磨加工された人工水晶基板101は、水晶表面が無ひずみ加工の状態であることを基本とする。人工水晶基板101の原子格子面は、図中に面指数(数1)surfaceとして表されている。ランバード加工人工水晶を所定の面指数(数1)からオフ角度(2°〜4°)でワイヤソーにより切断後、ラッピングし、酸化セリウムでポリシングされた水晶ウェハは、メカノケミカル効果を示すFeポリシングで最終ポリシングをおこない無ひずみの水晶基板とする。この無ひずみ水晶基板をホモエピタキシャル水晶基板として使用する。水晶表面をメカノケミカルポリシング後、水晶表面に付着している研磨工程での金属不純物やパーティクルを除去する方法は、物理的洗浄と化学的洗浄が併用された半導体シリコンの表面洗浄方法であるRCA洗浄に相当するUltra Clean Technologyに準拠した洗浄方法を人工水晶基板101に適用し、超清浄表面を得る。具体的には、メカノケミカルポリシング加工された人工水晶基板101をオゾン超純水で表面洗浄し、HF/H/HO/界面活性剤+メガソニックで水晶表面を若干エッチングして無ひずみ表面とし、オゾン超純水+メガソニック+シャワ洗浄をおこない、超純水でリンスする。エピタキシャル成長装置としては、水晶のキュリー温度(573℃)以下で動作する低温のエピタキシャル成長を行う必要がある。光CVD装置では、まずSiHガスからSiを分離しArガスで反応炉内に流入させ、Oガスを供給しながら基板加熱温度200℃で、反応炉内で水晶を人工水晶基板101上に結晶成長させる。低温成長緩衝層としての水晶緩衝層102は、シランガスからSiを分離し、Nガスを供給しながらOガスを200℃の温度で加熱された人工水晶基板101に吹きつけ、反応炉内で水晶薄膜を人工水晶基板101上に堆積させる。水晶緩衝層の膜厚は、20nm〜100nmである。人工水晶基板101の表面が異物による凹凸も無い無欠陥の超清浄状態に保たれている場合は、水晶緩衝層の形成工程は必要ない。次に、シランガスからSiを分離し、N2ガスを供給しながらO2ガスを500℃の温度で加熱された人工水晶基板101に吹きつけ、反応炉内で水晶の面指数(数1)からオフ角度3°の人工水晶基板101上にホモエピタキシャルに結晶成長させる。本発明は、水晶の面指数(数1)からオフ角2°〜4°の間の任意に傾けたATカット水晶基板上に水晶緩衝層を介して水晶薄膜をホモエピタキシャル成長させていることから、水晶振動子を作製する際に電極膜厚により頂点温度のずれをカットアングルの選択で成長方位を制御することができるので頂点温度のずれが補正可能である。弾性表面波用の水晶基板であるSTカット(42°45′)の場合は、水晶の面指数(数1)からATカット水晶の場合とは逆方向に4°32′のオフ角となるように方位を選ぶことで、SAW用基板が得られる。漏洩弾性表面波用の水晶基板であるLSTカット(75°)の場合は、水晶の面指数(数5)から0°44′のオフ角となるように方位を選ぶことで、リーキーSAW用基板が得られる。本願発明の水晶エピタキシャル基板は、大口径のφ4インチ水晶ウェハを使用する。バッチ処理でこのΦ4インチ水晶ウェハ上に多数のパターンを形成後、ダイシングで個々のチップに分割し、一括処理が可能である。なお、これら一連の製造プロセスは、500℃以下の低温での水晶ホモエピタキシャル膜の作製にMOCVDやMBEを使用することができることは、言及するまでもない。また、低減圧CVDにおいても、水分分圧を制御することで、基板加熱温度が500℃〜550℃でも水晶エピタキシャル成長が可能である。
図2は、本発明の一例である裏面に凹部が形成された水晶エピタキシャル基板の断面図である。バルク波の水晶振動子やモノリシックフィルタとして動作させるために、水晶エピタキシャル薄膜204が人工水晶基板201から独立して存在するよう裏面に凹部を形成する。本発明で使用される所望のカットアングルで切断、研磨加工された人工水晶基板201は、水晶表面が無ひずみ加工の状態であることを基本とする。人工水晶基板201の原子格子面は、図1中の面指数(数1)surfaceとして表されている。ランバード加工人工水晶を所定の面指数(数1)からオフ角度(2°〜4°)でワイヤソーにより切断後、ラッピングし、酸化セリウムでポリシングされた水晶ウェハは、メカノケミカル効果を示すFeポリシングで最終ポリシングをおこない無欠陥の無ひずみ水晶基板とする。この無ひずみ水晶基板をホモエピタキシャル基板として使用する。水晶表面をメカノケミカルポリシング後、水晶表面に付着している研磨工程での金属不純物やパーティクルを除去する方法は、物理的洗浄と化学的洗浄が併用された半導体シリコンの表面洗浄方法であるRCA洗浄に相当するUltra Clean Technologyに準拠した洗浄方法を人工水晶基板201に適用し、超清浄表面を得る。具体的には、メカノケミカルポリシング加工された人工水晶基板201をオゾン超純水で表面洗浄し、HF/H/HO/界面活性剤+メガソニックで水晶表面を若干エッチングして無ひずみ表面とし、オゾン超純水+メガソニック+シャワ洗浄をおこない、超純水でリンスする。エピタキシャル成長装置としては、水晶のキュリー温度(573℃)以下で動作する低温のエピタキシャル成長を行う必要がある。光CVD装置では、まずSiHガスからSiを分離しArガスで反応炉内に流入させ、Oガスを供給しながら基板加熱温度200℃で、反応炉内で水晶をシリコン基板上に結晶成長させる。低温成長緩衝層としての水晶緩衝層202、203は、シランガスからSiを分離し、Nガスを供給しながらOガスを200℃の温度に加熱された人工水晶基板201に吹きつけ、反応炉内で水晶薄膜を人工水晶基板201上に堆積させる。水晶緩衝層の膜厚は、20nm〜100nmである。人工水晶基板201が異物も無く超清浄状態に保たれている場合は、水晶緩衝層の形成工程は必要ない。次に、シランガスからSiを分離し、N2ガスを供給しながらOガスを500℃の温度で加熱された人工水晶基板201に吹きつけ、反応炉内で水晶の面指数(数1)からのオフ角度3°の人工水晶基板201上にホモエピタキシャル結晶成長させる。人工水晶基板201の表面に形成された水晶エピタキシャル薄膜からなる人工水晶基板201の裏面からCr膜(膜厚:2000Å)のマスクパターンで弗酸または弗化アンモニウム液で行なう等方性エッチング、またはドライプロセスで行なう異方性エッチングで人工水晶基板201の裏面から不要な部分を除去して水晶エピタキシャル薄膜204が露出されて存在する領域を形成する。形成された凹部205には、水晶緩衝層202、203は存在しない。人工水晶基板201の裏面からRIE(反応性イオンエッチング)で異方性エッチングしたエッチング後の水晶基板の形状は、図2のように垂直な角度の凹部205が得られる。異方性エッチングのエンドポイントは、水晶緩衝層202、203が無くなって水晶エピタキシャル薄膜204が露出された時点となる。RIEエッチング後、マスクとして用いたCr膜は除去する。水晶エピタキシャル薄膜204の厚みが10μmでは、共振周波数167MHzのATカット水晶振動子が得られる。水晶エピタキシャル薄膜204の厚みが2μmの場合は、共振周波数は835MHzになる。本願発明の水晶エピタキシャル基板は、大口径のΦ4インチ水晶ウェハを使用する。バッチ処理でこのΦ4インチ水晶ウェハ上に多数のパターンを形成後、ダイシングで個々のチップに分割し、一括処理が可能であり、ハンドリングに優れた高周波水晶振動子が得られる。

本発明の一例である水晶エピタキシャル基板の断面図である。 本発明の一例である裏面に凹部が形成された水晶エピタキシャル基板の断面図である。
符号の説明
101 人工水晶基板
102 水晶緩衝層
103 水晶エピタキシャル膜
201 人工水晶基板
202 水晶緩衝層
203 水晶緩衝層
204 水晶エピタキシャル膜
205 凹部

Claims (2)

  1. 所望のカットアングルであるATカット又はSTカット又はLSTカット又はSCカット又はITカットで切断、研磨加工された水晶基板上に水晶を直接に又は水晶緩衝層を介してホモエピタキシャルに結晶成長させてなることを特徴とする水晶エピタキシャル基板
  2. 所望のカットアングルであるATカット又はSTカット又はLSTカット又はSCカット又はITカットで切断、研磨加工された水晶基板上に水晶を直接にまたは水晶緩衝層を介してホモエピタキシャルに結晶成長させてなる水晶エピタキシャル基板において、前記水晶基板の裏面に水晶エピタキシャル薄膜が露出して存在する領域からなる凹部が形成されたことを特徴とする水晶エピタキシャル基板
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