JP3852191B2 - 回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置 - Google Patents

回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は都市ごみ等を焼却する回転火格子炉のごみ燃焼状況を或る範囲に安定させるように燃焼用空気(一次空気)の導入流量を調整して炉内での燃焼制御を行わせるようにする回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転火格子炉は、図9に概要を示す如く、入口側ヘッダー管2と出口側ヘッダー管3との間に、多数の水管4を円周方向に一定間隔で配置して、各水管4の両端をそれぞれ上記入口側ヘッダー管2と出口側ヘッダー管3に接続して連通させると共に、各水管4間に、多数の空気孔を設けた炉壁板を取り付けて、円筒状の火格子炉本体1を構成し、該火格子炉本体1をカバーケーシング5内に回転自在に収納して、出口側ヘッダー管3の方が低くなるように傾斜させて横置し、且つ上記火格子炉本体1の入口側と出口側の端部外周にタイヤ6をそれぞれ取り付けて、各タイヤ6をそれぞれターニングローラ7上に載置させ、モータ8により一方のターニングローラ7を回転させることにより火格子炉本体1を回転させるようにしてあり、更に、火格子炉本体1の下方部に風箱9を設置して、該風箱9から火格子炉本体1の壁を通して燃焼用空気を導入させるようにし、上流側に接続した投入ホッパー10から投入されるごみ11をプッシャ装置12にて火格子炉本体1内へ入れ、火格子炉本体1を回転させながらごみ11を焼却するようにしてある。
【0003】
13は後燃焼装置、14は二次燃焼室、15は水管4内にボイラ水を循環流通させるように出口側ヘッダー管3に連結してあるユニバーサルジョイントである。
【0004】
かかる構成の回転火格子炉でごみの焼却を行う場合、ごみの焼却温度が不安定で不完全燃焼を起こすと、有害なダイオキシンが発生するおそれがある。
【0005】
そのため、ごみの焼却においては、ごみを確実に、且つ安定して燃焼させるようにするための工夫が行われている。
【0006】
従来、回転火格子炉の火格子炉本体1内でのごみの焼却において、ごみの燃焼状況を知る尺度の1つとして、燃え切り点を計測する方法が採られており、燃え切り点の位置が火格子炉本体1内のどの範囲にあるかを見て、燃え切り点の位置を安定させるようにファジィ理論を用いて制御する方法が提案されている。
【0007】
すなわち、図10に示す如く、火格子炉本体1内のごみ11の焼却において、火炎16の発生個所が斜線で示す如き範囲にあるとき、火炎16の最下点である燃え切り点16aの位置を火格子炉本体1内の長手方向(上下流方向)にどの位偏っているかを計測し、この燃え切り点16aの位置が或る部分で安定するようにファジィ理論を用いて回転火格子炉の回転数の制御、回転火格子炉内へのごみ11の供給量制御等を行うようにするものである。
【0008】
又、従来では、火格子炉本体1内へ供給されるごみの量や、ごみの発熱量、ごみの比重等のごみ質の変動で燃焼状況が変化して来ることから、火格子炉本体1からの排ガス中のO2 (酸素)濃度を分析して、該排ガス中のO2 濃度の高低のみにより、火格子炉本体1内へ供給される燃焼用空気の流量の増減をコントロールするようにすることが考えられており、又、ごみ質変動が大きい場合には、図10、図11の如き火格子炉本体1内の火炎16を見ながら火格子炉本体1内へ供給する燃焼用空気(一次空気)の流量を手動で調整することも行われていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の図10に示す燃え切り点16aの計測は、ごみ質、ごみ層が均一化することを前提にしたものであり、実際には、ごみ層の不均一やごみ質の高カロリー化等の影響で、ごみ層と炉内でのごみの広がりに変化が起こり、図11に示す如く、燃焼が不良になると、燃え切り点16aの炉の長手方向の距離は図10と同じであっても、周方向では右方に移動するため、燃え切り点として炉の長手方向の距離のみを計測したのでは、燃え切り点の検出精度と使用領域(燃え切り点の安定範囲が狭い)に問題があり、正確な燃焼状況の把握ができず、燃え切り点による従来の燃焼良否情報を制御系に反映できない、という問題がある。
【0010】
又、燃焼排ガス中のO2 濃度のみで火格子炉本体内へ供給される燃焼用空気の量を増減させるようにして燃焼制御しようとするものでは、排ガス中のO2 濃度が高いということは燃え過ぎであるとして燃焼用空気の流量を減らすようにし、排ガス中のO2 濃度が低いということは炉内でO2 が多く使われているということであるとして燃焼用空気量を増やすようにしようとするものであるが、火格子炉本体内にごみが入り過ぎて炉内で火が消えそうな状態になったときにO2 濃度が高くなることが判明しており、かかる場合には、O2 濃度が高くなっても燃焼用空気量を増やすようにコントロールしなければならないにもかかわらず、O2 濃度のみでコントロールする場合には上記のようにO2 濃度が高いと燃焼用空気量を減らすようなコントロールとなってしまってますます不燃の方向へ向うことになり真のコントロールができない、という問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、従来の火炎の最下点である燃え切り点を計測することに代えて、火炎の重心点の位置を回転火格子炉の周方向で計測すると共に、排ガス中のO2 濃度を計測して、ごみの量、ごみ質の変動における上記火炎の重心点の位置と排ガス中のO2 濃度の如き情報から燃焼用空気の量を自動的に調整してごみが入りすぎたような場合でも蒸発量の変動および燃焼を安定化させるようにしようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、火格子炉本体内に下方の風箱から燃焼用空気を導入し該火格子炉本体を回転させながら内部に供給されたごみを焼却するようにしてある回転火格子炉における上記火格子炉本体内部のごみ燃焼個所の火炎重心点位置を、画像処理装置にて火炎の面積と、火格子炉本体の長手方向と周方向の座標から求めて、その火炎重心点位置が一定の範囲内で安定した燃焼となるように、火炎重心点の周方向座標での位置検出を行って周方向の燃え方指標を計測した後、該画像処理装置で計測された火炎重心点の周方向燃え方指標のメンバーシップ関数の値と排ガス中のO濃度の如きセンサ情報のメンバーシップ関数の値を、ファジィ演算部に記憶されているファジィ規則すべてについて燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示して推論し、次いで、該燃焼用空気量のメンバーシップ関数を合成して得られた推論結果の重心を重心法で求め、この重心の値を燃焼用空気量補正量として、これに燃焼用空気量設定値を加えて調整した値で火格子炉本体内への燃焼用空気量を調整し燃焼制御を行う燃焼制御方法及び装置とし、又、ファジィ規則を、火炎重心点が移動した位置の周方向燃え方指標の大、中、小と排ガス中O 濃度の如きセンサ情報の大、中、小の組み合わせて9項目作り、該9項目のファジィ規則すべてについてファジィ演算を行い、周方向燃え方指標のメンバーシップ関数の値と排ガスO 濃度値のメンバーシップ関数の値を各々燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示して各項目ごとに燃焼用空気量を推論するものとする。
【0013】
火炎重心点位置が周方向に移動したときの周方向燃え方指標と排ガス中のO2 濃度の如き情報から燃焼用空気量を調整するので、炉内へのごみの入りすぎ等の場合に、O2 濃度の如き情報のみによる場合に比して燃焼用空気量のより適切なコントロールができて、補正の精度向上が図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の一形態を示すもので、図9に示した回転火格子炉と同様な構成としてある回転火格子炉の火格子炉本体1の下流側後方位置に、炉内を下流側から上流側に向けて撮像するITVカメラ17を設置し、該カメラ17でとらえた火格子炉本体1内のごみの燃焼状況の画像信号を処理する画像処理装置18を設置し、又、風箱9内へ燃焼用空気を供給するライン19の途中に流量調整弁20を設け、更に、上記画像処理装置18で処理された火炎16の最も輝度の高いところを重心点16bとしてとらえて、火炎16の重心点16bの位置が或る範囲に安定するよう火格子炉本体1内への燃焼用空気量のファジィ推論を行うファジィ制御演算装置21を設け、該ファジィ制御演算装置21から上記燃焼用空気の流量調整弁20へ燃焼用空気量補正指令が出されて火格子炉本体1下方部の風箱9への燃焼用空気量が調整されるようにする。
【0016】
図1において、22は二次燃焼室14の壁面に取り付けた排ガス中のO2 濃度計であり、その他は図9と同一のものには同一符号が付してある。
【0017】
上記画像処理装置18は、火炎16の輝度が最も高いところを重心点16bとしてとらえて、火炎の重心点16bを、火炎16の面積(図1(ロ)で斜線を付している部分)と、火格子炉本体1中心の長手方向と周方向の座標から求め、重心点16bの周方向座標での位置検出を行って周方向の燃え方指標aを計測するものである。
【0018】
ファジィ制御演算装置21は、図2に示すブロック図の如く、プロセスデータ23として、画像処理装置18で計測された火炎16の重心点16bの周方向の燃え方指標aと排ガス中のO2 濃度値(%)bを用いるようにして、該燃え方指標aと重心点16bを落ち着かせようとする周方向の基準点(燃え方指標設定値)との偏差を求める加え合わせ点24と、火格子炉本体1内の燃焼状況を表わすセンサ情報、たとえば、O2 濃度計22で検出された排ガス中のO2 濃度と該排ガス中のO2 濃度設定値との偏差を求める加え合わせ点25と、火格子炉本体1の風箱9へ導入する燃焼用空気の量を推論するファジィ演算部26と、該ファジィ演算部26で求められた燃焼用空気量の値が火格子炉本体1内への燃焼用空気量補正量として出力されると、この燃焼用空気量補正量に、該火格子炉本体1内への燃焼用空気量基準値を蒸発量補正演算値で調整してなる燃焼用空気量設定値を加え合わせる加え合わせ点29と、該加え合わせ点29で加え合わされた制御情報を入力する燃焼用空気量コントローラ30と、該コントローラ30からの指令により制御される制御対象(回転火格子炉)31とを備えており、上記ファジィ演算部26は、重心点16bの周方向位置の検出値ごとに9項目にわたるファジィ規則によりファジィ演算を行わせるファジィルール部27と、該ファジィルール部27で演算された火炎重心点位置とO2 濃度とによる燃焼用空気量の値を合成した推論結果の重心を求め、燃焼用空気量の補正量を求めるようにするファジィ合成部28とからなる構成としてある。
【0019】
なお、上記蒸発量補正演算値を加味させるのは、短い周期での変動に合わせて燃焼用空気量をコントロールするためであり、蒸発量の多少の変動をここで一定にするようにしてある。
【0020】
上記ファジィルール部27に組み込まれている火炎重心位置による燃え方指標a、排ガス中のO2 濃度値bと、これに伴う火格子炉本体1内へ導入する燃焼用空気量cの関係を示す9項目のファジィ制御は、次のとおりである。
▲1▼aが大(PB)で、bが大(PB)ならば、cを増やす(PB)
▲2▼aが大(PB)で、bが中(NN)ならば、cを増やす(PB)
▲3▼aが大(PB)で、bが小(NB)ならば、cを増やす(PB)
▲4▼aが中(NN)で、bが大(PB)ならば、cを現状維持とする(NN)
▲5▼aが中(NN)で、bが中(NN)ならば、cを現状維持とする(NN)
▲6▼aが中(NN)で、bが小(NB)ならば、cを現状維持とする(NN)
▲7▼aが小(NB)で、bが大(PB)ならば、cを減らす(NB)
▲8▼aが小(NB)で、bが中(NN)ならば、cを減らす(NB)
▲9▼aが小(NB)で、bが小(NB)ならば、cを現状維持とする(NN)
上記ファジィ規則のように、O2 濃度が高くてもごみの量が多すぎてそのままでは火が消えてしまうような場合は、▲1▼のように燃焼用空気量を増やして燃焼を促進させるようにし、逆にごみの量が少なくて燃えすぎの状態でもO2 濃度が低ければ、▲9▼のように燃焼用空気量を減らさないで現状維持とするようにする。
【0021】
上記ファジィ規則▲1▼〜▲9▼をファジィ規則表に置き換えると、図3のマトリックス表のようになり、火格子炉本体1内への燃焼用空気量の調整結果は図3に示すようになる。
【0022】
上記ファジィルール部27では、火炎16の重心点16bの周方向の位置の計測値と基準値との偏差ごとと排ガス中のO2 濃度の計測値と基準値との偏差ごとに上記9項目のファジィ規則すべてについて細かく計算されてファジィ演算が行われ、周方向の燃え方指標aのメンバーシップ関数の値とO2 濃度値bのメンバーシップ関数の値をmax−min法により各々燃焼用空気量cのメンバーシップ関数に示して行くような処理を行い、ファジィ合成部28では、ファジィルール部27で示された燃焼用空気量cのメンバーシップ関数の推論結果を実際の燃焼用空気量補正量として重心法で求めるようにする。
【0023】
次に、ファジィ演算部26で行うファジィ規則による火格子炉本体1内への燃焼用空気量制御について説明する。
【0024】
図4は、火格子炉本体1を平面的に見て火炎16の重心点16bが基準位置Xからどこの位置に動いたかを計測して、周方向燃え方指標aでとらえた場合において、一例として、火炎16の重心点16bがX位置(a=0.0m)からγの位置(a=0.13m)に動いた場合を示している。
【0025】
又、図5は、排ガス中のO2 濃度の変動を示すもので、一例として、O2 濃度を基準値(b=6%)よりも高い値Yで検出して、Yの値がb=7.4である場合を示している。
【0026】
なお、燃え方指標a及び排ガス中O2 濃度値bと燃焼用空気量cのファジィ制御範囲は、−1.0≦a≦1.0、3≦b≦9、−2500≦c≦2500とし、これらの範囲内でファジィ制御を適用するようにする。これらの範囲を外れた場合は、警告を発し、操作員が手動で調整することになる。
【0027】
今、図4のように火炎16の重心点16bの位置がX位置からγの位置に移動したことが計測され、且つそのときの排ガス中のO2 濃度の値が7.4%であった場合は、前記したファジィ規則の▲1▼に相当するので、燃焼用空気量を増やすように制御することになるが、この場合、次のような操作が行われる。
【0028】
先ず、燃え方指標aのメンバーシップ関数は、図6(イ)に示す如くであり、O2 濃度値bのメンバーシップ関数は、図6(ロ)の如くであり、又、燃焼用空気量cのメンバーシップ関数は、図6(ハ)に示す如くである。
【0029】
図6(イ)(ロ)に示す各メンバーシップ関数においては、各交点AとBを基準として大(PB)、中(NN)、小(NB)の範囲を決めるようにし、図6(イ)の燃え方指標aでは、a>0.1で大、−0.1≦a≦0.1で中、a<−0.1で小と判断し、図6(ロ)のO2 濃度値bでは、b>7で大、5≦b≦7で中、b<5で小と判断するようにする。
【0030】
図4において、火炎16の重心点16bの位置がXからγの位置に移動した場合は、γの位置はa=0.13であり、このときの排ガス中のO 濃度値が図5において基準値よりも高いb=7.4であると、aは、図6(イ)で、0.13が数値0.1を越えているので、大(PB)とし、bは、図6(ロ)で7.4が数値7を越えているので、大(PB)とし、これを図3のルールを基にファジィ規則(1)〜(9)までの9項目についてメンバーシップ関数で細かく計算するようにする。
【0031】
図7は上記ファジィ規則▲1▼〜▲9▼について計算するメンバーシップ関数の値を示すもので、図7(イ)は火炎重心点がγの位置に移ってそのときのO2 濃度をYで検出したときにおけるファジィ規則▲1▼によるメンバーシップ関数の値について、図7(ロ)は同じくファジィ規則▲2▼によるメンバーシップ関数の値について示し、同様に、図7(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)(リ)はそれぞれファジィ規則▲3▼▲4▼▲5▼▲6▼▲7▼▲8▼▲9▼による関数の値を示している。
【0032】
ファジィ規則▲1▼は、周方向燃え方指標aが大、O2 濃度値bが大であるから、aのメンバーシップ関数の値は0.6、bのメンバーシップ関数の値は0.7であり、min法により小さい値の0.6をとり、これを火格子炉本体1内への燃焼用空気量cのメンバーシップ関数に示すと、図示の如き値となる。
【0033】
同様にして、ファジィ規則▲2▼では、aが大、bが中であるから、aのメンバーシップ関数の値は0.6、bのメンバーシップ関数の値は0.3であり、min法により小さい値の0.3をとり、これを燃焼用空気量cのメンバーシップ関数に示して行く。
【0034】
このようにして、計測された火炎重心点位置γと排ガス中O2 濃度検出値Yについて、ファジィ規則▲3▼から▲9▼のすべてについて周方向燃え方指標aのメンバーシップ関数の値とO2 濃度値bのメンバーシップ関数の値をmin法を適用して、小さい方の値を燃焼用空気量cのメンバーシップ関数に示して行くようにし、図7(イ)〜(リ)における燃焼用空気量cのメンバーシップ関数に示された結果からファジィ合成部28で推論結果が図8に示す如き図形として表わされ、重心法により図形の重心位置Gを求め、その点の値を燃焼用空気量補正量として取り出すようにする。
【0035】
図8において、燃焼用空気量cについては、1500の値のみを“丁度よい値(最適値)”と位置付け、それより大きい値(c>1500)を大(PB)、それより小さい値(c<1500)を小(NB)とするようにする。
【0036】
図8は、上述したように、火炎重心点位置がXからγの位置に移動した場合と排ガス中O2 濃度の値が基準点よりも高い検出値Yであった場合のファジィ規則▲1▼〜▲9▼のすべてについてmin法を適用して、燃焼用空気量cのメンバーシップ関数に示された推論結果の図形を示したもので、γの位置とO2 濃度検出値がファジィ規則▲1▼〜▲9▼の▲1▼に示す範囲に該当しており、該ファジィ規則▲1▼に基づいて、燃焼用空気量cは、該燃焼用空気量cの結果を示している図3のPBが選択され、燃焼用空気量を“増やす”ことになり、この増やす量の燃焼用空気量補正量として、図8の図形の重心を重心法により求めることにより重心位置Gの値1800が求められることになる。
【0037】
火炎重心点16bの位置が基準位置Xから図4に示すγとは異なる位置に移り、且つ炉内の燃焼状況を表わすセンサ情報としての排ガス中のO2 濃度の値がYとは異なる場合は、火炎重心点16bの位置とO2 濃度値について、上記と同様にファジィ規則▲1▼〜▲9▼のすべてについて周方向燃え方指標aとO2 濃度値bのメンバーシップ関数で計算され、min法を適用して燃焼用空気量cのメンバーシップ関数に示して行き、その推論結果の重心を重心法で求めることにより図8に対応する結果が得られ、火炎重心点が移動した位置とそのときのO2 濃度の検出値が当てはまるファジィ規則に基づいて燃焼用空気量cの補正量がその都度求められることになる。
【0038】
このように、ファジィ演算部26で求められた値は、燃焼用空気量補正量として出力され、加え合わせ点29で、燃焼用空気量基準値に蒸発量補正演算値を加えて調整した燃焼用空気量設定値が加え合わされて制御情報として燃焼用空気量コントローラ30へ入力され、ここから制御対象31の流量調整弁20へ制御指令が送られて火格子炉本体1内への燃焼用空気量が制御され、ごみ11の燃焼状況が変えられ、火炎16の重心点16bが基準となる範囲内に落ち付くように調整されることになる。
【0039】
なお、上記の実施の形態では、ファジィ規則の数を9とした場合を示したが、ファジィ規則の数は任意に決めればよいこと、又、炉内の燃焼状況を表わすセンサ情報として、排ガス中のO2 濃度値以外のものでもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置によれば、回転火格子炉における上記火格子炉本体内部のごみ燃焼個所の火炎重心点位置を、画像処理装置にて火炎の面積と、火格子炉本体の長手方向と周方向の座標から求めて、その火炎重心点位置が一定の範囲内で安定した燃焼となるように、火炎重心点の周方向座標での位置検出を行って周方向の燃え方指標を計測した後、該画像処理装置で計測された火炎重心点の周方向燃え方指標のメンバーシップ関数の値と排ガス中のO 濃度値の如きセンサ情報のメンバーシップ関数の値を、ファジィ演算部に記憶されているファジィ規則すべてについて燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示して推論し、次いで、該燃焼用空気量のメンバーシップ関数を合成して得られた推論結果の重心を重心法で求め、この重心の値を燃焼用空気量補正量として、これに燃焼用空気量設定値を加えて調整した値で火格子炉本体内への燃焼用空気量を調整し燃焼制御を行うようにするので、次の如き優れた効果を奏し得る。
(i) ファジィ制御による周方向の燃え方指標と排ガス中O 濃度の如き燃焼状況を表現するセンサ情報の各メンバーシップ関数の同時合成を実施することから、燃焼用空気量の補正量の精度向上と燃焼の長期自動制御が可能となる。
(ii)上記(i) に伴い、たとえば、排ガス中のO 濃度が高くてもごみ投入量が多すぎるような場合にも、直ちに燃焼用空気量を増やすように自動的に制御が行われて火が消えるようなこともなく燃焼を良好に行わせて火炎重心点位置を或る範囲内に落ち着かせて蒸発量の変動および燃焼を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置の実施の形態を示すもので、(イ)は概要図、(ロ)は火格子炉本体内を平面的に見た概略図である。
【図2】図1におけるファジィ制御演算装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2におけるファジィ演算部のファジィルール部に予め記憶させた9つのファジィ規則により燃焼用空気量の結果を示すマトリックス表である。
【図4】火格子炉本体内を平面的に見たときの周方向燃え方指標の値と火炎重心点がX位置からγ位置へ移った場合について示す概略図である。
【図5】排ガス中のO2 濃度の変動を示す図である。
【図6】周方向燃え方指標と排ガス中O2 濃度値と燃焼用空気量の各メンバーシップ関数を示すもので、(イ)は周方向燃え方指標に対する大、中、小の判断基準を示す図、(ロ)は排ガス中O2 濃度値に対する大、中、小の判断基準を示す図、(ハ)は燃焼用空気量に対する大、中、小の判断基準を示す図である。
【図7】図4のγ位置と図5の検出値Yについてのファジィ規則▲1▼〜▲9▼による周方向燃え方指標aと排ガス中O2 濃度値bのファジィ演算の例とこれらを合成して燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示した状態を示すもので、(イ)〜(リ)はファジィ規則▲1▼〜▲9▼に対応する図である。
【図8】図7に示す燃焼用空気量cを合成して得られた推論結果から重心法により燃焼用空気量補正量を求めるようにした図である。
【図9】回転火格子炉の一例を示す概要図である。
【図10】従来の火格子炉本体内での火炎発生個所の燃え切り点計測を行う図である。
【図11】従来の火格子炉本体内でごみ層の変化が起きたときの火炎発生個所を示す図である。
【符号の説明】
1 火格子炉本体
9 風箱
11 ごみ
16 火炎
16b 火炎重心点
17 ITVカメラ
18 画像処理装置
20 流量調整弁
21 ファジィ制御演算装置
22 O2 濃度計
23 プロセスデータ
24 加え合わせ点
25 加え合わせ点
26 ファジィ演算部
27 ファジィルール部
28 ファジィ合成部
29 加え合わせ点
30 燃焼用空気量コントローラ
31 制御対象
a 周方向燃え方指標
b O2 濃度値
c 燃焼用空気量

Claims (3)

  1. 火格子炉本体内に下方の風箱から燃焼用空気を導入し該火格子炉本体を回転させながら内部に供給されたごみを焼却するようにしてある回転火格子炉における上記火格子炉本体内部のごみ燃焼個所の火炎重心点位置を、画像処理装置にて火炎の面積と、火格子炉本体の長手方向と周方向の座標から求めて、その火炎重心点位置が一定の範囲内で安定した燃焼となるように、火炎重心点の周方向座標での位置検出を行って周方向の燃え方指標を計測した後、該画像処理装置で計測された火炎重心点の周方向燃え方指標のメンバーシップ関数の値と排ガス中のO濃度の如きセンサ情報のメンバーシップ関数の値を、ファジィ演算部に記憶されているファジィ規則すべてについて燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示して推論し、次いで、該燃焼用空気量のメンバーシップ関数を合成して得られた推論結果の重心を重心法で求め、この重心の値を燃焼用空気量補正量として、これに燃焼用空気量設定値を加えて調整した値で火格子炉本体内への燃焼用空気量を調整し燃焼制御を行うことを特徴とする回転火格子炉の燃焼制御方法。
  2. ファジィ規則を、火炎重心点が移動した位置の周方向燃え方指標の大、中、小と排ガス中O濃度の如きセンサ情報の大、中、小組み合わせて9項目作り、該9項目のファジィ規則すべてについてファジィ演算を行い、周方向燃え方指標のメンバーシップ関数の値と排ガスO 濃度値のメンバーシップ関数の値を各々燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示して各項目ごとに燃焼用空気量を推論する請求項1記載の回転火格子炉の燃焼制御方法。
  3. 回転火格子炉の火格子炉本体内を撮像するカメラでとらえた火格子炉本体のごみの燃焼状況の画像信号を処理して火炎の重心点位置を火格子炉本体の周方向と長手方向の座標から求めて周方向の燃え方指標を計測する画像処理装置を設置し、且つ上記画像処理装置で処理された火炎の重心点位置が或る範囲に安定するよう火格子炉本体内への燃焼用空気量のファジィ理論を行うファジィ制御演算装置を設け、該ファジィ制御演算装置からの燃焼用空気量補正指令に基づき上記燃焼用空気量を調整するようにし、更に、上記ファジィ制御演算装置は、上記画像処理装置で計測された火炎重心点の周方向燃え方指標とその設定値との偏差ごとにファジィ規則すべてについて周方向燃え方指標のメンバーシップ関数の値と、排ガス中のO濃度の如き炉内での燃焼状況を表わすセンサ情報とその設定値との偏差ごとにファジィ規則すべてについてセンサ情報のメンバーシップ関数の値とから燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示して行く処理を行うファジィルール部該ファジィルール部で示された燃焼用空気量のメンバーシップ関数の推論結果の重心を燃焼用空気量補正量として求めるようにするファジィ合成部からなるファジィ演算部と、該ファジィ演算部で求められた燃焼用空気量補正量と燃焼用空気量設定値とを加え合わせて制御情報として燃焼用空気量コントローラへ入力させるようにする加え合わせ点を備えてなる構成を有することを特徴とする回転火格子炉の燃焼制御装置。
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