JP3968828B2 - 回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は都市ごみ等を焼却する回転火格子炉のごみ燃焼状況を或る範囲に安定させるように制御させるようにする回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転火格子炉は、図8に概要を示す如く、入口側ヘッダー管2と出口側ヘッダー管3との間に、多数の水管4を円周方向に一定間隔で配置して、各水管4の両端をそれぞれ上記入口側ヘッダー管2と出口側ヘッダー管3に接続して連通させると共に、各水管4間に、多数の空気孔を設けた炉壁板を取り付けて、円筒状の火格子炉本体1を構成し、該火格子炉本体1をカバーケーシング5内に回転自在に収納して、出口側ヘッダー管3の方が低くなるように傾斜させて横置し、且つ上記火格子炉本体1の入口側と出口側の端部外周にタイヤ6をそれぞれ取り付けて、各タイヤ6をそれぞれターニングローラ7上に載置させ、モータ8により一方のターニングローラ7を回転させることにより火格子炉本体1を回転させるようにしてあり、更に、火格子炉本体1の下方部に風箱9を設置して、該風箱9から火格子炉本体1の壁を通して空気を導入させるようにし、上流側に接続した投入ホッパー10から投入されるごみ11をプッシャ装置12にて火格子炉本体1内へ入れ、火格子炉本体1を回転させながらごみ11を焼却するようにしてある。
【0003】
13は後燃焼装置、14は二次燃焼室、15は水管4内にボイラ水を循環流通させるように出口側ヘッダー管3に連結してあるユニバーサルジョイントである。
【0004】
かかる構成の回転火格子炉でごみの焼却を行う場合、ごみの焼却温度が不安定で不完全燃焼を起こすと、有害なダイオキシンが発生するおそれがある。
【0005】
そのため、ごみの焼却においては、ごみを確実に、且つ安定して燃焼させるようにするための工夫が行われている。
【0006】
従来、回転火格子炉の火格子炉本体1内でのごみの焼却において、ごみの燃焼状況を知る尺度の1つとして、燃え切り点を計測する方法が採られており、燃え切り点の位置が火格子炉本体1内のどの範囲にあるかを見て、燃え切り点の位置を安定させるようにファジィ理論を用いて制御する方法が提案されている。
【0007】
すなわち、図9に示す如く、火格子炉本体1内のごみ11の焼却において、火炎16の発生個所が斜線で示す如き範囲にあるとき、火炎16の最下点である燃え切り点16aの位置を火格子炉本体1内の長手方向(上下流方向)にどの位偏っているかを計測し、この燃え切り点16aの位置が或る部分で安定するようにファジィ理論を用いて回転火格子炉の回転数の制御、回転火格子炉内へのごみ11の供給量制御等を行うようにするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の図9に示す燃え切り点16aの計測は、ごみ質、ごみ層が均一化することを前提にしたものであり、実際には、ごみ層の不均一やごみ質の高カロリー化等の影響で、ごみ層と炉内でのごみの広がりに変化が起こり、図10に示す如く、燃焼が不良になると、燃え切り点16aの炉の長手方向の距離は図9と同じであっても、周方向では右方に移動するため、燃え切り点として炉の長手方向の距離のみを計測したのでは、正確な燃焼状況の把握ができず、燃え切り点による従来の燃焼良否情報を制御系に反映できない、という問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、火炎の最下点である燃え切り点を計測することに代えて、火炎の重心点の位置を火格子炉内の長手方向のほかに周方向でも計測して、ごみ厚層、ごみカロリーの変動に対して的確に追従し、燃焼良否の精度を向上し、制御精度の向上と燃焼の長期自動制御が図れるようにしようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、火格子炉本体内に下方から空気を導入し該火格子炉本体を回転させながら内部に供給されたごみを焼却するようにしてある回転火格子炉における上記火格子炉本体内部のごみ燃焼個所の火炎重心点位置を、該火格子炉本体の長手方向と周方向の座標から求めて、その火炎重心点の位置が一定の範囲内で安定した燃焼となるように、ファジィ演算により周方向燃え方指標と長手方向燃え方指標の各メンバーシップ関数の値をファジィ規則すべてについて回転火格子炉回転数のメンバーシップ関数に示して推論し、次いで、該回転火格子炉回転数のメンバーシップ関数を合成して得られた推論結果の重心を重心法で求め、この重心の値を回転数調整量として回転火格子炉の回転数を調整し燃焼制御を行う方法及び装置とし、ファジィ規則を、周方向燃え方指標の大、中、小と長手方向燃え方指標の大、中、小の組み合わせで複数項目作り、各項目ごとに回転火格子炉回転数を推論するものとする。
【0011】
火炎重心点の位置が長手方向のみでなく周方向からも求められることにより、ごみ厚層、ごみカロリーの変動に対しても重心点位置を的確に追従させることができて、燃焼良否の判断の精度が向上する。
【0012】
又、周方向燃え方指標と長手方向燃え方指標の各メンバーシップ関数の値をファジィ規則ごとに同時合成を実施することにより調整量の精度を向上することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の一形態を示すもので、図8に示した回転火格子炉と同様な構成としてある回転火格子炉の火格子炉本体1の下流側後方位置に、炉内を下流側から上流側に向けて撮像するITVカメラ17を設置し、該カメラ17でとらえた火格子炉本体1内のごみの燃焼状況の画像信号を処理する画像処理装置18を設置し、更に、該画像処理装置18で処理された火炎16の最も輝度の高いところを重心点16cとしてとらえて、火炎16の重心点16cの位置が或る範囲に安定するようファジィ推論を行うファジィ制御演算装置19を設け、該ファジィ制御演算装置19からモータ8へ回転数補正指令が出されて回転火格子炉の回転数が調整されるようにする。
【0015】
図1において、図8と同一のものには同一符号が付してある。
【0016】
上記画像処理装置18は、火炎16の輝度が最も高いところを重心点16cとしてとらえて、その火炎の重心点16cの位置を、火格子炉本体1の長手方向と周方向の座標から求め、重心点16cの周方向座標での位置検出と長手方向座標での位置検出を行って周方向の燃え方指標aと長手方向の燃え方指標bを計測するものである。
【0017】
ファジィ制御演算装置19は、図2に示すブロック図の如く、画像処理装置18で計測された重心点16cの周方向と長手方向の燃え方指標a及びbと、重心点16cを落ち着かせようとする周方向と長手方向の範囲としての基準値(燃え方設定値)との偏差を求める加え合わせ点20と、回転火格子炉の回転数を推論するファジィ演算部21と、該ファジィ演算部21で求められた回転火格子炉の回転数調整量と回転火格子炉の回転数設定値24とを加え合わせる加え合わせ点25と、回転火格子炉の回転コントローラ26と、制御対象(回転火格子炉)27とを備えており、上記ファジィ演算部21は、重心点位置の検出値ごとに9項目にわたるファジィ規則によりファジィ演算を行わせるルール部22と、該ルール部22で演算された回転火格子炉回転数を合成した推論結果の重心を求め、回転数調整量を求めるようにするファジィ合成部23とからなっている。
【0018】
上記ルール部22に組み込まれている火炎重心位置による燃え方指標a、燃え方指標bと、これに伴う回転火格子炉の回転数cの関係を示す9項目のファジィ規則は、次のとおりである。
▲1▼aが大(PB)で、bが大(PB)ならば、cは現状維持(NN)
▲2▼aが大(PB)で、bが中(NN)ならば、cは下げる(NB)
▲3▼aが大(PB)で、bが小(NB)ならば、cは下げる(NB)
▲4▼aが中(NN)で、bが大(PB)ならば、cは上げる(PB)
▲5▼aが中(NN)で、bが中(NN)ならば、cは現状維持(NN)
▲6▼aが中(NN)で、bが小(NB)ならば、cは下げる(NB)
▲7▼aが小(NB)で、bが大(PB)ならば、cは上げる(PB)
▲8▼aが小(NB)で、bが中(NN)ならば、cは上げる(PB)
▲9▼aが小(NB)で、bが小(NB)ならば、cは現状維持(NN)
上記ファジィ規則▲1▼〜▲9▼をファジィ規則表に置き換えると、図3のマトリックス表のようになり、回転火格子炉回転数の結果は図3に示すようになる。
【0019】
上記ルール部22では、火炎16の重心点16cの位置の計測値と基準値との偏差ごとに上記9項目のファジィ規則すべてについて細かく計算されてファジィ演算が行われ、周方向燃え方指標aのメンバーシップ関数の値と長手方向燃え方指標bのメンバーシップ関数の値をmax−min法により各々回転火格子炉回転数cのメンバーシップ関数に示して行くような処理を行い、ファジィ合成部23では、ルール部22で示された回転火格子炉回転数cのメンバーシップ関数の推論結果を実際の回転数調整量として重心法で求めるようにする。
【0020】
次に、ファジィ演算部21で行うファジィ規則による回転火格子炉の回転数制御について説明する。
【0021】
図4は、火格子炉本体1を平面的に見て火炎16の重心点16cが基準位置Xからどこの位置に動いたかを計測して、周方向燃え方指標aと長手方向燃え方指標bでとらえる場合において、一例として、火炎16の重心点16cがX位置(a=0.0m,b=2.0m)からγの位置(a=0.15m,b=2.25m)に動いた場合を示している。
【0022】
なお、燃え方指標a及びbと回転火格子炉の回転数(rpm)cのファジィ制御範囲は、−1.0≦a≦1.0、0.75≦b≦3.25、0.025≦c≦0.045とし、これらの範囲内でファジィ制御を適用するようにする。これらの範囲を外れた場合は、警告を発し、操作員が手動で調整させることになる。
【0024】
先ず、燃え方指標aのメンバーシップ関数は、図5(イ)に示す如くであり、燃え方指標bのメンバーシップ関数は図5(ロ)の如くであり、又、回転火格子炉の回転数cのメンバーシップ関数は図5(ハ)に示す如くである。
【0025】
図5(イ)(ロ)に示す各メンバーシップ関数においては、各交点AとBを基準として大、中、小の範囲を決めるようにし、図5(イ)の燃え方指標aでは、a>0.1で大、−0.1≦a≦0.1で中、a<−0.1で小と判断し、図5(ロ)の燃え方指標bでは、b>2.25で大、1.75≦b≦2.25で中、b<1.75で小と判断するようにする。
【0026】
図4において、火炎16の重心点16cの位置がXからγの位置に移動した場合は、γの位置はa=0.15、b=2.25であるから、aは図5(イ)で、0.15が数値0.1を越えているので、大(PB)とし、bは図5(ロ)で2.25が1.75≦b≦2.25の範囲に入っているので、中(NN)とし、これを図3のルールを基にファジィ規則(1)から(9)までの9項目についてメンバーシップ関数で細かく計算するようにする。今、図4に示すように重心点16cの位置がX位置からγの位置に移動した場合は、前記したファジィ規則の (2) に相当するので、回転火格子炉の回転数を下げるように制御することになる。
【0027】
図6は上記▲1▼から▲9▼までのファジィ規則について計算するメンバーシップ関数の値を示すもので、図6(イ)はγの位置におけるファジィ規則▲1▼によるメンバーシップ関数の値について、図6(ロ)は同じくファジィ規則▲2▼によるメンバーシップ関数の値について示し、同様に、図6(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)(リ)はそれぞれファジィ規則▲3▼▲4▼▲5▼▲6▼▲7▼▲8▼▲9▼によるメンバーシップ関数の値を示している。
【0028】
ファジィ規則▲1▼は、aが大、bが大であるから、aのメンバーシップ関数の値は、a=0.15のところで0.7であり、bのメンバーシップ関数の値は、b=2.25のところで0.5であるが、min法を適用して0.5をとる。これを回転火格子炉の回転数cのメンバーシップ関数に示すと、図示の如き値となる。
【0029】
同様にして、ファジィ規則▲2▼では、aが大、bが中であるから、aのメンバーシップ関数の値は0.7、bのメンバーシップ関数の値は0.5であり、min法により小さい値の0.5をとり、これを回転火格子炉の回転数cのメンバーシップ関数に示して行く。
【0030】
このように、計測された火炎重心点位置γについて、ファジィ規則▲1▼〜▲9▼のすべてにわたってaのメンバーシップ関数の値とbのメンバーシップ関数の値をmin法を適用して、小さい方の値を回転火格子炉の回転数cのメンバーシップ関数に示して行くようにし、図6(イ)〜(リ)における回転火格子炉の回転数cのメンバーシップ関数に示された結果からファジィ合成部23で推論結果が図7に示す如き図形として表わされ、重心法により図形の重心位置を求め、その点の値を回転数調整量として取り出すようにする。
【0031】
図7において、回転火格子炉の回転数cについては、0.035の値のみを“丁度よい値(最適値)”と位置付け、それより大きい値(c>0.035)を大(PB)、それより小さい値(c<0.035)を小(NB)とするようにする。
【0032】
図7は、図4の如く火炎重心点位置がXからγの位置に移動した場合のファジィ規則▲1▼〜▲9▼のすべてについてmin法を適用して、回転火格子炉の回転数cのメンバーシップ関数に示された推論結果の図形を示したもので、γの位置がファジィ規則▲1▼〜▲9▼の▲2▼に示す範囲に該当しており、該ファジィ規則▲2▼に基づいて、回転火格子炉の回転数cは、該回転数cの結果を示している図4でNBが選択され、回転数を“下げる”ことになり、又、図7の図形の重心を重心法により求めることにより重心位置28の値0.032rpm を、補正すべき回転数(調整量)として求められることになる。
【0033】
火炎重心点16cの位置がXから図4に示すγとは異なる位置に移った場合は、その位置について、上記と同様にファジィ規則▲1▼〜▲9▼すべてについて燃え方指標aとbの各メンバーシップ関数で計算され、min法を適用して回転火格子炉の回転数cのメンバーシップ関数に示して行き、その推論結果の重心を重心法で求めることにより図7に対応する結果が得られ、移動した位置が当てはまるファジィ規則に基づいて回転火格子炉の回転数cの調整値が求められることになる。
【0034】
このようにファジィ演算部21で求められた値は、回転火格子炉の回転数調整量として出力され、加え合わせ点25で回転火格子炉の回転数設定値24とが加え合わされて制御情報として回転火格子炉回転コントローラ26へ入力され、ここから制御対象27のモータ8へ制御指令が送られて火格子炉本体の回転数が制御され、ごみ11の燃焼状況が変えられ、火炎16の重心点16cが基準となる範囲内に落ち着くように調整されることになる。なお、上記の実施の形態においてはファジィ規則の数を9とした場合を示したが、ファジィ規則の数は任意に決めればよい。
【0035】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置によれば、回転火格子炉内のごみ燃焼による火炎重心点位置を、周方向と長手方向で計測して、重心点位置の設定値との差を求め、計測された重心点位置が或る範囲内に落ち着くようにするために、ファジィ演算部のルール部に予め記憶されたファジィ規則ごとに、火炎重心点位置についての周方向の燃え方指標と長手方向の燃え方指標の各メンバーシップ関数で計算し、min法を適用して各規則ごとの回転火格子炉回転数のメンバーシップ関数に示して行き、この回転火格子炉回転数cのメンバーシップ関数をファジィ合成部で合成して重心法で重心を求めて回転数の調整量を求めるようにし、該回転数調整量に基づき回転火格子炉の回転数を調整して燃焼を制御させるようにするので、次の如き優れた効果を奏し得る。
(i) 火炎の計測を、回転火格子炉の長手方向のほかに周方向でも行うようにし且つ火炎の輝度が最も高いところである重心点位置を計測することから、ごみ層、ごみカロリー変動に対して、ごみ燃焼の火炎重心点位置を的確に把握することができる。
(ii)上記(i) に伴いごみの燃焼良否判断の精度が向上する。
(iii) ファジィ制御による周方向の燃え方指標と長手方向の燃え方指標の各メンバーシップ関数の同時合成を実施することにより、制御補正量の精度向上と燃焼の長期自動制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置の実施の形態を示すもので、(イ)はブロック図、(ロ)は火格子炉本体内を平面的に見た概略図である。
【図2】図1におけるファジィ制御演算装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2におけるファジィ演算部のルール部に予め記憶させた9つのファジィ規則により回転火格子炉回転数の結果を示すマトリックス表である。
【図4】火格子炉本体内を平面的に見たときの周方向燃え方指標と長手方向燃え方指標の各値と、火炎重心点がX位置からγ位置へ移った場合について示す概略図である。
【図5】周方向燃え方指標と長手方向燃え方指標と回転火格子炉回転数の各メンバーシップ関数を示すもので、(イ)は周方向燃え方指標に対する大、中、小の判断基準を示す図、(ロ)は長手方向燃え方指標に対する大、中、小の判断基準を示す図、(ハ)は回転火格子炉回転数に対する大、中、小の判断基準を示す図である。
【図6】図4のγ位置についてのファジィ規制▲1▼〜▲9▼による周方向燃え方指標aと長手方向燃え方指標bのファジィ演算の例とこれらを合成して回転火格子炉回転数のメンバーシップ関数に示した状態を示すもので、(イ)〜(リ)はファジィ規則▲1▼〜▲9▼に対応する図である。
【図7】図6に示す回転火格子炉回転数cを合成して得られた推論結果から重心法により回転数調整量を求めるようにした図である。
【図8】回転火格子炉の一例を示す概要図である。
【図9】従来の火格子炉本体内での火炎発生個所の燃え切り点計測を行う図である。
【図10】従来の火格子炉本体内でごみ層の変化が起きたときの火炎発生個所を示す図である。
【符号の説明】
1 火格子炉本体
8 モータ
11 ごみ
16 火炎
16c 重心点
17 ITVカメラ
18 画像処理装置
19 ファジィ制御演算装置
20 加え合わせ点
21 ファジィ演算部
22 ルール部
23 ファジィ合成部
25 加え合わせ点
26 回転火格子炉回転コントローラ
27 制御対象(回転火格子炉)
a 周方向燃え方指標
b 長手方向燃え方指標
c 回転火格子炉回転数
Claims (3)
- 火格子炉本体内に下方から空気を導入し該火格子炉本体を回転させながら内部に供給されたごみを焼却するようにしてある回転火格子炉における上記火格子炉本体内部のごみ燃焼個所の火炎の輝度が最も高いところである火炎重心点位置を、該火格子炉本体の長手方向と周方向の座標から求めて、その火炎重心点の位置が一定の範囲内で安定した燃焼となるように、ファジィ演算により周方向燃え方指標と長手方向燃え方指標の各メンバーシップ関数の値をファジィ規則すべてについて回転火格子炉回転数のメンバーシップ関数に示して推論し、次いで、該回転火格子炉回転数のメンバーシップ関数を合成して得られた推論結果の重心を重心法で求め、この重心の値を回転数調整量として回転火格子炉の回転数を調整し燃焼制御を行うことを特徴とする回転火格子炉の燃焼制御方法。
- ファジィ規則を、周方向燃え方指標の大、中、小と長手方向燃え方指標の大、中、小の組み合わせで9項目作り、各項目ごとに回転火格子炉回転数を推論する請求項1記載の回転火格子炉の燃焼制御方法。
- 回転火格子炉の火格子炉本体内を撮像するカメラでとらえた火格子炉本体内のごみの燃焼状況の画像信号を処理して火炎の輝度が最も高いところである火炎の重心点位置を火格子炉本体の周方向と長手方向からの座標から求めて周方向の燃え方指標と長手方向の燃え方指標を計測する画像処理装置を備え、且つ該画像処理装置で計測された周方向と長手方向の各燃え方指標とこれらの基準値との偏差ごとにファジィ規則すべてについて周方向燃え方指標のメンバーシップ関数の値と長手方向燃え方指標のメンバーシップ関数の値から回転火格子炉回転数のメンバーシップ関数に示して行く処理を行うルール部及び該ルール部で示された回転火格子炉回転数のメンバーシップ関数の推論結果の重心を回転数調整量として求めるようにするファジィ合成部からなるファジィ演算部と、該ファジィ演算部で求められた回転火格子炉の回転数調整量と回転火格子炉の回転数設定値とを加え合わせて制御情報として回転火格子炉回転コントローラへ入力させるようにする加え合わせ点を備えたファジィ制御演算装置を設けた構成を有することを特徴とする回転火格子炉の燃焼制御装置。
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