JP2971421B2 - 流動床式焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents

流動床式焼却炉の燃焼制御方法

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JP2971421B2
JP2971421B2 JP26025297A JP26025297A JP2971421B2 JP 2971421 B2 JP2971421 B2 JP 2971421B2 JP 26025297 A JP26025297 A JP 26025297A JP 26025297 A JP26025297 A JP 26025297A JP 2971421 B2 JP2971421 B2 JP 2971421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水等から発生す
る汚泥あるいは都市ゴミ等を処理するための流動床式焼
却炉の燃焼制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、流動床式焼却炉の1つとして図2
に示す流動床式汚泥焼却炉(以下、焼却炉という)11
が公知であり、この焼却炉11は砂層部12とフリーボ
ード部13とからなっている。砂層部12には燃料ガン
14からの燃料と、空気分散管15から高温の空気とが
供給されるとともに、フリーボード部13に設けた汚泥
投入機16から汚泥が投入されるようになっている。ま
た、焼却炉11の上部に設けた排気ダクト31には、空
気予熱器37,集塵機38,白煙防止器39が設けられ
ており、その下流には炉圧制御ダンパ51と誘引ファン
52とが設けられている。さらに焼却炉11の上部には
フリーボード部13の温度を下げるための冷却水噴射器
32が冷却水流量調節弁33を介して配設されている。
【0003】そして、汚泥投入機16から砂層部12に
投入された汚泥は、空気分散管15からの高温の空気と
燃料ガン14からの燃料との燃焼により灼熱された流動
状態の砂層部12で撹拌・粉砕され、短時間のうちに乾
燥、焼却される。有機分を焼却された汚泥は、粉末状の
無機分(焼却灰)だけになり、燃焼ガスとともに焼却炉
11の上部から排気ダクト31を経て空気予熱器37内
に流入し、ここでブロワ20からの空気との間で熱交換
が行われ、加熱された高温の空気が前記空気分散管15
に送られる。また、空気予熱器37に流入した燃焼ガス
は集塵機38で焼却灰を分離した後、白煙防止器39を
通り、炉圧制御ダンパ51を介して誘引ファン52によ
り外部に排出される。なお、排ガスとともに排出されず
砂層部12に残留する不燃物あるいは未燃物は残渣とし
て砂層部12の流動媒体とともに焼却炉11の下部から
排出される。
【0004】なお、前記燃料は燃料流量検出器17およ
び燃料流量調節弁18を介して燃料ガン14へ供給さ
れ、前記流動用空気はダンパ23および空気流量検出器
24を介して空気分散管15へ供給され、前記汚泥は汚
泥投入ポンプ27および汚泥流量検出器28を介して汚
泥投入機16へ供給されており、それぞれ弁の開度やポ
ンプの回転数を制御することにより炉内への供給量を調
節している。そして、一般に流動床式焼却炉11では砂
層部12およびフリーボード部13の温度、あるいは流
動用空気の供給量を制御することにより、汚泥の完全燃
焼を行い、汚泥の未燃焼分あるいはCO,NOxさらに
はダイオキシン類等の発生を防止している。
【0005】ここで、前記焼却炉11の操業について説
明すると、砂層部12の温度は、該砂層部12内の上段
・中段・下段の3箇所に温度検出器35を設け、該温度
検出器35からの検出温度を砂層部温度制御器41に入
力し、前記3箇所からの検出温度のうち最も温度の高い
ものと予め前記制御器41に入力されている基準温度
(設定温度)とを比較し、その温度偏差をなくすよう前
記燃料流量調節弁18の開度を調節することにより、つ
まり、砂層部12の温度が基準温度より高ければ燃料流
量を減らし、砂層部12の温度が基準温度より低ければ
燃料流量を増やすようにすることで制御している。
【0006】また、フリーボード部13の温度は、該フ
リーボード部13内の上段・中段・下段の3箇所に温度
検出器36を設け、該温度検出器36からの検出温度を
フリーボード部温度制御器42に入力し、前記3箇所か
らの検出温度のうち最も温度の高いものと予め前記制御
器42に入力されている基準温度(設定温度)とを比較
し、フリーボード部13の温度の方が基準温度より高け
れば、その温度偏差がなくなるよう前記焼却炉11の頂
部に設けた冷却水噴射器32から冷却水を冷却水流量調
節弁33の開度を調節しながら供給することによりフリ
ーボード部温度の過上昇を防止している。
【0007】さらに、汚泥投入機16から砂層部12に
供給される汚泥は、汚泥流量検出器28での検出流量を
汚泥流量制御器43に入力し、予め入力されている焼却
炉の汚泥処理量から決定される基準投入量(設定投入
量)と前記検出流量とを比較してその偏差を求め、該偏
差をなくすよう汚泥投入ポンプ27の回転数を制御する
ことにより、常に定量供給している。
【0008】さらにまた、流動用空気の供給量も、汚泥
投入量とその汚泥成分とから算出される必要空気量に汚
泥成分の変動等による必要空気量の変動分(増加分)を
予め加え、空気不足によるCOあるいは汚泥の未燃分等
の発生が防止できるよう必要空気量より多めの空気を基
準空気量(設定空気量)として予め空気流量制御器45
に入力しておき、該基準空気量と空気流量検出器24か
ら入力される検出流量とを比較して偏差を求め、該偏差
をなくすようダンパ23の開度を調節することにより、
砂層部12あるいはフリーボード部13の温度に関係な
く常に定量供給するよう制御している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、流動床式焼
却炉11では、フリーボード部13の熱容量に比して砂
層部12の熱容量がかなり大きいので、砂層部12の温
度を適正範囲内に保つために燃料供給量が増加すると、
燃料供給に対する砂層部12の応答速度が、フリーボー
ド部13に比して非常に遅いため燃料の供給量が過剰に
なり、フリーボード部13の温度が急上昇し易い。しか
も、砂層部12の温度とフリーボード部13の温度とは
それぞれ別々の制御系(単独の制御系)で制御されてい
るのでフリーボード部13の温度が異常に上昇しても燃
料供給量の制御に考慮されることなく、燃料の供給は継
続され、常に冷却水によりフリーボード部13を冷却し
なければならなくなり、燃料消費が多くなるという問題
がある。また、燃料供給量を減少すると、燃料供給(抑
制)に対する砂層部12の応答速度が非常に遅いため、
燃料供給量が必要以上に抑制され、フリーボード部13
の温度が下がり過ぎ、未燃分あるいはダイオキシン類を
発生するという問題がある。
【0010】さらに、流動用空気の供給量は砂層部12
あるいはフリーボード部13の温度変化、汚泥性状の変
化、あるいは燃料流量の増減等に関係なく常に定量供給
されているので、前記燃料流量の変化等に対応した最適
燃焼を行うことができず、CO,NOxあるいは未燃分
等の発生量が増加するという問題もある。本発明は、斯
る従来の問題をなくすことを課題としてなされたもの
で、砂層部およびフリーボード部の温度に対する燃料流
量を最適化して、砂層部、フリーボード部の温度を一定
範囲内に維持するとともに、燃料供給量および汚泥投入
量に対する空気供給量を最適化して、燃焼ガス中のC
O,NOxあるいはダイオキシン類等の発生量を低減さ
せることを可能とした流動床式焼却炉を提供しようとす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、燃料および流動用空気が供給される砂
層部と燃焼排ガスの流通する排ガスダクトが連設された
フリーボード部とからなる流動床式焼却炉の前記砂層部
への燃料供給量を調節することにより前記砂層部の温度
を制御する流動床式焼却炉の燃焼制御方法において、前
記砂層部の温度を温度検出器で測定し、該測定値を砂層
部温度演算器に入力して砂層部の単位時間あたりの温度
変化率を求める一方、前記フリーボード部の温度を温度
検出器で測定して該測定値をフリーボード部温度演算器
に入力し、予め該演算器に入力されているフリーボード
部の基準温度と前記測定値との温度偏差を求め、前記砂
層部の温度変化率とフリーボード部の温度偏差とに基づ
き前記燃料流量を制御するようにした。
【0012】また、第2発明は、前記砂層部の温度を温
度検出器で測定し、該測定値を砂層部温度演算器に入力
して予め該演算器に入力されている砂層部の基準温度と
の温度偏差を求め、該砂層部の温度偏差に基づき砂層部
への汚泥投入量を制御するようにした。
【0013】さらに、第3発明は、前記燃焼排ガス中の
2濃度およびNOx濃度をO2濃度検出器およびNOx
濃度検出器で測定して該測定値を給気流量制御器に入力
し、予め該制御器に入力されている基準O2濃度および
基準NOx濃度と前記測定値との偏差をそれぞれ求め、
該O2濃度偏差とNOx濃度偏差とに基づき前記流動用
空気の供給量を制御するようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態を図
面にしたがって説明する。図1は、第1発明に係る流動
床式焼却炉の1つである流動床式汚泥焼却炉(以下焼却
炉という)1を示し、図3に示す流動床式汚泥焼却炉1
1と共通する部分については、互いに同一番号が付して
ある。
【0015】この焼却炉1では、砂層部12内の上段・
中段・下段の3箇所に設けた温度検出器35からの検出
温度を砂層部温度演算器2に入力し、前記3箇所からの
検出温度のうち最も高いものと前記演算器2に予め入力
されている砂層部の基準温度(設定温度)とを比較して
砂層部温度偏差を算出するとともに、砂層部12の単位
時間当りの温度変化量、すなわち砂層部温度変化率(Δ
T/Δt)を算出する。また、フリーボード部13内の
上段・中段・下段の3箇所に設けた温度検出器36から
の検出温度をフリーボード部温度演算器3に入力し、前
記3箇所からの検出温度のうち最も高いものと予め前記
演算器3に入力されているフリーボード部13の基準温
度(設定温度)とを比較してフリーボード部温度偏差を
算出する。
【0016】そして、前記砂層部温度変化率とフリーボ
ード部温度偏差とは、燃料流量検出器17からの検出流
量が入力される燃料流量制御器4に入力され、この燃料
流量制御器4から燃料流量制御弁18に対して、砂層部
12の温度変化率を考慮しながらフリーボード部13の
温度偏差をなくすよう前記燃料流量制御弁18の開度を
調節する制御信号が出力される。このとき、燃料流量制
御器4では、従来のようにPID制御を実施しても良い
が、燃料流量の変化に対するフリーボード部13の温度
変化の応答速度が速いので、予想制御(見込み制御)的
要素を有するファジー制御を行うのが好ましい。このフ
ァジー制御を採用することにより、従来オペレータの経
験に基づいて行われていた燃料の流量制御を自動的に行
うことができる。
【0017】なお、前述の例では砂層部12およびフリ
ーボード部13の温度をそれぞれ上段、中段、下段の3
箇所で検出しているが、検出数は三つに限定するもので
はない。例えば、砂層部12の上段の温度検出器は砂層
を形成する砂の量の変動(特に減少)、投入される汚泥
あるいは緊急時に冷却水噴射器32から供給される冷却
水の影響等、燃料供給以外の温度変動要因が大きいた
め、砂層部12の正確な温度を検出しにくいので、検知
対象から除外し、砂層部12は中段、下段の2箇所の温
度を検出して比較するようにしても良いし、また、温度
の検出位置は上段、中段、下段に限定する必要はなく、
例えば中段のみで中心部と周辺部とを検出しても良い
し、あるいは上段、中段、下段の各段において中心部と
周辺部とを検出する等、検出位置は任意に設定して4箇
所以上で検出しても何ら問題ない。さらに、前述のよう
に複数点の温度を検出せず、砂層部12あるいはフリー
ボード部13を代表する1点のみを検出しても良い。例
えば、フリーボード部13の上段の温度を検出すること
で、空気予熱器37へ供給される燃焼排ガスの温度管理
を実施し、燃焼排ガスによる空気予熱器37の破損を防
止しながら、燃料流量の制御を行うようにしても良い。
このように、温度検出の位置および数は自由に設定でき
るものである。
【0018】一方、前記砂層部温度演算器2により算出
された砂層部温度偏差は、汚泥流量検出器28からの検
出流量が入力される汚泥流量制御器5に入力され、この
汚泥流量制御器5から汚泥投入ポンプ27に対して、砂
層部12の温度偏差をなくすよう、その回転数を調節す
る制御信号が出力される。ただし、汚泥投入量は、汚泥
処理量から一義的に決められているので、該投入量を制
御するのは、前述の燃料供給量の制御により砂層部12
の温度が所定値に調整されない場合のみである。また、
前記汚泥流量制御器5での制御はファジー制御あるいは
PID制御のどちらでも良い。
【0019】さらに、前記焼却炉1では、排気ダクト3
1の任意の位置(例えば空気予熱器37と集塵機38と
の間)に設けたO濃度検出器6およびNOx濃度検出
器7からの検出濃度を空気流量検出器24からの検出流
量が入力される給気流量制御器8に入力し、該検出濃度
と予め前記流量制御器8に入力されているOおよびN
Oxの基準濃度(設定濃度)とを比較してそれぞれの濃
度偏差を算出し、前記流量制御器8から前記偏差をなく
すようダンパ23の開度を調節する制御信号を出力す
る。このとき、給気流量制御器8では、従来のようにP
ID制御を実施しても良いが、O2濃度とNOx濃度と
の関係によりダンパ開度を予想制御(見込み制御)でき
るファジー制御を行うのが好ましい。
【0020】ここで、汚泥処理量と該処理量に対する基
準燃料流量および基準流動空気量の関係を表1に示すと
ともに、燃料流量調節弁18の開度調節およびダンパ2
3の開度調節に対するファジー制御の一例を表2および
表3に示す。
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】表2において前記フリーボード部の温度偏
差(検出温度−基準温度)の大きさを表す行における各
信号は以下の場合を意味している。なお、フリーボード
部の基準温度はダイオキシン類の発生を抑制するため
に、例えば850℃である。 NL:偏差が負で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:−50℃近く) NS:偏差が負で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:−20℃近く) ZR:偏差がゼロに近い場合 PS:偏差が正で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:+20℃近く) PL:偏差が正で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:+50℃近く) − :制御対象外
【0024】また、表2において前記砂層部の温度変化
率、即ち単位時間当りの砂層部温度の変化量(ΔT/Δ
t)の大きさを表す列における各記号は以下の場合を意
味している。 NL:変化率が負で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:−40℃/h近く) NS:変化率が負で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:−20℃/h近く) ZR:変化率がゼロに近い場合 PS:変化率が正で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:+20℃/h近く) PL:変化率が正で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:+40℃/h近く)
【0025】そして、前記偏差の大きさと前記変化率の
大きさによって表中の制御量を示す各記号は以下の意味
を表している。ただし、燃料流量の基準値は焼却炉の汚
泥処理量により決まるもので、その一例を前記表1に示
す。なお、燃料流量調節弁18の基準開度は汚泥処理量
ごとに異なり、汚泥処理量から決まる基準燃料流量を供
給する開度が基準開度となる。 NL:燃料流量調節弁を大きく閉方向に回す。(例:基
準値−20l/h近くにする) NS:燃料流量調節弁を小さく閉方向に回す。(例:基
準値−10l/h近くにする) ZR:燃料流量調節弁を動かさない。即ち、汚泥処理量
から決まる基準開度を維持する。 PS:燃料流量調節弁を小さく開方向に回す。(例:基
準値+10l/h近くにする) PL:燃料流量調節弁を大きく開方向に回す。(例:基
準値+20l/h近くにする)
【0026】次に、表3において、前記NOx濃度の偏
差(検出濃度−基準濃度)の大きさを表す行における各
記号は以下の場合を意味している。なお、NOxの基準
濃度は例えば50ppmである。 NL,NS: 基準値より低いNOx濃度は問題ないの
で制御の対象外 ZR:偏差がゼロに近い場合 PS:偏差が正で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:+25ppm近く) PL:偏差が正で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:+50ppm近く)
【0027】また、表3において、前記O2濃度の偏差
(検出濃度−基準濃度)の大きさを表す列における各記
号は以下の場合を意味している。なお、O2の基準濃度
は例えば6%である。 NL:偏差が負で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:−1.5%近く) NS:偏差が負で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:−0.5%近く) ZR:偏差がゼロに近い場合 PS:偏差が正で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:+0.5%近く) PL:偏差が正で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:+1.5%近く)
【0028】そして、前記NOx濃度の偏差の大きさと
2濃度の偏差の大きさとによって表中の制御量を示す
各記号は以下の意味を表している。ただし、流動空気量
の基準値は焼却炉の汚泥処理量により決まるもので、そ
の一例を前記表1に示す。なお、ダンパ23の基準開度
は汚泥の処理量ごとに異なり、汚泥処理量から決まる基
準流動空気量を供給する開度が基準開度となる。 NL: ダンパを大きく閉方向に回す。(例:基準値−
400m3N/h近くにする) NS: ダンパを小さく閉方向に回す。(例:基準値−
200m3N/h近くにする) ZR: ダンパを動かさない。即ち、汚泥処理量から決
まる基準開度を維持する。 PS: ダンパを小さく開方向に回す。(例:基準値+
200m3N/h近くにする) PL: ダンパを大きく開方向に回す。(例:基準値+
400m3N/h近くにする)
【0029】さらに、汚泥投入量は通常焼却炉の処理量
より一義的に決まり、砂層部やフリーボード部の温度等
に関係なく定量供給されるが、前述のような燃料流量の
制御だけでは砂層部12の温度が所定値を維持できない
場合のみ、表4のように汚泥投入量を制御する。そし
て、この汚泥投入により砂層部12の温度が所定値に調
整されると汚泥投入量は前記処理量より決まる投入量に
保持される。
【表4】
【0030】表4において、前記砂層部の温度偏差(検
出温度−基準温度)を表す行における各記号は以下の場
合を意味している。なお、砂層部の基準温度は例えば7
00℃である。 NL: 偏差が負で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:−50℃近く) NS: 偏差が負で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:−20℃近く) ZR: 偏差がゼロに近い場合 PS: 偏差が正で、かつ、その絶対値が小さい場合
(例:+20℃近く) PL: 偏差が正で、かつ、その絶対値が大きい場合
(例:+50℃近く)
【0031】そして、前記偏差の大きさによって表中の
制御量を示す各記号は以下の意味を表している。なお、
汚泥投入量の基準値の一例を表3に示す。 NL: 汚泥投入量の設定値を大きく減らす。(例:基
準値−10t/日) NS: 汚泥投入量の設定値を小さく減らす。(例:基
準値−5t/日) ZR: 汚泥投入ポンプの回転数を変更しない。即ち、
基準投入量を供給する回転数を維持する。 PS: 汚泥投入量の設定値を小さく増やす。(例:基
準値+5t/日) PL: 汚泥投入量の設定値を大きく増やす。(例:基
準値+10t/日)
【0032】なお、本発明においては、冷却水噴射器3
2を必ずしも必要とするものではないが、この焼却炉1
では、何らかの異常事態が発生して、フリーボード部温
度演算器3に入力された温度信号が示すフリーボード部
13の温度偏差が、許容値を超えた場合には、緊急手段
としてこのフリーボード部温度演算器3から冷却水流量
調節弁33に対してこれを開かせる制御信号が出力さ
れ、フリーボード部13に冷却水を噴射させて、フリー
ボード部13の温度を降下させ得るように形成してあ
る。
【0033】このように、前述の焼却炉1では、砂層部
12の温度を所定値に保持するにあたり、熱容量が大き
く応答速度の遅い砂層部12の温度変化率を考慮しなが
ら、熱容量が小さく応答速度の速いフリーボード部13
の温度を所定値に保持するように燃料流量を制御してい
るので、砂層部12への燃料の過剰供給によるフリーボ
ード部13の異常昇温、燃料の供給不足によるフリーボ
ード部13の異常低下を防ぐことができ、汚泥性状の変
化等による砂層部12の温度変化に対して常に最適量の
燃料を供給することができる。さらに、前記燃料流量の
制御だけでは砂層部12の温度を所定値に保持できない
場合は、汚泥処理量の設定値を変更することで汚泥投入
量を制御し、砂層部12の温度を調節することができ
る。
【0034】また、排気ダクト31の所定位置でO2
度およびNOx濃度を検出して両濃度が所定値を維持す
るよう流動空気量を制御するようにしたので、燃料流量
の変化あるいは汚泥性状の変化等により必要空気量が変
化しても常に最適空気量を供給することができ、これに
より、空気不足によるCOの発生、空気過剰によるNO
xの発生を抑制することができる。なお、前述の実施例
では流動床式焼却炉の一例として被焼却物が汚泥である
流動床式汚泥焼却炉について説明したが、本発明は、流
動床式焼却炉であれば、例えば、被焼却物が都市ゴミで
あっても焼却処理する対象物が変わるだけで流動床式汚
泥焼却炉と同様に本発明を適用できるのは当然である。
【0035】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、燃料および流動用空気が供給される砂層部と
燃焼排ガスの流通する排ガスダクトが連設されたフリー
ボード部とからなる流動床式焼却炉の前記砂層部への燃
料供給量を調節することにより前記砂層部の温度を制御
する流動床式焼却炉の燃焼制御方法において、前記砂層
部の温度を温度検出器で測定し、該測定値を砂層部温度
演算器に入力して砂層部の単位時間あたりの温度変化率
を求める一方、前記フリーボード部の温度を温度検出器
で測定して該測定値をフリーボード部温度演算器に入力
し、予め該演算器に入力されているフリーボード部の基
準温度と前記測定値との温度偏差を求め、前記砂層部の
温度変化率とフリーボード部の温度偏差とに基づき前記
燃料流量を制御するようにしてある。さらに、砂層部の
温度偏差に基づき汚泥投入量を制御するようにしてあ
る。
【0036】このように、熱容量が大きく異なる砂層部
とフリーボード部の温度制御を一元化して燃料供給量を
制御するようにした結果、燃料供給量を最適化しながら
砂層部およびフリーボード部の温度を常に所定値に保持
できるようになった。さらに、前記燃料供給量の制御だ
けでは砂層部温度を所定値に保持できない場合は、汚泥
投入量を制御することで砂層部温度を所定値に保持する
ようにしたので、砂層部およびフリーボード部は常に最
適温度に維持され、未燃分の発生あるいはダイオキシン
類の発生を抑制することができる。また、燃焼排ガス中
のO2濃度およびNOx濃度の測定値に基づいて流動用
空気の供給量を抑制するようにしたので、汚泥性状の変
化、燃料供給量の変化等にあわせて、常に最適の燃焼状
態を維持できる空気量を供給することによりCOあるい
はNOxの発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る流動床式汚泥焼却炉の全体構成
を示す図である。
【図2】 従来の流動床式汚泥焼却炉の全体構成を示す
図である。
【符号の説明】
1 流動床式汚泥焼却炉 2 砂層部温度演算器 3 フリーボード部温度演算器 4 燃料流量調制御器 5 汚泥流量制御器 6 O2濃度検出器 7 NOx濃度検出器 8 給気流量制御器 12 砂層部 13 フリーボード部 17 燃料流量検出器 18 燃料流量調節弁 20 ブロワ 23 ダンパ 24 空気流量検出器 27 汚泥投入ポンプ 28 汚泥流量検出器 31 排気ダクト 35 温度検出器(砂層部) 36 温度検出器(フ
リーボード部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23G 5/50 ZAB F23G 5/50 ZABN F23C 11/00 311 F23C 11/00 311 ZAB ZAB 11/02 301 11/02 301 309 309 ZAB ZAB F23G 5/30 ZAB F23G 5/30 ZABP (72)発明者 大西 勝 大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−14628(JP,A) 特開 平9−14627(JP,A) 特開 平8−121731(JP,A) 特開 平8−121730(JP,A) 特開 平6−341627(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23G 5/50 ZAB F23C 11/00 311 F23C 11/00 ZAB F23C 11/02 301 F23C 11/02 309 F23C 11/02 ZAB F23G 5/30 ZAB

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料および流動用空気が供給される砂層
    部と燃焼排ガスの流通する排ガスダクトが連設されたフ
    リーボード部とからなる流動床式焼却炉の前記砂層部へ
    の燃料供給量を調節することにより前記砂層部の温度を
    制御する流動床式焼却炉の燃焼制御方法において、 前記砂層部の温度を温度検出器で測定し、該測定値を砂
    層部温度演算器に入力して砂層部の単位時間あたりの温
    度変化率を求める一方、 前記フリーボード部の温度を温度検出器で測定して該測
    定値をフリーボード部温度演算器に入力し、予め該演算
    器に入力されているフリーボード部の基準温度と前記測
    定値との温度偏差を求め、前記砂層部の温度変化率とフ
    リーボード部の温度偏差とに基づき前記燃料流量を制御
    するようにしたことを特徴とする流動床式焼却炉の燃焼
    制御方法。
  2. 【請求項2】 前記砂層部の温度を温度検出器で測定
    し、該測定値を砂層部温度演算器に入力して予め該演算
    器に入力されている砂層部の基準温度との温度偏差を求
    め、該砂層部の温度偏差に基づき砂層部への汚泥投入量
    を制御することを特徴とする請求項1に記載の流動床式
    焼却炉の燃焼制御方法。
  3. 【請求項3】 前記燃焼排ガス中のO2濃度およびNO
    x濃度をO2濃度検出器およびNOx濃度検出器で測定
    して該測定値を給気流量制御器に入力し、予め該制御器
    に入力されている基準O2濃度および基準NOx濃度と
    前記測定値との偏差をそれぞれ求め、該O2濃度偏差と
    NOx濃度偏差とに基づき前記流動用空気の供給量を制
    御するようにしたことを特徴とする請求項1または2に
    記載の流動床式焼却炉の燃焼制御方法。
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