JPH11166709A - 回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置 - Google Patents

回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置

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JPH11166709A
JPH11166709A JP34729997A JP34729997A JPH11166709A JP H11166709 A JPH11166709 A JP H11166709A JP 34729997 A JP34729997 A JP 34729997A JP 34729997 A JP34729997 A JP 34729997A JP H11166709 A JPH11166709 A JP H11166709A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火炎重心点位置と炉内の燃焼状況を表わす排
ガス中のO2 濃度の如き情報とから燃焼用空気量を調整
することによりごみが入りすぎた場合に適切にコントロ
ールできるようにする。 【解決手段】 火格子炉本体内の火炎重心点位置の周方
向燃え方指標aとその設定値とを加え合わせ点24で加
え合わせる。偏差があると、偏差ごとにファジィルール
部27でファジィ規則すべてについてメンバーシップ関
数の値を計算する。排ガス中のO2 濃度値bにその設定
値を加え得わせ点25で加え合わせる。偏差があると、
偏差ごとにファジィ規則すべてについてメンバーシップ
関数の値を計算する。上記aのメンバーシップ関数の値
とbのメンバーシップ関数の値をファジィ規則すべてに
ついて燃焼用空気量cのメンバーシップ関数に示して推
論する。燃焼用空気量のメンバーシップ関数をファジィ
合成部28で合成し、重心法で燃焼用空気量補正量を求
める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ごみ等を焼却す
る回転火格子炉のごみ燃焼状況を或る範囲に安定させる
ように燃焼用空気(一次空気)の導入流量を調整して炉
内での燃焼制御を行わせるようにする回転火格子炉の燃
焼制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転火格子炉は、図9に概要を示す如
く、入口側ヘッダー管2と出口側ヘッダー管3との間
に、多数の水管4を円周方向に一定間隔で配置して、各
水管4の両端をそれぞれ上記入口側ヘッダー管2と出口
側ヘッダー管3に接続して連通させると共に、各水管4
間に、多数の空気孔を設けた炉壁板を取り付けて、円筒
状の火格子炉本体1を構成し、該火格子炉本体1をカバ
ーケーシング5内に回転自在に収納して、出口側ヘッダ
ー管3の方が低くなるように傾斜させて横置し、且つ上
記火格子炉本体1の入口側と出口側の端部外周にタイヤ
6をそれぞれ取り付けて、各タイヤ6をそれぞれターニ
ングローラ7上に載置させ、モータ8により一方のター
ニングローラ7を回転させることにより火格子炉本体1
を回転させるようにしてあり、更に、火格子炉本体1の
下方部に風箱9を設置して、該風箱9から火格子炉本体
1の壁を通して燃焼用空気を導入させるようにし、上流
側に接続した投入ホッパー10から投入されるごみ11
をプッシャ装置12にて火格子炉本体1内へ入れ、火格
子炉本体1を回転させながらごみ11を焼却するように
してある。
【0003】13は後燃焼装置、14は二次燃焼室、1
5は水管4内にボイラ水を循環流通させるように出口側
ヘッダー管3に連結してあるユニバーサルジョイントで
ある。
【0004】かかる構成の回転火格子炉でごみの焼却を
行う場合、ごみの焼却温度が不安定で不完全燃焼を起こ
すと、有害なダイオキシンが発生するおそれがある。
【0005】そのため、ごみの焼却においては、ごみを
確実に、且つ安定して燃焼させるようにするための工夫
が行われている。
【0006】従来、回転火格子炉の火格子炉本体1内で
のごみの焼却において、ごみの燃焼状況を知る尺度の1
つとして、燃え切り点を計測する方法が採られており、
燃え切り点の位置が火格子炉本体1内のどの範囲にある
かを見て、燃え切り点の位置を安定させるようにファジ
ィ理論を用いて制御する方法が提案されている。
【0007】すなわち、図10に示す如く、火格子炉本
体1内のごみ11の焼却において、火炎16の発生個所
が斜線で示す如き範囲にあるとき、火炎16の最下点で
ある燃え切り点16aの位置を火格子炉本体1内の長手
方向(上下流方向)にどの位偏っているかを計測し、こ
の燃え切り点16aの位置が或る部分で安定するように
ファジィ理論を用いて回転火格子炉の回転数の制御、回
転火格子炉内へのごみ11の供給量制御等を行うように
するものである。
【0008】又、従来では、火格子炉本体1内へ供給さ
れるごみの量や、ごみの発熱量、ごみの比重等のごみ質
の変動で燃焼状況が変化して来ることから、火格子炉本
体1からの排ガス中のO2 (酸素)濃度を分析して、該
排ガス中のO2 濃度の高低のみにより、火格子炉本体1
内へ供給される燃焼用空気の流量の増減をコントロール
するようにすることが考えられており、又、ごみ質変動
が大きい場合には、図10、図11の如き火格子炉本体
1内の火炎16を見ながら火格子炉本体1内へ供給する
燃焼用空気(一次空気)の流量を手動で調整することも
行われていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の図1
0に示す燃え切り点16aの計測は、ごみ質、ごみ層が
均一化することを前提にしたものであり、実際には、ご
み層の不均一やごみ質の高カロリー化等の影響で、ごみ
層と炉内でのごみの広がりに変化が起こり、図11に示
す如く、燃焼が不良になると、燃え切り点16aの炉の
長手方向の距離は図10と同じであっても、周方向では
右方に移動するため、燃え切り点として炉の長手方向の
距離のみを計測したのでは、燃え切り点の検出精度と使
用領域(燃え切り点の安定範囲が狭い)に問題があり、
正確な燃焼状況の把握ができず、燃え切り点による従来
の燃焼良否情報を制御系に反映できない、という問題が
ある。
【0010】又、燃焼排ガス中のO2 濃度のみで火格子
炉本体内へ供給される燃焼用空気の量を増減させるよう
にして燃焼制御しようとするものでは、排ガス中のO2
濃度が高いということは燃え過ぎであるとして燃焼用空
気の流量を減らすようにし、排ガス中のO2 濃度が低い
ということは炉内でO2 が多く使われているということ
であるとして燃焼用空気量を増やすようにしようとする
ものであるが、火格子炉本体内にごみが入り過ぎて炉内
で火が消えそうな状態になったときにO2 濃度が高くな
ることが判明しており、かかる場合には、O2 濃度が高
くなっても燃焼用空気量を増やすようにコントロールし
なければならないにもかかわらず、O2濃度のみでコン
トロールする場合には上記のようにO2 濃度が高いと燃
焼用空気量を減らすようなコントロールとなってしまっ
てますます不燃の方向へ向うことになり真のコントロー
ルができない、という問題がある。
【0011】そこで、本発明は、従来の火炎の最下点で
ある燃え切り点を計測することに代えて、火炎の重心点
の位置を回転火格子炉の周方向で計測すると共に、排ガ
ス中のO2 濃度を計測して、ごみの量、ごみ質の変動に
おける上記火炎の重心点の位置と排ガス中のO2 濃度の
如き情報から燃焼用空気の量を自動的に調整してごみが
入りすぎたような場合でも蒸発量の変動および燃焼を安
定化させるようにしようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、火格子炉本体内に下方の風箱から燃焼用
空気を導入し該火格子炉本体を回転させながら内部に供
給されたごみを焼却するようにしてある回転火格子炉に
おける上記火格子炉本体内部のごみ燃焼個所の火炎重心
点位置を、該火格子炉本体の長手方向と周方向の座標か
ら求めて、その火炎重心点位置が一定の範囲内で安定し
た燃焼となるように、周方向燃え方指標と排ガス中のO
2 濃度の如きセンサ情報の双方のメンバーシップ関数の
値を、ファジィ演算部に記憶されているファジィ規則す
べてについて燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示し
て推論し、次いで、該燃焼用空気量のメンバーシップ関
数を合成して得られた推論結果の重心を重心法で求め、
この重心の値を燃焼用空気量補正量として、これに燃焼
用空気量設定値を加えて調整した値で火格子炉本体内へ
の燃焼用空気量を調整し燃焼制御を行う燃焼制御方法及
び装置とし、又、ファジィ規則を、火炎重心点が移動し
た位置の周方向燃え方指標の大、中、小と排ガス中O2
濃度の如きセンサ情報の大、中、小の組み合わせて9項
目作り、各項目ごとに燃焼用空気量を推論するものとす
る。
【0013】火炎重心点位置が周方向に移動したときの
周方向燃え方指標と排ガス中のO2濃度の如き情報から
燃焼用空気量を調整するので、炉内へのごみの入りすぎ
等の場合に、O2 濃度の如き情報のみによる場合に比し
て燃焼用空気量のより適切なコントロールができて、補
正の精度向上が図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0015】図1は本発明の実施の一形態を示すもの
で、図9に示した回転火格子炉と同様な構成としてある
回転火格子炉の火格子炉本体1の下流側後方位置に、炉
内を下流側から上流側に向けて撮像するITVカメラ1
7を設置し、該カメラ17でとらえた火格子炉本体1内
のごみの燃焼状況の画像信号を処理する画像処理装置1
8を設置し、又、風箱9内へ燃焼用空気を供給するライ
ン19の途中に流量調整弁20を設け、更に、上記画像
処理装置18で処理された火炎16の最も輝度の高いと
ころを重心点16bとしてとらえて、火炎16の重心点
16bの位置が或る範囲に安定するよう火格子炉本体1
内への燃焼用空気量のファジィ推論を行うファジィ制御
演算装置21を設け、該ファジィ制御演算装置21から
上記燃焼用空気の流量調整弁20へ燃焼用空気量補正指
令が出されて火格子炉本体1下方部の風箱9への燃焼用
空気量が調整されるようにする。
【0016】図1において、22は二次燃焼室14の壁
面に取り付けた排ガス中のO2 濃度計であり、その他は
図9と同一のものには同一符号が付してある。
【0017】上記画像処理装置18は、火炎16の輝度
が最も高いところを重心点16bとしてとらえて、火炎
の重心点16bを、火炎16の面積(図1(ロ)で斜線
を付している部分)と、火格子炉本体1中心の長手方向
と周方向の座標から求め、重心点16bの周方向座標で
の位置検出を行って周方向の燃え方指標aを計測するも
のである。
【0018】ファジィ制御演算装置21は、図2に示す
ブロック図の如く、プロセスデータ23として、画像処
理装置18で計測された火炎16の重心点16bの周方
向の燃え方指標aと排ガス中のO2 濃度値(%)bを用
いるようにして、該燃え方指標aと重心点16bを落ち
着かせようとする周方向の基準点(燃え方指標設定値)
との偏差を求める加え合わせ点24と、火格子炉本体1
内の燃焼状況を表わすセンサ情報、たとえば、O2 濃度
計22で検出された排ガス中のO2 濃度と該排ガス中の
2 濃度設定値との偏差を求める加え合わせ点25と、
火格子炉本体1の風箱9へ導入する燃焼用空気の量を推
論するファジィ演算部26と、該ファジィ演算部26で
求められた燃焼用空気量の値が火格子炉本体1内への燃
焼用空気量補正量として出力されると、この燃焼用空気
量補正量に、該火格子炉本体1内への燃焼用空気量基準
値を蒸発量補正演算値で調整してなる燃焼用空気量設定
値を加え合わせる加え合わせ点29と、該加え合わせ点
29で加え合わされた制御情報を入力する燃焼用空気量
コントローラ30と、該コントローラ30からの指令に
より制御される制御対象(回転火格子炉)31とを備え
ており、上記ファジィ演算部26は、重心点16bの周
方向位置の検出値ごとに9項目にわたるファジィ規則に
よりファジィ演算を行わせるファジィルール部27と、
該ファジィルール部27で演算された火炎重心点位置と
2 濃度とによる燃焼用空気量の値を合成した推論結果
の重心を求め、燃焼用空気量の補正量を求めるようにす
るファジィ合成部28とからなる構成としてある。
【0019】なお、上記蒸発量補正演算値を加味させる
のは、短い周期での変動に合わせて燃焼用空気量をコン
トロールするためであり、蒸発量の多少の変動をここで
一定にするようにしてある。
【0020】上記ファジィルール部27に組み込まれて
いる火炎重心位置による燃え方指標a、排ガス中のO2
濃度値bと、これに伴う火格子炉本体1内へ導入する燃
焼用空気量cの関係を示す9項目のファジィ制御は、次
のとおりである。 aが大(PB)で、bが大(PB)ならば、cを増やす(PB) aが大(PB)で、bが中(NN)ならば、cを増やす(PB) aが大(PB)で、bが小(NB)ならば、cを増やす(PB) aが中(NN)で、bが大(PB)ならば、cを現状維持とす
る(NN) aが中(NN)で、bが中(NN)ならば、cを現状維持とす
る(NN) aが中(NN)で、bが小(NB)ならば、cを現状維持とす
る(NN) aが小(NB)で、bが大(PB)ならば、cを減らす(NB) aが小(NB)で、bが中(NN)ならば、cを減らす(NB) aが小(NB)で、bが小(NB)ならば、cを現状維持とす
る(NN) 上記ファジィ規則のように、O2 濃度が高くてもごみの
量が多すぎてそのままでは火が消えてしまうような場合
は、のように燃焼用空気量を増やして燃焼を促進させ
るようにし、逆にごみの量が少なくて燃えすぎの状態で
もO2 濃度が低ければ、のように燃焼用空気量を減ら
さないで現状維持とするようにする。
【0021】上記ファジィ規則〜をファジィ規則表
に置き換えると、図3のマトリックス表のようになり、
火格子炉本体1内への燃焼用空気量の調整結果は図3に
示すようになる。
【0022】上記ファジィルール部27では、火炎16
の重心点16bの周方向の位置の計測値と基準値との偏
差ごとと排ガス中のO2 濃度の計測値と基準値との偏差
ごとに上記9項目のファジィ規則すべてについて細かく
計算されてファジィ演算が行われ、周方向の燃え方指標
aのメンバーシップ関数の値とO2 濃度値bのメンバー
シップ関数の値をmax−min法により各々燃焼用空
気量cのメンバーシップ関数に示して行くような処理を
行い、ファジィ合成部28では、ファジィルール部27
で示された燃焼用空気量cのメンバーシップ関数の推論
結果を実際の燃焼用空気量補正量として重心法で求める
ようにする。
【0023】次に、ファジィ演算部26で行うファジィ
規則による火格子炉本体1内への燃焼用空気量制御につ
いて説明する。
【0024】図4は、火格子炉本体1を平面的に見て火
炎16の重心点16bが基準位置Xからどこの位置に動
いたかを計測して、周方向燃え方指標aでとらえた場合
において、一例として、火炎16の重心点16bがX位
置(a=0.0m)からγの位置(a=0.13m)に
動いた場合を示している。
【0025】又、図5は、排ガス中のO2 濃度の変動を
示すもので、一例として、O2 濃度を基準値(b=6
%)よりも高い値Yで検出して、Yの値がb=7.4で
ある場合を示している。
【0026】なお、燃え方指標a及び排ガス中O2 濃度
値bと燃焼用空気量cのファジィ制御範囲は、−1.0
≦a≦1.0、3≦b≦9、−2500≦c≦2500
とし、これらの範囲内でファジィ制御を適用するように
する。これらの範囲を外れた場合は、警告を発し、操作
員が手動で調整することになる。
【0027】今、図4のように火炎16の重心点16b
の位置がX位置からγの位置に移動したことが計測さ
れ、且つそのときの排ガス中のO2 濃度の値が7.4%
であった場合は、前記したファジィ規則のに相当する
ので、燃焼用空気量を増やすように制御することになる
が、この場合、次のような操作が行われる。
【0028】先ず、燃え方指標aのメンバーシップ関数
は、図6(イ)に示す如くであり、O2 濃度値bのメン
バーシップ関数は、図6(ロ)の如くであり、又、燃焼
用空気量cのメンバーシップ関数は、図6(ハ)に示す
如くである。
【0029】図6(イ)(ロ)に示す各メンバーシップ
関数においては、各交点AとBを基準として大(PB)、中
(NN)、小(NB)の範囲を決めるようにし、図6(イ)の燃
え方指標aでは、a>0.1で大、−0.1≦a≦0.
1で中、a<−0.1で小と判断し、図6(ロ)のO2
濃度値bでは、b>7で大、5≦b≦7で中、b<5で
小と判断するようにする。
【0030】図4において、火炎16の重心点16bの
位置がXからγの位置に移動した場合は、γの位置はa
=0.15であり、このときの排ガス中のO2 濃度値が
図5において基準値よりも高いb=7.4であると、a
は、図6(イ)で、0.13が数値0.1を越えている
ので、大(PB)とし、bは、図6(ロ)で7.4が数値7
を越えているので、大(PB)とし、これを図3のルールを
基にファジィ規則〜までの9項目についてメンバー
シップ関数で細かく計算するようにする。
【0031】図7は上記ファジィ規則〜について計
算するメンバーシップ関数の値を示すもので、図7
(イ)は火炎重心点がγの位置に移ってそのときのO2
濃度をYで検出したときにおけるファジィ規則による
メンバーシップ関数の値について、図7(ロ)は同じく
ファジィ規則によるメンバーシップ関数の値について
示し、同様に、図7(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)
(チ)(リ)はそれぞれファジィ規則に
よる関数の値を示している。
【0032】ファジィ規則は、周方向燃え方指標aが
大、O2 濃度値bが大であるから、aのメンバーシップ
関数の値は0.6、bのメンバーシップ関数の値は0.
7であり、min法により小さい値の0.6をとり、こ
れを火格子炉本体1内への燃焼用空気量cのメンバーシ
ップ関数に示すと、図示の如き値となる。
【0033】同様にして、ファジィ規則では、aが
大、bが中であるから、aのメンバーシップ関数の値は
0.6、bのメンバーシップ関数の値は0.3であり、
min法により小さい値の0.3をとり、これを燃焼用
空気量cのメンバーシップ関数に示して行く。
【0034】このようにして、計測された火炎重心点位
置γと排ガス中O2 濃度検出値Yについて、ファジィ規
則からのすべてについて周方向燃え方指標aのメン
バーシップ関数の値とO2 濃度値bのメンバーシップ関
数の値をmin法を適用して、小さい方の値を燃焼用空
気量cのメンバーシップ関数に示して行くようにし、図
7(イ)〜(リ)における燃焼用空気量cのメンバーシ
ップ関数に示された結果からファジィ合成部28で推論
結果が図8に示す如き図形として表わされ、重心法によ
り図形の重心位置Gを求め、その点の値を燃焼用空気量
補正量として取り出すようにする。
【0035】図8において、燃焼用空気量cについて
は、1500の値のみを“丁度よい値(最適値)”と位
置付け、それより大きい値(c>1500)を大(PB)、
それより小さい値(c<1500)を小(NB)とするよう
にする。
【0036】図8は、上述したように、火炎重心点位置
がXからγの位置に移動した場合と排ガス中O2 濃度の
値が基準点よりも高い検出値Yであった場合のファジィ
規則〜のすべてについてmin法を適用して、燃焼
用空気量cのメンバーシップ関数に示された推論結果の
図形を示したもので、γの位置とO2 濃度検出値がファ
ジィ規則〜のに示す範囲に該当しており、該ファ
ジィ規則に基づいて、燃焼用空気量cは、該燃焼用空
気量cの結果を示している図3のPBが選択され、燃焼用
空気量を“増やす”ことになり、この増やす量の燃焼用
空気量補正量として、図8の図形の重心を重心法により
求めることにより重心位置Gの値1800が求められる
ことになる。
【0037】火炎重心点16bの位置が基準位置Xから
図4に示すγとは異なる位置に移り、且つ炉内の燃焼状
況を表わすセンサ情報としての排ガス中のO2 濃度の値
がYとは異なる場合は、火炎重心点16bの位置とO2
濃度値について、上記と同様にファジィ規則〜のす
べてについて周方向燃え方指標aとO2 濃度値bのメン
バーシップ関数で計算され、min法を適用して燃焼用
空気量cのメンバーシップ関数に示して行き、その推論
結果の重心を重心法で求めることにより図8に対応する
結果が得られ、火炎重心点が移動した位置とそのときの
2 濃度の検出値が当てはまるファジィ規則に基づいて
燃焼用空気量cの補正量がその都度求められることにな
る。
【0038】このように、ファジィ演算部26で求めら
れた値は、燃焼用空気量補正量として出力され、加え合
わせ点29で、燃焼用空気量基準値に蒸発量補正演算値
を加えて調整した燃焼用空気量設定値が加え合わされて
制御情報として燃焼用空気量コントローラ30へ入力さ
れ、ここから制御対象31の流量調整弁20へ制御指令
が送られて火格子炉本体1内への燃焼用空気量が制御さ
れ、ごみ11の燃焼状況が変えられ、火炎16の重心点
16bが基準となる範囲内に落ち付くように調整される
ことになる。
【0039】なお、上記の実施の形態では、ファジィ規
則の数を9とした場合を示したが、ファジィ規則の数は
任意に決めればよいこと、又、炉内の燃焼状況を表わす
センサ情報として、排ガス中のO2 濃度値以外のもので
もよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で
種々変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の回転火格子炉
の燃焼制御方法及び装置によれば、回転火格子炉内のご
み燃焼による火炎重心点位置を求めて、その火炎重心点
位置が一定の範囲内で安定した燃焼となるように、周方
向燃え方指標と炉内の燃焼状況を表わす排ガス中のO2
濃度の如きセンサ情報の双方のメンバーシップ関数の値
をファジィ規則すべてについて燃焼用空気量のメンバー
シップ関数に示して推論し、次いで、該燃焼用空気量の
メンバーシップ関数をファジィ合成部で合成して得られ
た推論結果の重心を重心法で求め、この重心の値を燃焼
用空気量補正量として求め、該求めた燃焼用空気量補正
量に燃焼用空気量設定値を加えて得た制御情報で火格子
炉本体内への燃焼用空気量を調整して燃焼を制御させる
ようにするので、次の如き優れた効果を奏し得る。 (i) ファジィ制御による周方向の燃え方指標と排ガス中
2 濃度の如き燃焼状況を表現するセンサ情報の各メン
バーシップ関数の同時合成を実施することから、燃焼用
空気量の補正量の精度向上と燃焼の長期自動制御が可能
となる。 (ii)上記(i) に伴い、たとえば、排ガス中のO2 濃度が
高くてもごみ投入量が多すぎるような場合にも、直ちに
燃焼用空気量を増やすように自動的に制御が行われて火
が消えるようなこともなく燃焼を良好に行わせて火炎重
心点位置を或る範囲内に落ち着かせて蒸発量の変動およ
び燃焼を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転火格子炉の燃焼制御方法及び装置
の実施の形態を示すもので、(イ)は概要図、(ロ)は
火格子炉本体内を平面的に見た概略図である。
【図2】図1におけるファジィ制御演算装置の構成を示
すブロック図である。
【図3】図2におけるファジィ演算部のファジィルール
部に予め記憶させた9つのファジィ規則により燃焼用空
気量の結果を示すマトリックス表である。
【図4】火格子炉本体内を平面的に見たときの周方向燃
え方指標の値と火炎重心点がX位置からγ位置へ移った
場合について示す概略図である。
【図5】排ガス中のO2 濃度の変動を示す図である。
【図6】周方向燃え方指標と排ガス中O2 濃度値と燃焼
用空気量の各メンバーシップ関数を示すもので、(イ)
は周方向燃え方指標に対する大、中、小の判断基準を示
す図、(ロ)は排ガス中O2 濃度値に対する大、中、小
の判断基準を示す図、(ハ)は燃焼用空気量に対する
大、中、小の判断基準を示す図である。
【図7】図4のγ位置と図5の検出値Yについてのファ
ジィ規則〜による周方向燃え方指標aと排ガス中O
2 濃度値bのファジィ演算の例とこれらを合成して燃焼
用空気量のメンバーシップ関数に示した状態を示すもの
で、(イ)〜(リ)はファジィ規則〜に対応する図
である。
【図8】図7に示す燃焼用空気量cを合成して得られた
推論結果から重心法により燃焼用空気量補正量を求める
ようにした図である。
【図9】回転火格子炉の一例を示す概要図である。
【図10】従来の火格子炉本体内での火炎発生個所の燃
え切り点計測を行う図である。
【図11】従来の火格子炉本体内でごみ層の変化が起き
たときの火炎発生個所を示す図である。
【符号の説明】
1 火格子炉本体 9 風箱 11 ごみ 16 火炎 16b 火炎重心点 17 ITVカメラ 18 画像処理装置 20 流量調整弁 21 ファジィ制御演算装置 22 O2 濃度計 23 プロセスデータ 24 加え合わせ点 25 加え合わせ点 26 ファジィ演算部 27 ファジィルール部 28 ファジィ合成部 29 加え合わせ点 30 燃焼用空気量コントローラ 31 制御対象 a 周方向燃え方指標 b O2 濃度値 c 燃焼用空気量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火格子炉本体内に下方の風箱から燃焼用
    空気を導入し該火格子炉本体を回転させながら内部に供
    給されたごみを焼却するようにしてある回転火格子炉に
    おける上記火格子炉本体内部のごみ燃焼個所の火炎重心
    点位置を、該火格子炉本体の長手方向と周方向の座標か
    ら求めて、その火炎重心点位置が一定の範囲内で安定し
    た燃焼となるように、周方向燃え方指標と排ガス中のO
    2 濃度の如きセンサ情報の双方のメンバーシップ関数の
    値を、ファジィ演算部に記憶されているファジィ規則す
    べてについて燃焼用空気量のメンバーシップ関数に示し
    て推論し、次いで、該燃焼用空気量のメンバーシップ関
    数を合成して得られた推論結果の重心を重心法で求め、
    この重心の値を燃焼用空気量補正量として、これに燃焼
    用空気量設定値を加えて調整した値で火格子炉本体内へ
    の燃焼用空気量を調整し燃焼制御を行うことを特徴とす
    る回転火格子炉の燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 ファジィ規則を、火炎重心点が移動した
    位置の周方向燃え方指標の大、中、小と排ガス中O2
    度の如きセンサ情報の大、中、小の組み合わせて9項目
    作り、各項目ごとに燃焼用空気量を推論する請求項1記
    載の回転火格子炉の燃焼制御方法。
  3. 【請求項3】 回転火格子炉の火格子炉本体内を撮像す
    るカメラでとらえた火格子炉本体のごみの燃焼状況の画
    像信号を処理して火炎の重心点位置を火格子炉本体の周
    方向と長手方向の座標から求めて周方向の燃え方指標を
    計測する画像処理装置を備え、且つ該画像処理装置で計
    測された周方向燃え方指標とその設定値との偏差ごとに
    ファジィ規則すべてについて周方向燃え方指標のメンバ
    ーシップ関数の値と、排ガス中のO2 濃度の如き炉内で
    の燃焼状況を表わすセンサ情報とその設定値との偏差ご
    とにファジィ規則すべてについてセンサ情報のメンバー
    シップ関数の値とから燃焼用空気量のメンバーシップ関
    数に示して行く処理を行うファジィルール部及び該ファ
    ジィルール部で示された燃焼用空気量のメンバーシップ
    関数の推論結果の重心を燃焼用空気量補正量として求め
    るようにするファジィ合成部からなるファジィ演算部
    と、該ファジィ演算部で求められた燃焼用空気量補正量
    と燃焼用空気量設定値とを加え合わせて制御情報として
    燃焼用空気量コントローラへ入力させるようにする加え
    合わせ点を備えたファジィ制御演算装置を設けた構成を
    有することを特徴とする回転火格子炉の燃焼制御装置。
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