JP3852019B2 - 冷鍛加工性に優れるFe−Cr系軟質磁性材料 - Google Patents

冷鍛加工性に優れるFe−Cr系軟質磁性材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はFe−Cr系軟質磁性材料に関し、更に詳しくは、保磁力(Hc)が1.6Oe以下であり、しかも冷鍛加工性に優れているFe−Cr系軟質磁性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車エンジンの電子制御燃料噴射装置のハウジング部品を構成する材料としては、燃料中の腐食性成分(例えばS)と接触する関係から優れた耐食性を有するとともに、燃料噴射のon−off動作を迅速に実施させるために磁気特性の優れている材料であることが好適とされる。
【0003】
そして、上記した磁気特性に関しては、最大透磁率(μm)が大きく、飽和時速密度(G)が大きく、また保磁力(Hc)が小さいことを好適とする。とりわけ、迅速なon−off動作を実現させるためには、Hcが小さければ小さいほど好適である。
また、この材料の場合、棒材などを例えば切削加工して所定形状のハウジング部品にすることを考えると、加工性に優れた材料であることが好ましい。
【0004】
このように、上記したハウジング部品の材料としては、耐食性に優れていることは勿論のこと、磁気特性が優れており(例えばHcが小さい)、しかも加工性に優れていることが要求されることになる。
このような要求に応える材料としては、Fe−13%Crを典型的な組成例とするFe−Cr系合金が広く用いられている。この材料は、従来から電磁弁や電磁ポンプの材料として用いられている軟磁性のフェライト系ステンレス鋼であって、Cr成分の働きで耐食性に優れているからである。
【0005】
このFe−Cr系合金材料を製造する場合、例えば所定の原料をアーク溶解炉で溶解し、ついで得られた溶鋼にVOD精錬や真空式AOD精錬を行って目的とする合金鋼組成に調整したのち、その溶鋼を鋳造し、更に得られたインゴットに所定条件下で磁気焼鈍が行われる。
そして得られた素材に対し、例えば切削加工を行うことにより目的形状のハウジング部品が製造されている。
【0006】
このとき、アーク溶解炉に投入される原料には、通常、Fe−Cr系合金鋼のスクラップが用いられている。そして精錬時においては、材料に要求される性能との関係で各種の成分が添加されたり、また除去されたりする。
例えば、SやPbなどの快削元素を積極的に添加することにより、得られた材料の切削加工性を高めることが行われる。しかし、これら快削元素の添加量が多くなると、得られる材料の磁気特性は低下していく傾向を示すので、磁気特性を高めるために、更にSiやAlなどの元素が積極的に添加される。しかしながら、SiやAlの添加量が多くなりすぎると、得られる材料の切削加工性は低下する傾向を示すので、従来のFe−Cr系合金材料では、上記した快削元素の添加量とSiやAlの添加量を適正な値に制御することにより、切削加工性と磁気特性のバランスをとるという方策が採用されている。
【0007】
また、この合金鋼を溶製するときに、用いるスクラップ原料には、Ni,Mnなどの金属成分が不純物として含有されている場合があるが、そのような場合には、溶鋼にこれら不純物が混入してくる。そして、これら金属成分の混入量が多くなると、得られる合金鋼は、その加工性が低下する。
更に、この合金鋼の場合、溶製の過程で不可避的に、N,O,P,Cなどが混入する。そして、これらのうち、C,P,Nはいずれも合金鋼の磁気特性に悪影響を与える成分であって、これらの混入量が多くなると、Hc値は大きくなっていく。したがって、Hc値が小さい合金鋼を得るためには、合金鋼におけるC,P,Nの含有量を可能な限り少なくすることが好適となる。
【0008】
このようなことから、Hc値が小さく、しかも切削加工性が良好な合金鋼を製造するためには、まず、スクラップ原料としてNi,Mnなどの不純物が少ないものを用い、また精錬時に、脱炭,脱窒処理などの条件を適正に選定することにより、Hc値を大きくするC,N,Pなどを極力除去することが行われている。その結果、現在、ハウジング部品の材料としては、例えば、Cr:12.5〜13.0重量%,Si:0.70〜0.90重量%,Mn:0.20〜0.30重量%,Pb:0.10〜0.20重量%,Al:0.25〜0.35重量%,S:0.010〜0.025重量%,C:0.004〜0.010重量%,N:0.011〜0.017重量%,P:0.015〜0.025重量%,残部がFeから成る組成のFe−Cr系合金材料が用いられている。この組成の材料は、温度850℃で2時間の磁気焼鈍後におけるHc値が0.6〜1.2Oe程度であり、また切削加工性も良好な材料である。
【0009】
ところで、最近は、Fe−Cr系合金材料の線材から前記したハウジング部品を加工するときに、切削加工ではなく、当該線材を直接冷鍛加工してハウジング部品にするということが行われている。それは、製造コストの低減を実現することができるからである。
このようなことから、Fe−Cr系合金材料に対しては、Hc値が小さいことと並んで、冷鍛加工性に優れた材料であることが要求されはじめている。
【0010】
また、Hc値に関しても、電子制御燃料噴射装置における燃料噴射のon−off動作を一層確実にかつ一層迅速に実施させるために、Hc値はますます小さい値である材料への要求が強まり、具体的には、Hc値として1.6Oeを上限とする要求がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、前記した組成のFe−Cr系合金材料につき、その冷鍛加工性を高めようとする場合には、Mn,Siなどの金属成分やPbなどの快削元素の含有量を極力抑制し、また、磁気特性には好影響を与えるが加工性には悪影響を与えるSi,Alなどの含有量も極力抑制し、更には、上記成分量を抑制することに対応して、C,N,Pなどの不純物成分の含有量も抑制して、基本的には、Fe−13%Crのみの組成にすれば効果的である。
【0012】
しかしながら、その場合には、確かに冷鍛加工性の向上はもたらされるものの、他方では磁気特性、とりわけHc値は大きくなり、しかもHc値のロット間におけるばらつきが大きくなるという問題が生じてくる。
例えば、前記した組成のFe−Cr系合金材料を、次のような組成、すなわち、Cr:12.5〜13.5重量%,Si:0.01〜0.06重量%,Mn:0.15〜0.30重量%,Pbは含有せず,Al:0.03〜0.08重量%,S:0.002〜0.010重量%,C:0.002〜0.010重量%,N:0.010〜0.018重量%,P:0.010〜0.020重量%,残部はFeにすると、そのFe−Cr系合金材料の冷鍛加工性は向上するものの、他方では、温度850℃で2時間の磁気焼鈍後におけるHc値は0.6〜2.5Oeの範囲でばらつき、確実にHc値1.6Oe以下という要求には到底対応できなくなるという問題が生じている。
【0013】
本発明は、従来のFe−Cr系合金材料の場合には、磁気特性と切削加工性のバランスをとってその組成および不純物制御がなされていたことと異なり、磁気特性と冷鍛加工性とのバランスの観点から合金設計が成されているFe−Cr系合金材料であって、Hcは確実に1.6Oe以下の値を示し、また冷鍛加工性も良好なFe−Cr系軟質磁性材料の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、Cr:12.50〜13.50重量%,Al:0.05〜0.10重量%,Si:0.0重量%以下,Mn:0.25重量%以下,Ni:0.15重量%以下,S:0.005重量%以下,O:0.0020重量%以下,C:0.010重量%以下,N:0.0150重量%以下,P:0.020重量%以下,C,N,Pの合計量が0.030重量%以下,残部がFeから成ることを特徴とする、冷鍛加工性に優れるFe−Cr系軟質磁性材料が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の材料を開発するに至る過程を説明する。
(1) C,N,PのHc値に与える影響
Cr,Al,Mn,Si,S,Oについては、Cr:12.50〜13.50重量%,Al:0.03〜0.08重量%,Mn:0.25重量%以下,Si:0.10重量%以下,S:0.005重量%以下,O:0.0020重量%以下,となるようにそれぞれを規制し、かつ、C,N,Pについては、C:0.008重量%以下,N:0.015重量%以下,P:0。020重量%以下をそれぞれが満足し、しかも、その範囲内でC,N,Pの含有量が異なっている各種のFe−Cr系合金材料を製造した。
【0016】
そして、これらの合金材料に対し、圧延後5〜10%の加工率で冷間引き抜きし、温度850℃で2時間の磁気焼鈍を行い、それぞれのHc値を測定した。
その結果を、CとNとPの合計量との関係で図1に示した。
図1から明らかなように、上記した組成のFe−Cr系合金材料において、Hcが1.6Oe以下となるような磁気特性を付与する場合には、不純物であるC,N,Pを総量で0.030重量%以下に制限すべきであることがわかる。
【0017】
すなわち、Fe−13%CrをベースとするFe−Cr系合金材料において、そのHc値を1.6Oe以下にするためには、その合金材料に含有されてくる不純物であるC,N,Pの総量が0.030重量%以下となるように制御すべきであることが判明した。
(2) Alの影響
次に、表1で示した組成の合金を3種類製造し、圧延後5〜10%の加工率で冷間引き抜きし、これらの合金につき、温度850℃で2時間の磁気焼鈍を行ったのちHcを測定した。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0003852019
【0019】
これらの合金は、いずれも、C+N+P値は0.030重量%以下のものである。しかし、合金(2)と合金(3)を比較して明らかなように、合金(3)は磁気特性を低下させる不純物であるMnが合金(2)より多いにもかかわらず、Hc値は0.50Oeと非常に小さい値を示している。また合金(1)と合金(2)を比較すると、Mn量が少ない合金(1)の方がHc値は大きくなっている。
【0020】
一方、Alの含有量に着目すると、Alの含有量が増加するにつれてHc値は小さくなっている。このようなことから、Alの含有量の多寡は合金のHc値に大きな影響を与えているものと推定された。
そこで、本発明者は、合金(3)において、C+N+P値を0.020〜0.030重量%の範囲内に制御した状態でAl含有量を変化させて各種の合金(3)を製造し、これら合金(3)につき、圧延後5〜10%の加工率で冷間引き抜きし、温度850℃で2時間の磁気焼鈍を行いそれらのHc値を測定した。その結果を図2に示した。
【0021】
図2から明らかなように、C+N+P値が0.020〜0.030重量%に制限されている合金(3)において、そのHc値を1.6Oe以下にしようとする場合には、Alの含有量を0.05重量%以上にすべきであることがわかる。
しかし、Alの含有量が多くなりすぎると、合金(3)の硬度が高くなって冷鍛加工性に難が生ずるだけではなく、合金(3)の内部にAl23が析出しはじめていることが確認された。とくに、Al含有量が0.10重量%より多くなると、このAl23の分布量は増加しており、そのため、冷鍛加工率が増大したときにこのAl23を起点にして表層部に微小のワレやカケなどが発生してきた。このようなことから、Alの含有量の上限値は0.10重量%に設定すべきであることが確定された。
【0022】
(3)考察
以上の実験結果から次のことが明らかとなる。
すなわち、上記した組成のFe−13%Cr系合金材料においてそのHc値を1.6Oe以下に制御するためには、不純物として含有されてくるC,N,Pを、C+N+P値が0.030重量%以下となるように制限すべきであり、また磁気特性の向上成分であるAlは、その含有量を0.05重量%以上に設定すべきであるということである。
【0023】
そして、一方の冷鍛加工性の問題を考えると、C+N+P値は上記した値にすることを前提にして、Alの含有量は0.10重量%以下に制限すべきであるということである。
換言すれば、Fe−13%Cr系合金材料の場合、C+N+P値を0.030重量%以下、Al値を0.05〜0.10重量%に制限することにより、そのFe−13%Cr系合金材料のHc値を1.6Oe以下にすることができ、また冷鍛加工性も十分に確保できることが判明した。
【0024】
以上の知見から、本発明者は、Cr:12.50〜13.50重量%,Al:0.05〜0.10重量%,Si:0.0重量%以下,Mn:0.25重量%以下,Ni:0.15重量%以下,S:0.005重量%以下,O:0.0020重量%以下,C:0.008重量%以下,N:0.0150重量%以下,P:0.020重量%以下,C,N,Pの合計量が0.030重量%以下,残部がFeから成るFe−Cr系合金鋼を開発するに至ったのである。
【0025】
上記した合金組成において、Crはこの合金の基本成分であって、耐食性の確保に寄与する成分である。その含有量が12.50重量%より少なくなると、耐食性が低下してその合金を例えば燃料噴射電子制御装置のハウジング部品に用いた場合には早期の運転段階で腐食してしまう。また含有量を13.50重量%より多くしても耐食性は飽和状態に達するだけであって、徒に合金のコストを上昇させることになってしまう。
【0026】
Alは、前記したように、合金のHc値を1.6Oe以下に下げるために積極的に配合される成分である。Al含有量が0.05重量%より少ない場合には、得られた合金のHc値は1.6Oeより大きくなってしまう。しかし、このAl含有量が0.10重量%より多くなると、Hc値はより一層小さくなるものの、他方では、合金の内部にAl23が折出分布しはじめて、冷鍛加工性が悪くなる。このようなことから、本発明においては、Al含有量は0.05〜0.10重量%の範囲内に設定される。
【0027】
本発明のFe−13%Cr系合金におけるSi,Mn,Niなどの金属成分は、できるだけ少なくすべきであるが、前記したように、合金の溶製時に用いる原料などから不純物として混入してくる。
そして、これらの成分の含有量が増加すると、合金の靱性が低下して、結局、冷鍛加工性の低下が引き起こされる。
【0028】
そのため、これらの成分については、Si:0.0重量%以下,より好ましくは0.05重量%以下,Mn:0.25重量%以下,Ni:0.15重量%以下にすることが好ましい。
O,Sもまたできるだけ少なくすべきである。しかし、これらはいずれも不純物として合金に含有されてくる成分であって、含有量を0にすることは事実上不可能である。そして、その含有量が増加していくと、前記した合金成分の場合と同じように、合金の靱性や熱間加工性が低下して、結局は冷鍛加工性の低下が引き起こされるので、その含有量は、O:0.0020重量%以下,S:0.005重量%以下に制御されることが好ましい。
【0029】
さて、本発明の合金組成において、C,N,Pもできるだけ少なくすべきである。しかし、合金にはこれら不純物は不可避的に含有されてくる。そして、その含有量が増加するにつれて、合金の磁気特性は低下していき、また冷鍛加工性の低下も認められるようになる。
そのため、前記した図1で示したように、目的とする合金のHc値が1.6Oe以下にする場合には、C+N+P値を0.030重量%以下に設定することが必要である。その場合、C,N,Pの個々の含有量は、それらの合計量が上記した値(0.030重量%以下)を満足するような値であればよい。具体的には、C:0.010重量%以下,N:0.0150重量%以下,P:0.020重量%以下に設定される。
【0030】
本発明のFe−Cr系合金の製造に際しては、まず、従来と同じように、Fe−Cr系合金のスクラップを例えばアーク溶解炉で溶解し、その溶鋼に対し、所定の操業条件下においてVOD精錬や真空式AOD精錬を行って成分調整する。そして、得られた溶鋼を連続鋳造または造塊し、圧延後例えば加工率5〜10%の冷間引き抜きを行ったのち、例えば温度850℃で2時間の磁気焼鈍を行って製造される。
【0031】
【実施例】
実施例1〜8,比較例1〜5
表1で示した各種組成のFe−13%Cr系合金を製造し、これら合金を圧延後加工率5〜10%で冷間引き抜きしたのち、温度850℃で2時間の磁気焼鈍を行い、それぞれのHc値を測定した。その結果を一括して表2に示した。また、得られた合金の表面観察を行い、その結果を表2に示した。
【0032】
【表2】
Figure 0003852019
【0033】
表2で示した結果から以下のことが明らかである。
1)C+N+P値が0.030重量%より大きい合金(比較例1,2)は、いずれも、Hc値が2.0Oeより大きくなっている。
2)C+N+P値が0.030重量%より小さくても、Al含有量が0.05重量%より少ない合金(比較例3,4)の場合は、いずれも、Hc値が1.6Oeより大きくなってしまう。
【0034】
3)実施例1〜8および比較例5から明らかなように、合金のHc値を1.6Oeより小さくするためには、C+N+P値を0.030重量%以下に制限し、かつAl含有量を0.05重量%以上に設定すべきことがわかる。
4)しかし、比較例5から明らかなように、Al含有量が0.10重量%を超えると、Hc値は確かに1.6Oeより小さくなるが、他方では内部にAl23が分布しはじめるようになって冷鍛加工性の悪くなることが推定される。したがって、冷鍛加工性も確保しようとした場合には、Al含有量の上限は0.10重量%に設定すべきことがわかる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のFe−13%Cr合金材料は、Hc値が1.6Oe以下の値であり、しかも冷鍛加工性も良好な水準が確保されている。したがって、自動車エンジンの電子制御燃料噴射装置のハウジング部品を冷鍛加工で製造するときの材料としてその工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fe−13%Cr合金材料におけるC+N+P値とHc値との関係を示すグラフである。
【図2】Al含有量とHc値との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. Cr:12.50〜13.50重量%,Al:0.05〜0.10重量%,Si:0.0重量%以下,Mn:0.25重量%以下,Ni:0.15重量%以下,S:0.005重量%以下,O:0.0020重量%以下,C:0.010重量%以下,N:0.0150重量%以下,P:0.020重量%以下,C,N,Pの合計量が0.030重量%以下,残部がFeから成ることを特徴とする、冷鍛加工性に優れるFe−Cr系軟質磁性材料。
  2. Cr:12 . 50〜13 . 50重量%,Al:0 . 05〜0 . 10重量%,Si:0 . 05重量%以下,Mn:0 . 25重量%以下,Ni:0 . 15重量%以下,S:0 . 005重量%以下,O:0 . 0020重量%以下,C:0 . 010重量%以下,N:0 . 0150重量%以下,P:0 . 020重量%以下,C,N,Pの合計量が0 . 030重量%以下,残部がFeである請求項1の冷鍛加工性に優れるFe−Cr系軟質磁性材料。
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