JP3851929B2 - 極低温冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2段構成で極低温を得るのに適した極低温冷凍機に関し、特に第2ディスプレーサのシール構造を改善した極低温冷凍機に関する。
【0002】
この種の極低温冷凍機は以下の基本構成を備えている(図2参照)。ここで図2(A)は極低温小型冷凍機の概要を示す縦断面図、図2(B)はその冷凍機の作動工程図であり、図2(B)中の符号Vは後述する膨張室の容積を、Pはその膨張室内の圧力を、1〜4は作動工程順を、それぞれ示す。
【0003】
この種の極低温冷凍機は、第1ディスプレーサ3を内蔵する第1シリンダ1と、上記第1ディスプレーサ3と連動する第2ディスプレーサ4を内蔵する第2シリンダ2とが直列に形成されている。上記第1、2ディスプレーサ3、4は駆動手段10により往復動されるように構成されており、上記第1シリンダ1のガス出入口5と圧縮機8との間に、切換弁7を備えてなるガス通路6が介装されている。そして、圧縮機8で圧縮された冷媒ガスがガス出入口5に流入すると共に、ガス出入口5に流入した冷媒ガスは第1ディスプレーサ3内、第1シリンダ下部の第1膨張室11内、第2ディスプレーサ4内、第2シリンダ下部の第2膨張室12の順に流入するように構成されている。
【0004】
この極低温冷凍機は、以下のように4つの工程で作動する。工程1で各ディスプレーサ3,4が上方へ移動する。工程2で上記切換弁7が減圧側に切り換えられ、各シリンダ1,2の膨張室11,12内は低圧になり、断熱膨張により冷媒ガスの温度が低下する。工程3で各ディスプレーサ3,4が下方へ移動する。
工程4で上記切換弁7が圧縮側に切り換えられ、各シリンダ1,2の膨張室11,12内は高圧になる。この運転サイクルは反復して実行され、運転サイクルの反復により冷却が進むこととなる。
【0005】
ところで、上記極低温冷凍機において、所望の冷凍性能を得るためには、上記各シリンダと各ディスプレーサとの間のシール機構が重要である。このような極低温冷凍機の第2ディスプレーサシール機構としては、例えば、特開平7−324831号公報に開示されている。
【0006】
以下、上記従来例に係る極低温冷凍機を、その要部の縦断断面図の図6を参照しながら説明する。即ち、第2ディスプレーサ4の外周面に螺旋溝16が周設されている。そして、第1シリンダ下部の第1膨張室11と第2シリンダ下部の第2膨張室12とは、第2ディスプレーサ4内に形成された冷媒ガス通路15と、上記螺旋溝16とで連通しており、この螺旋溝16を介して一定量の冷媒ガスを流すように構成されている。なお、図6中における第2シリンダ2及び第2ディスプレーサ4を構成する本体13はステンレス製の筒体により構成され、その本体13の外周に、耐摩耗性樹脂筒体14(例えば、PTFE)が外装されており、上記螺旋溝16はその、耐摩耗性樹脂筒体14に周設されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例において、所望の冷凍性能を得るためには、例えば第2シリンダと第2ディスプレーサとの間隙(クリアランス)と、2段温度との関係説明図の図3(B)に示すように、第2シリンダと第2ディスプレーサとのクリアランスを所定の狭い範囲内に設定する必要がある。そのため、製造時の品質管理が容易でなく、コストが高くつくという問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記クリアランスの範囲が従来例よりも広く設定されているにもかかわらず冷凍性能が優れ、品質管理が容易なディスプレーサを備えた極低温冷凍機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、本発明の請求項1に係る極低温冷凍機は、第1ディスプレーサ3を内蔵する第1シリンダ1と、上記第1ディスプレーサ3と連動する第2ディスプレーサ4を内蔵する第2シリンダ2とが直列に形成され、上記第1、2ディスプレーサ3,4を往復動させる駆動手段10が設けられ、上記第1シリンダ1のガス出入口5と圧縮機8との間 に、切換弁7を備えてなるガス通路6が介装されるとともに、圧縮時には圧縮機8からガス出入口5に流入する冷媒ガスが第1ディスプレーサ3内、第1シリンダ下部の第1膨張室11内、第2ディスプレーサ4内、第2シリンダ下部の第2膨張室12の順に流入する一方、減圧時には冷媒ガスが逆順路を経て上記ガス出入口5から流出するように構成された極低温冷凍機において、上記第2ディスプレーサ4の第1シリンダ寄りの基端側部分4aに、この第2ディスプレーサ4のストローク範囲以上の寸法Lのクリアランスシール機構を形成し、この第2ディスプレーサ4の上記クリアランスシール機構を除く残余部分4bの外周に螺旋溝16を周設したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る極低温冷凍機は、請求項1に記載の極低温冷凍機において、上記第2ディスプレーサ(4)の外周面に耐摩耗性樹脂層(14)を形成させるとともに、上記螺旋溝(16)の開口溝幅(c)を、この螺旋溝(16)の最大溝幅(b)よりも狭くしたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る極低温冷凍機は、請求項1又は2のうちの何れか1つの項に記載の極低温冷凍機において、上記螺旋溝16の断面積を、上記クリアランスシール機構側よりも先端側を相対的に大きくしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形熊に係る極低温冷凍機を、極低温冷凍機がギフォード・マクマホン冷凍機(以下、GM冷凍機という)である場合を例として、添付図面を参照しつつ説明する。図1(A)は本発明の実施の形態に係るGM冷凍機の要部の縦断面図、図1(B)は図1(A)中の要部の拡大図である。なお、主要構成は、図2に示す従来例と同等であるから、主要構成については図2も参照することとする。
【0013】
先ず、GM冷凍機の全体構成を説明する。即ち、第1ディスプレーサ3を内蔵する第1シリンダ1の下部に、上記第1ディスプレーサ3の連結ピン20により 連結された第2ディスプレーサ4を内蔵する第2シリンダ2の上端が固着されて一体形成されている。上記第1ディスプレーサ3は駆動手段10で往復動され、この第1ディスプレーサ3に連動して第2ディスプレーサ4も往復動されるように構成されている。上記第1シリンダ1のガス出入口5と圧縮機8との間には、切換弁7を備えたガス通路6が介装されている。つまり、このガス通路6は、切換弁7の切り換えにより、圧縮機8から吐出される冷媒ガスをガス出入口5に流入させ、逆にこのガス出入口5から戻される冷媒ガスを圧縮機8のガス吸込口に戻すものである。
【0014】
冷媒ガスの圧縮時には、圧縮機8からガス出入口5に流入する冷媒ガスが第1ディスプレーサ3内、第1シリンダ下部の第1膨張室11内、第2ディスプレーサ4内、第2シリンダ下部の第2膨張室12の順に流入する。一方、冷媒ガスの減圧時には、冷媒ガスが逆順路を経て上記ガス出入口5から流出する。このような冷媒ガスの圧縮、減圧は駆動手段10による第1、2ディスプレーサ3,4の往復動により行われ、このような反復運転によって、極低温(4K)が得られるようになっている。
【0015】
上記第1シリンダ1、第1ディスプレーサ3、第2シリンダ2、及び第2ディスプレーサ4を構成する筒体は、何れも腺膨張が等しいステンレス鋼で構成されている。各ディスプレーサ3,4の内部には空間状のガス通路15が形成されており、そしてこれらガス通路15には蓄冷材25が充填されている。蓄冷材25としては、ステンレス金網、銅金網、鉛球などが用いられ、そして特に高い冷却性能が求められる第2ディスプレーサ4用の蓄冷材25には磁性材料が用いられている。
【0016】
なお、図2において、第1ディスプレーサ3の上部で冷媒ガス通路15と第1シリンダ1内とを連通させるポートは冷媒ガスのガス出入口21であり、下部で冷媒ガス通路15と第1膨張室11とを連通させるポートは冷媒ガスのガス出入口22である。また、第2ディスプレーサ4の上部で冷媒ガス通路15と第2シ リンダ2内とを連通させるポートは冷媒ガスのガス出入口23であり、下部で冷媒ガス通路15と第2膨張室12とを連通させるポートは冷媒ガスのガス出入口24である。また、第1シリンダ1の下部に外嵌され、下部にフランジを備えた筒体は冷熱取出部26であり、第2シリンダ2の下部に外嵌され、下部にフランジを備えた筒体は冷熱取出部27である。また、図1において、第2ディスプレーサ4の上端に嵌着されてなるものは上記ガス出入口23が設けられた止端部材28であり、下端に嵌着されてなるものは上記ガス出入口24が設けられた止端部材29である。さらに、上記止端部材28の下部に組込まれてなるものはパンチングメタル30であり、上記止端部材29の上部に組込まれてなるものは金網31、フェルト材32である。
【0017】
以下、本実施の形態1に係るGM冷凍機の特徴をなす構成を説明する。
即ち、図1(A)に示すように、第2ディスプレーサ4の第1シリンダ寄りの基端側部分4aに、この第2ディスプレーサ4のストローク範囲以上の寸法Lのクリアランスシール機構を形成した。そして、この第2ディスプレーサ4の上記クリアランスシール機構を除く残余部分4bの外周に螺旋溝16を周設した。この螺旋溝16は、図6との比較において良く理解されるように、第2ディスプレーサ4が上昇した場合、従来例では螺旋溝が第1シリンダ1の第1膨張室11内に位置するのに対して、必ず第2シリンダ2側に位置するように構成してある。
【0018】
これは、第2シリンダ2と第2ディスプレーサ4とのクリアランスを従来例よりも大きく設定しても、所要の冷凍性能を得ることを狙いとしたものである。
冷凍機能を向上させることができるのは、第2ディスプレーサ4のストローク範囲以上の寸法Lのクリアランスシール機構により、第2ディスプレーサ4の基端側部分4aのシール性能が向上する。これに加えて、螺旋溝16に流れる冷媒ガスが第2ディスプレーサ4の先端側から基端側部分4aの方向に流れ、螺旋溝16と冷媒ガスの間の生じるサーフェイスヒートポンピング作用(第2ディスプレーサ4の先端側から基端側部分へ熱を運ぶ作用)が向上する。そのため、第2シリンダ2と第2ディスプレーサ4とのクリアランスの範囲を従来例より広く設 定しても、所望の冷凍性能を得ることができる。従って、製造時の品質管理が容易になり、極低温冷凍機を低コストで製造することができる。
【0019】
【実施例】
以下、上記実施の形態1に係る実施例を、図1と、第2シリンダと第2ディスプレーサとのクリアランスと2段温度との関係説明図の図3(A),(B),(C)を参照して説明する。なお、図3(A)は本実施例に係る第2シリンダと第2ディスプレーサとのクリアランスと2段温度(K)との関係説明図であり、図3(B)は従来例に係る第2シリンダと第2ディスプレーサとのクリアランスと2段温度(K)との関係説明図であり、図3(C)は第2シリンダと全体にクリアランスシール機構が形成されている第2ディスプレーサとのクリアランスと2段温度(K)との関係説明図である。
【0020】
本実施例に係る第2ディスプレーサ4の外周面に、4フッ化エチレン樹脂系材料からなる、厚さ30μmの耐摩耗性樹脂層14が形成されている。第2ディスプレーサ4の残余部分4bに周設された螺旋溝16の上端は、基端側部分4aの下端と接する部位に周設されたリング溝17に連通している。上記リング溝17は、螺旋溝16の加工を容易にするために設けたものであり、必ずしも設ける必要がないものである。そして、螺旋溝16のピッチ2b、溝幅b、溝深さdは、それぞれ実質的に4mm、2mm、1mmに設定されている。
【0021】
従来例の場合には、図3(B)に示すように、クリアランスが所定の値から外れると2段温度(K)が急激に悪化するため、極めて厳しい品質管理が必要であるということが分かる。それに対して、本実施例の場合には、図3(A)に示すように、ある大きなクリアランス範囲においてほぼ同定度の2段温度(K)が得られる。つまり、クリアランスがばらついても所要の冷凍性能がえられ、従来例のような厳しい品質管理を行う必要がないことを示唆している。従って、GM冷凍機を低コストで製造することができる なお、図3(C)は、第2ディスプレーサ4の全体にクリアランスシール機構が形成されている場合の効果を確認する ためにテストしたものである。その結果、螺旋溝が設けられていない第2ディスプレーサでは使用に供し得ないことが分かった。
【0022】
本発明の実施の形態2を、螺旋溝の断面形状を示す図4(図1(B)に対応する)を参照して説明する。即ち、第2ディスプレーサ本体13の外周面に、例えばステンレス鋼からなる外筒13aを外嵌する。この外筒13aには上記第2ディスプレーサ本体13の外周面に周設されてなる螺旋溝16の溝幅bよりも小寸の溝幅cの螺旋溝が刻設されており、この外筒13aの螺旋溝の内縁が上記第2ディスプレーサ本体13の螺旋溝16の内側方向に突出するように、上記第2ディスプレーサ本体13の外周に外嵌されている。そして、この外筒13aの外周面には耐摩耗性樹脂層14が形成されている。
【0023】
本実施の形態2によれば、螺旋溝16内における冷媒ガスの流れが妨げられることがない。従って、螺旋溝16内を第2ディスプレーサ4の先端側から基端側部分4aの方向へ冷媒ガスがスムーズに流れるため、冷媒ガスのサーフェイスヒートポンピング作用が効果的に働く。他方、螺旋溝16に沿って流れる冷媒ガスと第2シリンダ2との熱交換に伴うシャトルヒート損失(サーフェイスヒートポンピング作用と逆の作用)を少なくすることができる。これにより、極低温冷凍機の冷凍性能を一層向上させることができるという優れた効果を奏することができる。
【0024】
本発明の実施の形態3を、添付図面の図5(A),5(B),5(C)を参照して説明する。図5(A)は、リング溝(17)が設けられておらず、同断面積の螺旋溝を有する第2ディスプレーサの模式図である。また、図5(B)は、クリアランスシール機構側の螺旋溝16aより先端側の螺旋溝16bの断面積が大きく、かつ螺旋溝16a,16bが同ピッチである第2ディスプレーサの模式図である。また、図5(C)は、クリアランスシール機構側の螺旋溝16aより先端側の螺旋溝16bの断面積が大きく、かつ螺旋溝16a,16bのピッチが異なる第2ディスプレーサの模式図である。
【0025】
図5(B),5(C)に示すように、クリアランスシール機構側の螺旋溝16aより先端側の螺旋溝16bの断面積を大きくすると、下記のとおりの効果を得ることができる。即ち、螺旋溝16の流路抵抗は第2ディスプレーサ4のクリアランスシール機構側が先端側より大きいから、冷媒ガスが先端側からクリアランスシール機構側の方向に流れ難くなる。つまり、螺旋溝の全体が、図5(A)に示すように、同じ断面積である場合に比較して冷媒ガスの流速が低下する。
そのため、サーフェイスヒートポンピング作用が強まるから、極低温冷凍機の冷凍性能がより一層向上するという、優れた効果を得ることができる。
【0026】
以上では、極低温冷凍機がGM冷凍機である場合を例として説明したが、本発明の技術的思想を、スターリング冷凍機やソルベイ冷凍機に対しても適用することができるから、GM冷凍機への適用に限定されるものではない。また、上記実施の形態は、本発明の具体例に過ぎないから、技術的思想を逸脱しない範囲内における設計変更は自由自在である。
【0027】
【発明の効果】
上記のとおり、本発明の請求項1に係る極低温冷凍機では、第2ディスプレーサ4の第1シリンダ寄りの基端側部分4aに、この第2ディスプレーサ4のストローク範囲以上の寸法Lのクリアランスシール機構を形成し、この第2ディスプレーサ4の上記クリアランスシール機構を除く残余部分4bの外周に螺旋溝16を周設した。従って、本発明の請求項1に係る極低温冷凍機によれば、基端側部分4aのシール性能が向上するとともに、螺旋溝16に流れる冷媒ガスが第2ディスプレーサ4の先端側から基端側部分4aの方向に流れ、螺旋溝16と冷媒ガスの間に生じるサーフェイスヒートポンピング作用(第2ディスプレーサ4の先端側から基端側部分へ熱を運ぶ作用)が向上する。そのため、第2シリンダ2と第2ディスプレーサ4とのクリアランスの範囲を従来例より広く設定しても、所望の冷凍性能が得られるから、製造時の品質管理が容易になり、極低温冷凍機を低コストで製造することができる。
【0028】
本発明の請求項2に係る極低温冷凍機では、第2ディスプレーサ4の外周面に耐摩耗性樹脂層14を形成させるとともに、上記螺旋溝16の開口溝幅cを、この螺旋溝16の最大溝幅bよりも狭くした。従って、本発明の請求項2に係る極低温冷凍機によれば、螺旋溝16内を第2ディスプレーサ4の先端側から基端側部分4aの方向へ冷媒ガスがスムーズに流れるため、冷媒ガスのサーフェイスヒートポンピング作用が効果的に働く。他方、螺旋溝16に沿って流れる冷媒ガスと第2シリンダ2との熱交換に伴うシャトルヒート損失(サーフェイスヒートポンピング作用と逆の作用)を少なくすることができる。これにより、極低温冷凍機の冷凍性能を一層向上させることができる。
【0029】
本発明の請求項3に係る極低温冷凍機では、螺旋溝16の断面積を、クリアランスシール機構側よりも先端側を相対的に大きくした。従って、本発明の請求項3に係る極低温冷凍機によれば、螺旋溝16の流路抵抗は第2ディスプレーサ4のクリアランスシール機構側が先端側より大きいから、冷媒ガスが先端側からクリアランスシール機構側の方向に流れ難くなる。つまり、全体が同断面積の螺旋溝に比較して冷媒ガスの流速が低下する。そのため、サーフェイスヒートポンピング作用が強まり、極低温冷凍機の冷凍性能がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係り、図1(A)はGM冷凍機の要部の縦断面図であり、図1(B)は図1(A)中の要部の拡大図である。
【図2】図2(A)は極低温小型冷凍機の概要を示す縦断面図、図2(B)はその冷凍機の作動工程図である。
【図3】本発明の実施の形態1に対応する実施例に係り、図3(A)は第2シリンダと第2ディスプレーサとのクリアランスと2段温度(K)との関係説明図であり、図3(B)は従来例に係る第2シリンダと第2ディスプレーサとのクリアランス と2段温度(K)との関係説明図であり、図3(C)は第2シリンダと全体にクリアランスシール機構が形成されている第2ディスプレーサとのクリアランスと2段温度(K)との関係説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係り、螺旋溝の断面形状を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係り、図5(A)はリング溝が設けられておらず、同断面積の螺旋溝を有する第2ディスプレーサの模式図であり、図5(B)はクリアランスシール機構側の螺旋溝より先端側の螺旋溝の断面積が大きく、かつ螺旋溝が同ピッチである第2ディスプレーサの模式図であり、図5(C)はクリアランスシール機構側の螺旋溝より先端側の螺旋溝の断面積が大きく、かつ螺旋溝のピッチが異なる第2ディスプレーサの模式図である。
【図6】従来例に係る極低温冷凍機の要部の断面図である。
【符号の説明】
1…第1シリンダ、2…第2シリンダ、3…第1ディスプレーサ、4…第2ディスプレーサ、4a…第2ディスプレーサの基端側部分、4b…第2ディスプレーサの残余部分、5…ガス出入口、6…ガス通路、7…切換弁、8…圧縮機、10…駆動手段、11…第1膨張室、12…第2膨張室、13…第2ディスプレーサ本体、14…耐摩耗性樹脂層、15…冷媒ガス通路、16…螺旋溝、17…リング溝、20…連結ピン、b…螺旋溝の溝幅又は最大溝幅、c…螺旋溝の開口溝幅、L…クリアランスシール機構の寸法。
Claims (3)
- 第1ディスプレーサ(3)を内蔵する第1シリンダ(1)と、上記第1ディスプレーサ(3)と連動する第2ディスプレーサ(4)を内蔵する第2シリンダ(2)とが直列に形成され、上記第1、2ディスプレーサ(3)、(4)を往復動させる駆動手段(10)が設けられ、上記第1シリンダ(1)のガス出入口(5)と圧縮機(8)との間に、切換弁(7)を備えてなるガス通路(6)が介装されるとともに、圧縮時には圧縮機(8)からガス出入口(5)に流入する冷媒ガスが第1ディスプレーサ(3)内、第1シリンダ下部の第1膨張室(11)内、第2ディスプレーサ(4)内、第2シリンダ下部の第2膨張室(12)の順に流入する一方、減圧時には冷媒ガスが逆順路を経て上記ガス出入口(5)から流出するように構成された極低温冷凍機において、上記第2ディスプレーサ(4)の第1シリンダ寄りの基端側部分(4a)に、この第2ディスプレーサ(4)のストローク範囲以上の寸法(L)のクリアランスシール機構を形成し、この第2ディスプレーサ(4)の上記クリアランスシール機構を除く残余部分(4b)の外周に螺旋溝(16)を周設したことを特徴とする極低温冷凍機。
- 請求項1に記載の極低温冷凍機において、上記第2ディスプレーサ(4)の外周面に耐摩耗性樹脂層(14)を形成させるとともに、上記螺旋溝(16)の開口溝幅(c)を、この螺旋溝(16)の最大溝幅(b)よりも狭くしたことを特徴とする極低温冷凍機。
- 請求項1又は2のうちの何れか1つの項に記載の極低温冷凍機において、上記螺旋溝(16)の断面積を、上記クリアランスシール機構側よりも先端側を相対的に大きくしたことを特徴とする極低温冷凍機。
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