JP3850762B2 - ポリアセタール系樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリアセタール系樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホルムアルデヒド発生量が抑制されたポリアセタール系樹脂組成物及びその製造方法、並びにこの組成物で形成された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアセタール系樹脂は、機械的性質、耐疲労性、耐摩擦・摩耗性、耐薬品性及び成形性に優れているため、自動車部品、電気・電子機器部品、その他の精密機械部品、建材・配管部材、生活・化粧用部品、医用部品等の分野において広く利用されている。しかしながら、用途の拡大、多様化に伴い、その品質に対する要求はより高度化する傾向を示している。ポリアセタール系樹脂に要求される特性として、押出又は成形工程などの加工工程における機械的強度が低下しないこと、金型への付着物(モールドデポジット)が発生しないこと、長期加熱条件下(ヒートエージング)における機械的物性が低下しないこと、成形品のシルバーストリークやボイドなどの成形不良が生じないことなどが挙げられる。これらの現象の重要因子の1つに加熱時のポリマーの分解が挙げられる。特に、ポリアセタール系樹脂は、その化学構造から本質的に、加熱酸化雰囲気下、酸性やアルカリ性条件下では容易に分解されやすい。そのため、ポリアセタール系樹脂の本質的な課題として、熱安定性を向上させて、成形加工過程又は成形品からのホルムアルデヒドの発生を抑制することが挙げられる。ホルムアルデヒドは化学的に活性であり、酸化によりギ酸となり耐熱性に悪影響を及ぼしたり、電気・電子機器の部品などに用いると、金属製接点部品が腐蝕したり有機化合物の付着により変色し、接点不良を生じる。さらにホルムアルデヒド自体が、部品組立工程での作業環境や最終製品の使用周辺の生活環境を汚染する。
【0003】
化学的に活性な末端を安定化するため、ホモポリマーについては、重合体の末端をアセチル化などによりエステル化する方法、コポリマーについては、重合時にトリオキサンと環状エーテル、環状ホルマールなどの隣接炭素結合を有するモノマーとを共重合した後、不安定な末端部分を分解除去して不活性な安定末端とする方法などが知られている。しかしながら、加熱時にはポリマーの主鎖部分での解裂分解も起こり、その防止には、上記処理のみでは対処できず、実用的には酸化防止剤及びその他の安定剤の添加が必須とされている。
【0004】
しかし、これらの安定剤を配合しても、ポリアセタール系樹脂の分解を完全に抑制することは困難であり、実際には組成物を調製するための押出や成形工程での溶融加工の際、押出機や成形機のシリンダー内で熱や酸素の作用を受け、主鎖の分解や充分に安定化されていない末端からホルムアルデヒドが発生し、押出成形加工時に作業環境を悪化させる。また、長時間にわたり成形を行なうと、金型に微粉状物、タール状物が付着し(モールドデポジット)、作業効率を低下させるとともに、成形品の表面状態を低下させる最大要因の1つとなっている。さらに、ポリマー分解により機械的強度の低下、樹脂の変色が生じる。このような点から、ポリアセタール系樹脂については、より効果的な安定化処方を求めて多大な努力が続けられている。
【0005】
ポリアセタール系樹脂に添加される酸化防止剤としては、立体障害を有するフェノール化合物(ヒンダードフェノール)、立体障害を有するアミン化合物(ヒンダードアミン)が知られており、その他の安定剤として、メラミン又はその誘導体、ポリアミド、ポリアクリルアミド誘導体などの特定の窒素含有化合物、アミジン化合物、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物、有機又は無機酸塩などが使用されている。また、通常、酸化防止剤は他の安定化剤と組み合わせて用いられる。しかし、このような添加剤を用いても、ポリアセタール系樹脂に対して高い安定性を付与することは困難である。
【0006】
特開昭52−59646号公報には、ポリアセタールコポリマーに酸化防止剤、アルキレンウレタン類、及び尿素を添加することにより、熱及び酸化雰囲気に対する安定性を改善させ、着色を生じないポリアセタール系樹脂組成物が開示されている。しかし、酸化防止剤及び尿素の添加だけでは、未だホルムアルデヒドの発生を顕著に抑制することが困難である。
【0007】
特開昭61−145245号公報には、ポリアセタールの熱安定性を改良するため、アセタールポリマーに、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸との低分子量コポリマーのイオン性塩を少量配合した成形用組成物が開示されている。また、アミジン系安定剤として、シアノグアニジン類、トリアジン類などを用いることが記載されている。
【0008】
特開昭63−260949号公報には、ポリアセタール系樹脂に、ヒンダードフェノール、ヒドロキシカルボン酸の金属塩、滑剤、窒素含有熱安定剤(メラミン、シアノグアニジンなどのアミジン化合物)、核形成剤、帯電防止剤などを添加したポリアセタール成形用組成物が開示されている。この文献では、前記添加剤により、加熱老化中の黄変に対する耐性、機械的性質、加工適性、紫外線に対する安定性、及び静電気の蓄積に対する抵抗を向上させている。
【0009】
しかし、これらの文献では、熱安定性、機械的性質、成形加工性などは改善できるものの、ホルムアルデヒドの発生を大幅に抑制することが困難であると共に、添加剤が成形品から浸出するため、多量に添加できない。
【0010】
一方、ポリアセタール系樹脂の性質を改良するために、他の材料と組み合わせることも考えられる。しかしながら、ポリアセタール系樹脂は、高結晶性であるため、他の材料との親和性や相溶性が極めて小さく、例えば、各種ポリマーの中では、ノボラック型フェノール樹脂との相溶性が認められている程度である(高分子論文集,Vol.48,No.7,pp.443-447(Jul.,1991))。特開平5−98039号公報には、ポリオキシメチレン重合体50〜99重量部とノボラック型フェノール樹脂50〜1重量部とからなる2軸延伸ポリオキシメチレンフィルム組成物が開示されている。この文献には、ポリオキシメチレン重合体/ノボラック型フェノール樹脂=99/1(重量比)の組成物では、延伸安定性が充分でないことが記載されている。しかし、この組成物では、比較的多くのフェノール樹脂を用いるため、ポリオキシメチレン重合体の特性を有効に発現させることが困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、添加剤の少量の添加でホルムアルデヒドの生成を著しく抑制できるポリアセタール系樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、添加剤の浸出を抑制できるポリアセタール系樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、ポリアセタール系樹脂の熱安定性、特に成形加工時の溶融安定性を改善できる樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、過酷な条件下であってもホルムアルデヒドの生成を抑制して、金型への分解物などの付着、成形体からの分解物の浸出や成形体の熱劣化を抑制できるとともに成形体の品質を向上し、成形性を改善できるポリアセタール系樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、少量のフェノール類及び/又はアミノ酸類と組み合わせると、熱安定性(特に成形加工時の溶融安定性)を改善できると共に、ポリアセタール系樹脂からのホルムアルデヒド発生や添加剤の浸出を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
【0016】
すなわち、本発明のポリアセタール系樹脂組成物は、ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、ホルムアルデヒド捕捉剤としてのアミノ酸類(B2)0.001〜10重量部、酸化防止剤0.01〜5重量部、耐熱安定剤0.001〜10重量部及び加工安定剤0.01〜10重量部で構成された組成物であって、前記アミノ酸類(B2)は、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸、及びδ−アミノ酸から選択された少なくとも一種であ。前記樹脂組成物には、さらに、耐候(光)安定剤、着色剤等を含んでいてもよい。
【0017】
本発明には、前記組成物で形成された成形体も含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[(A)ポリアセタール系樹脂]
ポリアセタール系樹脂とは、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物であり、ポリアセタールホモポリマー又はポリオキシメチレン(例えば、米国デュポン社製,商品名「デルリン(登録商標)」、旭化成工業(株)製、商品名「テナック(登録商標)4010」など)、オキシメチレン単位とコモノマー単位とを含有するポリアセタールコポリマー(例えば、ポリプラスチックス(株)製,商品名「ジュラコン(登録商標)」など)が含まれる。コポリマーにおいて、コモノマー単位には、炭素数2〜6程度(好ましくは炭素数2〜4程度)のオキシアルキレン単位(例えば、オキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基など)が含まれる。コモノマー単位の含有量は、少量、例えば、ポリアセタール系樹脂全体に対して、0.01〜30モル%、好ましくは0.03〜20モル%(例えば、0.05〜18モル%)、さらに好ましくは0.1〜15モル%程度の範囲から選択できる。
【0019】
ポリアセタールコポリマーは、二成分で構成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマーなどであってもよい。ポリアセタールコポリマーは、ランダムコポリマーの他、ブロックコポリマー(例えば、特公平2−24307号公報,旭化成工業(株)製,商品名「テナック(登録商標)LA」「テナック(登録商標)LM」など)、グラフトコポリマーなどであってもよい。また、ポリアセタール系樹脂は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタール系樹脂の末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸又はそれらの無水物とのエステル化、イソシアネート化合物とのウレタン化、エーテル化などにより安定化してもよい。ポリアセタール系樹脂の重合度、分岐度や架橋度も特に制限はなく、溶融成形可能であればよい。ポリアセタール系樹脂の分子量は特に制限されず、例えば、重量平均分子量5,000〜500,000、好ましくは10,000〜400,000程度である。
【0020】
前記ポリアセタール系樹脂は、例えば、アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等)や、環状エーテル(例えば、トリオキサン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン等)、環状ホルマール(例えば、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール等)などを重合することにより製造できる。さらには、共重合成分として、アルキル又はアリールグリシジルエーテル(例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテルなど)、アルキレン又はポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルなど)、アルキル又はアリールグリシジルアルコール、環状エステル(例えば、β−プロピオラクトンなど)及びビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルエーテルなど)を使用することもできる。
【0021】
[(B1)フェノール類]
本発明では、ヒドロキシル基を有する芳香族環を主鎖又は側鎖に有する樹脂(フェノール系樹脂)、ポリフェノール類をホルムアルデヒド捕捉剤又は発生防止剤として使用する。フェノール系樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール系樹脂、フェノールアラルキル系樹脂、変性フェノール樹脂[例えば、テルペンフェノール樹脂(例えば、特開平7−292214号公報に記載の樹脂、ヤスハラケミカル(株)製,商品名「YSポリスターシリーズ」「マイティーシリーズ」、荒川化学工業(株)製,商品名「タマノル」など)、ロジン変性フェノール樹脂(多価アルコールとの反応生成物も含む)、不飽和炭化水素化合物変性フェノール樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン−フェノール重合体(例えば、特開昭61−291616号公報、特開昭62−201922号公報、特開平6−49181号公報に記載のフェノール樹脂など)、シクロペンタジエン−フェノール重合体(日本石油化学(株)製,商品名「DPP−600M」など))]、ポリビニルフェノール系樹脂等が挙げられる。ポリフェノール類としては、多価フェノール類、ビスフェノール類、トリスフェノール類、カテキン類、リグニン類などが挙げられる。これらのフェノール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0022】
(ノボラック型フェノール系樹脂)
ノボラック型フェノール系樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類との反応から得られるノボラック型フェノール系樹脂が挙げられる。
【0023】
フェノール類としては、例えば、フェノール、C1-20アルキル基(好ましくはC1-10アルキル基)が置換したフェノール(例えば、p−、m−クレゾール等のクレゾール類、3,5−キシレノールなどのキシレノール類、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等)、シアノフェノール、多価フェノール類(例えば、レゾルシン、カテコール等)、アリールフェノール(例えば、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クミルフェノール等)、ビフェノール類(例えば、ビフェノールなど)、ビスフェノール類[例えば、4,4′−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)、4,4′−メチレンジフェノール(ビスフェノールF)、4,4′−スルホニルジフェノール(ビスフェノールS)、4,4′−チオジフェノール、4,4′−オキシジフェノール等]、アミノフェノール類(例えば、アミノフェノールなど)等が例示できる。これらのフェノール類のうち、フェノール又はアルキル(C1-4アルキル)フェノール等、特にフェノールが好ましい。これらのフェノール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0024】
アルデヒド類としては、例えば、脂肪族アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等)、芳香族アルデヒド(ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等)、ホルムアルデヒド縮合体(トリオキサン、パラホルムアルデヒド等)等が例示できる。これらのアルデヒド類のうち、脂肪族アルデヒド、特にホルムアルデヒドが好ましい。これらのアルデヒド類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0025】
ノボラック型フェノール系樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基に対してメチレン結合がランダムであるノボラック型ランダムフェノール系樹脂、フェノール性水酸基に対してオルソ位でのメチレン結合が多いハイオルソノボラック型フェノール系樹脂(例えば、オルソ/パラ比が1以上の樹脂)等が例示できる。
【0026】
フェノール類とアルデヒド類との縮合反応は、通常、無機酸(塩酸、硫酸等)や有機酸(p−トルエンスルホン酸、シュウ酸等)等の酸触媒の存在下又は非存在下で行われる。フェノール類とアルデヒド類との割合(モル比)は、前者/後者=1/0.6〜1/1程度である。
【0027】
これらのノボラック型フェノール系樹脂のうち、残留(又は遊離)フェノール類が低減されたモノマーレス樹脂やダイマーレス樹脂が好ましい。また、未反応ホルムアルデヒドやメチロール基を実質的に含まないのが好ましい。具体的には、遊離モノマー及び二核体(二量体)の総含有量は20重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下のノボラック型フェノール系樹脂が特に好ましい。遊離モノマーの含有量は、通常、0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。モノマーレス樹脂又はダイマーレス樹脂は、例えば、住友デュレズ(株)の商品名「スミライトレジンPR−53647」、「スミライトレジンPR−NMD−100シリーズ」、「スミライトレジンPR−NMD−200シリーズ」などとして入手できる。これらのノボラック型フェノール系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0028】
ノボラック型フェノール系樹脂の数平均分子量は、特に制限されず、例えば、300〜50000、好ましくは300〜10000、さらに好ましくは300〜8000程度の範囲から選択できる。
【0029】
(フェノールアラルキル系樹脂)
フェノールアラルキル系樹脂としては、アラルキル類と、フェノール類やナフトール類との反応から得られるフェノールアラルキル樹脂やナフトールアラルキル樹脂などが挙げられる。
【0030】
アラルキル類としては、例えば、p−キシリレングリコール、p−キシリレングリコールC1-4アルキルエーテル(例えば、p−キシリレングリコールジメチルエーテルやp−キシリレングリコールジエチルエーテル等)、アシルオキシアラルキル類(例えば、p−キシリレン−α,α′−ジアセテート等)、アラルキルジオール類(例えば、p−キシリレン−α,α′−ジオール等)、アラルキルハライド類(例えば、p−キシリレン−α,α′−ジクロライド、p−キシリレン−α,α′−ジブロマイド等)等が例示できる。これらのアラルキル類のうち、キシリレングリコール又はそのアルキルエーテル類やアシルオキシアラルキル類、特にキシリレングリコールC1-4アルキルエーテルが好ましい。これらのアラルキル類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0031】
フェノール類としては、前記ノボラック型フェノール系樹脂の項で例示のフェノール又はアルキルフェノール等やナフトール類等が例示できる。これらのフェノール類のうち、フェノールやアルキル(C1-4アルキル)フェノール、ナフトール等、特にフェノールやナフトールが好ましい。これらのフェノール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0032】
アラルキル類とフェノール類との反応は、通常、触媒の存在下又は非存在下で行われる。例えば、アラルキル類としては、アラルキルエーテル類を用いた場合、触媒の存在下で反応でき、アラルキルハライド類を用いた場合、触媒の非存在下で反応できる。触媒としては、例えば、C1-4アルキル硫酸(ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等)や金属塩化物(塩化スズ、塩化アルミニウム等)等のフリーデルクラフツ触媒が例示できる。アラルキル類とフェノール類との割合(モル比)は、前者/後者=1/1〜1/3、好ましくは1/1〜1/2.5程度である。
【0033】
フェノールアラルキル系樹脂は、商品名「ミレックス」(三井化学(株)製)、「スミライトレジン PR−54443」(住友デュレス(株)製)または「Xylok」(Albright&Wilson(株)製)として入手できる。また、特開2000−351822号公報に記載のアラルキル樹脂も好ましい樹脂として挙げることができる。これらのフェノールアラルキル系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0034】
フェノールアラルキル系樹脂の数平均分子量は、特に制限されず、例えば、300〜50000、好ましくは300〜10000、さらに好ましくは300〜8000程度の範囲から選択できる。
【0035】
(ポリビニルフェノール系樹脂)
ポリビニルフェノール系樹脂としては、ヒドロキシル基を有する芳香族ビニルモノマーの単独又は共重合体、又は前記芳香族ビニルモノマーと他の共重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0036】
ヒドロキシル基含有芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルフェノール、ジヒドロキシスチレン等が例示できる。これらのモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0037】
共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル系モノマー[例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸又はそのC1-18アルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのグリシジル基含有(メタ)アクリル酸又はそのC1-18アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等]、スチレン類(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニルシクロヘキサン等)、多価カルボン酸(フタル酸、マレイン酸等)、マレイミド類(例えば、マレイミド、N−メチルマレイミドなどのN−C1-4アルキルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのN−アリールマレイミド等)、ジエン類(例えば、イソプレン、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン等)、ビニル系モノマー(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール等の窒素含有ビニルモノマー等)が例示できる。これらの共重合性モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0038】
ヒドロキシル基含有芳香族ビニルモノマーと共重合性モノマーとの割合(重量比)は、例えば、前者/後者=10/90〜100/0、好ましくは30/70〜100/0、さらに好ましくは40/60〜100/0程度である。
【0039】
これらのポリビニルフェノール系樹脂のうち、ビニルフェノール単独重合体(ポリヒドロキシスチレン)、(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体、特にp−ビニルフェノール単独重合体、p−ビニルフェノール−(メタ)アクリル系モノマー共重合体が好ましい。これらのポリビニルフェノール系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0040】
ビニルフェノール系樹脂の数平均分子量は、特に制限されず、例えば、300〜500000、好ましくは400〜300000、さらに好ましくは500〜100000(特に500〜50000)程度の範囲から選択できる。
【0041】
(ポリフェノール類)
ポリフェノール類としては、多価フェノール類、ビスフェノール類、カテキン類(カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、クェルセチン、ケムフェロール、ミリセチンなど:これらは、例えば「サンフラボンシリーズ(HG、Pなど)」として、太陽化学(株)から入手できる)、テアニン類、タンニン類、及びリグニン類などを例示できる。
【0042】
多価フェノール類としては、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレンなどの二価フェノール類、ピロガロール、フロログルシンなどの三価フェノール類、フェノールリグニン、没食子酸などが挙げられる。
【0043】
ビスフェノール類としては、例えば、4,4−ビフェノール、3,3−ジフェニル−4,4−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−イソプロピルフェニル)メタン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどのジヒドロキシジアリールアルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロー4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのジヒドロキシジアリールシクロアルカン類;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)ベンゼンなどのジヒドロキシアリールアルキルベンゼン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチルー4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケトン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキルフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4′−ジヒドロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのジヒドロキシジアリールフルオレン類などを挙げることができる。
【0044】
また、その他のポリフェノール類としては、例えば、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4′−トリヒドロキシフェニルエーテル、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシフェニルエーテル、2,4,4′−トリヒドロキシジフェニル−2−プロパン、2,2′−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルメタン、2,4,4′−トリヒドロキシジフェニルメタン、1−[α−メチル−α−(4′−ジヒドロキシフェニル)エチル]−3−[α′,α′−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(4′−ジヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α′,α′−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、α,α′,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−イソプロピルベンジル)−4−イソプロピルフェノール、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2′−ヒドロキシ−5′−イソプロピルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン、1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルイソプロピル)ベンゼン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)−アミル−s−トリアジン、トリス(4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどを例示できる。
【0045】
これらのフェノール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0046】
[(B2)アミノ酸類]
また、本発明では、アミノ酸類をホルムアルデヒド捕捉剤又は発生防止剤として使用する。アミノ酸類としてはα−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸、δ−アミノ酸などが例示できる。
【0047】
(α−アミノ酸)
α−アミノ酸としては、モノアミノモノカルボン酸類(グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、ジヨードチロシン、スリナミン、トレオニン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、メチオニン、シスチン、システイン、シトルリン、α−アミノ酪酸、ヘキサヒドロピコリン酸、テアニンなど)、モノアミノジカルボン酸類(アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、ヘキサヒドロジピコリン酸、ヘキサヒドロキノリン酸など)、ジアミノモノカルボン酸類(リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジンなど)などが例示できる。
【0048】
(β−、γ−、δ−アミノ酸)
β−アミノ酸、γ−アミノ酸、δ−アミノ酸としては、β−アラニン、β−アミノ酪酸、ヘキサヒドロシンコメロン酸、γ−アミノ酪酸、δ−アミノ−n−吉草酸などが例示できる。
【0049】
これらのアミノ酸類は、D−体、L−体、DL−体の何れであってもよく、さらに、カルボルキシル基が金属塩化(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩など)、アミド化、ヒドラジド化、エステル化(メチルエステル、エチルエステルなど)されたアミノ酸誘導体も含む。
【0050】
さらに、アミノ酸類は、多孔性物質(シリカゲル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セピオライト、スメクタイト、パリゴルスカイト、イモゴライト、ゼオライト、活性炭など)に担持されていてもよいし、包接化合物(α−、β−、γ−、δ−シクロデキストリンなど)に包接されていてもよい。
【0051】
これらのアミノ酸類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0052】
フェノール類(B1)の割合は、例えば、ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.7重量部、さらに好ましくは0.03〜0.5重量部(特に0.05〜0.5重量部)程度である。また、アミノ酸類(B2)の割合は、例えば、ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.03〜3重量部(特に0.05〜1重量部)程度である。本発明では、少量のフェノール類及び/又はアミノ酸類を用いるだけで、ホルムアルデヒドの発生や添加剤の浸出を抑制できる。また、フェノール類、アミノ酸類の割合が少ないので、ポリアセタール系樹脂(A)の特性も低下しない。
【0053】
[添加剤]
本発明の樹脂組成物には、酸化防止剤、耐熱安定剤、加工安定剤、耐候(光)安定剤、着色剤等の添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0054】
(酸化防止剤)
酸化防止剤には、例えば、フェノール系、アミン系、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤等が含まれる。
【0055】
フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、例えば、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−3−(4′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、ステアリル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0056】
アミン系酸化防止剤としては、ヒンダードアミン類、例えば、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギサレート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−シクロヘキシル−1,4−フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0057】
リン系酸化防止剤として、例えば、トリイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2−t−ブチルフェニル)フェニルホスファイト、トリス[2−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル]ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−フェニルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
【0058】
ヒドロキノン系酸化防止剤としては、例えば、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどが挙げられ、キノリン系酸化防止剤としては、例えば、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが挙げられ、イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネートなどが挙げられる。
【0059】
これらの酸化防止剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの酸化防止剤のうち、ヒンダードフェノール類及びヒンダードアミン類から選択された少なくとも一種、特にヒンダードフェノール類[例えば、C2-10アルキレンジオール−ビス[(ジ分岐C3-6アルキルヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジ又はトリオキシC2-4アルキレンジオール−ビス[(ジ分岐C3-6アルキルヒドロキシフェニル)プロピオネート]、C3-8アルキレントリオール−ビス[(ジ分岐C3-6アルキルヒドロキシフェニル)プロピオネート]、C4-8アルキレンテトラオールテトラキス[(ジ分岐C3-6アルキルヒドロキシフェニル)プロピオネート]等]が好ましい。
【0060】
酸化防止剤の割合は、ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2.5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部程度の範囲から選択できる。
【0061】
フェノール類(B1)及び/又はアミノ酸類(B2)と、酸化防止剤との割合(重量比)は、前者/後者=99/1〜10/90、好ましくは95/5〜30/70、さらに好ましくは90/10〜50/50程度である。
【0062】
(耐熱安定剤)
耐熱安定剤には、(a)塩基性窒素含有化合物、(b)有機カルボン酸金属塩、(c)アルカリ又はアルカリ土類金属化合物、(d)ハイドロタルサイト、(e)ゼオライト等が含まれる。
【0063】
(a)塩基性窒素含有化合物
塩基性窒素含有化合物には、低分子化合物や高分子化合物(窒素含有樹脂)が含まれる。
【0064】
低分子化合物としては、例えば、脂肪族アミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等)、芳香族アミン類(o,m,p−トルイジン、o,m,p−フェニレンジアミン等の芳香族第2級アミン又は第3級アミン、o,m,p−アミノ安息香酸、o,m,p−アミノ安息香酸エチル等)、アミド化合物(マロンアミド、イソフタル酸ジアミド等の多価カルボン酸アミド、o,m,p−アミノベンズアミド等)、ヒドラジン又はその誘導体(ヒドラジン、ヒドラゾン、多価カルボン酸ヒドラジドなどのヒドラジドなど)、アミノトリアジン類[グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、フタログアナミン、CTU−グアナミン、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−エチル−4′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、等のグアナミン類又はそれらの誘導体、メラミン又はその誘導体(メラミン;メラム、メレム、メロン等のメラミン縮合物など)]、ウラシル又はその誘導体(ウラシル、ウリジン等)、シトシン又はその誘導体(シトシン、シチジン等)、グアニジン又はその誘導体(グアニジン、シアノグアニジン等の非環状グアニジン;クレアチニンなどの環状グアニジンなど)、尿素又はその誘導体[ビウレット、ビウレア、エチレン尿素、アセチレン尿素、イソブチリデンジウレア、クロチリデンジウレア、尿素とホルムアルデヒドとの縮合体、ヒダントイン、置換ヒダントイン誘導体(1−メチルヒダントイン、5−プロピルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントインなどのモノ又はジC1-4アルキル置換体;5−フェニルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントインなどのアリール置換体;5−メチル−5−フェニルヒダントインなどのアルキルアリール置換体など)、アラントイン、置換アラントイン誘導体(例えば、モノ,ジまたはトリC1-4アルキル置換体、アリール置換体など)、アラントインの金属塩(アラントインジヒドロキシアルミニウムなどの周期表3B属金属との塩など)、アラントインとアルデヒド化合物との反応生成物(アラントインホルムアルデヒド付加体など)、アラントインとイミダゾール化合物との化合物(アラントインソジウム−dlピロリドンカルボキシレートなど)、有機酸塩など]などが例示できる。
【0065】
窒素含有樹脂としては、例えば、ホルムアルデヒドとの反応により生成するアミノ樹脂(グアナミン樹脂、メラミン樹脂、グアニジン樹脂等の縮合樹脂;ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂等の共縮合樹脂など)、芳香族アミン−ホルムアルデヒド樹脂(アニリン樹脂など)、ポリアミド樹脂[例えば、ナイロン3(ポリβ−アラニン)、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ナイロン6−10、ナイロン6−11、ナイロン6−12、ナイロン6−66−610、ナイロン6−66−612等の単独又は共重合ポリアミド;メチロール基やアルコキシメチル基を有する置換ポリアミド等]、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、N−ビニルホルムアミドと他のビニルモノマーとの共重合体、ポリ(N−ビニルカルボン酸アミド)、N−ビニルカルボン酸アミドと他のビニルモノマーとの共重合体などが例示できる。
【0066】
これらの塩基性窒素含有化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの塩基性窒素含有化合物のうち、グアナミン類(アジポグアナミン、CTU−グアナミン等)、メラミン又はその誘導体[特にメラミン又はメラミン縮合物(メラム、メレム等)]、グアニジン誘導体(シアノグアニジン、クレアチニン等)、尿素誘導体[ビウレア、尿素とホルムアルデヒドとの縮合体、アラントイン、アラントインの金属塩(アラントインジヒドロキシアルミニウムなど)]、窒素含有樹脂[アミノ樹脂(メラミン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂;架橋メラミン樹脂などの架橋アミノ樹脂など)、ポリアミド樹脂など]が好ましい。
【0067】
(b)有機カルボン酸金属塩
有機カルボン酸金属塩としては、有機カルボン酸と金属(Li,Na,K等のアルカリ金属;Mg,Ca等のアルカリ土類金属;Znなどの遷移金属など)との塩が挙げられる。
【0068】
有機カルボン酸には、飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸や、不飽和脂肪族カルボン酸の重合体等が含まれる。また、これらの脂肪族カルボン酸はヒドロキシル基を有していてもよい。
【0069】
飽和脂肪族カルボン酸としては、飽和C1-34モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸等)、飽和C2-30ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸)、これらのオキシ酸(グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、クエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等)等が例示できる。
【0070】
不飽和脂肪族カルボン酸としては、不飽和C3-34モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸等]、不飽和C4-30ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、デセン二酸、ドデセン二酸等)、これらのオキシ酸(プロピオール酸など)等が例示できる。
【0071】
不飽和脂肪族カルボン酸の重合体としては、重合性不飽和カルボン酸[α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、例えば、(メタ)アクリル酸などの重合性不飽和モノカルボン酸、重合性不飽和多価カルボン酸(イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等)、前記多価カルボン酸の酸無水物又はモノエステル(マレイン酸モノエチルなどのモノC1-10アルキルエステルなど)など]とオレフィン(エチレン、プロピレン等のα−C2-10オレフィンなど)との共重合体などが挙げられる。
【0072】
これらの有機カルボン酸金属塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機カルボン酸金属塩のうち、アルカリ土類金属有機カルボン酸塩(酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等)、アイオノマー樹脂(前記重合性不飽和多価カルボン酸とオレフィンとの共重合体に含有されるカルボキシル基の少なくとも一部が前記金属のイオンにより中和されている樹脂)等が好ましい。前記アイオノマー樹脂は、例えば、A−CACLYN(アライド・シグナル社製)、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、サーリン(デュポン社製)等として市販されている。
【0073】
(c)アルカリ又はアルカリ土類金属化合物
アルカリ又はアルカリ土類金属化合物には、金属酸化物(CaO,MgO等)、金属水酸化物[Ca(OH)2,Mg(OH)2等]、金属無機酸塩[金属炭酸塩(Na2CO3,K2CO3,CaCO3,MgCO3等)、金属ホウ酸塩(Ca3(PO4)2など)、金属リン酸塩(Mg3(BO3)2など)等]等が含まれる。これらの金属化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属化合物のうち、金属酸化物及び金属水酸化物、特にアルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物が好ましい。
【0074】
(d)ハイドロタルサイト
ハイドロタルサイトとしては、特開昭60−1241号公報及び特開平9−59475号公報等に記載されているハイドロタルサイト類、例えば、下記式で表されるハイドロタルサイト化合物などが使用できる。
【0075】
[M2+ 1-x3+ x(OH)2x+[An- x/n・mH2O]x-
[式中、M2+はMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+等の二価金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+等の三価金属イオンを示す。An-はCO3 2-、OH-、HPO4 2-、SO4 2-等のn価(特に1価又は2価)のアニオンを示す。xは、0<x<0.5であり、mは、0≦m<1である]
ハイドロタルサイトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、ハイドロタルサイトは、「DHT−4A」、「DHT−4A−2」、「アルカマイザー」等として協和化学工業(株)から入手可能である。
【0076】
(e)ゼオライト
ゼオライトとしては、特に制限されないが、例えば、特開平7−62142号公報に記載されているゼオライト[最小単位セルがアルカリ及び/又はアルカリ土類金属の結晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライト(A型、X型、Y型、L型及びZSM型ゼオライト、モルデン沸石型ゼオライト;チャバザイト、モルデン沸石、ホージャサイト等の天然ゼオライトなど)など]などが使用できる。
【0077】
ゼオライトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、A型ゼオライトは、「ゼオラムA−3」、「ゼオラムA−4」「ゼオラムA−5」等として、また、X型ゼオライトは、「ゼオラムF−9」、Y型ゼオライトは、「HSZ−320NAA」等として東ソー(株)から入手可能である。
【0078】
耐熱安定剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。耐熱安定剤は、前記(a)成分と、前記(b)〜(e)成分から選択された少なくとも一種とを組み合わせて用いると、少量で耐熱安定性を付与することもできる。
【0079】
耐熱安定剤の割合は、例えば、ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜2重量部程度の範囲から選択できる。(a)成分と、[(b)〜(e)]成分とを組み合わせて用いる場合は、両者の割合は、(a)/[(b)〜(e)]=90/10〜10/90、好ましくは70/30〜30/70程度である。
【0080】
フェノール類(B1)及び/又はアミノ酸類(B2)と、耐熱安定剤との割合(重量比)は、前者/後者=99/1〜10/90、好ましくは95/5〜30/70、さらに好ましくは90/10〜50/50程度である。
【0081】
(加工安定剤)
加工安定剤としては、(a)長鎖脂肪酸又はその誘導体、(b)ポリオキシアルキレングリコール、(c)シリコーン系化合物、(d)ワックス類等が挙げられる。
【0082】
(a)長鎖脂肪酸又はその誘導体
長鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、一部の水素原子がヒドロキシル基などの置換基で置換されたものも使用できる。このような長鎖脂肪酸としては、炭素数10以上の1価又は2価の脂肪酸、例えば、炭素数10以上の一価の飽和脂肪酸[カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸等のC10-34飽和脂肪酸(好ましくはC10-28飽和脂肪酸)など]、炭素数10以上の一価の不飽和脂肪酸[オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸等のC10-34不飽和脂肪酸(好ましくはC10-28飽和脂肪酸)など]、炭素数10以上の二価の脂肪酸(二塩基性脂肪酸)[セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸酸等の二価のC10-30飽和脂肪酸(好ましくは二価のC10-20飽和脂肪酸)、デセン二酸、ドデセン二酸などの二価のC10-30不飽和脂肪酸(好ましくは二価のC10-20不飽和脂肪酸)など]が例示できる。前記脂肪酸には、1つ又は複数のヒドロキシル基を分子内に有する脂肪酸(例えば、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ飽和C10-28脂肪酸など)も含まれる。これらの脂肪酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0083】
長鎖脂肪酸の誘導体には、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミド等が含まれる。長鎖脂肪酸エステルとしては、その構造は特に制限されず、直鎖状又は分岐状脂肪酸エステルのいずれも使用でき、長鎖脂肪酸とアルコールとのエステル(モノエステル、ジエステル、トリエステルなど1つ又は複数のエステル結合を有するエステルなど)が挙げられる。長鎖脂肪酸エステルを構成するアルコールは、その種類は特に制限されないが、多価アルコールが好ましい。多価アルコールとしては、炭素数が2〜8程度、好ましくは2〜6程度の多価アルコール又はその重合体、例えば、アルキレングリコール[例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のC2-8アルキレングリコール(好ましくはC2-6アルキレングリコール)など]などのジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン又はこれらの誘導体などのトリオール類、ペンタエリスリトール、ソルビタン又はこれらの誘導体などのテトラオール類、及びこれらの多価アルコール類の単独又は共重合体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールの単独又は共重合体、ポリグリセリンなど)などが例示できる。前記ポリアルキレングリコールの平均重合度は2以上(例えば、2〜500)、好ましくは2〜400(例えば、2〜300)程度であり、平均重合度16以上(例えば、20〜200程度)が好ましく、このようなポリアルキレングリコールは、炭素数12以上の脂肪酸とのエステルとして好適に使用される。好ましい多価アルコールは、平均重合度が2以上のポリアルキレングリコールである。これらの多価アルコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0084】
このような脂肪酸エステルの例としては、エチレングリコールジステアリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリントリパルミチン酸エステル、ポリグリセリントリステアリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノパルミチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノウンデシル酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)のモノラウレート、モノパルミテート、モノステアレート、ジラウレート、ジパルミテート、ジステアレート、ジベヘネート、ジモンタネート、ジオレート、ジリノレートなどが挙げられる。これらの脂肪酸エステルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0085】
脂肪酸アミドとしては、前記長鎖脂肪酸(一価又は二価の長鎖脂肪酸)とアミン類(モノアミン、ジアミン、ポリアミン類など)との酸アミド(モノアミド、ビスアミドなど)が使用できる。モノアミドとしては、例えば、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸アミド、モンタン酸アミド等の飽和脂肪酸の第1級酸アミド、オレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸の第1級酸アミド、ステアリルステアリン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミド等の飽和及び/又は不飽和脂肪酸とモノアミンとの第2級酸アミドなどが例示できる。これらの脂肪酸アミドのうち、ビスアミドが好ましい。ビスアミドには、C1-6アルキレンジアミン(特に、C1-2アルキレンジアミン)と前記脂肪酸とのビスアミドなどが含まれ、その具体例としては、エチレンジアミン−ジステアリン酸アミド(エチレンビスステアリルアミド)、ヘキサメチレンジアミン−ジステアリン酸アミド、エチレンジアミン−ジオレイン酸アミド、エチレンジアミン−ジエルカ酸アミドなどが挙げられ、さらにエチレンジアミン−(ステアリン酸アミド)オレイン酸アミドなどのアルキレンジアミンのアミン部位に異なるアシル基が結合した構造を有するビスアミドなども使用できる。前記酸アミドにおいて、酸アミドを構成する脂肪酸は飽和脂肪酸であるのが好ましい。これらの脂肪酸アミドは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0086】
(b)ポリオキシアルキレングリコール
ポリオキシアルキレングリコールには、アルキレングリコール[例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどのC2-6アルキレングリコール(好ましくはC2-4アルキレングリコール)など]の単独重合体、共重合体、それらの誘導体等が含まれる。具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリC2-6オキシアルキレングリコール(好ましくはポリC2-4オキシアルキレングリコール)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(ランダム又はブロック共重合体など)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0087】
これらのポリオキシアルキレングリコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリオキシアルキレングリコールのうち、オキシエチレン単位を有する重合体、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体及びそれらの誘導体等が好ましい。また、前記ポリオキシアルキレングリコールの数平均分子量は、1×103〜1×106(例えば、1×103〜5×105)、好ましくは2×103〜1×105(例えば、2×103〜5×104)程度である。
【0088】
(c)シリコーン系化合物
シリコーン系化合物には、(ポリ)オルガノシロキサンなどが含まれる。(ポリ)オルガノシロキサンとしては、ジアルキルシロキサン(例えば、ジメチルシロキサンなど)、アルキルアリールシロキサン(例えば、フェニルメチルシロキサンなど)、ジアリールシロキサン(例えば、ジフェニルシロキサンなど)等のモノオルガノシロキサン、これらの単独重合体(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン等)又は共重合体等が例示できる。また、(ポリ)オルガノシロキサンには、分子末端や主鎖に、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、エーテル基等の置換基を有する変性(ポリ)オルガノシロキサン(例えば、変性シリコーン)なども含まれる。これらのシリコーン系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0089】
(d)ワックス類
ワックス類には、ポリオレフィン系ワックスなどが含まれる。ポリオレフィン系ワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリC2-4オレフィン系ワックス、エチレン共重合体ワックスなどのオレフィン共重合体ワックスが例示でき、これらの部分酸化物又は混合物等も含まれる。オレフィン共重合体には、例えば、オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィン等)の共重合体や、これらのオレフィンと共重合可能なモノマー、例えば、不飽和カルボン酸又はその酸無水物[無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸等]、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸C1-10アルキル(好ましくはC1-4アルキル)エステルなど]等の重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。また、これらの共重合体には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。オレフィン共重合体ワックスは、通常、エチレンと、他のオレフィン及び重合性モノマーから選択された少なくとも一種のモノマーとの共重合体である。
【0090】
これらのワックス類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのワックスのうち、ポリエチレンワックスが好ましい。ワックス類の数平均分子量は、100〜20000、好ましくは500〜15000、さらに好ましくは1000〜12000程度である。
【0091】
加工安定剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。加工安定剤の割合は、ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部(例えば、0.05〜3重量部)程度、特に0.05〜2重量部程度である。
【0092】
(耐候(光)安定剤)
耐候(光)安定剤としては、(a)ベンゾトリアゾール系化合物、(b)ベンゾフェノン系化合物、(c)芳香族ベンゾエート系化合物、(d)シアノアクリレート系化合物、(e)シュウ酸アニリド系化合物、(f)ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
【0093】
(a)ベンゾトリアゾール系化合物
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−イソアミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のヒドロキシル基及びアルキル(C1-6アルキル)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類;2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアラルキル(又はアリール)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類;2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアルコキシ(C1-12アルコキシ)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類等が挙げられる。これらのベンゾトリアゾール化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのベンゾトリアゾール系化合物のうち、ヒドロキシル基及びC3-6アルキル基置換C6-10アリール(特にフェニル)基を有するベンゾトリアゾール類、並びにヒドロキシル基及びC6-10アリール−C1-6アルキル(特にフェニル−C1-4アルキル)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類などである。
【0094】
(b)ベンゾフェノン系化合物
ベンゾフェノン系化合物としては、複数のヒドロキシル基を有するベンゾフェノン類(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジ乃至テトラヒドロキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノンなどのヒドロキシル基及びヒドロキシル置換アリール又はアラルキル基を有するベンゾフェノン類など);ヒドロキシル基及びアルコキシ(C1-16アルコキシ)基を有するベンゾフェノン類(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等)などが挙げられる。これらのベンゾフェノン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのベンゾフェノン系化合物のうち、ヒドロキシル基と共にヒドロキシル基置換C6-10アリール(又はC6-10アリール−C1-4アルキル)基を有するベンゾフェノン類、特に、ヒドロキシル基と共にヒドロキシル基置換フェニル−C1-2アルキル基を有するベンゾフェノン類が好ましい。
【0095】
(c)芳香族ベンゾエート系化合物
芳香族ベンゾエート系化合物としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのアルキルアリールサリシレート類が挙げられる。芳香族ベンゾエート化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0096】
(d)シアノアクリレート系化合物
シアノアクリレート系化合物としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノ基含有ジアリールアクリレート類などが挙げられる。シアノアクリレート系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0097】
(e)シュウ酸アニリド系化合物
シュウ酸アニリド系化合物としては、N−(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N−(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−フェニル)シュウ酸ジアミド等の窒素原子上に置換されていてもよいアリール基などを有するシュウ酸ジアミド類が挙げられる。シュウ酸アニリド化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0098】
(f)ヒンダードアミン系化合物
ヒンダードアミン系化合物としては、立体障害性基を有するピペリジン誘導体、例えば、エステル基含有ピペリジン誘導体[4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの脂肪族アシルオキシピペリジン(C2-20脂肪族アシルオキシ−テトラメチルピペリジンなど);4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの芳香族アシルオキシピペリジン(C7-11芳香族アシルオキシ−テトラメチルピペリジンなど);ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどの脂肪族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステル(C2-20脂肪族ジカルボン酸−ビスピペリジルエステルなど);ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレートなどの芳香族ジ乃至テトラカルボン酸−ビス乃至テトラキスピペリジルエステル(芳香族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステルなど)など]、エーテル基含有ピペリジン誘導体[4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC1-10アルコキシピペリジン(C1-6アルコキシ−テトラメチルピペリジンなど);4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC5-8シクロアルキルオキシ−ピペリジン;4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのアリールオキシピペリジン;4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどC6-10アリール−C1-4アルキルオキシ−ピペリジンなど;1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタンなどのアルキレンジオキシビスピペリジン(C1-10アルキレンジオキシ−ビスピペリジンなど)など]、アミド基含有ピペリジン誘導体[4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのカルバモイルオキシピペリジン;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメートなどのカルバモイルオキシ置換アルキレンジオキシ−ビスピペリジンなど]などが挙げられる。また、高分子量のピペリジン誘導体重縮合物(コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物など)なども含まれる。これらのヒンダードアミン系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0099】
これらのヒンダードアミン系化合物のうち、エステル基含有ピペリジン誘導体、特に、脂肪族カルボン酸ピペリジルエステル(好ましくはC2-16脂肪族ジカルボン酸−ビスピペリジルエステル、さらに好ましくはC6-14脂肪族ジカルボン酸−ビステトラメチルピペリジルエステルなど)、芳香族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステル等が好ましい。
【0100】
耐候(光)安定剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。耐候(光)安定剤の割合は、ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部程度である。また、耐候(光)安定剤ば、(f)成分と、他の(a)〜(e)成分から選択された少なくとも一種とを併用するのが好ましく、特に、(a)ベンゾトリアゾール系化合物と(f)ヒンダードアミン系化合物とを併用するのが好ましい。この場合、(f)成分と[(a)〜(e)]成分との割合(重量比)は、前者/後者=0/100〜80/20、好ましくは10/90〜70/30、さらに好ましくは20/80〜60/40程度である。
【0101】
(着色剤)
着色剤としては、各種染料又は顔料が使用できる。染料はソルベント染料が好ましく、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、又はナフトキノン系染料などが挙げられる。顔料については、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用できる。
【0102】
無機顔料としては、チタン系顔料、亜鉛系顔料、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)、鉄系顔料、モリブデン系顔料、カドミウム系顔料、鉛系顔料、コバルト系顔料、及びアルミニウム系顔料などが例示できる。
【0103】
有機顔料としては、アゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、又はスレン系顔料などが例示できる。
【0104】
着色剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの着色剤のうち、光遮蔽効果の高い着色剤[カーボンブラック、チタン白(酸化チタン)、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料]、特にカーボンブラックを用いると、耐候(光)性を向上できる。
【0105】
着色剤の割合は、例えば、ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、0〜5重量部(例えば、0.01〜5重量部)、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部程度である。
【0106】
(他の添加剤)
本発明のポリアセタール系樹脂組成物には、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、離型剤、核剤、帯電防止剤、摺動性改良剤、耐衝撃性改良剤、難燃剤、界面活性剤、香料、各種ポリマー(例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等)、充填剤等を単独で又は2種以上組み合わせて添加してもよい。また、必要に応じて、耐候(光)性に優れた樹脂、例えば、アクリル系樹脂[ポリメチルメタクリレートなどのC1-10アルキル(メタ)アクリレートの単独又は共重合体]、アクリル系コアシェルポリマー、ポリカーボネート樹脂等を添加してもよい。
【0107】
[ポリアセタール系樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリアセタール系樹脂組成物は、粉粒状混合物や溶融混合物であってもよく、ポリアセタール系樹脂(A)と、フェノール類(B1)及び/又はアミノ酸類(B2)と、必要により他の添加剤とを慣用の方法で混合することにより調製できる。例えば、(1)各成分を混合して、一軸又は二軸の押出機により混練して押出してペレットを調製した後、成形する方法、(2)一旦組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(希釈)して成形に供し、所定の組成の成形体を得る方法、(3)ポリアセタール樹脂のペレットに抑制剤を散布、表面コートなどにより共存、付着させた後、成形し、所定の組成の成形体を得る方法等が採用できる。
【0108】
本発明の樹脂組成物は、慣用の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクションモールディングなどの方法で、種々の成形体を成形するのに有用である。
【0109】
[成形体]
前記ポリアセタール系樹脂組成物で構成された本発明のポリアセタール系樹脂成形体は、ポリアセタール系樹脂(A)と、フェノール類(B1)及び/又はアミノ酸類(B2)とを組み合わせて含んでおり、耐候(光)安定性に優れるとともに、ホルムアルデヒド発生量が極めて少ない。すなわち、酸化防止剤などの安定剤を含む従来のポリアセタール系樹脂で構成された成形体は、比較的多量のホルムアルデヒドを生成し、腐食や変色などの他、生活環境や作業環境を汚染する。例えば、一般に市販されているポリアセタール系樹脂成形体からのホルムアルデヒド発生量は、乾式(恒温乾燥雰囲気下)において、表面積1cm2当たり2〜5μg程度である。
【0110】
これに対して、本発明のポリアセタール系樹脂成形体は、乾式において、ホルムアルデヒド発生量が成形体の表面積1cm2当たり2μg以下(0〜1.5μg程度)、好ましくは0〜1μg程度である。
【0111】
なお、乾式でのホルムアルデヒド発生量は、次のようにして測定できる。
【0112】
ポリアセタール系樹脂成形体を、必要により切断して表面積を測定した後、その成形体の適当量(例えば、表面積10〜50cm2となる程度)を密閉容器(容量20ml)に入れ、温度80℃で24時間放置する。その後、この密閉容器中に水を5ml注入し、この水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、成形体の表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を求める。
【0113】
本発明における前記ホルムアルデヒド発生量の数値規定は、ポリアセタール系樹脂(A)と、フェノール類(B1)及び/又はアミノ酸類(B2)を含む限り、慣用の添加剤(通常の、酸化防止剤、安定剤、着色剤等)を含有するポリアセタール系樹脂組成物の成形体についてだけでなく、無機充填剤、他のポリマーなどを含有する組成物の成形体においても、その成形体の表面の大部分(例えば、50〜100%)が樹脂で構成された成形体(例えば、多色成形体や被覆成形体など)についても適用可能である。
【0114】
本発明の成形体は、ホルムアルデヒドが弊害となるいずれの用途(例えば、自転車部品としてのノブ、レバーなど)にも使用可能であるが、自動車部品や電気・電子部品(能動部品や受動部品など)、建材・配管部品、日用品(生活)・化粧品用部品、医用(医療・治療)部品及び写真用部品として好適に使用される。
【0115】
より具体的には、自動車部品としては、インナーハンドル、フューエルトランクオープナー、シートベルトバックル、アシストラップ、各種スイッチ、ノブ、レバー、クリップ、スピーカーグリル等の内装部品、メーターやコネクターなどの電気系統部品、オーディオ機器やカーナビゲーション機器などの車載電気・電子部品、ウインドウレギュレーターのキャリアープレートに代表される金属と接触する部品、ドアロックアクチェーター部品、ミラー部品、ワイパーモーターシステム部品、燃料系統の部品などの機構部品が例示できる。
【0116】
電気・電子部品(機構部品)としては、ポリアセタール系樹脂成形体で構成され、かつ金属接点が多数存在する機器の部品又は部材[例えば、カセットテープレコーダなどのオーディオ機器、VTR(ビデオテープレコーダー)、8mmビデオ、ビデオカメラなどのビデオ機器、又はコピー機、ファクシミリ、ワードプロセサー、コンピューターなどのOA(オフィスオートメーション)機器、更にはモーター、発条などの駆動力で作動する玩具、電話機、コンピュータなどに付属するキーボードなど]などが例示できる。具体的には、シャーシ(基盤)、ギヤー、レバー、カム、プーリー、軸受けなどが挙げられる。さらに、少なくとも一部がポリアセタール系樹脂成形体で構成された光及び磁気メディア部品(例えば、金属薄膜型磁気テープカセット、磁気ディスクカートリッジ、光磁気ディスクカートリッジなど)、更に詳しくは、音楽用メタルテープカセット、デジタルオーディオテープカセット、8mmビデオテープカセット、フレキシブルディスクカートリッジ、ミニディスクカートリッジなどにも適用可能である。光及び磁気メディア部品の具体例としては、テープカセット部品(テープカセットの本体、リール、ハブ、ガイド、ローラー、ストッパー、リッドなど)、ディスクカートリッジ部品(ディスクカートリッジの本体(ケース)、シャッター、クランピングプレートなど)などが挙げられる。
【0117】
さらに、本発明のポリアセタール系樹脂成形体は、照明器具、建具、配管、コック、蛇口、トイレ周辺機器部品などの建材・配管部品、ファスナー類(スライドファスナー、スナップファスナー、面ファスナー、レールファスナーなど)、文具、リップクリーム・口紅容器、洗浄器、浄水器、スプレーノズル、スプレー容器、エアゾール容器、一般的な容器、注射針のホルダー、(デジタル)カメラ部品、フィルム周辺部品などの広範な生活関係部品・化粧関係部品・医用関係部品・写真用部品に好適に使用される。
【0118】
【発明の効果】
本発明のポリアセタール系樹脂組成物は、少量のフェノール類及び/又はアミノ酸類を含んでいるので、熱安定性、特に成形加工時の溶融安定性を改善できると共に、ポリアセタール系樹脂及び成形体からのホルムアルデヒドの発生量を極めて低レベルに抑制でき、周辺環境(作業環境、使用環境など)を大きく改善できる。さらには、過酷な条件下であってもホルムアルデヒドの生成や添加剤の浸出を抑制でき、金型への分解物や添加物などの付着(モールドデポジット)、成形体からの樹脂分解物や添加物の浸出や成形体の熱劣化を抑制でき、成形体の品質や成形性を向上できる。
【0119】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0120】
なお、実施例及び比較例において、成形性(金型付着物の量)、乾式及び湿式での成形体からのホルムアルデヒドの発生量について、以下のようにして評価した。また、実施例及び比較例で使用したポリアセタール系樹脂、フェノール類、アミノ酸類、酸化防止剤、耐熱安定剤、加工安定剤、耐候(光)安定剤及び着色剤は以下の通りである。
【0121】
[成形性(金型付着物の量)]
ポリアセタール系樹脂組成物で形成されたペレットから特定形状の成形体(直径20mm×厚み1mm)を、射出成形機を用いて連続成形(1000ショット)し、金型付着物の程度を5段階に評価した。なお、数字が小さい程、金型付着物が少ない、すなわち、モールドデポジットが少ないことを意味する。
【0122】
[乾式での成形体からのホルムアルデヒド発生量]
試験片(2mm×2mm×50mm)10個(総表面積約40cm2)の樹脂サンプルを密閉容器(容量20ml)に入れ、温度80℃で24時間、恒温槽内で加熱した後、室温に空冷し、蒸留水5mlをシリンジにて注入した。この水溶液のホルムアルデヒド量を、JIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、表面積当たりのホルムアルデヒドガス発生量(μg/cm2)を算出した。
【0123】
[添加剤の浸出(ブルーミング性)]
成形品(直径20mm×厚み1mm)試験片を、ギヤオーブンに入れて130℃で5時間加熱処理した後、成形品の表面を目視観察により下記3段階で浸出状態を評価した。
【0124】
○:なし
△:少しあり
×:非常に多い。
【0125】
[耐候(光)性試験]
平板状成形品(70mm×40mm×3mm)を、ウェザーメーター[スガ試験機(株)製、WEL−SUN−HCH型]により83℃のフェード条件で600時間照射後、照射前後における色相の変化および光沢の変化を観察し、それぞれについてその変化の程度を5段階に評価した。数字が小さい程変化少、即ち、光沢の低下、変色が少ないことを意味する。
【0126】
[ポリアセタール樹脂A]
A−1:ポリアセタール樹脂コポリマー(メルトインデックス=9g/10分)
A−2:比較例1で調製したポリアセタール樹脂コポリマー組成物ペレット
A−3:比較例4で調製したポリアセタール樹脂コポリマー組成物ペレット
なお、上記メルトインデックスは、ASTM−D1238に準じ、190℃、2169gの条件下で測定した値(g/10分)である。
【0127】
[フェノール類B1]
B1−1:ノボラック型フェノール樹脂[スミライトレジンPR−53647、住友デュレズ(株)製]
B1−2:フェノールアラルキル樹脂[ミレックスXL−225、三井化学(株)製]
B1−3:ポリビニルフェノール[マルカリンカーS−1P、丸善石油化学(株)製]
B1−4:ビニルフェノール−メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体[マルカリンカーCHM、丸善石油化学(株)製]
B1−5:ビニルフェノール−メタクリル酸メチル共重合体[マルカリンカーCMM、丸善石油化学(株)製]
B1−6:1,3,5−トリス[2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル]ベンゼン[トリスTC、三井化学(株)製]
B1−7:カテキン[サンフラボンHG、太陽化学(株)製]。
【0128】
[アミノ酸類B2]
B2−1:L−ヒスチジン
B2−2:L−チロシン
B2−3:L−フェニルアラニン
B2−4:DL−トリプトファン
B2−5:DL−ヘキサキドロピコリン酸。
【0129】
[酸化防止剤C]
C−1:トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
C−2:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]。
【0130】
[耐熱安定剤D]
D−1:メラミン
D−2:メラミン樹脂
D−3:CTU−グアナミン
D−4:アラントイン[川研ファインケミカル(株)製]とポリアセタール樹脂コポリマー[ポリグラステックス(株)製、ジュラコンM90]から押出調製した3重量%のアラントインを含有するマスターバッチペレット
D−5:ビウレア
D−6:アジピン酸ジヒドラジド。
【0131】
[耐熱安定剤E]
E−1:12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム
E−2:ステアリン酸マグネシウム
E−3:酸化マグネシウム。
【0132】
[加工安定剤F]
F−1:エチレンビスステアリルアミド
F−2:グリセリンモノステアレート
F−3:ポリエチレングリコール[分子量:35000]
F−4:ポリエチレングリコールモノステアリン酸エステル(日本油脂(株)製、ノニオンS−40)。
【0133】
[耐候(光)安定剤G]
G−1:2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール
G−2:2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル]ベンゾトリアゾール
G−3:2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン。
【0134】
[耐候(光)安定剤H]
H−1:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
[着色剤I]
I−1:カーボンブラック(アセチレンブラック)
I−2:フタロシアニン系青色顔料
I−3:酸化チタン。
【0135】
実施例1〜26及び比較例1〜5
ポリアセタール樹脂100重量部に、フェノール類、アミノ酸類、酸化防止剤、耐熱安定剤、加工安定剤、耐候(光)安定剤、着色剤を表1及び表2に示す割合で混合した後、二軸押出機により溶融混合し、ペレット状の組成物を調製した。このペレットを用いて、射出成形機により、所定の試験片を成形し、成形時のモールドデポジット、及び添加剤の浸出を評価した。また、所定の試験片からのホルムアルデヒド発生量を測定した。さらに、所定の試験片を用いて耐候(光)性の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0136】
なお、比較のため、フェノール類、アミノ酸類を添加しない例および耐候(光)安定剤を添加しない例、フェノール類を多量添加した例について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0137】
実施例27〜35
比較例1で調製したペレット状樹脂組成物に、フェノール類又はアミノ酸類、さらに耐熱安定剤Dの所定量を添加混合し、このペレットを射出成形機により、所定の試験片を成形し、成形時のモールドデポジット、及び添加剤の浸出を評価した。また、所定の試験片からのホルムアルデヒド発生量を測定した。さらに、実施例34〜35は所定の試験片を成形して耐候(光)性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0138】
【表1】
Figure 0003850762
【0139】
【表2】
Figure 0003850762
【0140】
【表3】
Figure 0003850762
【0141】
【表4】
Figure 0003850762
【0142】
表より明らかなように、比較例に比べて、実施例の樹脂組成物は、成形時のモールドデポジット及び添加剤の浸出が少ないため、成形性及び成形品の外観を向上でき、ホルムアルデヒドの発生量が極めて小さいため、環境を大きく改善できるとともに、成形品の耐候(光)性を向上できる。

Claims (7)

  1. ポリアセタール系樹脂(A)100重量部に対して、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸、及びδ−アミノ酸から選択された少なくとも一種のアミノ酸類(B2)0.001〜10重量部、酸化防止剤0.01〜5重量部、耐熱安定剤0.001〜10重量部及び加工安定剤0.01〜10重量部で構成されているポリアセタール系樹脂組成物。
  2. さらに、耐候(光)安定剤及び着色剤から選択された少なくとも一種を含む請求項1記載の組成物。
  3. ミノ酸類(B2)と、酸化防止剤との割合(重量比)が、前者/後者=99/1〜10/90である請求項1記載の組成物。
  4. ミノ酸類(B2)と、耐熱安定剤との割合(重量比)が、前者/後者=99/1〜10/90である請求項1記載の組成物。
  5. 請求項1記載の組成物で形成された成形体。
  6. (1)温度80℃で24時間密閉空間で保存した時、発生ホルムアルデヒド量が成形体の表面積1cm当り2μg以下である請求項記載の成形体。
  7. 成形体が、自動車部品、電気・電子部品、建材・配管部品、生活・化粧品用部品、医用部品及び写真用部品から選択された少なくとも1種である請求項記載の成形体。
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