JP3850685B2 - スイッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のパワーウインドウ用のスイッチ等に使用して好適なスイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスイッチ装置の構成を図4〜図6に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品等からなるハウジング51は、平板状の底壁51aと、この底壁51aから上方に突出する筒状の保持体51bとを有すると共に、保持体51b内に位置する底壁51a上には、複数の固定接点52が設けられている。
【0003】
可動接点53は、ドーム状のゴム部54と、このゴム部54の内面上方に設けられた導電材料からなる接点部55とで構成され、この可動接点53は、接点部55が固定接点52に対向した状態で、ゴム部54が保持体51b内に収納、保持されている。
そして、ゴム部54の押圧、開放によって、接点部55が固定接点52に接離するようになっている。
【0004】
合成樹脂の成型品等からなる柱状の駆動体56は、保持体51b内に嵌入され、保持体51bをガイドにして上下動可能となっている。
そして、駆動体56の保持体51bへの嵌入は、駆動体56の移動をスムースにするために、遊びを持った状態で挿入されたものとなっている。
【0005】
合成樹脂の成型品等からなる操作部材57は、板状の腕部57aと、この腕部57aの上部に設けられた操作部57bと、腕部57aの下部から下方に突出した棒状の押圧部57cとを有する。
この操作部材57は、腕部57aの一端部が支持部材(図示せず)に支持されて、支点Cを中心として、矢印A方向に回動可能となっている。
【0006】
そして、操作部材57が取り付けられた際、押圧部57cの下端部57dは、駆動体56の上面に当接した状態で、ゴム部54によって、駆動体56と共に上方に押し上げられた状態となっている。
この時、駆動体56は、操作部材57によって押圧されたのと同じ状態となり、左側に傾いた状態となる。
この未作動の状態で操作部57bを押圧すると、操作部材57が矢印A方向に回動して、押圧部57cによって駆動体56が下方に移動する。
すると、駆動体56によって可動接点53が押圧されて、接点の切換が行われるようになる。
【0007】
また、操作部材57は、操作感を得るために、そのストロークを大きくすると共に、小型化を図るために、駆動体56は径方向を小さくしたものが使用されている。
そして、操作部材57の操作時において、駆動体56の上面から押圧部57cが外れないようにするためと、駆動体56の移動をスムースにするために、駆動体56の中心に位置する軸線Gの近傍で、押圧部57cが駆動体56に当接するようにしている。
【0008】
次に、従来のスイッチ装置の動作を図4〜図6に基づいて説明すると、操作部材57が未作動の状態では、図4に示すように、押圧部57cの駆動体56への当接位置Tは、操作部材57の支点Cから駆動体56の軸線Gよりも遠い位置となっている。
この時、駆動体56は軸線Gから外れた位置が押圧されるので、駆動体56は保持体51bとの遊びによって、左側に傾いた状態となっている。
この図4の状態で操作部57bを押圧していくと、図5の状態に移行する。
この時、駆動体56に対する押圧部57cの接触位置Tは、軸線Gを越えていないので、駆動体56は左側に傾いた状態のままでる。
【0009】
そして、この図5の状態から操作部57bの押圧動作を続けると、操作部材57が支点Cを中心として矢印A方向に回動(円運動)するため、駆動体56に対する押圧部57cの接触位置Tは、図6に示すように、軸線Gを越えて、操作部材57の支点C側に近い位置となると共に、接触位置Tが軸線Gを越えると、押圧部57cの駆動体56への押圧位置が変位して、左側に傾いた状態から反転して、右側に傾いた状態となる。
【0010】
この駆動体56の反転時、駆動体56が保持体51bにぶつかって、衝撃音を発すると共に、衝撃が操作部材57を介して操作者に伝わって、操作感触を損なうものであった。
また、図6の状態で、操作部57bの押圧を続けると、可動接点53が漸次押圧されて、接点部55が固定接点52に接触し、ONの状態となる。
【0011】
次に、ONの状態から操作部材57の押圧を解除すると、ゴム部54によって駆動体56と操作部材57が押圧前の状態に押し戻されると共に、接点部55が固定接点52から離れて、OFFの状態となる。
そして、この駆動体56と操作部材57の戻り途上において、駆動体56が右側に傾斜した図6の状態から、駆動体56が左側に傾斜した図5の状態を経由して、図4の未作動の状態に戻るようになる。
【0012】
従って、この戻り途上においても、駆動体56が反転して、駆動体56が保持体51bにぶつかり、衝撃音を発するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスイッチ装置は、操作部材57の回動時、駆動体56が反転動作して保持体51bにぶつかって、衝撃音を発するという問題があると共に、衝撃が操作部材57を介して操作者に伝わって、操作感触を損なうという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は衝撃音が無く、操作感触の良好なスイッチ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、棒状の押圧部を有し、支点を中心として回動可能な操作部材と、前記押圧部によって押圧される柱状の駆動体と、この駆動体を上下動可能に保持する保持体と、前記駆動体によって押圧される可動接点とを備え、前記押圧部の下部には、下端部よりも前記駆動体側に突出した凸部を設け、前記操作部材の回動時に、前記凸部で前記駆動体が押圧、移動される状態から、前記押圧部の前記下端部で前記駆動体が押圧、移動される状態に変位可能で、前記操作部材の未作動時においては、前記凸部が前記駆動体の上面に当接した状態となし、前記操作部材を回動した時、前記押圧部の前記凸部と前記下端部は、前記駆動体の中心に位置する軸線よりも前記操作部材の前記支点に近い位置にある前記駆動体の上面を押圧するようにした構成とした。
この構成によって、操作部材の回動時、駆動体は反転動作を行わないため、駆動体と保持体との間に衝撃が無く、従って、衝撃音を発することが無い。
また、駆動体と保持体との間に衝撃が無いため、操作感触の良好なものが得られる。
【0016】
また、第2の解決手段として、前記操作部材の回動時、前記押圧部の前記凸部と前記下端部が前記駆動体の前記軸線の近傍に位置する前記上面を押圧するようにした構成とした。
この構成によって、駆動体の移動がスムースとなり、操作性の良好なものが得られる。
【0017】
また、第3の解決手段として、前記下端部は、前記押圧部の中心に位置する軸線上に設けられると共に、前記凸部は、前記押圧部の前記軸線から外れた位置に設けられた構成とした。
この構成によって、押圧部を小型にできると共に、押圧部の構成が簡単となり、生産性の良いものが得られる。
【0018】
また、第4の解決手段として、前記下端部と前記凸部は、前記駆動体の当接する部分に丸みを持たせた構成とした。
この構成によって、駆動体への押圧部の滑りが良く、操作性の良好なものが得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のスイッチ装置の図面を説明すると、図1は本発明のスイッチ装置の要部断面図、図2は本発明のスイッチ装置の動作を示す説明図、図3は本発明のスイッチ装置の動作を示す説明図である。
【0020】
次に、本発明のスイッチ装置の構成を図1〜図3に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品等からなるハウジング1は、平板状の底壁1aと、この底壁1aから上方に突出する筒状の保持体1bとを有すると共に、保持体1b内に位置する底壁1a上には、複数の固定接点2が設けられている。
なお、保持体1bは、筒状以外の形状を用いても良い。
【0021】
可動接点3は、ドーム状のゴム部4と、このゴム部4の内面上方に設けられた導電材料からなる接点部5とで構成され、この可動接点3は、接点部5が固定接点2に対向した状態で、ゴム部4が保持体1b内に収納、保持されている。
そして、ゴム部4の押圧、開放によって、接点部5が固定接点2に接離するようになっている。
なお、この可動接点3は、バネ性のあるドーム状の金属板等で構成しても良い。
【0022】
合成樹脂の成型品等からなる柱状の駆動体6は、保持体1b内に嵌入され、保持体1bをガイドにして上下動可能となっている。
そして、駆動体6の保持体1bへの嵌入は、駆動体6の移動をスムースにするために、遊びを持った状態で挿入されたものとなっている。
【0023】
合成樹脂の成型品等からなる操作部材7は、板状の腕部7aと、この腕部7aの上部に設けられた操作部7bと、腕部7aの下部から下方に突出した棒状の押圧部7cとを有する。
また、この押圧部7cの下部には、丸みを持たせた下端部7dと、この下端部7dから更に下方に突出し、丸みを持たせた凸部7eが設けられている。
そして、この下端部7dは、押圧部7cの中心に位置する軸線G1上に位置すると共に、凸部7eは、軸線G1から外れた位置に設けられている。
【0024】
この操作部材7は、腕部7aの一端部が支持部材(図示せず)に支持されて、支点Cを中心として、矢印A方向に回動可能となっている。
そして、操作部材7が取り付けられた際、凸部7eは、下端部7dよりも駆動体6側に突出し、凸部7eは、駆動体6の中心に位置する軸線G2の近傍の平坦な上面6aに当接した状態で、ゴム部4によって、駆動体6と共に上方に押し上げられた状態となっている。
このことにより駆動体6は、操作部材7で押圧されたのと同じ状態となり、右側に傾いた状態となる。
この未作動の状態で操作部7bを押圧すると、操作部材7が矢印A方向に回動(円運動)して、押圧部7cによって駆動体6が下方に移動する。
すると、駆動体6によって可動接点3が押圧されて、接点の切換が行われるようになる。
【0025】
また、操作部材7は、操作感を得るために、そのストロークを大きくすると共に、小型化を図るために、駆動体6は径方向を小さくしたものが使用されている。
そして、操作部材7の操作時において、駆動体6の上面から押圧部7cが外れないようにするためと、駆動体6の移動をスムースにするために、駆動体6の中心に位置する軸線G2の近傍で、押圧部7cが駆動体6に当接するようにしている。
【0026】
次に、本発明のスイッチ装置の動作を図1〜図3に基づいて説明すると、操作部材7が未作動の状態では、図1に示すように、押圧部7cの駆動体6への当接位置Tは、操作部材7の支点Cから駆動体6の軸線G2よりも近い位置で、軸線G2の近傍に凸部7eが当接した状態となっている。
この時、駆動体6は軸線G2から外れた位置が押圧されるので、駆動体6は保持体1bとの遊びによって、右側に傾いた状態(図1参照)となる。
この図1の状態で、操作部7bを押圧していくと、図2の状態に移行する。
この時、駆動体6に対する押圧部7cの接触位置Tは、支点Cから軸線G2よりも近い位置で当接し、駆動体6は右側に傾いた状態となる。
【0027】
そして、この図2の状態から操作部7bを押し続けると、操作部材7が支点Cを中心として矢印A方向に回動(円運動)するため、駆動体6に対する押圧部7cの接触位置Tは、図2に示すように、下端部7dと凸部7eの2点で、駆動体6の上面6aに当接した状態となる。
そして、下端部7dの駆動体6への当接位置Tは、操作部材7の支点Cから駆動体6の軸線G2よりも近い位置で、軸線G2の近傍において当接した状態となっている。
【0028】
そして、この図2の状態から操作部7bの押圧動作を続けると、操作部材7が支点Cを中心として矢印A方向に更に回動(円運動)して、駆動体6に対する押圧部7cの接触位置Tは、図3に示すように、軸線G2よりも支点Cに近い位置となっている。
この時、駆動体6は、右側に傾いた姿勢を変えることなく、右側傾斜を維持した状態で、下方に移動するようになっている。
そして、当接位置Tの凸部7eから下端部7dへの変位は、連続的に行われるようなる。
【0029】
従って、従来のような駆動体6の反転動作が無く、衝撃音を発したり、操作感触を損なうことがなくなる。
また、図3の状態で、操作部7bの押圧を続けると、可動接点3が漸次押圧されて、接点部5が固定接点2に接触し、ONの状態となる。
【0030】
次に、ONの状態から操作部材7の押圧を解除すると、ゴム部4によって駆動体6と操作部材7が押圧前の状態に押し戻されると共に、接点部5が固定接点2から離れて、OFFの状態となる。
そして、この駆動体6と操作部材57の戻り途上において、駆動体6が右側に傾斜した図3,図2の状態を経由して、図1の未作動の状態に戻るようになる。
従って、この戻り途上においても、駆動体6が反転動作が無くなる。
【0031】
なお、上記実施例では、操作部材7を回動した時、押圧部7cの凸部7eと下端部7dは、操作部材7の支点Cから駆動体6の中心に位置する軸線G2よりも近い位置にある上面6aを押圧するもので説明したが、凸部7eと下端部7dは、操作部材7の支点Cから駆動体6の中心に位置する軸線G2よりも遠い位置にある駆動体6の上面6aを押圧するようにしても良い。
【0032】
【発明の効果】
本発明のスイッチ装置は、操作部材を回動した時、押圧部7cの凸部7eと下端部7dは、駆動体6の中心に位置する軸線G2よりも操作部材7の支点Cに近い位置にある駆動体6の上面6aを押圧するようにしたため、操作部材7の回動時、駆動体6は反転動作を行わないため、駆動体6と保持体1bとの間に衝撃が無く、従って、衝撃音を発することが無い。また、駆動体6と保持体1bとの間に衝撃が無いため、操作感触の良好なものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチ装置の要部断面図。
【図2】本発明のスイッチ装置の動作を示す説明図。
【図3】本発明のスイッチ装置の動作を示す説明図。
【図4】従来のスイッチ装置の要部断面図。
【図5】従来のスイッチ装置の動作を示す説明図。
【図6】従来のスイッチ装置の動作を示す説明図。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 底壁
1b 保持体
2 固定接点
3 可動接点
4 ゴム部
5 接点部
6 駆動体
6a 上面
7 操作部材
7a 腕部
7b 操作部
7c 押圧部
7d 下端部
7e 凸部
C 支点
G1 軸線
G2 軸線
T 当接位置

Claims (4)

  1. 棒状の押圧部を有し、支点を中心として回動可能な操作部材と、前記押圧部によって押圧される柱状の駆動体と、この駆動体を上下動可能に保持する保持体と、前記駆動体によって押圧される可動接点とを備え、前記押圧部の下部には、下端部よりも前記駆動体側に突出した凸部を設け、前記操作部材の回動時に、前記凸部で前記駆動体が押圧、移動される状態から、前記押圧部の前記下端部で前記駆動体が押圧、移動される状態に変位可能で、前記操作部材の未作動時においては、前記凸部が前記駆動体の上面に当接した状態となし、前記操作部材を回動した時、前記押圧部の前記凸部と前記下端部は、前記駆動体の中心に位置する軸線よりも前記操作部材の前記支点に近い位置にある前記駆動体の上面を押圧するようにしたことを特徴とするスイッチ装置。
  2. 前記操作部材の回動時、前記押圧部の前記凸部と前記下端部が前記駆動体の前記軸線の近傍に位置する前記上面を押圧するようにしたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
  3. 前記下端部は、前記押圧部の中心に位置する軸線上に設けられると共に、前記凸部は、前記押圧部の前記軸線から外れた位置に設けられたことを特徴とする請求項1、又は2記載のスイッチ装置。
  4. 前記下端部と前記凸部は、前記駆動体の当接する部分に丸みを持たせたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスイッチ装置。
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