JP3850664B2 - 受け入れ制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、セルラーテレコミュニケーションシステムにおける無線リソースの使用に係り、より詳細には、新たな接続を確立するのに使用される受け入れ制御方法に係る。本発明は、請求項1の前文に記載した方法に関する。
【0002】
【背景技術】
セルラーテレコミュニケーションシステムでは、セルラーテレコミュニケーションネットワークを通る単一のスピーチ接続又はデータ接続をベアラと称する。一般に、ベアラは、あるターミナル装置と、ネットワーク要素、例えば、ベースステーションや、セルラーネットワークを別のテレコミュニケーションネットワークに接続するインターワーキングユニット(IWU)との間のデータ通信に関する1組のパラメータに関連付けされる。ベアラに関連付けされる1組のパラメータは、一般に、例えば、データ送信速度、許容遅延、許容ビットエラー率(BER)、並びにこれらパラメータの最小値及び最大値を含む。ベアラは、更に、パケット送信ベアラ又は回路交換ベアラであり、そして例えば、透過的又は非透過的接続をサポートする。ベアラは、ペイロード情報を送信するためにある移動ターミナルとあるネットワーク要素とを接続する特定パラメータを有するデータ送信経路と考えることができる。1つのベアラは、常に、1つの移動ターミナルを1つのネットワーク要素に接続するだけである。しかしながら、ベアラは、多数のネットワーク要素を通過することができる。1つの移動通信手段(移動装置ME)は、あるセルラーテレコミュニケーションシステムでは1つのベアラしかサポートしないが、他のシステムでは2つ以上の同時ベアラもサポートする。
【0003】
情報を所望のやり方で送信できるようにするために、無線インターフェイスを通る接続は、所望のクオリティレベルを得なければならない。クオリティは、例えば、C/I即ち搬送波対干渉比として表すことができ、これは、受信した干渉電力に対する受信した搬送波電力の比を表す。接続のクオリティを表す別の尺度は、SIR即ち信号対干渉比、S/N即ち信号対雑音比、及びS/(I+N)即ち信号対雑音プラス干渉比である。又、ビットエラー率(BER)又はフレームエラー率(FER)も、接続クオリティの尺度として使用される。通常、これらの又は他の対応する尺度の1つに対するあるターゲットレベルが前もって決定され、そして接続ごとに、そのターゲットレベルにできるだけ接近するように送信電力が調整される。送信電力は、所望のターゲットレベルを得るのに必要なレベル以下でなければならない。というのは、送信レベルがあまりに高いと、ハンドヘルド型移動ステーションにおいて重要な送信装置の電気エネルギーを浪費し、そして他の接続に対して干渉を引き起こすからである。
【0004】
受け入れ制御は、各ベアラが所望のSIRレベルを得るよう確保する上で重要な機能である。受け入れ制御の目的は、新たなベアラに対し新たな各要求を検査し、そして要求されたベアラの送信電力、ベアラの送信ビットレート、処理利得及びベアラのクオリティ要求を考慮して、その要求されたサービスを他のベアラへのサービスに影響することなく提供できるかどうかを決定することである。他のベアラへの障害なく新たなベアラにサービスできる場合には、その要求が受け入れられる。さもなくば、その要求は、スケジュールされ、即ち待ち行列に入れられ、再ネゴシエーションされ又は変更されるか、或いは拒絶される。受け入れ制御は、通常、電力制御と協働し、他のベアラのSIRターゲットレベルを保証するように他の幾つかのベアラの送信電力を調整できるようにする。
【0005】
種々の受け入れ制御アルゴリズムがこれまでに提案されている。文献「DS−CDMAセルラーシステム用のSIRベースのコール受け入れ制御(SIR-Based Call Admission Control for DS-CDMA Cellular Systems)」、ザオ・リュー及びマグダ・エル・ザーキ著、I2 Journal on selected areas in communications、第12巻、第4号、第638−644ページ、1994年5月は、残留容量の概念に基づくアルゴリズムを説明している。残留容量は、ベースステーションが受け入れることのできる初期コールの追加数として定義される。残留容量が0より大きい場合には、新たなコールを受け入れることができる。残留容量は、測定されたSIRレベル及びスレッシュホールドSIRレベルから決定される。
【0006】
別のアルゴリズムが、文献「電力制御CDMAシステムにおけるコール受け入れ(Call Admission in Power Controlled CDMA Systems)」、チン・ヤオ・フアン及びロイD.ヤッテ著、Proceedings of I2 VTS 46th Vehicular Technology Conference、 米国、アトランタ、1996年、4月28日−5月1日、第1665−1669ページに掲載されている。この文献には、2つの簡単なアルゴリズムが示されている。第1のアルゴリズムでは、新たなコールが進行中のコールを最大電力で送信させるときにその新たなコールが阻止される。第2のアルゴリズムでは、ベースステーションで測定された全受信電力が所定のスレッシュホールドを越える場合に、新たなコールが阻止される。
これらのアルゴリズムは、コール即ちベアラがリソース使用に関して相対的に同様であり、そしてベアラを受け入れても負荷が最大容量付近までは増加しないレベルに受け入れスレッシュホールドがセットされているときには、良好に機能する。しかしながら、これらアルゴリズムは、ベアラが広く変化する特性を有するとき、即ちネットワークが、通常のスピーチベアラのような低ビットレートのベアラと、大容量データベアラ又は生映像ベアラのような高ビットレートベアラの両方を取り扱う必要があるときには、良好に機能しない。このような種々様々なサービスが、例えば、現在開発中のUMTSセルラーテレコミュニケーションシステムによって提供されるであろう。例えば、ベースステーションで測定された全受信電力が所定のスレッシュホールドより低い場合に新たなコールが許される従来のアルゴリズムでは、高ビットレートベアラがネットワークの負荷をほぼ最大容量まで増加させることがある。これは、スレッシュホールドに近づくことが許される高レートベアラが全負荷を著しく増加しないようにスレッシュホールドを下げることによって防止できるが、この場合に、低ビットレートのスピーチベアラは、たとえ残りの容量がそれらを受け入れることができてもその限度増加が拒絶される。
【0007】
本明細書では、「制御領域」という用語は、単一の受け入れ制御エンティティ又はプロセスにより制御されるセルラーテレコミュニケーションシステムの領域、即ち新たなベアラの受け入れに関して判断するときに送信が考慮されるところの領域を意味するのに使用される。制御領域は、例えば、セルのセクター、セル又は複数のセル、例えば、ルーティングエリア又は全無線アクセスネットワークより成る。
以下、ベアラを制御するセルラーネットワークの種々の他の機能、即ち負荷制御、電力制御及びハンドオーバー制御について説明する。
負荷制御(LC)の主たるタスクは、良好な接続クオリティを得ながら、移動ステーションにおいて過剰に電力を使用せずに高い容量が達成されるポイントでセルラーシステムが動作するよう確保することである。システムに負荷をかけることが許されるところの負荷限界の定義は、無線リソースの管理にとって重要なタスクである。過負荷状態はネットワークの性能を著しく悪化させるので、過負荷状態を回避するように負荷を制御するのが重要である。負荷制御の主要機能の幾つかの例は、ネットワークのバランスどり、電力制御パラメータ及びハンドオーバーパラメータの調整、並びに混雑制御である。
【0008】
電力制御(PC)の目的は、各端の受信器に所望の信号レベルを得即ち近−遠問題に対処するように移動ステーション及びベースステーションの電力レベルを調整することである。又、電力制御は、シャドー化の大きな変化に対する応答として、及び例えば、SIRレベルの迅速な変化に対する応答として電力レベルの変更を行う。
ハンドオーバー(HC)制御は、移動ステーションがあるセルから別のセルへ移動するときに移動ステーションの接続の切り換えを管理する。
通常、これらの機能は、ネットワーク要素の処理ユニットによって実行されるソフトウェアプログラムとしてネットワーク要素において実施される。これらの機能を実行する手段を本明細書ではエンティティと称し、即ちHCエンティティは、ハンドオーバー制御を行い、PCエンティティは、電力制御を行い、LCエンティティは、負荷制御を行い、そしてACエンティティは、受け入れ制御を行う。
【0009】
【発明の開示】
本発明の目的は、システム負荷を所定の限界より低く維持できる受け入れ制御方法を実現することである。本発明の更に別の目的は、ベアラ要求に対し受け入れの確率を最大にすることもできる受け入れ制御方法を実現することである。
これらの目的は、少なくともベアラ要求に基づいて負荷推定値を形成し、そしてその負荷推定値が限界より高い場合には、要求されたベアラ(1つ又は複数)に対して余裕を与える試みをするよう受け入れ制御を構成することにより達成される。
【0010】
本発明による方法は、方法の独立請求項の特徴部分に記載されたことを特徴とする。従属請求項は、本発明の更に別の好ましい実施形態を示す。
本発明によれば、第1の所定限界より低い負荷を生じるベアラ要求が受け入れられる。ベアラ要求が、第1の所定限界より高い負荷を生じる場合には、受け入れ制御エンティティは、ベアラ要求に対して余裕を与えるよう試み、即ち既存のベアラに対して与えられるサービスクオリティ(QoS)を低下せずにリソースを解除するよう試みる。受け入れ制御エンティティは、電力制御パラメータ、ハンドオーバー制御パラメータ又はその両方を調整することによりこれを行うことができる。受け入れ制御エンティティが新たなベアラ(1つ又は複数)に対して充分な余裕を与えることができる場合には、要求が受け入れられる。
【0011】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、同様のエンティティに対して同じ参照番号が使用された添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
本発明によれば、セルラーネットワークの制御領域は、送信負荷に対する第1の所定限界を有し、この第1所定限界は、いわゆる安定負荷領域の上限である。安定負荷領域とは、その中でシステムが全てのトラフィックを取り扱うことのできる負荷領域である。安定負荷領域より上の負荷領域は、臨界負荷領域と称される。臨界負荷領域は、干渉量の急激な変化を取り扱うための制御領域のソフト容量余裕として使用される。負荷が臨界負荷領域にあるときには、プライオリティの高いコール及び非常コールだけしかネットワークによって受け入れられないのが好ましい。受け入れ制御は、ネットワーク内の「セル呼吸」作用を微調整することによりシステムの動的な振舞いを管理するようにソフト容量範囲を利用することができる。臨界負荷領域の上は、過負荷領域である。臨界負荷領域の上限は、第2の所定限界である。本発明の受け入れ制御方法の目的の1つは、所望のQoSで新たなコールを受け入れる確率を最大にするように試みながら、システム負荷を安定負荷領域内に維持することである。
【0012】
A.受け入れ制御方法の一例
図1及び2を参照して、本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法を以下に説明する。
第1ステップ105において、ベアラ要求が受け入れ制御エンティティによって受け取られる。ベアラ要求は、例えば、ユーザがコールを発信したい場合には移動ステーションによって発生され、或いは例えば、移動ステーションがコールされる場合にはセルラーネットワークによって発生される。ベアラ要求の受信に対する応答として、受け入れ制御エンティティは、ステップ110において現在負荷をチェックする。このステップでは、受け入れ制御エンティティは、例えば、負荷制御エンティティから現在負荷情報を要求することにより負荷をチェックすることができる。次いで、受け入れ制御エンティティは、少なくとも現在負荷及びベアラ要求に基づいて結果の負荷推定値を計算する(115)。結果の負荷推定値は、既存のベアラ及び新たなベアラ(1つ又は複数)の両方の送信即ち干渉電力を含むのが好ましい。
【0013】
次のステップ120では、結果の負荷推定値が第1の所定限界即ち安定負荷領域の上限と比較される。負荷推定値が第1所定限界より高い場合には、臨界負荷及び過負荷状態を取り扱うための更に別の手順が開始される(122)。この手順については、以下で説明する。ステップ120において、負荷推定値が第1の所定限界より低いと分かった場合には、ベアラ要求が許され(125)、そしてベアラ(1つ又は複数)に対して送信リソースが割り当てられる(130)。この送信リソースは、例えば、無線リソース、論理的リソース、コード、送信容量又は他のリソースである。臨界負荷及び過負荷状態を取り扱うための手順がベアラ要求に対して肯定判断を生じる場合には、この方法は、その手順の後にステップ130に続く。
実際の結果負荷は、ステップ135においてチェックされ、そしてステップ140において第1所定限界と比較される。負荷が第1所定限界より低い場合には、方法が終了となる。負荷が第1の所定限界より低くない場合には、少なくとも1つのベアラのパラメータがステップ145において更に調整されて、全負荷を第1所定限界より低くし、その後、方法が終了となる。
【0014】
調整ステップ145は、例えば、少なくとも1つのベアラに与えられるサービスクオリティレベルの再ネゴシエーションを含む。再ネゴシエーション又は変更されたベアラ(1つ又は複数)は、要求されたベアラ(1つ又は複数)であるか又は既存のベアラである。
図2は、ベアラ要求を受け入れたことにより負荷レベルが臨界又は過負荷領域となる状態を取り扱うための手順の一例を示す。この例によれば、ステップ149で選択されるステップ150、151、152、155及び160の1つが、負荷を緩和するために実行される。ステップ150では、セルラーシステムの制御領域の既存接続の送信電力余裕の上限及び下限のような電力制御パラメータが再調整され、これは、1つ以上の既存ベアラに対する送信電力を低下させ、それにより、新たなベアラを受け入れできるようにする。ステップ151では、セルラーネットワークの負荷制御パラメータが調整される。ステップ152では、セルラーネットワークのソフトハンドオーバー及びソフト容量余裕が調整される。ステップ155では、セルラーシステムの制御領域のハンドオーバー制御パラメータが調整される。このようなパラメータは、通常、例えば、あるセルから別のセルへのハンドオーバー(又はソフトハンドオーバー)をトリガーするためのスレッシュホールドを定義するパラメータより成る。ハンドオーバー制御(HC)パラメータの調整は、1つ以上の既存ベアラの、別の制御領域へのハンドオーバーを生じさせる。ソフトハンドオーバーの場合には、この調整は、既存ベアラの分岐の追加又は解除、並びにソフト容量余裕の最適化も生じさせる。いずれの場合にも、ハンドオーバー制御パラメータの調整は、現在制御領域において送信リソースを解除することができる。ステップ160では、1つ以上の要求されたベアラのパラメータは、もし可能であれば、送信リソースに対する要求が低い適当なベアラ特性を見出すように再ネゴシエーション又は変更される。
【0015】
ステップ150、151、152、155及び160の1つが実行された後、現在負荷がチェックされ(165)、そして新たな負荷推定値が計算される(167)。負荷推定値がここで第1所定限界より低い場合には、その要求が許され(180)、そして方法は、図1のステップ130に続く。ステップ150、155及び160の調整又は再ネゴシエーションが充分な大きさでなくそして負荷推定値が依然第1所定限界より高い場合には、ベアラ要求が拒絶され(175)そして受け入れ制御方法は終了となる。
図3は、ベアラ要求の受け入れにより負荷レベルが臨界又は過負荷領域となる状態を取り扱う手順の更に別の例を示す。この例によれば、セルラーネットワークの制御領域の電力制御パラメータ及びハンドオーバー制御パラメータの両方がステップ150及び155において負荷を緩和するように調整される。
ステップ150及び155を実行した後に、現在負荷がチェックされ(165)、そして新たな負荷推定値が計算される(167)。負荷推定値がここで第1所定限界より低い場合には、その要求が許され(180)、そして方法は、図1のステップ130に続く。ステップ150及び155の調整が充分な大きさでなくそして負荷推定値が依然第1所定限界より高い場合には、ベアラ要求が拒絶され(175)そして受け入れ制御方法は終了となる。
【0016】
図4は、ベアラ要求の受け入れにより負荷レベルが臨界又は過負荷領域となる状態を取り扱う手順の更に別の例を示す。この例では、負荷推定値を減少するのに使用できる段階150、155、160は、負荷推定値が第1所定限界より低くなるまで又はこの例の3つ全部の段階が使用されるまで実行される。
この例では、ステップ149で選択されるステップ150、155及び160の1つが、負荷を緩和するために実行される。ステップ150では、セルラーシステムの制御領域の電力制御パラメータが調整され、これは、1つ以上の既存ベアラに対する送信電力を低下させ、それにより、新たなベアラを受け入れできるようにする。ステップ155では、セルラーシステムの制御領域のハンドオーバー制御パラメータが調整される。このようなパラメータは、通常、例えば、あるセルから別のセルへのハンドオーバーをトリガーするためのスレッシュホールドを定義するパラメータより成る。ハンドオーバー制御(HC)パラメータの調整は、1つ以上の既存ベアラの、別の制御領域へのハンドオーバーを生じさせる。ソフトハンドオーバーの場合には、この調整は、既存ベアラの分岐の追加又は解除、並びにソフト容量余裕の最適化も生じさせる。いずれの場合にも、ハンドオーバー制御パラメータの調整は、現在制御領域において送信リソースを解除することができる。ステップ160では、1つ以上の要求されたベアラのパラメータは、もし可能であれば、送信リソースに対する要求が低い適当なベアラ特性を見出すように再ネゴシエーション又は変更される。
【0017】
ステップ150、155及び160の1つが実行された後、現在負荷がチェックされ(165)、そして新たな負荷推定値が計算される(167)。負荷推定値がここで第1所定限界より低い場合には、その要求が許され(180)、そして方法は、図1のステップ130に続く。ステップ150、155又は160の調整又は再ネゴシエーションが充分な大きさでなくそして負荷推定値が依然第1所定限界より高い場合には、ステップ185において、負荷を緩和するのに使用できる全ての段階が使用されたかどうか、即ちステップ150、155及び160の全てが既に実行されたかどうかチェックされる。これらのステップが実行された場合には、ステップ175において要求が拒絶されそして受け入れ制御方法が終了となる。これらステップの少なくとも1つがまだ実行されていない場合には、方法がステップ149に戻る。
【0018】
上記例において、ステップ149において負荷を緩和するための方法を選択することは、特定アプリケーションの要件により必要とされる基準に基づいて行われる。例えば、要求されたベアラの特性が、ユーザにより実際に必要とされるサービスレベルを著しく大きく減少せずに送信リソースの使用を比較的大きく減少できるようなものである場合には、少なくとも1つのベアラの特性を再ネゴシエーション又は変更するのが効果的である。更に、この選択は、例えば、負荷推定値が第1所定限界をどれほど大きく越えるかに基づいて実行することもできる。又、この選択は、ランダムな形態で実行されてもよい。又、異なるベアラ形式を異なるやり方で処理してもよい。例えば、非リアルタイムベアラの特性を最初に調整することによりリアルタイムベアラに優先順位を与えることができる。
本発明の更に別の効果的な実施形態では、少なくとも1つのベアラのパラメータの更なる調整ステップ145を実行するのではなく、要求されたベアラを拒絶し、スケジューリングし、即ち待ち行列に入れ、或いは再ネゴシエーション又は変更することもできる。
本発明の更に別の効果的な実施形態において、第1推定ステップ115及び120における負荷推定値が第1所定限界より相当に高いことが分かり、即ち第1所定限界より所定量以上高い場合には、臨界及び過負荷状態を取り扱うプロセス122をスタートせずにベアラ要求を直接拒絶することができる。
【0019】
B.負荷推定値の計算
このセクションでは、本発明による受け入れ制御方法に使用するための適当な計算方法の一例を説明する。この例によれば、使用可能な容量、及び負荷が第1所定限界より高く増加するかどうかの決定は、制御領域におけるSIRレベルと、要求されたベアラ(1つ又は複数)により必要とされるSIRレベルとに基づいて行われる。
制御領域の安定負荷限界より下の全容量がCtotであると仮定する。従って、使用可能なシステム容量Caは、次のようになる。
【数1】
Figure 0003850664
但し、Cocは、既存のベアラアクセスにより占有された容量であり、
Sは、送信電力レベルであり、
Wは、WCDMA帯域巾であり、
bは、ビットレートであり、
bは、ビットエネルギーであり、
oは、熱ノイズスペクトル密度であり、
vは、バックグランドノイズであり、そして
αは、音声アクティビティである。
【0020】
容量をベースとするシステム性能要件は、次の通りである。
Prob(Coc≧Ctot)≦γ (2a)
即ち、使用可能な容量をより多く必要とする既存ベアラの確率が所定のシステム信頼性限界γより低いというものである。同じ要件をSIRレベルについて次のように表すことができる。
Prob(SIRreq≧SIRtot)≦γ (2b)
WCDMAシステムの容量は、干渉レベルに依存する。要求されたベアラの最小QoSは、次の場合に満足される。
【数2】
Figure 0003850664
但し、Mは、同時ユーザの数であり、
Gは、処理利得であり、
b/Noは、熱ノイズ及び他のセル干渉による信号対雑音比であり、
bvは、リアルタイムベアラによるビット当たりの信号エネルギーであり、そして
bdは、非リアルタイムベアラによるビット当たりの信号エネルギーである。
【0021】
要求されたベアラは、次の場合に受け入れられる。
SIRreq≦SIRtot
⇒SIRreq≦SIRstable+SIRcritical−SIRoc (5)
又は他の項では、
SIRreq≦(SIRtot−SIRoc)≦SIRavailable (6)
但し、SIRreqは、要求されたベアラに必要とされるSIRレベルであり、
SIRtotは、制御領域内の全SIRレベルであり、
SIRstableは、システムの安定な動作領域、即ち第1所定限界を指示する安定SIR余裕であり、
SIRcriticalは、臨界余裕、即ちソフト容量余裕の巾であり、
SIRocは、既存ベアラにより占有されるSIRレベルであり、そして
SIRavailableは、新たなベアラに割り当てることができるSIRレベルである。
【0022】
本発明の更に別の好ましい実施形態では、使用可能な容量が制御領域における送信電力に関して計算される。この実施形態では、使用可能な容量、即ち使用可能な送信量、換言すれば干渉電力Pavailableは、次のように計算することができる。
【数3】
Figure 0003850664
但し、Pstableは、安定負荷領域の上限、即ち送信又は干渉電力に対する第1所定限界であり、
criticalは、臨界負荷領域の上限、即ち送信又は干渉電力に対する第2所定限界であり、そして
mは、制御領域における同時ベアラアクセスの数である。
この実施形態では、ベアラ要求は、次の場合に受け入れられる。
ΣPreq+ΣPoc≦ΣPstable (8)
但し、Preqは、受け入れ制御により推定される要求されたベアラの干渉又は送信電力であり、そして
ocは、既にアクセスされたベアラにより占有される干渉又は送信電力レベルである。
【0023】
非リアルタイム(NRT)ベアラの特性は、変化するビットレート等を有するNRTベアラの特性により受け入れ制御の制御下に部分的に入るだけであるから、受け入れ又は拒絶の判断は、リアルタイムベアラのみに基づくのが好ましい。
受け入れは、リアルタイムベアラをベースとし、非常コールが最も高いプライオリティを有して、負荷が臨界負荷領域にあるときでも非常コールを受け入れ、非常コール以外のRTコールが2番目に最も高いプライオリティを有し、そしてNRTコールが最も低いプライオリティを有するようにするのが好ましい。送信リソースの解除を試みるときには、ネットワークの種々のパラメータは、このプライオリティ順序が維持されるように調整されるのが好ましい。その結果、プライオリティ順序は、受け入れ制御が、要求を発しているコール又は既存のコールをそれらのプライオリティに基づいてドロップ又はハンドオーバーできるようにする。
【0024】
マルチダイバーシティ接続の場合には、移動ステーション(MS)の送信電力の調整を、本発明の好ましい実施形態に基づいて次のように行うことができる。受け入れ制御エンティティは、外部ループ電力制御に対するBER(ビットエラー率)及びFER(フレームエラー率)要件及び初期Eb/No設定点をセットする。又、受け入れ制御エンティティは、指定のQoSを有するMSのマルチダイバーシティベアラの送信電力に対する電力余裕もセットする。最終的な電力調整判断は、外部ループ電力制御コマンドが電力レベルの増加を要求するときに、次の条件に基づいてMSにより実行される。
trx=Po+DSS≦Pmax∈Pmargin (9)
但し、DSSは、現在の送信電力レベルに追加されるべき動的なステップサイズ電力である。条件(9)は、増加された電力レベルが接続の送信電力に対する所定の上限Pmax以上であり且つ増加された送信電力が送信電力に対する上記電力余裕内にあるときだけ送信電力を増加することを示す。
【0025】
最終的な電力調整判断は、外部ループ電力制御コマンドが電力レベルの減少を要求するときに、次の条件に基づいてMSにより実行される。
trx=Po+DSS≧Pmin∈Pmargin (10)
この条件(10)は、減少された電力レベルが接続の送信電力に対する所定の下限Pmin以上であり且つ減少された送信電力が送信電力に対する上記電力余裕内にあるときだけ送信電力を減少することを示す。
本発明の好ましい実施形態では、マルチダイバーシティ接続の場合、受け入れ制御エンティティは、送信電力のダイナミックレンジを設定することにより送信電力の調整を行う。送信電力のこのような調整は、ダウンリンク及びアップリンクの両送信電力調整に適用することができる。
【0026】
C.シグナリングの例
以下、本発明の種々の実施形態に基づくシグナリングの幾つかの例を述べる。図5、6、7及び8は、ベアラマネージメント(BM)エンティティ210と、受け入れ制御(AC)エンティティ220と、負荷制御(LC)エンティティ230と、電力制御(PC)エンティティ240と、ハンドオーバー制御(HC)エンティティ250との間のシグナリングを示す。
図5は、本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法の一例のシグナリングを示す。第1に、ベアラマネージメントエンティティは、ベアラ要求メッセージBEARER_REQを受け入れ制御エンティティに送信する(310)。ベアラ要求は、移動ステーションによって発生されるか、又は移動着信コールの場合には、ネットワークによって発生される。受け入れ制御エンティティは、CHECK_LOADメッセージを負荷制御エンティティに送信する(320)ことにより現在負荷をチェックし、負荷制御エンティティは、それに応答して、現在負荷状態を表すLOAD_INFOメッセージを送信する(330)。負荷情報を受信した後、受け入れ制御エンティティは、少なくともベアラ要求及び負荷情報に基づいて負荷推定値を計算する(340)。この例では、負荷推定値は、第1の所定スレッシュホールドより低いことが分かる。その結果、ACエンティティは、確認メッセージBEARER_REQ_ACKをBMエンティティに返送する。
【0027】
次いで、ACエンティティは、TXPWR_UPD_REQメッセージを送信することにより、新たなベアラ受け入れのために電力制御パラメータを変更するようにPCエンティティに命令し(360)、PCエンティティは、TXPWR_UPD_REQ_ACKメッセージを送信する(370)ことによりそれを確認する。次いで、ACエンティティは、HO_TRESHOLD_UPD_REQメッセージを送信する(380)ことにより、新たなベアラ受け入れのためにハンドオーバー制御パラメータを変更するようにHCエンティティに命令し、HCエンティティは、HO_TRESHOLD_UPD_REQ_ACKメッセージを送信する(390)ことによりそれを確認する。その後、ACエンティティは、先ず、LCエンティティから負荷情報を要求する(400)ことによりその制御エリアにおける結果状態を検討し、LCエンティティは、現在負荷状態に関する情報をACエンティティに送信する(410)。次いで、ACエンティティは、その情報を検討し(420)、そして負荷が第1所定限界より高いことが分かると、ACエンティティは、負荷を第1所定限界より低くもっていくように少なくとも1つのベアラの特性を変更するためにベアラマネージメントエンティティとネゴシエーションする(430)。
図6は、本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法の別の例のシグナリングを示す。図6の例では、ベアラ要求は、負荷を第1所定限界より高く増加する。
【0028】
第1に、ベアラマネージメントエンティティは、ベアラ要求メッセージBEARER_REQを受け入れ制御エンティティに送信する(310)。ベアラ要求は、移動ステーションによって発生されるか、又は移動着信コールの場合には、ネットワークによって発生される。受け入れ制御エンティティは、CHECK_LOADメッセージを負荷制御エンティティに送信する(320)ことにより現在負荷をチェックし、負荷制御エンティティは、それに応答して、現在負荷状態を表すLOAD_INFOメッセージを送信する(330)。負荷情報を受信した後、受け入れ制御エンティティは、少なくともベアラ要求及び負荷情報に基づいて負荷推定値を計算する(340)。この例では、負荷推定値は、第1の所定スレッシュホールドより高いことが分かる。その結果、ACエンティティは、要求されたベアラに対し余裕を与えるよう試みる。この例では、ACエンティティは、PCエンティティにメッセージを送信して(341)、電力制御パラメータを更新するようにPCエンティティに命令することによりこれを遂行する。PCエンティティは、もし可能であれば、例えば、ベアラに要求されるQoSレベルが現在状態において送信電力の低下を許す場合には、ベアラの送信電力を低下させる。いずれにせよ、PCエンティティは、ACエンティティに確認メッセージを返送する(342)ことによりACエンティティに応答する。確認メッセージを受信した後に、受け入れ制御エンティティは、CHECK_LOADメッセージを負荷制御エンティティに送信する(343)ことにより現在負荷をチェックし、負荷制御エンティティは、現在負荷エンティティを表すLOAD_INFOメッセージを送信する(344)ことによってそれに応答する。負荷情報を受信した後に、受け入れ制御エンティティは、少なくともベアラ要求及び負荷情報に基づいて負荷推定値を計算する(345)。この例では、電力制御パラメータの更新により、要求されたベアラ(1つ又は複数)に対して充分な余裕が形成される。その結果、ACエンティティは、BMエンティティに確認メッセージを返送する。
【0029】
次いで、ACエンティティは、TXPWR_UPD_REQメッセージを送信することにより、新たなベアラ受け入れのために電力制御パラメータを変更するようにPCエンティティに命令し(360)、PCエンティティは、TXPWR_UPD_REQ_ACKメッセージを送信する(370)ことによりそれを確認する。次いで、ACエンティティは、HO_TRESHOLD_UPD_REQメッセージを送信する(380)ことにより、新たなベアラ受け入れのためにハンドオーバー制御パラメータを変更するようにHCエンティティに命令し、HCエンティティは、HO_TRESHOLD_UPD_REQ_ACKメッセージを送信する(390)ことによりそれを確認する。その後、ACエンティティは、先ず、LCエンティティから負荷情報を要求する(400)ことによりその制御エリアにおける結果状態を検討し、LCエンティティは、現在負荷状態に関する情報をACエンティティに送信する(410)。次いで、ACエンティティは、その情報を検討し(420)、そして負荷が第1所定限界より高いことが分かると、ACエンティティは、負荷を第1所定限界より低くもっていくように少なくとも1つのベアラの特性を変更するためにベアラマネージメントエンティティとネゴシエーションする(430)。
図7は、本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法の更に別の例のシグナリングを示す。図7の例では、ベアラ要求は、負荷を第1所定限界より高く増加する。
【0030】
第1に、ベアラマネージメントエンティティは、ベアラ要求メッセージBEARER_REQを受け入れ制御エンティティに送信する(310)。ベアラ要求は、移動ステーションによって発生されるか、又は移動着信コールの場合には、ネットワークによって発生される。受け入れ制御エンティティは、CHECK_LOADメッセージを負荷制御エンティティに送信する(320)ことにより現在負荷をチェックし、負荷制御エンティティは、それに応答して、現在負荷状態を表すLOAD_INFOメッセージを送信する(330)。負荷情報を受信した後、受け入れ制御エンティティは、少なくともベアラ要求及び負荷情報に基づいて負荷推定値を計算する(340)。この例では、負荷推定値は、第1の所定スレッシュホールドより高いことが分かる。その結果、ACエンティティは、先ず電力制御を使用することにより、要求されたベアラに対し余裕を与えるよう試みる。この例では、ACエンティティは、PCエンティティにメッセージを送信して(341)、電力制御パラメータを更新するようにPCエンティティに命令することによりこれを遂行する。PCエンティティは、もし可能であれば、例えば、ベアラに要求されるQoSレベルが現在状態において送信電力の低下を許す場合には、ベアラの送信電力を低下させる。いずれにせよ、PCエンティティは、ACエンティティに確認メッセージを返送する(342)ことによりACエンティティに応答する。確認メッセージを受信した後に、受け入れ制御エンティティは、CHECK_LOADメッセージを負荷制御エンティティに送信する(343)ことにより現在負荷をチェックし、負荷制御エンティティは、現在負荷エンティティを表すLOAD_INFOメッセージを送信する(344)ことによりそれに応答する。負荷情報を受信した後に、受け入れ制御エンティティは、少なくともベアラ要求及び負荷情報に基づいて負荷推定値を計算する(345)。この例では、電力制御パラメータの更新により、要求されたベアラ(1つ又は複数)に対して充分な余裕が形成されない。その結果、ACエンティティは、ハンドオーバーパラメータを調整することにより、要求されたベアラに対し余裕を与えるよう試みる。この例では、ACエンティティは、HO_OPTIMIZATIONコマンドをHCエンティティに送信して(346)、制御エリアにおける負荷を減少するようにハンドオーバーパラメータを最適化するようHCエンティティに命令する。その結果、HCエンティティは、もし可能であれば、既存のベアラに与えられるサービスレベルを低下せずに、ハンドオーバー判断を制御するパラメータを変更する。次いで、HCエンティティは、確認メッセージHO_OPTIMIZATION_ACKをACエンティティに送信する(347)ことにより応答する。次いで、ACエンティティは、例えば、ステップ343、344及び345に関連して既に述べたように負荷チェック及び推定手順を再び実行する(349)。この例では、ハンドオーバー制御パラメータの最適化が、最終的に、要求されたベアラ(1つ又は複数)に対して充分な余裕を形成する。その結果、ACエンティティは、BMエンティティに確認メッセージを送信する(350)。
【0031】
次いで、ACエンティティは、TXPWR_UPD_REQメッセージを送信することにより、新たなベアラ受け入れのために電力制御パラメータを変更するようにPCエンティティに命令し(360)、PCエンティティは、TXPWR_UPD_REQ_ACKメッセージを送信する(370)ことによりそれを確認する。次いで、ACエンティティは、HO_TRESHOLD_UPD_REQメッセージを送信する(380)ことにより、新たなベアラ受け入れのためにハンドオーバー制御パラメータを変更するようにHCエンティティに命令し、HCエンティティは、HO_TRESHOLD_UPD_REQ_ACKメッセージを送信する(390)ことによりそれを確認する。その後、ACエンティティは、先ず、LCエンティティから負荷情報を要求する(400)ことによりその制御エリアにおける結果状態を検討し、LCエンティティは、現在負荷状態に関する情報をACエンティティに送信する(410)。次いで、ACエンティティは、その情報を検討し(420)、そして負荷が第1所定限界より高いことが分かると、ACエンティティは、負荷を第1所定限界より低くもっていくように少なくとも1つのベアラの特性を変更するためにベアラマネージメントエンティティとネゴシエーションする(430)。
図8は、本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法の更に別の例のシグナリングを示す。この例では、ベアラ要求は、第1所定限界より著しく高い推定負荷を生じ、従って、ACエンティティは、要求されたベアラに対して余裕を与えるように電力制御及びハンドオーバー制御を使用し、そして要求により必要となるリソースの量を下げるようにBMエンティティとネゴシエーションする。
【0032】
第1に、ベアラマネージメントエンティティは、ベアラ要求メッセージBEARER_REQを受け入れ制御エンティティに送信する(310)。ベアラ要求は、移動ステーションによって発生されるか、又は移動着信コールの場合には、ネットワークによって発生される。受け入れ制御エンティティは、CHECK_LOADメッセージを負荷制御エンティティに送信する(320)ことにより現在負荷をチェックし、負荷制御エンティティは、それに応答して、現在負荷状態を表すLOAD_INFOメッセージを送信する(330)。負荷情報を受信した後、受け入れ制御エンティティは、少なくともベアラ要求及び負荷情報に基づいて負荷推定値を計算する(340)。この例では、負荷推定値は、第1の所定スレッシュホールドより著しく高いことが分かる。その結果、ACエンティティは、先ず電力制御を使用することにより、要求されたベアラに対し余裕を与えるよう試みる。この例では、ACエンティティは、PCエンティティにメッセージを送信して(341)、電力制御パラメータを更新するようにPCエンティティに命令することによりこれを遂行する。PCエンティティは、もし可能であれば、例えば、ベアラに要求されるQoSレベルが現在状態において送信電力の低下を許す場合には、ベアラの送信電力を低下させる。PCエンティティは、ACエンティティに確認メッセージを返送する(342)ことによりACエンティティに応答する。更に、ACエンティティは、ACエンティティは、HO_OPTIMIZATIONコマンドをHCエンティティに送信して(346)、制御エリアにおける負荷を減少するようにハンドオーバーパラメータを最適化するようHCエンティティに命令する。その結果、HCエンティティは、もし可能であれば、既存のベアラに与えられるサービスレベルを低下せずに、ハンドオーバー判断を制御するパラメータを変更する。次いで、HCエンティティは、確認メッセージHO_OPTIMIZATION_ACKをACエンティティに送信する(347)ことにより応答する。
【0033】
次いで、ACエンティティは、もし可能であれば、要求されたベアラ(1つ又は複数)に必要とされるリソースを減少するようにBMエンティティとのベアラネゴシエーション手順を遂行する(348)。次いで、ACエンティティは、例えば、ステップ343、344及び345に関連して既に述べたように負荷チェック及び推定手順を再び実行する(349)。この例では、電力制御及びハンドオーバー制御パラメータの最適化が、再ネゴシエーション又は変更されたベアラ要求に対して充分な余裕を与える。その結果、ACエンティティは、BMエンティティに確認メッセージを送信する(350)。
次に、ACエンティティは、TXPWR_UPD_REQメッセージを送信することにより、新たなベアラ受け入れのために電力制御パラメータを変更するようにPCエンティティに命令し(360)、PCエンティティは、TXPWR_UPD_REQ_ACKメッセージを送信する(370)ことによりそれを確認する。次いで、ACエンティティは、HO_TRESHOLD_UPD_REQメッセージを送信する(380)ことにより、新たなベアラ受け入れのためにハンドオーバー制御パラメータを変更するようにHCエンティティに命令し、HCエンティティは、HO_TRESHOLD_UPD_REQ_ACKメッセージを送信する(390)ことによりそれを確認する。その後、ACエンティティは、先ず、LCエンティティから負荷情報を要求する(400)ことによりその制御エリアにおける結果状態を検討し、LCエンティティは、現在負荷状態に関する情報をACエンティティに送信する(410)。次いで、ACエンティティは、その情報を検討し(420)、そして負荷が第1所定限界より高いことが分かると、ACエンティティは、負荷を第1所定限界より低くもっていくように少なくとも1つのベアラの特性を変更するためにベアラマネージメントエンティティとネゴシエーションする(430)。
【0034】
本発明は、セルラーネットワークの特定領域に使用することに限定されない。本発明による受け入れ制御方法は、例えば、単一のセル、セルのセクター或いは複数のセル、例えばルートエリア又は全無線アクセスネットワークにおける受け入れを制御するのに使用できる。
制御領域は、送信又は干渉電力或いはSIRサブ領域に更に分割することができ、その各々は、割り当てられるべき制御領域の無線リソースの固定及び適応部分を有する。
無線ネットワークコントローラのような所与の機能的エンティティの名称は、異なるセルラーテレコミュニケーションシステムのコンテキストにおいてしばしば異なる。例えば、GSMシステムでは、無線ネットワークコントローラ(RNC)に対応する機能的エンティティは、ベースステーションコントローラ(BSC)である。それ故、請求の範囲の「無線ネットワークコントローラ」という用語は、特定のセルラーテレコミュニケーションシステムのエンティティに対して使用される用語に関わりなく対応する全ての機能的エンティティを網羅するものとする。更に、LOAD_INFOメッセージ名のような種々のコマンド及びメッセージ名は一例に過ぎず、本発明は、本明細書に記載したコマンド及びメッセージ名の使用に限定されるものではない。更に、請求の範囲の「変更」という用語は、再ネゴシエーションであるか、又は再ネゴシエーションを伴わない変化であるかに関わらず、少なくとも1つのベアラのパラメータに対して行われるいかなる変化も網羅するものとする。
【0035】
本発明は、拡散スペクトル技術に少なくとも一部分は基づくいかなるセルラーテレコミュニケーションシステムにも使用できる。
以上の説明から、当業者であれば、本発明の範囲内で種々の変更がなされ得ることが明らかであろう。本発明の好ましい実施形態を詳細に述べたが、請求の範囲内で多数の変更や修正がなされることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法を示す図である。
【図2】 本発明の好ましい実施形態により臨界負荷又は過負荷状態に対処する受け入れ制御方法の一部分の一例を示す図である。
【図3】 本発明の好ましい実施形態により臨界負荷又は過負荷状態に対処する受け入れ制御方法の一部分の別の例を示す図である。
【図4】 本発明の好ましい実施形態により臨界負荷又は過負荷状態に対処する受け入れ制御方法の一部分の更に別の例を示す図である。
【図5】 本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法の一例のシグナリングを示す図である。
【図6】 本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法の別の例のシグナリングを示す図である。
【図7】 本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法の更に別の例のシグナリングを示す図である。
【図8】 本発明の好ましい実施形態による受け入れ制御方法の更に別の例のシグナリングを示す図である。

Claims (14)

  1. セルラーテレコミュニケーションシステムにおける受け入れ制御方法であって、ベアラ要求を受け取り(105)、そして現在負荷をチェックする(110)段階を含む方法において、
    少なくとも現在負荷及び上記ベアラ要求に基づいて、結果の負荷推定値を計算し(115)、
    上記結果の負荷推定値が所定限界より低い場合には、上記ベアラ要求を受け入れ(125)、上記要求に基づいて送信リソースを割り当て(130)、そして結果の負荷をチェックし(135)、そして
    上記結果の負荷推定値が上記所定限界より大きい場合には、結果の負荷推定値を上記所定限界より低くするように、セルラーテレコミュニケーションシステムの送信能力リソースの解除を試みて(122)、上記要求されたベアラの受け入れを許すようにする、
    という段階を含むことを特徴とする方法。
  2. 上記負荷推定値が上記所定限界より低い時に、送信リソースを割り当て、そして結果の負荷をチェックをした段階の後、上記結果の負荷が上記所定限界よりも大きい場合には、
    上記結果の負荷を上記所定限界より低くするように少なくとも1つのベアラのパラメータを変更する(145)段階をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 上記負荷推定値が上記所定限界より高い時、送信能力リソースの解除を試みる上記段階の後、
    現在負荷をチェックし(165)、
    少なくとも現在負荷及びベアラ要求に基づいて結果の負荷推定値を計算し(167)、そして
    上記結果の負荷推定値が上記所定限界より低い場合には、ベアラ要求を受け入れ(180)、上記要求に基づいて送信リソースを割り当て(130)、そして結果の負荷をチェックする(135)段階をさらに含む請求項1に記載の方法。
  4. 上記結果の負荷が上記所定限界より大きい場合には、上記結果の負荷を上記所定限界より低くするように少なくとも1つのベアラのパラメータを変更する(145)段階をさらに含む請求項3に記載の方法。
  5. 上記送信能力リソースの解除を試みる段階が、
    上記ベアラ要求により要求されるリソースの量を低下するようにベアラ要求を変更し(160)、
    現在負荷をチェックし(165)、
    少なくとも上記現在負荷及び上記変更されたベアラ要求に基づいて結果の負荷推定値を計算し(167)、そして
    上記結果の負荷推定値が上記所定限界より低い場合には、上記変更されたベアラ要求を受け入れ(180)、上記要求に基づいて送信リソースを割り当て(130)、そして結果の負荷をチェックする(135)段階をさらに含む請求項1に記載の方法。
  6. 上記結果の負荷が上記所定限界より大きい場合には、上記結果の負荷が上記所定限界より低くなるように少なくとも1つのベアラのパラメータを変更する(145)段階をさらに含む請求項5に記載の方法。
  7. 上記送信能力リソースの解除を試みる上記段階は、
    セルラーネットワークのハンドオーバー制御パラメータを調節する(155)段階を含む請求項1に記載の方法。
  8. 上記送信能力リソースの解除を試みる上記段階は、
    セルラーネットワークの電力制御パラメータを調節する(150)段階を含む請求項1に記載の方法。
  9. 上記送信能力リソースの解除を試みる上記段階は、
    セルラーネットワークの負荷制御パラメータを調節する(151)段階を含む請求項1に記載の方法。
  10. 上記送信能力リソースの解除を試みる上記段階は、
    セルラーネットワークのソフトハンドオーバー及びソフト容量余裕を調節する(152)段階を含む請求項1に記載の方法。
  11. 上記送信能力リソースの解除を試みる上記段階は、
    変更のために少なくとも1つのセルラーネットワークパラメータ又はセルラーネットワークパラメータの少なくとも1つのタイプを選択する段階を含む請求項1に記載の方法。
  12. ベアラのタイプに実質的に影響を与えないセルラーネットワークパラメータが優先的に選択される請求項11に記載の方法。
  13. リアルタイムベアラに影響を与えるパラメータの前に非リアルタイムベアラに影響を与えるパラメータが変更される請求項12に記載の方法。
  14. セルラーテレコミュニケーションシステムであって、
    上記セルラーテレコミュニケーションシステムの制御領域内に新たなベアラの受け入れを制御する受け入れ制御エンティティであり、上記受け入れ制御エンティティはベアラ要求を受信する時、制御領域内の現在負荷をチェックして上記現在負荷及び上記ベアラ要求に基づいて結果の負荷推定値を計算する、上記受け入れ制御エンティティを含み、
    上記負荷推定値が所定限界より低い場合には、上記ベアラ要求が受け入れられ、上記要求に基づいて制御領域の送信リソースが割り当てられて、その後に上記受け入れ制御エンティティは制御領域内の結果の負荷をチェックし、及び
    上記負荷推定値が上記所定限界より高い場合には、結果の負荷推定値を上記所定限界より低くするように、上記受け入れ制御エンティティは制御領域内の送信能力リソースの解除を試みて、よって上記要求されたベアラの受け入れを許すようにする、
    セルラーテレコミュニケーションシステム。
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