JP3849872B2 - アミノ基含有シラノール化合物水溶液、その用途、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明はアミノ基含有シラノール化合物水溶液、それを用いて表面処理されたガラス基材およびガラス繊維、およびアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法に関する。
背景技術
シランカップリング剤並びに各種基材の表面処理剤として広く使用されている加水分解性シランは、それらが有する加水分解性基を加水分解した後に使用される。
そのような加水分解性シランの一つとして、アミノアルコキシシランを加水分解し、副生するアルコールを除去したアミノ基含有シラノール化合物水溶液が特許第2508554号に開示されている。該アミノ基含有シラノール化合物は、予め加水分解され副生成物であるアルコールが除去されたものであることから、表面処理の使用時にアルコール等の揮発性有機成分が比較的発生しにくい材料であった。
しかしながら、特許第2508554号に記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液は、保存条件によっては保存安定性に欠ける場合があった。また、該アミノ基含有シラノール化合物水溶液を大気に接触するような状態で放置した場合、放置条件によっては米国産業専門家会議(ACGIH:American Conference of Governmental Industrial Hygienists)が勧告している許容濃度である1000ppm(0.1MPa、25℃)を超えるエチルアルコールを大気中に放出する場合があった。
発明の開示
本発明者らは前述の従来技術が包含する課題に鑑み、鋭意研究を重ねた。その結果、下記一般式(1)で表されるアミノアルキルシラン1モルと、水1.5〜10モルとを反応させ、該反応において副生する揮発性有機成分を留去することによって得られる、副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液であれば、保存安定性に優れ、更に、大気中への揮発性有機成分の放出を許容濃度以下に押さえることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
H2N(CH2)nSi(R)3 一般式(1)
(式中、Rは加水分解性基であり、nは1〜6の整数でる。)
本発明は以下の(1)〜(14)の構成を有する。
(1)下記一般式(1)で表されるアミノアルキルシラン1モルと、水1.5〜10モルとを反応させ、該反応において副生する揮発性有機成分を留去することによって得られる、副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
H2N(CH2)nSi(R)3 一般式(1)
(式中、Rは加水分解性基であり、nは1〜6の整数である。)
(2)珪素の含有割合が7.5〜17重量%の範囲である前記第1項記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
(3)一般式(1)においてRが炭素数1〜4のアルキルアルコキシ基であるアミノアルキルシランを用いて得られる前記第1項記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
(4)アミノアルキルシランと水との反応、および副生する揮発性有機成分の留去を0〜150℃の範囲で行って得られる前記第1項記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
(5)副生する揮発性有機成分の留去を1Pa〜0.1MPaの範囲の減圧度で行って得られる前記第1項記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
(6)副生する揮発性有機成分を留去する際に、該反応液中から留去される揮発性有機成分の重量と同じ重量の水を該反応液に添加して得られる前記第1項記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
(7)前記第1項〜第6項の何れか1項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液を含有する表面処理剤。
(8)前記第1項〜第6項の何れか1項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液を用いて表面処理されたガラス基材。
(9)前記第1項〜第6項の何れか1項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液用いて表面処理されたガラス繊維。
(10)前記第1項記載の一般式(1)で表されるアミノアルキルシラン1モルと、水1.5〜10モルとを反応させ、該反応において副生する揮発性有機成分を、その含有割合が4重量%未満になるまで留去することを特徴とするアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
(11)前記第1項記載の一般式(1)で表されるアミノアルキルシランのRが炭素数1〜4のアルキルアルコキシ基であるアミノアルキルシランを用いることを特徴とする前記第10項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
(12)アミノアルキルシランと水との反応、および副生する揮発性有機成分の留去を0〜150℃の範囲で行うことを特徴とする前記第10項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
(13)副生する揮発性有機成分の留去を1Pa〜0.1MPaの範囲の減圧度で行うことを特徴とする前記第10項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
(14)副生する揮発性有機成分を留去する際に、該反応液中から留去される揮発性有機成分の重量と同じ重量の水を該反応液に添加することを特徴とする前記第10項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
発明を実施するための最良の形態
以下本発明を詳細に説明する。
本発明において一般式(1)中のnは1〜6の整数であり、好ましくは1〜4であり、より好ましくは3である。nが3であるアミノプロピル基を有する加水分解性シランは水溶性が良好である。本発明において一般式(1)で表されるアミノアルキルシランは、市販品を使用することができる。
本発明において一般式(1)中のRは、加水分解性基であれば特に限定されるものではないが、Rは炭素数4以下のアルキルアルコキシ基であることが好ましい。そのような加水分解性基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などを挙げることができる。Rが炭素数4以下のアルキルアルコキシ基である場合には、加水分解により生成する揮発性有機成分の沸点が比較的低く反応液からの除去が容易である。
一般式(1)で表されるアミノアルコキシシランと水との反応(加水分解反応)において、該反応に使用する水の割合が該アミノアルコキシシラン1モルに対し1.5モル未満である場合には、該反応が充分に進行せず加水分解性基が残る場合がある。また、該割合が該アミノアルコキシシラン1モルに対し10モルを越える場合には、加水分解反応後に実施する揮発性有機成分の留去においてその効率が悪化する場合がある。
本発明において該加水分解反応時の温度は特に限定されるものではないが、0℃〜150℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは40℃〜120℃の範囲である。
本発明において前述の加水分解反応によって副生する揮発性有機成分の留去方法は特に限定されるものではないが、1Pa〜0.1MPaの圧力下において蒸留することが好ましい。その際の温度は特に限定されるものではないが、0〜150℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは40〜120℃の範囲である。
本発明において該副生揮発性有機成分の留去は、本発明のアミノ基含有シラノール化合物水溶液に対する該副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満になるまで行う。本発明において該含有割合は4重量%未満であるが、該含有割合は2重量%以下であることが好ましい。
本発明に於ける加水分解反応と、該副生揮発性有機成分留去の際の温度は上記の通りであるが、該加水分解反応、該副生揮発性有機成分留去ともに0〜150℃の範囲で行った場合には、効率が良くかつ製品の変質が無く好ましい。
更に、本発明においては、該副生揮発性有機成分を留去する際に、該反応液中から留去される揮発性有機成分の重量と同じ重量の水を反応液に添加することが好ましい。これにより加水分解反応液が濃縮され粘度が上昇し、蒸留効率が低下する事を防止できる。
本発明においては、本発明のアミノ基含有シラノール水溶液に含まれる珪素の割合は、該アミノ基含有シラノール水溶液に対して7.5〜17重量%の範囲であることが好ましい。珪素の含有割合が17重量%より多いとアミノ基含有シラノール水溶液の粘度が非常に高くなり流動性が低くなる傾向があり、品質を一定に保つことが困難となる。また珪素の含有割合が7.5重量%を下回る場合には、保存安定性が低下し着色等が発生する場合がある。
本発明におけるアミノ基含有シラノール水溶液中の珪素含有割合は、アミノ基含有シラノール化合物濃度を不揮発分として測定し、水を用いて希釈するか、蒸留操作を行うことにより、その濃度を30重量%〜67重量%に調製することで制御できる。珪素含有割合の確認は公知の珪素含有量測定方法により定量することができる。
本発明のアミノ基含有シラノール化合物水溶液は、透明で無色から僅かに黄色に着色している。製造時の揮発性有機成分含有量は4重量%未満であることから、常温、常圧における大気中への揮発性有機成分の放出を米国産業専門家会議(ACGIH)が勧告している許容濃度以下に押さえることができる。また、加水分解性基を完全に加水分解した後に副生する揮発性有機成分を除去していることから、該水溶液を水によりさらに希釈しても副生揮発性有機成分含有量は製造時に含まれる量以上には増加しない。
本発明の効果を損なわない範囲であれば、該副生揮発性有機成分の留去が終了した後、反応液のアミノ基含有シラノール化合物濃度を測定し、必要に応じ、水により希釈あるいは再度蒸留による濃縮操作を行い任意の濃度に調製してもよい。
本発明によるアミノ基含有シラノール化合物の水溶液は、その濃度が希薄であるほどモノマー構造を持つシラントリオール体の含有量が増加するが、オリゴマー成分も含有しており、これが表面処理剤として使用した時に造膜性を向上させると考えられる。また本発明によるアミノ基含有シラノール化合物の水溶液は非常に安定であり、保存試験実施後も揮発性有機成分含有量、平均組成および外観に変化は見られない。
本発明によるアミノ基含有シラノール化合物の水溶液はシランカップリング剤あるいは表面処理剤として有用である。
本発明の表面処理剤は、本発明のアミノ基含有シラノール水溶液を含有するものであれば、その組成や物性など特に限定されるものではない。本発明の効果を損なわない範囲であれば、本発明の表面処理剤は顔料、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、pH調製剤、フィルム形成剤、帯電防止剤、抗菌剤、界面活性剤、および染料などを含有するものであっても良い。
本発明の表面処理剤に含まれる該アミノ基含有シラノール水溶液の割合は、該処理剤に対し0.1〜50重量%の範囲であることが好ましい。
本発明のアミノ基含有シラノール水溶液、およびそれを含有する表面処理剤の用途は特に限定されるものではないが、具体的には、ガラス繊維の処理、液状封止剤、鋳物用鋳型、レジンコンクリート、樹脂の表面改質および水系塗料の添加剤などを挙げることができる。その中でも、本発明のアミノ基含有シラノール水溶液、およびそれを含有する表面処理剤を、ガラス繊維、ガラス板等のガラス基材の表面処理に用いた場合には、アミノシランの特徴であるガラス基材表面への濡れ性、密着性が良いことから特に好ましい効果が得られる。
(実施例)
以下、本発明を実施例により具体的且つ詳細に説明する。
<アミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造>
実施例1
搭頂部温度測定器を備えた蒸留塔、内部温度測定器、攪拌装置、液体配量装置、冷却器および蒸留生成物受器を備えた容量2リットルのフラスコに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(チッソ(株)製サイラエースS330)1000gを仕込み、次いで配量装置から純水500gを投入した。ガスクロマトグラフで3−アミノプロピルトリエトキシシランのピークが消失した点を加水分解の終了とし、その後反応器内を0.02MPaに減圧し、該フラスコ内の反応液温を60℃として、副生したエタノール500gを除去した。微量の残存エタノールを除去するためさらに蒸留を続け250gの留出液を除去し、次いで留出したエタノールと同重量の純水を該反応液に加えて濃度および粘度を調製し、アミノ基含有シラノール化合物水溶液を得た。
蒸留終了後の該反応液は、ガスクロマトグラフにより分析すると、エタノール含有割合は0.1重量%以下であった。該アミノ基含有シラノール化合物水溶液をアルミカップに計量し、熱風オーブン中105℃で3時間加熱乾固させたところ不揮発分は50重量%であった。該アミノ基含有シラノール化合物水溶液の珪素含有量は12.7重量%であり、粘度は25℃で150mm2/sであった。実施例2
実施例1で使用したものと同じ容量2リットルのフラスコに3−アミノプロピルトリエトキシシラン(チッソ(株)製サイラエースS330)660gを仕込み、次いで配量装置から純水670gを投入した。ガスクロマトグラフで3−アミノプロピルトリエトキシシランのピークが消失した点を加水分解の終了とし、その後反応器内を0.02MPaに減圧し、該フラスコ内の反応液温を60℃として、副生したエタノール330gを除去した。微量の残存エタノールを除去するためさらに蒸留を続け250gの留出液を除去し、留出したエタノールと同重量の純水を該反応液に加えて濃度および粘度を調製し、アミノ基含有シラノール化合物水溶液を得た。
蒸留終了後の該アミノ基含有シラノール化合物水溶液はガスクロマトグラフにより分析すると、エタノール含有割合は0.1重量%以下であった。該アミノ基含有シラノール化合物水溶液をアルミカップに計量し、熱風オーブン中105℃で3時間加熱乾固させたところ不揮発分は33重量%であった。該アミノ基含有シラノール化合物水溶液の珪素含有量は8.2重量%であり粘度は25℃で9mm2/sであった。
比較例1
実施例1で使用したものと同じ容量2リットルのフラスコに3−アミノプロピルトリエトキシシラン(チッソ(株)製サイラエースS330)400gを仕込み、次いで配量装置から純水800gを投入した。ガスクロマトグラフで3−アミノプロピルトリエトキシシランのピークが消失した点を加水分解の終了とし、その後反応器内を0.02MPaに減圧し、該フラスコ内の反応液温を60℃として、副生したエタノール200gを除去した。微量の残存エタノールを除去するためさらに蒸留を続け250gの留出液を除去し、留出したエタノールと同重量の純水を該反応液に加えて濃度および粘度を調製し、アミノ基含有シラノール化合物水溶液を得た。
蒸留終了後の該反応液はガスクロマトグラフにより分析するとエタノール含有割合は0.1重量%以下であった。該アミノ基含有シラノール化合物水溶液をアルミカップに計量し、熱風オーブン中105℃で3時間加熱乾固させたところ不揮発分は20重量%であった。該アミノ基含有シラノール化合物水溶液の珪素含有量は5.1重量%であり粘度は25℃で2mm2/sであった。
<保存テスト>
実施例1、2、および比較例1で合成したアミノ基含有シラノール化合物水溶液を40℃で180日間保存した後、粘度、組成、およびアルコール含有量の分析を実施した。
粘度は実施例1、2および比較例1とも180日間一定であった(表1)。該粘度はJIS Z 8803に従って測定した。
また、180日の保存期間中、実施例1、2および比較例1ともアルコール含有量の増加は見られなかった(表2)。アルコール含有量の測定は、ガスクロマトグラフ分析によって行った。
しかしながら、実施例1および2のアミノ基含有シラノール化合物水溶液は、目視による観察でも着色は判別できなかったが、比較例1で合成したアミノ基含有シラノール化合物水溶液は、色相分析値(haze)が20以上変化し、目視による観察でも明らかに黄変が認められた(表3)。該色相分析はJIS K 0071に従って測定した。
これら保存テストの結果から、本発明により得られたアミノ基含有シラノール水溶液は非常に安定であることが判明した。
【表1】
【表2】
【表3】
<アルコール含有量の分析>
実施例1で得られたアミノ基含有シラノール化合物水溶液(不揮発分50重量%)を、不揮発分が33重量%、20重量%、10重量%、1重量%となるように純水で希釈し、ガスクロマトグラフによりアルコール含有量の分析を実施したところ、アルコールの生成は見られなかった。
<有効成分の組成分析>
上記<アルコール含有量の分析>で作成した各希釈液の平均組成を、29Si−NMRにより分析した。実施例1のアミノ基含有シラノール化合物水溶液を希釈してアミノ基含有シラノール化合物の濃度が低くなるほど、元のアミノ基含有シラノール化合物水溶液(実施例1)と比較してシラントリオール体が増加した。特に1重量%まで希釈すると、組成成分の45モル%がシラントリオール体であった(図1、図2)。しかしオリゴマー成分も55モル%存在しており表面処理剤として使用した時に良好な造膜性を示す。
したがって、本発明により得られたアミノ基含有シラノール化合物水溶液は、水で希釈してもアルコールを生成することなく、さらに、表面処理の有効成分であるオリゴマー成分を十分に含有していることが判明した(表4)。
【表4】
<表面処理剤としての評価>
実施例1で得られたアミノ基含有シラノール化合物水溶液5gに、純水90gを加えて不揮発分濃度5重量%の表面処理剤(1)を調製した。比較のために3−アミノプロピルトリエトキシシラン(チッソ(株)製サイラエースS330)5gに、純水95gを加えて不揮発分濃度5重量%の表面処理剤(2)を調製した。
表面処理剤をそれぞれ1時間攪拌した後スライドグラスに塗布し、濡れ性を目視により評価した。スライドグラスは洗剤、純水、アセトン、純水の順番で洗浄、風乾し、表面処理剤の塗布はディップ法によっておこなった。その結果、それぞれの濃度で濡れ性は差が無く揮発性有機化合物(VOC)を低減させてもその性能は保持されていることが判った(表5)。
【表5】
産業上の利用可能性
本発明のアミノ基含有シラノール化合物水溶液は、保存安定性に優れ、更に、大気中への揮発性有機成分の放出を許容濃度以下に押さえることができる。また、本発明の表面処理剤は、揮発性有機成分の含有量が非常に低いため容易に廃棄ができる表面処理剤として、現在アミノシランが使用されているガラス繊維の処理、液状封止剤、鋳物用鋳型、レジンコンクリート、樹脂の表面改質、水系塗料の添加剤等への使用に好適である。
【図面の簡単な説明】
図1は、アミノ基含有シラノール化合物水溶液の希釈前の29Si−NMRチャートであり、図2は、アミノ基含有シラノール化合物水溶液の希釈後の29Si−NMRチャートである。
Claims (14)
- 下記一般式(1)で表されるアミノアルキルシラン1モルと、水1.5〜10モルとを反応させ、該反応において副生する揮発性有機成分を留去することによって得られる、副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
H2N(CH2)nSi(R)3 一般式(1)
(式中、Rは加水分解性基であり、nは1〜6の整数である。) - 珪素の含有割合が7.5〜17重量%の範囲である請求項1記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
- 一般式(1)においてRが炭素数1〜4のアルキルアルコキシ基であるアミノアルキルシランを用いて得られる請求項1記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
- アミノアルキルシランと水との反応、および揮発性有機成分の留去を0〜150℃の範囲で行って得られる請求項1記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
- 副生する揮発性有機成分の留去を1Pa〜0.1MPaの範囲の減圧度で行って得られる請求項1記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
- 副生する揮発性有機成分を留去する際に、該反応液中から留去される揮発性有機成分の重量と同じ重量の水を該反応液に添加して得られる請求項1記載の副生揮発性有機成分の含有割合が4重量%未満のアミノ基含有シラノール化合物水溶液。
- 請求項1〜6の何れか1項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液を含有する表面処理剤。
- 請求項1〜6の何れか1項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液を用いて表面処理されたガラス基材。
- 請求項1〜6の何れか1項記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液用いて表面処理されたガラス繊維。
- 請求項1記載の一般式(1)で表されるアミノアルキルシラン1モルと、水1.5〜10モルとを反応させ、該反応において副生する揮発性有機成分を、その含有割合が4重量%未満になるまで留去することを特徴とするアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
- 請求項1記載の一般式(1)で表されるアミノアルキルシランのRが炭素数1〜4のアルキルアルコキシ基であるアミノアルキルシランを用いることを特徴とする請求項10記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
- アミノアルキルシランと水との反応、および副生する揮発性有機成分の留去を0〜150℃の範囲で行うことを特徴とする請求項10記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
- 副生する揮発性有機成分の留去を1Pa〜0.1MPaの範囲の減圧度で行うことを特徴とする請求項10記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
- 副生する揮発性有機成分を留去する際に、該反応液中から留去される揮発性有機成分の重量と同じ重量の水を該反応液に添加することを特徴とする請求項10記載のアミノ基含有シラノール化合物水溶液の製造方法。
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