JP3849610B2 - 燃料キャップ - Google Patents

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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内を調圧する調圧弁を備えた燃料キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃料キャップとして、実公平6−88606号公報に記載されたものが知られている。図38は燃料キャップ300を示す断面図である。図38に示すように、燃料キャップ300は、図示しない燃料タンクの注入口FNに螺着されるプラスチック製のケーシング本体302と、ケーシング本体302に装着された蓋体330と、ケーシング本体302の弁室304内に収納されかつ燃料タンク内の圧力を調圧する負圧弁340とを備えている。負圧弁340は、ゴム製の弁体342と、この弁体342を支持する嵌合孔346aを有する弁保持部材346と、弁体342に付勢するばね348とを備えている。負圧弁340では、タンク圧と大気圧との差圧が大きくなり、弁体342に加わる差圧が所定以上になると開弁してタンク圧を大気圧に近づける。なお、ケーシング本体302の上部と蓋体330の底壁332との間には、蓋体330を所定以上のトルクで空回りさせるラッチェット機構320が設けられている。
【0003】
また、ケーシング本体302には、上述した蓋体330が着脱可能かつ回動可能に装着されている。この着脱構成として、ケーシング本体302にフランジ部308を、該ケーシング本体302の半径方向の外方へ周方向へ4カ所形成し、一方、蓋体330に内側壁面に係合突部334を形成する。そして、蓋体330をケーシング本体302のフランジ部308に圧入し、係合突部334を乗り越えさせることにより、蓋体330をケーシング本体302に取り付けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記係合突部334は、蓋体330の内側壁から突設されており、射出成形の際にアンダーカットとなることから、スライド型を用いて製造している。このため、スライド型の型割れ跡が蓋体330の底壁332に形成される。こうした型割れ跡は、ラッチェット機構320を介して蓋体330がケーシング本体302に対して回動した際に摺動すると、削れ屑が発生する。
【0005】
また、蓋体330は、手により開閉操作されるものであるが、他の機能を付加することが要請されており、例えば乾燥した雰囲気で帯電量の大きい人が手で触れたときに放電するような機能が求められていたが、こうした機能を備えたものはない。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、蓋体に形成された型割れ跡が削れて削れ屑が発生することがなく、しかも開閉時に手などが触れたときにも速やかに放電する放電機能を備えた燃料キャップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するためになされた本発明は、
燃料キャップにおいて、
上部にフランジ部を有するケーシング本体と、
底壁と、底壁の外周部に形成された側壁とを有し、上記フランジ部に、所定以上のトルクで一方向へ回動可能に装着され、射出成形により形成された蓋体と、
を備え、
上記蓋体は、射出成形の際にアンダーカットを形成するスライド型を用いて側壁から突設されかつ上記フランジ部を抜止めするように係合する係合突部と、上記底壁でありかつ上記係合突部に近接して突設された切削防止用突起と、を有し、
上記切削防止用突起は、上記スライド型によって上記底壁に形成される上記型割れ跡が、蓋体の回転により該フランジ部に接触しないように上記底壁であってフランジ部に沿った位置に複数突設されたことを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる燃料キャップでは、ケーシング本体の上部のフランジ部に蓋体が装着されており、この蓋体はフランジ部に対して所定以上のトルクで一方向へ回動可能になっている。また、フランジ部は、蓋体を回動可能に支持するとともに蓋体の側壁に形成した係合突部により抜止されている。この係合突部は、樹脂による射出成形の際に側壁から突出したアンダーカットとなるから、スライド型を用いて製造される際に、蓋体の底壁に型割れ跡を形成する。型割れ跡に近接した部位には、切削防止用突起が形成されている。
【0009】
この切削防止用突起は、フランジ部が型割れ跡に接触しないようにガイドする。したがって、切削防止用突起は、型割れ跡がフランジ部と摺動することにより削れることを防止する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施の形態にかかる燃料キャップ10を示す半断面図である。図1において、燃料キャップ10は、図示しない燃料タンクに燃料を補給する注入口FNbを有するフィラーネックFNに螺着されており、ポリアセタール等の合成樹脂材料から形成されたケーシング本体20と、このケーシング本体20の上部に装着されナイロン等の合成樹脂材料から形成される蓋体40と、ケーシング本体20の上部開口を閉じて弁室23を形成する内蓋50と、弁室23に収納され調圧弁としての正圧弁60及び負圧弁70と、ケーシング本体20の上部外周に装着されてフィラーネックFNとの間をシールするガスケットGSとを備えている。上記正圧弁60は、弁体61と、この弁体61を支持する弁保持部材68と、弁保持部材68を介して弁体61に付勢するコイルばね69とを備えている。一方、負圧弁70は、弁体71と、コイルばね78とを備えている。
【0012】
上記正圧弁60と負圧弁70による燃料タンク内の調圧は、以下の動作により行われる。すなわち、燃料キャップ10をフィラーネックFNに装着した状態にて、タンク圧が大きくなって正圧弁60の弁体61に加わる差圧が所定圧を越えると、弁体61がコイルばね69の付勢力に抗して上方へ移動して正圧弁60が開く。一方、タンク圧が低くなって負圧弁70の弁体71に加わる差圧が所定圧を越えると、弁体71が下方へ移動して負圧弁70が開く。つまり、燃料タンクのタンク圧が大気圧に対して正圧または負圧になり、その値が所定以上となったとき正圧弁60及び負圧弁70は、開いて大気圧に対して所定範囲内に調圧する。
【0013】
次に、本実施の形態にかかる燃料キャップ10の各部の構成について詳細に説明する。
【0014】
図2はケーシング本体20を示す半断面図、図3はケーシング本体20の平面図、図4はケーシング本体20の底面図である。上記ケーシング本体20は、フィラーネックFNの内周部に螺着されるねじ20aを有するほぼ円筒状の外管体21と、外管体21内側に設けられた弁室形成体22とを備えている。弁室形成体22は、弁室23を備えており、この弁室23に図1に示す上記正圧弁60及び負圧弁70を収納している。
【0015】
図5はケーシング本体20を拡大して示す半断面図であり、内蓋50を装着する前の状態である。外管体21と弁室形成体22は、水平連結部28及び垂直連結部29で一体的に連結されている。水平連結部28は、弁室形成体22の中程よりやや下方に円盤状に設けられ、燃料タンク側と大気側とを閉じるとともに、外管体21と弁室形成体22との間隙を肉抜き部27としている。また、垂直連結部29は、外管体21と弁室形成体22との間を連結するとともに水平連結部28とともに肉抜き部27を形成するために縦方向に配置された垂直壁であり、半径方向に等間隔で4カ所設けられている。
【0016】
また、弁室形成体22は、上側壁部24と、この上側壁部24より小径の下側壁部25と、下側壁部25の下部に形成された底部26とを備え、これらを一体的に形成することにより弁室23を形成している。弁室23は、上部を正圧弁60を収納している上室23aとし、その下部を負圧弁70を収納している下室23bとしている。弁室形成体22の上部は、開口部24aとなっており、この開口部24aは内蓋50により被せられている。なお、上側壁部24と下側壁部25との間には、傾斜面30aが形成され、この傾斜面30aの一端部にシート部30が形成されている。シート部30は、正圧弁60の弁体61が着離する部位である。
【0017】
このようにケーシング本体20に形成された肉抜き部27は、ケーシング本体20自体の肉厚を薄くし、シート部30の付近の樹脂収縮を小さくするから、シート部30などの形状に優れた寸法精度を得ることが容易であり、これによりシート部30に高いシール性を得ることができる。なお、肉抜き部27により低下したケーシング本体20の機械的強度は、外管体21と弁室形成体22とを連結する垂直連結部29により補われている。また、肉抜き部27は、ケーシング本体20自体を薄くすることから、樹脂が冷却固化するまでの時間を短縮化し、成形サイクルを短時間にすることができる。
【0018】
上記内蓋50は、内蓋本体51の中央部に中央凹所52を備えており、中央凹所52の外周部に沿って円筒支持部53が突設されている。円筒支持部53は、弁室形成体22の開口部24aに挿入可能な円筒状に形成されている。さらに内蓋本体51の外周部は、外円板部54となっており、この外円板部54の外周部には、周方向に等間隔に4カ所の位置決めリブ57が形成されている。この位置決めリブ57は、外管体21と弁室形成体22の間の肉抜き部27に挿入可能に下方に向けて突設されている。また、内蓋50の内蓋本体51には、流路孔58が穿設されており、弁室23と外部とを連通している。
【0019】
この内蓋50で弁室形成体22の開口部24aを閉じるには超音波溶着法を用いて上縁部24bに溶着することにより行なう。図6は内蓋50を上縁部24bに溶着した状態を示す拡大断面図、図7は内蓋50を溶着する前の状態を示す図である。
【0020】
これらの図において、内蓋50を弁室形成体22上の上縁部24b上に載置する。このとき、内蓋50の位置決めリブ57を肉抜き部27内に位置合わせして挿入すると、内蓋50の円筒支持部53が上室23a内に挿入される。これにより、弁室形成体22の内壁面との間で所定間隙Sbを隔てて内蓋50が弁室形成体22上に位置決めされる。この状態にて、内蓋50上に超音波ホーンを当てて超音波振動を与えると、上縁部24bと内蓋50との当たり面の一部の樹脂が溶けて溶着する。このとき、溶けた一部の樹脂は接合部より流出することがあるが、弁室形成体22と内蓋50の円筒支持部53との間には、狭い間隙Sbが形成されているので、溶けだした樹脂は、この間隙Sbを流れて冷えて固まる。すなわち、弁室形成体22の内壁面と円筒支持部53との間隙Sbは、バリトラップとして作用する。したがって、超音波溶着により溶け出た樹脂が弁室23内に入ることもなく、正圧弁60や負圧弁70に入り込んで、シール性に悪影響を及ぼすこともない。
【0021】
図8はケーシング本体20を示す斜視図である。図8において、外管体21の上部の外周には、蓋体40(図1)を保持するためのフランジ部33が設けられている。フランジ部33は、外管体21の上部に設けられた内環状部34と、内環状部34の外側でやや上方に配置された外環状部35と、内環状部34と外環状部35とを周方向で4カ所連結する連結部36とを備えている。
【0022】
内環状部34の上部には、蓋体40のラチェット凸部49(図9参照)とともにラッチェット機構37を構成する弾性爪部37aが形成されている。ラッチェット機構37は、蓋体40の一方向だけの回動を許可するとともに、その回動が所定以上のトルクとなったときに空回りさせて燃料キャップ10の閉めすぎを防止するものである。図9はラッチェット機構37の係合状態を示す図である。上記弾性爪部37aは、内環状部34上の段部37bから弾性片37cが延設され、さらに弾性片37cの先端に爪37dが形成されている。上記弾性片37cは、内環状部34に対して間隙37eを有して、段部37bで片持ち支持されている。蓋体40の底壁41には、ラチェット凸部49が傾斜して全周にわたって突設されている。ラチェット凸部49は、爪37dに係合するように底壁41の中心に円状に配置されている。
【0023】
こうしたラッチェット機構37の構成により、ラチェット凸部49は、爪37dに対して時計方向d1から進むと、爪37dに鈍角で当たり、このときの力が所定以上であると、爪37dを押し下げて爪37dを乗り越える。これにより、蓋体40がケーシング本体20に相対的に回動する。一方、ラチェット凸部49は、爪37dに反時計方向d2から当たると、爪37dに対して鋭角で当たるから、爪37dを乗り越えることができない。このため、蓋体40はケーシング本体20と一体になって回動する。
【0024】
こうしたラッチェット機構37の動作について、燃料キャップ10で注入口FNbを開閉する操作で説明する。いま、蓋体40を注入口FNbに位置合わせして蓋体40に対して時計方向の回動力を加えると、蓋体40がラッチェット機構37を介してケーシング本体20と一体的に回動する。つまり、ラッチェット機構37の爪37dがラチェット凸部49に係合して蓋体40のトルクがケーシング本体20に伝達され、蓋体40とケーシング本体20とが一体的に回動する。これにより燃料キャップ10は、ねじ20a及び一条ネジ(図示省略)を介して注入口FNb内にねじ込まれる。そして、蓋体40に所定以上のトルクが加わると、つまり燃料キャップ10がフィラーネックFNに螺着される必要以上のトルクを加えた場合に、爪37dがラチェット凸部49との間で滑ることにより蓋体40がケーシング本体20に対して空回する。これにより、燃料キャップ10の締め過ぎを防止している。一方、燃料キャップ10を外すには、蓋体40をもって反時計方向へ回動操作すると、ラッチェット機構37を介して蓋体40及びケーシング本体20が一体となって回動して外される。
【0025】
また、図8に示すように、フランジ部33の内周側には、内環状部34が配置されており、この内環状部34上にラッチェット機構37の弾性爪部37aが形成されている。つまり、弾性爪部37aは、フランジ部33の内側に配置されているから、樹脂収縮が小さく、高い寸法精度で射出成形することができる。したがって、弾性爪部37aは、製品ごとの寸法誤差が少なく、蓋体40の滑りトルクをほぼ一定にでき、安定したラッチェット機構37の作用を果たすことができる。
【0026】
また、図10に示すように、フランジ部33の連結部36は、内環状部34の外周部から斜め上方に配置され、該連結部36の間にスペースSpを確保している。このスペースSpは、フランジ部33の樹脂量を少なくして軽量化を図るとともに、ラッチェット機構37の製造を容易にする作用もある。すなわち、スペースSpの位置は、弾性爪部37aの間隙37eに対応しており、ケーシング本体20を射出成形する際に、スペースSpからスライド型SF1を挿入することによりラッチェット機構37の間隙37eを容易に製造することができる。
【0027】
図11はフランジ部33の連結部36の付近を示す拡大断面図である。図11に示すように、連結部36は、水平部36hと、この水平部36hに一体的に形成された垂直部36vとを断面L字形に形成されている。この連結部36には、蓋体40が図示しない自動車の外板の変形などで大きな外力を受けたときに破断することにより蓋体40がケーシング本体20と分離する脆弱部位が設けられている。すなわち、図12に示すように、連結部36の外側面には、切欠き36a1〜36a4がV字溝で形成されている。また、連結部36の内側面には、切欠き36b1〜 36b3がV字形溝で形成されている。図12に示すように、切欠き36a1と切欠き36b1とを結ぶ面の角度α1は、60゜に、切欠き36a2と切欠き36b2とを結ぶ線の角度α2は45゜に、切欠き36a3と切欠き36b3とを結ぶ線の角度α3は、0゜つまり径方向になっている。
【0028】
これらの切欠きは、連結部36を破断分離する脆弱部位として作用する。すなわち、切欠き36a1と切欠き36b1は、蓋体40に方向d3(軸方向)からの外力を受けたときにそれらが起点となり、それを結ぶ面で破断することで該連結部36を分離する。同様に、切欠き36a2と切欠き36b2は、蓋体40が方向d4から外力を受けたときに起点となってそれらを結ぶ面で破断し、さらに切欠き36a3,36a4と切欠き36b3は、水平方向d5(径方向)の力を受けたときに破断して連結部36を分離する。
【0029】
したがって、フランジ部33の連結部36に対して垂直方向d3,d4だけでなく、水平方向d4からの外力が作用しても脆弱部位で容易に破断して、種々の外力の方向に対して連結部36の破断過重のばらつきを抑えることができる。
【0030】
図13及び図14は図12の変形例を示す図であり、連結部の形状及び切欠きの位置をそれぞれ異にしている。図13において、連結部136は、水平部136hと、垂直部136vとから断面L字形で一体に形成されている。水平部136hには第1脆弱部位を構成する切欠き136a1,136b1が形成され、垂直部136vには第2脆弱部位を構成する切欠き136a2,136b2が形成されており、これらを結ぶ面でそれぞれ破断し、連結部136が分離する。
【0031】
また、図14において、連結部236は、傾斜して構成されており、その連結部236に、第1脆弱部位を構成する切欠き236a1,236b1及び第2脆弱部位を構成する切欠き236a2,236b2がそれぞれ形成されている。さらに第1脆弱部位を構成する切欠き236a3が切欠き236a1と切欠き236a2との間に形成されており、上記切欠き236b2との間で破断が容易になるように構成されている。このように、連結部236は、第1及び第2脆弱部位をそれぞれ形成できる形状及び位置であればよい。
【0032】
図15は外管体21のフランジ部33の端部を示す拡大断面図である。図15に示すように、フランジ部33の下面には、ガスケットGSが外装されている。ガスケットGSは、フィラーネックFNの注入口FNbとフランジ部33との間に介在している。すなわち、フランジ部33の下外縁部には、シール保持部21aが形成されている。このシール保持部21aは、ガスケットGSの外周面の半径RGより小さい半径RSに形成されている。このようにシール保持部21aの半径RSをガスケットGSの半径RGより小さくすることにより、シール性について以下の効果を得ることができる。
【0033】
すなわち、燃料キャップ10を注入口FNbに締め込むと、ガスケットGSは、シール保持部21aに対して押しつけられ、2箇所のシール線SL1,SL2でシールされる。すなわち、従来より採用されているような、シール保持部21aをガスケットGSと同じ半径で形成してほぼ全面でシールするような構成と比べて、シール線SL1,SL2の1箇所当たりのシール力が大きくなり、燃料タンク内と外気との間で高いシール性を得ることができる。
【0034】
図16は蓋体40を示す半断面図、図17は蓋体40の底面図、図18は蓋体40の斜視図である。上記蓋体40は、フランジ部33に着脱自在に装着されている。蓋体40は、底壁41と、底壁41の外壁部に突設された把持部42と、底壁41の外周部に形成された側壁43とを備え、導電性樹脂を用いて射出により一体成形されている。また、側壁43の内側には、係合突部45が8カ所突設されている。この係合突部45は、上記フランジ部33の外環状部35に係合することにより、蓋体40をフランジ部33を介してケーシング本体20に組み付けるものである。
【0035】
次にケーシング本体20に蓋体40への組付作業について説明する。図19に示すように、蓋体40をもち、蓋体40の開口をケーシング本体20の外環状部35に合わせて押し込む。このとき、蓋体40の係合突部45は、外環状部35に当たるが、外環状部35にはスリット35aが形成されており、このスリット35aは、外環状部35が係合突部45を乗り越えるときに外環状部35をわずかに弾性変形させる。このような外環状部35の弾性変形により、外環状部35は係合突部45を容易に乗り越え、これにより、蓋体40がケーシング本体20に対して取り付けられ。このように、外環状部35が容易に変形してケーシング本体20に取り付けられるから、その取付作業が容易である。
【0036】
また、図19に示すように、上記係合突部45の図示上方には、フィラーネックFNとの間で静電気を放電させる放電用突起46が形成されている。放電用突起46は、以下の作用を備えている。すなわち、乾燥した雰囲気で帯電量の大きい人が手で蓋体40に触れたときに、蓋体40の放電用突起46とフィラーネックFNとの間で放電する。これにより、静電気は、フィラーネックFN側へアースされるから、燃料キャップ10を外すときに静電気による不快感を与えない。しかも、放電用突起46は係合突部45と一体に形成されているから、それ自体が細長い形状であっても係合突部45により補強された機械的強度の大きいものとなり、しかも型取りも容易である。さらに、放電用突起46は、蓋体40をケーシング本体20に装着する際に、以下の機能を果たす。すなわち、放電用突起46を外環状部35のスリット35aに位置合わせして、蓋体40を圧入すれば、放電用突起46がスリット35aにガイドされるから、蓋体40の装着が一層容易になる。
【0037】
さらに、図19及び図20に示すように、蓋体40の底壁41には、切削防止用突起47が形成されている。この切削防止用突起47は、側壁43の係合突部45に対応した位置に形成され、しかも型割れ跡PLaのほぼ中央に位置し、型割れ跡PLaとほぼ同じ高さに形成されている。この切削防止用突起47は、型割れ跡PLaが蓋体40の外環状部35と摺動することにより削れることを防止するものである。すなわち、図21は蓋体40の係合突部45の周辺部を射出成形している状態を示している。係合突部45は、側壁43から突出して射出成型時にアンダーカットとなることから、スライド型SF2を用いている。このスライド型SF2は、図21の矢印方向へスライド可能に配置されており、その跡が底壁41の型割れ跡PLaとなる。この型割れ跡PLaは、蓋体40がラッチェット機構37を介してケーシング本体20に対して回動したときに、外環状部35と摺動することにより削れて樹脂粉となることを防止する。こうした要因を回避するために、型割れ跡PLaと同じ高さの切削防止用突起47を形成することにより、外環状部35が切削防止用突起47を滑って型割れ跡PLaを削らないようにしているのである。
【0038】
次に、弁室23に収納された正圧弁60及び負圧弁70について説明する。図22は正圧弁60及び負圧弁70を拡大して示す断面図である。正圧弁60は、弁室23の上室23aに配置され、負圧弁70は、下室23bに配置されている。図23は正圧弁60を示す拡大断面図である。
【0039】
正圧弁60は、開閉するフッ素ゴム等からなる弁体61と、弁保持部材68と、コイルばね69とを備えている。弁体61は、下面にシート面62を有する円板状であり、その中心部に弁流路孔63を有する嵌合部65が形成されている。嵌合部65の側部には、側部支持凹所66が形成されており、弁保持部材68の嵌合孔68aに嵌挿されることにより、弁体61が弁保持部材68に取り付けられている。弁保持部材68の上面には、ばね支持部68bが形成されており、このばね支持部68bはコイルばね69の一端部を支持し、その他端部を内蓋50の円筒支持部53(図22)で支持することにより内蓋50との間でコイルばね69を支持している。
【0040】
上記構成において、正圧弁60による燃料タンク内の調圧は、以下の動作により行われる。すなわち、燃料キャップ10をフィラーネックFNに装着した状態にて、タンク圧が大きくなって所定圧を超えると、コイルばね69の付勢力に抗して弁体61及び弁保持部材68が上昇し、燃料タンク内が弁室23内を経て外気に連通する。これにより、燃料タンク内の所定圧以下になると、コイルばね69の付勢力により弁体61が下げられて閉弁する。このように弁体61に加わる差圧が所定以下になるように弁体61が開閉する。
【0041】
また、弁体61の裏面62aは、弁保持部材68の下面に支持されており、その外周側に環状に形成された環状凹所64を備えている。また、弁体61のシート面62には、上記環状凹所64の内周側に環状の環状溝61bが形成されている。
【0042】
上記環状凹所64及び環状溝61bの作用・効果について説明する。いま、正圧弁60の弁体61が開いている状態から、図24に示すように、弁体61がコイルばね69の付勢力により閉じ方向へ移動すると、弁体61のシート面62がシート部30に当たる。このとき、シート部30はシート面62の環状凹所64がある中央に当たる。この場合において、弁体61は環状凹所64の部分で薄肉であるから、シート面62はシート部76の脈状に追従する。
【0043】
また、シート面62はシート部30で押されると、弁体61は環状凹所64の内周及び外周の両側で弁保持部材68により支持されつつ、水平姿勢を維持したままでシート部30に着座する。すなわち、シート面62は、シート部30の稜線で線接触となるとともに、傾斜した状態で着座しないから、高いシール性を得ることができる。しかも、シート部30との接触面積が小さいから、開弁時に急峻に立ち上がる理想的な開弁特性を得ることができる。さらに弁体61のシート面62に環状溝61bが形成されており、この環状溝61bは、シート面62の環状凹所64の付近における撓みを均等にするから、一層、そのシール特性を向上させることができる。
【0044】
次に、ケーシング本体20のシート部30の形状について説明する。図25に示すように、シート部30は、弁体61のシート面62に対して鋭角の頂点に設けられている。このように鋭角の頂部にシート部30が設けられているのは、シール箇所を線接触させてシール性を向上させるためであるが、このシート部30の傾斜面30aの角度θ1が25゜に設定されていることにより、以下の効果が得られる。
【0045】
すなわち、シート部30の半径をr1とすると、この半径r1はシール性を考慮して最優先の設計値で定められる。ここで、シート部30の半径をr1に設定して、角度θ1が25゜の場合と、図26に示すようにθ2が45゜の場合とについて比較検討すると、半径r2が樹脂成形の点から小さくできないことから、角度θ1が25゜の場合が肉厚VT1、角度θ1が45゜の場合が肉厚VT2となり、VT1<VT2となる。このように、シート部30の角度θ1を小さくすることにより、シート部30の肉厚VT1が薄くなり、これに伴う樹脂収縮によるヒケが小さくなる。よって、シート部30の面精度が高くなり、シール性を向上させることができる。
【0046】
図27は図25のシート部30の変形例を示す断面図である。図27において、シート部130の両側には、傾斜面130a及び傾斜面130bが形成されている。傾斜面130aの角度θ1は25゜、傾斜面130bの角度θ3は45゜、その間の角度が110゜である。このようにシート部130の両側に傾斜面130a,130bを形成することにより、シート部130の半径r1及び半径r2を一定値にした場合に、傾斜面130bが大きいほど肉厚VT3を薄くすることができ、これによりシート部130の面精度を一層向上させることができる。
【0047】
図28は負圧弁70の周辺を示す断面図であり、図29は負圧弁70の要部の拡大断面図である。これらの図において、負圧弁70は、樹脂からなる弁体71と、弁体71のばね支持段部72と底部26との間に掛け渡されて弁体71に付勢するコイルばね78とを備えている。弁体71の上部には、正圧弁60の弁体61に着離するシート部76が形成されている。
【0048】
次に負圧弁70の動作について説明する。いま、燃料タンク内が大気圧に対して負圧になり、弁体71に加わっている差圧が所定以上になると、図29に示すように、弁体71はコイルばね78の付勢力に抗して下方へ移動し、弁体71が弁体61のシート面62から離れる。このとき、弁体61は、シート部30に着座しており、その状態を維持するために、弁体71と弁体61との間に通路が形成される。これにより、弁体71と下側壁部25との間の通路、底部26の連通孔26aを通じて燃料タンクが大気に連通して燃料タンク内の負圧状態が解消する方向へ向かう。そして、弁体71に加わっている差圧がコイルばね78の付勢力を下回ると、弁体71が閉じる。
【0049】
また、図29に示すように、負圧弁70の弁体71には、その外周部74にテーパ部75が形成されている。このテーパ部75は弁室形成体22の下側壁部25との間隙が下方に進むほど狭くする絞りとなっている。このような絞りにより、図30に示すような負圧弁70の流量特性を得ることができる。図30は実施例にかかる負圧弁70及び従来の技術に相当する比較例を用いて、その差圧と流量Qとの関係を示し、実線が実施例、破線が比較例をそれぞれ示す。
【0050】
こうした負圧弁70では、燃料タンクのタンク圧を一定値範囲内に維持するために、流量Qが急激に上昇する1点鎖線で示すような特性を有することが好ましい。比較例では、差圧の上昇につれて流量Qが緩やかに上昇しているのに対して、本実施例にかかる負圧弁70では、流量Qが急激に上昇しており、上述した理想的な流量特性に近いことが分かる。これは、負圧弁70のテーパ部75で形成される絞りにより弁体71に加わる差圧が大きくなり、開弁力が急激に上昇するからである。
【0051】
また、図28において、ケーシング本体20の底部26には連通孔26aが形成されており、この連通孔26aは弁体71がシールする部分から離れた位置、つまり底部26の中央に近い位置に形成されている。このような連通孔26aの位置により、異物が混入している燃料が連通孔26aから下室23b側へ流出しても、連通孔26aから流出した燃料は弁体71に当たって連通孔26aから燃料タンクへ戻る。したがって、燃料に混入している異物は、弁体71のシールする部分に入ったりすることがなく、弁体71の開閉動作に支障をもたらすことがなく、シール性を損なうこともない。
【0052】
図31は蓋体40の平面図、図32は蓋体40の下端部を示す拡大断面図である。図31、図32及び図16、図17に示すように、蓋体40の側壁43の内面には、フィラーネックFNとの間で静電気を放電させる放電用突起46が周方向に90゜の間隔で4カ所形成されている。放電用突起46は、乾燥した雰囲気で帯電量の大きい人が手で蓋体40に触れたときに、フィラーネックFNとの間で放電し、静電気をフィラーネックFN側へアースするためのものである。
【0053】
ここで、燃料キャップ10を外す際に、人に不快感を与えないような放電の条件として、▲1▼ 燃料キャップ10の閉め具合などにかかわらず、放電が確実に行われること、▲2▼ 放電が穏やかに行なわれ、そのときの衝撃が小さいこと、が求められる。こうした条件を満たすために、以下のような構成がとられている。
【0054】
(1) 図32に示すように、放電用突起46は、軸方向に突条に形成され、フィラーネックFNとの放電距離L1を1mm以下であり、好ましくは、0.85mm以下に設定している。このように放電距離L1を1mm以下に設定したのは、1mmを越えると、ブレーク電圧が高くなり、穏やかな放電特性が得られないからである。
【0055】
(2) 放電用突起46は、燃料キャップ10の開閉方向d3、つまり軸方向に細長い突条に形成されている。燃料キャップ10を開閉すると、蓋体40はケーシング本体20と一体にフィラーネックFNに対して開閉方向d3に移動する。このとき、放電用突起46も同じ方向に移動するが、軸方向の長さL2の範囲においてフィラーネックFNの注入口FNbの端部との放電距離L1が一定である。つまり、長さL2の範囲において燃料キャップ10の閉め具合にかかわらず、放電距離L1が一定範囲内となるような許容が認められ、安定した放電特性が得られる。
【0056】
(3) 図31に示すように、放電用突起46は、蓋体40の把持部42に対して45゜の角度に配置されている。このように配置したのは、以下の理由による。図33の蓋体40を斜視図で示すように、蓋体40の把持部42は、底壁41から突出しており、射出成形の際に、同方向、つまり放射方向D1の樹脂収縮を最大とし、放射方向D1と直角の放射方向D2の樹脂収縮を最小とする。したがって、仮に、放射方向D1,D2上に放電用突起46を配置した場合には、フィラーネックFNとの放電距離が変動し、確実な放電特性が得られない。そこで、放電用突起46は、放射方向D1,D2の中間の樹脂収縮となる45゜の放射方向D3,D4に配置している。これにより、4個の放電用突起46は、蓋体40の中心と同心円上に配置される。したがって、燃料キャップ10が閉じている具合にかかわらず、4個の放電用突起46は、蓋体40の中心から同一円周上に配置され、フィラーネックFNの端部との放電距離を一定範囲内とすることができ、安定した放電特性が得られる。
【0057】
(4) 図16、図31及び図33に示すように、放電用突起46の両側には、該放電用突起46とほぼ同じ長さの放電用スリット46aが形成されている。この放電用スリット46aは、第1及び第2放射方向D1,D2の樹脂収縮に伴う矢印b1,b2の方向の力を放電用突起46に対して分離することにより、放電用突起46への影響を低減し、一層、放電距離L1の変動を小さくする。
【0058】
(5) 蓋体40の体積抵抗率は、104〜109Ω・cmであり、しかも放電用突起46の部位において他の部分より低くしている。すなわち、体積抵抗率の上限値を109Ω・cm以下に設定することにより導電性を確保した上で、下限値を104Ω・cm以上に設定することにより放電用突起46とフィラーネックFNとの間の電圧を急激に高くしないように設定している。また、放電用突起46の体積抵抗率は、他の部位より低く設定することにより、蓋体40の静電気は、放電用突起46へ速やかに導かれるようにしている。このように、蓋体40の静電気は、フィラーネックFNとの間の電圧を急激に高くしないで、穏やかな放電にてフィラーネックFNを介してアースされる。
【0059】
上述した蓋体40の体積抵抗率は、導電性ウイスカまたは導電性カーボンを樹脂材料に混入して射出成形することにより得られる。図34は蓋体40の各々の測定位置における体積抵抗率を示すグラフであり、図35は図34の体積抵抗率を測定した蓋体40の測定点P1〜測定点P4を示す図である。図34の測定値Aは、ポリアミド(PA)100重量部に対して、導電ウイスカ5重量部、導電カーボン10重量部を混入した実施例である。測定値Bは、ポリアミド(PA)100重量部に対して、導電カーボン20重量部を混入した実施例である。ここで、導電ウイスカとして、(商品名デントール:大塚化学社製)を、導電カーボンとして、(商品名バルカンXC−72:キャボット社製)を用いることができる。
【0060】
このようにポリアミドなどの絶縁性の樹脂材料に、導電ウイスカまたは導電カーボンなどの導電性微細材料を混入したのは、導電性樹脂だけで上述した体積抵抗率を得ようとすると、機械的強度が低くなり、蓋体40の耐衝撃性の条件を満たさないからである。
【0061】
図34及び図35に示すように、蓋体40の測定点P1〜測定点P4を上述した体積抵抗率に設定するとともに、蓋体40の測定点P1〜測定点P3より放電用突起46の測定点P4の方を小さくするには、以下の手段がとられる。図35に示すように、蓋体40の樹脂射出成形の際に、射出成形機のゲートGtを蓋体40の中心部に設け、ゲートGtから溶融樹脂を底壁41、側壁43を経て放電用突起46に向けて充填させる。このとき、導電性微細材料は、ゲートGtの位置より離れた末端位置の方に多く集まり、その密度が高くなる現象がある。このような現象を利用して、樹脂材料を射出するゲートGtに対して、放電用突起46を溶融樹脂の最終充填位置に設けることにより、導電性微細材料が蓋体40の他の部分より放電用突起46に多く集まって、該放電用突起46の導電性を高めることができる。
【0062】
さらに、上述したように、放電用突起46の周方向の両側には、放電用スリット46aが形成されており、放電用スリット46aは、放電用突起46を囲んで、溶融樹脂の流れをより最終充填位置へ導き、これにより導電性微細材料の密度を一層高くし、導電性を向上させる。
【0063】
(6) 図36は放電用突起46の付近における水平方向の断面図である。図36に示すように、放電用突起46の頂部46bはR形状となっている。図37(A)に示すように、放電用突起46Aの頂部46Abが平面であると急激な放電が発生し易く、図37(B)に示す放電用突起46Bの頂部46Bbのように尖っていた方が穏やな放電が発生する。したがって、放電特性の点からは、放電用突起46Bのように先端部が尖っている方が好ましい。しかし、放電用突起46Bの頂部46Bbが尖っていると、放電用突起46Bを形成する金型の凹所が詰まって樹脂の残り屑を除去し難い。したがって、図36に示すように放電用突起46の頂部46bをR形状にして、金型に屑が残らないようにし、一定の形状の放電用突起46を得ることができるようにしている。
【0064】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0065】
(1) 上記実施の形態では、放電用突起46は、蓋体40と一体に形成した例について説明したが、これに限らず、放電作用を損なわない限り、蓋体40に組み付けるための部材とともに別体に形成してもよい。
【0066】
(2) 放電用突起46を蓋体40の他の部分より小さい体積抵抗率とするには、上述した射出成形によるほか、放電用突起46の表面に導電性材料を塗布する構成であってもよい。
【0067】
(3) 上記実施の形態では、放電用突起46は、フィラーネックFNとの間で放電を行なう例を説明したが、これに限らず、放電用突起46に対向しかつ蓋体40の静電気をアースできる部材であれば、車体側の部材であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる燃料キャップ10を示す半断面図。
【図2】ケーシング本体20を示す半断面図。
【図3】ケーシング本体20を示す平面図。
【図4】ケーシング本体20の底面図。
【図5】ケーシング本体20及び内蓋50を示す半断面図。
【図6】ケーシング本体20の上端部を拡大して示す断面図。
【図7】ケーシング本体20に内蓋50を溶着する前の状態を示す断面図。
【図8】ケーシング本体20を示す斜視図。
【図9】ラッチェット機構37の動作を説明する説明図。
【図10】ラッチェット機構37の弾性爪部37aを射出成形する工程を説明する説明図。
【図11】ケーシング本体20と内蓋50との間の連結部36の周辺を示す断面図。
【図12】連結部36の作用を説明する説明図。
【図13】図12の変形例を説明する説明図。
【図14】図12の変形例を説明する説明図。
【図15】ガスケットGSのシール構造を説明する説明図。
【図16】蓋体40を示す半断面図。
【図17】蓋体40を示す底面図。
【図18】蓋体40を示す斜視図。
【図19】ケーシング本体20に蓋体40を組み付ける作業を説明する説明図。
【図20】蓋体40の係合突部45の周辺を示す断面図。
【図21】蓋体40の係合突部45の周辺部を射出成形する工程を説明する説明図。
【図22】ケーシング本体20内の正圧弁60及び負圧弁70の周辺を示す断面図。
【図23】正圧弁60の周辺を示す断面図。
【図24】正圧弁60の環状凹所64の作用を説明する説明図。
【図25】ケーシング本体20のシート部30の作用を説明する説明図。
【図26】ケーシング本体20のシート部30の作用を比較例とともに説明する説明図。
【図27】図25の変形例を示す説明図。
【図28】負圧弁70の周辺部を示す断面図。
【図29】負圧弁70のテーパ部75の作用を説明する説明図。
【図30】負圧弁70の流量Qと圧力Pとを関係を説明するグラフ。
【図31】蓋体40を示す平面図。
【図32】蓋体40の端部に設けた放電用突起46の付近を示す拡大断面図。
【図33】蓋体40を示す斜視図。
【図34】蓋体40の各々の測定点P1〜P4における体積抵抗率を示すグラフ。
【図35】図34の体積抵抗率を測定した蓋体40の測定点P1〜測定点P4を示す図。
【図36】放電用突起46の付近における水平方向の断面図。
【図37】放電用突起46の作用を説明する説明図。
【図38】従来の燃料キャップを示す断面図。
【符号の説明】
10…燃料キャップ
20…ケーシング本体
20a…ねじ
21…外管体
21a…シール保持部
22…弁室形成体
23…弁室
23a…上室
23b…下室
24…上側壁部
24a…開口部
24b…上縁部
25…下側壁部
26…底部
26a…連通孔
27…肉抜き部
28…水平連結部
29…垂直連結部
30a…傾斜面
30…シート部
33…フランジ部
34…内環状部
35…外環状部
35a…スリット
36…連結部
36h…水平部
36v…垂直部
36a1〜36a4…切欠き
36b1〜36b3…切欠き
37…ラッチェット機構
37a…弾性爪部
37b…段部
37c…弾性片
37d…爪
37e…間隙
40…蓋体
41…底壁
42…把持部
43…側壁
45…係合突部
46…放電用突起
46…放電用突起
46a…放電用スリット
46b…頂部
47…切削防止用突起
49…ラチェット凸部
50…内蓋
51…内蓋本体
52…中央凹所
53…円筒支持部
54…外円板部
57…位置決めリブ
58…流路孔
60…正圧弁
61…弁体
61b…環状溝
62…シート面
62a…裏面
63…弁流路孔
64…環状凹所
65…嵌合部
66…側部支持凹所
68…弁保持部材
68a…嵌合孔
68b…ばね支持部
69…コイルばね
70…負圧弁
71…弁体
72…ばね支持段部
74…外周部
75…テーパ部
76…シート部
78…コイルばね
130…シート部
130a,130b…傾斜面
136…連結部
136h…水平部
136v…垂直部
236…連結部
236a1,236b1…切欠き
236a2,236b2…切欠き
FNb…注入口
FN…フィラーネック
GS…ガスケット
PLa…型割れ跡
SF2…スライド型
D1〜D4…放射方向

Claims (2)

  1. 燃料キャップにおいて、
    上部にフランジ部(33)を有するケーシング本体(20)と、
    底壁(41)と、底壁(41)の外周部に形成された側壁(43)とを有し、上記フランジ部(33)に、所定以上のトルクで一方向へ回動可能に装着され、射出成形により形成された蓋体(40)と、
    を備え、
    上記蓋体(40)は、射出成形の際にアンダーカットを形成するスライド型を用いて側壁(43)から突設されかつ上記フランジ部(33)を抜止めするように係合する係合突部(45)と、上記底壁(41)でありかつ上記係合突部(45)に近接して突設された切削防止用突起(47)と、を有し、
    上記切削防止用突起(47)は、上記スライド型によって上記底壁(41)に形成される上記型割れ跡(PLa)が、蓋体(40)の回転により該フランジ部(33)に接触しないように上記底壁(41)であってフランジ部(33)に沿った位置に複数突設されたことを特徴とする燃料キャップ。
  2. 請求項1に記載の燃料キャップにおいて、
    上記切削防止用突起(47)は、上記係合突部(45)に対応した位置に形成され、かつ上記型割れ跡(PLa)のほぼ中央に位置している燃料キャップ。
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