JP3849567B2 - 繊維強化樹脂と金属板との接合方法および接合構造 - Google Patents

繊維強化樹脂と金属板との接合方法および接合構造 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化樹脂(FRP)と金属板との接合方法および接合構造に関し、特に、上記両者がパネル材により構成される場合に好適な繊維強化樹脂と金属板との接合方法および接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から繊維強化樹脂と金属部品との接合は実現されており、接着により接合する場合やボルトやリベット等の機械的手段による接合、例えば、特開平6−17487号公報、特開平6−10940号公報に記載されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前者の従来例では、その接合強度は介在させる接着剤の強度に依存し、高強度が必要な場合には強度の高い高価な接着剤を必要とする。また、自動車の構造体には、車両の耐用年数の全期間に亙り負荷される荷重や気候条件(例えば、温度等)に耐えて接着強度を維持する必要があり、接着剤のみの接合強度に依存して適用することは行われていない。
【0004】
また、上記後者の従来例では、接合する両者にボルト・リベットが貫通する孔を夫々設け、また、接合に当たっては両者の孔を位置合わせし、さらに、ボルト・リベットを孔に貫通させた後にねじ締め・カシメ等の締結する必要があり、接合に多数の手間・工数を必要とする。そして、例えば、樹脂のパネル材を鋼板製の車体骨格構造の一部に適用する場合には、樹脂パネル材の全周に位置させた多数の接合箇所において上記手間が必要となる。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、接合に手間・工数を要することなく接合強度を向上できる繊維強化樹脂と金属板との接合方法および接合構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、繊維強化樹脂と金属板との接合方法であって、前記繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか一方に孔を設け、前記繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか他方に爪を設け、前記爪を孔に貫通させ、貫通した爪を孔を備える部材の背面に回り込ませて繊維強化樹脂の成形型内に強化繊維と金属板を設置し、前記成形型内に母材となる樹脂を射出して接合することを特徴とする。
【0007】
前記繊維強化樹脂は、強化繊維の空隙部に母材となる樹脂が射出充填されることで形成され、この樹脂の充填時に孔と爪による係合部も含めて金属板と強化繊維とが成形型内で一体にモールドされる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記孔を貫通して突出する爪は、型締め時に孔を備える部材の背面に成形型により回り込ませることを特徴とする。前記爪は、成形型の内面に押し込まれて穴を備える部材の背面に押し付けられる。
【0009】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記爪は、強化繊維に形成され、金属板と接触する背面に爪と共に回り込ませる補強プレートを備えていることを特徴とする。前記補強プレートは、強化繊維からなる爪および爪の根元の金属板への接触部を、金属板を挟んで保持する。
【0010】
第4の発明は、繊維強化樹脂と金属板との接合構造であって、前記繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか一方に孔を設け、前記繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか他方に爪を設け、前記爪は孔を貫通して孔を備える部材の背面に位置して強化繊維と金属板とが樹脂で一体化されていることを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、前記爪は、強化繊維に形成され、金属板と接触する背面に補強プレートを備えていることを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
したがって、第1および第4の発明では、繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか一方に設けた孔に、前記いずれか他方に設けた爪を貫通させ、貫通した爪を孔を備える部材の背面に回り込ませて樹脂により一体化される。このため、強化繊維と金属板とが回り込ませた爪により、接合強度を高め、せん断強度、剥離強度を強化することができる。
【0013】
また、繊維強化樹脂の成形過程で金属板と強化繊維とが一体化するため、組立工程が簡単であり、ボルト・リベットによる接合に比較して簡易に接合することができる。
【0014】
さらに、金属板が繊維強化樹脂の外側に露出するため、金属板を鋼板等で形成すれば、車体組立工程において通常装備されているスポット溶接等を適用することができる。
【0015】
第2の発明では、第1の発明の効果に加えて、前記孔を貫通して突出する爪を型締め時に成形型により孔を備える部材の背面に回り込ませるため、爪を回り込ませるための別個の設備が不要となる。
【0016】
第3および第5の発明では、第1または第4の発明の効果に加えて、爪は、強化繊維に形成されて金属板と接触する背面に爪と共に回り込ませる補強プレートを備えているため、強化繊維のプリフォーム成形のみでは自立しない爪であっても補強プレートに支持されて立設でき、金属板に設けた孔への挿入が容易となる。
【0017】
また、補強プレートにより爪が金属板に確実に回り込ませることができ、接合強度を向上できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態の繊維強化樹脂と金属板との接合構造を図1〜図5に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明を適用した繊維強化樹脂と金属板との接合構造の一例を示し、自動車の繊維強化樹脂(FRP、または、複合材料)により成形されたフロア部品であって、繊維強化樹脂1の周縁部分に金属板2(鋼板等)を接合したものである。フロア部品は、中央に排気管さらには推進軸を配置するための通称「トンネル部」を備える。
【0020】
図2は、図1のA−A線に沿う断面図であり、パネル状の繊維強化樹脂1の縁に重ね合わして金属板2の本体部2Aが配置され、金属板2の爪2Bは繊維強化樹脂1の縁近辺に設けた孔1Aを貫通して繊維強化樹脂1の他の面に延長され、爪2Aは他の面に重なり、爪2Bと本体部2Aとで繊維強化樹脂1を挟み込むよう構成している。
【0021】
図3(A)、(B)は、繊維強化樹脂1と金属板2との接合構造の成形工程を示し、先ず、図3(A)に示すように、成形型の下型3の窪み3Aに沿って金属板2を挿入固定する。金属板2は、成形しようとする繊維強化樹脂1の縁に沿って帯状に形成されており、前記下型3の窪み3Aは溝状に形成される。金属板2は、また、一定または不特定の間隔を持って成形しようとする繊維強化樹脂1の内側の縁から直交方向に延びる爪2Bを起立して備え、爪2Bが配置された部分は断面L字状となっている。
【0022】
強化繊維から成るクロス材4は、その周縁に前記爪2Bを受け入れる孔4Aを周縁に備える。前記周縁の孔4Aを前記金属板2の爪2Bに嵌合させてクロス材を4載置し、金属板2上にも被せる。
【0023】
次いで、成形型の上型5を型締めし、金属板2の爪2Bを鎖線図示のように変形させ、更に型締めして、図3(B)に示す状態にプレスして成形型を閉じる。金属板2の本体2Aおよび爪2Bのクロス材4に接触している背面は上下の成形型3、5に接触する。また、一定または不特定の間隔を持つ爪2B同士の間は、クロス材4と上型5との間で空間を形成している。この状態においては、成形型の上下型3、5間で、金属板2を除きクロス材4内の繊維間の隙間や爪2B同士の間に空隙・空間が存在する。
【0024】
この状態において、母材(マトリックス)となる樹脂の溶融材料を成形型内に射出し、クロス材4内の空隙部および空間部に充填し、冷却して固化させる。樹脂は、クロス材4を強化繊維として繊維強化樹脂1の複合材料となり、金属板2との隙間に充填されて繊維強化樹脂1と金属板2とを一体にモールドする。次いで、成形型を型開きすることで本実施形態の接合構造が得られる。
【0025】
金属板2から起立した爪2Bは、成形型を閉じることで変形されクロス材4を本体2Aとで挟み込むため、爪2Bを変形させるための別個の設備は不要である。また、型閉じに引き続き樹脂が注入されるために、連続的に製作できる。
【0026】
図4は、本実施形態の接合構造の斜視図であり、金属板2が繊維強化樹脂1の周縁において、下面には連続して本体2Aが、上面には断続的に爪2Bが配置される。金属板2の爪2Bは成形時にクロス材4の孔4Aを貫通しているため、金属板2とクロス材4とが交差して配置され、金属板2と繊維強化樹脂1との接合強度が上がりせん断強度、剥離強度が強化される。全体として、繊維強化樹脂1の周縁部分が金属板2によって肉厚となるよう構成されている。
【0027】
図5は、本実施形態の接合構造のフロア部品を車体骨格構造、例えば、サイドシルSに設けたフロア固定部材Bにスポット溶接により固定する状態を示す。即ち、フロア固定部材B上に本実施形態のフロア部品の周縁部を載置し、上方から複数の爪2Bに接触する電極T1を当接させ、下方から電極T2を金属板2の本体2Aに当接させ、互に挟み込んだ状態においてスポット溶接を行なう。溶接電流は金属板2の本体2Aとフロア固定部材Bとの間に溶融スポット(ナゲット)Nを形成し、金属板2をフロア固定部材Bに固定し、フロア部品をサイドシルS固定することができる。
【0028】
本実施の形態においては、下記に記載する効果を奏することができる。即ち、繊維強化樹脂1構成する強化繊維4設けた孔4Aに金属板2に設けた爪2Bを貫通させ、貫通した爪2Bを孔4Aを備える強化繊維4の背面に回り込ませて樹脂により一体化される。このため、強化繊維4と金属板2とが回り込ませた爪2Bにより、接合強度を高め、せん断強度、剥離強度を強化することができる。
【0029】
また、繊維強化樹脂1の成形過程で金属板2と強化繊維4とが一体化するため、組立工程が簡単であり、ボルト・リベットによる接合に比較して簡易に接合することができる。
【0030】
さらに、金属板2が繊維強化樹脂1の外側に露出するため、金属板2を鋼板等で形成すれば、車体組立工程において通常装備されているスポット溶接等を適用することができる。
【0031】
前記孔4Aを貫通して突出する爪2Bを型締め時に成形型により孔4Aを備える部材としての強化繊維4の背面に回り込ませるため、爪2Bを回り込ませるための別個の設備が不要となる。
【0032】
図6〜図9は、本発明の第2の実施形態の繊維強化樹脂と金属板との接合構造を示す。本実施形態においては、爪を折り曲げて金属板により強化繊維を挟み込むのに代えて、強化繊維に設けた爪を折り曲げて金属板を挟み込むようにしたものである。
【0033】
図6において、フロア部品の周縁に沿って帯状となった金属板6は、帯状に沿って一定または不特定の間隔を持って複数の孔6Aが形成されている。前記孔6Aは金属板6の帯状に延びる方向に縦長に形成されている。繊維強化樹脂7は金属板6の一方の面に沿い孔6Aが位置する部分まで重なる接触部7Aと、そこから爪7Bが金属板6の孔6Aを貫通し、孔6Aからフロア部品の内方に向かって延びて金属板6の上方に重なり、全体として強化繊維樹脂7は金属板6の孔6Aから内方側を囲むよう配置されている。
【0034】
図7は、本実施形態の接合構造の斜視図を示し、孔6Aを貫通した強化繊維樹脂7が断続的に金属板6の上方をフロア部品の内周方向に延びて配置されている。金属板6の上方の強化繊維樹脂7の爪7B同士の間には、射出成形時に注入された母材樹脂がモールドされている。金属板6の孔6Aの外周側は、金属板6のみが縁を構成している。全体として、金属板6の内周側の両側に繊維強化樹脂7による膨らみを周縁に沿って配置した形状となる。
【0035】
図8(A)、(B)は、繊維強化樹脂と金属板との接合構造の成形工程を示し、先ず、図8(A)に示すように、成形型の下型9の上に強化繊維で形成したクロス材8を載置する。クロス材8は、その周縁が下型9の窪み9Aに沿って下方へオフセットした接触部8Aを備え、次いでその周縁に直角方向に起立した爪8Bを一定または不特定の間隔を持って多数起立させて断面L字状に備える。
【0036】
次いで、前記クロス材8の爪8Bを孔6Aに通して金属板6を成形型の下型9に載置する。金属板6は、その外周縁は下型の窪み9Bに収容され、クロス材8の接触部8Aに内周側が重なり、クロス材8の一般断面と略同一平面上に位置される。
【0037】
次いで、成形型の上型10を型締めし、強化繊維8の爪8Bを鎖線図示のように変形させ、更に型締めして、図8(B)に示す状態にプレスして成形型を閉じる。クロス材8の接触部8Aおよび爪8Bの金属板6に接触している背面は上下の成形型9、10に接触する。また、一定または不特定の間隔を持つ爪8B同士の間は、金属板6と上型10との間で空間を形成している。この状態においては、成形型の上下型9、10間で、金属板6を除きクロス材8内の繊維間の隙間や爪8B同士の間に空隙・空間が存在する。
【0038】
この状態において、母材(マトリックス)となる樹脂の溶融材料を成形型内に射出し、クロス材8内の空隙部および空間部に充填し、冷却して固化させる。樹脂は、クロス材8を強化繊維として繊維強化樹脂7の複合材料となり、金属板6との隙間に充填されて繊維強化樹脂7と金属板6とを一体にモールドする。次いで、成形型を型開きすることで本実施形態の接合構造が得られる。
【0039】
強化繊維から起立した爪8Bは、成形型を閉じることで変形され金属板6を接触部8Aとで挟み込むため、爪8Bを変形させるための別個の設備は不要である。また、型閉じに引き続き樹脂が注入されるために、連続的に製作できる。
【0040】
図9は、本実施形態の接合構造のフロア部品を車体骨格構造、例えば、サイドシルSに設けたフロア固定部材Bにスポット溶接により固定する状態を示す。即ち、フロア固定部材B上に本実施形態のフロア部品の周縁部の金属板6を載置し、上下から電極Tを当接させ、互に挟み込んだ状態においてスポット溶接を行なう。溶接電流は金属板6とフロア固定部材Bとの間に溶融スポットN(ナゲット)を形成し、金属板6をフロア固定部材Bに固定し、フロア部品をサイドシルSに固定することができる。
【0041】
本実施の形態においては、第1の実施の形態における効果に加えて、金属板6に設けた孔6Aに強化繊維に設けた爪8Bを貫通させ、貫通した爪8Bを金属板6の背面に回り込ませるため、強化繊維が金属板6を回り込んで一体化するため、強固な接合構造を得ることができる。
【0042】
しかも、繊維強化樹脂7の成形後に金属板6が外周縁に突出しているため、他の部材への取付け等が容易となる。
【0043】
図10〜図12は、本発明の第3の実施形態の繊維強化樹脂と金属板との接合構造を示す。本実施形態においては、強化繊維により金属板を挟み込む場合において、挟み込み部分の強化繊維を補強プレートにより補強したものである。
【0044】
図10(A)は繊維強化樹脂と金属板との接合構造を備えたフロア部材の全体図を示し、繊維強化樹脂7の周縁に金属板6が帯状に配置されている。図示例では、フロア部品の前方と後方の3箇所において、金属板6を貫通して金属製の補強プレート11が繊維強化樹脂7を挟んで配置されている。図10(B)は、図10(A)のC−C線による断面図であり、金属板6の孔6Aを貫通して繊維強化樹脂7と補強プレート11とが金属板6を挟み込み配置されている。補強プレート11は繊維強化樹脂7の金属板6からの離反方向の移動を阻止し、金属板6と繊維強化樹脂7との接合強度を高める。なお、図示例では、フロア部品の前後の夫々3箇所において、本実施形態の接合構造が適用されているが、フロア部品の側辺部分に追加適用してもよく、また、側辺のみに適用してもよい。
【0045】
図11は、本接合構造に用いられる素材を示し、図11(A)には前後辺に爪8Bとなる突起を備えた強化繊維からなるクロス材8が示され、図11(B)には、周縁部を形成する帯状の金属板6と、金属板6の夫々の孔6Aに係合するL字状の補強プレート11とを備える。
【0046】
図12は、繊維強化樹脂7と金属板6との接合構造の成形工程を示し、先ず、図12(A)に示すように、成形型の下型9の窪み9CにL字状の補強プレート11を起立部11Aをフロア部品の外側となるよう載置し、補強プレート11の内面に沿わせてクロス材8の爪8Bが位置するようクロス材8を下型9上に載置する。爪8Bが起立するクロス材8の接触部8Aは、クロス材8の一般断面よりクロス材8の厚み分だけ下側へオフセットして配置する。
【0047】
次いで、図12(B)に示すように、前記クロス材8の爪8Bおよび補強プレート11の起立部11Aを孔6Aに通して金属板6を成形型の下型9に載置する。金属板6は、その外周縁は下型9の窪み9Bに収容され、クロス材8の接触部8Aに内周側が重なり、クロス材8の一般断面と略同一平面上に位置される。
【0048】
次いで、成形型の上型10を型締めし、図12(C)に示すように、クロス材8の爪8Bと補強プレート11の起立部11Aをフロア部品の内方へ変形させ、更に型締めして、図12(D)に示す状態にプレスして成形型を閉じる。強化繊維であるクロス材8の接触部8Aおよび爪8Bの金属板6に接触している背面は補強プレート11に接触し、補強プレート11はその状態を維持する。この状態においては、成形型の上下型9、10間で、金属板6および補強プレート11を除きクロス材8内の繊維間の隙間に空隙が存在する。
【0049】
そして、母材(マトリックス)となる樹脂の溶融材料を成形型内に射出し、クロス材8内の空隙部に充填し、冷却して固化させる。樹脂は、クロス材8を強化繊維として繊維強化樹脂7の複合材料となり、金属板6および補強プレート11との隙間に充填されて繊維強化樹脂7と金属板6とを一体にモールドする。次いで、成形型を型開きすることで本実施形態の接合構造が得られる。
【0050】
強化繊維のクロス材8から起立した爪8Bおよび補強プレート11は、成形型を閉じることで変形され金属板6を挟み込むため、爪8Bや補強プレート11を変形させるための別個の設備は不要である。また、型閉じに引き続き樹脂が注入されるために、連続的に製作できる。
【0051】
本実施の形態においては、第2の実施形態における効果に加えて、爪8Bは、強化繊維であるクロス材8に形成されて金属板6と接触する背面に爪8Bと共に回り込ませる補強プレート11を備えているため、強化繊維のプリフォーム成形のみでは自立しない爪8Bであっても補強プレート11に支持されて立設でき、金属板6に設けた孔6Aへの挿入が容易となる。
【0052】
また、補強プレート11により爪8Bが金属板6に確実に回り込ませることができ、接合強度を向上できる。
【0053】
なお、上記実施形態において、繊維強化樹脂の全周の周縁に金属板を配置したものについて説明しているが、必ずしも全周に金属板を設けるもの以外に、図示しないが、例えば、一部の辺にのみ設けるものであってもよい。
【0054】
また、車体構造のフロア部品を例として説明しているが、図示しないが、他の繊維強化部品を対象とするものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す繊維強化樹脂と金属板との接合構造の斜視図。
【図2】同じく図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】繊維強化の樹脂パネルと金属板との接合構造の成形工程を(A)、(B)に分けて示す断面図。
【図4】同じく接合部の斜視図。
【図5】同じく適用例を示す断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す繊維強化樹脂と金属板との接合構造の断面図。
【図7】同じく接合構造の斜視図。
【図8】同じく繊維強化の樹脂パネルと金属板との接合構造の成形工程を(A)、(B)に分けて示す断面図。
【図9】同じく適用例を示す断面図。
【図10】本発明の第3の実施形態を示す繊維強化樹脂と金属板との接合構造の断面図。
【図11】同じく分解して(A)、(B)に分けて示す部品図。
【図12】同じく繊維強化の樹脂パネルと金属板との接合構造の成形工程を(A)〜(D)に分けて示す断面図。
【符号の説明】
1、7 繊維強化樹脂
1A、4A、6A 孔
2、6 金属板
2B、7B、8B 爪
3、9 成形型の下型
4、8 クロス材
5、10 成形型の上型
11 補強プレート

Claims (5)

  1. 繊維強化樹脂と金属板との接合方法であって、
    前記繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか一方に孔を設け、
    前記繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか他方に爪を設け、
    前記爪を孔に貫通させ、貫通した爪を孔を備える部材の背面に回り込ませて繊維強化樹脂の成形型内に強化繊維と金属板を設置し、
    前記成形型内に母材となる樹脂を射出して接合することを特徴とする繊維強化樹脂と金属板との接合方法。
  2. 前記孔を貫通して突出する爪は、型締め時に孔を備える部材の背面に成形型により回り込ませることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂と金属板との接合方法。
  3. 前記爪は、強化繊維に形成され、金属板と接触する背面に爪と共に回り込ませる補強プレートを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の繊維強化樹脂と金属板との接合方法。
  4. 繊維強化樹脂と金属板との接合構造であって、
    前記繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか一方に孔を設け、
    前記繊維強化樹脂を構成する強化繊維または金属板のいずれか他方に爪を設け、
    前記爪は孔を貫通して孔を備える部材の背面に位置して強化繊維と金属板とが樹脂で一体化されていることを特徴とする繊維強化樹脂と金属板との接合構造。
  5. 前記爪は、強化繊維に形成され、金属板と接触する背面に補強プレートを備えていることを特徴とする請求項4に記載の繊維強化樹脂と金属板との接合構造。
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