JP3849338B2 - 鋼材の耐候性評価方法および耐候性測定装置 - Google Patents

鋼材の耐候性評価方法および耐候性測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼材の耐候性評価方法およびそのために用いる耐候性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼中にCu、Cr、P 等を含む耐候性鋼においては、その表面に塗装等の表面処理を施さず、裸で使用すると、長期の大気暴露により防食性の高いさび(以下、「安定さび」または「安定さび層」という)が生成して、腐食速度が著しく低下する。そのため、前記の耐候性鋼は、メンテナンスフリー材料として橋梁等の陸上構造物に使用されている。
【0003】
しかし、安定さび層の生成に要する期間は鋼材の使用環境によって変わり、飛来海塩粒子の多いような場合には安定さびが生成しないこともあるため、耐候性を評価するに当たっては、さびが安定化しているのかどうかを評価する必要がある。
【0004】
このさび層の安定性の評価方法、換言すれば、鋼材の耐候性評価方法としては、(1) 鋼材の腐食減量の経時変化を測定して腐食速度を求める方法や、(2) X線回折法によりさび中のα-FeOOH量とγ-FeOOH量を測定し、それらの重量%比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH)(以下、比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) と略記する)により評価する方法が既に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1) の方法は、腐食減量の測定のためにさびを除去して現場で鋼材の肉厚測定をしなければならないため作業性に劣る。また、耐候性鋼においては、さびが安定化するとさび層が二層構造となり、そのうちの内層が耐候性に寄与するのであるが、この方法ではさび層を除去するため、さび層に関する情報は得られない。
【0006】
上記(2) の方法では、母材の表面に形成されたさびを採取し、それを実験室に持ち帰って測定、評価をするので、さび層に関する情報は得られるものの、さび層の内層と外層の平均値としての情報であり、さび層の構造についての知見は得られない。また、その場ではさび層の安定性を知ることができないという問題がある。
【0007】
したがって、これらの評価方法は、実構造物として使用されている鋼材の性能評価には適さないばかりではなく、これらの方法で得られる情報は鋼材表面の比較的広範囲にわたる測定部位全体のいわばマクロ的な情報で、鋼材の表面に局所的に存在するさび層の割れや欠陥等に関する情報を得ることはできない。
【0008】
本発明の課題は、耐候性鋼をはじめその他の耐候性を有する鋼材(耐候性鋼を含め、以下、耐候性鋼材という)のさびの安定化度を、実構造物を対象として、その場で非破壊かつ迅速に評価する方法、およびそのための測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記 (a)の鋼材の耐候性評価方法、および下記 (b)の耐候性測定装置にある。
【0010】
(a)母材の表面にさび層が形成された鋼材の耐候性評価方法であって、鋼材の腐食電位を測定し、その測定値を基に腐食速度、またはα -FeOOH γ -FeOOH との比を推定して、耐候性を評価する鋼材の耐候性評価方法。
【0011】
この場合、腐食電位の測定は、例えば、さび層が形成された鋼材の表面に電解質溶液を浸透させた後、その上に参照電極を接触させるとともに、母材に金属の端子を電気的に接続し、両者の間に生じる電位差を測定することにより行えばよい。
【0012】
(b)上記(a)に記載の鋼材の耐候性評価方法に用いる測定装置であって、少なくとも電位差計、参照電極および金属の端子で構成され、参照電極と金属の端子とが電位差計を介して電気的に接続されている鋼材の耐候性測定装置。
【0013】
この場合、上記の参照電極および金属の端子のうちの少なくとも一方が、参照電極または金属の端子を鋼材の表面に磁力で固定するための永久磁石または電磁石を備えるものとすれば、後述するように、取り扱いが一層簡便となる。
【0014】
本発明者らは、上記の課題を解決するために様々な電気化学的な手法を用いて研究を行った。詳細については後述するが、得られた知見は以下のとおりである。
【0015】
(A) 鋼材の暴露期間が長くなりさび層が安定化して内層、外層の二層構造をもつに至る過程で、その腐食電位は経時的に高くなり(貴になり)、ある一定値以上の電位を示す。したがって、この腐食電位を測定することによって耐候性に寄与する内層が生成しているかどうかを判断することができる。また、鋼材の使用環境により安定さび層が生成しない場合は、腐食電位は低いまま(卑のまま)である。
【0016】
なお、前記の腐食電位とは、金属材料が水分の存在のもとで腐食する際にその金属材料が示す電位である。水分の存在下での腐食の原因は局部電池が形成されることにあるが、大気中での鋼材の腐食においても、雨水あるいは空気中の湿分により水分が供給されることにより腐食が進行するので、鋼材の表面にこの局部電池が形成される。
【0017】
図7は、腐食電位の説明図で、局部電池における局部電流と電位の関係を模式的に示す図である。図中のEaは、この局部電池のアノードで生じる鋼材の溶解反応 (例えば、Fe=Fe2++2e-)の平衡電位、Ebは、この局部電池のカソードで生じる、例えば、酸素の還元反応(1/2O2+H2O +2e- =2OH-) の平衡電位である。この溶解反応および還元反応がそれぞれ右方向に進行し、アノード、カソード間に局部電流が流れることにより、アノード電位はしだいに貴になり、カソード電位はしだいに卑になって、ある局部電流Ieのところで等しくなる。このときの鋼材の電位Eeが腐食電位であり、また、局部電流Ieが腐食電流である(例えば、「化学大辞典4」共立出版株式会社(昭和59年 3月15日縮刷版第28刷発行) 346頁参照)。
【0018】
(B) 表面にさび層が形成された鋼材の腐食電位と腐食速度、および腐食電位とさび中のα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) との間にはいずれも相関関係があり、腐食電位から腐食速度および比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) を推定することができる。
【0019】
(C) 腐食電位の測定は簡便で、電位差計と参照電極があれば容易に実施することができる。したがって、電位差計および参照電極を携帯することにより、表面にさび層が形成された実構造物における測定も可能である。
【0020】
上記本発明はこれらの知見に基づいてなされたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の耐候性評価方法で使用する腐食電位測定装置の概略図、すなわち、本発明の耐候性測定装置の構成を概念的に示す図である。
【0023】
図1に示すように、この測定装置は電位差計1、参照電極2および金属の端子(図では、接続線3として表示)で構成され、参照電極2と接続線3とが電位差計1を介して電気的に接続されている。
【0024】
電位差計1は、ポテンシオメーターとも称するもので、バッテリー、可変抵抗、標準電池および検流計を備える電位差(電圧)測定装置である。バッテリーと可変抵抗により可変電圧をつくりだし、その都度、標準電池で較正し、検流計の振れない点、つまり、被測定電池に電流が流れていない状態でその電圧を高精度で測定することができる。なお、バッテリーは、乾電池、充電式電池のいずれでもよい。
【0025】
参照電極2としては飽和甘こう電極(SCE) 、銀塩化銀電極(Ag/AgCl) 等が使用できる。
【0026】
接続線3(金属の端子)は母材6との導通をとるために必要なもので、導電性のものであれば何でもよい。例えば、銅線、銀線などである。
【0027】
この耐候性測定装置による腐食電位の測定方法を以下に示す。
【0028】
まず、母材6との導通をとるため、その表面に形成されたさび層4を部分的に除去し、金属の端子からなる接続線3を取り付ける。次に、さび層4を電解質溶液をしみ込ませたスポンジ5で濡らし、その上に参照電極2をセットした後、母材6と参照電極2の間の電位差を電位差計1で測定する。この測定値が、測定に用いた参照電極を基準とする腐食電位である。
【0029】
前記のさび層にしみ込ませる電解質溶液としては、導電性のある水溶液を用いればよい。例えば、0.1M-Na2SO4 (Mはmol/リットルを表す) の水溶液を用いることができる。溶液の濃度は、0.01M 以上であればよく、飽和溶液でもよい。濃度が0.01M より低いと、溶液抵抗が大きくなり正確な電位を測定できなくなるからである。なお、さび層4を濡らしてから電位(すなわち、腐食電位)が安定するまで少し時間がかかるので、1分以上経過してからの値を採用するのが望ましい。
【0030】
上記本発明の耐候性測定装置において、参照電極および金属の端子のうちの少なくとも一方を、参照電極または金属の端子を鋼材の表面に磁力で固定するための永久磁石または電磁石を備えるものとするのが好適である。
【0031】
図6(a) は磁石そのものを参照電極に取り付けた場合の構成例を示す図で、円盤状の磁石7には貫通する孔が設けられており、さび層を濡らすための電解質溶液をしみ込ませたスポンジ5がこの孔の中に入れられ、その上に参照電極2がセットされている。なお、金属の端子に磁石を取り付ける場合は、磁石の孔の中にスポンジは入れず、金属の端子を入れて貫通させ、母材との導通がとれるようにセットする。
【0032】
また、図6(b) は磁石を埋め込んだ樹脂等の材料を参照電極に取り付けた場合の構成例を示す図で、図6(a) に示した円盤状の磁石の替わりに、あらかじめ樹脂8等に磁石7を埋め込んだ材料を用いたものである。この場合は、円盤状の磁石を用いる場合に比べて少ない量の磁石で参照電極または金属の端子を測定しようとする鋼材の表面に固定することができる。また、磁石の腐食を防止することができる。
【0033】
使用する磁石は、永久磁石でも電磁石でもよい。しかし、電磁石を用いる場合は電源が必要となるので、特に実構造物を対象として測定を行う場合は装置をできるだけコンパクトにする方が有利であるという観点から、永久磁石を用いるのが望ましい。
【0034】
磁石または磁石を埋め込んだ樹脂等の材料の大きさ(鋼材表面への接触部の大きさ)は、10cm角以下の適当な大きさとするのが望ましい。磁石が大きいほど鋼材表面への固定は容易であるが、大きすぎると被測定部分が小さい場合等においては、測定に不自由をきたす。なお、形状は角状に限らず、例えば、円形でもよい。
【0035】
また、磁石の強さは、参照電極など重さが数10〜数100gのものを保持できる強さのものが必要となるので、残留磁束密度で 1kG(キロガウス)以上のものが望ましい。
【0036】
参照電極および金属の端子のうちの少なくとも一方がこのような磁石を備えたものであれば、測定に際し参照電極や金属の端子を鋼材の表面に磁力で固定することができ、装置の取り扱いが一層簡便となる。
【0037】
上記本発明の耐候性測定装置による腐食電位の測定結果を図2〜図5に示す。
【0038】
図2は、参照電極として飽和甘こう電極(SCE) を使用した場合の腐食電位と腐食速度との関係を示す図であり、図3は、同じ参照電極を使用した場合の腐食電位とさび中におけるα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) との関係を示す図である。なお、図2および図3に示す試験片は、数ヶ月から30年間大気暴露された普通鋼および低合金耐候性鋼材の裸材、すなわち、塗装等の表面処理を施さずに大気中に暴露し、表面にさびが形成された材料 (5種類) 、および安定さび生成促進処理を施した表面処理鋼材 (さび層厚 5μm および15μm 、各4種類) である。なお、安定さび生成促進処理とは、特開平6-136557号公報、特開平6-226198号公報等に記載されるように、Cr3+イオンを含む処理剤を鋼板に塗布し、鋼板表面に早期に防食性の優れた安定さびを生成させる処理方法である。
【0039】
図2から、鋼種、表面処理の程度、すなわち、さび層厚が 5μm であるか、15μm であるかにかかわらず、腐食電位が−0.3V (飽和甘こう電極基準、以下、vs.SCEと表示する) 以上になると、腐食速度は小さく、目標とみなし得る 6μm/year以下となっていることがわかる。なお、 6μm/year以下を目標とする理由は、橋梁の腐食しろは一般的に 300μm とされており、50年間使用するとして 6μm/year以下の腐食速度であれば十分な耐候性を有すると判定できるからである。
【0040】
また、図3から、図2の場合と同様、鋼種、表面処理の程度にかかわらず、腐食電位が−0.3V(vs.SCE)以上になると、さび中のα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) が 2以上になることがわかる。
【0041】
一方、図4は、参照電極として飽和銀塩化銀電極(Ag/AgCl) を使用した場合の腐食電位と腐食速度との関係を示す図であり、図5は、同じ参照電極を使用した場合の腐食電位とさび中におけるα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) との関係を示す図である。試験片は、図2および図3の測定に用いたものと同じものを使用している。なお、飽和甘こう電極(SCE) と飽和銀塩化銀電極(Ag/AgCl) との間には、0V(vs.SCE) =+0.05V(vs.Ag/AgCl)の関係がある。
【0042】
図4および図5に示すように、腐食電位と腐食速度との関係および腐食電位とさび中におけるα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) との関係は、飽和甘こう電極を用いた場合と同様の傾向を示し、腐食電位が−0.25V(vs.Ag/AgCl) 以上であれば、腐食速度は 6μm/year以下であり、比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) が 2以上になることがわかる。
【0043】
これらの結果から明らかなように、母材の表面に形成されたさび中のα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) の増大に伴って鋼材の腐食速度が低下することが腐食電位を測定することによって検知される。しかも、さび層が安定化して鋼材が腐食速度が 6μm/year以下の十分な耐候性を有する状態に至ると腐食電位がある一定値以上の電位を示すので、このような状態に至ったかどうかの判断を下すことができる。なお、一定値以上の電位とは、測定の際の参照電極として飽和甘こう電極を用いた場合は−0.3V以上、飽和銀塩化銀電極を用いた場合は−0.25V 以上である。換言すれば、前述したように、さびが安定化するとさび層が二重構造となり、耐候性に寄与する内層が生成するが、この内層が生成しているか否かを腐食電位によって判定することができる。
【0044】
本発明は上述した知見に基づく耐候性評価方法で、表面にさび層が形成された鋼材の腐食電位を測定し、その測定値を基に鋼材の耐候性を評価するのである。なお、判定の基準は、参照電極として飽和甘こう電極を用いた場合は、上記のように、−0.3V、飽和銀塩化銀電極を用いた場合は−0.25V とし、それぞれこの値以上であれば十分な耐候性を有すると判断する。
【0045】
鋼材の腐食速度が十分小さい状態にある場合は、さび中のα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) が 2以上であるという知見は既に得られているが、本発明の耐候性評価方法によれば、さびの採取→X線回折測定→データ解析という非常に時間がかかる手順を踏むことなしに、わずか1分程度で鋼材の腐食速度が十分小さい状態にあるか否かを判定することができる。
【0046】
腐食電位の測定は、前述したように、さび層が形成された鋼材の表面に電解質溶液を浸透させ、その上に参照電極を接触させるとともに、母材に金属の端子を電気的に接続し、両者の間に生じる電位差を測定することにより行えばよい。
【0047】
上記の説明からも明らかなように、本発明の方法は鋼材の耐候性を極めて簡便、かつ迅速に評価できる方法である。
【0048】
また、本発明の方法で得られる情報は、参照電極が接する鋼材のごく狭い表面部分の情報であって、化学分析方法で得られるような比較的広範囲にわたる測定部位全体のマクロ的な情報ではない。したがって、局部的なさびの安定化度を測定することができ、きめこまかな情報が得られるという特徴がある。
【0049】
さらに、本発明の方法は鋼材の表面に形成されているさび層を広範囲にわたって除去したりせず、非破壊で行うことができるので、実構造物の評価に適しており、例えば、実構造物の耐食性の面からの寿命予測あるいは補修時期の的確な判断をすることができる。
【0050】
【実施例】
数ヶ月〜30年間大気暴露された実構造物(橋梁)に使用されている普通鋼および低合金耐候性鋼材、ならびに安定さび生成促進処理を施した表面処理鋼材について腐食電位の測定を行った。参照電極としては飽和甘こう電極を用いた。
【0051】
腐食電位の測定方法は、上記の各種鋼材サンプルのさび層の一部分を研磨除去し、金属の端子に銅線を用いて電気的に接続させ、さび層の表面を溶液で濡らし、その上に飽和甘こう電極をセットし、鋼材と飽和甘こう電極間の電位差、すなわち腐食電位を測定した。前記の溶液としては、0.1M-Na2SO4 水溶液を用いた。なお、さび層を濡らしてから 1分以上経過して電位が安定した後の値を腐食電位として採用した。
【0052】
各種鋼材の腐食電位は、大気暴露された鋼材および安定さび生成促進処理を施した鋼材のいずれについても初期には−0.6V程度であったが、低合金耐候性鋼材では、暴露期間が長くなった場合、また、安定さび生成促進処理を施した場合、−0.3V以上の電位を示した。これは、さびが安定化したことによるものである。
【0053】
その後、腐食電位が−0.3V以上になったものの一部についてX線回折を行い、その回折強度比からさび中のα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) の測定を行ったところ、比はいずれも 2以上であった。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、下記の効果が得られる。
【0055】
(1) 母材の表面にさび層が形成された鋼材におけるさびの安定性、すなわち耐候性を非破壊でかつ迅速に測定、評価できる。
【0056】
(2) 局部的な領域の耐候性を評価できるので、測定部位におけるマクロ的な情報ではなく、きめこまかな情報が得られる。
【0057】
(3) 測定を非破壊で行うことができるので、実構造物の評価に適しており、例えば、実構造物の耐候性の面からの寿命予測あるいは補修時期を的確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐候性評価方法で使用する腐食電位測定装置の概略図である。
【図2】参照電極として飽和甘こう電極(SCE) を使用した場合の腐食電位と腐食速度の関係を示す図である。
【図3】参照電極として飽和甘こう電極(SCE) を使用した場合の腐食電位とさび中におけるα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) の関係を示す図である。
【図4】参照電極として飽和銀塩化銀電極(Ag/AgCl) を使用した場合の腐食電位と腐食速度の関係を示す図である。
【図5】参照電極として飽和銀塩化銀電極(Ag/AgCl) を使用した場合の腐食電位とさび中におけるα-FeOOH量とγ-FeOOH量の比 (α-FeOOH/ γ-FeOOH) の関係を示す図である。
【図6】磁石を参照電極に取り付けた場合の構成例を示す図で、(a) は磁石そのものを取り付けた場合、(b) は磁石を埋め込んだ樹脂等の材料を取り付けた場合である。
【図7】腐食電位の説明図で、局部電池における局部電流と電位の関係を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1:電位差計
2:参照電極
3:接続線
4:さび層
5:スポンジ
6:母材
7:磁石
8:樹脂

Claims (4)

  1. 母材の表面にさび層が形成された鋼材の耐候性評価方法であって、鋼材の腐食電位を測定し、その測定値を基に腐食速度、またはα -FeOOH γ -FeOOH との比を推定して、耐候性を評価することを特徴とする鋼材の耐候性評価方法。
  2. さび層が形成された鋼材の表面に電解質溶液を浸透させた後、その上に参照電極を接触させるとともに、母材に金属の端子を電気的に接続し、両者の間に生じる電位差を測定することを特徴とする請求項1に記載の鋼材の耐候性評価方法。
  3. 請求項1または2に記載の鋼材の耐候性評価方法に用いる測定装置であって、少なくとも電位差計、参照電極および金属の端子で構成され、参照電極と金属の端子とが電位差計を介して電気的に接続されていることを特徴とする鋼材の耐候性測定装置。
  4. 参照電極および金属の端子のうちの少なくとも一方が、参照電極または金属の端子を鋼材の表面に磁力で固定するための永久磁石または電磁石を備えることを特徴とする請求項3に記載の鋼材の耐候性測定装置。
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