JP3848919B2 - 疎水的に変性された粘土ポリマーナノ複合材 - Google Patents

疎水的に変性された粘土ポリマーナノ複合材 Download PDF

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    • C08K2201/011Nanostructured additives

Description

【0001】
本発明は、広くは、改善されたナノ複合材組成物および該組成物を製造し使用する方法に関する。より詳しくは、本発明は、水性系中の疎水的に変性された粘土を用いてナノ複合材を製造する方法に関する。本発明は、例えば、塗料、シーラント、熱硬化性樹脂、布地、布地結合剤、コーキング剤、接着剤などの、およびプラスチック添加剤としてのこれらのナノ複合材組成物の用途にも関連する。
【0002】
ポリマーの特性を改善する一方法は、複合材料を形成させるために粘土材料をポリマーに添加することによる。しかし、粘土をポリマーに配合するのは、ポリマーの物理的特性、特に機械的特性の望ましい改善を提供することができない。これは、例えば、材料内の粘土とポリマーとの間の界面または境界における粘土とポリマーとの間の親和性の欠如による場合がある。これに関連して、粘土とポリマーとの間の親和性は、ポリマー全体を通して粘土材料が均一に分散することを可能にすることにより、得られたナノ複合材の物理的特性を改善しうる。粘土の比較的大きい表面積は、粘土が均一に分散されたなら、粘土とポリマーとの間により多い界面を提供することが可能であり、これらの界面でのポリマー鎖の移動度を低下させることにより、連続して物理的特性を改善することが可能である。それに反して、粘土とポリマーとの間の親和性の欠如により、ポリマー全体を通して粘土のポケットを均一に分散させるのでなく濃縮させることにより組成物の強度に悪影響を及ぼしうる。粘土とポリマーとの間の親和性は、粘土が本来概ね親水性であるのに対して、前述した用途で用いられるポリマーなどのポリマーが概ね疎水性であるという事実に関連している。
【0003】
粘土材料は、一般的には、微細粒状であるとともに板状の性質を有する水和珪酸アルミニウムを含む。一般的な粘土材料の結晶構造は、AlO(OH)八面体の層に接合されるSiO四面体の層の組み合わせを含む多層構造である。本明細書中で用いられる「Agallery」という用語は、層状粘土材料の中間層空間を表す。本明細書中で用いられる「d−間隔」または「基部間隔」という用語は、多層鉱物の反復単位である単層厚さと中間層またはギャラリーの厚さの合計を定義する。粘土鉱物に応じて、ギャラリーは水および/またはカリウムカチオン、ナトリウムカチオンまたはカルシウムカチオンなどの他の成分を含むことが可能である。粘土鉱物は、粘土鉱物の成分層とカチオンの組み合わせに基づいて異なる。四面体網目中のSi4+イオンを置換するAl3+またはFe+または八面体網目中の他のカチオンを置換するAl3+、Mg2+またはFe2+などの粘土鉱物のカチオンの同形置換が一般的に起き、粘土構造上に実効負電荷を与えることが可能である。水分子あるいはナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンなどの粘土のギャラリー内の天然元素は、この実効負電荷のために粘土層の表面に引き付けられる。
【0004】
ナノ複合材は、その少なくとも一種の成分がナノメートルサイズ範囲の、長さ、幅または厚さなどの一つ以上の寸法を有する組成物である。本明細書中で用いられる「ナノ複合材」という用語は、剥離した粘土層の間にポリマー分子が存在する物質の状態を表す。最近、ポリマーマトリックス内に分散した1ナノメートルの厚さのシリケート層を有するモンモリロナイトなどの層状粘土材料を含むナノ複合材が、ポリマーの物理的特性を改善する手段として開発されてきた。物理的特性または機械的特性を効率的に改善するために、粘土を一般的にはポリマー全体を通して均一に分散させて、粘土とポリマーとの間により多い界面を助長するとともに、これらの界面でポリマーへの粘土の親和性を強化する。さらに、粘土がポリマー全体を通して均一に分散されるならば、ナノ複合材の物理的特性を維持しつつ、より少ない粘土材料をナノ複合材に添加することが可能である。
【0005】
ポリマー・粘土ナノ複合材は、挿入されたナノ複合材、剥離した複合材またはそれらの組み合わせのような幾つかの一般的類型の一種であるとして特徴付けることが可能である。本明細書中で用いられる「挿入されたナノ複合材」という用語は、粘土層間のポリマーの規則的挿入からなるナノ複合材を表す。本明細書中で用いられる「剥離したナノ複合材」という用語は、粘土の厚さ1nmの層がマトリックスに分散し、よってミクロ規模の複合材構造を形成するナノ複合材を表す。複合材の後者の類型、すなわち、剥離したナノ複合材はポリマー・粘土相互作用を最大にし、よって粘土層の表面全体がポリマーのために利用可能になる。この変性は、得られたポリマーの機械的特性および物理的特性の最も劇的な変化に導きうる。それに反して、本明細書中で用いられる「従来の複合材」という用語は、粘土が従来の充填剤として機能し、ナノ規模で分散されない複合材を表す。これらの複合材は、一般に、剥離したナノ複合材で見られた機械的特性および物理的特性の改善に恵まれない。本発明の特定の実施形態において、ポリマー粘土ナノ複合材中の粘土の一部は、剥離した複合材または挿入されたナノ複合材より大きい構造として存在してよい。
【0006】
界面で粘土とポリマーとの間により多い親和性を助長するとともに、ポリマー内の粘土の均一分散を提供するために、粘土の中間層表面の化学的性質を変性することにより、シリケート層がより疎水性になることが可能である。粘土の中間層表面の化学的性質を変える以前の方法は、ポリマーに配合する前に粘土分散液を調製するために、界面活性剤またはシランなどの薬剤の使用を含む。例えば、界面活性剤は、一般的には、(水または粘土などの極性媒体に対する親和性を有する)親水性官能基および(油またはポリマーなどの有機分子に対する親和性を有する)親有機性官能基を有する分子を含むことを可能である。界面活性剤の使用によって、ポリマー内に粘土を分散させることが可能になる。本明細書中で用いられる「疎水的に変性された粘土」という用語は、界面活性剤、シランまたは他の変性剤などの薬剤の使用を通して表面の化学的性質を変性させることが可能である粘土を表す。
【0007】
粘土をより少ない親水性にするために用いられる一般的な薬剤には、アミノ酸、アルキルアンモニウムイオン、シラン、アミノメチルスチレンまたはリビングラジカル重合開始剤(「LFRP」)を挙げることが可能であるが、それらに限定されない。ナノ複合材の合成のために適する他の薬剤の非限定的な別の例は、M.Ogawaら「層状シリケートへの有機アンモニウムイオンの挿入を通した無機−有機ナノ複合材の調製」,Bull.Chem.Soc.Jpn.70,2593−2619(1997)という参考文献に示されている。
【0008】
アミノ酸界面活性剤は、塩基性アミノ基(−NH)と酸性カルボキシル基(−COOH)からなることが可能である分子である。陽子は、酸性媒体に導入された時、−COOH基から分子内−NH基に移動されうる。形成される−NH+官能基と粘土層間に存在する天然カチオン(すなわち、Na、Kなど)との間でカチオン交換が起きることが考えられる。これは、−NH官能基が個々の層間に「挟まれ」、よって天然カチオンを置き換える挿入状態を生じさせる。本明細書中で用いられる「挿入する」という用語は、粘土材料の層間に外部分子、原子またはイオンを組み込むことを意味する。この挿入状態の結果として、粘土は親有機性になる。アミノ酸界面活性剤は、ポリアミド6−粘土ハイブリッドの調製において一般的に用いられる。アミノ酸界面活性剤の酸官能基が、層間に挿入されるε−カプロラクタムと重合できるからである。結果として、ギャラリー内重合はポリマーマトリックス中の粘土を離層させ、よってナノ複合材を生成させる。
【0009】
オニウム塩などのアルキルアンモニウムイオン界面活性剤は、ナノ複合材料のための粘土分散液を調製するために一般的に用いられる。一般的なアルキルアンモニウムイオンに関する基本式はCH−(CH NH であり、式中、nは1〜18の間である。アルキルアンモニウムイオンも粘土小板間に存在する天然カチオンと容易に交換し、よって挿入状態を生じさせることが考えられる。さらに、アルキルアンモニウムイオンが粘土層間のd−間隔を増やすことが可能であり、粘土の表面エネルギーを下げることも可能であり、よって極性の異なる有機物質が粘土層間に挿入されることが可能になることが考えられる。
【0010】
シランも不飽和ポリエステル−粘土ナノ複合材の合成に際して使用してよい。シランは、式R−SiXによって特徴づけてよい有機珪素モノマーの系列である。式中、Rは加水分解的に安定な方式で珪素に結合された有機官能基であり、Xは加水分解後にシラノール基に転化されうる加水分解性基を表す。珪素またはアルミニウムに主として結合されたヒドロキシル基を有する粘土などの無機表面とシランが相互作用し、よって無機表面との密着を生じさせることが考えられる。
【0011】
疎水的に変性された粘土は、ナノ複合材料を調製する際にしばしば用いられてきた。Xaver Kornmannによる「熱硬化性樹脂−粘土ナノ複合材の合成および特徴付け)」という記事(本明細書中で「Kornmann」と呼ぶ)には、インサイチュー重合法、溶融物挿入法または溶液重合法を用いて疎水的に変性された粘土を用いるナノ複合材を合成する幾つかの例が示されている。インサイチュー重合法において、「有機粘土」と記事中で呼ばれている疎水的に変性された粘土はモノマーに膨潤され、その後、硬化剤の添加を通してまたは温度の上昇によって重合反応が始まって、ナノ複合材が生成する。重合反応が粘土の離層につながることが考えられる。溶融物挿入法において、溶融熱可塑性樹脂は疎水的に変性された粘土とブレンドされ、その後、ポリマーのガラス転移温度より高い温度で焼鈍されてナノ複合材を生成させる。最後に、溶液重合法において、最初に、疎水的に変性された粘土はトルエンまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で膨潤する。次に、ポリマーは溶媒に溶解し、溶媒中でポリマーは粘土層間に挿入される。その後、溶媒は、得られたナノ複合材から蒸発によって除去される。
【0012】
Kormann中で開示された方法のどれもが水性系内の疎水的に変性された粘土を用いていない。しかし、Kormannには、未処理粘土または非変性粘土を含む溶液重合であって、極性溶媒が脱イオン水である溶液重合を用いてナノ複合材を調製することが論じられている。疎水的に変性された粘土を用いて水性分散液中でナノ複合材を調製する時、著しい処理困難が生じた。これに関して、Elspassらに付与された米国特許第5,883,173号(以後「Elspass」)には、層状(粘土)材料の分散液の存在下でラテックスポリマーを重合またはブレンドすることにより単一段ゴム状ナノ複合材料を調製するプロセスが記載されている。提示された水性ラテックスプロセスにおいて、Elspassには、層を分離するためにオニウム塩などの界面活性剤と合わせて層状材料を水に分散させ、その後、モノマーを約46時間にわたって重合させて、ポリマーが層間に挿入することを可能にすることが開示されている。
【0013】
層を剥離するために界面活性剤を添加する工程は時間がかかる(例えば、Elspassには、20時間にわたる粘土、界面活性剤およびモノマーの混合、その後のもう26時間にわたる重合が開示されている)。さらに、剥離した粘土分散液は非常に粘性である傾向があり、よって加工問題を引き起こす。本発明のプロセスは、Elspassによって開示されたプロセスよりも遙かに速く、低い粘度である。
【0014】
Huangらの参考文献「懸濁重合および乳化重合によるPMMAナノ複合材の合成および特徴付け」,Amer.Chem.S.(2000)(「Huang」)には、懸濁重合または乳化重合によってナノ複合材を生成させるために疎水的に変性された粘土を使用することが記載されている。懸濁重合中、疎水的に変性された粘土は「懸濁安定剤」として用いられるのに対して、乳化重合中、界面活性剤は乳化剤として用いられ、非変性粘土は重合後に添加された。得られたナノ複合材のTgは、本明細書中で開示した用途の多くのために有用であるには高すぎる。さらに、ナノ複合材は、水性系中でなく「溶融プレス」プロセスによって形成される。
【0015】
疎水的に変性された粘土を用いるもう一つの欠点は、粘土を変性するために用いられる界面活性剤がポリマーラテックス乳化液を不安定にしうることである。粘土を分散させるために用いられるオニウム塩などの界面活性剤の多くは乳化剤でもある。場合によって、こうしたオニウム塩変性粘土の存在下で安定なポリマーラテックスを調製するに際して極度な困難が生じうる。こうしたオニウム塩の存在下で、こうした乳化液を安定にしておくために、一般的には大量の乳化剤が必要である。しかし、大量の乳化剤は、ポリマーラテックス粒子の生成に悪影響を及ぼしうる。さらに、不均一なポリマーラテックス粒子の生成は乳化液小滴サイズの変動につながる可能性があり、よって不均一なポリマー粒子サイズを生じさせる。大量の乳化剤は、粒子サイズ分布を一層広げうる「二次粒子」の生成にもつながりうる。乳化液の剪断不安定性、(ポリマープロセスおよびポリマー特性の変動につながる)ポリマー分子量の変動、および粉末に乾燥させる時の特性の劣化(例えば、ポリマー小粒子の存在から生じるダスト)などの広い粒子サイズ分布に付随した問題も多くの場合に存在する。
【0016】
(発明の概要)
従って、水性系に疎水的に変性された粘土を配合して、ポリマー粘土ナノ複合材を調製することは驚くべきことであるとともに意外なことである。本発明の方法は、粒子サイズの制御、安定性および高重合速度を示すポリマー粘土ナノ複合材を提供する。本発明の方法によって、工業的生産および商用生産のために有利である温度などの反応条件の制御が可能になる。本発明の方法によってた水性ナノ複合材分散液の粘度の制御が可能になり、よって高粘度に付随した加工問題を避ける。
【0017】
本発明の方法により製造されたナノ複合材は、好ましくは、例えば、塗料、シーラント、熱硬化性樹脂、布地、布地結合剤、コーキング剤、接着剤など、およびプラスチック添加剤として、様々な組成物中で直接使用するために適する形で提供してよい。本発明のポリマー粘土ナノ複合材は、バリア特性および可撓性などの補助的特性に殆どまたは全く悪影響を及ぼさずに2〜5%の粘土レベルで高い引張強度などの特性の大幅な改善を示す。それに反して、従来の複合材は、大幅な強化を見込むために一般的には15〜30%の充填剤を必要とする。この充填剤レベルで、バリア特性および可撓性などのような補助的特性は劣化する。
【0018】
本発明は、部分的に、水性系中のナノ複合材組成物、および該組成物を調整するプロセスに関する。詳しくは、一実施形態において、ナノ複合材分散液を調製するプロセスであって、重合後にナノ複合材分散液を生成させるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと前記モノマーに分散されている疎水的に変性された粘土とを含む懸濁液を懸濁重合によって重合させることを含むプロセスが提供される。本発明の特定の実施形態において、懸濁重合プロセスは、液媒体内で分散性または可溶性である少なくとも一種の安定剤を供給する工程と、前記疎水的に変性された粘土と前記少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーとを含む粘土分散液を供給する工程と、前記少なくとも一種の安定剤に前記粘土分散液を添加する工程と、ナノ複合材分散液を生成させるために前記モノマーを重合させる工程とを含む。
【0019】
本発明の別の態様は、複数の中空ポリマー粘土ナノ複合材および該複合材を配合した組成物を調製する方法に関する。一実施形態において、中空ポリマー粘土粒子を調製するプロセスであって、ポリマーシードおよび疎水的に変性された粘土を含むポリマーシード分散液を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために前記ポリマーシード分散液を少なくとも一種の多不飽和モノマーおよび任意に少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせる工程と、前記中空ポリマー粘土ナノ複合材粒子を生成させるために前記反応混合物内のモノマーを重合させる工程とを含むプロセスが提供される。本発明の特定の実施形態において、前記供給工程は、10μm以下の数平均径を有する前記ポリマーシードを溶媒内で膨潤させる工程と、前記ポリマーシード内の溶媒を蒸発させる工程とをさらに含む。
【0020】
本発明のもう一つの態様は、ポリマー粘土ナノ複合材コロイドおよび該コロイドを配合した組成物を調製する方法に関する。一実施形態において、ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを調製するプロセスであって、重合後に前記ナノ複合材コロイドを生成させるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと前記モノマーに分散されている疎水的に変性された粘土とを有する懸濁液をミニ乳化重合によって重合させることを含むプロセスが提供される。本発明の特定の実施形態において、ミニ乳化重合は、少なくとも一種の界面活性剤を含む水性混合物を供給する工程と、粘土水性分散液を生じさせるために、疎水的に変性された粘土および少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも一種の界面活性剤および任意に少なくとも一種の共界面活性剤を供給する工程と、モノマー粘土水性分散液を生じさせるために攪拌条件下で前記水性混合物に前記粘土分散液を添加する工程と、前記モノマーおよび前記粘土を含む複数のミニ乳化液小滴を生じさせるために、前記モノマー粘土水性分散液を処理する工程と、前記ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生成させるために、前記ミニ乳化液小滴内のモノマーを重合させる工程とを含む。
【0021】
本発明のなおもう一つの態様は、ポリマー粘土ナノ複合材分散液および該分散液を配合した組成物を調製する方法に関する。一実施形態において、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製するプロセスであって、複数の粘土粒子上に吸着された複数のポリマーラテックス粒子を含む水性懸濁液を供給する工程と、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせるために前記懸濁液内で前記ポリマーを可動化させる工程とを含むプロセスが提供される。本発明の特定の実施形態において、前記可動化工程は、前記ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせる温度に、前記ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせる時間にわたって前記懸濁液を加熱する工程を含む。他の実施形態において、前記可動化工程は、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために前記モノマー混合物を水性懸濁液に添加する工程と、反応混合物内のモノマーを重合させる工程とを含む。さらに他の実施形態において、前記可動化工程は、前記水性懸濁液に融合剤を添加する工程と、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる温度に、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる時間にわたって前記水性懸濁液を任意に加熱する工程とを含む。
【0022】
本発明の別の態様は、ポリマー粘土ナノ複合材分散液および該分散液を配合した組成物を調製する方法に関する。一実施形態において、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製するプロセスであって、粘土、少なくとも一種の界面活性剤および少なくとも一種のポリマーラテックスを含む水性分散液を供給する工程と、ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせるために、前記分散液内で前記ポリマーを可動化させる工程とを含むプロセスが提供される。本発明の特定の実施形態において、前記可動化工程は、ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせるのに十分な時間および温度の条件下で、前記分散液を加熱する工程を含む。他の実施形態において、前記可動化工程は、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために前記モノマー混合物を水性分散液に添加する工程と、反応混合物内のモノマーを重合させる工程とを含む。さらに他の実施形態において、前記可動化工程は、前記水性分散液に融合剤を添加する工程と、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる温度に、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる時間にわたって前記水性分散液を任意に加熱する工程とを含む。
【0023】
本発明のなおもう一つの態様は、疎水的に変性された粘土および該粘土を配合した組成物を調製する方法に関する。一実施形態において、疎水的に変性された粘土を調製するプロセスであって、酸粘土と水の混合物を生じさせるために、粘土および少なくとも一種のイオン交換樹脂を含む水性分散液を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために、少なくとも一種の塩基性化合物を前記酸粘土と水の混合物に導入する工程と、前記疎水的に変性された粘土を生じさせるために、前記反応混合物を加熱する工程とを含むプロセスが提供される。
【0024】
本発明のこれらの態様および他の態様は以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0025】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
1.一般
本発明は、水性系中の疎水的に変性された粘土を用いてナノ複合材組成物、ナノ複合材粒子、ナノ複合材コロイドおよびナノ複合材分散液を調製するプロセスに関する。さらに、本発明は、疎水的に変性された粘土を製造するプロセスも提供する。特に、本発明は、乳化重合法、懸濁重合法、溶媒重合法、塊状重合法または他の重合法を通して一個以上の段で調製してよい、疎水的に変性された粘土を用いる様々な水性ナノ複合材組成物を調製する方法を提供する。本発明は、一般的には先行技術の疎水的に変性された粘土を用いると生じる粒子サイズ、粘度または他の属性などの加工問題を克服する。本発明は、例えば、塗料、シーラント、熱硬化性樹脂、布地、布地結合剤、コーキング剤、接着剤、およびプラスチック添加剤としてのこれらの水性ナノ複合材組成物の用途も提供する。
【0026】
例えば、水性ナノ複合材分散液の調製に関連して、本明細書中で開示した本発明の特定の実施形態において、一種以上の別個の水性モノマー反応混合物を初期に調製してよく、その後、この反応混合物のどれか一種または全部のモノマーを多段重合させる。重合の順序および重合方法は、本発明の特定の実施形態に応じて異なってよい。例えば、幾つかの実施形態において、水性反応混合物は、ポリマーラテックスを生成させるために乳化重合または他の方法によって既に重合されている。「水性ナノ複合材分散液」という用語は、水性相、すなわち、水性相、水相および任意に他の成分をさらに含む粘土とポリマーのナノ複合材に関連する。本明細書中で用いられる「段」および「多段」という用語は、「段による」ポリマーおよび「多段による」ポリマーを達成するための種々の手段を開示している、例えば、米国特許第3,793,402号、米国特許第3,971,835号、米国特許第5,534,594号および米国特許第5,599,854号において伝達された意味などの可能な最も広い意味を包含する積もりである。二混合物系を含む特定の実施形態において、第1の水性反応混合物は、一般的にはモノマー混合物を含むのに対して、第2の水性反応混合物は水性粘土分散液および任意にモノマー混合物を含んでよい。特定の実施形態において、第1の水性反応混合物および/または第2の水性反応混合物中のモノマー混合物は、例えば、ポリマーラテックスを含む実施形態などの別個のプロセス工程で乳化してよい。本発明の一実施形態において、水性ナノ複合材分散液内のモノマーの全量を基準にした粘土の重量%は、0.05%〜20%、好ましくは0.1%〜15%、より好ましくは0.1%〜10%、なおより好ましくは0.5%〜5%の範囲内であることが可能である。
【0027】
水性ナノ複合材分散液、水性ナノ複合材中空粒子および水性ナノ複合材コロイドは、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーから誘導された重合単位を含む。本明細書中で用いられる「から誘導された単位」という用語は、既知の重合技術に従って合成されるポリマー分子であって、このポリマーが、その成分モノマー「から誘導された単位」を含むポリマー分子に関連する。好ましくは、エチレン性不飽和モノマーは、水性ナノ複合材分散液内の重合済み単位が水不溶性である、すなわち、水溶解度が全くないか、または僅かしかないように選ばれる。「水不溶性」という用語は、25℃〜50℃で150ミリモル/リットル以下の水溶解度を有することを意味する。
【0028】
モノマー混合物の調製は、一般的には、水および任意に乳化剤と少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーの激しい混合を含む。本発明の他の実施形態において、モノマーを「ニート」で、すなわち、水を用いずに添加してよい。モノマー混合物中のモノマー、水および乳化剤の量は、例えば、選ばれた特定のモノマーおよび/または乳化剤、意図された最終用途および重合技術などに応じて異なってよい。特定の実施形態において、モノマー混合物中のモノマーの量は、好ましくは、25〜100重量%、好ましくは40〜90重量%、さらにより好ましくは60〜80重量%の範囲内である。水性系である場合、モノマー混合物中の水の量は、乳化したモノマー混合物(例えば、モノマー、乳化剤および水)の全重量を基準にして好ましくは0.1〜75重量%、より好ましくは10〜60重量%、さらにより好ましくは20〜40重量%の範囲内である。乳化剤が添加される場合、モノマー混合物中の乳化剤の量は、好ましくは、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜2重量%、さらにより好ましくは0.1〜1重量%の範囲内である。
【0029】
重合させてよいモノマーには、ポリマーハンドブック,第3版,Brandrup and Immergut,Eds.Wiley Interscience,Chapter 2,(1989)に記載されたモノマーなどの技術上一般に知られているエチレン性不飽和モノマーのいずれもが挙げられる。適するエチレン性不飽和モノマーには、例えば、C〜C18アルキル(メタ)アクリレートモノマー(例えば、メチル−、エチル−、プロピル−、n−ブチル、s−ブチル−、t−ブチル、ペンチル−、ヘキシル−、ヘプチル−、n−オクチル、2−エチルヘキシル−、デシル−、ウンデシル−、ドデシル−、ラウリル−、セチル−およびステアリル−(メタ)アクリレートなど)、ビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン、アルファ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレンおよびジビニルベンゼンなど)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニルおよびビニルベルサテートなど)、ビニル不飽和カルボン酸モノマー(例えば、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸)、窒素含有ビニル不飽和モノマー(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびC〜C18アルキル(メタ)アクリルアミドなど)、ジエン(例えば、ブタジエンおよびイソプレン)などが挙げられる。本明細書中で用いられるアルキル(メタ)アクリレートという用語は、アルキルアクリレートモノマー化合物およびアルキルメタクリレートモノマー化合物の両方を意味する。
【0030】
望ましい耐候性を有するナノ複合材組成物を調製する目的では、アルキル(メタ)アクリレートの種類から選ばれたモノマーを用いることが好ましい。低コストで商業的に利用できる水性ナノ複合材分散液を提供する目的では、エチレン性不飽和モノマーがC〜C18アルキルメタクリレート、C〜C18アルキルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ブタジエンおよびビニル芳香族モノマーなどからなる群から選ばれることが好ましい。塗料および接着剤を調製するために水性ナノ複合材分散液を用いる目的では、C〜C18アルキル(メタ)アクリレートモノマー、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、ビニルベルサテートおよびビニル芳香族モノマーなどを用いることが好ましい。比較的低いコストおよび商業的入手可能性のゆえに様々な用途で水性ナノ複合材分散液を提供する目的では、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、ブタジエン、アクリル酸およびメタクリル酸モノマーを用いることが遙かにより好ましい場合がある。
【0031】
本発明の特定の実施形態において、一種以上の多不飽和モノマーは、任意に少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを含んでよい反応混合物、懸濁液または分散液に添加してよい。本明細書中で用いられる多不飽和モノマーは、架橋剤またはグラフトリンカーと呼んでもよい。本明細書中で用いられる「架橋剤」という用語は、同種のポリマー分子間に二個以上の共有結合を形成することが可能な多官能性モノマーを指す。本明細書中で用いられる「グラフト連結剤」という用語は、一種のポリマー分子と他のタイプのポリマー分子との間に二個以上の共有結合を形成することが可能な多官能性モノマーを指す。重合させてよいモノマーには、ポリマーハンドブック,第4版,Brandrup and Immergut,Eds.Wiley Interscience,Chapter 2,(1998)に記載されたモノマーなどの技術上一般に知られている多不飽和モノマーのいずれもが挙げられる。適する多不飽和モノマーには、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、アリルメタクリレート、ジアリルマレェート、ジアリルフマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルカルボネート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルセバケート、ジビニルセバケート、ジアリルタルタレート、ジアリルシリケート、トリアリルトリカルバリレート、トリアリルアコニテート、トリアリルシトレート、トリアリルホスフェート、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−エチレンジアクリルアミド、トリビニルベンゼン、グリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、レゾルシノール、グリコールのモノチオ誘導体およびジチオ誘導体のポリビニルエーテル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。多不飽和モノマーのさらに別の非限定的な例には、ブチレングリコールジメタクリレート、並びにエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(「TMPTA」)またはトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのアルカンポリオールポリアクリレートまたはアルカンポリオールポリメタクリレート、ならびにアリルアクリレート、ジアリルマレェートおよび一般的にはアリルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アリルエステルなどが挙げられる。多不飽和モノマーの別の非限定的な例は米国特許第4,582,859号に示されている。
【0032】
特定の好ましい実施形態において、モノマー含有混合物内のモノマーの少なくとも一種は極性モノマーである。本明細書中で用いられる「極性モノマー」という用語は、部分的または完全に負の電荷を有するモノマーを表す。これらのモノマーの例には、酸官能基、ホスフェート官能基またはスルフェート官能基を含むモノマーが挙げられるが、それらに限定されない。極性モノマーのさらに別の例は、ヒドロキシル、エステル、エーテル、アミド、アルデヒドおよびケトン官能基を含むモノマーである。好ましくは、極性モノマーは酸含有モノマーである。本明細書中で用いられる「酸含有モノマー」という用語は、一個以上の酸官能基または酸無水物、例えば無水メタクリル酸などの、酸を形成することが可能な官能基を含むいかなるエチレン性不飽和モノマーも意味する。酸含有モノマーの例には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸などのカルボン酸保有エチレン性不飽和モノマー、アクリルオキシプロピオン酸および(メタ)アクリルオキシプロピオン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、エチルメタクリレート−2−スルホン酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸保有モノマー、ホスホエチルメタクリレート、酸含有モノマーの対応する塩、またはそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の他の実施形態において、極性モノマーは、部分的または完全に負の電荷を有するとともに末端不飽和などの一個以上の不飽和点を有する、三量体などの極性オリゴマーまたは不飽和オリゴマーを含む。本発明の特定の実施形態において、極性モノマーは、塩基に可溶性(すなわち、多くのCOH基を含むとともにアルカリ可溶性である)でありうる低分子量高分子安定剤を含む。これらの極性高分子安定剤の幾つかの非限定的な例には、登録商標モレツまたは登録商標タモル731が挙げられ、両方ともペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製である。これらの実施形態において、系内の極性安定剤の量は、20〜50重量%の範囲であってよい。モノマー混合物が乳化される実施形態において、適する乳化剤には、アルキル−、アリール−、アラルキル−、アルカリール−スルフェートまたはスルホネート;アルキル−、アリール−、アラルキル−、アルカリール−ポリ(アルコキシアルキル)エーテル;アルキル−、アリール−、アラルキル−、アルカリール−ポリ(アルコキシアルキル)スルフェート;オレイン酸カリウムなどの長鎖脂肪酸のアルカリ塩および一般的にはアルキルジフェニルオキシドジスルホネートなどの乳化重合で従来から用いられている乳化剤を挙げることができるが、それらに限定されない。好ましい乳化剤には、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩およびジオクチルスルホコハク酸塩を挙げることができる。
【0033】
反応混合物がポリマーラテックスまたはポリマーラテックス粒子を含んでよい実施形態において、ポリマーラテックスは、前述したモノマーのいずれからも調製、すなわち重合してよい。好ましくは、ポリマーラテックスまたはポリマーラテックス粒子は、粘土粒子の存在しない状態で水性媒体中で重合される。一実施形態において、ポリマーラテックスは、少なくとも一種の重合性酸含有モノマーを含むモノマー混合物を用いて乳化重合によって調製される。ここで酸含有モノマーは、イタコン酸、アルコールの二水素ホスフェートエステル、重合性オレフィン基を含むアルコール、燐酸またはメタクリル酸からなる群から選んでよい。本発明のポリマーラテックスまたはポリマーラテックス粒子中で用いられる別のモノマーは、例えば、VogelらによるWO93/12184号に示されている。
【0034】
特定の実施形態において、反応混合物は水性粘土分散液を含んでよい。水性粘土分散液は、水性ナノ複合材分散液中のモノマーの重量を基準にして少なくとも0.05重量%、一般的には0.1〜20重量%、より一般的には0.1〜15重量%、さらにより一般的には0.1〜10重量%、最も一般的には0.5〜5重量%の粘土を含む。水性粘土分散液中に存在する水の量は70重量%から殆ど100重量%である。特定の実施形態において、水性粘土分散液は、本明細書中で開示したモノマーなどの少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物も含んでよい。好ましくは、混合物内のエチレン性不飽和モノマーの少なくとも一種は極性モノマーである。モノマー混合物が水性粘土分散液に添加される実施形態において、水性粘土分散液内のモノマーの重量%は0.01〜100重量%であってよい。
【0035】
水性粘土分散液のために適する粘土には、挿入または剥離されることが可能ないかなる天然層状鉱物または合成層状鉱物も挙げられる。こうした粘土の例には、例えば、層状シリケート材料を挙げることができる。用いてよい層状シリケート鉱物には、層間化合物を形成することが可能な天然鉱物および合成鉱物が挙げられる。幾つかの天然鉱物の例には、スメクタイト、フィロ珪酸塩、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、モントロナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、バーミキュライト、カオリナイトおよびハロサイトとして知られているものが挙げられるが、それらに限定されない。モンモリロナイトがこれらの鉱物の中で好ましい。合成鉱物または合成フィロ珪酸塩の幾つかの非限定的な例には、ノースカロライナ州シャーロットのLaporte Industries社によって製造される登録商標ラポナイト、マガダイトおよびフルオロヘクトライトを挙げることができる。
【0036】
粘土は、一般的には、粘土表面の実効負電荷に引き付けられる、ギャラリー内に存在するカリウム、カルシウムまたはナトリウムなどの少なくとも一種の天然カチオン、すなわち第1のカチオンを有する。例えば、モンモリロナイトのような粘土は、ナトリウムまたはカルシウムなどの天然カチオン、すなわち第1のカチオンを伴って採掘されうる。「ナトリウム形態」または「カルシウム形態」という用語は、それぞれナトリウムまたはカルシウムである第1のカチオンを有する粘土を指す。
【0037】
粘土のカチオン交換容量(「CEC」)は、粘土のイオン交換容量、または粘土表面上に吸着されうる正電荷の全量に関連し、それは、コロイド粒子単位質量当たりの正電荷、すなわちSI単位で「単位質量当たりのクーロン」によって表現される。それは、グラム当たりのミリ当量(meq/g)または100グラム当たりのミリ当量(meq/100g)でも測定してよい。1meq/gのCECは、SI単位で96.5C/gに相当する。代表的な粘土材料に関する幾つかのCEC値は次の通りである。モンモリロナイト粘土は70〜150meq/100gの範囲であり、ハロサイト粘土は40〜50meq/100gの範囲であり、カオリン粘土は1〜10meq/100gの範囲である。本発明の特定の実施形態において、選ばれた粘土は、好ましくは、より高いCEC値を有する。好ましい形態において、本発明において用いられる粘土は、40meq/100g以上のCEC容量、好ましくは70meq/100g以上のCEC容量、より好ましくは90meq/100g以上のCEC容量、さらにより好ましくは100meq/100g以上のCEC容量を有してよい。
【0038】
本発明において、水性粘土分散液内の粘土は、部分的に剥離されているか、または完全に剥離されているかのいずれであってもよい。好ましくは、粘土は少なくとも部分的に剥離された粘土である。本明細書中で用いられる「少なくとも部分的に剥離された粘土」という用語は、一般に層が完全にまたは部分的に互いに分離されている粘土を指す。それに反して、「剥離されていない粘土」という用語は、一般に分離された層として存在しない粘土の物理的状態を指す。ポリマー中の疎水的に変性された粘土のより大きな剥離は、一般に、より強化された特性につながる。「挿入された」という用語は、一般にポリマーが系内の粘土の層間に差し挟まれる状態を指す。「部分的に挿入された」という用語は、一般に系内の粘土層の一部の層が層間にポリマーを有し、その他の粘土層がポリマーをもたない状態を指す。ポリマー系および粘土系の種々の状態のどれも本発明において用いてよい。
【0039】
完全に(十分に)剥離された粘土の水性分散液は、一般的には数%より高い粘土濃度でかなり粘ちゅうおよび/またはゼラチン状である。こうした非常に粘性のゲルを形成させる粘土の厳密な重量%(濃度)が、粘土の種類、温度およびpHなどに限定されないが、それらを含む多くの要素に応じて決まることが当業者に認められるべきである。一般的には、粘土分散液は、粘性ゲルではなく易流動性液体を形成する。
【0040】
本発明の幾つかの実施形態は、初期に、水性粘土分散液中に非変性粘土を生じさせてよい。特定の実施形態において、非変性粘土は、ナノ複合材分散液の生成中にインサイチューで疎水的に変性されることになってよい。水性非変性粘土分散液は、部分的に剥離した粘土および/または完全に剥離した粘土を機械的に混合するなどによる剪断力を水性粘土混合物に供することにより調製してよい。界面活性剤を必要とせずに粘土を少なくとも部分的に剥離させるために水中の粘土粒子の物理的一体性を崩壊させる種々の高剪断方法も考慮されている。これらの方法には、超音波処理、メガ音波処理、粉砕/混練、高速ブレンディングおよび均質化などが挙げられるが、それらに限定されない。こうした高剪断方法を本発明のプロセスにおいて用いてよいが、これらの方法は、少なくとも部分的に剥離した状態を達成するために必須ではない。本発明の種々の実施形態において、粘土は、剥離した粘土層と剥離していない粘土粒子の両方を含んでよい。本発明の特定の実施形態において、粘土分散液の均質化は必須ではない。
【0041】
本発明において、非変性粘土中で剥離度を100%完全未満に限定することにより、すなわち、(100%未満の)部分剥離は、一般的には、低い粘度および/またはゲル化のない液状態を有する水性粘土分散液を生じる。従って、粘土層に剥離される粘土の部分は、一般的には粘度増加の主たる寄与をもたらす一方で、剥離されていない部分(すなわち、粘土粒子)は粘度増加に僅かな寄与しかもたらさない。従って、水性粘土分散液中で部分的に剥離した粘土の全量は、分散液の全重量を基準にして一般的には数重量%未満、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下、さらにより好ましくは3重量%以下である。ポリホスフェートに限定されないが、ポリホスフェートなどの分散剤によって、水性粘土分散液の粘度の低下を助けてよいことは考慮されている。
【0042】
疎水的に変性された粘土を本発明の方法と合わせて用いてよい。本発明の特定の実施形態において、粘度を少なくとも部分的に疎水的に変性してよい。前述したように、界面活性剤などの薬剤は、例えば、粘土内に存在する天然カチオンとイオン交換することにより粘土の表面の化学的性質を変性する。これは、界面活性剤が個々の層間に「挟まれ」、よって天然カチオンを置き換える「挿入された」状態を生じさせる。幾つかの代表的な薬剤には、界面活性剤(例えば、アミノ酸、アルキルアンモニウムイオン)、シラン、アミノメチルスチレンまたはリビングラジカル重合開始剤(LFRP)を挙げることができるが、それらに限定されない。
【0043】
一般的な界面活性剤には、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または親水性頭基と少なくとも一個の親油性尾基を有する非イオン界面活性剤であって、尾基が水素、炭素原子数4〜30のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基から尾が選ばれる非イオン界面活性剤を挙げることができる。本明細書中で用いられる「カチオン界面活性剤」という用語は、水性媒体に溶解した時、疎水性部分または親水性部分、好ましくは親水性部分が正電荷を保持する界面活性剤を表す。代表的なカチオン界面活性剤には、例えば、第四アンモニウムカチオン、第四ホスホニウムカチオン、あるいは第三スルホニウムカチオンまたは脂肪酸およびロジン酸から誘導された脂肪族モノアミン、ジアミンおよびポリアミンを含む塩などのオニウム塩を挙げることができる。提示した代表的な界面活性剤において、正電荷は、一般に、アミノ窒素または第四窒素上に存在する。
【0044】
本発明の特定の実施形態と合わせて用いてよい界面活性剤の幾つかの非限定的な例は、米国特許第4,473,657号および米国特許第2,531,427号に見られる。米国特許第4,473,657号には、粘土を変性するための、ジメチルベンジル(水素添加タロー)アンモニウム化合物の10重量%〜90重量%のジメチルジ(水素添加タロー)アンモニウム化合物の混合物などの第四アンモニウム化合物の使用が開示されている。米国特許第2,531,427号には、アンモニウムの同級体であるとともに元素Xを含む類型RXHyによって定義され、オキソニウム、カルボニウムまたはスチボニウムの付加化合物と考えてよいオニウム化合物の使用が開示されている。ここで、Xは、アンモニウム、ホスホニウム、アルソニウムおよびスチボニウム中などの五価、オキソニウム、スルホニウム、セレニウムおよびスタノニウム化合物中などの四価、ヨードニウム化合物中などの三価であってよい。米国特許第2,531,427号に提示された化合物には、脂肪族、環式、芳香族およびヘテロ環式のアミンである第一アミン、第二アミン、第三アミンおよびポリアミンの塩、ならびにトリフェニルアルキルホスホニウム−アソニウム−スチボニウム−ハロゲン化物、あるいはジアルキル−またはアリール−スルホニウムおよびセレノニウムハロゲン化物などの一価または多価オニウム化合物などの第四アンモニウム化合物、ならびに2,5ジアルキルガンマピロン塩酸塩などのピロンが挙げられる。
【0045】
本発明の幾つかの実施形態において、粘土は、酸イオン交換プロセスによって疎水的に変性してよい。本明細書中で用いられる「酸イオン交換プロセス」という用語は、水素イオンを粘土の表面上のカチオンと交換することにより、粘土をより酸性にするためにイオン交換樹脂を粘土に添加することを含む。本明細書中で用いられる「酸粘土」という用語は、イオン交換樹脂で処理されている粘土を意味する。イオン交換樹脂は、一般に、周囲溶液から反対電荷のイオンを引き付けることができる正または負に帯電した化学反応性基を含む高分子化合物である。電気的に帯電した基には、例えば、スルホン酸塩またはカルボン酸塩あるいは第四アンモニウム塩を挙げることができる。酸基を含むポリマーは、一般に、水素イオンおよび金属イオンなどの正に帯電したイオンを交換するので「酸」または「カチオン交換剤」として分類される。アンモニウム基を含むポリマーは、負に帯電したイオン、通常は水酸化イオンまたはハロゲン化物イオンを交換するので「塩基性」または「アニオン交換剤」として分類される。イオン交換樹脂の幾つかの非限定的な例には、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、メタクリル酸−ジビニルベンゼンポリマーおよびフェノール−ホルムアルデヒドポリマーが挙げられる。イオン交換樹脂の別の例は、Robert Kunin,イオン交換樹脂,第2版.(1958、再刊1990)に示されている。好ましくは、ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製の登録商標AMBERLITE 1RN−77などのカチオン交換樹脂を本発明の特定の実施形態で用いてよい。バッチサイズに応じて大過剰で水性粘土分散液に好ましくは添加されるイオン交換樹脂の量は、水性分散液中の粘土の乾燥重量を基準にして好ましくは50,000重量%〜100重量%、より好ましくは10,000重量%〜1,000重量%、さらに最も好ましくは8,000重量%〜4,000重量%である。
【0046】
本発明の特定の実施形態において、酸粘土は、ポリマー粘土ナノ複合材の生成前に調製してよい。これに関連して、酸粘土は、一種以上の粘土、脱イオン水およびイオン交換樹脂を含有する水性分散液を供給することにより調製してよい。分散液は、特定の温度で特定の時間にわたり攪拌される。好ましくは、水性分散液は、2〜24時間、好ましくは4〜12時間、さらにより好ましくは6〜10時間にわたり攪拌される。水性分散液を攪拌する温度条件は、好ましくは20℃〜120℃、より好ましくは50℃〜100℃、最も好ましくは60℃〜80℃である。イオン交換樹脂は、酸粘土と水の混合物を生じさせるために、好ましくは濾過または類似手段を通して分散液から除去される。
【0047】
本発明の特定の実施形態において、酸粘土と水の混合物内の粘土は、塩基性化合物に供することを通して疎水的に変性してよい。本明細書中で用いられる「塩基性化合物」は、酸粘土から陽子を受け入れるような酸粘土と相互作用することが可能ないかなる化合物にも関連する。有利なことに、この相互作用は、酸粘土をハロゲン化第四アンモニウムで処理する一般的な実施技術とは対照的に、水酸化第四アンモニウムと酸粘土の反応のように水の生成をもたらす。本発明において用いてよい塩基性化合物の例には、第一アミン、第二アミンまたは第三アミン、あるいはピリジン塩基または第四アンモニウムの水酸化物などの水溶性塩基が挙げられるが、それらに限定されない。前の例の中で、水酸化第四アンモニウムが好ましい。塩化物などの類似化合物と比べた水酸化第四アンモニウムの使用は、より低い塩含有率の製品を生じさせる。塩基性化合物は、酸粘土と水の混合物の中に塩基性化合物を有する水溶液を組み込むことを通して酸性粘土に添加してよい。あるいは、塩基性化合物を原液で添加してよい。酸粘土と水の混合物に添加される塩基性化合物の量は、水性分散液中の粘土のCECを基準にして好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.2〜1.5、最も好ましくは0.5〜1.2meq/gである。
【0048】
塩基性化合物を有する水溶液と酸粘土と水の混合物、または組み込まれた混合物は、粘土を疎水的に変性するために特定の時間および温度の条件下で攪拌される。好ましくは、組み込まれた混合物は、好ましくは2〜24時間、より好ましくは4〜12時間、最も好ましくは6〜10時間にわたって攪拌される。組み込まれた混合物を攪拌する温度条件は、好ましくは60℃〜120℃、より好ましくは70℃〜110℃、最も好ましくは80℃〜100℃である。粘土は、好ましくは濾過または類似手段を通して組み込まれた混合物から除去され、リンスされ、乾燥させて粘土から過剰の水を除去し、粉砕して疎水的に変性された粘土を生じさせる。
【0049】
特定の実施形態において、水性粘土分散液、反応混合物および/または水性懸濁液は攪拌によって分散させる。混合物が粘土を含む実施形態において、粘土粒子が少なくとも部分的に剥離される限り、いかなる機械的混合装置も適することが可能である。より好ましくは、粘土粒子はナノ複合材分散液内で粘土を均一に分散させるために混合される。20%以下の粘土を含有する変性水性粘土分散液を調製するために、例えば、登録商標カウレスメカニカルミキサーを用いてよいが、0.1〜10%の粘土を含有する水性粘土分散液を調製するために、メカニカルホモジナイザを用いることが、より好ましい。攪拌の別の非限定的な例には、超音波または他の適する手段を挙げることができる。
【0050】
重合工程は、一般的には、反応物(モノマー、開始剤、任意の乳化剤、水性粘土分散液および任意の連鎖移動剤)が適切に組み合わされ、混合され、水性媒体中で反応し、熱が反応器に伝達でき、反応器から除去できる、適する反応器内で行われる。反応物は、好ましくは、経時的に(半回分式プロセスの場合のように徐々に)ゆっくり、連続で、あるいは「一回」(バッチ式)として迅速に反応器に添加される。
【0051】
種々の開始剤はラジカル開始の技術上知られており、本明細書中で記載された方法中で用いてよい。開始剤系の選択は、用いられる重合技術に応じて異なってよい。こうした系の例には、例えば、過硫酸塩、アゾ、またはメタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、イソアスコルビン酸などの還元剤と組み合わせた過酸化物、あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。鉄などの金属助触媒も、こうしたレドックス開始剤系中で任意に用いてよい。プロセスの種々の工程で一般的に用いられるラジカル開始剤は、10℃〜100℃、好ましくは20℃〜95℃、より好ましくは55℃〜90℃の温度範囲で行われるラジカルレドックス重合において従来法で用いられた開始剤である。高温向けに設計される装置を用いれば、100℃より高い温度が可能である。レドックス開始を含む幾つかの実施形態において、開始温度は、レドックス開始に関して好ましくは85℃未満、より好ましくは60℃未満に保たれる。過硫酸塩による熱開始を含む他の実施形態において、80℃〜90℃の範囲内の温度が用いられる。
【0052】
本発明の実施形態において、モノマーは、反応器に回分式(「一回」)で添加しても、または経時的に連続でフィードしてよい。0.5〜18時間、好ましくは1〜12時間、さらにより好ましくは2〜6時間にわたり経時的に反応器に水性反応混合物を徐々に添加することによる連続フィードは、反応温度を制御するために有用である。
【0053】
任意に、ポリマーの分子量を制御するために、少なくとも一種の連鎖移動剤を重合中に組み込んでよい。アルキルメルカプタンに限定されないが、アルキルメルカプタンなどの連鎖移動剤または連鎖移動剤の混合物は技術上知られており、分子量を制御するために用いてよい。
【0054】
II.懸濁重合によるナノ複合材分散液の調製
本発明の特定の実施形態において、水性ナノ複合材分散液を調製するプロセスであって、重合後にナノ複合材分散液を生成させるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと前記モノマーに分散されている疎水的に変性された粘土とを含む懸濁液を懸濁重合によって重合させることを含むプロセスが提供される。懸濁液中に存在するモノマーの量は、懸濁液内の原料の乾燥重量を基準にして30重量%〜99重量%、好ましくは45重量%〜99重量%、より好ましくは60重量%〜98重量%である。本明細書中で用いられる懸濁重合は、一般に、液媒体に一種以上のモノマーの懸濁液を分散させることを含み、ここでモノマーは小滴として重合される。液媒体は、好ましくは水であるが、過弗化炭化水素などの他の媒体も使用してよい。機械的攪拌に加えて懸濁液に一種以上の安定剤を添加するのはモノマー小滴の凝集の防止を助ける。懸濁重合の別の非限定的な例は、Gorge Odian「重合の原理」,第2版John Wiley and Sons,NY(1981),pp287〜288に示されている。
【0055】
本明細書中で用いられる分散重合は懸濁重合の変形である。しかし、分散重合で用いられる開始剤および分散剤は水溶性でよいのに対して、懸濁重合においては、液媒体が水である場合、分散剤は水不溶性であってよい。本発明の特定の実施形態と合わせて用いてよい水不溶性無機安定剤または分散剤の幾つかの非限定的な例としては、例えば、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、カオリンおよび珪酸マグネシウムが挙げられる。水溶性安定剤または分散剤の例には、任意に無機電解質と組み合わせた、例えば、ゼラチン、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)およびポリ(メタクリル酸)のアルカリ塩などの有機ポリマーを挙げることができる。本発明の特定の実施形態で用いてよい別の安定剤または分散剤は米国特許第4,582,859号に示されている。好ましくは、懸濁液内で用いられる安定剤は、水または別の溶媒であってよい液媒体内で分散性または可溶性である。懸濁液に添加してよい安定剤または分散剤の量は、懸濁液内の原料の乾燥重量を基準にして0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、さらにより好ましくは0.01重量%〜2重量%である。任意に、液媒体内のモノマーの溶解度を低下させるために、懸濁液に0%から無制限量までの範囲の量で塩を添加してよい。懸濁液に添加してよい開始剤は、用いられる重合技術および液媒体に応じて異なる。用いられる重合技術および液媒体に応じて、開始剤は水不溶性であってよい。
【0056】
本発明の特定の好ましい実施形態において、水性ナノ複合材分散液を調製するプロセスであって、液媒体内で可溶性または分散性である少なくとも一種の安定剤を供給する工程と、疎水的に変性された粘土および少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを含む粘土分散液を供給する工程と、粘土分散液を少なくとも一種の安定剤に添加する工程と、ナノ複合材分散液を生成させるためにモノマーを重合させる工程とを含むプロセスが提供される。
【0057】
本発明の懸濁重合法から生成するポリマー・粘土ナノ複合材粒子の数平均径は1〜10,000μmの範囲であってよい。
【0058】
III.中空ポリマー粘土ナノ複合材粒子の調製
本発明の特定の実施形態において、複数の中空ポリマー粘土ナノ複合材粒子を調製するプロセスが提供される。好ましい実施形態において、本プロセスは、ポリマーシードおよび疎水的に変性された粘土を含むポリマーシード分散液を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために前記ポリマーシード分散液を少なくとも一種の多不飽和モノマーおよび、任意に少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせる工程と、中空ポリマー粘土ナノ複合材粒子を生成させるために前記反応混合物内のモノマーを重合させる工程とを含む。本発明の特定の好ましい実施形態において、前記供給工程は、10μm以下の数平均径を有する前記ポリマーシードを溶媒内で膨潤させる工程と、前記ポリマーシード内の溶媒を蒸発させる工程とをさらに含む。これらの工程は、様々な異なる順序で行ってよい。例えば、疎水的に変性された粘土はポリマーシード懸濁液中に、あるいは溶媒および/またはモノマー混合物と合わせて導入してよい。
【0059】
好ましい実施形態において、モノマーの混合物は、所望の粒子サイズを制御するためにポリマーシード分散液の存在下で重合してよい。ポリマーシードは、一種以上の安定剤および開始剤を含む水性懸濁液中で、一種以上のエチレン性不飽和モノマーの分散重合によって別個の工程で調製してよい。分散液は、懸濁液内のモノマーを重合させる時間、温度および環境の条件に供される。Okuboらによる記事「ミクロンサイズの単分散架橋中空ポリマー粒子からのトルエンの放出」,Colloid Polym.Sci.279:77〜81(2001)には、ポリマーシード粒子を製造する方法の例が示されている。
【0060】
ポリマーシードは、一般的には、得られるポリマーの構造および/またはモルホロジーを制御するためにも用いられる。ポリマーシード分散液は、20μm未満、好ましくは10μm未満、さらにより好ましくは2μm未満の数平均粒径を有する小粒子を含んでよい。一般的なシード粒子は、モノマー混合物中で用いられるモノマーの組成に似た組成、またはモノマー混合物中で用いられるモノマーの組成とは異なる組成を有してよい。ポリマーシード分散液は、ゴム状材料のポリマー粒子を含んでよく、コアポリマーに組成が似ていても、あるいはコアポリマーと組成が異なっていてもよい。本明細書中で用いられるゴム状という用語は、ガラス転移温度、すなわちTgより高いポリマーの熱力学的状態を表す。あるいは、シードは、Myersらによる米国特許第3,971,835号で教示されたように屈折率を調節するために用いてよい硬い非ゴム状ポリマー粒子(例えば、ポリスチレンまたはポリメチルメタクリレート)を含んでよい。
【0061】
好ましくは、ポリマーシード分散液は疎水的に変性された粘土をさらに含んでよい。本発明の特定の実施形態において、疎水的に変性された粘土をポリマーシード懸濁液に導入してよい。ポリマーシード分散液は、反応混合物を生じさせるために、少なくとも一種の多不飽和モノマーおよび任意に少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを好ましくは含むモノマー混合物と組み合わされる。反応混合物内のモノマーとポリマーシードの比は、モノマーとポリマーシードのそれぞれの乾燥重量を基準にして2対50、好ましくは2対25、より好ましくは2対10である。
【0062】
添加の順序に応じて疎水的に変性された粘土を含んでいても、あるいは含んでいなくてもよい反応混合物内のポリマーシードは、制御された時間、温度および環境の条件下で溶媒内で「膨潤」している。米国特許第5,043,404号および米国特許第5,215,847号ならびにOkuboらによる記事「ミクロンサイズの単分散架橋中空ポリマー粒子からのトルエンの放出」,Colloid Polym.Science279:77〜81(2001)およびOkuboらによる記事「中空構造を有するミクロンサイズの単分散架橋ポリマー粒子の製造」,Macromol.Symp.101,509〜516(1996)には、モノマー混合物内の「動的膨潤法」と一部の参考文献で呼ばれた、ポリマーシード粒子の膨潤方法が示されている。膨潤工程で用いてよい溶媒の例には、キシレンまたはトルエンが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、溶媒対ポリマーシードの比は5:1である。本発明の幾つかの実施形態において、疎水的に変性された粘土は、溶媒および/またはモノマー混合物と合わせて導入してよい。反応混合物内のモノマーの量は、得られる中空ナノ複合材粒子の粒子サイズに影響を及ぼしうる。反応混合物内のより多い量のモノマーが5μm以上の数平均粒子サイズ径を有する粒子を生じさせることが考えられる。ポリマーシードが膨潤し溶媒が蒸発した後に、反応混合物内のモノマーは重合し、よって中空ポリマー粘土ナノ複合材粒子が生じる。
【0063】
生じた中空ポリマー・粘土ナノ複合材粒子の数平均径は1〜10μmの範囲であってよい。生じた中空ポリマー・粘土ナノ複合材粒子のTgは−80℃〜140℃の範囲であってよい。
【0064】
IV.ミニ乳化重合によるポリマー粘土ナノ複合材コロイドの調製
本発明の特定の実施形態において、ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを調製する方法であって、重合後に前記ナノ複合材コロイドを生成させるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと前記モノマーに分散されている疎水的に変性された粘土とを含む懸濁液をミニ乳化重合によって重合させることを含む方法が提供される。本発明の特定の好ましい実施形態において、ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを調製する方法であって、少なくとも一種の界面活性剤を含む水性混合物を供給する工程と、粘土分散液を生じさせるために、疎水的に変性された粘土、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも一種の界面活性剤および任意に少なくとも一種の共界面活性剤を供給する工程と、モノマー粘土水性分散液を生じさせるために、攪拌条件下で前記水性混合物に前記粘土分散液を添加する工程と、前記モノマーおよび前記粘土を含む複数のミニ乳化液小滴を生じさせるために、前記モノマー粘土水性分散液を処理する工程と、前記ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生成させるために、前記ミニ乳化液小滴内のモノマーを重合させる工程とを含む方法が提供される。
【0065】
本明細書中で用いられる「コロイド」という用語は、0.05〜1μmの数平均粒子サイズ範囲を有する複合材粒子を指す。本明細書中で用いられる「ミニ乳化重合」という用語は、一般に分散液内のモノマー小滴のサイズ範囲が0.05〜1μmであってよい安定なサブミクロン水中油分散液を含む方法に関連する。ミニ乳化重合技術の詳しい議論は、E.D.Sudolらによる「ミニ乳化重合」,Emulsion Polymerization and Emulsion Polymers,John Wiley and Sons,NY(1997),pp.700〜722に示されている。Erdemらによる参考文献「ミニ乳化重合による無機粒子のカプセル化」,Proc.Am.Chem.Soc.(Div Polym Mater Sci Eng)1999,80,583、およびErdemら「ミニ乳化重合による無機粒子のカプセル化III.カプセル化のキャラクタリゼーション」,Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.38,4441〜4450(2000)には、ミニ乳化重合に関する幾つかの代表的な方法が示されている。分散液は、一般的には、油、水、界面活性剤および任意に共界面活性剤を含む系を剪断することにより得られる。水性分散液の小さい小滴サイズのゆえに、ミニ乳化液内のモノマー小滴が粒子核形成のための主サイトになりうることが考えられる。
【0066】
ミニ乳化液内のモノマー小滴の安定性は、任意の共安定剤と合わせた安定剤の使用から生じうる。安定剤には、例えば、本明細書中で前述した界面活性剤のいずれをも挙げることができる。共安定剤を用いる実施形態において、共安定剤は、好ましくは、例えば、セチルアルコール、ヘキサンまたはヘキサデカノールなどの低分子量水不溶性化合物である。混合物に添加してよい界面活性剤の量は、混合物内のモノマーの重量を基準にして0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%、より好ましくは1重量%〜3.4重量%である。混合物に添加するなら、共界面活性剤の量は、混合物内のモノマーの重量を基準にして0.1重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、より好ましくは2重量%〜8重量%である。
【0067】
本発明の特定の実施形態において、疎水的に変性された粘土は、粘土分散液を生じさせるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマー、少なくとも一種の界面活性剤および任意に少なくとも一種の共界面活性剤を含む混合物内で分散させる。分散液は、例えば、本明細書中で前述した水溶性開始剤のいずれなどの水溶性開始剤をさらに含む。粘土分散液は、モノマー粘土水性分散液を生じさせるために、少なくとも一種の界面活性剤を含む水性混合物に添加してよい。粘土分散液を水性混合物に添加する工程は、時間、温度および添加速度などの制御された条件下で且つ攪拌下で行われる。攪拌は、例えば、特定の時間にわたるモノマー粘土水性混合物の激しい攪拌および/または超音波処理(すなわち、超音波攪拌)を通して実行してよい。例えば、粘土分散液は、20分間にわたる攪拌下で水性混合物にゆっくり添加してよく、その後、コネチカット州ダンベリーのBranson社製のBranson Inc.Model450Sonifierなどの超音波処理装置を用いて30分に至るまでの様々な時間間隔にわたって超音波処理してよい。
【0068】
モノマー粘土水性分散液は、モノマーおよび粘土を含む複数のミニ乳化液小滴を含むミニ乳化液を生じさせるために処理される。本明細書中で用いられる「処理された」または「処理する」という用語は、超音波処理、高剪断、ミクロ流動化、均質化または適する他の手段によってモノマー粘土水性分散液からミニ乳化液小滴を生じさせることに関連する。モノマー粘土水性分散液は、好ましくは、例えば、マサツセッチュ州ニュートンのMicrofluidics社製であるミクロフルイディックスモデル110Tミクロフルイダイザー(Microfluidics Model110 T Microfluidizerなどのミクロ流動化装置によって処理される。その後、ミニ乳化液は、ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生成させるために、技術上知られているか、または本明細書中で開示された重合技術のいずれかを用いて重合される。得られたコロイド粒子の粒子サイズは、0.05〜1、好ましくは0.08〜1、さらにより好ましくは0.08〜0.5μmの範囲である数平均粒径を有する。ナノ複合材コロイドの得られる特性は、分散液に添加されるモノマー(複数を含む)または他の添加剤に応じて異なる。但し、ナノ複合材コロイドのTgは、−80℃〜140℃、好ましくは−40℃〜60℃、より好ましくは−10℃〜30℃の範囲であることが好ましい。本発明の目的において、ナノ複合材の全体的な組成を用いるFoxの式によってTgは計算されるべきである。
【0069】
V.ラテックス吸着によるポリマー粘土ナノ複合材分散液の調製
本発明は、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製する方法であって、複数の粘土粒子上に吸着された複数のポリマーラテックス粒子を含む水性懸濁液を供給する工程と、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせるために前記水性懸濁液内で前記ポリマーを可動化させる工程とを含む方法も包含する。本明細書中で用いられる「可動化」という用語は、ポリマーラテックス粒子内のポリマー鎖が懸濁液内で可動化されることになり、懸濁液内の粘土に少なくとも部分的に挿入したり、および/または懸濁液内の粘土を少なくとも部分的に剥離したりするいかなる方法にも関連する。ポリマーを可動化する方法の幾つかの非限定的な例には、加熱、懸濁液への融合剤の添加、またはモノマーの添加が挙げられる。
【0070】
水性懸濁液内のポリマーラテックス粒子は、様々な方法を用いて粘土粒子上に吸着させてよい。これを実行する一方法はWO93/12184号に示されている。特定の実施形態において、一種以上のポリマーラテックスを含む水性懸濁液が調製される。用いられるラテックスは、アニオン性、カチオン性または非イオン性であってよい。ラテックスの固形物含有率は、5重量%〜65重量%、好ましくは20重量%〜65重量%、より好ましくは30重量%〜50重量%である。好ましくは、ポリマーラテックスは、得られる反応混合物中の粘土とラテックスとの間の親和性を強化するために、0.3重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%の酸含有モノマーを含んでよい。その後、一定量の疎水的に変性された粘土は、ラテックス粘土分散液を生じさせるために水性懸濁液に添加される。懸濁液に添加される粘土の量は、ポリマーラテックス内の固形物の乾燥重量を基準にして600重量%〜2重量%、好ましくは200重量%〜3重量%、より好ましくは100重量%〜5重量%である。ラテックス粘土分散液に任意に添加してよい他の添加剤には、分散剤、界面活性剤および/またはグリコールが挙げられるが、それらに限定されない。ラテックス粘土分散液は、ラテックス粒子が粘土粒子の表面上に自発的に吸着することを可能にするために、特定の時間、温度および環境の条件下で剪断力などの攪拌に供され、よって水性媒体内で懸濁した複合材粒子が生じる。ラテックス粘土混合物は、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは0.5〜12時間、最も好ましくは0.5〜10時間にわたり攪拌される。
【0071】
水性懸濁液内のポリマーは、ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせるために可動化される。加熱を通してポリマーの可動化を行う実施形態において、水性懸濁液を加熱する温度条件は、水性懸濁液中に含まれるポリマーラテックスのTgより20℃高い、より好ましくは30℃高い、最も好ましくは50℃高い。モノマーの添加を通してポリマーの可動化を行う実施形態において、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物は、反応混合物を生じさせるために、粘土粒子の表面上に吸着されたポリマーラテックスの複合材粒子を含む水性懸濁液に添加される。水性懸濁液に添加されるモノマーの量は、水性懸濁液内の固体原料の乾燥重量を基準にして0.1重量%〜25重量%、好ましくは0.5重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%である。反応混合物は、反応混合物内のモノマーを重合させるのに十分な時間および温度条件に供される。融合剤の添加を通してポリマーの可動化を行う実施形態において、水性懸濁液に添加されるモノマーの量は、水性懸濁液内の固体原料の乾燥重量を基準にして0.1重量%〜25重量%、好ましくは0.5重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%である。用いてよい融合剤または融合助剤の例には、登録商標ドワノールDPM融合剤(ミシガン州ミッドランドのDow Chemical社製)が挙げられるが、それらに限定されない。任意に、融合剤を添加した後、水性懸濁液は、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる温度に、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせるための時間にわたって加熱してよい。なおもう一つの実施形態において、可動化工程は、水性懸濁液へのジオクチルフタレートなどの可塑剤の添加を含む。
【0072】
本発明のラテックス吸着法によって形成されたポリマー・粘土ナノ複合材粒子の数平均径は、0.05〜10μm、好ましくは0.08〜5μm、より好ましくは0.01〜2μmの範囲であってよい。この範囲は、水性懸濁液に含まれるラテックス粒子のサイズのゆえに異なってよい。
【0073】
VI.ラテックスの存在下での疎水的に変性された粘土の調製
本発明の他の実施形態において、粘土はポリマーラテックスの存在下で疎水的に変性してよい。一実施形態において、ラテックスは粘土を変性する薬剤と同じ薬剤によって安定化される。これに関連して、本発明は、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製する方法であって、粘土、少なくとも一種の粘土変性剤および少なくとも一種のポリマーラテックスを含む水性分散液を供給する工程と、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせるために前記水性分散液内で前記ポリマーを可動化させる工程とを含む方法を提供する。「粘土変性剤」という用語は、粘土を疎水的に変性するために用いてよい本明細書中で前述した界面活性剤、シランまたは他の薬剤などの、用いてよい一切の薬剤に関連する。
【0074】
本発明の特定の実施形態において、さらに、ポリマーラテックスは、水性ラテックス粘土混合物を生じさせるために、水および非変性粘土を含む水性混合物に添加してよい。このラテックス粘土混合物に、ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせるのに十分な時間および温度の条件下で激しく攪拌しながら、界面活性剤などの一定量の粘土変性剤が添加される。ラテックス粘土混合物は、好ましくは2〜24時間、より好ましくは4〜12時間、最も好ましくは6〜10時間にわたり攪拌される。ラテックス粘土混合物を攪拌する温度条件は、好ましくは20℃〜120℃、より好ましくは50℃〜100℃、最も好ましくは60℃〜80℃である。粘土を疎水的に変性するためにラテックス粘土混合物に界面活性剤またはシランを添加する場合、界面活性剤またはシランの全量は、粘土のCECを基準にして好ましくは0.1〜25、より好ましくは0.2〜10、最も好ましくは0.5〜5meq/lである。
【0075】
前述したように、可動化工程は、ポリマーラテックス粒子内のポリマー鎖が分散液内で可動化されることになり、分散液内の粘土に少なくとも部分的に挿入したり、および/または分散液内の粘土を剥離したりするいかなる方法も含む。ポリマーを可動化する方法の幾つかの非限定的な例には、加熱、分散液への融合剤の添加、可塑剤の添加またはモノマーの添加が挙げられる。本発明の幾つかの実施形態において、前記可動化工程は、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を供給する工程と、反応混合物を生じさせるためにラテックス粘土混合物に前記モノマー混合物を添加する工程と含む。モノマー(複数を含む)は、ラテックス内で重合されるモノマーと同じか、または異なってよい。ラテックス粘土混合物に添加されるモノマー混合物内のモノマーの量は、固形物の乾燥重量を基準にして好ましくは0.1重量%〜25重量%、より好ましくは0.5重量%〜15重量%、最も好ましくは1重量%〜10重量%である。反応混合物内のモノマーまたは二種以上のモノマーは、ナノ複合材を生成させるために重合させる。融合剤の添加を通してポリマーの可動化を行う実施形態において、水性分散液に添加されるモノマーの量は、水性分散液内の固体原料の乾燥重量を基準にして0.1重量%〜25重量%、好ましくは0.5重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%である。用いてよい融合剤または融合助剤の例には、登録商標ドワノールDPM融合剤(ミシガン州ミッドランドのDow Chemical社製)が挙げられるが、それらに限定されない。任意に、融合剤を添加した後、水性分散液は、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる温度に、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせるため時間にわたって加熱してよい。なおもう一つの実施形態において、可動化工程は、水性分散液へのジオクチルフタレートなどの可塑剤の添加を含む。
【0076】
本発明の他の実施形態において、粘土は、酸粘土イオン交換プロセスによって疎水的に変性され、その後、ナノ複合材分散液を製造するために用いられる。これに関連して、ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製する方法であって、酸粘土と水の混合物を生じさせるために、粘土および少なくとも一種のイオン交換樹脂を含む水性分散液を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために、少なくとも一種の塩基性化合物およびポリマーラテックスを前記酸粘土と水の混合物に導入する工程と、ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせるために、前記反応混合物内で前記ポリマーを可動化させる工程とを含む方法が提供される。
【0077】
ラテックスの存在下で疎水的に変性された粘土を調製することを含む本発明の方法により形成されたポリマー・粘土ナノ複合材粒子の数平均径は、0.05〜10μm、好ましくは0.08〜5μm、より好ましくは0.01〜2μmの範囲であってよい。この範囲は、ナノ複合材分散液中に含まれるラテックス粒子のサイズのゆえに異なってよい。
【0078】
VII.用途
水性ナノ複合材粘土−ポリマー分散液は、例えば、塗料、シーラント、コーキング剤、接着剤およびプラスチック添加剤として有用でありうる。水性ナノ複合材粘土−ポリマー分散液を含む塗料組成物は、ブロック、プリントおよびダートピックアップ抵抗、強化されたバリア特性および強化された耐炎性のような改善された特性を示すことが可能である。さらに、本発明の水性ナノ複合材を含む塗料組成物は、膜形成のために追加の融合剤(溶媒)を必要とせずに、より軟らかい結合剤を利用する能力を有することが可能であり、乾燥膜において十分な硬度、靱性およびより低い粘着性を維持する。本発明の塗料組成物のために適する用途には、建築塗料(特に半光沢および光沢向け低VOC用途)、工場向け塗料(金属および木材、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂)、メンテナンス塗料(例えば、金属上)、自動車塗料、コンクリートルーフタイル塗料、弾性屋根塗料、弾性壁塗料および外装断熱仕上げ系およびインキを挙げることができる。水性ナノ複合材分散液が塗料用途への添加剤として提供された時、水性ナノ複合材分散液が硬度を付与しうることがさらに考慮されている。水性ナノ複合材分散液のための別の用途は、不透明ポリマーおよび中空球顔料向けである。水性ナノ複合材分散液を含めると、例えば、より硬く、より耐崩壊性のシェルを提供することが可能であり、あるいは繊維の改質のために適することが可能である。水性粘土−ポリマーナノ複合材分散液のための用途のなお別の非限定的な例には、ポリッシュ剤、結合剤(不織布、紙塗料、顔料印刷またはインクジェット向けの結合剤など)、接着剤(感圧接着剤、フロック加工接着剤または他の水性接着剤など)、プラスチック添加剤、イオン交換樹脂、ヘア固定剤、コーキング剤、トラフィック塗料およびシーラントが挙げられる。水性粘土−ポリマーナノ複合材分散液は、前述した用途に強度および靱性を付与することが可能である。
【0079】
本発明の一実施形態において、水性ナノ複合材分散液は、乾燥後に膜を形成することが可能である(例えば、塗料および接着剤)。この実施形態において、ナノ複合材のポリマーが−80℃〜50℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。ガラス転移温度は、Foxの式(例えば、T.G.Fox、Bull.Am.Physics Soc.,Vol.1,Issue No.3,page123(1956)を参照すること)を用いることにより計算することが可能である。
【0080】
本発明の別の実施形態は、水性ナノ複合材分散液を含有する塗料組成物を調製することを考慮している。塗料組成物は、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、有機着色顔料、無機着色顔料および層状粘土以外の粘土などの顔料および/または充填剤をさらに含んでよい。こうした顔料入り塗料組成物は、好ましくは体積基準で3〜70%の顔料、より好ましくは体積基準で15〜60%の二酸化チタンを含有する。
【0081】
本発明の塗料組成物は、例えば、透明塗料、艶消し塗料、梨地塗料、半光沢塗料、光沢塗料、下塗、表面模様付き塗料、下塗、コーキング剤、シーラント、マスチックおよび接着剤などとして用いてよい。塗料組成物は、塗料技術上周知されている様々な技術によって調製してよい。特定の実施形態において、少なくとも一種の顔料は、登録商標カウレスミキサーによるなどの高剪断混合下で水性媒体によく分散され、あるいは別法として、少なくとも一種の前もって分散させた顔料を用いてよい。その後、水性ナノ複合材分散液は、必要ならば他の塗料補助剤に加えて低剪断攪拌下で水性顔料混合物に添加される。あるいは、水性ナノ複合材分散液は、任意の顔料分散工程において含めてよい。塗料組成物に添加してよい従来の塗料補助剤には、例えば、粘着性付与剤、乳化剤、融合助剤、緩衝剤、中和剤、増粘剤またはレオロジー調整剤、保湿剤、湿潤剤、殺生物剤、可塑剤、発泡防止剤、着色剤、ワックスおよび酸化防止剤などが挙げられる。本明細書中で前述した水性ナノ複合材分散液に加えて塗料組成物は、少なくとも一種以上の別のポリマーも含有してよい。これらの別のポリマーは、好ましくは、中実または中空の高分子顔料を含む膜形成性乳化ポリマーおよび膜非形成性乳化ポリマーのいずれかから選ばれた乳化ポリマーであり、ナノ複合材分散液中の全乾燥ポリマー重量の乾燥重量を基準にして0〜200%のレベルで存在してよい。
【0082】
塗料組成物の固形物含有率は10体積%〜70体積%であってよい。塗料組成物の粘度は、Brookfield粘度計を用い測定して、0.05〜100パスカル秒(Pa・s)、すなわち、50〜100,000センチポイズ(cP)であってよい。塗料組成物の粘度は塗料塗布の方法に応じて異なってよい。
【0083】
塗料組成物は、例えば、ロール被覆、ドクターブレード塗布、印刷方法、空気噴霧、空気支援噴霧、無空気噴霧、高体積低圧噴霧、空気支援無空気噴霧および押出などの、例えば、ブラシがけおよび噴霧方法などの従来の塗布方法によって塗布してよい。
【0084】
塗料組成物は、例えば、紙、ガラス、プラスチック、木材、金属、道路、下塗面、前に塗った表面、およびセメント基板などの様々な基板に塗布してよい。
【0085】
基板に塗布された塗料組成物は、10℃〜95℃の温度で、好ましくは乾燥させるか、あるいは放置して乾燥させる。
【0086】
本発明のもう一つの実施形態において、水性ナノ複合材分散液を含有するコーキング剤組成物およびシーラント組成物が提供される。前述した塗料組成物の種々の成分、プロセスおよび用途は、好ましくは、これらのナノ複合材含有コーキング剤組成物およびシーラント組成物に適用可能である。さらに、コーキング剤組成物およびシーラント組成物は、好ましくは、ペースト状またはゲル状の粘性を有し、そして好ましくは塗料より高い粘度を有する。従って、コーキング剤およびシーラントは、乳化ポリマーからコーキング剤およびシーラントを調製する技術上知られている一般配合に従って本発明の水性ナノ複合材分散液を用いて調製することが可能である。この実施形態において、コーキング剤およびシーラントは、技術上知られている方法に従って充填剤と水性ナノ複合材分散液をブレンドすることにより調製することが可能である。
【0087】
本発明の幾つかの実施形態において、水性ナノ複合材分散液は、望ましくは、可塑剤または融合剤を添加して、または可塑剤も融合剤も添加せずに、乾燥させた後に膜を形成する(例えば、塗料および接着剤)。これらの実施形態において、ナノ複合材のポリマーが−80℃〜100℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。
【0088】
本発明の一実施形態において、水性ナノ複合材分散液を含有する塗料組成物が調製される。本発明の塗料組成物には、例えば、建築塗料、メンテナンス塗料、工場向け塗料、自動車塗料、弾性壁塗料、弾性屋根塗料および外装断熱仕上げ系塗料、紙塗料、板紙塗料、オーバープリントワニス、布地塗料、バックコーティング、レザー用塗料、セメントルーフタイル塗料およびトラフィック塗料として技術上表してよい塗料組成物またはペイント組成物を挙げることができる。あるいは、塗料組成物またはペイント組成物は、透明塗料、艶消し塗料、梨地塗料、半光沢塗料、光沢塗料、下塗および表面模様付き塗料などとして表してよい。これらの実施形態において、ナノ複合材のポリマーが0℃〜70℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。
【0089】
本発明の塗料組成物は、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、有機着色顔料、無機着色顔料、および層状粘土以外の粘土などの顔料および/または充填剤をさらに含んでよい。こうした顔料入り塗料組成物は、一般的には体積基準で3〜70%の顔料、より好ましくは体積基準で15〜60%の二酸化チタンを含有する。塗料組成物は、塗料技術上周知されている技術によって調製してよい。最初に、任意に、少なくとも一種の顔料は、カウレスミキサーによって与えられるような高剪断下で水性媒体内に分散されるか、あるいは別法として、少なくとも一種の前もって分散させた顔料を用いてよい。次に、水性ナノ複合材分散液は、必要に応じて他の塗料補助剤に加えて低剪断攪拌下で添加してよい。あるいは、水性ナノ複合材分散液は、任意の顔料分散工程において含まれてよい。塗料組成物は、例えば、粘着性付与剤、乳化剤、融合助剤、可塑剤、緩衝剤、中和剤、増粘剤またはレオロジー調整剤、保湿剤、熱硬化剤、水分硬化剤、光硬化剤、他の化学硬化剤またはエネルギー硬化剤を含む架橋剤、湿潤剤、殺生物剤、可塑剤、発泡防止剤、着色剤、ワックス、撥水剤、スリップ助剤または摩傷助剤および酸化防止剤などの従来の塗料補助剤も含有してよい。本明細書中で前述した水性ナノ複合材分散液に加えて塗料組成物は、中実粒子、単一空隙を有する粒子または多数の空隙入り粒子などの高分子顔料に限定されないが、それらを含む少なくとも一種の別のポリマー、好ましくは膜形成性乳化ポリマーおよび膜非形成性乳化ポリマーから選ばれた別の乳化ポリマー(複数を含む)も含有してよい。本発明の塗料組成物にこれらの別のポリマーを添加する場合、これらの別のポリマーは、ナノ複合材分散液中の全乾燥ポリマー重量の乾燥重量を基準にして0〜200%のレベルで存在してよい。
【0090】
塗料組成物の固形物含有率は10体積%〜70体積%であってよい。塗料組成物の粘度は、Brookfield粘度計を用い測定して、0.05〜100パスカル秒(Pa・s)、すなわち、50〜100,000センチポイズ(cP)であってよい。異なる塗装方法に相応しい粘度は相当に異なる。
【0091】
塗料組成物は、例えば、ロール被覆、ドクターブレード塗布、印刷方法、空気噴霧、空気支援噴霧、無空気噴霧、高体積低圧噴霧、空気支援無空気噴霧、エアーナイフ被覆、トレイリングブレード被覆、カーテン被覆および押出などの、例えば、ブラシがけおよび噴霧方法などの従来の塗布方法によって塗布してよい。
【0092】
塗料組成物は、例えば、紙または板紙、強化木材製品、ガラス、プラスチック、木材、金属、下塗面、前に塗った表面、風化された表面、アスファルト基板、セラミック、レザー、未硬化形態または硬化形態を取ったセメントなどの水硬性基板、コンクリート、石膏および塗壁材料などの基板に塗布してよい。基板に塗布された塗料組成物は、10℃〜95℃の温度で、一般的には乾燥させるか、あるいは放置して乾燥させる。
【0093】
本発明のもう一つの実施形態において、水性ナノ複合材分散液を含有する接着剤組成物が考慮されている。接着剤組成物には、例えば、感圧接着剤、ラミネート用接着剤、包装用接着剤、ホットメルト接着剤、反応性接着剤、フロック加工接着剤、および可撓性工業用接着剤または硬質工業用接着剤として技術上知られている接着剤組成物を挙げることができる。これらの実施形態において、ナノ複合材のポリマーが−80℃〜80℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。接着剤は、一般的には、塗料補助剤として本明細書中で前述した任意の補助剤および任意の顔料を混合することにより調製される。接着剤組成物は、一般的には、フィルム、シートおよび強化プラスチック複合材などのプラスチック基板、金属フォイル、布地、金属、ガラス、セメント基板、および木材または木材複合材を含む基板に塗布される。基板への塗布は、一般的には、例えば転写ロールコーターによって機械で、または手動塗布器具によって行われる。
【0094】
本発明のもう一つの実施形態において、水性ナノ複合材分散液を含有するコーキング剤組成物またはシーラント組成物が考慮されている。これらの実施形態において、ナノ複合材のポリマーが−80℃〜0℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。コーキング剤組成物またはシーラント組成物は、一般的には、塗料補助剤として本明細書中で前述した任意の補助剤および顔料を適宜混合することにより調製される。コーキング剤組成物またはシーラント組成物は、乾燥後の収縮を最少にするために、一般的には70重量%以上などの高固形物含有率レベルで調製され、従って、ゲル状またはペースト状の粘性を有してよい。コーキング剤組成物またはシーラント組成物は、一般的には、金属、ガラス、セメント基板、および木材または木材複合材、ならびにそれらの組み合わせを含む基板の分岐点を満たしたり、および/または密封したりするために塗布され、一般的には周囲条件下で放置して乾燥させる。
【0095】
本発明のもう一つの実施形態において、水性ナノ複合材分散液を含有するインキ組成物が考慮されている。インキ組成物には、フレキソ印刷インキ、グラビア印刷インキ、インクジェットインキおよび顔料印刷ペーストとして技術上知られているインキ組成物を挙げることができる。これらの実施形態において、ナノ複合材のポリマーが−50℃〜50℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。インキは、一般的には、塗料補助剤として本明細書中で前述した任意の補助剤および任意の顔料、前もって分散された顔料または染料を混合することにより調製される。インキ組成物は、一般的には、フィルム、シートおよび強化プラスチック複合材などのプラスチック基板、紙または板紙、金属フォイル、布地、金属、ガラス、衣類、および木材または木材複合材を含む基板に塗布される。基板への塗布は、一般的には、フレキソ印刷ブランケット、グラビア印刷ロールおよびシルクスクリーンによって機械で行われる。
【0096】
本発明のもう一つの実施形態において、水性ナノ複合材分散液を含有する不織布結合剤が考慮されている。不織布結合剤組成物には、例えば、ワイプおよび心地などの消費者不織布および工業用不織布のための結合剤、ファイバーフィルおよびガラス繊維などの断熱不織布のための結合剤、および油濾紙などの不織布および紙のための結合剤/強化剤として技術上知られている結合剤を挙げることができる。これらの実施形態において、ナノ複合材のポリマーが−60℃〜50℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。不織布結合剤は、一般的には、塗料補助剤として本明細書中で前述した任意の補助剤および任意の顔料を適宜混合することにより調製される。不織布結合剤組成物は、一般的には、紙およびレーヨンなどのセルロース繊維、ポリエステル、アラミドおよびナイロンなどの合成繊維、ガラス繊維およびそれらの混合物から形成される不織布を含む基板に塗布される。基板への塗布は、一般的には、飽和浴、ロールコーターまたは噴霧などによって機械で行われる。
【0097】
本発明のもう一つの実施形態において、水性ナノ複合材分散液を含有するポリッシュ剤が考慮されている。ポリッシュ剤組成物には、例えば、床ポリッシュ剤、家具ポリッシュ剤および自動車ポリッシュ剤として技術上知られているポリッシュ剤組成物を挙げることができる。これらの実施形態において、ナノ複合材のポリマーが0℃〜50℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。ポリッシュ剤は、一般的には、塗料補助剤として本明細書中で前述した任意の補助剤および任意の顔料を適宜混合することにより調製される。ポリッシュ剤組成物は、一般的には、木材、ビニルまたはポリウレタンのフローリング、セラミックタイルおよび塗装金属などを含む基板に塗布される。基板への塗布は、一般的には、噴霧、ロールまたはモップなどによって行われる。
【0098】
本発明のもう一つの実施形態において、水性ナノ複合材分散液を含有するプラスチック添加剤が考慮されている。プラスチック添加剤組成物には、例えば、加工助剤および耐衝撃性改良剤として技術上知られているものを挙げることができる。これらの実施形態において、ナノ複合材のポリマーが−50℃〜50℃の範囲内のガラス転移温度を有することが好ましい。プラスチック添加剤は、一般的には、塗料補助剤として本明細書中で前述した任意の補助剤および任意の顔料を適宜混合し、一般的には粉末状に組成物を乾燥させることにより調製される。プラスチック添加剤組成物は、一般的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートおよびポリプロピレンなどのプラスチックと混練または押出によって混合される。
【0099】
本発明の別の態様において、水性ナノ複合材分散液および/またはナノ複合材粒子を組み込んだディジタル画像形成組成物が考慮されている。本明細書中で用いられる「ディジタル画像形成」という用語は、一般に基板上への画像の複製を可能にする組成物に関連する。ディジタル画像形成組成物のために適する用途には、ゼログラフィーなどの電子写真のためのトナー、あるいはインクジェットプリンタまたは類似用途のための組成物が挙げられる。ディジタル画像形成組成物のためのTgおよび粒子サイズは、使用の方法またはシステムに応じて異なる。一般に、インクジェット用途向けのディジタル画像形成組成物は、電子写真用途向けのディジタル画像形成組成物のための粒子サイズおよびTgと比べて、より低い粒子サイズおよびTgを有してよい。例えば、インクジェット用途のための一般的なTg値は、45℃〜60℃の範囲であってよいのに対して、電子写真用途のためのTg値は55℃〜85℃の範囲であってよい。さらに、ディジタル画像形成組成物の粘度、表面張力およびpHなどの非限定的な変数も組成物の最終用途に基づいて調節してよい。
【0100】
本発明のもう一つの態様において、ナノ複合材の乳化ポリマーは、組成が異なる少なくとも二段が逐次方式で重合される多段乳化重合プロセスによって調製してよい。こうしたプロセスは、通常、少なくとも二種の相互に非相溶性のポリマー組成物を生成させ、よってポリマー粒子内に少なくとも二相を生じさせる。こうした粒子は、例えば、コア/シェルまたはコア/シース粒子、シェル相がコアを不完全に封入しているコア/シェル粒子、多数のコアを有するコア/シェル粒子および相互侵入網目粒子などの様々な形状の二つ以上の相から構成される。これらの場合のすべてにおいて、粒子の表面積の過半は少なくとも一つの外相によって占められ、粒子の内部は少なくとも一つの内相によって占められる。多段乳化ポリマーの各々の段は、乳化ポリマーに関して本明細書中で上述したように、同じモノマー、界面活性剤、連鎖移動剤などを含んでよい。多段ポリマー粒子の場合、本発明の目的のためのTgは、段または段中の相の数に関係なく、乳化ポリマーの全体的な組成を用いてFoxの式によって計算されるべきである。こうした多段乳化ポリマーを調製するために用いられる重合技術は、例えば、米国特許第4,325,856号、第4,654,397号および第4,814,373号のように技術上周知である。
【0101】
本発明の他の態様において、ナノ複合材の乳化ポリマーは、米国特許第4,247,438号、米国特許第4,657,966号および米国特許第5,498,655号で教示されたような双峰粒子サイズ分布または多峰粒子サイズ分布、米国特許第4,501,845号および米国特許第5,990,228号で教示されたような双峰分子量分布または多峰分子量分布、あるいは例えば米国特許第5,369,163号で教示されたようなロッドなどの非球状粒子、および米国特許第4,791,151号で教示されたような多ローバル粒子を生じさせるような方式で行われる乳化重合プロセスによって調製してよい。
【0102】
本発明のもう一つの態様において、ナノ複合材の乳化ポリマーは、例えば、単一空隙を有する粒子、多数の空隙入り粒子、および空隙とポリマーの相互侵入網目を有する粒子(ポリマー「スポンジ」)などの少なくとも一個の空隙を乾いている時に含む粒子を生じさせるプロセスによって調製してよい。
【0103】
本発明のもう一つの態様において、ナノ複合材の乳化ポリマーは、結合剤機能
を提供する代わりに、または結合剤機能を提供することに加えて、ある意味で機
能しうる粒子を生じさせるプロセスによって調製してよい。アルカリ可溶性乳化
液ポリマー、酸可溶性乳化ポリマー、疎水的に変性されたアルカリ可溶性乳化ポ
リマーまたは疎水的に変性された酸可溶性乳化ポリマーなどの、顔料分散剤また
は増粘剤/レオロジー調整剤として機能する乳化ポリマーが考慮されている。
本発明は以下の態様を包含する。
1)ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製する方法であって、重合後にナノ複合材分散液を生成させるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと前記モノマーに分散されている疎水的に変性された粘土とを含む懸濁液を懸濁重合によって重合させることを含む方法。
2)懸濁重合は、液媒体内で分散性または可溶性である少なくとも一種の安定剤を供給する工程と、前記疎水的に変性された粘土と前記少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーとを含む粘土分散液を供給する工程と、前記少なくとも一種の安定剤に前記粘土分散液を添加する工程と、前記ナノ複合材分散液を生成させるために前記モノマーを重合させる工程とを含む、項1)に記載の方法。
3)複数の中空ポリマー粘土ナノ複合材粒子を調製する方法であって、ポリマーシードおよび疎水的に変性された粘土を含むポリマーシード分散液を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために前記ポリマーシード分散液を少なくとも一種の多不飽和モノマーおよび任意に少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせる工程と、前記中空ポリマー粘土ナノ複合材粒子を生成させるために前記反応混合物内のモノマーを重合させる工程とを含む方法。
4)前記供給工程は、10μm以下の数平均径を有する前記ポリマーシードを溶媒内で膨潤させる工程と、前記ポリマーシード内の溶媒を蒸発させる工程とをさらに含む、項3)に記載の方法。
5)前記少なくとも一種の多不飽和モノマーは、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレェート、ジアリルフマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルカルボネート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルセバケート、ジビニルセバケート、ジアリルタルタレート、ジアリルシリケート、トリアリルトリカルバリレート、トリアリルアコニテート、トリアリルシトレート、トリアリルホスフェート、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−エチレンジアクリルアミド、トリビニルベンゼン、並びにグリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、レゾルシノール、グリコールのモノチオ誘導体およびジチオ誘導体のポリビニルエーテル、ブチレングリコールジメタクリレート、アルカンポリオールポリアクリレート、アルカンポリオールポリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマレェート、アリルメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、項3)に記載の方法。
6)ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを調製する方法であって、重合後に前記ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生成させるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと前記モノマーに分散されている疎水的に変性された粘土とを含む懸濁液をミニ乳化重合によって重合させることを含む方法。
7)ミニ乳化重合は、少なくとも一種の界面活性剤を含む水性混合物を供給する工程と 、粘土分散液を生じさせるために、疎水的に変性された粘土、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマー、任意に少なくとも一種の界面活性剤および任意に少なくとも一種の共界面活性剤を供給する工程と、モノマー粘土水性分散液を生じさせるために、攪拌条件下で前記水性混合物に前記粘土分散液を添加する工程と、前記モノマーおよび前記粘土を含む複数のミニ乳化液小滴を生じさせるために、前記モノマー粘土水性分散液を処理する工程と、前記ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生成させるために、前記ミニ乳化液小滴内のモノマーを重合させる工程とを含む、項6)に記載の方法。
8)ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製する方法であって、複数の粘土粒子上に吸着された複数のポリマーラテックス粒子を含む水性懸濁液を供給する工程と、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせるために前記懸濁液内で前記ポリマーを可動化させる工程とを含む方法。
9)ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製する方法であって、粘土、少なくとも一種の粘土変性剤および少なくとも一種のポリマーラテックスを含む水性分散液を供給する工程と、ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせるために前記分散液内で前記ポリマーを可動化させる工程とを含む方法。
10)ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製する方法であって、酸粘土と水の混合物を生じさせるために、粘土および少なくとも一種のイオン交換樹脂を含む水性分散液を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために、少なくとも一種の塩基性化合物およびポリマーラテックスを前記酸粘土と水の混合物に導入する工程と、ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせるために、前記反応混合物内で前記ポリマーを可動化させる工程とを含む方法。
11)疎水的に変性された粘土を調製する方法であって、酸粘土と水の混合物を生じさせるために、粘土および少なくとも一種のイオン交換樹脂を含む水性分散液を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために、少なくとも一種の塩基性化合物を前記酸粘土と水の混合物に導入する工程と、前記疎水的に変性された粘土を生じさせる温度に、前記疎水的に変性された粘土を生じさせる時間にわたって前記反応混合物を加熱する工程とを含む方法。
12)前記モノマーは、C 〜C 18 アルキルメタクリレート、C 〜C 18 アルキルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルベルサテート、スチレン、ビニル芳香族モノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、ジアリルマレェート、ジアリルフマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルカルボネート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルセバケート、ジビニルセバケート、ジアリルタルタレート、ジアリルシリケート、トリアリルトリカルバリレート、トリアリルアコニテート、トリアリルシトレート、トリアリルホスフェート、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−エチレンジアクリルアミド、トリビニルベンゼン、並びにグリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、レゾルシノール、グリコールのモノチオ誘導体およびジチオ誘導体のポリビニルエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、項1)、3)または6)のいずれか一項に記載の方法。
13)前記ポリマーラテックスは、C 〜C 18 アルキルメタクリレート、C 〜C 18 アルキルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルベルサテート、スチレン、ビニル芳香族モノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベ ンゼン、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、ジアリルマレェート、ジアリルフマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルカルボネート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルセバケート、ジビニルセバケート、ジアリルタルタレート、ジアリルシリケート、トリアリルトリカルバリレート、トリアリルアコニテート、トリアリルシトレート、トリアリルホスフェート、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−エチレンジアクリルアミド、トリビニルベンゼン、並びにグリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、レゾルシノール、グリコールのモノチオ誘導体およびジチオ誘導体のポリビニルエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーから重合される、項8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
14)前記粘土は、ナノ複合材内の前記モノマーの重量を基準にして0.1〜10重量%の範囲内の濃度を有する、項1)、3)または6)のいずれか一項に記載の方法。
15)前記粘土は、ナノ複合材内の前記ポリマーの重量を基準にして0.1〜10重量%の範囲内の濃度を有する、項8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
16)前記粘土は、スメクタイト、フィロ珪酸塩、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、モントロナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、バーミキュライト、カオリナイト、ハロサイト、合成フィロ珪酸塩およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、項1)、3)、6)、8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
17)前記粘土は、前記ナノ複合材中で少なくとも部分的に剥離される、項1)、3)、6)、8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
18)前記粘土は、界面活性剤またはシランによって疎水的に変性される、項1)、3)、6)、8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
19)前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤を含む、項18)に記載の方法。
20)前記カチオン性界面活性剤はC 10 以上の少なくとも一個のアルキル基を含む、項19)に記載の方法。
21)前記粘土は、項11)に記載の方法によって疎水的に変性される、項1)、3)、6)、8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
22)前記ポリマーは、前記ナノ複合材内に少なくとも部分的に挿入される、項1)、3)、6)、8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
23)前記ナノ複合材粒子の粒子サイズは0.05μm〜10000μmである、項1)、3)、6)、8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
24)前記ナノ複合材粒子のTgは−80℃〜140℃である、項3)、6)、8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
25)前記ナノ複合材粒子のTgは−80℃〜50℃である、項24)に記載の方法。
26)項1)、3)、6)、8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法から形成されたポリマーおよび疎水的に変性された粘土ナノ複合材粒子。
27)前記ナノ複合材粒子は塗料組成物内で用いられる、項25)に記載のナノ複合材粒子。
28)前記ナノ複合材粒子は接着剤組成物内で用いられる、項25)に記載のナノ複合材粒子。
29)前記ナノ複合材粒子はプラスチック添加剤として用いられる、項25)に記載のナノ複合材粒子。
30)前記ナノ複合材粒子は布地結合剤組成物内で用いられる、項25)に記載のナノ複合材粒子。
31)前記ナノ複合材粒子はディジタル画像形成組成物内で用いられる、項25)に記載のナノ複合材粒子。
32)前記可動化工程は、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために前記モノマー混合物を水性懸濁液または水性分散液に添加する工程と、反応混合物内のモノマーを重合させる工程とを含む、項8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
33)前記可動化工程は、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる温度に、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる時間にわたって前記水性懸濁液または水性分散液を加熱する工程を含む、項8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
34)前記可動化工程は、前記水性懸濁液または水性分散液に融合剤を添加する工程と、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる温度に、前記ポリマー粘土ナノ複合材分散液を生じさせる時間にわたって前記水性懸濁液または水性分散液を任意に加熱する工程とを含む、項8)、9)または10)のいずれか一項に記載の方法。
35)ポリマー粘土ナノ複合材シェルを含む中空粒子であって、前記粘土が疎水的に変性された粘土を含む中空粒子。
36)前記粒子は0.1μm〜10μmの粒子サイズを有する、項35)に記載の中空粒子。
37)前記粒子のTgは−80℃〜140℃である、項35)に記載の中空粒子。
実施例
【0104】
実施例1.1〜1.4:懸濁重合
以下の実施例は、以下の一般手順を用いる懸濁重合による水性ナノ複合材分散液の調製を目的している。
【0105】
実施例1.1:懸濁ポリマー/粘度ナノ複合材
表Iに示した原料および量を用いて第1の溶液(溶液#1)をビーカー内で調製し、フランス国パリのSanofi−Synthelabo社製の安定剤である登録商標ファーマゲルゼラチン保護コロイドが完全に溶解するまで、攪拌しながら65℃に加熱する。表Iに示した原料および量を用いて第2の溶液(溶液#2)をビーカー内で調製し、安定剤である登録商標パドマック(Calgon社製の水中のポリ(ジアリルジメチル塩化アンモニウム)の15%溶液)およびNaClが完全に溶解するまで、ビーカー内で室温において攪拌する。その後、懸濁剤の水溶液を生じさせるために攪拌しつつ溶液#1を溶液#2に添加する。
【0106】
表Iに示した原料および量を用いて粘土分散液を調製する。テキサス州のSouthern Clay Products社によって供給される疎水的に変性された粘土である登録商標クロイサイト15A、開始剤である過酸化ラウリル、および水相禁止剤であるベンゾキノンに加えてビーカー内にメチルメタクリレート(「MMA」)を入れることにより、分散液を作製する。この混合物を室温で20分にわたり攪拌して、ベンゾキノンおよび過酸化ラウリルの完全溶解を可能にする。次に、水溶液を反応器に添加し、オーバーヘッドパドルスターラーを用いて245rpmで10分にわたり攪拌する。その後、粘土分散液を水性懸濁液に添加して、反応器内にモノマー分散液を生じさせる。その後、反応温度を1時間にわたり65℃に上げて、粘土分散液内のモノマーの重合を開始させる。温度を74℃に到達させ、その後、冷水の添加によってその温度で維持する。発熱が終わると、温度を15分にわたり74℃に維持する。その後、ミシガン州ミッドランドのDow Chemical社製の界面活性剤である登録商標トリトンCF−32を反応器に添加し、温度を2時間にわたり90℃に上げる。最後に、反応器を室温に冷却し、製品を濾過によって集める。
【表1】
Figure 0003848919
【0107】
比較例1.2:粘土のない分散ポリマー
表IIに示した原料および量を用いて第1の溶液(溶液#1)をビーカー内で調製し、登録商標ファーマゲルが完全に溶解するまで、攪拌しながら60℃に加熱する。表IIに示した原料および量を用いて第2の溶液(溶液#2)をビーカー内で調製し、安定剤である登録商標パドマックおよびNaClが完全に溶解するまで、ビーカー内で室温において攪拌する。その後、懸濁剤の水溶液を生じさせるために攪拌しつつ溶液#1を溶液#2に添加する。
【0108】
表IIに示した原料および量を用いてモノマー分散液を調製する。開始剤である過酸化ラウリルおよびベンゾキノンに加えてビーカー内にメチルメタクリレートを入れることにより、分散液を作製する。この混合物を室温で20分にわたり攪拌して、ベンゾキノンおよび過酸化ラウリルの完全溶解を可能にする。次に、水溶液を反応器に添加し、オーバーヘッドパドルスターラーを用いて245rpmで10分にわたり攪拌する。その後、モノマー分散液を水溶液に添加して、反応器内にモノマー分散液を生じさせる。その後、反応温度を1時間にわたって65℃に上げて、粘土分散液内のモノマーの重合を開始させる。温度を74℃に到達させ、その後、冷水の添加によってその温度で維持する。発熱が終わると、温度を15分にわたり74℃に維持する。その後、登録商標トリトンCF−32を反応器に添加し、温度を2時間にわたり90℃に上げる。最後に、反応器を室温に冷却し、製品を濾過によって集める。
【0109】
比較例1.2の製品は、実施例1.1の製品より低い靱性、高い可燃性、低いバリア特性を有する。
【表2】
Figure 0003848919
【0110】
実施例1.3:分散ポリマー・粘土ナノ複合材
実施例1.1を繰り返す。但し、165gのブチルアクリレート(「BA」)、165gのMMAおよび3gのアリルメタクリレート(「ALMA」)の混合物をMMAモノマーの代わりに用いる。得られたナノ複合材ポリマーは、実施例1.1の製品より低いTgを有する。
【0111】
比較例1.4:粘土のない分散ポリマー
実施例1.2を繰り返す。但し、165gのBA、165gのMMAおよび3gのALMAの混合物をMMAモノマーの代わりに用いる。
【0112】
実施例2.1〜2.3:中空ポリマー/粘土ナノ複合材を生成させるための分散重合および疎水的に変性された粘土入り粒子の直接膨潤
以下の実施例は、以下の手順を用いる疎水的に変性された粘土の分散重合および直接膨潤による中空ポリマー・粘土ナノ複合材の調製を目的としている。
【0113】
ポリマーシード分散液の調製
表IIIに明示した原料を四つ口丸底フラスコに投入する。60rpmの速度で攪拌しながら70℃で24時間にわたりN下で混合物を加熱して、1.7μmの数平均粒径を有するポリスチレンシード粒子を生成させる。
【表3】
Figure 0003848919
【0114】
実施例2.1:中空ポリマー/粘土ナノ複合材分散液
ポリ(スチレン)シードを上で詳述したように調製する。次に、300mgのジビニルベンゼン、150mgのキシレン、30mgの登録商標クロイサイト15A(疎水的に変性された粘土)、6mgの過酸化ベンゾイル、15mgのポリ(ビニルアルコール)、7gのエタノールおよび43gのDI水を含む粘土分散液に加えて、ポリ(スチレン)シードを含有する211mgのポリマーシード分散液を反応容器に導入する。マグネチックスターラーによる攪拌下でミクロフィーダーを用いて室温で2.8ml/hの速度でDI水を反応混合物に添加する。ポリマーシードはキシレン溶媒内で膨潤する。70℃の窒素雰囲気下で24時間にわたり密封ガラス管内でシード入り重合を開始し、よって中空ポリマー粘土ナノ複合材を生成させる。
【0115】
比較例2.2:中空ポリマー分散液
ポリ(スチレン)シードを上で詳述したように調製する。次に、300mgのジビニルベンゼン、150mgのキシレン、6mgの過酸化ベンゾイル、15mgのポリ(ビニルアルコール)、7gのエタノールおよび43gのDI水に加えて、ポリ(スチレン)シードを含有する211mgのポリマーシード分散液を反応容器に導入する。マグネチックスターラーによる攪拌下でミクロフィーダーを用いて室温で2.8ml/hの速度でDI水を反応混合物に添加する。ポリマーシードはキシレン溶媒内で膨潤する。70℃の窒素雰囲気下で24時間にわたり密封ガラス管内でシード入り重合を開始し、よって中空複合材粒子を生成させる。
【0116】
比較例2.2の製品は、実施例2.1の製品と比べて、より低い耐崩壊性を有し、粒子内の空隙は悪条件下でよく維持されない。
【0117】
ポリマー粘土シード分散液の調製
表IVに明示した原料を四つ口丸底フラスコに投入する。60rpmの速度で攪拌しながら70℃で24時間にわたりN下で混合物を加熱して、1.7μmの数平均粒径を有するポリスチレンシード粒子を生成させる。
【表4】
Figure 0003848919
【0118】
実施例2.3:中空ポリマー/粘土ナノ複合材分散液−シード中の粘土
ポリ(スチレン)粘土シードを上で詳述したように調製する。次に、300mgのジビニルベンゼン、150mgのキシレン、6mgの過酸化ベンゾイル、15mgのポリ(ビニルアルコール)、7gのエタノールおよび43gのDI水に加えて、ポリ(スチレン)シードを含有する211mgのポリマーシード分散液を反応容器に導入する。マグネチックスターラーによる攪拌下でミクロフィーダーを用いて室温で2.8ml/hの速度でDI水を反応混合物に添加する。ポリマーシードはキシレン溶媒内で膨潤する。70℃の窒素雰囲気下で24時間にわたり密封ガラス管内でシード入り重合を開始し、よって中空ポリマー粘土ナノ複合材を生成させる。
【0119】
実施例3.1〜3.6:ポリマー/粘土ナノ複合材のミニ乳化液
以下の実施例は、以下の一般手順を用いるミニ乳化重合によるポリマー・粘土ナノ複合材の調製を目指している。
【0120】
実施例3.1:ミニ乳化ポリマー/疎水的に変性された粘土ナノ複合材
表Vに示した量のラウリル硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび脱イオン水を含む水溶液を反応容器に投入する。表Vに示した量のスチレン、ポリスチレン、共界面活性剤ヘキサデカンおよびカリフォルニア州サンフランシスコのChevron社製のポリブテン−スクシンイミドペンタミンである界面活性剤、登録商標オロア(OLOA)370の混合物を別個の容器に投入する。このモノマー混合物に一定量の登録商標クロイサイト15Aを混合物にゆっくり添加し、それを約20分にわたり攪拌し、その後、30分にわたり超音波処理して粘土分散液を生じさせる。粘土分散液を反応容器内の水溶液に徐々に添加し、30分にわたり均質化して、安定なミニ乳化液を生じさせる。その後、反応容器の内容物を攪拌する一方で、一定量の過硫酸カリウム(表V参照)を反応容器に添加する。反応容器の温度を2時間にわたって75℃に上げて、スチレンモノマーを重合させ、よってポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生じさせる。室温に冷却した後、材料を濾過し特性分析する。
【表5】
Figure 0003848919
【0121】
比較例3.2:ミニ乳化ポリマー/粘土ナノ複合材
表VIに示した量のラウリル硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび脱イオン水を含む水溶液を反応容器に投入する。表VIに示した量のスチレン、ポリスチレン、共界面活性剤ヘキサデカンおよび界面活性剤登録商標オロア370の混合物を別個の容器に投入する。このモノマー混合物に一定量の登録商標ソジウム・クロイサイトを混合物にゆっくり添加し、それを約20分にわたり攪拌し、その後、30分にわたり超音波処理して粘土分散液を生じさせる。粘土分散液を反応容器内の水溶液に徐々に添加し、30分にわたり均質化して、安定なミニ乳化液を生じさせる。その後、反応容器の内容物を攪拌する一方で、一定量の過硫酸カリウム(表VI参照)を反応容器に添加する。反応容器の温度を2時間にわたって75℃に上げて、スチレンモノマーを重合させ、よってポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生じさせる。室温に冷却した後、材料を濾過し特性分析する。
【0122】
自然状態の粘土を使用すると、水性ナノ複合材分散液中でより高い粘度およびより少ない特性強化ということになる。
【表6】
Figure 0003848919
【0123】
実施例3.3:オロア370がないことを除き、実施例3.1と同じ
表VIIに示した量のラウリル硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび脱イオン水を含む水溶液を反応容器に投入する。表VIIに示した量で供給された量のスチレン、ポリスチレンおよびヘキサデカンの混合物を別個の容器に投入する。このモノマー混合物に一定量の登録商標クロイサイト15Aを混合物にゆっくり添加し、それを約20分にわたり攪拌し、その後、30分にわたり超音波処理して粘土分散液を生じさせる。粘土分散液を反応容器内の水溶液に徐々に添加し、30分にわたり均質化して、安定なミニ乳化液を生じさせる。その後、反応容器の内容物を攪拌する一方で、一定量の過硫酸カリウム(表VII参照)を反応容器に添加する。反応容器の温度を2時間にわたって75℃に上げて、スチレンモノマーを重合させ、よってポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生じさせる。室温に冷却した後、材料を濾過し特性分析する。
【0124】
この実施例は、本発明の水性ナノ複合材分散液内のポリマーを安定化させるのを助ける場合があるオロア界面活性剤の効果を例示している。
【表7】
Figure 0003848919
【0125】
比較例3.4:粘土も登録商標オロア370界面活性剤も含まないミニ乳化ポリマーラテックス
表VIIIに示した量のラウリル硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび脱イオン水を含む水溶液を反応容器に投入する。表VIIIに示した量で供給された量のスチレン、ポリスチレンおよびヘキサデカンの混合物を別個の容器に投入する。このモノマー混合物に一定量の登録商標クロイサイト15Aを混合物にゆっくり添加し、それを約20分にわたり攪拌し、その後、30分にわたり超音波処理して粘土分散液を生じさせる。粘土分散液を反応容器内の水溶液に徐々に添加し、30分にわたり均質化して、安定なミニ乳化液を生じさせる。その後、反応容器の内容物を攪拌する一方で、一定量の過硫酸カリウム(表VIII参照)を反応容器に添加する。反応容器の温度を2時間にわたって75℃に上げて、スチレンモノマーを重合させ、よってポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生じさせる。室温に冷却した後、材料を濾過し特性分析する。
【表8】
Figure 0003848919
【0126】
実施例3.5:オロア370がないことを除いて3.2と同じ
表IXに示した量のラウリル硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび脱イオン水を含む水溶液を反応容器に投入する。表IXに示した量で供給された量のスチレン、ポリスチレンおよびヘキサデカンの混合物を別個の容器に投入する。このモノマー混合物に一定量の登録商標ソジウム・クロイサイトを混合物にゆっくり添加し、それを約20分間にわたり攪拌し、その後、30分間にわたり超音波処理して粘土分散液を生じさせる。粘土分散液を反応容器内の水溶液に徐々に添加し、30分間にわたり均質化して、安定なミニ乳化液を生じさせる。その後、反応容器の内容物を攪拌する一方で、一定量の過硫酸カリウム(表IX参照)を反応容器に添加する。反応容器の温度を2時間にわたって75℃に上げて、スチレンモノマーを重合させ、よってポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生じさせる。室温に冷却した後、材料を濾過し特性分析する。
【表9】
Figure 0003848919
【0127】
実施例3.6:ミニ乳化ポリマー/疎水的に変性された粘土ナノ複合材
表Xに示した量のラウリル硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび脱イオン水を含む水溶液を反応容器に投入する。表Xに示した量で供給された量のブチルアクリレート、メチルメタクリレート、共界面活性剤ヘキサデカンおよびカリフォルニア州サンフランシスコのChevron社製のポリブテン−スクシンイミドペンタミンである界面活性剤登録商標オロア370の混合物を別個の容器に投入する。このモノマー混合物に一定量の登録商標クロイサイト15Aを混合物にゆっくり添加し、それを約20分にわたり攪拌し、その後、30分間にわたり超音波処理して粘土分散液を生じさせる。粘土分散液を反応容器内の水溶液に徐々に添加し、30分にわたり均質化して、安定なミニ乳化液を生じさせる。その後、反応容器の内容物を攪拌する一方で、一定量の過硫酸カリウム(表X参照)を反応容器に添加する。反応容器の温度を2時間にわたって75℃に上げてモノマーを重合させ、よってポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生じさせる。室温に冷却した後、材料を濾過し特性分析する。この材料は、塗料用途における結合剤として用いるために適する。この結合剤を利用する塗料は、粘土を用いずに調製された同じ結合剤に基づく塗料より低い粘着性、高い見掛け硬度、高い熱安定性および低い可燃性を有する。
【表10】
Figure 0003848919
【0128】
実施例4.1〜4.4:ラテックス吸着
以下の実施例は、以下の一般手順を用いるラテックス吸着による水性ナノ複合材分散液の調製を目的としている。
【0129】
実施例4.1:粘土上へのラテックスの吸着と後続の重合
組成が46BA/50.5MMA/3.5MAA(粒子サイズ100nmの46%ポリマー固形物)である193gの量のポリマーラテックスおよび216gの量の疎水的に変性された粘土(登録商標クロイサイト15A)を反応容器に投入して水性懸濁液を生じさせる。水性懸濁液は、ばらばらの複合材粒子を含み、よって各複合材粒子は不溶性粘土成分およびこの粘土成分の表面上の少なくとも一種の不溶性ラテックス成分を有する。5300gの量の蒸留水に加えて攪拌反応器内で水性懸濁液を85℃の温度に加熱する。2409gのBA、1606gのMMAおよび40gのアニオン界面活性剤を1000gの蒸留水と合わせて含むモノマー乳化液を別個の容器内で調製する。500gの蒸留水に溶解した過硫酸アンモニウム10gの第2の混合物とともにモノマー乳化液を3時間にわたり反応器に添加する。反応期間の終わりに、生成物をさらに2時間にわたり85℃に維持し、室温に冷却し濾過して、所望のポリマー粘土ナノ複合材を生じさせる。
【0130】
実施例4.2:粘土上へのラテックスの吸着と後続の重合
実施例4.1のモノマー乳化液中のBAおよびMMAの代わりに2409gのスチレンおよび1006gの2−エチルヘキシルアクリレート(「2−EHA」)を用いて実施例4.1を繰り返す。
【0131】
実施例4.3:粘土上へのラテックスの吸着と後続の加熱
組成が46BA/50.5MMA/3.5MAA(粒子サイズ100nmの46%ポリマー固形物)である193gの量のポリマーラテックスおよび108gの量の疎水的に変性された粘土(登録商標クロイサイト15A)を反応容器に投入して水性懸濁液を生じさせる。この水性懸濁液は、ばらばらの複合材粒子を含み、よって各複合材粒子は不溶性粘土成分およびこの粘土成分の表面上の少なくとも一種の不溶性ラテックス成分を有する。懸濁液を6時間にわたり80℃に加熱して、所望のポリマー粘土ナノ複合材を生じさせる。
【0132】
この複合材の高粘土含有率は、分散した粘土をプラスチックなどの他の材料に供給するためのコンセントレートとして用いるためにこの複合材を理想的に適合させる。非変性46BA/50.5MMA/3.5MAAラテックスと比べて、ナノ複合材は、より高い弾性率、溶媒へのより低い溶解度を有し、見掛け硬度が高い膜を形成させる。
【0133】
実施例4.4:粘土上へのラテックスの吸着と後続の加熱
組成が90MMA/6.45BA/3.5MAAであるラテックで実施例4.3を繰り返す。密封圧力反応器を利用するために加熱工程を修正し、反応器内で複合材を6時間にわたって135℃に加熱する。ポリマーをFox式によって決定されたTg、すなわち、90℃より上に加熱して、ポリマー粘土ナノ複合材を生じさせることを可能にする。
【0134】
この複合材の高Tgは、材料を容易に変性するよく分散した粘土を与えるための噴霧乾燥による単離およびプラスチックとのブレンドのためにこの複合材を理想的に適合させる。
【0135】
実施例5.1〜5.12:ラテックスの存在下での疎水的に変性された粘土の調製による水性ポリマー粘土ナノ複合材の調製
以下の実施例は、以下の一般手順を用いるラテックスの存在下での疎水的に変性された粘土の調製を通した水性ナノ複合材分散液の調製を目指している。
【0136】
実施例5.1:粘土を変性するための界面活性剤としてのテトラアルキルハロゲン化アンモニウム化合物の使用
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。この分散液に全固形物含有率50.5%の1000gのポリマーラテックス登録商標プリマルSF−16(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を添加して、ラテックス粘土混合物を生じさせる。ラテックス粘土混合物を60℃に加熱し、1.71gの75%活性ジメチルジ(水素添加タロー)塩化アンモニウムと0.57gの77%活性ジメチルベンジル(水素添加タロー)塩化アンモニウムを含む界面活性剤の混合物であって、これも水に分散されて別個のフラスコ内で60℃に加熱されている混合物をラテックス粘土混合物に激しく攪拌しながら添加する。温度を2時間にわたり60℃に維持して、ナノ複合材の生成を完了させる。
【0137】
ポリマー粘土ナノ複合材ラテックスは、非変性ポリマーラテックスと比べて、より高い引張強度、より低い可燃性およびより高いバリア特性を有する。
【0138】
実施例5.2:粘土を変性するための界面活性剤としてのテトラアルキルハロゲン化アンモニウム化合物の使用および後重合
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。この分散液に全固形物含有率50.5%の1000gのポリマーラテックス登録商標プリマルSF−16(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を添加して、ラテックス粘土混合物を生じさせる。ラテックス粘土混合物を60℃に加熱し、1.71gの75%活性ジメチルジ(水素添加タロー)塩化アンモニウムと0.57gの77%活性ジメチルベンジル(水素添加タロー)塩化アンモニウムを含む界面活性剤の混合物であって、これも水に分散されて別個のフラスコ内で60℃に加熱されている混合物をラテックス粘土混合物に激しく攪拌しながら添加する。温度を30分にわたり60℃に維持し、その後、50gのブチルアクリレート(「BA」)および50gのメチルメタクリレート(「MMA」)を含むモノマー混合物を添加して、反応混合物を生じさせる。レドックス開始剤を攪拌された反応混合物に添加してモノマーを重合させ、よってナノ複合材を生成させる。
【0139】
ポリマー粘土ナノ複合材ラテックスは、非変性ポリマーラテックスと比べて、より高い引張強度、より低い可燃性およびより高いバリア特性を有する。
【0140】
実施例5.3および5.4:より高い疎水的変性レベル
4gの75%活性ジメチルジ(水素添加タロー)塩化アンモニウムと1gの77%活性ジメチルベンジル(水素添加タロー)塩化アンモニウムを有する界面活性剤の混合物を用いて実施例5.1および5.2を繰り返す。実施例5.3および5.4の複合材は、実施例5.1および5.2の複合材と比べて、より高い弾性率、強化された引張弾性率、耐溶剤性および見掛け硬度を有する。
【0141】
ポリマー粘土ナノ複合材ラテックスは、非変性ポリマーラテックスと比べて、より高い引張強度、より低い可燃性およびより高いバリア特性を有する。
【0142】
実施例5.5:粘土を変性するための界面活性剤としてのテトラアルキル酢酸アンモニウムの使用
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。この分散液に全固形物含有率50.5%の1000gのポリマーラテックス登録商標プリマルSF−16(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を添加して、ラテックス粘土混合物を生じさせる。ラテックス粘土混合物を60℃に加熱し、200gの脱イオン水に溶解した9.1gの量のテトラブチル酢酸アンモニウムをラテックス/粘土混合物に激しく攪拌しながら添加する。温度を2時間にわたり60℃に維持して、ナノ複合材の生成を完了させる。
【0143】
ポリマー粘土ナノ複合材ラテックスは、非変性ポリマーラテックスと比べて、より高い引張強度、より低い可燃性およびより高いバリア特性を有する。
【0144】
実施例5.6:界面活性剤としてテトラアルキルハロゲン化アンモニウム化合物の使用および後重合
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。この分散液に全固形物含有率50.5%の1000gのポリマーラテックス登録商標プリマルSF−16(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を添加して、ラテックス粘土混合物を生じさせる。ラテックス粘土混合物を60℃に加熱し、200gの脱イオン水に溶解した9.1gの量のテトラブチル酢酸アンモニウムをラテックス粘土混合物に激しく攪拌しながら添加する。温度を30分間にわたり60℃に維持し、その後、50gのBAおよび50gのMMAを含むモノマー混合物を添加して、反応混合物を生じさせる。レドックス開始剤を攪拌された反応混合物に添加してモノマーを重合させ、ナノ複合材の生成を完了させる。
【0145】
ポリマー粘土ナノ複合材ラテックスは、非変性ポリマーラテックスと比べて、より高い引張強度、より低い可燃性およびより高いバリア特性を有する。
【0146】
実施例5.7::酸粘土混合物の調製および塩基性化合物としてベンジルトリメチル水酸化アンモニウムの使用
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。2000gの量の強酸カチオン交換樹脂である登録商標アンバーライトIRN−77(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を5リットルの脱イオン水でリンスし、濾過して、清浄化された樹脂を生じさせる。清浄樹脂を水性粘土分散液に添加し、80℃で6時間にわたり攪拌する。濾過によってイオン交換樹脂を除去して、酸粘土と水の混合物を生じさせる。この混合物に全固形物含有率50.5%の1000gのポリマーラテックス登録商標プリマルSF−16(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を添加して、ラテックスと酸粘土の混合物を生じさせる。ラテックスと酸粘土の混合物を60℃に加熱し、25gの量の20%水性ベンジルトリメチル水酸化アンモニウムを激しく攪拌しながら添加する。温度を2時間にわたり60℃に維持して、ナノ複合材の生成を完了させる。
【0147】
実施例5.8:酸粘土混合物の調製および塩基性化合物としてのベンジルトリメチル水酸化アンモニウムの使用ならびに後重合
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。2000gの量の強酸カチオン交換樹脂である登録商標アンバーライトIRN−77(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を5リットルの脱イオン水でリンスし、濾過して、清浄化された樹脂を生じさせる。清浄樹脂を水性粘土分散液に添加し、80℃で6時間にわたり攪拌する。濾過によってイオン交換樹脂を除去して、酸粘土と水の混合物を生じさせる。この混合物に全固形物含有率50.5%の1000gのポリマーラテックス登録商標プリマルSF−16(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を添加して、ラテックスと酸粘土の混合物を生じさせる。ラテックスと酸粘土の混合物を60℃に加熱し、25gの量の20%水性ベンジルトリメチル水酸化アンモニウムを激しく攪拌しながら添加する。温度を30分にわたり60℃に維持し、その後、50gのBAおよび50gのMMAを含むモノマー混合物を添加して、反応混合物を生じさせる。レドックス開始剤を攪拌された反応混合物に添加してモノマーを重合させ、ナノ複合材の生成を完了させる。
【0148】
実施例5.9:酸粘土混合物の調製および塩基性化合物としてのセチルトリメチル水酸化アンモニウムの使用
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。2000gの量の強酸カチオン交換樹脂である登録商標アンバーライトIRN−77(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を5リットルの脱イオン水でリンスし、濾過して、清浄化された樹脂を生じさせる。清浄樹脂を水性粘土分散液に添加し、80℃で6時間にわたり攪拌する。濾過によってイオン交換樹脂を除去して、酸粘土と水の混合物を生じさせる。この混合物に全固形物含有率50.5%の1000gのポリマーラテックス登録商標プリマルSF−16(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を添加して、ラテックスと酸粘土の混合物を生じさせる。ラテックスと酸粘土の混合物を60℃に加熱し、セチルトリメチル水酸化アンモニウムの120.4gの量の7.5%水溶液を激しく攪拌しながら添加する。温度を2時間にわたり60℃に維持して、ナノ複合材の生成を完了させる。
【0149】
実施例5.10:酸粘土混合物の調製および塩基性化合物としてのセチルトリメチル水酸化アンモニウムの使用ならびに後重合
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。2000gの量の強酸カチオン交換樹脂である登録商標アンバーライトIRN−77(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を5リットルの脱イオン水でリンスし、濾過して、清浄化された樹脂を生じさせる。清浄樹脂を水性粘土分散液に添加し、80℃で6時間にわたり攪拌する。濾過によってイオン交換樹脂を除去して、酸粘土と水の混合物を生じさせる。この混合物に全固形物含有率50.5%の1000gのポリマーラテックス登録商標プリマルSF−16(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を添加して、ラテックスと酸粘土の混合物を生じさせる。ラテックスと酸粘土の混合物を60℃に加熱し、セチルトリメチル水酸化アンモニウムの120.4gの量の7.5%水溶液を激しく攪拌しながら添加する。温度を30分にわたり60℃に維持し、その後、50gのBAおよび50gのMMAを含むモノマー混合物を添加して、反応混合物を生じさせる。レドックス開始剤を攪拌された反応混合物に添加してモノマーを重合させ、ナノ複合材の生成を完了させる。
【0150】
実施例5.11:疎水的に変性された粘土を生じさせるための酸粘土混合物の調製および塩基性化合物としてのセチルトリメチル水酸化アンモニウムの使用
25.2gの量のポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)および500gの脱イオン水を反応フラスコに投入する。水性粘土分散液を80℃で2時間にわたり攪拌する。2000gの量の強酸カチオン交換樹脂である登録商標アンバーライトIRN−77(ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas社製)を5リットルの脱イオン水でリンスし、濾過して、清浄化された樹脂を生じさせる。清浄樹脂を水性粘土分散液に添加し、80℃で6時間にわたり攪拌する。濾過によってイオン交換樹脂を除去して、酸粘土と水の混合物を生じさせる。酸粘土と水の混合物を60℃に加熱し、セチルトリメチル水酸化アンモニウムの120.4gの量の7.5%水溶液を激しく攪拌しながら添加する。温度を6時間にわたり60℃に維持する。その後、室温に冷却した後に疎水的に変性された粘土を濾過によって混合物から集める。その後、粘土を1リットルの脱イオン水で洗浄し、50℃で8時間にわたり乾燥し粉砕して、所望の変性粘土を生じさせる。
【0151】
実施例5.12:粘土入りナノ複合材を生じさせるためのカチオンラテックスの使用
1.0gのエトクアッド18/12(70%)カチオン界面活性剤であるエトキシル化第四アンモニウム塩(コネチカット州スタンフォードのAkzo Nobel Surface Chemistry社によって供給されるもの)および2633gの脱イオン水を含む水性溶液を反応容器に投入する。233gの脱イオン水、19.0gのエトクアッド18/12(70%)、56gのメタック(50%)カチオンモノマーであるメタクリロイルオキシエチルトリメチル塩化アンモニウム、350gのBAおよび350gのMMAの混合物を別個の容器に投入し、混合物を攪拌してモノマー乳化液を生じさせた。その後、反応容器の内容物を攪拌する一方で、反応容器の温度を85℃に上げ、45gの脱イオン水に溶解した2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド開始剤(ニュージャージー州リンデンのDock Resins社によって供給されるもの)である7.0gの量のワコー(Wako)V−50に加えて、上で調製されたモノマー乳化液の40gを反応容器に添加する。5分後、残りのモノマー乳化液を150gの脱イオン水に溶解したワコーV−50の別個の溶液とともに2時間にわたり反応容器に添加する。添加が完了した時、反応を85℃で2時間にわたり保持し、その後、60℃に冷却する。60℃で2時間にわたり攪拌されている400gの脱イオン水中の36gのポリマーグレードモンモリロナイトPGV粘土(イリノイ州アーリントンハイツのNanocor社によって供給されるもの)の混合物を反応容器に添加する。温度を2時間にわたり60℃に維持して、ナノ複合材の生成を完了させる。

Claims (5)

  1. ポリマー粘土ナノ複合材分散液を調製する方法であって、重合後にナノ複合材分散液を生成させるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと、1種以上の安定剤と、疎水的に変性された粘土とを含む水性懸濁液を懸濁重合によって重合させることを含み、ここで、当該疎水性に変性された粘土が当該モノマーに分散される方法。
  2. ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを調製する方法であって、重合後に前記ポリマー粘土ナノ複合材コロイドを生成させるために、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーと、1種以上の界面活性剤と、疎水的に変性された粘土とを含む水性懸濁液をミニ乳化重合によって重合させることを含み、ここで、当該疎水性に変性された粘土が当該モノマーに分散される方法。
  3. 酸粘土と水の混合物を生じさせるために、粘土および少なくとも一種のイオン交換樹脂を含む水性分散液を供給する工程と、反応混合物を生じさせるために、少なくとも一種の塩基性化合物を前記酸粘土と水の混合物に導入する工程と、前記疎水的に変性された粘土を生じさせる温度に、前記疎水的に変性された粘土を生じさせる時間にわたって前記反応混合物を加熱する工程とを含む方法により、疎水的に変性された粘土が製造される、請求項1または2に記載の方法
  4. 粘土が、スメクタイト、フィロ珪酸塩、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、モントロナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、バーミキュライト、カオリナイト、ハロサイト、合成フィロ珪酸塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. モノマーが、C 〜C 18 アルキルメタクリレート、C 〜C 18 アルキルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルベルサテート、スチレン、ビニル芳香族モノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルカルボネート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルセバケート、ジビニルセバケート、ジアリルタルタレート、ジアリルシリケート、トリアリルトリカルバリレート、トリアリルアコニテート、トリアリルシトレート、トリアリルホスフェート、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−メチレンジメタクリルアミド、N,N−エチレンジアクリルアミド、トリビニルベンゼン、並びにグリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、レゾルシノール、グリコールのモノチオ誘導体およびジチオ誘導体のポリビニルエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
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