JP3847954B2 - セラミックス回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミックス回路基板の製造方法に係り、特に曲げ強度およびたわみ特性を改善し、取付時および使用時における割れの発生を効果的に防止できるセラミックス回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パワートランジスタモジュール用基板やスイッチング電源モジュール用基板等の回路基板として、セラミックス基板上に銅板等の金属板を接合したセラミックス回路基板が広く使用されている。また、上記セラミックス基板としては、電気絶縁性を有すると共に、熱伝導性に優れた窒化アルミニウム基板や窒化けい素基板等が一般的に使用されている。
【0003】
上述したような銅板で回路を構成したセラミックス回路基板11は、例えば図5〜図7に示すようにセラミックス基板12の一方の表面に金属回路板13としての銅板を接合する一方、他方の表面に裏金属板14としての銅板を接合して形成される。上記セラミックス基板12表面に各種金属板を一体に形成する手法としては、下記のような直接接合法,高融点金属メタライズ法,活性金属法などが使用されている。
【0004】
すなわち、直接接合法は、例えばセラミックス基板12上に銅板を、Cu−Cu2O等の共晶液相を利用して直接接合する、いわゆる銅直接接合法(DBC法:Direct Bonding Copper法)であり、高融点金属メタライズ法はMoやWなどの高融点金属をセラミックス基板表面に焼き付けて形成する方法である。また、活性金属法は、4A族元素や5A族元素のような活性金属を含むろう材層15を介してセラミックス基板12上に金属板を一体に接合する方法である。一般的には、高強度・高封着性等が得られる観点から、CuとAgとの共晶組成(72重量%Ag−28重量%Cu)を有する共晶ろう材にTi等の活性金属を添加したろう材ペーストをセラミックス基板と金属部材との間に介在させ、適当な温度で熱処理して接合する活性金属法が広く使用されている。
【0005】
セラミックス基板と金属部材との具体的な接合構造としては、例えば特開平5−347469号公報に開示され図8に示すように、ろう材層15aが金属回路板13の側面13aの一部を覆うように設けた構造がある。このような接合構造により、接合強度の向上を図ることができ、よって冷熱サイクルに対して高い信頼性を得ることが可能であるとされている。
【0006】
また、他の接合構造として、例えば特開平6−263554号公報に開示され、図9に示すように、金属回路板13とセラミックス基板12との接合面17の面積Aを表面16側の面積Bより小さくし、かつ活性金属を含むろう材層15bの面積Cを金属回路板13の接合面17の面積Aより大きくした構造もある。この接合構造によれば、金属回路板の接合面側はろう材層に固定されているが、表面側は特に制約がないため、線膨張係数差に応じて膨張した状態となる。したがって、残留応力を低減でき、耐熱サイクル特性の向上が図れるものとされている。
【0007】
また、具体的な回路の形成方法としては、予めプレス加工やエッチング加工によりパターニングした銅板を用いたり、接合後にエッチング等の手法により金属部をパターニングする等の方法が知られている。これらDBC法や活性金属ろう付け法により得られるセラミックス回路基板は、いずれも単純構造で熱抵抗が小さく、大電流型や高集積型の半導体チップに対応できる等の利点を有している。
【0008】
近年、セラミックス回路基板を使用した半導体装置の高出力化,半導体素子の高集積化が急速に進行し、セラミックス回路基板に繰り返して作用する熱応力や熱負荷も増加する傾向にあり、セラミックス回路基板に対しても上記熱応力や熱サイクルに対して十分な接合強度と耐久性が要求されている。特にセラミックス回路基板に搭載する半導体素子の高集積化に対応してより高精細な回路パターンを有するセラミックス回路基板が必要とされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8および図9に示すような接合構造を有するセラミックス回路基板においては、エッチング処理を適用して回路パターンを形成することが不可能であり、プレス機等で打ち抜いた比較的粗大な金属回路板要素を多数接合して形成しているため、高精細な回路パターンを形成することは不可能であった。また、図8に示す接合構造においては、金属回路板の側面をも覆うように多量のろう材を使用しているため、熱膨張係数差によってセラミックス基板に作用する応力が大きくなり、割れが発生し易くなる問題点があった。
【0010】
さらに、図9に示す接合構造においては、金属回路板の接合面端部とろう材層端部との間にV字状の切欠きが形成され、この部分に応力が集中し易いために、金属板路板の剥離が発生し易く、回路基板の耐久性および信頼性が低くなる問題点があった。
【0011】
また、従来のセラミックス回路基板においては、セラミックス基板の種類や金属板の接合方法を改良することにより高い接合強度および高耐熱サイクル性は得られていたが、曲げ強度が十分に得られず、セラミックス回路基板を用いた半導体装置の信頼性や製品歩留りが低くなるという問題点があった。
【0012】
すなわち、セラミックス回路基板に搭載する半導体素子の高集積化および高出力化に対応して熱サイクル負荷も大幅に上昇し、熱応力によって基板に割れが発生して回路基板の機能が喪失されてしまう問題点があった。また、セラミックス回路基板の曲げ強度が小さくたわみ量も少ないため、組立時にセラミックス回路基板を実装ボードにねじで締着固定しようとすると、ねじの僅かな締着力によってセラミックス基板が破壊してしまう場合があり、回路基板を使用した半導体装置の製品歩留りが低下してしまう問題点もあった。さらに、使用時に発生する熱応力によって割れが発生する場合も多く半導体装置の信頼性が低下する難点もあった。
【0013】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、高い接合強度および優れた耐熱サイクル特性に加えて、高い曲げ強度(抗折強度)およびたわみ特性を有し、大きな曲げ荷重が作用した場合においても割れや破壊を招くことなく、大きくたわむことが可能なセラミックス回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明者らは、特にエッチング処理によって高精細な回路パターンを形成したセラミックス回路基板の取付時および使用時に発生する割れを防止するための構造を種々検討した。その結果、特にろう材層を金属回路パターンの側面よりも外方に張り出すように形成したときに、セラミックス回路基板全体の曲げ強度およびたわみ量を大きくすることができ、割れの発生が少ないセラミックス回路基板が得られるという知見を得た。また、金属回路パターンのセラミックス基板との接合面の面積が金属回路パターンの表面側の面積より大きくなるように、金属回路パターンの側面を傾斜させることにより、金属回路パターンとセラミックス基板との接合端部における応力集中が効果的に防止でき、割れの発生をより防止できるという知見を得た。
【0015】
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明に係るセラミックス回路基板の製造方法は、厚さが0.25〜1.2mmのセラミックス基板の少なくとも一方の主面にTi,Zr,HfおよびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を含有したろう材層を介して厚さが0.1〜0.5mmの金属板を接合し、金属板をエッチング処理することにより所定の金属回路パターンを形成したセラミックス回路基板の製造方法において、上記ろう材層が金属回路パターンの側面よりも0.2〜0.5mm外方に張り出すように形成した後に金属板を接合し、さらに上記金属板をエッチング処理して回路パターンを形成することにより、上記セラミックス回路基板の曲げ強度をセラミックス基板自体の曲げ強度より大きくすることを特徴とする。
【0016】
さらに、金属回路パターンのセラミックス基板との接合面の面積が金属回路パターンの表面側の面積より大きくなるように、金属回路パターンの側面が傾斜していることが好ましい。また、金属回路パターンの側面が滑かな曲面状に傾斜していることが好ましい。
【0017】
本発明に係るセラミックス回路基板の製造方法に使用されるセラミックス基板としては、特に限定されるものではなく、酸化アルミニウム(アルミナ:Al2O3)等の酸化物系セラミックス基板の他に、窒化アルミニウム(AlN),窒化けい素(Si3N4),窒化チタン(TiN)等の窒化物、炭化けい素(SiC),炭化チタン(TiC)等の炭化物、またはほう化ランタン等のほう化物等の非酸化物系セラミックス基板でもよい。但し、金属板を活性金属法でセラミックス基板に接合するため、窒化アルミニウム,窒化けい素のような非酸化物系セラミックス基板が、特に好適である。これらのセラミックス基板には酸化イットリウムなどの焼結助剤等が含有されていてもよい。
【0018】
また金属回路板,裏金属板等の金属板を構成する金属としては、銅,アルミニウム,鉄,ニッケル,クロム,銀,モリブデン,コバルトの単体またはその合金など、活性金属法を適用できる金属であれば特に限定されないが、特に導電性および価格の観点から銅,アルミニウムまたはその合金、特にコバール合金等が好ましい。
【0019】
金属回路板等の厚さは、通電容量等を勘案して決定されるが、セラミックス基板の厚さを0.25〜1.2mmの範囲とする一方、金属回路板等の厚さを0.1〜0.5mmの範囲に設定して両者を組み合せると熱膨張差による変形などの影響を受けにくくなる。
【0020】
本発明に係るセラミックス回路基板の製造方法において、活性金属法によって金属回路板等を接合する際に形成されるろう材層は、Ti,Zr,HfおよびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を含有し適切な組成比を有するAg−Cu系ろう材等で構成され、このろう材組成物を有機溶媒中に分散して調製した接合用組成物ペーストをセラミックス基板表面にスクリーン印刷する等の方法で形成される。
【0021】
上記接合用組成物ペーストの具体例としては、下記のようなものがある。すなわち重量%でCuを15〜35%、Ti、Zr、HfおよびNbから選択される少くとも1種の活性金属を1〜10%、残部が実質的にAgから成る組成物を有機溶媒中に分散して調製した接合用組成物ペーストを使用するとよい。
【0022】
上記活性金属はセラミックス基板に対するろう材の濡れ性を改善するための成分であり、特に窒化アルミニウム(AlN)基板に対して有効である。上記の活性金属の配合量は、接合用組成物全体に対して1〜10重量%が適量である。
【0023】
また本発明に係るセラミックス回路基板の製造方法においては、ろう材層が金属回路パターンの側面よりも外方に張り出すように形成される。このろう材層の張り出し量は、隣接する金属回路パターン間の絶縁性に支障がない程度であればよいが、通常0.2〜0.5mmの範囲とされる。このように、セラミックス基板と金属回路パターンとを接合するろう材層を、金属回路パターンの側面より外方に張り出すように形成することにより、セラミックス基板と金属回路パターンとの接合端部に作用する集中応力を低減することができ、セラミックス回路基板の曲げ応力およびたわみ性を向上させることが可能となる。
【0024】
また、上記接合構造である場合にはエッチング処理が適用可能であり、図8および図9に示す接合構造を有する従来のセラミックス基板と比較して、高精細な回路パターンを形成することが可能であり、高集積化が進む半導体素子を搭載する上で極めて有効である。
【0025】
さらに、上記接合構造によれば、セラミックス基板の種類や回路パターンの形状によっては、セラミックス回路基板全体の曲げ強度をセラミックス基板自体の曲げ強度よりも大きくすることも可能である。
【0026】
また、金属回路パターンのセラミックス基板との接合面の面積が金属回路パターンの表面側の面積より大きくなるように、金属回路パターンの側面を傾斜させることにより、金属回路パターンとセラミックス基板との接合端部における応力集中が効果的に防止でき、割れの発生をより確実に防止できる。特に金属回路パターンの側面を滑かな曲面状に傾斜するように形成することにより、接合端部に作用する集中応力をさらに緩和することができる。
【0027】
本発明が目的とするセラミックス回路基板は、例えば以下のような手順で製造される。すなわち、まずセラミックス基板と金属回路板とを用意し、前記のような活性金属を含有する接合用組成物ペースト(ろう材ペースト)をセラミックス基板の表面に塗布する。この際、ろう材ペーストは接合しようとする金属回路板や裏金属板などの金属板の面積より若干大面積となるように塗布する。また、ろう材ペーストの塗布厚さは、金属板の厚さにより異なるが、例えば20〜50μm程度とすることが望ましい。
【0028】
次にろう材ペーストの塗布層上に金属回路板等を押し付けた状態で乾燥させた後に、真空中や窒素雰囲気のような不活性雰囲気中にて、用いたろう材の接合温度で熱処理し、セラミックス基板と金属板とを一体に接合する。しかる後に、接合体をエッチング処理して所定の金属回路パターンを有するセラミックス回路基板が製造される。
【0029】
上記構成に係るセラミックス回路基板の製造方法によれば、セラミックス基板と金属回路パターンとを接合するろう材層を、金属回路パターンの側面より外方に張り出すように形成することにより、セラミックス基板と金属回路パターンとの接合端部に作用する集中応力を低減することができ、セラミックス回路基板の曲げ応力およびたわみ性を向上させることが可能となる。そして、このセラミックス回路基板を使用することにより、割れの発生が少なく耐久性および信頼性に優れた半導体装置を高い製造歩留りで量産することが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について添付図面を参照して以下の実施例に基づいて、より具体的に説明する。
【0031】
セラミックス基板として、図1〜図3に示す寸法を有し、3点曲げ強度が600MPa,たわみ量が1.60mmである窒化けい素(Si3N4)基板と、3点曲げ強度が300MPa,たわみ量が0.50mmである窒化アルミニウム(AlN)基板とを多数用意した。
【0032】
一方、金属板として図1〜図3に示す形状および厚さを有し、Cu(タフピッチ電解銅),Ni,コバール合金(28%Ni−18Co−Fe)の各金属材から成る金属板路板(厚さ0.3mm)および裏金属板(厚さ0.25mm)をそれぞれ調製した。
【0033】
一方、重量比でTi粉末を3%、Ag粉末を27%、Cu粉末を70%含有する粉末混合体100重量部に対して、溶媒としてのテレピネオールにバインダーとしてのエチルセルロースを溶解したバインダー溶液を20重量部添加して、擂回機で混合後、三段ロールで混練してペースト状の接合用組成物を調製した。
【0034】
(実施例1〜5)
表1に示すように窒化けい素(Si3N4)基板(実施例1〜4)および窒化アルミニウム(AlN)基板(実施例5)の両面に前記ペースト状接合用組成物を印刷した。この際、接合用組成物ペーストは、最終的に形成されるべき金属回路パターン間の絶縁性に支障がない程度に、具体的には、金属回路パターンの側面からの張り出し量が表1に示す値となるように、金属回路パターンの面積より広く印刷した。
【0035】
次に、各セラミックス基板に、上記ペーストを介してそれぞれ金属回路板および裏金属板を接触配置して3層構造の積層体とし、この各積層体を加熱炉内に配置し、炉内を1.3×10−8MPaの真空度に調整した後に、温度850℃にて15分間加熱して図1〜図4に示すように、各セラミックス基板2にろう材層5を介して金属回路板3および裏金属板4を一体に接合して、多数の接合体を得た。そして各接合体についてエッチング処理を実施して所定の金属回路パターン6を有する実施例1〜5に係るセラミックス回路基板1とした。
【0036】
このように調製した各実施例に係るセラミックス回路基板1においては、図1〜図4に示すように、最終的にパターニングされた金属板3(金属回路パターン6)の側面からろう材層5が所定の張り出し量Dをもって外方に張り出すように形成されている。また、各金属回路パターン6の側面は、図4に示すように、エッチング処理によって滑かな曲面状の傾斜面7として形成されている。
【0037】
(比較例1〜3)
一方、実施例1,実施例3および実施例5において、ろう材ペーストの金属板側面からの張り出し量をゼロとして、ろう材層の面積と金属板の面積とを一致させた点以外は、それぞれ実施例1,3,5と同一条件でろう材ペーストの印刷塗布,加熱接合処理およびエッチング処理を実施することにより、それぞれ対応する比較例1〜3に係るセラミックス回路基板をそれぞれ調製した。
【0038】
このように調製した各比較例に係るセラミックス回路基板11においては、図5〜図7に示すように、ろう材層15の側面は金属回路板13および裏金属板14の側面と面一に形成されている。
【0039】
上記のように調製した各実施例および比較例に係るセラミックス回路基板について、その両端部を2点で支持する一方、中央部の1点に荷重を付加して3点曲げ強度を測定するとともにセラミックス基板の両縁部を含む平面に対する最大たわみ量を測定して下記表1に示す結果を得た。
【0040】
【表1】
【0041】
上記表1に示す結果から明らかなように、ろう材層を金属回路パターンの側面より外方に所定の張り出し量で張り出すように形成した各実施例に係るセラミックス回路基板においては、セラミックス基板と金属回路パターンとの接合端部に作用する集中応力を低減することができるため、セラミックス基板の母材強度と同等以上、または若干低下した程度の高い曲げ強度を有しており、特に最大たわみ量が、従来構造のものと比較して大幅に増加しており、割れの発生量が極めて低くなる効果が得られている。特に、実施例1および実施例5のセラミックス回路基板の曲げ応力は、セラミックス基板自体の曲げ応力より高い値が得られている。
【0042】
一方、ろう材層の張り出し量をゼロにした従来の接合構造を有する比較例1〜3に係るセラミックス回路基板では、曲げ強度およびたわみ量がいずれもセラミックス基板の母材よりもかなり劣化することが再確認できた。
【0043】
図1〜図2に示すように隣接する金属回路パターン間の空隙がセラミックス基板の中央部に存在するような、上記実施例および比較例のセラミックス回路基板においては、セラミックス基板と各金属回路パターンとの接合端部に集中する応力によって、回路基板全体としての曲げ強度はセラミックス基板自体の曲げ強度より低下する傾向がある。しかしながら、本実施例のようにろう材層の面積を金属回路パターンの面積より広くすることにより、上記の応力集中を低減することができ、回路基板の曲げ強度を向上させることができるのである。
【0044】
また各実施例および比較例に係るセラミックス回路基板の耐久性および信頼性を評価するために、各回路基板を−40℃で30分間保持し、次に室温(RT:25℃)で10分間保持し、さらに125℃で30分間保持し、さらに室温で10分間保持するという加熱−冷却する操作を1サイクルとするヒートサイクル試験(熱衝撃試験)を繰り返して実施した。その結果、各実施例の回路基板では300サイクル経過後においてもクラック,割れ,剥離の発生割合は得られず、十分な冷熱サイクル特性が得られることが確認できた。一方、比較例においては11〜25%と高い割合でファインクラックが発生していた。
【0045】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係るセラミックス回路基板によれば、セラミックス基板と金属回路パターンとを接合するろう材層を、金属回路パターンの側面より外方に張り出すように形成することにより、セラミックス基板と金属回路パターンとの接合端部に作用する集中応力を低減することができ、セラミックス回路基板の曲げ応力およびたわみ性を向上させることが可能となる。そして、このセラミックス回路基板を使用することにより、割れの発生が少なく耐久性および信頼性に優れた半導体装置を高い製造歩留りで量産することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るセラミックス回路基板の一実施例を示す平面図。
【図2】 図1に示すセラミックス回路基板の断面図。
【図3】 図1に示すセラミックス回路基板の底面図。
【図4】 図2におけるIV部の部分拡大断面図。
【図5】 従来のセラミックス回路基板の構成例を示す平面図。
【図6】 図5に示す従来のセラミックス回路基板の断面図。
【図7】 図5に示す従来のセラミックス回路基板の底面図。
【図8】 図6におけるVIII部の部分拡大断面図。
【図9】 図6におけるIX部の部分拡大断面図。
【符号の説明】
1,11 セラミックス回路基板
2,12 セラミックス基板
3,13 金属回路板(銅回路板)
13a 側面
4,14 裏金属板(裏銅板)
5,15,15a,15b ろう材層
6 金属回路パターン
7 曲面状傾斜面
16 表面
17 接合面
D ろう材層の張出し量
Claims (6)
- 厚さが0.25〜1.2mmのセラミックス基板の少なくとも一方の主面にTi,Zr,HfおよびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を含有したろう材層を介して厚さが0.1〜0.5mmの金属板を接合し、金属板をエッチング処理することにより所定の金属回路パターンを形成したセラミックス回路基板の製造方法において、上記ろう材層が金属回路パターンの側面よりも0.2〜0.5mm外方に張り出すように形成した後に金属板を接合し、さらに上記金属板をエッチング処理して回路パターンを形成することにより、上記セラミックス回路基板の曲げ強度をセラミックス基板自体の曲げ強度より大きくすることを特徴とするセラミックス回路基板の製造方法。
- 前記金属回路パターンのセラミックス基板との接合面の面積が金属回路パターンの表面側の面積より大きくなるように、金属回路パターンの側面が傾斜していることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板の製造方法。
- 前記金属回路パターンの側面が滑かな曲面状に傾斜していることを特徴とする請求項2記載のセラミックス回路基板の製造方法。
- 前記セラミックス基板が窒化けい素基板であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板の製造方法。
- 前記セラミックス基板が窒化アルミニウム基板であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板の製造方法。
- 前記ろう材層がAg,Cu,Tiを全て含有することを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板の製造方法。
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