JP3847912B2 - 路面処理作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高圧水の噴射によって路面のハツリ作業や目荒し作業を行う路面処理作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、傷んだ路面の補修作業時、あるいは路面の摩擦抵抗を出すために、ハツリ作業や目荒し作業が行なわれる。
【0003】
ハツリ作業及び目荒し作業は、噴射ノズルから路面へ高圧水を噴射することで、路面の弱い部分を破砕し、路面に凹凸面を作るものである。噴射ノズルは、ガイド部材に沿って左右に横移動しながら作業範囲となる路面の端から端まで往復動する構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
噴射ノズルから噴射される高圧水が路面に作用する噴射エネルギーは、噴射圧が一定と仮定すると、路面からの高さによって決定され、路面に近ずくほど噴射エネルギーは強くなる。また、路面から離れるほど噴射エネルギーは弱くなるため、例えば路面の不陸によって噴射ノズルが上下動すると深く掘れてしまう所と、浅く掘れてしまう所が発生し、処理面が一定とならない不具合が起きる。
【0005】
特に路面の表面を、例えば10〜20mmほど均一に飛ばす目荒し作業にあっては大きな問題となる。
【0006】
そこで、この発明は、噴射ノズルの噴射圧が常に一定となるようにすると共に、検知センサによるセンサ領域の障害物をなくし、精度よい検知が行なえるようにした路面処理作業機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は、機体に設けられた車幅方向に長いガイド部材に装着され、そのガイド部材に沿って横移動可能な噴射ノズルを有する高圧水噴射装置と、ガイド部材の水平方向の傾きを検知する検知センサと、検知センサによって検知する未処理舗装面のセンサ領域内の障害物及び飛ばされてくる破砕片を噴射圧によって吹き飛ばす障害物排除噴射ノズルと、検知センサからの検知信号に基づき前記高圧水噴射装置を噴射路面に対して上下動させる高さ調整装置とを備える。
【0008】
検知センサとしては、障害物排除噴射ノズルによって排除されたセンサ領域内の未処理舗装面上を走行する上下動可能な支持輪の外に、未処理舗装面までの高さを検知する超音波又は光センサがある。
【0010】
かかる路面処理作業機によれば、高圧水噴射装置の噴射ノズルから噴射される高圧水によって傷んだ舗装表面を破砕し吹き飛ばす。
【0011】
この路面処理作業時において、高圧水噴射装置の噴射ノズルは、検知センサによる検知信号に基づいて上下動し、噴射路面に対し、常に同一の高さが確保され、一定の噴射圧が得られる。また、障害物排除噴射ノズルから噴射される噴射圧によって、センサ領域内の障害物及び高圧水噴射装置によって飛ばされた破砕片はセンサ領域外へ確実に排除され、精度よい検知が行なえるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5の図面を参照しながら、この発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0013】
図1において、1は路面処理作業機3の機体を示しており、駆動部(図示していない)からの動力にて駆動される走行輪5により自走可能となっている。機体1の前方には、左右一対の支持アーム7,9によって構成されるリンク機構により車幅方向に長いガイド部材11が装着支持され、ガイド部材11は、油圧装置13によって所定の高さに位置決めされるようになっている。
【0014】
油圧装置13は、シリンダ15と伸縮可能なピストンロッド17とからなり、シリンダ15は機体1側に、ピストンロッド17は、ガイド部材11に設けられたブラケット19にそれぞれ取付けられ、ピストンロッド17の伸縮により、ガイド部材11を所定の高さに位置決めすることが可能となっている。
【0015】
ガイド部材11には、横移動装置21により、前記ガイド部材11に沿って横移動可能な噴射ノズル23を備えた高圧水噴射装置25が装着されている。
【0016】
横移動装置21は、図3に示す如く、高圧水噴射装置25が支持された上下動主体枠27を有する横移動主体枠29に、ガイド部材11のガイドレール面31に沿って走行可能な上下に対向し合うガイドローラ33,33と、油圧モータ35により正転・逆転自在に駆動される駆動歯車37がそれぞれ設けられ、駆動歯車37はガイド部材11に沿って設けられたラック39と噛み合っている。これにより、ラック39と噛み合う駆動歯車37が正転又は逆転することで、横移動主体枠29、即ち、噴射ノズル23はガイド部材11に沿って横移動が可能となる。
【0017】
油圧モータ35は、ガイド部材11の両サイドに設けられたサイド検知スイッチS1,S2に横移動主体枠29が当接することで、そのサイド検知スイッチS1,S2からの検知信号に基づいて正転又は逆転自在に制御されるようになっている。
【0018】
高圧水噴射装置25が支持された上下動主体枠27は、図4,図5に示す如く、高さ調整装置41によって横移動主体枠29に対して上下動自在に制御可能となっている。
【0019】
高さ調整装置41は、横移動主体枠29側に設けられたねじ杆43と、ねじ杆43に正転又は逆転の回転動力を与える駆動モータ45とからなり、ねじ杆43に、前記上下動主体枠27が螺合している。
【0020】
これにより、ねじ杆43が正転又は逆転することで、上下動主体枠27は、横移動主体枠29に設けられた左右のガイド部材45,45にガイドされて上下動が可能となっている。
【0021】
ねじ杆43に正転又は逆転の回転動力を与える駆動モータ45は、検知センサ48となる支持輪47からの検知信号に基づいて正転あるいは逆転するよう作動制御される。
【0022】
支持輪47は、図3に示す如く、未処理舗装面49上を走行すると共に、支持輪47が走行する未処理舗装面49のセンサ領域は、障害物排除噴射ノズル51の噴射圧によって、例えば、高圧水噴射装置25によって破砕された破砕片等の障害物が吹き飛ばされ、取除かれるようになっている。
【0023】
障害物排除噴射ノズル51は、図外のコンプレッサと接続し、高圧の空気が吹き出されるようになっている。この場合、所定の水圧が噴射されるようにすることでも可能である。
【0024】
支持輪47の上端部は、横移動主体枠29に設けられた支持部材53に対して上下動自在に装着支持されている。支持部材53内には、不陸等の条件によって上下動するようになる支持輪47の上下動を、電気信号に変換して制御部55へ送り出す変換部(図示していない)を有している。これにより、制御部55からの信号によって駆動モータ45は正転又は逆転することで、不陸に対応した噴射ノズル23の上下動調整が可能となり、噴射路面に対し、常に一定の高さが確保されるようになっている。
【0025】
一方、高圧水噴射装置25の噴射ノズル23には、図外の水タンク車の水タンクと接続し、高圧ポンプ(図示していない)によって圧力が高められた高圧水が高圧ホース57を介して送り込まれるようになっている。噴射ノズル23は、垂直線に対して所定の角度を有して噴射するようになっており、駆動モータ59により360度回転しながら噴射する。
【0026】
このように構成された路面処理作業機3によれば、噴射ノズル23をガイド部材11に沿って横移動させながら高圧水を路面へ向けて噴射することで、ハツリ作業あるいは目荒し作業が行なえるようになる。この作業時において、路面条件により機体1が傾くと、それに対応してガイド部材11も傾くようになるが、その傾きは支持輪47の伸縮により検知される。
【0027】
この場合、未処理舗装面49を走行するセンサ領域内の支持輪47は、噴射ノズル23によって飛ばされた破砕片が新たな障害物となるが、これら障害物は、障害物排除噴射ノズル51から噴射される噴射圧により確実にセンサ領域の外へ排除されるため、正確な検知が行なえる。
【0028】
一方、支持輪47により検知された検知信号は、制御部55を介して駆動モータ45を正転又は逆転させる。これにより、ガイド部材11の傾き量に対応して噴射ノズル23は上下動し、噴射路面から常に同一の距離に位置決めされる結果、一定の噴射圧が確保され、均一な処理面が得られる。
【0029】
図6,7は、検知センサ48の別の実施形態を示したものである。
【0030】
即ち、ガイド部材11に、超音波を未処理舗装面49に発射することで舗装面までの距離を測定する超音波センサ61を複数配置した超音波タイプとなっている。超音波センサ61は、その検知信号を制御部63へ入力すると共に、ガイド部材11に固着された固定タイプとなっている。
【0031】
この場合、図9に示す如く、超音波センサ61をチェーン等の駆動手段64により、左右へ移動可能な可動タイプであってもよい。
【0032】
制御部63は、各超音波センサ61からの検知信号に基づき、演算処理し、ガイド部材11の傾き量に対応して駆動モータ59を正転又は逆転し、噴射ノズル23を、噴射路面から常に同一の高さとなるよう制御されるようになっている。
【0033】
なお、検知センサは、レーザー等の光センサであってもよい。
【0034】
超音波が発射される未処理舗装面49のセンサ領域は、障害物排除噴射ノズル65の噴射圧によって、例えば、高圧水噴射装置25によって破砕された破砕片等の障害物が吹き飛ばされ、取除かれるようになっている。
【0035】
この場合、図8に示す如く、噴射ノズル23の周囲を取囲む飛散防止用のスカート部材67を設ける組合せとすることで、未処理舗装面49のセンサ領域への障害物の飛散を最少に抑えることが可能となる。
【0036】
なお、他の構成要素は図1と同一のため同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
このように構成された路面処理作業機3によれば、噴射ノズル23をガイド部材11に沿って横移動させながら高圧水を路面へ向けて噴射することで、ハツリ作業あるいは目荒し作業が行なえるようになる。この作業時において、路面条件により機体1が傾くとそれに対応してガイド部材11も傾くようになるが、その傾きは超音波センサ61により検知される。
【0038】
この場合、未処理の舗装面49を検知するセンサ領域は、破砕片等によって障害物となるが、障害物排除噴射ノズル65から噴射される噴射圧により、確実に取除かれるため、正確な検知が行なえる。
【0039】
一方、超音波センサ61により検知された検知信号は、制御部63を介して駆動モータ59を正転又は逆転させる。これにより、ガイド部材11の傾き量に対応して噴射ノズル23は上下動し、噴射路面に対して常に同一高さに位置決めされる結果、一定の噴射圧が確保され、均一な処理面が得られる。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明の路面処理作業機によれば、検知センサによって、噴射ノズルを機体の傾きに対応して、常に噴射路面に対し、一定の高さに維持することができるようになり、均一な処理面が得られる。
【0041】
また、検知センサのセンサ領域は、障害物が確実に排除されるため正確な検知が行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる路面処理作業機の概要側面図。
【図2】路面処理作業機の概要正面図。
【図3】検知センサとなる支持輪の取付状態を示した要部の拡大概要説明図。
【図4】横移動装置を平面からみた概要説明図。
【図5】高さ調整装置の概要説明図。
【図6】検知センサを超音波センサとした図1と同様の概要側面図。
【図7】図6の概要正面図。
【図8】噴射ノズルに、飛散防止用のスカート部材を設けた図1と同様の概要側面図。
【図9】超音波センサを、左右に移動可能な可動タイプとした図7と同様の概要正面図。
【符号の説明】
1 機体
11 ガイド部材
21 高さ調整装置
23 噴射ノズル
25 高圧水噴射装置
48 検知センサ
49 未処理舗装面
51 障害物排除噴射ノズル
Claims (3)
- 機体に設けられた車幅方向に長いガイド部材に装着され、そのガイド部材に沿って横移動可能な噴射ノズルを有する高圧水噴射装置と、ガイド部材の水平方向の傾きを検知する検知センサと、検知センサによって検知する未処理舗装面のセンサ領域内の障害物及び飛ばされてくる破砕片を噴射圧によって吹き飛ばす障害物排除噴射ノズルと、検知センサからの検知信号に基づき前記高圧水噴射装置を噴射路面に対して上下動させる高さ調整装置とを備えることを特徴とする路面処理作業機。
- 検知センサは、障害物排除噴射ノズルによって排除されたセンサ領域内の未処理舗装面上を走行する上下動可能な支持輪であることを特徴とする請求項1記載の路面処理作業機。
- 検知センサは、障害物排除噴射ノズルによって排除されたセンサ領域内の未処理舗装面までの高さを検知する超音波又は光センサのいずれか一方であることを特徴とする請求項1記載の路面処理作業機。
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JP22377597A Expired - Lifetime JP3847912B2 (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | 路面処理作業機 |
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