JP3847716B2 - 鉄道車両運転教習用シミュレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、客室車内で発生する非常事態に対処する客室車内訓練シナリオを持ち、客室車内非常時の訓練を行えるようにした鉄道車両運転教習用シミュレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉄道車両運転教習用シミュレータは、列車走行模擬、列車装置模擬、路線映像模擬、音声模擬、動揺模擬、通信機器模擬等で構成され、運転乗務員または車掌乗務員の運転教習、故障訓練や非常事態への対処訓練を行ってきた。(特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−161516号公報(段落0011〜0014、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の鉄道車両運転教習用シミュレータを用いた運転乗務員または車掌乗務員の教習では、訓練内容に沿って設定された列車装置の故障、列車走行の異常事態、列車音の異常、路線映像への異常イベント、列車動揺の異常事態、通信に関する異常事態などに関し、運転乗務員または車掌乗務員の教習が可能であった。
しかし、客室車内模擬映像を用いた教習や、客室車内での故障訓練や非常事態への対処教習ができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、客室車内模擬映像を有し、客室車内の非常時の訓練を行えるようにした鉄道車両運転教習用シミュレータを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる鉄道車両運転教習用シミュレータにおいては、鉄道車両の運転操作を模擬して運転教習を行うように構成された鉄道車両運転教習用シミュレータにおいて、運転操作を模擬する模擬運転席、客室車内で発生する非常事態に対する訓練を行うための訓練シナリオを設定する訓練シナリオ設定部、この訓練シナリオ設定部によって設定された訓練シナリオに合わせて客室車内の客室車内模擬映像を生成する客室車内映像生成部、及び模擬運転席に配置され、客室車内映像生成部によって生成された客室車内模擬映像を表示する映像モニタを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
鉄道車両の運転手及び車掌に対する運転操作習熟及び機器故障や非常事態発生時の運転動作訓練を目的とする鉄道車両運転教習用シミュレータは、本物の車両運転台を模擬し、運転手や車掌の訓練をおこなうために運転操作を模擬する模擬運転席と、運転手の運転に合わせて前後、左右、上下にリアルタイムに動き、動作模擬をする動揺装置と、鉄道車両が走る路線の風景映像、駅のホームの風景映像や列車内の風景映像を生成する映像生成装置と、教官が訓練各種条件を設定し、訓練を監視・制御する教官卓と、システム全体を制御し、リアルタイムで動作模擬をおこなう中央制御装置と、から構成される。
【0008】
この発明は、とくに客室車内の非常事態に対処する訓練を行うための客室車内模擬映像と、この訓練を行うための訓練シナリオについてのものである。
図1は、この発明の実施の形態1による撮影フィルムを基に生成した客室車内模擬映像装置を備える鉄道車両運転教習用シミュレータを示す摸式図である。
図1において、制御コンピュータ1は、鉄道車両運転教習用シミュレータの教師卓制御、イベント制御環境制御等のシステム全体の制御、並びに列車模擬、通信模擬及び音声模擬や訓練評価を行なう。模擬映像発生装置2は、制御コンピュータ1から送られてくる各種情報に合わせて路線映像を生成する。本発明で提案する客室車内映像再生装置3(客室車内映像生成部)は、撮影フィルムを基に編集・作成された客室車内模擬映像を再生する。路線映像プロジェクタ4は、模擬映像発生装置2で生成された路線映像を模擬運転席前方スクリーンに映写する。映像モニタ5は、客室車内映像再生装置3によって再生された映像を表示する。路線映像プロジェクタ4及び映像モニタ5は、模擬運転席6に配置されている。模擬運転席6は、運転乗務員や車掌乗務員の訓練を行うために運転操作を模擬するように本物の車両運転台を模擬して形成されている。
【0009】
図2は、この発明の実施の形態1による客室車内模擬映像装置を備える鉄道車両運転教習用シミュレータを示す機能構成図である。
図2において、訓練システム制御10は、訓練を実施する教師が訓練シナリオを設定したり訓練状況をモニタする教師卓制御機能11(訓練シナリオ設定部を含む)、列車故障や異常事態を発生させたり、路線映像に表示される信号機を制御するイベント制御機能12、及び天候、時間、走行条件を制御する環境制御機能13で構成され、訓練模擬20、訓練映像30、訓練評価機能40を制御する。訓練模擬20は、列車走行状態や列車機器を模擬する列車模擬機能21、列車無線や客室車内通信を模擬する通信模擬機能22、及び列車走行音、車内放送や衝突音を模擬する音声模擬機能23で構成され、列車走行や訓練シナリオに応じた路線映像情報や客室車内模擬映像情報を訓練映像30に送信する。訓練映像30は、訓練模擬20から受け取った情報に基づき、路線映像を生成する路線映像生成機能31と、客室車内の模擬映像を生成する客室車内映像生成機能32(客室車内映像生成部)から構成される。訓練評価40は、模擬運転席6で行われた乗務員の運転教習、車両故障教習や異常事態への対処を、事前に設定された評価基準を基に評価する。
【0010】
次に、図1の動作について説明する。
制御コンピュータ1が、各種条件により、模擬映像発生装置2で生成する映像が必要であれば、模擬映像発生装置2へ信号を送り、模擬映像発生装置2で必要な映像を生成し、生成された映像信号を路線映像プロジェクタ4へ送信し、路線映像プロジェクタ4が前方映像スクリーンに映像を映し出す。
また、制御コンピュータ1が各種条件により、客室車内模擬映像を生成する必要があれば、客室車内映像再生装置3へ信号を送り、客室車内映像再生装置3で必要な客室車内模擬映像を生成し、生成された映像信号を映像モニタ5へ送信し、映像モニタ5で客室車内模擬映像を表示する。この客室車内模擬映像を用いて、模擬運転席6で運転模擬することにより、客室車内の非常事態に対する運転乗務員及び車掌乗務員の訓練を行うことができる。
【0011】
次に、図2の動作について説明する。
訓練システム制御10では、教師卓制御機能11が、訓練シナリオの設定を含む教習の各種設定や訓練監視を行う。イベント制御機能12は、模擬故障、障害物の設定、制御、削除を行う。環境制御機能13は、訓練時の天候、明るさ、乗車人員等の設定、変更、制御を行う。
訓練模擬20では、列車模擬機能21は、運転手の運転動作や各種設定条件に合わせ列車の機器動作や走行動作の模擬を行う。通信模擬機能22は、運転手や車掌と中央指令所、駅、基地、客室車内を模擬した教官卓との通信を模擬する。音声模擬機能23は、駅の案内放送や非常放送を模擬する。訓練映像30は、訓練する路線の映像を生成する路線映像生成機能31と、客室車内の模擬映像を生成する客室車内映像生成機能32から成る。訓練評価40は、訓練実施中の運転手や車掌の操作手順や操作時間を記録し、基準点と比較し、訓練の評価を行う。これらの機能により、運転乗務員または車掌乗務員による運転模擬に応じた状況を生成し、それを評価して、教習を行うことができ、客室車内の非常事態に対処する訓練シナリオに基づき客室車内の非常時の訓練を行うことができる。
【0012】
実施の形態1によれば、客室車内模擬映像を鉄道車両運転教習用シミュレータで表示可能とし、この客室車内模擬映像を用いた客室車内の非常事態の教習を可能とする。
【0013】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態1による模擬映像発生装置を使用して客室車内模擬映像を生成する鉄道車両運転教習用シミュレータを示す摸式図である。
図3において、制御コンピュータ1は、鉄道車両運転教習用シミュレータの教師卓制御、イベント制御環境制御等のシステム全体の制御、並びに列車模擬、通信模擬及び音声模擬や訓練評価を行なう。本発明で提案する客室車内模擬映像を生成する模擬映像発生装置2(客室車内映像生成部を含む)は、制御コンピュータ1から送られてくる各種情報に合わせて、路線映像や客室車内模擬映像を生成する。路線映像プロジェクタ4は、模擬映像発生装置2で生成された路線映像を運転席前方スクリーンに映写する。映像モニタ5は、模擬映像発生装置2で生成された客室車内模擬映像を表示する。
なお、鉄道車両運転教習用シミュレータを構成する機能は、図2におけるものと同一である。
【0014】
次に、動作について説明する。
制御コンピュータ1が、映像生成に必要な情報を模擬映像発生装置2に送り、模擬映像発生装置2で必要な映像を生成し、路線映像の場合、路線映像プロジェクタ4へ送信し、路線映像プロジェクタ4が前方映像スクリーンに映像を映し出す。また、客室車内模擬映像の場合、映像モニタ5へ送信し、映像モニタ5で客室車内模擬映像を表示する。このようにして、客室車内の非常事態に対処する訓練シナリオに応じて客室車内の非常時の訓練を行うことができる。
【0015】
実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0016】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、鉄道車両の運転操作を模擬して運転教習を行うように構成された鉄道車両運転教習用シミュレータにおいて、運転操作を模擬する模擬運転席、客室車内で発生する非常事態に対する訓練を行うための訓練シナリオを設定する訓練シナリオ設定部、この訓練シナリオ設定部によって設定された訓練シナリオに合わせて客室車内の客室車内模擬映像を生成する客室車内映像生成部、及び模擬運転席に配置され、客室車内映像生成部によって生成された客室車内模擬映像を表示する映像モニタを備えたので、客室車内模擬映像を用いて客室車内の非常事態に対する訓練を運転乗務員及び車掌乗務員に対して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による撮影フィルムを基に生成した客室車内模擬映像装置を備える鉄道車両運転教習用シミュレータを示す摸式図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による客室車内模擬映像装置を備える鉄道車両運転教習用シミュレータを示す機能構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による模擬映像発生装置を使用して客室車内模擬映像を生成する鉄道車両運転教習用シミュレータを示す摸式図である。
【符号の説明】
1 制御コンピュータ、2 模擬映像発生装置、3 客室車内映像再生装置、
4 路線映像プロジェクタ、5 映像モニタ、6 模擬運転席、
10 訓練システム制御、11 教師卓制御機能、12 イベント制御機能、
13 環境制御機能、20 訓練模擬、21 列車模擬機能、
22 通信模擬機能、23 音声模擬機能、30 訓練映像、
31 路線映像生成機能、32 客室車内映像生成機能、40 訓練評価。
Claims (3)
- 鉄道車両の運転操作を模擬して運転教習を行うように構成された鉄道車両運転教習用シミュレータにおいて、運転操作を模擬する模擬運転席、客室車内で発生する非常事態に対する訓練を行うための訓練シナリオを設定する訓練シナリオ設定部、この訓練シナリオ設定部によって設定された訓練シナリオに合わせて客室車内の客室車内模擬映像を生成する客室車内映像生成部、及び上記模擬運転席に配置され、上記客室車内映像生成部によって生成された客室車内模擬映像を表示する映像モニタを備えたことを特徴とする鉄道車両運転教習用シミュレータ。
- 上記模擬運転席での運転操作の模擬を評価し、上記客室車内映像生成部を制御する制御コンピュータを備えたことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両運転教習用シミュレータ。
- 上記客室車内映像生成部は、撮影フィルムを基に上記客室車内模擬映像を生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の鉄道車両運転教習用シミュレータ。
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