JP3847544B2 - ガラス容器コーティング用エマルジョン組成物およびエマルジョン組成物が塗布されたガラス容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス壜等のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物に関し、詳しくは、保存安定性、塗布性に優れ、基材に塗布した後、室温下で、基材上に耐水性、耐結露性、傷部の隠蔽性、触感に優れ、オイリーでない被膜を形成し、且つ水没時の油浮き等の欠点のないガラス容器コーティング用エマルジョン組成物および該エマルジョン組成物が塗布されたガラス容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビール、清涼飲料、牛乳、コーヒーなどの商品用充填容器として使用されているガラス容器は、使用後に市場から回収され、洗浄されて繰り返し使用される。このように繰り返し使用されるガラス容器は、詰め工程やその後の流通過程において、ガラス同士あるいはガラス容器と機械装置の金属部などとの接触により、容器表面に擦り傷が発生し、繰り返し使用を重ねるにつれて美観の低下が著しくなり、外装品質が損なわれる。この結果、充填された内容物の商品価値までもが低下してしまう。
【0003】
そのため、擦り傷が発生したガラス容器に対して、ガラス容器用コーティング剤組成物を塗布することが提案されており、この場合、
(1) 塗布が容易で、常温で所要特性を有する被膜を形成できること
(2) 擦り傷の隠蔽性がよいこと
(3) 耐水性がよいこと
(4) 被膜表面にベトツキ、スベリ感が無いこと
(5) アルカリ水溶液による洗浄で被膜が容易にかつ完全に剥離すること
(6) ガラス容器に貼り付けられたラベルを損傷させないこと
(7) 長距離輸送した時、被膜の劣化が見られないこと
などの要件を満たすものであることが求められている。
【0004】
このような点に鑑み、特開平3−131548号公報で提案した先行技術は、特定の硬化性オルガノポリシロキサンと揮発性ポリジメチルシロキサンで構成される組成物をコーティング剤として使用することから成るものであり、前記の要件を充足するものであった。また、この先行技術の改良として、特開平6−32341号公報、特開平6−32342号公報において、深い擦り傷や無色透明ガラス容器の擦り傷に対しても良好な塗布性、隠蔽効果を示し、しかもアルカリ水溶液による剥離性に優れた、ガラス容器の擦り傷遮蔽剤および遮蔽剤によって擦り傷が遮蔽されたガラス容器が提案された。
【0005】
しかしながら、
1)取扱い時の安全性(低い引火点を有する原料を用いない)
2)作業の簡素化(コーティングマシーンを水で容易に洗浄できること)
3)環境衛生の問題
4)製造ラインの違いによりコーティングを行ってからラベルを貼ることが可能であること
などの、さらなる要求により、水を分散剤とするエマルジョン型の処理剤が望まれていた。エマルジョン型コーティング剤の先行技術として、カルナバワックスやジメチルシリコーンオイルを主成分とした方法が知られている(特開昭59−102973号公報、特開昭59−111947、特開昭55−56040号公報、特開昭57−17863号公報参照)。しかし、このような処理を施したガラス壜はスベリ易いために取扱いにくく、耐水性が不十分で被膜の流れ落ちがある、ウォータークーラー浸漬時に油浮きがある、などの問題があった。これらの改良技術として、特開平6−9873号公報において、特定のシリコーンレジンと揮発性ポリオルガノシロキサン、界面活性剤を用いたエマルジョン組成物が提案されたが、ベースレジンの分散剤に揮発性シリコーンを用いるため、エマルジョンとした場合でも、その製品が引火点を有すること、さらにはコーティングを行った後にラベルを貼る工程においてラベルが剥がれる問題があった。
【0006】
また、カルボン酸を有する酸味料にアミノ基を有するシランおよびそれらの加水分解物を反応させて得られるカルボン酸・アミノ塩基含有化合物と粘度を特定したアルキル変性シリコーンオイルの乳化物とを用いたエマルジョン組成物も提案されたが(特開2000−63758号公報)、ウォータークーラー浸漬時の油浮きや耐水性の点で十分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決し、水を分散媒とする1液型のエマルジョン組成物であって、保存安定性、塗布性に優れ、基材に塗布した後、室温下で、基材上に耐水性、耐結露性、傷部の隠蔽性、触感に優れた被膜を形成し、更に水没時の油浮き、結露水によるコーティング液の流出、スベリ等の問題のない、総合的に優れた性能を有するガラス容器コーティング用エマルジョン組成物およびエマルジョン組成物が塗布されたガラス容器の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の低分子ジオール(シラノール基末端ポリジオルガノシロキサン)を主成分とし、それを乳化重合させることなく、単に機械乳化することによって得られるエマルジョン組成物が、上記特性を全て満足する極めて有用なものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物は、
(A) 一般式 HO[R2SiO]mH (I)
(式中、Rは互いに同一になっても異なっていてもよい、置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、mは成分(A) の25℃における粘度を10〜50cPにする値である)で示されるシラノール基末端ポリジオルガノシロキサン
(B) 界面活性剤
(C) 水
からなる混合物を単に機械乳化することによって得られるものである。
【0010】
また、本発明の別の目的は、上記のエマルジョン組成物が塗布されたガラス容器を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明でエマルジョンの主成分となる成分(A) は、分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンであって、一般式(I)で示されるものである。その分子構造は、一般式(I)で示されるように直鎖状であるが、分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたものでさえあれば、一部に分岐構造が含まれていてもよい。mは、25℃における該ポリジオルガノシロキサンの粘度を10〜50cPの範囲にする値のものである。すなわち、シラノール末端ポリジオルガノシロキサンの粘度が10cP未満のものは、安定に合成し、精製することが困難であり、50cPを越えると、コーティングされたガラス容器がオイリーな外観を示し、また、ウォータークーラー浸漬時に油浮きを示す。なお、mはケイ素原子に結合したRの種類やその相互の比率によっても異なる。
【0012】
式(I)において、ケイ素原子に結合するRとしては、(1)炭素数1〜30、好ましくは1〜10、のアルキル基、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシルなど、(2)炭素数4〜7、好ましくは6、のシクロアルキル基、たとえば、シクロヘキシルなど、(3)炭素数2〜8、好ましくは2〜3、のアルケニル基、たとえば、ビニル、アリルなど、(4)アラルキル基、特にアリール部分がフェニルまたは低級アルキル(C4程度まで)置換フェニルで、アルキル部分がC4程度までのもの、たとえば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルなど、(5)アリール基、特にフェニルまたは置換フェニル(置換基は、たとえばC4程度までのアルキル基)、たとえば、フェニル基、トリル基など、および(6)置換炭化水素基、特に置換基がハロゲンであるもの、たとえば、3,3,3−トリフルオロプロピルなど、が例示される。生産性やウォータークーラー浸漬時の耐油浮きなどが優れていることから、分子中のRの85%以上がメチル基であることが好ましく、実質的にすべてがメチル基であることが特に好ましい。従って、成分(A) として好ましいものは、α,ω−ジヒドロキシポリ(ジメチルシロキサン)、およびそのジメチルシロキサン単位の一部がメチルエチルシロキサン単位、メチルヘキシルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位などで置換された共重合ポリシロキサンである。これらのうちでも、α,ω−ジヒドロキシポリ(ジメチルシロキサン)が特に好ましい。
【0013】
上記(A) シラノール基末端ポリジオルガノシロキサンを乳化するための界面活性剤(B) は、均一なエマルジョンを形成させるものであれば特に限定はされず、ノニオン系、カチオン系、アニオン系およびこれらの混合系のいずれでもかまわない。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン変性シリコーンなどが例示される。またカチオン系界面活性剤としてはヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリドのようなアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリドのようなジアルキルジメチルアンモニウム塩;ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドのようなベンジルアンモニウム塩などが例示される。また、アニオン系界面活性剤としては、アルキルサルファート、アルキルホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどが例示される。
【0014】
これらのうち、アニオン系界面活性剤が好ましく、特にドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンがコーティングされたガラス容器の外観意匠性に優れていることから好ましく使用される。
【0015】
(B) 界面活性剤の配合量は特に制限されないが、(A)シラノール基末端ポリジオルガノシロキサン 100重量部に対して0.1〜20重量部使用される。
【0016】
本発明において、成分(C) の水は(A)シラノール基末端ポリジオルガノシロキサン 100重量部に対して100〜1000 重量部使用される。100重量部未満であるとベタツキなどの特性に不具合を生じ、1000重量部を越えると、被膜成分含有率が少なく、傷部の隠蔽に不具合を生じ好ましくない。
【0017】
また本発明のエマルジョン組成物は、前記した(A) 成分、(B) 成分および(C) 成分からなるものであるが、必要に応じて各種の添加剤を添加してもよく、この添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されない。この添加剤としては、例えば高級脂肪酸エステルなどの被膜改質剤、環状シロキサン・揮発性シリコーンなどのレベリング剤、紫外線吸収剤、増粘剤、抗酸化剤、防菌剤などが例示される。
【0018】
本発明のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物は、(A) シラノール基末端ポリジオルガノシロキサンを乳化重合させることなく、単に(B) 、(C) 成分と共に機械乳化することによって得られる。
【0019】
ここで、具体的な機械乳化の手段としては、例えば、予め成分(A)、(B)、(C)を予備混合し、さらに加圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーなどの乳化機を通して乳化することが好ましく、特に加圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。必要であればさらに水を加えて均一に乳化分散させる。
【0020】
調製されるエマルジョンの粒径は、得られるエマルジョン組成物の溶液安定性の点から粒径の小さい方が好ましく、本調整法によって例えば、粒径280nm以下のエマルジョン組成物が得られるという特徴がある。
【0021】
また、機械乳化することによって得られるガラス容器コーティング用エマルジョン組成物中の(A) 成分の粘度は、25℃において10〜50cPであった。
【0022】
本発明の如く、(A) シラノール基末端ポリジオルガノシロキサンを乳化重合させることなく、単に(B) 、(C) 成分と共に機械乳化することによって得られるガラス容器コーティング用エマルジョン組成物は、特に水没時の油浮きがなく、耐水性、耐結露性が良好である、更にコーティングした容器表面がオイリーでないという優れた特徴を有する。
【0023】
このように、水没時の油浮きがないことは、主成分の(A) シラノール基末端ポリジオルガノシロキサンが極性基(−OH基)を有しており容器表面に配向すること、極性基があるためにある程度水となじみ易いこと(水と油ほど反撥しない)に起因し、耐水性、耐結露性が良好であるのは、主成分が配向し撥水性を出すことに起因し、オイリーでなく触感に優れているのは、主成分が低分子で粘度が低いこと(オイル状にギトギトしない)に起因すると考えられる。
【0024】
本発明のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物を容器に塗布する方法として、スプレーコーティング、刷毛塗り、パフ塗り、浸漬法など、通常行われている手法を用いることができる。また、大量のガラス容器、通常このようなガラス容器は、開口部が細口の壜体であるが、これらを処理する場合には、例えば特開昭58−213654号公報記載のローラー式コーティング装置や特公平1−59221号公報記載のコーティングベルト式コーティング装置が使用可能である。被膜の厚さは任意であるが、擦り傷隠蔽効果、触感のバランス、アルカリ水溶液による剥離性の観点から、 0.5〜40μm程度が適当である。また、塗布する部位は擦り傷部に限らないことは言うまでもないが、コスト削減の目的のために、擦り傷のみを前記の膜厚になるようにコーティングすることも可能である。また、本発明のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物は、ガラス容器に貼り付けたラベルの上に塗布してもラベルを損傷させることはない。
【0025】
【発明の効果】
本発明のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物は、擦り傷隠蔽効果に優れているのは勿論、ガラス基材に塗布し、室温によって、耐水性、耐結露性を有し、触感に優れた被膜を形成し、形成された被膜およびエマルジョン組成物は、ラベル表面を侵すことなく、さらにはコーティングを行った後にラベルを貼る場合でも、その接着性に不具合を生じない。
【0026】
本発明のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物は、水を分散媒とするエマルジョン型のため、有機溶剤による安全性、環境衛生上の問題もなく、またエマルジョンであるにもかかわらず、優れた安定性を有し、浸水時の油浮きなども生ずることがなく、更に結露水によりコート液が流出(脱落・剥離)せず、コート膜に耐水性があり、また表面がオイリーでない、触感に優れるなどの良好な特性を示す。
【0027】
【実施例】
以下において、実施例および比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。本発明の範囲は、以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の配合量は特に断りのない限りすべて重量部、粘度は25℃における値を示す。
実施例1
滴下ロートを取り付けたフラスコ内に、精製水300 gおよびドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン4gを入れ可溶化した後に、粘度25cPのシラノール基末端ポリジオルガノシロキサン200 gを滴下し、撹拌混合(粗乳化)を行った。次に、高圧噴射式乳化分散機(米国ガウリン社製加圧ホモジナイザー)を用いて、一次圧400 kg/cm2、二次圧80kg/cm2で乳化し、粘度10cP、エマルジョン粒径250nm のエマルジョン組成物を得た。
実施例2
滴下ロートを取り付けたフラスコ内に、精製水300 g、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン4gおよびポリエチレン変性シリコーン(GE東芝シリコーン株式会社社製商品名TSF4440)を入れ可溶化した後に、粘度25cPのシラノール基末端ポリジオルガノシロキサン200 gを滴下し、撹拌混合(粗乳化)を行った。次に、高圧噴射式乳化分散機(米国ガウリン社製加圧ホモジナイザー)を用いて、一次圧400 kg/cm2、二次圧80kg/cm2で乳化し、粘度15cP、エマルジョン粒径240nm のエマルジョン組成物を得た。
実施例3
滴下ロートを取り付けたフラスコ内に、精製水300 gおよびドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン4gを入れ可溶化した後に、粘度25cPのシラノール基末端ポリジオルガノシロキサン180 gおよびデカメチルシクロペンタシロキサン20gの混合溶液を滴下し、撹拌混合(粗乳化)を行った。次に、高圧噴射式乳化分散機(米国ガウリン社製加圧ホモジナイザー)を用いて、一次圧400 kg/cm2、二次圧80kg/cm2で乳化し、粘度12cP、エマルジョン粒径260nm のエマルジョン組成物を得た。
比較例1
シラノール基末端ポリジオルガノシロキサンとして粘度100cP のものを使用した以外は実施例1と同様にしてエマルジョン組成物を得た。
比較例2〜3
表1に示す組成で、実施例1と同様の手順で各エマルジョン組成物を得た。
【0028】
上記各組成物について、擦り傷隠蔽用のコーティング剤として、外観、擦り傷隠蔽性、ラベル接着性、油浮き、耐水性、耐結露性、触感、洗壜性、振とう輸送性を以下の通り評価した。結果を表1に示す。
・試験体の作製
<ビール壜用褐色大壜>
側面全体に擦り傷が付いた、アルカリ洗浄済みのビール壜用褐色大壜(内容量633ml)を用意し、その側面に0.4 gの割合でコーティング剤組成物を塗布し、25℃、60%RHの環境下で3日間放置して評価用壜体とした。
・被膜特性の評価方法
<外観>
評価用壜体を目視観察し、下記の基準で意匠性を評価した。
【0029】
◎ : 良好
○ : 部分的にムラがあるが実用上問題なし
△ : やや違和感あり
× : 問題あり
<擦り傷隠蔽性>
評価用壜体を目視観察し、下記の基準で擦り傷隠蔽性を評価した。
【0030】
◎ : 良好
○ : 一部に擦り傷跡が見られる
△ : 擦り傷部の半分程度見られる
× : 隠蔽不十分
<ラベル接着性>
評価用壜体の作製と同様の方法でコーティング剤を塗布し、100cm2あたり0.15gとなるように糊を塗布したアルミニウム蒸着ラベルを貼り付け、その後、25℃、60%RHの環境下で3日間養生した。養生終了後、壜を5℃の水浴中に48時間水没させ、ラベルを貼り付き状況を目視観察し、下記の基準で評価した。
【0031】
◎ : 剥がれなし
○ : 一部に剥がれが見られるが実用上問題なし
△ : 実用上問題となるラベル剥がれがある
× : 問題あり
<油浮き>
評価用壜体を5℃の水浴中へ10〜20回程度出し入れし、その後3時間水没させ、3時間後に水浴表面を目視観察し、下記の基準で油浮きの状態を評価した。
【0032】
◎ : 油浮き全くなし
○ : わずかに油浮きがあるが実用上問題なし
△ : 実用上問題となる油浮きがある
× : 問題あり
<耐水性>
評価用壜体を5℃の水浴中へ168時間水没させ、壜を取り出し、下記の基準で擦り傷隠蔽性を評価した。
【0033】
◎ : 良好
○ : 一部に擦り傷跡が見られる
△ : 擦り傷部の半分程度見られる
× : 隠蔽不十分
<耐結露性>
評価用壜体を5℃の恒温恒湿槽内に48時間入れ冷やした後、25℃、75%RHの環境下に置き、壜の表面を結露させた。そのままさらに壜表面が乾燥するまで放置し、乾燥後の擦り傷隠蔽性を下記の基準で評価した。
【0034】
◎ : 良好
○ : 一部に擦り傷跡が見られる
△ : 擦り傷部の半分程度見られる
× : 隠蔽不十分
<触感>
評価用壜体を手で持ち、その時の壜表面のスベリ感・ヌメリ感、ザラツキ感・ベタツキ感について、下記の基準で定性的に評価した。
【0035】
◎ : 良好(違和感なし)
○ : わずかに違和感があるが実用上問題なし
△ : 実用上問題となる違和感がある
× : 違和感あり
<洗壜性>
評価用壜体を液温60℃、4%水酸化ナトリウム水溶液中に15分間浸漬し、コーティング膜の除去の程度を目視評価した。
【0036】
◎ : コーティング膜の除去され実用上問題なし
× : コーティング膜の残存が見られ実用上問題あり
<振とう輸送性>
評価用壜体を入れた所定のプラスチックケース(通常、P箱)をエミック(株)製の振動試験機に固定し、振動周波数5〜40Hz、加振加速度1G、振幅10cmで約40分間振動した。その後、壜を取り出して外観を目視評価した。
【0037】
◎ : 良好
○ : 一部に白化・隠蔽不足が見られるが実用上問題なし
△ : 実用上問題となりうる白化・隠蔽不足が見られる
× : 問題あり
【0038】
【表1】
Claims (5)
- (A) 一般式 HO[R2SiO]mH (I)
(式中、Rは互いに同一になっても異なっていてもよい、置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、mは成分(A) の25℃における粘度を10〜50cPにする値である)で示されるシラノール基末端ポリジオルガノシロキサン
(B) 界面活性剤
(C) 水
からなる混合物を単に機械乳化することによって得られるガラス容器コーティング用エマルジョン組成物。 - 機械乳化することによって得られるガラス容器コーティング用エマルジョン組成物中の(A) 成分の粘度が25℃において10〜50cPである請求項1記載のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物。
- (B) 成分がアニオン系界面活性剤である請求項1または2記載のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物。
- (B) 成分がドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンである請求項3記載のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物。
- ガラス容器表面に請求項1〜4の何れか1項記載の記載のガラス容器コーティング用エマルジョン組成物が塗布されたガラス容器
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