JP3846935B2 - 砲弾の供給装着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太さが連続的に又は段階的に変化する形状を有する多数の砲弾を同一方向に整列させると共に、該砲弾を保持し得るリンクをベルト状に連結したリンクベルトに装着する供給装着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太さが連続的に又は段階的に変化する形状を有する砲弾は、同じ径の方向を統一して順次移送或いは排出されることで処理されるのが一般的である。
【0003】
例えば機関砲の砲弾を機関砲のガンドラムに供給するような場合について説明する。砲弾は一定数毎に木箱に梱包されて供給される。現場では、木箱から砲弾を取り出して同一方向に整列させ、ベルト状に連結させたリンクに保持させて一時的な貯蔵や運搬を行い、砲弾のみをガンドラムに供給してリンクを回収するという一連の作業を行うのが一般的である。
【0004】
上記作業を実施するに際し、砲弾は図12に示すリンク51に装着される。このリンク51は、砲弾を弾性的に保持する保持部51aと連結部51bからなり、連結部51bを保持部51aに係合させて所定数連結することでベルト状に構成されている。そして図13に示すように、トレイ52a,チェンコンベア52b及びチェンコンベア52bの下流端に設けた回転式の押圧部材52cからなる装着装置52を用いてベルト状に構成されたリンク51に砲弾53を装着している。
【0005】
即ち、人手によって、複数のリンク51を連結させてトレイ52aに順次供給すると共にチェンコンベア52bには砲弾53を一定の間隔で供給する。チェンコンベア52bによって移送された砲弾53は回転する押圧部材52cに供給され、リンク51の保持部51aに装着される。このとき、必要に応じて曳光弾54が一定のピッチで砲弾53の間に配置され、リンク51に装着される。
【0006】
砲弾53,曳光弾54が装着されたリンク51は所定の機関砲まで運搬され、図示しない装置によって砲弾53及び曳光弾54がガンドラムに供給され、同時にリンク51は外部に排出される。排出されたリンク51は連結状態が解除され、バラバラの状態で回収箱に回収される。このとき、リンク51どうしが互いに絡まり合うことが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、砲弾をリンクに装着する際に要求される多くの作業、即ち、リンクをベルト状に連結する作業、砲弾を同一方向に整列させる作業、整列させた砲弾をチェンコンベアに供給する作業等は人手に頼っている。従って、各作業を実施するに当たり比較的大きい重量を取り扱うこととなり、作業性及び生産性が悪いという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、上記各作業の自動化をはかることによって作業性及び生産性を向上させた砲弾の供給装着装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る砲弾の供給装着装置は、太さが連続的に又は段階的に変化する形状を有する砲弾を保持するためのリンクを多数連結してなるリンクベルトに前記砲弾を装着する装着装置であって、複数のリンクを離脱不能に連結した連結リンクを着脱可能な接合部材によって接合して構成したリンクベルトと、前記接合部材の両端を支持するレールを有し該レールに接合部材を支持することによってリンクベルトを垂れ下げて収容するベルト収容ボックスと、前記ベルト収容ボックスよりもリンクベルトの移送方向下流側で且つ装着装置よりも上流側に配置されリンクベルトから接合部材を離脱させる離脱装置と、砲弾を同一方向に整列させる整列装置及び整列した砲弾を一時的に貯蔵すると共に順次排出する排出装置とからなる供給装置と、前記供給装置から供給された砲弾を前記リンクベルトを構成するリンクに保持させる装着装置とを有して構成されるものである。
【0010】
上記供給装着装置では、リンクベルトが複数のリンクを離脱不能に連結した連結リンクを着脱可能な接合部材によって接合して構成され、ベルト収容ボックスが接合部材の両端を支持するレールを有するため、ベルト収容ボックスのレールにリンクベルトの接合部材を支持することによって、リンクベルトを垂れ下げた状態で収容することが出来る。また、ベルト収容ボックスよりもリンクベルトの移送方向下流側で且つ装着装置よりも上流側に離脱装置を配置したので、この離脱装置によってリンクベルトから接合部材を離脱させることで、該リンクベルトの移送に伴って接合部材による接合部分が装着装置に到達する以前に離脱装置によって接合部材を離脱させることが出来る。
【0011】
また太さが連続的に変化する形状を有する砲弾を整列装置によって方向を揃えると共に排出装置によって順次排出することで、個別に供給することが出来る。そして供給された砲弾を装着装置によってリンクベルトを構成するリンクに保持させることが出来る。このため、長尺状のリンクベルトに順次砲弾を装着することが出来、省力化をはかると共に作業性及び生産性を向上させることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、上記供給装着装置の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は本実施例に係る供給装着装置の斜視図、図2は供給装置の構成を説明する平面図、図3は供給装置の構成を説明する正面図、図4は供給装置の構成を説明する側面図、図5は供給装置に砲弾を補充する補充装置の構成を説明する斜視図、図6は装着装置とリンクベルトとの関係を説明する平面図、図7は装着装置とリンクベルトとの関係を説明する正面断面図、図8はリンクベルトの保持状態を説明する側面図、図9は離脱装置によって接合部材を離脱させる状態を説明する側面図、図10は連結リンクを説明する斜視図、図11はリンクベルトを説明する図である。
【0013】
本実施例に係る供給装着装置は、同一の寸法と形状を有し且つ機能の異なる2種類の砲弾1,2(図2参照、例えば実弾1,曳光弾2)を予め設定された順序でリンク3に装着するものであり、夫々の砲弾1,2に対応して設けた2系列の供給装置Aと、供給された砲弾1,2をリンク3に装着する装着装置Bとを有して構成されている。
【0014】
特に本実施例では、後述するように複数のリンク3を離脱不能に連結して連結リンク4を構成し、更に、連結リンク4を接合部材5によって接合してリンクベルトCを構成すると共に該ベルトCをベルト収容ボックスDに収容することによって、砲弾1,2の装着作業をより容易に行うことを可能としている。
【0015】
供給装着装置の説明に先立ってリンクベルトCの構成について図10,図11により説明する。リンクベルトCは、従来より使用されているリンク3を互いに円周方向への移動を許容すると共に半径方向への移動を不能な状態に連結して連結リンク4を構成し、更に、連結リンク4を接合部材5によって接合することで長尺ベルト状に構成されている。
【0016】
上記連結リンク4としては本件出願人が開発して既に特許出願している連結リンク(特願平7-137585号)を用いることが可能である。この技術は、砲弾の一部を把持し且つ一部に半径方向の膨出部3aを形成した把持部材3bと、膨出部3aと対応する形状を持った連結部材3cとを有して構成され、連結部材3cを把持部材3bの膨出部3aと対向する位置であって外側に取り付け、連結部材3cを連結する他のリンク3の膨出部3aに係合させると共に該膨出部3aに板状の規制部材3dを取り付けて互いに円周方向の移動を許容し、且つ離脱を防止し得るように構成したものである。この連結リンク4では一方の端部にリンク3の把持部材3bが配置され、他方の端部には連結部材3cが配置される。
【0017】
上記の如くして構成した複数の連結リンク4を直列に配列し、一方の連結リンク4の把持部材3bの膨出部3aに他方の連結リンク4の連結部材3cを係合させ、この把持部材3bにピン状の接合部材5を装着することで互いに円周方向の移動を許容し、且つ半径方向の移動を規制にして離脱不能に接合することが可能である。そして複数の連結リンク4を接合することで、リンクベルトCを構成することが可能である。
【0018】
本実施例に於いて、接合部材5は図11(b)に示すように、溝5aと胴部5bを有して形成されている。溝5aは後述する離脱装置16によってリンクベルトCから離脱させられる際に利用され、胴部5bはリンク3の把持部3bに把持されて連結リンク4を接合する機能を有するものである。接合部材5の胴部5bは砲弾1,2の把持部材3bによって把持される部分の太さと略等しいか或いは小さい寸法を有しており、長さは両端がリンク3から所定寸法突出し得る長さを有している。
【0019】
尚、接合部材5は上記ピン状の部材にのみ限定するものではなく、連結リンク4を互いに円周方向への移動を許容すると共に半径方向への移動を規制するものであれば、他のものであっても良い。このような接合部材としては、リンク3の把持部3bの内径と略等しい寸法を持って成形された磁石或いは円弧状に成形された板状の部材等がある。
【0020】
リンクベルトCはベルト収容ボックスDに収容されている。このベルト収容ボックスDは、上部に接合部材5の両端を摺動可能に支持するレール6aを設け、底部に車輪6bを取り付けた箱体6cによって構成されている。レール6aはアングル材の1辺を互いに向かい合うように配置して構成されており、このレール6aを箱体6cの上部に複数対設けることで、複数のリンクベルトCを収容することが可能である。
【0021】
上記ベルト収容ボックスDは、リンクベルトCを収容した状態で或いは空の状態で所望の位置に移動することが可能である。
【0022】
次に供給装着装置の構成について説明する。この供給装着装置は車輪7bを有する移動可能な台車7a上に構成されている。
【0023】
供給装置Aは砲弾1,2を同一方向に整列させて順次供給する機能を有するものであり、リンクベルトCに装着すべき砲弾の種類が複数ある場合、或いは処理時間を短縮させる場合、夫々の目的に応じて複数の系列が設けられている。しかし供給装置Aが複数系列設けられていても、全て同一の仕様で構成されている。このため、図1の右側に構成された砲弾1の供給装置Aについて説明する。
【0024】
供給装置Aは、砲弾1を方向に関わらず直列に並べて排出するパーツフィーダー8と該フィーダー8から排出された砲弾1を同一方向に整列させる整列コンベア9からなる整列装置と、整列装置によって同一方向に整列した砲弾1を一時貯蔵する貯蔵部材10と貯蔵された砲弾1を順次排出する排出装置11からなる排出装置とによって構成されている。
【0025】
パーツフィーダー8は、砲弾1の寸法及び重量に応じて選択された市販の遠心式パーツフィーダーを利用している。このパーツフィーダー8では、回転する傾斜円板8a上に砲弾1を供給すると、該円板8aの回転に伴って発生する遠心力によって砲弾1が上部に設けた搬送路8bに乗り移り、搬送路8b上に一列に並んだ状態で排出口8cから整列コンベア9に供給される。
【0026】
整列コンベア9は砲弾1が太さが段階的に変化する形状であることを利用して方向を揃えるものであり、本件出願人が既に特許出願している整列方向統一装置(特願平7-202078号)を利用することが可能である。この技術は、砲弾1の重心位置の直径よりも大きく且つ最大径よりも小さい間隔をもって配置されモーター9bによって駆動される一対の丸ベルト9aを有しており、この丸ベルト9aによって砲弾1を搬送する際に該砲弾1に発生する偶力によって方向を揃えるものである。砲弾1は整列コンベア9を通過することによって弾体を下に薬莢を上にした方向に揃えられてシュート9cに排出される。
【0027】
シュート9cに排出された砲弾1は貯蔵装置10と排出装置11からなる排出装置に供給される。この貯蔵装置10は整列コンベア9から供給された砲弾1を一時貯蔵する機能を有するものであり、砲弾1の太さよりも充分に大きい寸法を持った筒状部材10aからなり、該筒状部材10aの内部に複数のバッフル10bを千鳥状に設けることで、ジッグザッグ状の通路10cを形成している。
【0028】
筒状部材10aには現在貯蔵されている砲弾1の量を検出するセンサー10dが取り付けられており、これらのセンサー10dの信号によって貯蔵装置10に於ける砲弾1の貯蔵量を検出して、パーツフィーダー8の駆動及び図示しない残量警報装置の作動を制御し得るように構成している。
【0029】
筒状部材10aに於いて、砲弾1は上部開口部から供給され、自重で通路10cを通って下部開口から排出装置11に排出される。このとき、砲弾1はバッフル10bと接触し、砲弾1は見掛け上接触部位に於ける直径の差に対応するテーパ角度に応じた扇状に回転しつつ移動する。しかしバッフル10bが千鳥状に設けられるため、順に反対方向に回転することとなり、排出装置11に供給される際には大きな傾斜を生じることはない。
【0030】
排出装置11は砲弾1を順次チェンコンベア12のアタッチメント12aの間に供給する機能を有するものであり、モーター11aによって駆動され外周が予め設定された数に分割されたスターホイール11bと、スターホイール11bを覆う円筒状のケーシング11cとによって構成されている。モーター11aは、センサー11dによってチェンコンベア12のアタッチメント12aを検出した信号に対応し、且つ該コンベア12の移送と同期して駆動される。
【0031】
即ち、予め図示しない制御装置に砲弾1,2の供給情報(砲弾1に対する砲弾2の比率情報、本実施例では1対1)を入力しておき、センサー11dによるアタッチメント12aの検出信号をカウントして2系列の排出装置11のモーター11aを入力情報に従って選択的に駆動することで、砲弾1,2を予め設定された順序と比率でチェンコンベア12に供給し得るように構成されている。
【0032】
上記の如く構成された供給装置Aでは、2系列のパーツフィーダー8に砲弾1,2を供給して動作を開始させると、夫々のパーツフィーダー8から砲弾1,2が排出され、整列コンベア9で同一方向に整列して貯蔵装置10に供給される。貯蔵装置10に供給された砲弾1,2は筒状部材10aに形成された通路10cに貯蔵される。筒状部材10aの通路10cが上部まで充満したことが最上段のセンサー10dによって検出されると、パーツフィーダー8が停止して砲弾1,2の供給を停止する。
【0033】
チェンコンベア12の駆動に伴ってセンサー11dがアタッチメント12aを検出し、該検出信号に応じて2系列の排出装置11のモーター11aが選択的に駆動され、スターホイール11bが回転して砲弾1,2を順次排出する。砲弾1,2の排出に伴って筒状部材10aの最上段及び中段にあるセンサー10dが通路10cが空になりつつあることを検出したとき、この信号に応じてパーツフィーダー8が起動して砲弾1,2の供給を開始する。
【0034】
上記の如くして機能の異なる砲弾1,2を同一方向に整列させて順次チェンコンベア12に供給することが可能である。
【0035】
装着装置Bはチェンコンベア12に供給された砲弾1,2をリンクベルトCを構成する個々のリンク3に装着するものである。この装着装置Bは、供給装置Aから供給された砲弾1,2を移送するチェンコンベア12と、砲弾1,2をリンク3に圧入して装着する装着部13とによって構成されている。
【0036】
チェンコンベア12は供給装置Aを構成する排出装置11から供給された砲弾1,2を装着部13に移送するものであり、供給装着装置が複数系列の供給装置Aを有する場合、全ての供給装置Aから砲弾の供給を受けることが可能な長さを持って構成される。
【0037】
チェンコンベア12は、砲弾1,2の太さに対応した一定のピッチを持って複数のアタッチメント12aを取り付けた一対のチェン12bと、チェン12bを巻き掛けた一対のスプロケットホイール12cと、一方のスプロケットホイール12cと接続されたモーター12dとを有して構成されている。またチェン12bに沿い且つ砲弾1,2の全長よりも大きい間隔を持って一対のガイド12eが設けられている。
【0038】
装着部13は、チェンコンベア12によって移送された砲弾1,2をリンクベルトCを構成するリンク3に圧入して装着すると共に、砲弾1,2を装着したリンク3を移送する機能を有するものである。
【0039】
装着部13は、チェンコンベア12から砲弾1,2を受け取って移送する送りホイール13aと、送りホイール13aから供給された砲弾1,2をリンク3に圧入する装着ホイール13bと、送りホイール13aに接続された駆動モーター13cと、送りホイール13aと装着ホイール13bを接続するギヤ列13dとによって構成されている。
【0040】
送りホイール13a及び装着ホイール13bは夫々外周に砲弾1,2を仕切る爪部13a1,13b1が形成されている。特に、装着ホイール13bは砲弾1,2をリンクベルトCに於けるリンク3の接続ピッチに一致させて供給し、且つ砲弾1,2をリンク3に圧入する。このため、装着ホイール13b及び該ホイール13bを駆動する駆動系は圧入時の力に充分に耐え得る強度と剛性を有して構成されている。
【0041】
上記各部材はカバー13eによって被蓋されている。特に、カバー13eは送りホイール13aと装着ホイール13bの間、及び装着ホイール13bの下方に構成されるリンク3に対する圧入部位では砲弾1,2の移動方向を規制するガイドとしての機能も有している。
【0042】
装着ホイール13bの下方であって対向する位置にリンクベルトCが移動可能に配置されている。本実施例に於いて、リンクベルトCを移送するための特別な駆動機構はなく、装着ホイール13によってリンク3に砲弾1,2を圧入した後、該ホイール13bの回転に伴って爪部13b1が砲弾1,2と係合してリンクベルトCをリンク1個分移送する。
【0043】
装着部13に供給されるリンクベルトCは、ベルト収容ボックスDから引き出され、台車7aに接続して配置したフレーム14上に設けたリンクガイド15に沿って移動する。リンクベルトCの移動経路であって装着部13よりも上流側に、リンクベルトCから接合部材5を離脱させる離脱装置16が設けられている。
【0044】
離脱装置16は、接合部材5の溝5aに係合する係合部材16aと、係合部材16aを直線的に駆動して接合部材5をリンク3から引き抜くための力を発生するエアシリンダー16bと、リンクベルトCの移動方向と平行に敷設されたレール16cと、レール16cに搭載され且つエアシリンダー16bを載置した台車16dと、台車16dをリンクベルトCの移動方向と反対方向に付勢するバネ16eとを有して構成されている。また台車16dには接合部材5の接近を検出するセンサー17が設けられており、該センサー17からの信号に応じてエアシリンダー16bが駆動される。
【0045】
即ち、リンクガイド15に沿って移動するリンクベルトCの接合部材5が離脱装置16に接近し、センサー17によって検出されると、エアシリンダー16bがロッドを突出させる方向に駆動され、係合部材16aが前進して接合部材5の溝5aに係合する。次いでエアシリンダー16bはロッドを後退させる方向に駆動され、係合部材16aは接合部材5の溝5aに対する係合状態を維持して後退し、この後退過程でリンクベルトCから接合部材5を離脱させる。
【0046】
離脱装置16によって接合部材5を離脱させている間にリンクベルトCが移送された場合、該ベルトCの移送に伴って台車16dはバネ16eの付勢力に抗してレール16c上を移動することで、離脱作業に悪影響を及ぼすことはない。リンクベルトCから接合部材5が離脱すると、台車16dはバネ16eの付勢力によって引き戻され初期位置に復帰する。
【0047】
上記の如く構成された供給装着装置とリンクベルトCを収容したベルト収容ボックスDを組み合わせることによって、ベルト収容ボックスから引き出され且つリンクガイド15に沿って配置されたリンクベルトCに対し、砲弾1,2を予め設定された順序で圧入して装着することが可能である。
【0048】
本発明に於いて、砲弾1,2を供給装置Aのパーツフィーダー8に補充する方法は特に限定するものではない。即ち、パーツフィーダー8に砲弾1,2を補充する作業を人手に頼っても良い。しかし、砲弾を100 発収容した木箱は重量が約35kg〜40kgあり、作業員にとってかなりな重量物作業となる。
【0049】
このため、供給装置Aの系列毎に昇降搬送装置18を配置することが好ましい。この昇降搬送装置18は、パーツフィーダー8の近傍に設置された昇降用スタンド18aと、砲弾1,2を収容した木箱19を挟持して昇降スタンド18aに沿って昇降する昇降テーブル18bと、昇降テーブル18bを回動させて木箱19から砲弾1,2を排出させる駆動部材18cと、端部がパーツフィーダー8の上部に位置し木箱19から排出された砲弾1,2を一時貯蔵するプールシュート18dと、プールシュート18dの端部に配置されパーツフィーダー8内の砲弾残量が少なくなったときに駆動されて砲弾1,2を該フィーダー8に導入する排出ロータリー18eとによって構成されている。
【0050】
従って、移動台車20に砲弾を収容した木箱19を載置して昇降搬送装置18に至り、該装置18の昇降テーブル18bに木箱19を移動させて挟持し、この状態で上昇させ更に駆動部材18cによって木箱19を回動させて収容された砲弾1,2をプールシュート18dに貯蔵しておき、図示しないセンサーによってパーツフィーダー8の残量を監視しつつ排出ロータリー18eを駆動することで、パーツフィーダー8に略一定量の砲弾1,2を収容しておくことが可能である。
【0051】
特に、作業員が行う重量物作業としては、木箱19を移動台車20から昇降スタンド18bに移す作業程度となり、作業を軽減することが可能である。
【0052】
上記構成に於いて、装置の帯電を防止するために砲弾1,2が接触する部位には導電性を有する金属によって構成し、或いは表面に導電性を有するゴムをライニングすることが好ましい。
【0053】
前述の実施例に於いて、砲弾1,2の方向を統一するために一対の丸ベルトを有する整列コンベア9を用いたが、必ずしもこの構成に限定するものではなく、パーツフィーダー8の内部で方向を統一して貯蔵装置10に供給し得るように構成しても良い。このようなパーツフィーダーとしては本件出願人が既に特許出願している物品の整列装置(特願平7-190027号)がある。
【0054】
また貯蔵装置10に連接する排出装置11は必ずしもスターホイール11bを用いる必要はなく、該ホイール11bの代わりに開閉シャッターを用いても砲弾1,2を順次チェンコンベア12に供給することが可能である。
【0055】
またリンクベルトCの移動を規制するリンクガイド15では、リンクベルトCの移動方向を正確に規定するために、予めリンク3に形成されている係合部(図示せず)に係合するT字状のレールを設けることが好ましい。このT字状のレールにリンク3を係合させて移動させることで、離脱装置16によって接合部材5を離脱させる際にリンクベルトCの長手方向に対し直交方向に力が作用しても、リンクベルトCが蛇行することなく良好な状態で、移動させることが可能であり、且つ装着部13に供給されたとき、個々のリンク3の装着ホイール13bに対する位置を正確に規定することが可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る供給装着装置では、砲弾を装着するリンクを着脱可能な接合部材によって接合したリンクベルトを用い、このリンクベルトを予めベルト収容ボックスに収容した状態で供給することが出来る。また、ベルト収容ボックスに収容されたリンクベルトを移送する過程で接合部材を離脱させても連結リンクの接合状態が維持されるので、リンクベルトは長尺の状態を維持して移送される。更に、接合部材が離脱したリンクは他のリンクと同一の寸法を持っているので、このリンクにも砲弾を装着することが出来る。従って、長尺状のリンクベルトを構成する全てのリンクに砲弾を装着することが出来、且つ人手を介在させることなく連結したリンクに対する砲弾の装着作業を自動的に行うことが出来る。このため、労力を軽減させて単位時間当たりの処理数を増加させることが出来、作業性の向上及び生産性の向上をはかることが出来る。特に、作業員が直接砲弾を取り扱うことがなくなるため、安全性を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係る供給装着装置の斜視図である。
【図2】 供給装置の構成を説明する平面図である。
【図3】 供給装置の構成を説明する正面図である。
【図4】 供給装置の構成を説明する側面図である。
【図5】 供給装置に砲弾を補充する補充装置の構成を説明する斜視図である。
【図6】 装着装置とリンクベルトとの関係を説明する平面図である。
【図7】 装着装置とリンクベルトとの関係を説明する正面断面図である。
【図8】 リンクベルトの保持状態を説明する側面図である。
【図9】 離脱装置によって接合部材を離脱させる状態を説明する側面図である。
【図10】 連結リンクを説明する斜視図である。
【図11】 リンクベルトを説明する図である。
【図12】 リンクの構成を説明する図である。
【図13】 リンクに砲弾を装着する従来の方法を説明する図である。
【符号の説明】
A 供給装置
B 装着装置
C リンクベルト
D ベルト収容ボックス
1,2 砲弾
3 リンク
4 連結リンク
5 接合部材
7a 台車
8 パーツフィーダー
9 整列コンベア
10 貯蔵部材
11 排出装置
12 チェンコンベア
13 装着部
15 リンクガイド
16 離脱装置
18 昇降搬送装置
19 木箱
20 移動台車
Claims (1)
- 太さが連続的に又は段階的に変化する形状を有する砲弾を保持するためのリンクを多数連結してなるリンクベルトに前記砲弾を装着する装着装置であって、複数のリンクを離脱不能に連結した連結リンクを着脱可能な接合部材によって接合して構成したリンクベルトと、前記接合部材の両端を支持するレールを有し該レールに接合部材を支持することによってリンクベルトを垂れ下げて収容するベルト収容ボックスと、前記ベルト収容ボックスよりもリンクベルトの移送方向下流側で且つ装着装置よりも上流側に配置されリンクベルトから接合部材を離脱させる離脱装置と、砲弾を同一方向に整列させる整列装置及び整列した砲弾を一時的に貯蔵すると共に順次排出する排出装置とからなる供給装置と、前記供給装置から供給された砲弾を前記リンクベルトを構成するリンクに保持させる装着装置と、を有することを特徴とする砲弾の供給装着装置。
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JP14419896A JP3846935B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 砲弾の供給装着装置 |
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