JP3846341B2 - 車両用後方監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車両後方の画像を撮像して後続車両を監視する車両用後方監視装置に係り、特に、装置を小型化やコストダウンできる車両用後方監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の技術としては、例えば特開平9−142209号公報に記載されているものが知られている。
この従来例では、撮像手段で撮像された自車両後方の画像を、当該画像の無限遠点を通る水平線と道路白線とで複数の監視領域候補に分割して、それらの監視領域候補を運転者の操舵操作等に基づいて選択し、後続車両を監視する監視領域として設定する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術にあっては、選択された監視領域候補全域を監視領域として設定するようになっているため、演算処理の削減量が小さく、装置の小型化やコストダウンの効果が小さいという問題点があった。
そこで、本発明は上記従来の技術の未解決の問題点に着目してなされたものであって、演算処理の削減量を大きくして、装置を小型化でき、コストダウン効果を大きくできる車両用後方監視装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る車両用後方監視装置は、車両後方の画像を撮像する撮像手段と、その撮像手段で撮像した画像からレーンマークを検出するレーンマーク検出手段と、そのレーンマーク検出手段で検出したレーンマークに基づいて監視領域を設定する監視領域設定手段と、を備え、前記監視領域設定手段は、自車両から前記レーンマークまでの側方距離、及び当該レーンマークへの接近速度に基づいて前記監視領域の後端を設定することを特徴とする。
【0005】
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用後方監視装置において、前記監視領域設定手段は、自車両が車線変更時に車両進行方向にある自車線のレーンマークまでの側方距離が大きいとき、及び当該レーンマークへの接近速度が小さいときの少なくとも何れかのときには前記監視距離の後端を自車両に近づけて設定することを特徴とする。
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用後方監視装置において、前記監視領域設定手段は、自車両が車線変更時に車両進行方向の逆側にある自車線のレーンマークまでの側方距離が所定値以下であるときには、自車線を監視領域から除外することを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
したがって、本発明の請求項1に係る車両用後方監視装置にあっては、車両後方の画像を撮像して、その画像からレーンマークを検出し、自車両からレーンマークまでの側方距離、及び当該レーンマークへの接近速度に基づいて監視領域の後端を設定するため、自車両から大きく離れていて、自車両の運転操作に影響がない領域を監視領域から除くことができ、演算処理の削減量を大きくして、装置を小型化でき、コストダウン効果を大きくできる。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る車両用後方監視装置にあっては、車線変更時に車両進行方向にある自車線のレーンマークまでの側方距離が大きいとき、及び当該レーンマークへの接近速度が小さいときの少なくとも何れかのときには前記監視距離の後端を自車両に近づけて設定するため、車線変更先に自車両が進入するまでの時間的余裕に応じて、自車両の運転操作に影響がない車線変更先の領域を監視領域から除くことができ、演算処理の削減量を大きくして、装置をより小型化でき、コストダウン効果をより大きくできる。
【0008】
さらに、本発明の請求項3に係る車両用後方監視装置にあっては、車線変更時に車両進行方向の逆側にある自車線のレーンマークまでの側方距離が所定値以下であるときには、自車線を監視領域から除外するため、自車線上の自車両の側方に後続車両が通過できるほどの余裕がなく、後続車両が自車両を追い越すことがないときに、自車両の運転操作に影響がない自車線の領域を監視領域から除くことができ、演算処理の削減量を大きくして、装置をより小型化でき、コストダウン効果をより大きくできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用後方監視装置で、自車両後方の画像を撮像して後続車両を監視する例を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であり、図1において、1FL及び1FRは前輪、1RL及び1RRは後輪を示し、その前輪1FL、1FRには一般的なラックアンドピニオン式の操舵機構が配設されている。この操舵機構は、前輪1FL、1FRの操舵軸(タイロッド)に接続されるラック2と、これに噛合するピニオン3と、このピニオン3をステアリングホイール4に与えられる操舵トルクで回転させるステアリングシャフト5とを備えており、そのステアリングシャフト5には、当該ステアリングホイール4の操舵角φを検出する操舵角センサ6が取り付けられており、また各車輪1FL〜1RRには車輪速Wを検出する車輪速センサ7が取り付けられている。
【0010】
一方、トランクリッドの後端部内側には、車両後方の画像を撮像するCCDカメラ等の単眼カメラ8が埋設されており、後続車両や道路白線等の画像を車両後方監視用コントローラ9に出力するようになっている。
【0011】
また車室内には、前記車両後方監視用コントローラ9で生成された情報に従って後続車両の接近を報知する警報装置10や、運転者による方向指示器の操作を検出する方向指示器スイッチ11が備えられている。警報装置10は、ディスプレイとスピーカとからなり、後続車両が自車両に接近したときには、単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像を表示したり、音声等で警報を発したりするようになっている。
【0012】
そして、前記操舵角センサ6で検出される操舵角φと、前記車輪速センサ7で検出される車輪速Wと、前記単眼カメラ8で撮像される画像と、前記方向指示器スイッチ11で検出される方向指示器操作状態とが車両後方監視用コントローラ9に入力される。この車両後方監視用コントローラ9は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、後述する監視領域設定処理を実行して、前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像から後続車両検出を行う監視領域を設定し、次いで後述する警報処理を実行して、前記監視領域内にある後続車両を検出して前記警報装置10で運転者に報知する。
【0013】
本実施の形態における監視領域設定処理は、所定のスイッチが操作されることによって実行される処理であって、具体的には、その処理の手順の概要を表すフローチャートである、図2に示すように、先ずそのステップS1では、図3に斜線で示すように、レーンマークである道路白線と道路の画像との輝度差に基づいて、前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像の縁領域と消失点とから道路白線を検出し、ステップS2に移行する。
【0014】
前記ステップS2では、前記ステップS1で道路白線を検出できたか否かを判定し、検出できた場合には(Yes)ステップS3に移行し、そうでない場合には(No)ステップS5に移行する。
前記ステップS3では、前記ステップS1で検出された道路白線の画像上における位置x(n)、y(n)を検出して、ステップS4に移行する。ここで、図4に示すように、x(n)は画像の左端を基準として右方向を正とするx軸上の座標であり、y(n)は画像の上端を基準として下方向を正とするy軸上の座標である。また、画像上における道路白線の位置x(n)、y(n)を検出する方法としては、例えば微分処理によるエッジ強調や、空間フィルタリングを用いたノイズ除去等の画像処理手法を用いることができる。
【0015】
なお、画像上における道路白線の位置x(n)、y(n)の検出方法は、車両後方の画像に基づいて検出する方法に限られるものではなく、車両前方の画像を撮像する単眼カメラ等を備えている場合には、車両前方の画像に基づいて道路白線の形状を検出し、前記車両後方の画像の縁領域に撮像される道路白線の画像上における位置x(n)、y(n)を推定するようにしてもよい。また、車両後方の画像に基づいて検出する方法と、車両前方の画像に基づいて検出する方法とを、道路白線の検出状況に応じて併用するようにしてもよい。
【0016】
前記ステップS4では、前記ステップS3で検出した道路白線の画像上における位置x(n)、y(n)に対応する道路座標上における位置X(n)、Z(n)を算出する。具体的には、前記ステップS3で検出した道路白線の画像上における位置x(n)、y(n)と前記単眼カメラ8の取り付け高さHと前記単眼カメラ8の焦点距離fに基づき、下記(1)式に従って道路座標上における位置X(n)、Z(n)を算出し、ステップS109に移行する。ここで、図4に示すように、X(n)は単眼カメラ8のレンズの中心点を基準として車幅方向右側を正とするX軸上の座標であり、Z(n)は自車両よりも焦点距離f後方を基準として車両前後方向後側を正とするZ軸上の座標である。
【0017】
X(n)=−x(n)×H/y(n)
Z(n)=f×H/y(n) ………(1)
一方、前記ステップS5では、自車両が車線変更中であるか否かを判定する。具体的には、前記方向指示器スイッチがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には(Yes)車線変更中であると判断してステップS6に移行し、そうでない場合には(No)ステップS9に移行する。
【0018】
前記ステップS6では、この演算処理で算出された過去のデータ郡(X[N]、Z[N])に基づいて自車両の走行路形状を判断する。具体的には、過去のデータ郡(X[N]、Z[N])に変化があるか否かを判定し、ほぼ変化がない場合には(Yes)直線路を走行していると判断してステップS7に移行し、そうでない場合には(No)曲線路を走行していると判断してステップS8に移行する。
ここで、過去のデータ郡(X[N]、Z[N])は、この演算処理が前回実行されたときまでに算出された複数の道路白線位置X(n)、Z(n)からなるデータ列であり、2車線道路である場合には3つのデータ列から形成され、3車線道路である場合には4つのデータ列から形成されるものである。
【0019】
前記ステップS7では、図5(a)に示すように、この演算処理が前回実行されたときに算出された道路座標上における道路白線の位置X(n)、Z(n)と、自車両の車線変更動作によるヨー角変化量Δθ(n)と、自車両の移動量ΔX(n)、ΔZ(n)とに基づいて、道路座標上における道路白線の位置X(n)、Z(n)を算出し、ステップS12に移行する。
一方、前記ステップS8では、この演算処理で算出された過去のデータ郡(X[N]、Z[N])に基づいて走行路の曲率半径Rcを推定し、その曲率半径Rcと、この演算処理が前回実行されたときに算出された道路座標上における道路白線の位置X(n)、Z(n)と、自車両の車線変更動作等によるヨー角変化量Δθ(n)と、自車両の移動量ΔX(n)、ΔZ(n)とに基づいて、道路座標上における道路白線の位置X(n)、Z(n)を算出し、前記ステップS12に移行する。
【0020】
また一方、前記ステップS9では、運転者によるステアリング操作に基づいて自車両の走行路形状を判断する。具体的には、前記操舵角センサ6で検出された操舵角φの大きさが“0”付近の所定値φo以下であるか否かを判定し、所定値φo以下である場合には(Yes)直線路を走行していると判断してステップS10に移行し、そうでない場合には(No)曲線路を走行していると判断してステップS11に移行する。
【0021】
前記ステップS10では、この演算処理が前回実行されたときに算出された道路座標上の道路白線位置X(n)、Z(n) を、今回算出された道路座標上における位置X(n)、Z(n)とし、前記ステップS100に移行する。
一方、前記ステップS11では、図5(b)に示すように、この演算処理で算出された過去のデータ郡(X[N]、Z[N])に基づいて走行路の曲率半径Rcを推定し、その曲率半径Rcと、この演算処理が前回実行されたときに算出された道路座標上の道路白線位置X(n)、Z(n)と、前記操舵角センサ6で検出された操舵角φと、前記単眼カメラ8の取り付け高さHとに基づいて、道路座標上における道路白線位置X(n)、Z(n)を算出し、前記ステップS12に移行する。
【0022】
前記ステップS12では、車輪速センサ7で検出された車輪速W(n)と、この演算処理が前回実行されたときに操舵角センサ6で検出された操舵角φ(n-1)とに基づき、下記(2)式に従ってヨー角変化量Δθ(n)を算出し、ステップS13に移行する。
Δθ(n)=V(n)・Δt/(2π・R(n))×360° ………(2)
R(n)=L/φ(n-1)×(1+K×V(n)2)、V(n)=a×W(n)
但し、R(n)は車両の旋回半径であり、Kは車両のスタビリティファクタであり、Lは車両のホイルベース長であり、aは定数である。
【0023】
前記ステップS13では、前記ステップS12で算出したヨー角変化量Δθの大きさが“0”より大きいか否かを判定し、“0”より大きい場合には(Yes)ステップS14に移行し、そうでない場合には(No)ステップS15に移行する。
前記ステップS14では、前記ステップS12で算出したヨー角変化量Δθ(n)と、自車両の移動量ΔX(n)、ΔZ(n)とに基づいて、この演算処理で算出された過去のデータ郡(X[N]、Z[N])を現在の道路座標上に変換し、ステップS16に移行する。
【0024】
一方、前記ステップS15では、自車両の移動量ΔZ(n)に基づいて、この演算処理で算出された過去のデータ郡(X[N]、Z[N])を現在の道路座標上に変換し、前記ステップS16に移行する。
前記ステップS16では、前記ステップS14又はS15で座標変換した過去のデータ郡(X[N]、Z[N])を補間し、ステップS17に移行する。過去のデータ郡(X[N]、Z[N])を補完する方法としては、当該道路白線間を直線で繋ぐようにしてもよいし、過去のデータ郡(X[N]、Z[N])を曲線近似するようにしてもよい。
【0025】
前記ステップS17では、自車両が車線変更中であるか否かを判定する。具体的には、方向指示器スイッチがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には(Yes)車線変更中であると判断してステップS18に移行し、そうでない場合には(No)ステップS24に移行する。
前記ステップS18では、自車線Bの両脇にある道路白線のうち、前記方向指示器スイッチ11から判断できる車線変更方向と反対側にある道路白線までの側方距離Shlが所定値A(例えば、自車線B上の後続車両が側方を通過できるほどの幅)より大きいか否かを判定し、大きい場合には(Yes)ステップS19に移行し、そうでない場合には(No)ステップS20に移行する。
【0026】
前記ステップS19では、自車線Bを監視領域として設定し、ステップS21に移行する。ここで監視領域の後端位置Sdは、自車両が車線変更を中断して自車線内に留まることができる距離、又は自車線に戻ることができる距離に設定する。具体的には、前記方向指示器スイッチ11の検出結果から車線変更先となる車線Cを検出し、図6に破線で示すように、車線変更先となる車線Cと自車線Bとを区切る道路白線までの側方距離Shrが大きいときほど、また当該道路白線への接近速度Vhが小さいときほど監視領域の後端位置Sdを自車両に近づけて設定する。また、前記道路白線までの側方距離Shrが所定値以上となる場合には監視領域の後端位置Sdを“0”に設定する。なお、車両後方監視用コントローラ9の演算量に余裕がある場合には、図6から定まる値よりも監視領域の後端位置Sdを自車両から遠くなるように設定してもよい。また、通常の車線変更時には、前記接近速度Vhが連続的に変化することになるので、監視領域の後端距離Sdは図6に実線で示すように変化することになる。
【0027】
一方、前記ステップS20では、図10(a)に示すように、自車線Bに監視領域を設定せずに、前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像から道路白線を検出し、前記ステップS21に移行する。
前記ステップS21では、車線変更先となる車線Cの自車両に遠い側の道路白線までの側方距離Shrrが所定値B(例えば、車線変更先となる車線C上の後続車両が通過できるほどの幅)より大きいか否かを判定し、大きい場合には(Yes)ステップS22に移行し、そうでない場合には(No)ステップS23に移行する。
【0028】
前記ステップS22では、車線変更先となる車線Cを監視領域として設定し、この演算処理を終了する。ここで監視領域の後端位置Sdは、前記ステップS19と同様に、前記方向指示器スイッチ11の検出結果から車線変更先となる車線Cを検出し、図6に破線で示すように、車線変更先となる車線Cの自車両に近い側の道路白線までの側方距離Shrが大きいときほど、また当該道路白線への接近速度Vhが小さいときほど監視領域の後端位置Sdを自車両に近づけて設定する。また、前記道路白線までの側方距離Shrが所定値以上となる場合には監視領域の後端位置Sdを“0”に設定する。
【0029】
一方、前記ステップS23では、車線Cに監視領域を設定せずに、前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像から道路白線を検出し、この演算処理を終了する。
また一方、前記ステップS24では、自車線Bの両脇にある道路白線のうち、車線変更時に自車両に近くなる側の道路白線までの側方距離Shrが所定値C(例えば、車線変更先となる車線C上の後続車両が通過できるほどの幅)より大きいか否かを判定し、大きい場合には(Yes)ステップS25に移行し、そうでない場合には(No)ステップS26に移行する。
【0030】
前記ステップS25では、図7(a)の平面図や、図7(b)の自車両後方の道路画像に斜線で示すように、自車線Bの両脇にある車線A、Cを監視領域として設定し、この演算処理を終了する。ここで監視領域の後端位置Sdは、前記ステップS19と同様に、図6に破線で示す制御マップに基づいて設定する。
一方、前記ステップS26では、自車線Bを監視領域として設定すると共に、前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像から道路白線を検出し、この演算処理を終了する。
【0031】
また本実施の形態における警報処理は、前記監視領域設定処理に次いで実行される処理であって、具体的には、その処理の手順の概要を表すフローチャートである、図8に示すように、先ずそのステップS101では、前記監視領域設定処理で設定された監視領域内で、後続車両の画像と道路の画像との輝度差に基づき、それらの境界を、前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像から検出し、ステップS102に移行する。前記境界の検出方法としては、微分処理によるエッジ強調や空間フィルタリングによるノイズ除去等の画像処理手法を用いればよい。例えばエッジ強調を用いるようにしたときには、図9(a)の平面図や、図9(b)の自車両後方の道路画像に示すように、後続車両のエッジのうちから予め定められた所定条件に適合する特徴点Eを抽出する。
【0032】
前記ステップS102では、この演算処理が前回実行されたときに前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像と今回撮像された画像とに基づいて画像上における消失点FOEを検出する。具体的には、前回の画像と今回の画像とに基づいて算出される特徴点E(n)のマイナスベクトルが向かう収束点、又はプラスベクトルが遠ざかる起点を算出して消失点FOEとし、または単眼カメラ8の取り付け位置から算出される基準FOEを補正して消失点FOEとし、前記ステップS103に移行する。
【0033】
なお、消失点FOEを検出する方法としては、走行路上の道路白線にエッジ強調や空間フィルタリングによるノイズ除去等の画像処理手法を用いて当該道路白線を検出し、その検出結果に基づいて消失点FOEを算出するようにしてもよい。また、車両後方の画像に基づいて検出する方法に限られるものではなく、車両前方の画像を撮像する単眼カメラ等を備えている場合には、車両前方の画像に基づいて道路白線の形状を検出し、その検出結果に基づいて消失点FOEを算出するようにしてもよい。
【0034】
前記ステップS103では、この演算処理が前回実行されたときに検出された特徴点E(n-1)から、今回検出された特徴点E(n)に向かうベクトルを算出してオプティカルフローOP(n)を算出し、ステップS104に移行する。
前記ステップS104では、前記ステップS103で算出されたオプティカルフローOP(n)の大きさや向き等に基づいて、それらのオプティカルフローOP(n)のうちから自車両に接近する物体のオプティカルフローOP(n)を選出すると共に、同じ物体によるオプティカルフローOP(n)をグループ化して後続車両を検出し、ステップS105に移行する。
【0035】
前記ステップS105では、前記ステップS104で検出された後続車両が自車両と接触する可能性がある場合には警報装置10を作動させる。具体的には、隣接車線を走行する後続車両が自車両に追いつくまでに要する時間t(n)を下記(3)式に従って算出し、当該時間t(n)が所定値TC以下であり、且つ、前記方向指示器スイッチ11から前記隣接車線への車線変更が判断できる場合には、後続車両と接触する可能性があることを知らせる警報を前記警報装置10から発する。前記所定値TCは、前記隣接車線と自車線とを区切る白線までの距離Shと、当該隣接車線への接近速度Vhとに基づいて設定することができる。
【0036】
t(n)=((ΔV(n)2+2・ΔA(n)・S(n))1/2+ΔV(n))/ΔA(n)………(3)
但し、ΔA(n)は自車両に対する前記後続車両の相対加速度であり、ΔV(n)は相対速度であり、S(n)は自車両と前記後続車両との間の車間距離である。
なお、前記方向指示器スイッチ11から前記隣接車線への車線変更を判断する方法を示したが、これに限定されるものではなく、例えば操舵角センサ6で検出される操舵角φの変化量に基づいて車線変更を判断するようにしてもよく、また前記隣接車線と自車線とを区切る白線までの距離Shrに基づいて車線変更を判断するようにしてもよい。また、警報を警報装置10から発するときには、自車両と後続車両との接近度合いを考慮するようにしてもよい。
【0037】
次いで、本実施形態の動作を具体的状況に基づいて詳細に説明する。
まず、自車両が直線路を走行しているときに、運転者が所定のスイッチを操作したとする。すると、車両後方監視用コントローラ9で監視領域設定処理が実行されて、図2に示すように、先ずそのステップS1で前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像の縁領域から道路白線が検出され、前記ステップS1で道路白線を検出できたときには、ステップS2の判定が「Yes」となり、ステップS3で前記道路白線の画像上における位置x(n)、y(n)が検出され、ステップS4で前記位置x(n)、y(n)に対応する道路座標上における位置X(n)、Z(n)が算出され、ステップS12でヨー角変化量Δθ(n)が算出され、運転者が車線変更のためにステアリング操作をしており、前記ヨー角変化量Δθの大きさが“0”より大きいときには、ステップS13の判定が「Yes」となり、ステップS14で前記ヨー角変化量Δθ(n)と自車両の移動量ΔX(n)、ΔZ(n)とに基づいて、過去のデータ郡(X[N]、Z[N])が現在の道路座標上に変換され、ステップS16で前記過去のデータ郡(X[N]、Z[N])が補間されて道路白線全体が検出される。
【0038】
このように、本実施形態では、単眼カメラ8で撮像された画像の縁領域だけで行われた道路白線の検出結果に基づいて、道路白線全体を検出できるため、当該検出を車両後方の画像全域で行う方法に比べて、演算処理の削減量が大きく、装置を小型化してコストダウンできる。
ここで、運転者が自車両の方向指示器スイッチ11を操作しているとすると、ステップS17の判定が「Yes」となり、また自車線Bの両脇にある道路白線のうち、前記方向指示器スイッチ11から判断できる車線変更方向と反対側にある道路白線までの側方距離Shlが、自車線B上の後続車両が通過できるほどの幅より小さいとすると、ステップS18の判定が「No」となり、ステップS20で自車線Bが監視領域から除外される。
【0039】
このように、本実施形態にあっては、自車線Bの両脇にある道路白線のうち、車線変更時に自車両から遠くなる側の道路白線までの側方距離Shlが所定値以下であるときには、自車線Bを監視領域から除外するため、車線変更先に自車両が進入するまでの時間的余裕に応じて、自車両の運転操作に影響がない車線変更先の領域を監視領域から除くことができ、演算処理の削減量が大きく、装置をより小型化でき、コストダウン効果をより大きくできる。
【0040】
また、車線変更先となる車線Cの両脇にある道路白線のうち、前記方向指示器スイッチ11から判断できる車線変更方向側にある道路白線までの側方距離Shrrが、車線変更先となる車線C上の後続車両が通過できるほどの幅より大きいとすると、ステップS21の判定が「Yes」となり、図10(a)の平面図や、図10(b)の自車両後方の道路画像に示すように、ステップS22で車線変更先となる車線Cが監視領域として設定され、この演算処理が終了される。
【0041】
ここで車線変更先となる車線Cと自車線Bとを区切る道路白線までの側方距離Shrが大きく、また前記道路白線への接近速度Vhが小さいとすると、図6に破線で示すように、監視領域の後端位置Sdが自車両に近づけて設定される。
このように、本実施形態にあっては、車線変更時に車両進行方向にある自車線Bの道路白線までの側方距離Shrが大きいときほど、また前記道路白線への接近速度が小さいときほど前記監視距離の後端位置Sdを自車両に近づけて設定するため、車線変更先に自車両が進入するまでの時間的余裕に応じて、自車両の運転操作に影響がない車線変更先の領域を監視領域から除くことができ、演算処理の削減量を大きくして、装置をより小型化でき、コストダウン効果をより大きくできる。
【0042】
そして前記監視領域設定処理が終了すると、次いで警報処理が実行されて、前記監視領域内に自車両に接触する可能性がある後続車両が存在するときには、前記警報装置10で運転者に報知される。
なお、上記実施形態では、撮像手段は単眼カメラ8に対応し、ステップS1〜S16はレーンマーク検出手段に対応し、ステップS17〜S23は監視領域設定手段に対応する。
【0043】
また、上記実施の形態は本発明の後方監視装置の一例を示したものであり、装置の構成等を限定するものではない。
例えば上記実施形態にあっては、自車両の後方の画像を撮像する単眼カメラ8を備える例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば前記単眼カメラ8に加えて、図11に示すように、自車両側面に車両後側方の画像を撮像する単眼カメラ12をそれぞれ取り付けるようにしてもよい。図12(a)の平面図や、図12(b)の自車両後方の道路画像、図12(c)の自車両後側方の道路画像に示すように、車両後側方の画像を撮像する単眼カメラ12は、車両後方の画像を撮像する単眼カメラ8よりも画角を狭めることができ解像度を高くすることができる。そのため、解像度の高い画像を用いることができるので、前記単眼カメラ8で撮像された自車両後方の画像等から道路白線を精度よく検出することができ、当該道路白線の画像上における位置x(n)、y(n)を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の後方監視装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の車両後方監視用コントローラ内で実行される監視領域設定処理を示すフローチャートである。
【図3】自車両後方の画像の縁領域を説明するための説明図である。
【図4】撮像座標系と道路座標系との関係を説明するための説明図である。
【図5】道路座標上における道路白線位置の算出方法を説明するための説明図である。
【図6】車線変更先となる車線と自車線とを区切る道路白線までの側方距離と、監視領域の後端距離との関係を説明するためのグラフである。
【図7】自車両が車線に沿って走行しているときの監視領域を説明するための説明図である。
【図8】図1の車両後方監視用コントローラ内で実行される警報処理を示すフローチャートである。
【図9】自車両後方の画像から後続車両の画像と道路の画像との境界を検出する方法を説明するための説明図である。
【図10】本実施形態の動作を説明するための説明図である。
【図11】本発明の後方監視装置の変形例を示す概略構成図である。
【図12】本発明の後方監視装置の変形例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1FL〜1RRは車輪
2はラック
3はピニオン
4はステアリングホイール
5はステアリングシャフト
6は操舵角センサ
7は車輪速センサ
8は単眼カメラ
9は車両後方監視用コントローラ
10は警報装置
11は前記方向指示器スイッチ
11は方向指示器スイッチ
12は単眼カメラ
Claims (3)
- 車両後方の画像を撮像する撮像手段と、その撮像手段で撮像した画像からレーンマークを検出するレーンマーク検出手段と、そのレーンマーク検出手段で検出したレーンマークに基づいて監視領域を設定する監視領域設定手段と、を備え、
前記監視領域設定手段は、自車両から前記レーンマークまでの側方距離、及び当該レーンマークへの接近速度に基づいて前記監視領域の後端を設定することを特徴とする車両用後方監視装置。 - 前記監視領域設定手段は、自車両が車線変更時に車両進行方向にある自車線のレーンマークまでの側方距離が大きいとき、及び当該レーンマークへの接近速度が小さいときの少なくとも何れかのときには前記監視距離の後端を自車両に近づけて設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用後方監視装置。
- 前記監視領域設定手段は、自車両が車線変更時に車両進行方向の逆側にある自車線のレーンマークまでの側方距離が所定値以下であるときには、自車線を監視領域から除外することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用後方監視装置。
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