JP3846273B2 - ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明はブレーキ制御装置に関するものであり、特に、停止中のブレーキ制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−165620号公報には、車両が停止した場合には、ブレーキ作動力が低下させられるブレーキ制御装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
上記公報には、各車輪の状況を考慮してブレーキ作動力を低下させることは記載されていない。しかし、状況は各車輪で同じであるとは限らない。例えば、ブレーキ作動力を低減することが望ましい車輪と低減させる必要性が低い車輪とがある。大きなブレーキ作動力を得るためにブレーキ制御アクチュエータの発熱が問題になる車輪と問題にならない車輪とがあるのである。本発明は車輪毎の状況を考慮して、停止中のブレーキ作動力が制御され得るブレーキ制御装置を得ることを課題とする。この課題は、ブレーキ制御装置を、下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0004】
以下の各項のうち(5)項〜(9) 項が請求項1〜5に対応する。
【0005】
(1)前輪の回転を抑制する前輪ブレーキと、
後輪の回転を抑制する後輪ブレーキと、
少なくとも、これら前輪ブレーキの作動力と後輪ブレーキの作動力とをそれぞれ別個に制御するブレーキ作動力制御装置と
を含むブレーキ装置であって、
前記ブレーキ作動力制御装置が、(a)前記前輪ブレーキの作動力を制御する前輪ブレーキ制御アクチュエータと、(b)前記後輪ブレーキの作動力を制御する後輪ブレーキ制御アクチュエータと、(c)これら前輪ブレーキ制御アクチュエータと後輪ブレーキ制御アクチュエータとの少なくとも一方の発熱の状態に基づいて、前記前輪ブレーキ制御アクチュエータと後輪ブレーキ制御アクチュエータとの少なくとも一方を制御することにより、車両が停止した後に、前記前輪ブレーキの作動力と後輪ブレーキの作動力との配分比を、停止前とは異なる配分比に制御するアクチュエータ対応配分制御部を含む配分比制御部とを含むことを特徴とするブレーキ装置。
本項に記載のブレーキ装置においては、前輪ブレーキの作動力と後輪ブレーキの作動力との配分比が、車両の停止前と停止後とで異なる。停止前においては、前輪の制動力と後輪の制動力との配分比が理想制動力配分線に従って決定されるのが普通であるが、停止中においては、そのような制約がないため、前輪のブレーキ作動力と後輪のブレーキ作動力との関係が予め定められた関係となるように配分比を設定することができる。
例えば、前輪のブレーキ作動力と後輪のブレーキ作動力とが直線的な関係(比例関係)となるようにしたり、曲線的な関係となるようにしたりすることができる。また、配分比は、後述するように、前輪ブレーキと後輪ブレーキとの少なくとも一方の作動状態や、ブレーキ作動力制御装置の状態等に基づいて決定することができる。前輪ブレーキや後輪ブレーキの作動回数、作動時間等に基づいて決定したり、ブレーキ作動力制御装置の前輪ブレーキの作動力を制御する部分や後輪ブレーキの作動力を制御する部分におけるエネルギ消費量、発熱の状態等に基づいて決定したりすることができるのである。
ここで、車両の停止前は、車両が停止する前であって、減速状態(車速が0より大きい状態)にある時を表し、停止後は、車両が停止した後であって、停止状態(車速がほぼ0である状態)にある時を表す。停止状態にある時は停止中と称することもできる。また、停止時は、減速状態であって車速が非常に小さい状態の時をいい、狭義には車両が停止する瞬間を表す。停止前、停止後は、車両の停止時より前の時と後の時とを区別する場合に使用されることが多い。
なお、前輪ブレーキ、後輪ブレーキは、それぞれ、ブレーキシリンダの液圧により作動させられる液圧ブレーキとしたり、電動モータの駆動力により作動させられる電動ブレーキとしたりすること等ができる。
前輪ブレーキ制御アクチュエータは、左右前輪のブレーキについて共通に設けられたものであっても、別個に設けられたものであってもよい。別個に設けられたものである場合には、左前輪のブレーキ作動力と右前輪のブレーキ作動力とを別個に制御することが可能である。後輪ブレーキ制御アクチュエータについても同様である。
(2)前記ブレーキ作動力制御装置が、
運転者によるブレーキ操作部材の操作状態を表す操作状態量を検出するブレーキ操作状態量検出装置と、
そのブレーキ操作状態量検出装置によって検出されたブレーキ操作状態量に基づいて運転者の要求する車両の制動力である要求制動力を取得する要求制動力取得部と、
その要求制動力取得部によって取得された要求制動力に基づいて前輪ブレーキ作動力と後輪ブレーキ作動力とを制御するブレーキ作動力制御部とを含む(1)項に記載のブレーキ装置。
車両には、前輪のブレーキ作動力と後輪のブレーキ作動力との合計に応じた制動力が加えられるが、この車両に加えられる制動力の目標値が運転者によるブレーキ操作部材の操作状態量に基づいて取得される。車両に加えられる制動力が運転者の要求を満たす大きさに制御されるのである。
したがって、車両の停止前後でブレーキ操作状態量がほぼ同じ場合には、車両の停止前後で、制動力が同じで配分比だけが変更されることになる。
(3)前記配分比制御部が、前記前輪ブレーキ制御アクチュエータと前記後輪ブレーキ制御アクチュエータとの少なくとも一方の発熱の状態に基づいて前記停止後の配分比を決定する配分比決定部を含む(1)項または(2)項に記載のブレーキ装置。
配分比は、例えば、前輪ブレーキ制御アクチュエータと後輪ブレーキ制御アクチュエータとの少なくとも一方の、作動回数、作動時間、累積エネルギ消費量、温度等の発熱状態に基づいて決定することができる。
配分比は、前輪ブレーキ制御アクチュエータ、後輪ブレーキ制御アクチュエータの少なくとも一方の状態に基づいて決定したり、両方の状態の比較結果に基づいて決定したりすることができる。例えば、前輪ブレーキ制御アクチュエータと後輪ブレーキ制御アクチュエータとで、累積エネルギ消費量が少ない方の配分比を大きくしたり、作動時間が長い方の配分比を小さくしたりすることができる。
(4)前記前輪ブレーキ制御アクチュエータが、(a)電力によって作動させられる前輪電磁装置と、(b)その前輪電磁装置への供給電流を制御することによって、前記前輪ブレーキ作動力を制御する前輪電磁装置制御部とを含み、前記後輪ブレーキ制御アクチュエータが、(a)電力によって作動させられる後輪電磁装置と、(b)その後輪電磁装置への供給電流を制御することによって、前記後輪ブレーキ作動力を制御する後輪電磁装置制御部とを含み、前記配分比制御部が、前記前輪電磁装置と後輪電磁装置との少なくとも一方を制御することによって配分比を制御する供給電流依拠配分比制御部を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
前輪ブレーキ制御アクチュエータ、後輪ブレーキ制御アクチュエータが、いずれも、電磁装置を含むものであり、電磁装置への供給電流の制御によりブレーキ作動力が制御される。電磁装置は、電力の供給により作動させられるものであり、例えば、電動モータやソレノイド等が該当する。配分比は、前輪電磁装置と後輪電磁装置との少なくとも一方における供給電流を制御することによって制御される。また、配分比は、例えば、前輪電磁装置と後輪電磁装置とのそれぞれの累積供給電流量等に基づいて決定することができる。
(5)ブレーキシリンダの液圧により摩擦係合部材がブレーキ回転体に押し付けられることにより、前輪の回転を抑制する前輪ブレーキと、
ブレーキシリンダの液圧により摩擦係合部材がブレーキ回転体に押し付けられることにより、後輪の回転を抑制する後輪ブレーキと、
少なくとも、これら前輪ブレーキの作動力と後輪ブレーキの作動力とをそれぞれ別個に制御するブレーキ作動力制御装置と
を含むブレーキ装置であって、
前記ブレーキ作動力制御装置が、
(a)電力によって作動させられる前輪電磁装置と、(b)その前輪電磁装置への供給電流の制御により前記ブレーキシリンダの液圧を制御する前輪電磁装置制御部とを含む前輪液圧制御アクチュエータと、
(c)電力によって作動させられる後輪電磁装置と、(d)その後輪電磁装置への供給電流の制御により前記ブレーキシリンダの液圧を制御する後輪電磁装置制御部とを含む後輪液圧制御アクチュエータと、
前記前輪ブレーキの作動力と後輪ブレーキの作動力との少なくとも一方を、車両の制動力が運転者のブレーキ操作状態を表すブレーキ操作状態量に応じて決まる目標制動力となるように制御するとともに、前記前輪のブレーキシリンダの液圧と後輪のブレーキシリンダの液圧とを同じ大きさに維持する場合に、前記後輪電磁装置への供給電流を前記前輪電磁装置への供給電流より大きくする作動力制御部と、
車両の停止後に、前記後輪電磁装置への供給電流を小さくすることによって、前記後輪ブレーキの作動力の前記前輪ブレーキの作動力に対する比率を停止前より低下させる後輪比率低下部と
車両の停止状態が設定時間以上継続した場合に、前記前輪のブレーキと前記後輪のブレーキとの少なくとも一方の作動力を、0近傍の予め定められた0近傍設定作動力付近まで低下させた後、設定時間経過前の前記作動力より小さい目標作動力まで増加させる作動力一旦減少部を有する作動力低下部と
を含むことを特徴とするブレーキ装置(請求項1)。
車両の停止後に後輪電磁装置への供給電流が小さくされれば、後輪電磁装置における熱負担を小さくすることができる。
また、車両を停止状態に保持するために必要な制動力は、車両を停止させるために必要な制動力より小さくてよいのが普通である。そのため、停止中においては、車両に加えられる制動力(前輪ブレーキ作動力と後輪ブレーキ作動力との合計)を停止時より小さくすることができる。ブレーキ作動力は、停止状態が設定時間以上継続した場合に小さくされる。設定時間経過すれば、停止状態が継続させられると考えられるからである。
さらに、前輪ブレーキと後輪ブレーキとが、ブレーキシリンダの液圧により摩擦係合部材をブレーキ回転体に押し付ける液圧ブレーキであり、ブレーキ作動力制御装置が、動力の供給により作動液を加圧してブレーキシリンダに供給可能な動力式液圧源を含む場合には、その動力式液圧源の作動液消費量を少なくすることができる。ブレーキ作動力としてのブレーキシリンダの液圧が小さい場合は大きい場合より、出力液圧が相対的に小さくてよいため、動力式液圧源におけるエネルギ消費量を少なくしたり、作動音や作動頻度を低減させたりすることができる。
また、ブレーキ作動力を一旦0近傍まで減少させた後に目標作動力まで増加させて、その目標作動力に保たれるようにすれば、目標作動力まで減少させてそのまま保たれる場合に比較して、車両の発進時の引き摺りをさらに低減させることができる。
押付力が無用に大きいことに起因して摩擦係合部材の弾性変形量が大きい場合に、押付力が0近傍まで低下させられれば、これら弾性変形させられた摩擦係合部材がかなり回復する。その後、押付力を目標作動力まで増加させれば、摩擦係合部材の弾性変形量が、押付力が直接目標作動力まで低下させられる場合より小さくなる。したがって、車両の発進時に押付力が解除されれば、摩擦係合部材が回転ディスクから良好に離間させられる。
また、ブレーキが液圧ブレーキであり、ブレーキシリンダが、ブレーキ解除時にピストンを引き戻すリトラクト機能を有するピストンシールを備えたものである場合には、このピストンシールがかえってブレーキ引き摺りの原因になることがあるのであるが、本項の特徴によれば、この引き摺りも低減させられる。すなわち、ブレーキシリンダの液圧が特に大きくなった場合には、弾性変形量が最大となったピストンシールに対してピストンが滑って前進する現象が生じる。そのため、ブレーキが解除された場合に、ピストンシールの弾性変形が完全に回復したにもかかわらず、ピストンは十分に引き戻されず、摩擦係合部材をディスクに押し付けたままとなることがあるのであるが、ブレーキ液圧が一旦0近傍まで低下させられた後、再び目標作動力に対応する液圧まで増大させられれば、この場合には、ピストンがその液圧に応じた位置まで前進して停止した後、ピストンシールが液圧によりピストンに対して滑って前進させられる。これにより、先にブレーキ液圧が特に大きくされた際におけるピストンのピストンシールに対する滑りが解消され、あるいは低減させられて、発進時の引き摺りが低減させられるのである。
なお、0近傍設定作動力は0としたり、0より僅かに大きい値としたりすることができる。
本項に記載のブレーキ装置は、(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(6)前記前輪電磁装置が、動力式液圧源と前記ブレーキシリンダとの間に設けられた常閉弁である増圧用の電磁液圧制御弁と、前記ブレーキシリンダと低圧源との間に設けられた常閉弁である減圧用の電磁液圧制御弁とを含み、前記後輪電磁装置が、動力式液圧源と前記ブレーキシリンダとの間に設けられた常閉弁である増圧用の電磁液圧制御弁と、前記ブレーキシリンダと低圧源との間に設けられた常開弁である減圧用の電磁液圧制御弁とを含む(5)項に記載のブレーキ装置(請求項2)。
(7)前記後輪比率低下部が、前記車両全体の制動力が一定の状態で、前記前輪ブレーキの作動力を増加させる一方前記後輪ブレーキの作動力を減少させる部分を含む(5)項または(6)項に記載のブレーキ装置(請求項3)。
(8)前記後輪比率低下部が、前記前輪電磁装置と前記後輪電磁装置との少なくとも一方の発熱の状態に基づいて前記比率を決定する決定部を含む(5)項ないし(7)項に記載のブレーキ装置(請求項4)。
( 9 ) 前記作動力低下部が、前記少なくとも一方のブレーキの作動力を、車両に加えられる制動力がその車両の停止状態を維持し得る範囲の最小の大きさになるまで低下させるものである (5) 項ないし (8) 項のいずれか1つに記載のブレーキ装置(請求項5)。
( 10 )前記前輪液圧制御アクチュエータと後輪液圧制御アクチュエータとの少なくとも一方が、(a)電磁装置としての電動モータへの電流の供給により作動させられる動力式液圧源と、(b)電磁装置としてのソレノイドへの電流の供給により作動させられる電磁液圧制御弁との少なくとも一方を含む(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
動力式液圧源としては、例えば、ポンプとそのポンプを作動させる電動モータとを含むポンプ装置、電動モータにより作動させられる動力式液圧シリンダ等が該当する。ポンプ装置、動力式液圧シリンダ等の出力液圧は制御可能な場合と制御が予定されない場合とがある。制御可能な場合には、電磁液圧制御弁は不可欠ではなく、動力式液圧源の電動モータへの供給電流の制御によりブレーキシリンダの液圧を制御することができる。制御が予定されていない場合には電磁液圧制御弁の制御によりブレーキシリンダの液圧が制御されるようにすることが望ましい。前輪液圧制御アクチュエータと後輪液圧制御アクチュエータとが出力液圧の制御が予定されていない動力式液圧源を含む場合には、動力式液圧源は前輪液圧制御アクチュエータと後輪液圧制御アクチュエータとに共通に設けられたものとすることができる。この場合には、前輪側、後輪側のそれぞれ別個に電磁液圧制御弁を設けることが望ましい。
なお、ブレーキ装置には、運転者によるブレーキ操作部材の操作によって液圧が発生させられる操作式液圧源(例えば、マスタシリンダ)が設けられるのが普通であるが、ブレーキシリンダの液圧は、操作式液圧源から遮断された状態で、動力式液圧源の液圧を利用して制御されることが望ましい。操作式液圧源から遮断されれば、ブレーキシリンダ液圧をブレーキ操作力に応じた大きさとは異なる大きさに制御することができる。
( 11 )前記ブレーキ作動力制御装置が、車両の停止状態が設定時間以上継続した場合に、前輪のブレーキと後輪のブレーキとの少なくとも一方の作動力を、設定時間経過前より小さくする作動力低下部を含む(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
( 12 )前記作動力低下部が、車両に加えられる制動力を小さくする制動力低下部を含む(11)項に記載のブレーキ装置。
本項に記載のブレーキ装置においては、ブレーキ作動力の低下によって車両の制動力が減少させられる。例えば、車両の停止後に、制動力が一定で配分比が変更され、その後、制動力が低下させられることがある。
( 13 )前記作動力低下部が、前記前輪のブレーキ作動力と後輪のブレーキ作動力との少なくとも一方が設定作動力以上である場合に、そのブレーキ作動力を小さくする作動力大時低下部を含む(11)項または(12)項に記載のブレーキ装置。
本項に記載のブレーキ装置においては、ブレーキ作動力が設定作動力以上の場合に小さくされ、設定作動力より小さい場合には小さくされることはない。
なお、車両の制動力が設定制動力以上の場合に少なくとも一方のブレーキ作動力が低下させられることによって制動力が低下させられるようにすることもできる。
( 14 )前記作動力低下部が、前輪のブレーキと後輪のブレーキとの少なくとも一方の作動力を目標作動力まで低下させる目標作動力対応低下部を含む(11)項ないし(13)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
目標作動力は目標作動力決定部によって決定されるようにすることができる。本項に記載のブレーキ装置において、制動力を目標制動力まで低下させることもできる。
( 15 )前記作動力低下部が、前記目標作動力を、車両の停止状態を維持し得る範囲の最小の大きさに対応する値に決定する目標作動力決定部を含む(14)項に記載のブレーキ装置。
車両の停止中に、その停止状態を維持し得るのに必要な制動力は、車両の停止させるのに必要な制動力より小さくてよいのが普通である。そのため、車両の停止中においては、制動力をその停止状態を維持し得る範囲の最小値まで低下させることができる。
車両の停止状態を維持し得る大きさは、クリープ力、路面勾配等に基づいて決定することができる。
( 16 )前記前輪ブレーキと後輪ブレーキとの少なくとも一方が、(a)回転ディスクと、(b)その回転ディスクの両側に、回転ディスクに対して接近、離間可能に車体側部材に保持された摩擦係合部材と、(c)これら一対の摩擦係合部材を前記回転ディスクに押し付ける押付装置とを含むディスクブレーキである(1)項ないし(15)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
ブレーキが、摩擦係合部材を回転ディスクに押し付けることによって車輪の回転を抑制するディスクブレーキである場合には、押付力が大きくなると、摩擦係合部材の弾性変形量も大きくなる。摩擦係合部材は鋼板に摩擦材が固着されてなるのが普通であるが、摩擦材(結合材としてフェノール系などの熱硬化性樹脂が使用された有機系摩擦材は特に)には、圧縮力が加えられて圧縮弾性変形させられた状態から圧縮力が除去されても圧縮弾性変形が直ちに回復せず、回復が遅れる性質があり、これがブレーキ解除後直ちに車両が発進させられる場合にブレーキの引き摺りを増大させる一因となる。引き摺りが大きくなると、車両発進時にその分大きな駆動力が必要となり、エネルギ消費量が多くなる。
それに対して、停止中に押付力が小さくされれば(例えば、車両の停止状態を維持し得る範囲の最小の大きさまで小さくされれば)、大きな押付力が加わえ続けられている場合に比較して、発進時の引き摺りを低減させることができる。
押付装置は、ブレーキシリンダの液圧により摩擦係合部材を回転ディスクに押し付けるものであっても、電動モータの電磁駆動力(押圧力)により摩擦係合部材を回転ディスクに押し付けるものであってもよい。
( 17 )前記作動力低下部が、前記ブレーキ作動力を、0近傍の予め定められた0近傍設定作動力付近まで低下させた後、増加させる作動力一旦減少部を含む(11)項ないし(16)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
( 18 )前輪ブレーキ制御アクチュエータが左右前輪のブレーキ作動力をそれぞれ、個別に制御するものであり、前記作動力低下部が、左側輪と右側輪とで、ブレーキ作動力を順次、前記0近傍設定作動力まで低下させる(17)項に記載のブレーキ装置。
各輪毎に設けられたブレーキのうち2つ以上のブレーキ作動力を同時に0近傍まで低下させると、車両全体としての制動力が不足する場合がある。それに対して、順次低下させれば、制動力不足を抑制することができる。
また、右側輪と左側輪とで交互にブレーキ作動力を変化させることもできる。右側輪と左側輪とを前述の目標作動力に至るまで複数回に分けて変化させれば、車両全体としての制動力の急激な変化を抑制することができる。
( 19 )前記ブレーキ作動力制御装置が、前記前輪ブレーキ作動力と後輪ブレーキ作動力との少なくとも一方を、車両の制動力が運転者のブレーキ操作状態を表すブレーキ操作状態量に応じた決まる目標制動力となるように制御する要求制動力対応制御部を含み、
前記作動力低下部が、前記車両の停止状態が設定時間以上継続した場合には継続する以前より、ブレーキ操作状態量に対する目標制動力の比率を小さくする制御ゲイン低減部を含む(11)項ないし(18)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
制御ゲインを小さくすれば、ブレーキ操作状態量が同じである場合における制動力を走行中の制動力より小さくすることができる。
なお、本項に記載の技術的特徴は独立して採用可能である。例えば、停止後には停止前より制御ゲインを小さくすることができる。
( 20 )車輪の回転を抑制するブレーキと、
そのブレーキの作動力を制御可能なブレーキ制御アクチュエータと、
車両が停止した後に、前記ブレーキの作動力を0近傍の0近傍設定作動力まで低下させ、その後、車両の停止状態を維持し得るのに必要な制動力に基づいて決定された目標作動力まで増加させる作動力減少増加装置と
を含むことを特徴とするブレーキ装置。
本項に記載のブレーキ装置は、(1)項ないし(19)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
( 21 )複数の車輪の回転をそれぞれ抑制するブレーキと、
これらブレーキの作動力をそれぞれ別個に制御するブレーキ作動力制御装置とを含むブレーキ装置であって、
前記ブレーキ作動力制御装置が、
複数の車輪のうちから一部の車輪を選択する車輪選択部と、
車両が停止した場合に、前記車輪選択部によって選択された車輪の配分比を小さくする配分比制御部とを含むことを特徴とするブレーキ装置。
配分比が小さくされる車輪は1輪であっても2輪であっても3輪であってもよい。2輪である場合には、左右前輪、左右後輪が選択されるとは限らず、互いに対角位置にある車輪が選択されたり、右側前後輪あるいは左側前後輪が選択されるようにすることもできる。
本項に記載のブレーキ装置は、(1)項ないし(20)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるブレーキ装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、ブレーキ装置は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル10、動力式液圧源としてのポンプ装置12、操作式液圧源としてのマスタシリンダ14、左右前輪16,17に設けられたブレーキシリンダ18,19を含むブレーキ20,21、左右後輪24,25に設けられたブレーキシリンダ26,27を含むブレーキ28,29等を含む。
本実施形態においては、図2に示すように、ブレーキ20,21,28,29はブレーキシリンダ18,19,26,27の液圧により摩擦係合部材としての一対のブレーキパッド32a,32bが車輪16,17,24,25と一体的に回転可能に取り付けられたブレーキ回転体としての回転ディスク33に押し付けられることにより、車輪の回転を抑制する液圧のディスクブレーキである。ディスクブレーキ20,21,28,29の構造は同じであるため、ディスクブレーキ20について代表的に説明する。
【0014】
ディスクブレーキ20は、ブレーキシリンダ18を保持するキャリパ34と、車体側部材としてのマウンティングブラケット35に軸方向に移動可能に保持された一対摩擦のブレーキパッド32a,32bと、ブレーキパッド32a,32bをそれぞれ支持する裏板とを含む。本実施形態においては、キャリパ浮動型である。
ブレーキシリンダ28の液圧室36に高圧の作動液が供給されると、ピストン37が前進させられ、ブレーキパッド32aが回転ディスク33に押し付けられる。キャリパ34が軸方向に移動させられ、他方のブレーキパッド32bが回転ディスク33に押し付けられる。その際、ブレーキパッド32a,32bが圧縮され、キャリパ34が弾性変形させられ、ピストンシール38が弾性変形させられる。
【0015】
ポンプ装置12は、ポンプ40と、そのポンプ40を駆動するポンプモータ42と、アキュムレータ44とを含む。ポンプ40は、リザーバ46の作動液を加圧して吐出するものであり、ポンプ40から吐出された高圧の作動液がアキュムレータ44に蓄えられる。アキュムレータ44の液圧はアキュムレータ圧センサ48によって検出されるが、ポンプモータ42は、アキュムレータ圧センサ48による検出液圧が予め定められた設定範囲内に保たれるように制御される。ポンプ40の吐出圧側には、ポンプ40への作動液の逆流を防止するための逆止弁49が設けられている。ポンプ40の高圧側と低圧側との間には、リリーフ弁50が設けられ、ポンプ圧が過大になることが回避される。
なお、ポンプ40は、プランジャポンプであっても、ギヤポンプであってもよい。
【0016】
マスタシリンダ14は、2つの加圧ピストン51,52を含むタンデム式のものであり、加圧ピストン51,52の前方がそれぞれ加圧室53,54とされる。加圧ピストン52とハウジングの底部との間、2つの加圧ピストン51,52の間にはそれぞれリターンスプリング55,56が設けられる。
ブレーキペダル10が踏み込まれると、2つの加圧室53,54には同じ高さの液圧が発生させられる。一方の加圧室54に液通路58を介して右前輪17のブレーキシリンダ19が接続され、他方の加圧室53に液通路59を介して右前輪16のブレーキシリンダ18が接続される。
本実施形態においては、マスタシリンダ14の加圧室53,54に左右前輪16,17のブレーキシリンダ18,19がそれぞれ接続されているのである。
【0017】
液通路58,59の途中には、それぞれマスタ遮断弁60,62が設けられる。マスタ遮断弁60,62は、コイルを含むソレノイドに電流が供給されない場合に開状態にある常開弁である。
液通路58のマスタ遮断弁60より上流側の部分にはシミュレーション装置76が設けられている。シミュレーション装置76は、ストロークシミュレータ77とシミュレータ制御弁78とを含むものであり、液通路58に、ストロークシミュレータ77がシミュレータ制御弁78を介して接続される。
シミュレータ制御弁78は、コイルを含むソレノイドに電流が供給されない場合に閉状態にある常閉弁である。
【0018】
前記ポンプ装置12は、液通路92を介してすべてのブレーキシリンダ18,19,26,27に接続される。また、ブレーキシリンダ18,19,26,27の各々には、それぞれ、個別液圧制御弁装置としてのリニアバルブ装置100〜106が設けられる。前輪側のリニアバルブ装置100、102は、常閉弁である増圧用リニアバルブ110および減圧用リニアバルブ112を含み、後輪側のリニアバルブ装置104,106は、常閉弁である増圧用リニアバルブ114と常開弁である減圧用リニアバルブ116とを含む。
増圧用リニアバルブ110、114は上述の液通路92に設けられ、減圧用リニアバルブ112、116はブレーキシリンダ18,19,26,27とリザーバ46とを接続する液通路118に設けられる。
【0019】
常閉弁である増圧リニアバルブ110,114、減圧リニアバルブ112は、図3(a)に示すように、弁座130と、その弁座130に対して接近・離間可能に設けられた弁子132とを含むシーティング弁134を含む。シーティング弁134においては、スプリング136が弁子132を弁座130に着座させる方向に付勢する。また、コイル138を備えたソレノイド139を含み、コイル138に電流が供給されると、可動部材139aを固定部材139bに接近させる方向、すなわち、弁子132を弁座130から離間させる方向に電磁駆動力が加えられる。一方、前後の差圧に応じた差圧作用力が弁子132を弁座130から離間させる方向に作用する。
したがって、リニアバルブには、スプリング136の付勢力,差圧作用力,電磁駆動力が作用し、これらの力の関係に基づいて弁子132の弁座130に対する相対関係が決まるのであり、電磁駆動力を制御することによって前後の差圧を制御することができる。
【0020】
増圧リニアバルブ110、114は、それぞれ、ポンプ装置12とブレーキシリンダ18,19,26,27との間に設けられるため、前後の差圧は、ポンプ装置12の出力液圧とブレーキシリンダの液圧との差圧に対応する。減圧リニアバルブ112は、ブレーキシリンダ26,27とリザーバ46との間に設けられ、リザーバ46の液圧は大気圧であるため、前後の差圧はブレーキシリンダ26,27の液圧に対応する。
【0021】
常開弁としての減圧リニアバルブ116は、図3(b)に示すように、弁座140および弁子142を含むシーティング弁144を含み、シーティング弁144においては、スプリング146が弁子132を弁座130から離間させる方向に付勢する。コイル148を備えたソレノイド149においては、電流が供給されると電磁駆動力が可動部材149aを固定部材149bに接近させる方向、すなわち、弁子142を弁座140に接近させる方向に作用する。また、減圧リニアバルブ116はブレーキシリンダ26,27とリザーバ46との間に設けられているため、ブレーキシリンダ26,27の液圧に応じた差圧作用力が作用する。シーティング弁144においては、弁子142の弁座140に対する相対位置が、スプリング146の付勢力、電磁駆動力、ブレーキシリンダ圧に応じた差圧作用力の関係によって決まる。
本実施形態においては、リニアバルブ装置100〜106の制御により、ブレーキシリンダ18,19,26,27の液圧が、ポンプ装置12の作動液を利用して別個に制御される。また、リニアバルブ装置100,102,ポンプ装置12等によって前輪ブレーキ制御アクチュエータ150が構成され、リニアバルブ装置104,106,ポンプ装置12等によって後輪ブレーキ制御アクチュエータ152が構成される。本実施形態においては、前輪ブレーキ制御アクチュエータ150と後輪ブレーキ制御アクチュエータ152とで動力式液圧源としてのポンプ装置12が共通に設けられる。
【0022】
また、液通路92の増圧用リニアバルブ110とポンプ装置12との間には、液圧センサ158が設けられる。液圧センサ158によって増圧用リニアバルブ110、114の高圧側の作動液の液圧が検出される。増圧用リニアバルブ110、114の高圧側の液圧として液圧センサ158による検出値が採用されれば、ポンプ装置12と増圧用リニアバルブ110、114との間の圧力損失の影響を小さくすることができ、アキュムレータ圧センサ48による検出値を採用する場合に比較して、リニアバルブ装置100〜106の制御精度を向上させることができる。
【0023】
前輪、後輪ブレーキ制御アクチュエータ150,152はブレーキECU160の指令に基づいて制御される。ブレーキECU160は、図4に示すように、CPU162,ROM164,RAM166,入出力部168等を有するコンピュータを主体とするものである。入出力部168には、上述のアキュムレータ圧センサ48,液圧センサ158に加えて、液通路58,59の液圧をそれぞれ検出するマスタ圧センサ170,172、ブレーキシリンダ18,19,26,27の液圧をそれぞれ検出するブレーキ液圧センサ174〜177、各車輪16,17,24,25の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速センサ179〜182、ブレーキペダル10の操作ストロークを検出するストロークセンサ190、車両の前後方向の減速度を検出するGセンサ192等が接続されている。
また、ポンプモータ42、各リニアバルブ装置100〜106、シミュレータ制御弁78,各マスタ遮断弁60,62のソレノイドがそれぞれ駆動回路196を介して接続される。
【0024】
本液圧ブレーキ装置において、車両の走行中にブレーキペダル10が操作された場合には、ストロークセンサ190による出力信号とマスタ圧センサ170,172の出力信号とに基づいて運転者の所望する要求制動力(車両全体に加えられる制動力)が求められる。そして、図5(a)の走行中配分線に従って前後制動力配分比が求められ、これら車両全体の制動力と配分比とに基づいて、前輪のブレーキシリンダ18,19の目標液圧と後輪のブレーキシリンダ26,27の目標液圧とがそれぞれ求められる。そして、実際のブレーキシリンダ液圧が目標液圧に達するように、マスタ遮断弁60,62が閉状態にされ、ブレーキシリンダ18,19,26,27がマスタシリンダ14から遮断された状態で、ポンプ装置12の液圧によりリニアバルブ装置100〜106の制御により制御される。なお、本実施形態においては、要求制動力が、ストロークとマスタ圧とに基づいて決定されるようにされているが、ストロークに基づいて決定されるようにしたり、マスタ圧に基づいて決定されるようにしたりすることができる。また、操作力センサを設け、操作力センサによる出力信号に基づいて決定されるようにすることができる。いずれにしても、ブレーキ操作部材の操作状態を表す操作状態量に基づいて決定することができる。ブレーキ操作部材の操作状態量は直接検出されるようにすることもできるが、それと等価の物理量に基づいて検出することもできる。
【0025】
前輪側においては、増圧用リニアバルブ110,減圧用リニアバルブ112はともに常閉弁である。常閉弁においては、図6(a)に示すように、供給電流の増加(電磁駆動力の増加)に伴って開弁圧が小さくなるのであり、差圧が小さくてもリニアバルブが開状態にされる。換言すれば、前後の差圧を小さくするためには、供給電流を大きくする必要がある。要求制動力の増加中(ブレーキペダル10の操作状態量の増加中)においては、減圧用リニアバルブ112への供給電流は0のまま(閉状態のまま)で、増圧用リニアバルブ110への供給電流が増加させられる。ポンプ装置12の出力液圧とブレーキシリンダ18,19の液圧との差圧は、増圧用リニアバルブ110への供給電流が大きいほど小さくなるのであり、ブレーキシリンダ液圧が増加させられることになる。要求制動力が大きい場合は小さい場合より増圧用リニアバルブ110に大きな電流が供給される。後輪側においては、増圧用リニアバルブ114が常閉弁であり、減圧用リニアバルブ116が常開弁である。常開弁においては、図6(b)に示すように、供給電流の増加に伴って前後の差圧が大きくなる。そのため、要求制動力の増加中においては、減圧用リニアバルブ116への供給電流も、増圧用リニアバルブ114への供給電流も増加させられる。要求制動力が大きい場合は小さい場合より増圧用、減圧用リニアバルブ114,116のいずれにも大きな電流が供給される。
このように、前輪側のリニアバルブ装置100,102と後輪側のリニアバルブ装置104,106とにおいて、ブレーキシリンダの液圧を同じ大きさに制御する場合には、後輪側のリニアバルブ装置104,106の方が供給電流量が大きくなる。
【0026】
また、前輪側のブレーキシリンダ18,19にはマスタシリンダ14が接続され、ブレーキシステムの異常時には、マスタシリンダ14の作動液がブレーキシリンダ18,19に供給されることによってブレーキが作動させられる。この場合において、減圧用リニアバルブ112が常閉弁であるため、効き遅れが生じることなく、ブレーキ20,21を早急に作動させることができる。
それに対して、後輪側については、減圧用リニアバルブ116が常開弁であるが、電気系統の異常時等に後輪側のブレーキシリンダ26,27にマスタシリンダ14が連通させられることはない。しかも、ブレーキ解除時には、減圧用リニアバルブ116への供給電流を0とすることによってブレーキシリンダをリザーバ46に連通させることができる。そのため、後輪側について、ブレーキ解除時に電流を供給する必要がない。前輪側においては、ブレーキ操作解除後には、マスタ遮断弁60,62への供給電流が0にされることによって開状態に戻されるため、マスタシリンダ14に作動液を戻すことができるため、減圧用リニアバルブを開状態に切り換える必要がない。
このように、前輪側の減圧用リニアバルブ112を常閉弁とし、後輪側の減圧用リニアバルブ116を常開弁とすることにより、電気系統の異常時に、早急に前輪ブレーキを作動させることができ、ブレーキ作動解除時のエネルギ消費量を低減させることができる。
【0027】
車両が停止状態にある場合には、要求制動力が走行中と同様に求められ、図5(a)の停止中配分線に従って前後制動力配分比が決定され、前輪側の目標液圧と後輪側の目標液圧とがそれぞれ求められる。前後制動力配分比は停止前と停止後とで、要求制動力が同じ場合には、車両全体の制動力が一定のままで、図のAからBに変更される。
前輪のブレーキシリンダ18,19の液圧が増加させられ、後輪のブレーキシリンダ26,27の液圧が減少させられるのであり、配分比が前輪のブレーキ作動力が大きくなるように変化させられる。後輪のブレーキシリンダ26,27の液圧を減少させる場合には、減圧用リニアバルブ116への供給電流を小さくすることができる。前述のように、後輪側の減圧用リニアバルブ116は、ブレーキ作動中、電流が供給され続け、温度負荷が大きくなっている。それに対して、本実施形態においては、停止中において供給電流が低減させられるため、減圧用リニアバルブ116における発熱を抑制することができる。
【0028】
車両が停止してから設定時間経過した後は、図5(b)に示すように、車両全体の制動力が減少させられる。車両を停止状態に維持するために必要な制動力は、停止するために必要な制動力より小さくてよいのが普通である。
また、停止状態が設定時間以上経過すれば、運転者が停止状態を維持する意図があるとみなすことができるのである。
この場合には、図5(a)のBからCに停止中配分線に沿って前輪ブレーキシリンダの液圧、後輪のブレーキシリンダの液圧が、リニアバルブ装置100〜106の制御によりそれぞれ減少させられる。車両を停止状態に維持するための制動力は、路面勾配、クリープ駆動力等に基づいて決まる。路面がほぼ水平である場合には、ほぼ一定の大きさとすることができる。
【0029】
ディスクブレーキ20,21.28,29において、液圧室36の液圧が通常の高さであり、ブレーキパッド32a,32bの回転ディスク33に対する押付力が通常の大きさである場合には、ブレーキパッド32a,32b,ピストンシール38の弾性変形量も通常の大きさである。液圧室36の液圧が大気圧まで戻されれば、ディスクブレーキ33からブレーキパッド32a,32bが離間させられる。そのため、車両の発進時に、引き摺りが生じることを回避することができる。
液圧室36の液圧が高く、ブレーキパッド32a,32bの回転ディスク33に対する押付力が大きくなると、ブレーキパッド32a,32b,ピストンシール38の弾性変形量が大きくなる。また、ピストン37のピストンシール38に対する滑りが生じることもある。この場合には、液圧室36の液圧が大気圧に戻っても、回転ディスク33からブレーキパッド32a,32bが確実に離間せず、車両の発進時に引き摺りが生じる場合がある。
この場合において、車両の停止中におけるブレーキパッド32a,32bの押付力が小さくされれば、ブレーキパッド32a,32b,ピストンシール38が回復するため、車両発進時に引き摺りを抑制することができる。
【0030】
また、車両の停止中のブレーキ液圧を小さくすれば、ポンプ装置12の消費作動液量を少なくすることができる。ブレーキシリンダの液圧は、前述のように、要求制動力に基づいた大きさに制御されるが、目標ブレーキ液圧が小さい場合と大きい場合とでは、小さい場合の方が、ブレーキシリンダへの作動液の供給量が少なくなるのであり、ポンプ40の作動頻度が低くなり、作動音を低減させることができる。
さらに、停止状態を維持する場合には、ブレーキシリンダ液圧を運転者による操作状態の変化に細かに応答させる必要がない。そのため、フィードバック制御でなく、オープン制御とすることができる。また、操作状態の変化に応じてブレーキ液圧が変化させられないように、停止中においてはブレーキ液圧がほぼ一定に保たれるようにすれば、ポンプ装置12における作動液消費量をさらに少なくすることができる。なお、パーキングブレーキの作動中においては、後輪側のリニアバルブ装置104,106への供給電流を0とすることができる。この場合には、液圧ブレーキによる後輪の制動力配分比は0になる。
【0031】
本実施形態においては、車両が停止状態にあることが、(a)車輪速センサ179〜182の出力信号に基づいて求められた推定車体速度が設定値以下であること、(b)Gセンサ192によって検出された車両減速度が0であること、(c)ブレーキシリンダの液圧が設定値以上の状態が設定時間以上継続していること等とすることができる。なお、(a)の条件のみとすることもできる。
【0032】
図7のフローチャートで表されるブレーキ制御プログラムが、ブレーキペダル10の操作中において、予め設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、ブレーキ作動中か否かが判定される。例えば、操作ストロークが設定値以上の場合には操作中であるとすることができる。なお、ブレーキスイッチを設け、ブレーキスイッチの状態に基づいて操作中であることが検出されるようにすることもできる。S2において、ストローク、マスタ圧が読み込まれ、S3において、車両が停止状態にあるか否かが判定される。停止状態にない場合、すなわち、走行中である場合には、S4において、前述のように、ストローク、マスタ圧に基づいて目標制動力が求められ、走行中配分線に沿って、前輪のブレーキシリンダの液圧と後輪のブレーキシリンダの液圧との目標値に求められ、S5において、リニアバルブ装置100〜106が制御される。
【0033】
車両が停止状態にあると検出された場合には、S3における判定がYESとなり、S6において、停止状態になってから設定時間が経過したか否かが判定される。設定時間が経過する以前においては、S7,8において、前述と同様に目標制動力が求められ、停止中配分線に従って配分比が決定され、前輪、後輪のブレーキシリンダの目標液圧が決定される。これら目標液圧が得られるように、リニアバルブ装置100〜106が制御される。この場合には、後輪の配分比が小さくされるため、減圧用リニアバルブ116への供給電流が小さくされる。
それに対して、設定時間が経過した場合には、S6の判定がYESとなって、S9〜12において、停止状態を維持するための制動力が求められ、停止中配分線に従って配分比が決定される。また、前輪、後輪の目標液圧が決定されて、リニアバルブ装置100〜106が制御される。
このように停止状態において、ブレーキ作動力が小さくされれば、車両発進時に生じる引き摺りを小さくすることができる。
【0034】
以上のように、本実施形態においては、ブレーキECU160、ブレーキ制御アクチュエータ150,152等によってブレーキ作動力制御装置が構成され、そのうちの、S7,8を記憶する部分、実行する部分等によって配分比制御部が構成され、S9〜12を記憶する部分、実行する部分等によって作動力低下部が構成される。
【0035】
なお、S12においては、前輪、後輪のそれぞれのブレーキシリンダの液圧を目標液圧まで低下させるのではなく、前輪のブレーキシリンダの液圧を一旦0まで低下させた後に目標液圧まで増加させるようにすることができる。液圧室36の液圧が大きくなった場合には、ブレーキパッド32a,32b、ピストンシール38の弾性変形量が大きくなることに加え、弾性変形量が最大となったピストンシール38に対してピストン37が滑って前進する現象が生じる。ピストンシール38が切欠250を満たすまで弾性変形させられ、さらに、ピストン37がピストンシール38に対して相対的に前進させられるのである。そのため、液圧室36の液圧が大気圧まで戻された場合に、ピストンシール38の弾性変形が完全に回復したにもかかわらず、ピストン37は十分に引き戻されず、摩擦係合部材をディスクに押し付けたままとなることがあるのであるが、液圧室36の液圧が一旦0近傍まで低下させられた後、再び目標液圧まで増大させられれば、この場合には、ピストン37がその液圧に応じた位置まで前進して停止した後、ピストンシール38が液圧によりピストン37に対して滑って前進させられる。これにより、先にブレーキ液圧が特に大きくされた際におけるピストン37のピストンシール38に対する滑りが解消され、あるいは低減させられて、発進時の引き摺りを良好に防止することができる。
また、左右前輪のブレーキシリンダ18,19の液圧を同時に0まで低下させた後に目標液圧まで増加させるのではなく、左前輪16、右前輪17についてブレーキシリンダの液圧を順番に0まで減少させて目標液圧まで増加させてもよい。
【0036】
この場合においては、S12において、図8のフローチャートで表されるようにリニアバルブ装置100,102が順次制御される。S51、52において、減少フラグ、増加フラグがそれぞれセット状態にあるかどうかが判定される。いずれもリセット状態にある場合には、S53において、n輪のブレーキシリンダの液圧が減圧させられる。nは、左右前輪の位置を示すものであり、1が左側であり、2が右側である。カウンタnのカウント値は初期値1にセットされているため、ここでは、左前輪16が指示される。S53において、左前輪16のブレーキシリンダ18の液圧がリニアバルブ装置100の制御により減圧させられる。S54において減少フラグがセットされ、S55においてブレーキシリンダ18の液圧が0になったか否かが判定される。0より大きい場合には判定がNOとなる。
【0037】
ここでが減少フラグがセットされているため、次に実行される場合には、S51の判定がYESとなって、S55において0まで減圧させられたか否かが判定される。0まで減圧させられた場合には、S56において、減少フラグがリセットされて、S57において、左前輪16のブレーキシリンダ18の液圧が増加させられる。S58において、増加フラグがセットされ、S59において、目標液圧より設定値以上大きい値(Pf*+ΔP)まで増加させられたか否かが判定される。
目標液圧より設定値以上大きい値(Pf*+ΔP)に達する以前には判定がNOとなる。この場合には、増加フラグがセットされているため、S52の判定がYESとなる。ブレーキシリンダの液圧が目標液圧より設定値以上大きい値(Pf*+ΔP)に達した場合には、S59の判定がYESとなり、S60において増加フラグがリセットされて、S61においてカウンタnのカウント値が1増加させられる。S62において、カウント値nが3に達したか否かが判定されるのであるが、3以下である場合には、S51以降が実行される。次に、右前輪17についてブレーキシリンダ19の液圧が減少、増加させられる。
その後、S63において、左右前輪16,17のブレーキシリンダの液圧が同時に目標液圧Pf*まで減圧させられ、S64において、左右後輪24,25のブレーキシリンダの液圧が目標液圧Pr*まで減圧させられる。
本実施形態によれば、車両の停止中において制動力不足が生じることを回避することができる。
ブレーキシリンダ液圧を0まで低下させた後に目標液圧に到達させる作動は、複数回に分けて行われるようにすることができる。そのようにすれば、車両の停止中における制動力の急激な低下を抑制することができる。
【0038】
さらに、車両の停止中または停止後の設定時間経過後においては、目標制動力を決定する際の制御ゲインを走行中より小さい値にすることができる。このようにすれば、ブレーキペダル10の操作状態の変化に伴って前輪、後輪のブレーキシリンダの液圧も変化させられることになるが、走行中または停止直後より、ブレーキシリンダの液圧を小さくすることができる。
また、上記実施形態においては、後輪側の減圧用リニアバルブ116が常開弁とされていたが、それに限らない。前輪側の増圧用リニアバルブ110を常開弁としてもよいのであり、その場合には、前輪側の増圧用リニアバルブ110の液圧を増圧させることが熱負荷を抑制することになる。増圧用リニアバルブ、減圧用リニアバルブは、適宜、常開弁、常閉弁とすることができる。
さらに、ブレーキ装置の構造は問わない。ブレーキはドラムブレーキとすることもできる。また、ブレーキは電動モータの作動により摩擦係合部材をブレーキ回転体に押し付ける電動ブレーキとすることもできる。電動ブレーキの場合には、それまでの作動時間、作動回数等に基づいて配分比を制御したり、ランダムに制御したりすることができる。
本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるブレーキ装置である。
【図2】 上記ブレーキ装置のディスクブレーキの断面図であ。
【図3】 上記ブレーキ装置のリニアバルブ装置を概念的に示す図である。
【図4】 上記ブレーキ装置のブレーキECU周辺を示す図である。
【図5】 上記ブレーキECUのROMに格納された配分比決定テーブルを表すマップである。
【図6】 上記ブレーキECUのROMに格納されたブレーキ制御プログラムを表すフローチャートである。
【図7】 上記ブレーキ制御プログラムの一部を示すフローチャートである。
【図8】 上記ブレーキ制御プログラムの一部を示す別のフローチャートである。
Claims (5)
- ブレーキシリンダの液圧により摩擦係合部材がブレーキ回転体に押し付けられることにより、前輪の回転を抑制する前輪ブレーキと、
ブレーキシリンダの液圧により摩擦係合部材がブレーキ回転体に押し付けられることにより、後輪の回転を抑制する後輪ブレーキと、
少なくとも、これら前輪ブレーキの作動力と後輪ブレーキの作動力とをそれぞれ別個に制御するブレーキ作動力制御装置と
を含むブレーキ装置であって、
前記ブレーキ作動力制御装置が、
(a)電力によって作動させられる前輪電磁装置と、(b)その前輪電磁装置への供給電流の制御により前記ブレーキシリンダの液圧を制御する前輪電磁装置制御部とを含む前輪液圧制御アクチュエータと、(c)電力によって作動させられる後輪電磁装置と、(d)その後輪電磁装置への供給電流の制御により前記ブレーキシリンダの液圧を制御する後輪電磁装置制御部とを含む後輪液圧制御アクチュエータと、
前記前輪ブレーキの作動力と後輪ブレーキの作動力とを、車両の制動力が運転者のブレーキ操作状態を表すブレーキ操作状態量に応じて決まる目標制動力となるように制御するとともに、前記前輪のブレーキシリンダの液圧と後輪のブレーキシリンダの液圧とを同じ大きさに維持する場合に、前記後輪電磁装置への供給電流を前記前輪電磁装置への供給電流より大きくする作動力制御部と、
車両の停止後に、前記後輪電磁装置への供給電流を小さくすることによって、前記後輪ブレーキの作動力の前記前輪ブレーキの作動力に対する比率を停止前より低下させる後輪比率低下部と、
車両の停止状態が設定時間以上継続した場合に、前記前輪のブレーキと前記後輪のブレーキとの少なくとも一方の作動力を、0近傍の予め定められた0近傍設定作動力付近まで低下させた後、設定時間経過前の前記作動力より小さい目標作動力まで増加させる作動力一旦減少部を有する作動力低下部と
を含むことを特徴とするブレーキ装置。 - 前記前輪電磁装置が、動力式液圧源と前記ブレーキシリンダとの間に設けられた常閉弁である増圧用の電磁液圧制御弁と、前記ブレーキシリンダと低圧源との間に設けられた常閉弁である減圧用の電磁液圧制御弁とを含み、前記後輪電磁装置が、動力式液圧源と前記ブレーキシリンダとの間に設けられた常閉弁である増圧用の電磁液圧制御弁と、前記ブレーキシリンダと低圧源との間に設けられた常開弁である減圧用の電磁液圧制御弁とを含む請求項1に記載のブレーキ装置。
- 前記後輪比率低下部が、前記車両全体の制動力が一定の状態で、前記前輪ブレーキの作動力を増加させる一方、前記後輪ブレーキの作動力を減少させる部分を含む請求項1または2に記載のブレーキ装置。
- 前記後輪比率低下部が、前記前輪電磁装置と前記後輪電磁装置との少なくとも一方の発熱の状態に基づいて前記比率を決定する決定部を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
- 前記作動力低下部が、前記少なくとも一方のブレーキの作動力を、車両に加えられる制動力がその車両の停止状態を維持し得る範囲の最小の大きさになるまで低下させるものである請求項1ないし4のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
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2001
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