JP3845836B2 - 集合住宅建物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高層ないし超高層の集合住宅建物に関する。
【0002】
【従来の技術】
高層ないし超高層の集合住宅建物の構造として図3に模式的に示すものが提案されている。これは、中心部に鉄筋コンクリート造の高剛性のコアウォール1を設けるとともに、外周部には外周柱2と外周梁3とによるラーメン構造の外周架構4を設けて、コアウォール1と外周架構4との間をフラットな床構造により構成してそこを住戸ゾーン5としたものである。このような構造によれば、コアウォール1と外周架構4による優れた構造安定性と耐震性を確保できることはもとより、住戸ゾーン5には必要最小限の梁6を設けるだけで済むのでその住戸ゾーン5を実質的に無梁無柱の大空間として確保することが可能であり、万全なフリープラン対応が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構造ではコアウォール1の全体的な平面形状を正方形とすることが理想的であるが、コアウォール1の内側ないしその周囲に設ける共用ゾーン7の平面計画上の都合からコアウォール1の平面形状は図示しているように長方形状となることが通常であり、そのため構造的には方向性が生じ、短辺方向に沿うコアウォール1aの変形性能や応力状態が長辺方向に沿うコアウォール1bのそれに比べて不利となることが避けられない。
【0004】
上記事情に鑑み、本発明はコアウォールの平面形状による構造的な方向性を解消し得るより合理的な集合住宅建物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、中心部に平面視長方形状のコアウォールを設けるとともに外周部に外周架構を設けて、それらコアウォールと外周架構との間をフラットな床構造により構成した高層ないし超高層の集合住宅建物において、コアウォールの外側に少なくともその長辺方向に沿う共用廊下を設けるとともにその外側に住戸ゾーンを設け、それら共用廊下と住戸ゾーンとの境界位置に柱を設けるとともに、短辺方向のコアウォールの曲げ変形を拘束する境界梁を、長辺方向の共用廊下の上部にのみ設けて前記柱とコアウォールとの間に架設してなるものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明における境界梁を偏平梁としたものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明における境界梁の端部を塑性ヒンジに構成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態を示すものである。本実施形態の集合住宅建物の構造は、図3に示した従来の構造を基本として、長辺方向に沿うコアウォール1bと住戸ゾーン5との間に共用廊下8(斜線を付した範囲)を設け、その共用廊下8と住戸ゾーン5との境界位置に柱9を設け、それら柱9どうしの間に梁10を架設し、かつ柱9とコアウォール1との間に短辺方向のコアウォール1aの曲げ変形を拘束する境界梁11を架設するものとしている。
【0009】
このような構造によれば、境界梁11が直接的にコアウォール1の曲げ変形を拘束し、また、境界梁11の端部を塑性ヒンジに構成すれば、地震時等において境界梁11が変形を受けた際に端部が降伏してその塑性変形エネルギーにより振動エネルギーを吸収し、優れた制震効果を得ることができる。そして、上記の場合には特にコアウォール1の短辺方向の曲げ変形が拘束されてその曲げ剛性が向上し、その結果、短辺方向にも長辺方向と同等の剛性と耐力を持たせることができてコアウォール1全体を両方向に良好なバランスを持たせて設けることができることになる。
【0010】
また、柱9と梁10による架構は長辺方向の応力を負担するとともに、短辺方向のコアウォール1aに対して柱9を介して直交梁効果により補剛架構として機能し、それによっても短辺方向のコアウォール1aの曲げ剛性を向上させることができる。
【0011】
なお、柱9を住戸ゾーン5内に設ける場合にはそれら柱9が住戸ゾーン5の平面計画上の制約となり、また梁10や境界梁11が住戸ゾーン5内の天井部に突出することになって好ましくないが、上記のようにコアウォール1の外側に共用廊下8を設けてその共用廊下8と住戸ゾーン5の境界位置に柱9を設定することにより、柱9や梁10、境界梁11を住戸ゾーン5内に設ける必要がなく、上記のような不具合を回避することができる。
【0012】
この場合、境界梁11は共用廊下8の天井部を横断する状態で設けられることになるが、共用廊下8の所要天井高はさして大きく確保する必要がないので実際上は支障はない。ただし、必要であれば境界梁11としてその梁成を梁幅と同等ないしそれよりも小さくした偏平断面のものを採用すれば、共用廊下8における有効天井高を十分に確保することができる。
【0013】
図2は他の実施形態を示す。これはコアウォール1の外側に全周にわたって共用廊下8を設けた場合の例であって、先の実施形態のものに対し短辺方向のコアウォール1aの外側にも柱12を設け、それら柱12どうしの間に梁13を架設したものであるが、図示しているように柱12とコアウォール1との間には境界梁は設けない(つまり、短辺方向にも共用廊下8とそれに沿う柱12を設けるものの、境界梁11は上記実施形態と同様に長辺方向の共用廊下8の上部にのみ設けるに留めて、短辺方向の共用廊下8の上部には境界梁を設けない)ことで、コアウォール1の短辺方向のみの架構剛性を増大させるとともに、短辺方向のコアウォール1aの変形性能や応力状態をより一層改善することができる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1の発明は、平面視長方形状に設けたコアウォールの外側に少なくともその長辺方向に沿って共用廊下を設けるとともにその外側に住戸ゾーンを設け、それら共用廊下と住戸ゾーンとの境界位置に柱を設けて、短辺方向のコアウォールの曲げ変形を拘束する境界梁を、長辺方向の共用廊下の上部にのみ設けて前記柱とコアウォールとの間に架設したから、それらの柱と境界梁とによってコアウォールの短辺方向の曲げ剛性を向上させることができ、したがってコアウォールの両方向に同等の剛性と耐力を持たせることも可能となって、コアウォールの平面形状の如何に拘わらずその変形性能や応力状態について最適設計が可能となり、かつ住戸ゾーンの計画において何等支障を来すこともない。
【0015】
請求項2の発明は境界梁を偏平梁としたので、共用廊下の有効天井高を十分に確保することができる。
【0016】
請求項3の発明は境界梁の端部を塑性ヒンジに構成したので、境界梁の端部が振動エネルギーを吸収することにより制震効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である集合住宅建物の構造を模式的に示す基準階平面図である。
【図2】 同、他の実施形態である集合住宅建物の構造を模式的に示す基準階平面図である。
【図3】 従来の集合住宅建物の構造を模式的に示す基準階平面図である。
【符号の説明】
1(1a,1b) コアウォール
4 外周架構
5 住戸ゾーン
8 共用廊下
9 柱
10 梁
11 境界梁
12 柱
13 梁
Claims (3)
- 中心部に平面視長方形状のコアウォールを設けるとともに外周部に外周架構を設けて、それらコアウォールと外周架構との間をフラットな床構造により構成した高層ないし超高層の集合住宅建物において、
コアウォールの外側に少なくともその長辺方向に沿う共用廊下を設けるとともにその外側に住戸ゾーンを設け、それら共用廊下と住戸ゾーンとの境界位置に柱を設けるとともに、短辺方向のコアウォールの曲げ変形を拘束する境界梁を、長辺方向の共用廊下の上部にのみ設けて前記柱とコアウォールとの間に架設してなることを特徴とする集合住宅建物。 - 境界梁を偏平梁としたことを特徴とする請求項1記載の集合住宅建物。
- 境界梁の端部を塑性ヒンジに構成してなることを特徴とする請求項1または2記載の集合住宅建物。
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Families Citing this family (1)
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2001
- 2001-03-05 JP JP2001059879A patent/JP3845836B2/ja not_active Expired - Lifetime
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