JP3845608B2 - コンクリートブロックの製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートブロックに関するものであって、詳しくは、擁壁または護岸壁などの壁部を構築できるコンクリートブロックおよびその製造装置、並びに上記コンクリートブロックを使用して堤体を構築する際の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
擁壁等を構築する際に使用される従来のコンクリートブロックには、特開平8−120694号公報または特開平9−125418号公報において開示されるものがあり、これらの技術は、壁面構成部または前面部と称する壁面部分と、後方延設部または控え壁部と称する上記壁面部分の後方に補助的に設けられた連結部分とで構成されるものであって、壁面部分を連続して配列させるとともに、この後方において積層される上記連結部分を連結固定するものであった。
【0003】
また、これらを含むコンクリートブロックの製造にあっては、それぞれの所望形状のコンクリートブロックを形成できる空間を型枠によって構成し、この空間にコンクリートを打設することによって製造していた。そして、これら型枠は、単一の形状を量産するために、型枠内の空間を画一的に構成するものであった。
【0004】
さらに、堤体の一般的な施工方法にあっては、構築すべき堤体の前面側と後面側に合板で構成された枠板を配設し、この両枠板の中間にセパレータと呼ばれる棒状鉄筋を配設し、このセパレータの両端を両枠板から外方に突出させるとともに、この突出端が突出する両枠板の外方において、鋼管を縦方向および横方向に配設するとともに、この鋼管に上記セパレータの突出端を固定した後、上記両枠板の中間にコンクリート打設することによるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記コンクリートブロックは、壁面部分に対して後方に突出させる連結部分を一体的に構成してなるものであるので、形状が複雑となるため製造が容易でなかった。また、壁面を上下に連続させる場合、前者の従来技術にあっては、裏込めコンクリート層の上面にボルトの先端を当接させ、後者の従来技術では、控え壁部に設けられた連結突部を連結ボルトで連結するものであり、それぞれ、作業性に問題があった。
【0006】
また、上記コンクリートブロックは、擁壁の壁面を斜状に構成することができるコンクリートブロックであるが、コンクリートブロックの壁面部分を斜状に積層するとき、その後方の連結部分も同様に斜状に積層されることとなり、コンクリートブロック全体が斜状に積層されるため、上方に配置されるコンクリートブロックの重量が、後方へ作用することとなり、裏込めコンクリートや法面を構築すべき擁壁の壁面に合致する斜状に構成しなければならなかった。
【0007】
そして、これらのコンクリートを型枠で製造するためには、複雑な形状の型枠を構成する必要があり、型枠の構築、コンクリートの打設および型枠からの離型などが複雑となっていた。
【0008】
また、従来の堤体の施工方法では、枠板の配設後、縦方向および横方向の鋼管を所定ピッチで配設しなければならず、この鋼管の配設には長時間を要することとなり、しかも、前面側および後面側の枠板の中間に設けるべきセパレータは、その両端を両枠板の外方に突出させ、かつ、この両端を上記鋼管に固定しなければならず、枠板の構築開始からコンクリートを打設するまでに長い日数を要することとなり、結果的に工期を長期化することとなっていた。
【0009】
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、容易に斜状の擁壁を構築することのできるコンクリートブロック、または、堤体にも使用できるコンクリートブロックを、製造するための装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、箱型の基台と、この基台の内部において上端付近において回動自在に軸支される回動体と、該回動体の回動を抑止するストッパ手段と、上記回動支持部に支持され所定形状の空間を有する型枠とを備え、上記型枠は、該型枠の前後に配置される前後側壁面部と、左右に配置される左右側壁面部と、底面部とからなる上部が開口する型枠であり、上記前後側壁面部に内面構成部材を着脱可能に設け、上記底面部を昇降可能に構成してなることを特徴とするコンクリートブロックの製造装置を要旨としている。
【0015】
この場合、ストッパ手段は、基台の側壁を貫通して装着される貫設ピンによって構成され、この貫設ピンに回動支持部の一部が当接することにより該回動支持部の回動を抑止させてなる構成とすることができる。また、前側壁面部に設けられる内面構成部材は、所定個所に突出部が設けられた構成とし、後側壁面に設けられる内面構成部材は、所定個所に凹部が設けられた構成とすることが好ましい。さらに、底面部は、型枠内に載置されるブロック状の底面構成部材によって、高さを変更可能に構成することが好ましい。
【0016】
また、本発明は、基台上に立設された後側壁面部と、この後側壁面部の片側表面を鉛直にしてなる鉛直表面と、この鉛直表面の所定個所に設けられた突出部と、上記鉛直表面に対向しつつ基台上を該鉛直表面に向かって摺動可能に立設された前側壁面部と、この前側壁面部の片側表面を上記鉛直表面に対して平行に維持されてなる平行表面と、この平行表面の所定個所に設けられた凹部と、上記後側壁面部および前側壁面部の中間両側に配置された左右側壁部と、上記側壁面部および前側壁面部の中間において基台上に固定された斜状の底面を有する底面部とを備えたことを特徴とするコンクリートブロックの製造装置をも要旨としている。
【0017】
さらに、本発明は、基台上に固定された斜状の平面を有する底面部と、基台上に立設された後側壁面部と、この後側壁面部の片側表面を鉛直にしてなる鉛直表面と、上記底面部の斜状平面から所定の高さで水平方向に連続して上記鉛直表面に設けられた突出部と、上記鉛直表面に対向しつつ基台上を該鉛直表面に向かって摺動可能に立設された前側壁面部と、この前側壁面部の片側表面を上記鉛直表面に対して平行に維持されてなる平行表面と、この平行表面の所定個所に設けられた凹部と、上記後側壁面部および前側壁面部の中間両側に配置された左右側壁部とを備えたことを特徴とするコンクリートブロックの製造装置を要旨とするものである。
【0018】
また、本発明では、基台上に固定された斜状の平面を有する底面部と、基台上に立設された後側壁面部と、この後側壁面部の片側表面を鉛直にしてなる鉛直表面と、上記底面部の斜状平面から所定の高さで水平方向に連続して上記鉛直表面に設けられた突出部と、上記鉛直表面に対向しつつ基台上を該鉛直表面に向かって摺動可能に立設された前側壁面部と、この前側壁面部の片側表面を上記鉛直表面に対して平行に維持されてなる平行表面と、上記底面部の斜状平面から所定の高さで水平方向に連続して上記平行表面に設けられた凹部と、上記後側壁面部および前側壁面部の中間両側に配置された左右側壁部とを備えたことを特徴とするコンクリートブロックの製造装置を要旨とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、説明の便宜上、本発明に係るコンクリートブロックの製造装置によって製造しようとするブロックについて説明し、その後に製造装置に係る実施形態について説明する。製造しようとするコンクリートブロックの第一の態様を図1に示している。この図に示すように、コンクリートブロック1は、上面11と底面12を平行に構成してなるとともに、正面13を斜状に構成したものであり、背面14および左右の側面15,16は、それぞれ鉛直平面に構成されている。上面11には2個の略円錐台形状に突出する係入突部21,22が設けられており、底面12には上記係入凸部21,22と同数(2個)の係止凹部23,24が略円錐台形の凹状に設けられている。これらの係入凸部21,22および係止凹部23,24は、コンクリートブロック1の背面14の上端縁17または下端縁18から均等な距離に設けられている。しかも、2個の係入凸部21,22の中心間における間隔、および2個の係止凹部23,24の中心間における間隔は、ともにコンクリートブロック1の幅寸法Wの2分の1となっており、底面12を水平面に載置するとき、上記係入凸部21,22が、係止凹部23,24の鉛直上方に配置されるように構成されている。
【0025】
また、上記コンクリートブロック1の正面13には、適宜間隔でホールインアンカ31〜34が設けられ、これら複数のホールインアンカ31〜34には、雌ネジが刻設されてボルトの螺合を許容するものである。このようなホールインアンカ31〜34の使用例として、本実施形態では、当該ホールインアンカ31〜34に螺合できる比較的長尺な貫通ボルト41〜44が設けられ、当該貫通ボルト41〜44により間伐材51,52の二個所を貫通させるとともに、所定位置に設けられるホールインアンカ31〜34に螺着することによって、コンクリートブロック1の正面13に間伐材51,52を装着することができるように構成している。
【0026】
このとき、装着すべき間伐材51,52は、いずれもその長手方向に二分割されてなる端面形状半円形のものが使用され、当該分割面をコンクリートブロック1の正面13に当接させることによって、当該分割面をコンクリートブロック1の正面13に密着させることができるのである。また、当該間伐材51,52の長手方向をコンクリートブロック1の幅方向Wに向けることによって、当該コンクリートブロック1の正面13が、2本の横長の間伐材51,52によって構成される正面とすることが可能となる。
【0027】
このようなコンクリートブロック1は、図2に示すように、正面13が鉛直方向に対して所定角度θだけ傾斜していることから、当該コンクリートブロック1の上面11における前後方向の長さ(以下、上面長さという)L1は、底面12における前後方向の長さ(以下、底面長さという)L2よりも短く構成されている。この双方の長さL1,L2の差(以下、差寸法という)L3は、コンクリートブロック1の肉厚Dを一定とすると、式1で表示されるよう算出できるものである。
【0028】
【式1】
Figure 0003845608
【0029】
即ち、一定の肉厚Dを有するコンクリートブロック1においては、正面13の傾斜角度θが決定されることによって、底面長さL2を基準として上面長さL1を算出することができるのであり、これらの寸法に基づいてコンクリートブロック1を製作することができるのである。
【0030】
上記のような構成のコンクリートブロック1を積層する場合、図3に示すように、最下位のコンクリートブロック(以下、1番目のブロックという)1aの上位のコンクリートブロック(以下、2番目のブロックという)1bは、1番目のブロック1aにおける上面長さL1と同じ長さを底面長さL2として予め製作し、これを上記1番目のブロック1aの上に積層するのである。これにより、1番目のブロック1aの正面13aと2番目のブロック1bの正面13bとは、斜状に連続することとなり、また、それぞれの背面14a,14bも鉛直方向に連続することとなるのである。
【0031】
上記の積層工程においては、2番目のブロック1bの底面12bに設けられている係止凹部23,24(図1)を1番目のブロック1aの上面11aに設けられている係入凸部21,22(図1)に係合させることによって、2番目のブロック1bの位置決めがされ、上記のような正面13a,13bおよび背面14a,14bの連続状態を容易に形成させることができるのである。即ち、1番目のブロック1aおよび2番目のブロック1bのいずれにおいても、上記係入凸部21,22および係止凹部23,24は、背面14a,14bの上端縁または下端縁を基準として配置されており、当該背面14a,14bの端縁から常に等距離に配置されることとなるから、長さの異なるコンクリートブロック1a,1bは、正面13a,13bの位置を変化させるだけとなるのである。
【0032】
このような積層を順次繰り返すことによって、1番目のブロック1aから6段目に設けられるべきコンクリートブロック(以下、6番目のブロックという)1fまでを順次積層することにより、6段の斜状壁面を有する擁壁50を構築することができるのである。
【0033】
このように、斜状壁面を有する擁壁50を構築する場合、予め所定の高さHが決定されるものであるところ、この高さHを構成するために必要なコンクリートブロック1の段数および各コンクリートブロック1の肉厚Dが、それぞれ決定されるものである。また、1番目のブロック1aから上方に向かって底面長さL1を短くするため、最上位に積層されるコンクリートブロック(本実施形態では6番目のブロック)1fの上面長さLfは、所望の長さを要求され、逆に、1番目のブロック1aについては、その底面長さLaを制限されることが予想できる。このような場合、1番目のブロック1aにおいて許容される底面長さLaと6番目のブロック1fに要求される上面長さLfが決定されることによって、構築すべき擁壁50の傾斜角度θを式2によって逆算することが可能である。
【0034】
【式2】
Figure 0003845608
【0035】
そして、傾斜角度θが算出されれば、既に決定された各コンクリートブロック1a〜1fの肉厚から、それぞれの上面長さL1およびその上方に積層されるコンクリートブロック1b〜1fの底面長さL2は、式1を参考に算出されるのである。このように、擁壁50を構成すべき各コンクリートブロック1a〜1fを所定の寸法に基づいてそれぞれ製作することにより、施工現場において非常に容易に擁壁50を構築することができるのである。
【0036】
なお、積層する上位のコンクリートブロック(例えば、2番目のブロック1b)は、下位のコンクリートブロック(例えば、1番目のブロック1a)の上方に一列に積層することができる。この場合、図4(a)に示すように、下位のコンクリートブロック1aの係入凸部21,22に対し、上位のコンクリートブロック1bの係止凹部23,24を係合することにより、上下の積層を可能にするのである。また、図4(b)に示すように、上位のコンクリートブロックを、隣接する下位のコンクリートブロックに跨るように積層することも可能である。これは、図1において示しているように、係入凸部21,22および係止凹部23,24が、2個ずつ設けられており、しかも、この2個の中心間における間隔が、コンクリートブロック1の幅寸法Wの2分の1となるように調整されているからである。即ち、同図に示すように、隣接する二つの下位のコンクリートブロック1a,1aにおいて、隣り合う係入凸部22a,21aの中心間における間隔は、凸部21a,22aの中心から近接する側面までの距離の合計となり、この距離の合計がコンクリートブロック1の幅寸法Wの2分の1となるのである。従って、上位のコンクリートブロック1bの底面12bに設けられている係止凹部23b,24bの間隔と同一となるから、隣接する下位のコンクリートブロック1a,1aにおいて隣り合う係入凸部22a,21aに、上位のコンクリートブロック1bの係止凹部23b,24bを係合させることができるのである。
【0037】
次に、製造しようとするコンクリートブロックの第二の態様について説明する。ここで説明する態様のコンクリートブロックは、図5(a)に示すように、正面113を鉛直方向にしてなる略直方体のものである。この態様においても、上面111および底面112には、それぞれ係入凸部121,122または係止凹部123,124が設けられており、当該係入凸部121,122および係止凹部123,124は、いずれも背面114の上端縁または下端縁から等距離に設けられているのである。
【0038】
そこで、上記態様のコンクリートブロックを使用することにより、図5(b)に示すような擁壁150を構築することが可能となる。即ち、同種のコンクリートブロック101を上下方向に積層することにより、鉛直表面を有する擁壁150を構築することができるのである。また、第一の態様のコンクリートブロックと、第二の態様のコンクリートブロックとを混合し、他の態様とすることにより、図5(c)に示すような擁壁151をも構築することができるのである。即ち、同図に示すように、当該擁壁151の壁面のうち、斜状壁面を有する部分151a,151bは、正面13が斜状に設けられたコンクリートブロック1を使用して構築し、一方、垂直壁面を有する部分151c,151dは、第二の態様のコンクリートブロック101を使用することにより、斜状壁面と垂直壁面を混合した擁壁151を構築することができるのである。
【0039】
次に、第三の態様のコンクリートブロックについて説明する。このコンクリートブロックは、第一の態様と同様に斜状の正面を有するものである。その詳細は、図6(a)に示すように、コンクリートブロック201の上面211には、第一の態様と同様に2個の係入凸部221,222が設けられている一方、底面212には、幅方向(左右方向)に連続する係止凹部223が設けられているのである。この係止凹部223は、一方の側面215から他方の側面216に至るまで連続しており、この係止凹部223の任意の位置に係入凸部221,222が係入できる構成となっているのである。
【0040】
また、図6(b)に示すように、上記係入凸部221,222の中心は、正面213の上端縁217から所定の距離を有するように配置されており、上記係止凹部223の長手方向に沿った中心線は、正面213の下端縁218から上記所定距離と同じ距離を有するように配置されているのである。このように、係入凸部221,222および係止凹部223を正面213から一定の位置に設けることにより、斜状に形成した正面213の傾斜角度θに沿って、係入凸部221,222は、係止凹部223から斜め上方に配置されることとなる。
【0041】
このように、係入凸部221,222が係止凹部223から斜め上方に配置したとしても、コンクリートブロック201を積層する場合、上位のコンクリートブロック201bの底面212bに設けられる係止凹部223bは、正面213bの下端縁218bから所定距離に設けられているので、下位のコンクリートブロック201の上面211に設けられる係入凸部221の係入を許容するとき、下位のコンクリートブロック201の正面213の上端縁217と、上位のコンクリートブロック201bの正面213bの下端縁218bとが一致することとなるのである。そして、上位のコンクリートブロック201bの底面212bの長さを上述した第一の態様のコンクリートブロックと同様に、下位のコンクリートブロック201よりも短くなるように構成することにより、背面214,214bを鉛直方向に連続させることができるのである。
【0042】
上記のようなコンクリートブロック201を使用することにより、図7に示すような斜状壁面を有する擁壁250を構築することができるのである。この場合、傾斜角度や各コンクリートブロック201a〜201fの上面長さおよび底面長さについては、第一の態様のコンクリートブロックの場合と同様に算出することにより、予め各コンクリートブロック201a〜201fを製作することができ、これらを積層することによって、擁壁250を構築することができるものである。
【0043】
また、上記のようにコンクリートブロック201を積層する場合、第一の態様のコンクリートブロックの場合と同様に、下位のコンクリートブロック201aの上方に上位のコンクリートブロック201bを一列に積層することができるほか(図8(a))、隣接する二つの下位のコンクリートブロック201a,201aに跨るように、上位のコンクリートブロック201bを積層することができる(図8(b))。このとき、上位のコンクリートブロック201bの係止凹部223bは、左右方向に連続する溝状に構成されているものであるから、下位のコンクリートブロック201aに対して、上位のコンクリートブロック201bが左右方向へ規制されることなく、任意な状態で積層することができるものである。
【0044】
次に、第四の態様のコンクリートブロックについて説明する。このコンクリートブロックは、図9(a)に示すように、第三の態様のコンクリートブロックにおける係止凹部223の長さを係入凸部221,222の二個分の長さに制限してなるものである。このコンクリートブロックの係入凸部321,322および係止凹部323は、いずれも正面313の上端縁317または下端縁318から一定の距離を有して設けられており、この点は第三の態様のコンクリートブロックと同様である。
【0045】
上記態様のコンクリートブロックにおいては、係止凹部323の長さを制限したことにより、図9(b)および(c)に示すように、下位のコンクリートブロック301aに上位のコンクリートブロック301bを積層する際、上位のコンクリートブロック301bの左右方向への移動を制限することができることとなる。このことは、隣接する二つの下位のコンクリートブロック301a,301aに跨るように積層する場合も同様であり、下位のコンクリートブロック301a,301aのうち、近接する係入凸部321a,322aを同時に上位のコンクリートブロック301bの係止凹部323bに係入させることによって、上位のコンクリートブロック301bは、左右方向への移動を制限されるのである。なお、上記のように下位のコンクリートブロック301a,301aに跨るように上位のコンクリートブロック301bを積層する際、係止凹部323bが、近接する二個の係入凸部321a,322aを同時に係入させるためには、コンクリートブロック301aに設けられる係入凸部321a,322aの中心から左右の側面までの距離を合計した距離が、両係入凸部321a,322aの中心間における間隔と均等にしておく必要がある。例えば、二個の係入凸部を設ける場合は、両中心間における間隔をコンクリートブロックの幅寸法の2分の1とし、三個の係入凸部を設ける場合は、両中心間における間隔をコンクリートブロックの幅寸法の3分の1とすることによって、残る側面までの距離の合計を係入凸部の中心間における間隔と均等に配置することができるものである。
【0046】
記述のような第三の態様または第四の態様のコンクリートブロックを使用する場合、図10(a)または(b)に示すような鉛直正面413,513を有するコンクリートブロック401,501を設けることによって、図10(c)に示すような擁壁350を構築することが可能となる。即ち、上記コンクリートブロック401,501における係入凸部421,422,521,522および係止凹部423,523が、いずれも正面413,513から所定の距離を有する位置に設けられることによって、上述の第三または第四の態様のコンクリートブロックとともに、正面413,513を連続的に構成させることができるのである。
【0047】
次に、上記コンクリートブロックの製造装置にかかる発明の実施形態について説明する。製造装置にかかる第一実施形態は、図11および図12に示すように、正面および平面を開口してなる箱型の基台61と、この基台の内部に設置される回動体62と、この回動体62に支持される型枠63とで構成されている。回動体62は、その上端付近において基台61に設けられる回動軸64によって軸支されており、当該回動軸64を中心に回動自在に構成されている。また、上記基台61の両側壁65,66を貫通する制御ピン67が設けられ、この制御ピン67は、上記回動体62の背面部にのみ当接して、当該回動体62の後方への回動を制御するように構成されている。従って、回動体62の回動は、前方に対して自由であるが、後方に対しては制御ピン67に当接した状態で抑止されることとなる。上記制御ピン67は、上記両側壁65,66に複数設けられた貫通孔68,69に挿通することによって装着されるものであり、制御ピン67を装着すべき貫通孔68,69を選択することによって、回動体62の回動状態(傾斜状態)を決定することができるようになっている。
【0048】
なお、回動体62は、その自重により、また、型枠63および打設すべきコンクリートの重量により、その全体を下向きへ回動させるように付勢されるため、当該回動体62の背面部が制御ピン67に当接して後方への回動を抑止することによって、回動体62の全体が固定的に支持されることとなるのである。
【0049】
上記型枠63の上部は、全面を開口してなる開口部70が構成されており、この開口部70から型枠63の内部に打設コンクリートを充填させることができるようになっている。また、上記開口部70は開放させているため、上記回動体62を回動させるとき、型枠63の全体も同様に回動するが、打設したコンクリートの液面は、開口部70の付近において水平に維持されることとなる。従って、型枠63の内部に打設したコンクリートが固化すると、回動により傾斜した型枠63の全体に対し、開口部70における表面のみを水平方向の平面とするコンクリートブロックが構成されるのであり、この平面を正面13とする上述のコンクリートブロック1(図1)を構成することができるのである。
【0050】
このように、上述のコンクリートブロック1の正面13の斜度を変更する場合は、上記回動体62の回動状態を変更すれば可能となるものである。また、回動体62を回動させずに、型枠63に打設したコンクリートの表面を水平にすることにより、上述の略直方体のコンクリートブロック101の垂直正面113(図5)を構成することができるのである。なお、図12において図示する開口部70は、型枠63の上下方向に対して斜状に構成しているが、傾斜角度が予め決定している場合は、図示のように、開口部70を傾斜角度に応じて斜状に構成することにより、打設するコンクリートの液面を当該開口部70に一致させることによって、所望寸法のコンクリートブロックを画一的に構成させることが可能となる。
【0051】
また、上記型枠63の前側壁面部71と後側壁面部72は、平行状態に配置されており、この両壁面部71,72の内部表面に当接しつつ装着可能な内面構成部材73,74が設けられている。この内面構成部材73,74は、一方73には凹状部75,76が設けられ、他方74には突出部77,78が設けられており、当該内面構成部73,74によって成型される部分が、コンクリートブロック1の上面11または底面12を構成するのであって、凹状部75,76に充填される打設コンクリートが係入凸部21,22を構成し、突出部77,78によって打設コンクリートが排除された部分が係止凹部23,24を構成するのである(図1)。
【0052】
さらに、上記型枠63は、上記の前側壁面部71および後側壁面部72のほかに、底面部79に対して垂直に立設される左右の側壁面部80,81が設けられており、この左右側壁面部80,81の内面により成型される部分がコンクリートブロック1の左右の側面15,16を構成するのである(図1)。また、上記いずれの壁面部71,72,80,81は、下端縁82,83・・・において回動自在に軸支されており、型枠63の全体を開放することができ、固化したコンクリートブロックを容易に取り出すことができるようになっている。さらに、型枠63の底面部79には、ブロック状の底部構成部材84,85が載置できるようになっており、この底部構成部材84,85の載置される個数に応じて、当該底面部79の高さを実質的に変化させることとなり、コンクリートブロック1の前後方向への長さL1,L2(図1)を所望の長さに調整することができるのである。即ち上記底面部79または底部構成部材84,85の上面により成型される部分がコンクリートブロックの背面を構成するのである。
【0053】
なお、既述のとおり、コンクリートブロック1に設けられる係入凸部21,22および係止凹部23,24は、いずれもコンクリートブロック1の背面14から等距離に配設されるものであるところ(図1)、型枠63の底面部79に底部構成部材84,85を載置することによって、この底部構成部材84,85の上面から、上記内面構成部材73,74に設けられる凹状部75,76および突出部77,78までの相対的な距離が異なることとなる。そこで、図13に示すように、凹状部75,76および突出部77,78の高さ位置を異ならせた数種類の内面構成部材73a〜73c,74a〜74cを設け、底部構成部材を載置しない場合(図13(a))、1個の底部構成部材84を載置した場合(図13(b))、さらに、2個の底部構成部材84,85を載置した場合(図13(c))に応じて、異なる内面構成部材73a〜73c,74a〜74cを選択的に使用することによって、コンクリートブロック1の係入凸部21,22および係止凹部23,24を所望の位置に設けることができるのである。なお、上記内面構成部材73a〜73c,74a〜74cの交換は、固定用部材によって着脱させるものであってもよいが、左右の側壁面部80,81に溝部を設け、これに刺し通すことによって着脱を容易にすることも可能である。
【0054】
次に、製造装置にかかる第二実施形態について説明する。本実施形態は、図14および図15に示すように、平行に設置された2本の軌道レール161a,161bを有する基台161の上部に後側壁面部172が立設されており、この後側壁面部172の表面174が鉛直方向に維持されている。また、上記基台161の軌道レール161a,161bには、前側壁面部171の基部171a,171bが係入されており、この軌道レール161a,161bに沿って摺動可能に設けられている。この前側壁面部171が上記後側壁面部172に対向する表面173は上記垂直表面174に対して平行な状態が維持されている。また、上記前側壁面部171および後側壁面部172の左右側方には、左側壁面部180と右側壁面部181が下端を軸支されつつ立設されており、前側壁面部171を所定の位置まで摺動させた状態において、左右の壁面を構成するようになっている。
【0055】
上記後側壁面部172の下部には、斜状の平面を有する底面部184が設けられており、この底面部184が斜状平面を上向きにして基台161に固定されている。また、後側壁面部172の垂直表面174の下方には、断面台形状の突出部177が左右方向に所定の長さを有して装着されており、一方、前側壁面部171の平行表面173には円錐台形状の凹部175,176が二個所に設けられている。
【0056】
また、前側壁面部171および後側壁面部172の上部には、延長用の壁面部191,192・・・,193,194・・・が着脱可能に設けられており、製造すべきコンクリートブロックの長さに応じて、これらの延長用壁面部191〜194・・・を着脱することができるものである。
【0057】
本実施形態は、上記のような構成であるので、前側壁面部171を所定の位置まで摺動させ、左右側壁面部180,181を起立させることによって、後側壁面部172とともに、上方を開口してなる所定の空間を構成することができるのであり、この空間内部に上部開口部からコンクリートを打設することにより、既述した第四の態様のコンクリートブロック301(図9(a))を製造することができるのである。このとき、当該コンクリートブロック301の正面313は、底面部184の斜状平面によって構成され、背面314は上部開口部における打設コンクリートの液面によって構成されるものである。
【0058】
さらに、コンクリートブロック301の上面311および底面312は、前側壁面部171および後側壁面部172によって構成され、この前側壁面部171に設けられた凹部175,176がコンクリートブロック301の係入凸部321,322を、また、後側壁面部172に設けられた突出部177がコンクリートブロック301の係止凹部323をそれぞれ構成するようになっている。
【0059】
ここで、上述の第四の態様のコンクリートブロック301を所定寸法に製造するためには、まず、当該コンクリートブロック301の正面313の傾斜角度に合致する斜度の底面部184を基台161に固定し、当該コンクリートブロック301の長さに応じた延長用壁面部191〜194・・・を装着するのである。ここで、前側壁面部171に設けられる凹部175,176の位置は一定になっており、底面部184の前側壁面部171に当接すべき端縁から凹部175,176の中心までの距離によって、コンクリートブロック301の係入凸部の設けられる位置が決定するため、底面部184は、斜度の変化に応じて肉厚を変化させて設けられているのである。つまり、斜度が急激な場合は薄肉に設け、斜度が緩やかな場合は厚肉に設けられており、前側壁面部171に当接すべき端縁の高さを一定にしているのである。
【0060】
このとき、後側壁面部172に当接する端縁は、底面部184の肉厚に応じて当然に上下に変化するため、後側壁面部172に設けられる突出部177は上下方向に移動可能に設けられているのである。この突出部177の固定には、後側壁面部172を貫通する長尺ボルト195が使用され、この長尺ボルト195の締着によって突出部177が支持されるものである。なお、突出部177の装着位置を上下方向へ変化させるためには、例えば、後側壁面部172に長孔196を貫設し、この長孔196を貫通する長尺ボルト195の上下方向への移動によって高さ調整することができるものである。
【0061】
本実施形態における後側壁面部172に設けられる突出部177は、左右方向に所定の長さを有するものとして構成したことにより、上述した第四の態様のコンクリートブロック301を製造することが可能となったが、この突出部177を左側壁面部180から右側壁面部181に至る長さを有する構成とすることにより、既述した第三の態様のコンクリートブロック201(図6(a))を製造することが可能である。そして、既述のとおり、上記突出部177は、後側壁面部172に対して着脱が可能であるので、製造すべきコンクリートブロックの種類に応じて適宜変更することが可能である。
【0062】
次に、本発明の製造装置により製造したコンクリートブロックを使用して堤体を施工する場合の方法について説明する。施工すべき堤体は、図16に示すような砂防ダム等の堤体Aであり、この堤体Aは前面側壁部610と後面側壁部620を構築し、その中間部分に打設コンクリート部分630を設けるものである。
【0063】
この種の堤体Aの施工方法を順次説明すれば、図17に示すように、堤体Aは数回に分けて構築されるものであって、まず、下位の堤体A1は、図17(a)に示すように、前面側壁部611の表面を斜状にし、後面側壁部621の表面を鉛直平面として構成するものである。この斜状表面の前面側壁部611は、斜状正面を有する第一の態様のコンクリートブロック1を使用した擁壁50(図3)を構築することによって行われ、一方、後面側壁部621は、略直方体を形成してなる第二の態様のコンクリートブロック111を使用した擁壁150(図5)を構築することによって行われるのである。上記各擁壁50,150は、各コンクリートブロック1,101の係入凸部と係止凹部とを嵌合させつつ積層されるものであり、両表面は連続して構築され、かつ、堤体Aの長さ方向X(図16)に沿って整列されるものである。
【0064】
そこで、各コンクリートブロック1,101が積層されて構築された上記両壁部611,621は、施工すべき堤体A1の幅方向Xに所望の間隔を有することとなり、この中間には十分な空間部分641が存在するのである。この空間部分641にコンクリート631を打設することにより、上記両壁部611,621が打設コンクリート631を介して一体的に構成されるのである。なお、コンクリート631が打設される空間部分641には、地中に埋設した連結鉄筋651が設けられており、この連結鉄筋651は、鉄筋建造物における基礎工事のアンカとして機能するものである。そこで、上記連結鉄筋651の配設に代える方法として、鉄筋建造物と同様の基礎工事が施工されるとともに、通常のアンカを設けることも可能である。
【0065】
また、前面側壁部611と後面側壁部621との背面間には、連結筋661が配筋されており、この連結筋661のほぼ中間においてターンバックル662が設けられ、このターンバックル662を回転させることにより、上記両壁部611,621の背面を引っ張り方向に支持できるようになっている。これは、コンクリート631を空間部分641に打設する際、当該打設コンクリート631の重量によって両壁部611,621が変形または移動することを防止するために設けられるものである。そのため、両壁部611,621を構成する各コンクリートブロック1,101のそれぞれについて、それらが対向する背面の間に連結されるのである。そして、上記連結筋661を装着するための環状鉄筋663,664が、各コンクリートブロック1,101の背面に突設されているのである。なお、連結筋661の配筋工程は、両壁部611,621を構築した後に実施することも可能であるが、各コンクリートブロック1,101を積層してなる壁部611,621の構築方法を考慮すれば、両壁部611,621を構築する際、各コンクリートブロック1,101を一段ずつ積層した段階で、対向するコンクリートブロック1,101の背面間に連結筋661を配筋することも可能である。
【0066】
上記のようにして、下位の堤体A1が構成されると、さらに、図17(b)に示すように、この下位の堤体A1の上部において中間の堤体A2を施工する。この場合、下位の堤体A1の上面に前面側壁部612および後面側壁部622を構築するのであり、この構築方法は、上述のとおりである。なお、下位の堤体A1には、予め連結鉄筋652(図17(a))が打設コンクリート631に埋設されており、ここで構築される中間の堤体A2との連結力を強化している。
【0067】
さらに、上記中間の堤体A2の上部には、上位の堤体A3が設けられ、これにより、堤体Aの全体の施工を完了するものである。この上位の堤体A3は、前面側壁部613は、3段目までを斜状表面に、4段目から上部を垂直表面に構成してなるものである。この種の壁部613は、既述の擁壁151(図5(c))によって構成されるものであり、正面を斜状にしたコンクリートブロック1と、略直方体のコンクリートブロック101とを同時に使用することによって構築されるものである。
【0068】
上記のような前面側壁部613を異ならせる以外は他の堤体A1,A2と同様の施工方法により、上記堤体A3が構築されるものである。このように、下位の堤体A1から上位の堤体A3までを一体的に構築することによって、砂防ダム等の大型の堤体Aを構築することができるのである。
【0071】
以上、本発明の実施形態およびこれにより製造されるコンクリートブロック並びにコンクリートブロックを使用した堤体の施工方法について説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様をとり得るものである
【0073】
そして、第一実施形態にかかる製造装置を使用して環状鉄筋663,664を設ける場合、型枠63に設けられる底部構成部材84は、図19(a)に示すように、その中央に鉄筋挿入部84aを構成することによって、図19(b)に示すようなコンクリートブロック1を構成することができるものである。このコンクリートブロック1の背面14から突出する環状鉄筋663aは、その環状面がコンクリートブロック1の上面11と平行になっており、堤体Aの施工の際、連結筋661aの先端を容易に係止できるように構成されているものである。なお、第二実施形態にかかる製造装置を使用して環状鉄筋663,664を設ける場合は、当該装置の上部開口部においてコンクリートブロックの背面が構成されるものであるので、装置内にコンクリートを打設した後、上部開口部から環状鉄筋663,664を打設コンクリートの液面に挿入することにより、容易に設けることが可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、コンクリートブロックの正面を斜状に構成する場合、回動体を回転させ、ストッパ手段により当該回動体の回動を停止させることによって、上部開口部の水平面が上記回動角度との間で斜状を構成するため、この型枠内にコンクリートを打設することにより、所望の傾斜角度の正面を有するコンクリートブロックを設けることができる。また、上記回動体を回動させない場合は、正面が垂直な状態となるコンクリートブロックを設けることも可能である。さらに、上記のように回動体の回動を一定状態に維持しつつ、型枠内に背面構成ブロックを装着することにより、同様の正面を有し、かつ前後方向の長さの異なるコンクリートブロックを容易に設けることができることとなる。
【0078】
また、本発明にかかる製造装置によれば、後側壁面部に設けられた鉛直表面に対し、平行に維持させる平行平面が前側壁面部に設けられており、この前側壁面部が摺動して後側壁面部との間で所定間隔を構成できるので、所望の肉厚のコンクリートブロックを製造することができる。また、底面部には、予め斜状の平面が設けられており、斜状正面を有するコンクリートブロックを製造することができるのである。しかも、前側壁面部の摺動は、コンクリートブロックの成型後に行われる離型工程において、コンクリートブロックの係止凸部を損傷させることを未然に防止し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンクリートブロックの第一の態様の斜視図である。
【図2】 コンクリートブロックの第一の態様の側面図である。
【図3】 コンクリートブロックの第一の態様の使用状態を示す説明図である。
【図4】 コンクリートブロックの第一の態様の積層状態を示す説明図である。
【図5】 (a)はコンクリートブロックの第二の態様の斜視図であり、(b)および(c)は使用状態を示す説明図である。
【図6】 (a)はコンクリートブロックの第三の態様の斜視図であり、(b)は側面図である。
【図7】 コンクリートブロックの第三の態様の使用状態を示す説明図である。
【図8】 コンクリートブロックの第三の態様の積層状態を示す説明図である。
【図9】 (a)はコンクリートブロックの第四の態様の斜視図であり、(b)および(c)は積層状態を示す説明図である。
【図10】 (a)および(b)はコンクリートブロックの他の態様の斜視図であり、(c)はそれらの使用状態を示す説明図である。
【図11】 本発明の第一実施形態の斜視図である。
【図12】 本発明の第一実施形態の説明図である。
【図13】 第一実施形態の製造装置に使用する内面構成部材の説明図である。
【図14】 本発明の第二実施形態の説明図である。
【図15】 本発明の第二実施形態の説明図である。
【図16】 堤体の概略を示す説明図である。
【図17】 堤体の施工法を示す説明図である。

Claims (7)

  1. 型の基台と、この基台の内部において上端付近において回動自在に軸支される回動体と、該回動体の回動を抑止するストッパ手段と、上記回動支持部に支持され所定形状の空間を有する型枠とを備え、上記型枠は、該型枠の前後に配置される前後側壁面部と、左右に配置される左右側壁面部と、底面部とからなる上部が開口する型枠であり、上記前後側壁面部に内面構成部材を着脱可能に設け、上記底面部を昇降可能に構成してなることを特徴とするコンクリートブロック製造装置。
  2. 前記ストッパ手段は、基台の側壁を貫通して装着される貫設ピンによって構成され、この貫設ピンに回動支持部の一部が当接することにより該回動支持部の回動を抑制させてなるストッパ手段である請求項1記載のコンクリートブロック製造装置。
  3. 前記前側壁面部に設けられる内面構成部材は、所定個所に突出部が設けられた内面構成部材であり、前記後側壁面に設けられる内面構成部材は、所定個所に凹部が設けられた内面構成部材である請求項1または2記載のコンクリートブロック製造装置。
  4. 前記底面部は、前記型枠内に載置されるブロック状の底面構成部材によって、高さを変更可能に構成した底面部である請求項1ないし3のいずれかに記載のコンクリートブロック製造装置。
  5. 台上に立設された後側壁面部と、この後側壁面部の片側表面を鉛直にしてなる鉛直表面と、この鉛直表面の所定個所に設けられた突出部と、上記鉛直表面に対向しつつ基台上を該鉛直表面に向かって摺動可能に立設された前側壁面部と、この前側壁面部の片側表面を上記鉛直表面に対して平行に維持されてなる平行表面と、この平行表面の所定個所に設けられた凹部と、上記後側壁面部および前側壁面部の中間両側に配置された左右側壁部と、上記側壁面部および前側壁面部の中間において基台上に固定された斜状の底面を有する底面部とを備えたことを特徴とするコンクリートブロックの製造装置。
  6. 台上に固定された斜状の平面を有する底面部と、基台上に立設された後側壁面部と、この後側壁面部の片側表面を鉛直にしてなる鉛直表面と、上記底面部の斜状平面から所定の高さで水平方向に連続して上記鉛直表面に設けられた突出部と、上記鉛直表面に対向しつつ基台上を該鉛直表面に向かって摺動可能に立設された前側壁面部と、この前側壁面部の片側表面を上記鉛直表面に対して平行に維持されてなる平行表面と、この平行表面の所定個所に設けられた凹部と、上記後側壁面部および前側壁面部の中間両側に配置された左右側壁部とを備えたことを特徴とするコンクリートブロックの製造装置。
  7. 台上に固定された斜状の平面を有する底面部と、基台上に立設された後側壁面部と、この後側壁面部の片側表面を鉛直にしてなる鉛直表面と、上記底面部の斜状平面から所定の高さで水平方向に連続して上記鉛直表面に設けられた突出部と、上記鉛直表面に対向しつつ基台上を該鉛直表面に向かって摺動可能に立設された前側壁面部と、この前側壁面部の片側表面を上記鉛直表面に対して平行に維持されてなる平行表面と、上記底面部の斜状平面から所定の高さで水平方向に連続して上記平行表面に設けられた凹部と、上記後側壁面部および前側壁面部の中間両側に配置された左右側壁部とを備えたことを特徴とするコンクリートブロックの製造装置。
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