JP3844709B2 - 紙幣処理機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも入金された紙幣を収納する収納処理を行う紙幣処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀行等の金融機関で使用される紙幣処理機において、入金される紙幣が機外から投入される入金口に、入金口の一側において紙幣をローラを用いて摩擦により機内に取り込む取込機構と、この取込機構に対し近接・離間するように移動可能とされ近接時にこの取込機構に紙幣を押し付けて紙幣の分離給送を確実に行わせるビルプレスと、入金口の開閉を行うシャッタとが設けられたものがある。このような取込機構、ビルプレスおよびシャッタを有する紙幣処理機に関して、例えば、特公平7−66458号公報記載の技術が提案されている。
【0003】
上記公報に記載された紙幣処理機は、入金口と出金口とが兼用された入出金口を有するもので、入金の際には、入金指令が発生されると、シャッタ装置用モータを駆動してシャッタを開き、開放された入出金口内に操作者が紙幣を投入し、取り込み開始の指令を発すると再びシャッタ装置用モータを駆動してシャッタを閉じ、ビルプレスで紙幣を上側から押圧しつつ取込機構で紙幣の取り込みを行う。また、出金の際には、シャッタは閉じられた状態のまま、出金指令に基づいて出金動作を開始し、出金のための紙幣が入出金口内に払い出されると、シャッタ装置用モータを駆動してシャッタを開くことになり、その後、操作者が紙幣を入出金口から取り出す。この機械の場合、シャッタ装置駆動用として独立したモータが設けられており、また、一般にビルプレスを作動させるモータも独立したものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、シャッタを開閉させるためのモータと、ビルプレスを作動させるためのモータとがそれぞれ独立して設けられると、機体の大型化およびコスト増の一因となっていた。
【0005】
したがって、本発明は、機体の小型化が図れるとともにコストを低減することができる紙幣処理機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の紙幣処理機は、入金される紙幣が機外から投入される入金口に、投入された紙幣を該入金口の一側において機内に取り込む取込機構と、該取込機構に対し近接・離間するように移動可能な押圧板を有し該押圧板で前記取込機構に紙幣を押し付けるビルプレスとが設けられたものであって、前記押圧板の移動に連動して前記入金口を開閉する入金口シャッタを有し、前記入金口シャッタは、前記押圧板が前記取込機構から離間する位置にあるときに前記入金口を開放する一方、前記押圧板が前記取込機構に近接する位置にあるときに前記入金口を閉塞するもので、前記押圧板の前記取込機構に対し反対側に配置されるとともに該押圧板の前記入金口における開口側に基端側が回動可能に連結される入金口シャッタ本体と、該入金口シャッタ本体をその先端側が前記押圧板から離間する方向に付勢する付勢部材と、前記入金口の前記取込機構に対し反対側に設けられて前記入金口シャッタ本体の前記先端側の移動を案内するとともに前記入金口からの飛び出しを規制する案内部と、を有することを特徴としている。
【0007】
このように、ビルプレスの押圧板の移動に連動して入金口を開閉する入金口シャッタを有するため、ビルプレス駆動用モータで入金口シャッタを開閉させることができる。よって、ビルプレス用の駆動源と入金口シャッタ用の駆動源とを共用化することができ、別々にモータを有する場合のように機体が大型化することがなくコスト増にもならない。
【0009】
また、ビルプレスの押圧板が取込機構から離間する位置にあるときに入金口シャッタは入金口を開放することになり、その結果、開放された入金口の離間する押圧板と取込機構との間に入金紙幣の投入が可能となる。一方、紙幣を機内に取り込むため押圧板が取込機構に近接すると、入金口シャッタは入金口を閉塞することになり、その結果、入金口への異物や紙幣の誤投入が防止される。また、紙幣投入時以外の状態では押圧板を取込機構に近接させておくことで、入金口シャッタは入金口を閉塞することになり、その結果、入金口への異物や紙幣の誤投入が防止される。
【0011】
加えて、ビルプレスの押圧板が取込機構から離間した状態では、この押圧板に基端側が連結された入金口シャッタ本体が、入金口の取込機構に対し反対側に設けられた案内部に近接しており、付勢部材の付勢力に抗してその先端側が押圧板に近接するように折り畳まれた状態となり、入金口を開放した状態となる。一方、この状態から、押圧板が取込機構に近接する側に移動すると、入金口シャッタ本体が付勢部材の付勢力で押圧板から離間するよう案内部で案内されながら入金口からの飛び出しが規制される位置まで移動して、入金口を閉塞した状態となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の紙幣処理機の一実施形態である紙幣入出金機を図面を参照して以下に説明する。なお、各図において矢印X方向が、操作を行うオペレータ側すなわち前方(正面側)を示す。また、以下において特に記載のない場合、「前」はオペレータ側、「後」はオペレータに対し反対側であり、左右は、オペレータ側から見たときの左右である。
【0013】
この紙幣入出金機は、図示せぬ制御部で各部が制御されることにより、紙幣の入金、収納、回収および出金等、紙幣に関する各処理を行うものであり、図1〜図3に示すように、機体10の上部の前端部に、出金口11が上方に開口して設けられ、この出金口11の直後位置にこの出金口11とは別に入金口12が上方に向け若干前方に傾いた状態で開口して設けられている。
【0014】
入金口12は、主として入金処理時に紙幣が操作者により機体10の外から投入される部分で、紙幣は基本的には多数が集積状態で長手方向を左右方向にし集積方向を前後にした姿勢で入金口12に投入される。
【0015】
入金口12は、水平面に対し後側を若干上側にするように傾斜して配置された底板部14と、この底板部14の左右両端縁部から鉛直に沿って上方に延出する側壁部15,16と、底板部14の後端縁部近傍から底板部14にほぼ垂直をなして上方に延出する後壁部17と、底板部14の前端縁部から底板部14にほぼ垂直をなして上方に延出する前壁部18とを有しており、底板部14の後端縁部と後壁部17との間すなわち入金口12の下部の後端縁部に、紙幣を機体10内に取り込むための取込口19が形成されている。
【0016】
入金口12には、この取込口19の近傍位置に、入金口12に投入された紙幣をこの入金口12の後側(一側)において機体10内に取り込む取込機構21が設けられている。この取込機構21は、左右方向に軸線を配置した状態で、しかも後壁部17から一部が前方に突出するように設けられた蹴出ローラ22と、左右方向に軸線を配置した状態で取込口19の後側に配置された取込ローラ23と、左右方向に軸線を配置した状態で取込口19の前側に取込ローラ23と接触可能に配置された分離ローラ24と、図示せぬ制御部で制御されて、これら蹴出ローラ22、取込ローラ23および分離ローラ24を回転駆動する図示せぬモータとを有している。
【0017】
蹴出ローラ22は、前端部が下方に移動するように回転するもので、入金口12に投入された紙幣のうち最も後側の一枚に接触してこれを取込口19の方向に蹴り出すものである。
取込ローラ23は、蹴出ローラ22と同じ方向に回転することで、蹴出ローラ22で蹴り出された紙幣をその機体10内後方に設けられた入金側搬送路25に向け送り出すものである。
分離ローラ24は、取込ローラ23と同じ方向に回転しまたは停止することにより、二枚以上の紙幣が取込ローラ23との間に取り込まれるのを防止して、その結果、紙幣を一枚ずつに分離する。
このような取込機構21により、入金口12に投入された紙幣は、確実に一枚ずつに分離されて後方の入金側搬送路25へと送り込まれる。
【0018】
また、入金口12には、取込機構21の前側に、入金口12に投入された紙幣を後壁部17側すなわち取込口19側に寄せて取込機構21の蹴出ローラ22に押し付けるためのビルプレス27が設けられている。
【0019】
このビルプレス27は、電気的に駆動されることにより取込機構21に対し近接・離間するように底板部14に沿って移動可能とされ入金口12に投入された紙幣を取込機構21への近接時にこの取込機構21の蹴出ローラ22に押し付ける板状の押圧板28を有している。
【0020】
また、ビルプレス27は、底板部14に沿うように入金口12の側壁部15,16にそれぞれ形成されたガイド孔30と、左右方向に軸線を沿わせて配置されるとともに、このガイド孔30内に沿って移動する前後一対のガイドローラ31,32と、これらガイドローラ31,32を保持するベース部33と、底板部14に垂直をなすようにこのベース部33に立設されたピン部材34とを有しており、このピン部材34に押圧板28が後壁部17と対向するように支持されている。
【0021】
押圧板28は、ピン部材34を中心に左右に若干回転可能とされており、後壁部17に対し、平行をなす状態を通常とし左側を近接させかつ右側を離間させたり右側を近接させかつ左側を離間させたりすることができる。これは、押圧する紙幣がその状態によっては厚みが部分的に異なることになるため、押圧板28が揺動することでこのような厚みの部分的相違等に対応するのである。
【0022】
なお、取込機構21が設けられた後壁部17と押圧板28との間であって左右の側壁部15,16の間の部分が、操作者により外部から紙幣が投入される入金スペース35となっており、この入金スペース35は、押圧板28の移動により大きさが変わる。
【0023】
このようなビルプレス27は、ガイドローラ31,32がガイド孔30に案内されることでベース部33がガイド孔30に沿って移動すると、押圧板28が後壁部17に対向する姿勢を維持したまま後壁部17に近接・離間するように前後方向に移動する。そして、後壁部17に近接する方向に移動することで、入金スペース35に投入されていた紙幣を取込機構21の蹴出ローラ22に押し付ける。
【0024】
押圧板28の取込機構21に対し反対側には、押圧板28が取込機構21から離間する位置にあるときに入金口12を開放する一方、押圧板28が取込機構21に近接する位置にあるときに入金口12を閉塞する入金口シャッタ37が設けられている。
【0025】
この入金口シャッタ37は、入金口12における開口側に位置する押圧板28の上部に形成された切欠状の軸孔部38に左右方向に軸線を配置して設けられた連結ピン39と、押圧板28の取込機構21に対し反対側に配置された状態でこの連結ピン39に基端側が回動可能に連結される入金口シャッタ本体40と、この入金口シャッタ本体40をその先端側すなわち取込機構21に対し反対側の係合部41が押圧板28から離間する方向に付勢するネジリバネ42とを有している。なお、入金口シャッタ本体40の係合部41よりも連結ピン39側には、前壁部18に当接しこの前壁部18に沿って転動するローラ43が回転可能に支持されている。
【0026】
入金口シャッタ37は、入金口シャッタ本体40の係合部41の移動を案内するとともにこの係合部41の移動上限位置を決めることで入金口シャッタ本体40の入金口12からの飛び出しを規制する図示せぬ案内部を有している。この案内部は、例えば前壁部18に形成された上下方向に沿う溝状のもので、この案内部の範囲内で係合部41が昇降するとともに、係合部41が案内部の上端部に当接することでそれ以上の上方への移動を規制する。なお、この案内部で係合部41が上限位置に位置する状態において、入金口シャッタ本体40は、ローラ43が連結ピン39よりも若干底板部14に近接する状態とされている。すなわち、底板部14に沿ってスライドする押圧板28のスライド方向を基準として連結ピン39の位置がローラ43の位置よりも高くなっている。
【0027】
このような入金口シャッタ37は、ビルプレス27の押圧板28が前後に移動すると、この押圧板28の移動に連動して入金口12の上部開口を開閉する。
すなわち、図2に示すように、押圧板28が取込機構21から最も離間した第1離間位置にあるとき、この押圧板28に基端側が連結された入金口シャッタ本体40が、入金口12の取込機構21に対し反対側に設けられた図示せぬ案内部に全体として近接し、ネジリバネ42の付勢力に抗してその先端側の係合部41が押圧板28に近接するように折り畳まれた状態となり、入金口12の押圧板28よりも取込機構21側すなわち押圧板28と後壁部17との間に入金スペース35を形成しその上部を開放した状態となる。このとき、入金口12の押圧板28と前壁部18との間のスペース44は、折り畳まれた入金口シャッタ37で閉塞される。なお、入金処理時において機体10の外から紙幣を入金口12に受け入れるタイミングで、押圧板28はこの第1離間位置に位置させられる。
【0028】
一方、この状態から、図1に示すように、押圧板28が取込機構21に近接する側に移動すると、入金口シャッタ本体40がネジリバネ42の付勢力でその係合部41を入金口12の開口側に位置させるように案内部で案内されながら上側に回動して、押圧板28と前壁部18との間に拡がっていくスペース44をその拡がりに応じて塞いでいく。
【0029】
そして、押圧板28と取込機構21との間に紙幣がない状態で最終的に押圧板28が取込機構21に最も近接する第1近接位置に位置すると、係合部41が案内部で入金口12からの飛び出しが規制される位置まで移動して、入金口12の押圧板28よりも取込機構21に対し反対側のスペースすなわち押圧板28と前壁部18との間のスペース44を全て覆って閉塞した状態となる。
【0030】
このとき、入金口シャッタ本体40は、押圧板28のスライド方向を基準として連結ピン39の位置がローラ43の位置よりも高くなっている。また、このとき、入金口12の押圧板28よりも取込機構21側の入金スペース35も押圧板28が取込機構21に近接することで閉塞される。なお、入金処理時以外のタイミングでは、押圧板28はこの第1近接位置に位置させられる。
【0031】
さらに、この状態から、図2に示すように、押圧板28が取込機構21に対し離間する側に移動すると、押圧板28で入金口シャッタ本体40が押される。
【0032】
ここで、押圧板28が第1近接位置に位置した状態で、入金口シャッタ本体40は、押圧板28のスライド方向を基準として連結ピン39の位置がローラ43の位置よりも高くなっているため、押圧板28の押圧でネジリバネ42の付勢力に抗してローラ43を前壁部18に沿って下降させることになる。そして、押圧板28と前壁部18との間で狭まっていくスペース44に応じて折り畳まれ、最終的に押圧板28が取込機構21から最も離間する第1離間位置に位置して停止する。
【0033】
入金口シャッタ37は、押圧板28が取込機構21側に位置して入金スペース35を閉塞している状態において形成されてしまう前壁部18と押圧板28との間のスペース44に誤って操作者が紙幣を投入してしまうことを防止する。
【0034】
出金口11は、主として出金処理するための紙幣や入金処理において生じたリジェクト紙幣等を操作者により機体10の外に取り出し可能に払い出す部分で、紙幣は機体10内から基本的には長手方向を左右方向にし短手方向を上下にした姿勢で出金口11に一枚ずつ払い出され、出金口11内で前後方向に集積される。
【0035】
出金口11は、水平に配置された底板部50と、この底板部50の左右両端縁部から鉛直に沿って上方に延出する上記と共用の側壁部15,16と、底板部50の前端縁部から底板部50に垂直をなして鉛直上方に延出する前壁部51と、前壁部51の後側にこの前壁部51とほぼ平行にしかも底板部50と離間して設けられた後壁部52とを有している。この後壁部52の下側には、底板部50を超える位置まで出金ベルト54が設けられており、この出金ベルト54の下側には、この出金ベルト54に接触可能なもう一つの出金ベルト55が設けられている。
【0036】
これら一対の出金ベルト54,55は、その機体10内下方に設けられた出金側搬送路56または機体10内後方に設けられたリジェクト側搬送路58で搬送されてきた紙幣を出金口11内に排出させるものである。これら一対の出金ベルト54,55の間位置の出金口11内に至る部分が紙幣を機体10内から排出させるための排出口57とされている。なお、この排出口57は、底板部50の後端縁部と出金ベルト54との間すなわち出金口11の下部の後端縁部に設けられている。
【0037】
また、出金口11には、電気的に駆動されることにより出金口11を開閉させる出金口シャッタ59が設けられており、この出金口シャッタ59は、図示せぬ制御部によって紙幣を取り出し可能と判断される時点で自動的に開作動させられる。一方、出金口シャッタ59は、紙幣取り出し可能と判断される時点以外では常に閉状態に維持されることにより出金口11を閉塞させて、機体10内から搬送されてきた紙幣が機体10の外に飛び出したり、出金口11内の紙幣がむやみに取り出されるのを防止するようになっている。
【0038】
この出金口シャッタ59は、出金口11の後壁部52の上部に左右方向に軸線を配置して設けられたシャッタ支持軸60と、このシャッタ支持軸60を中心に回動可能とされ、このシャッタ支持軸60から一側に延出することで出金口11の上部開口を閉塞させる蓋部61およびシャッタ支持軸60から蓋部61に対し反対側にこの蓋部61と所定の角度をなすように延出する作動片部62を有する出金口シャッタ本体63とを有しており、出金口11の上部開口を蓋部61で閉塞させる閉塞位置と、出金口11の上部開口から蓋部61を後方に離間させてこれを開放する開放位置との間で回動する。
【0039】
次に、押圧板28および出金口シャッタ59の駆動系について説明する。
図3および図4に示すように、入金口12の一側部、具体的には左側部に、左右方向に軸線を配置しかつ位置固定で電動モータ65が設けられており、この電動モータ65の後方の斜め下側には、ビルプレス用駆動軸66が左右方向に軸線を配置しかつ位置固定で回転可能に設けられており、電動モータ65の前方の斜め下側には、出金口シャッタ用駆動軸67が左右方向に軸線を配置しかつ位置固定で回転可能に設けられている。
【0040】
電動モータ65は、出力軸69を入金口12に対し反対側に配置しており、この出力軸69にはプーリ70が同軸に固定されている。一方、ビルプレス用駆動軸66にはプーリ71が同軸かつプーリ70と左右方向の位置を合わせて固定されており、これらプーリ70およびプーリ71には、ベルト72が巻回されている。
【0041】
ビルプレス用駆動軸66には、上記プーリ71に対し入金口12側にプーリ74が同軸に固定されており、このプーリ74のさらに入金口12側にワンウエイクラッチ(第1のワンウエイクラッチ)75が同軸に支持されている。そして、このワンウエイクラッチ75には、ビルプレス用駆動ディスク76が同軸に回転可能に設けられている。なお、ワンウエイクラッチ75は、電動モータ65が正回転するときのみビルプレス用駆動軸66の回転力をビルプレス用駆動ディスク76に伝達し、電動モータ65が逆回転するときはビルプレス用駆動軸66の回転力をビルプレス用駆動ディスク76に伝達しない。すなわち、電動モータ65が正回転するときにビルプレス用駆動ディスク76を回転させ、電動モータ65が逆回転するときはビルプレス用駆動ディスク76を回転させることなく停止させておく。
【0042】
そして、ビルプレス用駆動ディスク76には、図5および図6に示すように、半径方向外方に突出する検出片部77が一体に形成されており、またその外径側から軸線に平行をなして入金口12側に突出するように駆動ピン78が固定されている。
【0043】
このビルプレス用駆動ディスク76の下側には、ビルプレス作動軸80が左右方向に軸線を配置しかつ位置固定で回転可能に設けられており、このビルプレス作動軸80にはこのビルプレス作動軸80から半径方向一側に延出するように稼動アーム81が回転可能に支持されている。この稼動アーム81には、その長さ方向に沿って長孔82が形成されており、この長孔82内に上記した駆動ピン78が挿入されている。
【0044】
この稼動アーム81は、電動モータ65が正回転しワンウエイクラッチ75を介してビルプレス用駆動ディスク76が一方向に回転すると、円弧状に移動する駆動ピン78で駆動されて、図5に示すように、ビルプレス作動軸80に対し反対側をビルプレス作動軸80に対し前方に位置させる第2離間位置と、図6に示すように、ビルプレス作動軸80に対し反対側をビルプレス作動軸80に対し上方に位置させる第2近接位置の間で繰り返し往復動する。
【0045】
ここで、上記のようにビルプレス用駆動ディスク76が一方向に回転すると、駆動ピン78は長孔82内で移動することになるが、長孔82には、稼動アーム81が第2離間位置にあるときに駆動ピン78が位置する場所に駆動ピン78が入り込むように若干凹む凹部83が形成されており、稼動アーム81が第2近接位置にあるときに駆動ピン78が位置する場所にも駆動ピン78が入り込むように若干凹む凹部84が形成されている。
【0046】
また、稼動アーム81のビルプレス作動軸80側には、ビルプレス作動軸80と平行をなす係止ピン85,86がビルプレス作動軸80を介して両側にそれぞれ固定されている。
【0047】
ビルプレス作動軸80の稼動アーム81よりも入金口12側には、このビルプレス作動軸80から半径方向一側に延出するように補助アーム88が回転可能に支持されている。この補助アーム88には、ビルプレス作動軸80に対し反対側にU字溝89が形成されており、このU字溝89には、ビルプレス27のベース部33に支持された一対のガイドローラ31,32の一方、具体的には後側のガイドローラ31が嵌合されている。この補助アーム88のビルプレス作動軸80に対し反対側には、U字溝89を挟んで両側に係止ピン90,91がそれぞれ固定されている。また、この補助アーム88のビルプレス作動軸80に対し反対側には検出片部92が一体的に設けられている。
【0048】
そして、稼動アーム81の後側の係止ピン85と補助アーム88の後側の係止ピン90とには、引張バネ(緩衝手段)94が介装されており、稼動アーム81の前側の係止ピン86と補助アーム88の前側の係止ピン91とにも、引張バネ(緩衝手段)95が介装されている。すなわち、補助アーム88は、これら引張バネ94,95を介して稼動アーム81に連結されている。ここで、これら二本の引張バネ94,95のうち、後側の引張バネ94の方が前側の引張バネ95よりもバネ力が強くされており、補助アーム88は、通常、後側の引張バネ94の方に依存されており、引張バネ94の方向に付勢されている。
【0049】
そして、電動モータ65によって稼動アーム81を第2離間位置と第2近接位置との間で往復動させることで、稼動アーム81に二本の引張バネ94,95によって繋がれている補助アーム88もこの稼動アーム81の作動にしたがってビルプレス作動軸80を中心として同方向に作動することになる。このとき、補助アーム88のU字溝89にベース部33のガイドローラ31が嵌合しているので、稼動アーム81の作動でベース部33はガイド孔30に沿って移動する。このようにして、電動モータ65の駆動力がベース部33に支持された押圧板28に伝えられて押圧板28がスライドする。
【0050】
ここで、稼動アーム81と補助アーム88とを設けることで、電動モータ65からの駆動力を直接押圧板28に伝達せず、引張バネ94,95を介して伝達するようになっている。これは、上記のように入金された紙幣の厚さの変動に対応するためと、押圧板28による取込機構21への紙幣の付勢をバネ力で行うようにしているためである。
【0051】
これにより、入金動作の際に、取り込まれて減っていく紙幣量に合わせて押圧板28の位置を緻密に制御する必要がなくなり、第1近接位置と第1離間位置との間の移動量だけを設定しておけば良いことになる。また、上記により、操作者の無理な操作による破損や異物の挟み込みがあっても、押圧板28が直接駆動系につながっていないため、装置の破損等を防止することができる。
【0052】
上記のように、電動モータ65によって稼動アーム81が第2離間位置に位置させられるとき、この稼動アーム81に引張バネ94,95を介して連結することにより電動モータ65によって引張バネ94,95を介して駆動される補助アーム88は、通常、異物の挟み込み等がなければ、ガイドローラ31,32をガイド孔30内で前側に位置させることになり、このとき、ガイドローラ31,32を支持するベース部33に設けられた押圧板28は、上記した第1離間位置に位置することになる。
【0053】
また、電動モータ65によって稼動アーム81が第2近接位置に位置させられるとき、通常、補助アーム88はガイドローラ31,32をガイド孔30内で後側に位置させることになり、このとき、ガイドローラ31,32を支持するベース部33に設けられた押圧板28は、異物の挟み込みや紙幣が取込機構21との間にない状態では上記した第1近接位置に位置することになる。なお、紙幣が取込機構21との間にある状態では、稼動アーム81が第2近接位置に位置させられていても、押圧板28は、引張バネ94,95を変形させることで第1近接位置よりも紙幣の厚さに応じた前側位置で停止することになり、このときは、主に後側の引張バネ94の付勢力で紙幣を取込機構21の蹴出ローラ22に押し付ける。
【0054】
ここで、補助アーム88のビルプレス作動軸80に対し反対外側の所定位置には、補助アーム88が押圧板28を取込機構21に最も近接する所定の第1近接位置(所定の近接位置)に位置させるときにこの補助アーム88の検出片部92を検出する位置に第1近接位置検出センサ(押圧板側位置センサ,近接位置センサ)97が設けられており、補助アーム88が押圧板28を取込機構21から最も離間する所定の第1離間位置(所定の離間位置)に位置させるときにこの補助アーム88の検出片部92を検出する位置に第1離間位置検出センサ(押圧板側位置センサ,離間位置センサ)98が設けられている。なお、これら第1近接位置検出センサ97および第1離間位置検出センサ98は、緩衝手段である引張バネ94,95よりもビルプレス27側になる補助アーム88の位置データを検出するもので、押圧板28の実際の位置を確認するためのものである。
【0055】
また、図4に示すように、ビルプレス用駆動ディスク76の半径方向外側の所定位置には、ビルプレス用駆動ディスク76が稼動アーム81を第2近接位置に位置させるときに、稼動アーム81に直結されたビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77を検出する位置に第2近接位置検出センサ(モータ側位置センサ,予想近接位置センサ)100が設けられており、ビルプレス用駆動ディスク76が稼動アーム81を第2離間位置に位置させるときに、稼動アーム81に直結されたビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77を検出する位置に第2離間位置検出センサ(モータ側位置センサ,予想離間位置センサ)101が設けられている。
【0056】
ここで、上記第2近接位置検出センサ100および第2離間位置検出センサ101は、緩衝手段である引張バネ94,95よりも電動モータ65側になるビルプレス用駆動ディスク76の位置データを検出するもので、この場合は稼動アーム81の位置を確認するためのものである。
【0057】
より詳しくは、第2近接位置検出センサ100は、押圧板28が取込機構21に近接する第1近接位置に位置すると予想される電動モータ65側の予想近接位置データである稼動アーム81の第2近接位置を検出することになり、第2離間位置検出センサ101は、押圧板28が取込機構21に対し離間する第1離間位置に位置すると予想される電動モータ65の予想離間位置データである稼動アーム81の第2離間位置を検出するものである。
【0058】
さらに、入金口12には、図1および図2に示すように、この入金口12内に紙幣が存在しているか否かを検出する紙幣検出センサ103が設けられている。
【0059】
この紙幣入出金機の作動を制御する図示せぬ制御部は、押圧板28を取込機構21に近接する方向に移動させる際には、電動モータ65を正回転させるとともに、第2近接位置検出センサ100によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出されるタイミングで電動モータ65を停止させる。
【0060】
また、押圧板28を取込機構21から離間する方向に移動させる際には、電動モータ65を正回転させるとともに、第2離間位置検出センサ101によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出されるタイミングで電動モータ65を停止させる。
【0061】
そして、制御部は、このような作動時に、第1近接位置検出センサ97、第1離間位置検出センサ98、第2近接位置検出センサ100、第2離間位置検出センサ101および紙幣検出センサ103の検出結果に基づいて、入金口12の異物の有無を検出する。すなわち、図4および図6に示すように、第2近接位置検出センサ100によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出されると、紙幣が押圧板28と取込機構21との間にない状態では、正常に押圧板28が作動すれば、第1近接位置検出センサ97が補助アーム88の検出片部92を検出することになる。よって、第2近接位置検出センサ100によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出された時点で、紙幣検出センサ103が紙幣を検出せず、第1近接位置検出センサ97が補助アーム88の検出片部92を検出していれば、異物がなく押圧板28が正常に移動できたと判定する。
【0062】
他方、第2近接位置検出センサ100によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出された時点で、紙幣検出センサ103が紙幣を検出せず、第1近接位置検出センサ97が補助アーム88の検出片部92を検出していなければ、異物があって押圧板28が正常に移動できなかったと判定しエラー表示を行うのである。なお、第2近接位置検出センサ100によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出された時点で、紙幣検出センサ103が紙幣を検出していたら、紙幣により押圧板28の位置が変わるため異物の有無判定は行わない。
【0063】
また、第2離間位置検出センサ101によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出されると、押圧板28と取込機構21との間の紙幣の有無に係わらず、正常に押圧板28が作動すれば、図5に示すように、第1離間位置検出センサ98が補助アーム88の検出片部92を検出することになる。よって、第2離間位置検出センサ101によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出された時点で、第1離間位置検出センサ98が補助アーム88の検出片部92を検出すれば、紙幣検出センサ103の検出結果とは無関係に、異物がなく押圧板28が正常に移動できたと判定するのである。
【0064】
一方、第2離間位置検出センサ101によってビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が検出された時点で、第1離間位置検出センサ98が補助アーム88の検出片部92を検出していなければ、紙幣検出センサ103の検出結果とは無関係に、異物があって押圧板28が正常に移動できなかったと判定しエラー表示を行うのである。
【0065】
図7および図8に示すように、入金口12の後壁部17より後側の上部位置には、左右方向に軸線を配置し位置固定で回転可能にビルガイド支持軸105が設けられており、このビルガイド支持軸105には、当接板106およびビルガイド107がそれぞれの上部において固定され一体化されている。
【0066】
ビルガイド107は、入金口12の後壁部17側すなわち取込機構21側に配置されるようにしてビルガイド支持軸105の軸線方向における中間部に固定されており、後壁部17の図示せぬ溝部を通過することにより後壁部17を越えて入金口12内に進入したり入金口12内から退避したりすることが可能となっている。また、当接板106は、入金口12の外側で支持軸105の側部に固定されており、上記した稼動アーム81のビルプレス作動軸80に対し反対側の当接部109に当接可能とされている。そして、当接板106には、引張バネ110の一端が係合されており、この引張バネ110のバネ力で下部が前方に位置するように引っ張られている。
【0067】
ここで、図7に示すように、稼動アーム81が第2離間位置に位置している状態では、稼動アーム81が当接板106に当接することはなく、当接板106は、引張バネ110のバネ力で前方に引っ張られた状態で図示せぬストッパに当接して停止している。このように当接板106が図示せぬストッパに当接した状態でビルガイド107は、後壁部17を越えて入金口12内に進入しており、この状態では、投入された紙幣の取込口19への進入を防止するように取込口19の上側および前側を覆っている。
【0068】
一方、図8に示すように、稼動アーム81が第2近接位置に向け移動すると、稼動アーム81が当接板106に当接してこれを引張バネ110の付勢力に抗して後方に押圧し揺動させる。ここで、稼動アーム81が第2近接位置に位置し当接板106を揺動させた状態では、ビルガイド107は、後壁部17を越えて入金口12内から完全に退避する。
【0069】
このように、稼動アーム81の押圧板28を移動させる際の動作で入金口12内に対し進退するビルガイド107は、押圧板28の移動に連動する。しかも、ビルプレス用駆動ディスク76によって稼動アーム81が押圧板28を後壁部17すなわち取込機構21に近接する方向に移動させ第1近接位置に位置させると、ビルガイド107は入金口12から退避することになり、他方、ビルプレス用駆動ディスク76によって稼動アーム81が押圧板28を後壁部17すなわち取込機構21に対し反対側に移動させると、ビルガイド107が入金口12内に進入することになる。
【0070】
図3に示すように、出金口シャッタ用駆動軸67には、ビルプレス用駆動軸66のプーリ74と左右方向の位置を合わせてプーリ112がこれに圧入されたワンウエイクラッチ(第2のワンウエイクラッチ)113を介して同軸に支持されており、これらプーリ74およびプーリ112にはベルト114が巻回されている。その結果、電動モータ65の駆動力がビルプレス用駆動軸66から分岐されて出金口シャッタ用駆動軸67に伝達されるようになっている。そして、このワンウエイクラッチ113には、出金口シャッタ用駆動ディスク116が同軸に取り付けられている。
【0071】
なお、ワンウエイクラッチ113は、電動モータ65が逆回転するときのみプーリ112の回転力を出金口シャッタ用駆動ディスク116に伝達し、電動モータ65が正回転するときはプーリ112の回転力を出金口シャッタ用駆動ディスク116に伝達しない。すなわち、電動モータ65が逆回転するときに出金口シャッタ用駆動ディスク116を回転させ、電動モータ65が正回転するときは出金口シャッタ用駆動ディスク116を回転させることなく停止させておく。
【0072】
そして、出金口シャッタ用駆動ディスク116には、図5および図6に示すように、半径方向外方に突出する検出片部117が一体に形成されており、またその外径側から軸線に平行をなして入金口12側に突出するように駆動ピン118が固定されている。
【0073】
この出金口シャッタ用駆動ディスク116の下側には、シャッタ作動軸120が左右方向に軸線を配置しかつ位置固定で回転可能に設けられており、このシャッタ作動軸120にはこのシャッタ作動軸120から半径方向一側に延出するように稼動アーム121が回転可能に支持されている。この稼動アーム121には、その長さ方向に沿って長孔122が形成されており、この長孔122内に上記した駆動ピン118が挿入されている。
【0074】
この稼動アーム121は、電動モータ65が逆回転しワンウエイクラッチ113を介して出金口シャッタ用駆動ディスク116が一方向に回転すると、円弧状に移動する駆動ピン118で駆動されて、シャッタ作動軸120に対し反対側をシャッタ作動軸120に対しほぼ真上に位置させる図6に示す開作動位置と、シャッタ作動軸120に対し反対側をシャッタ作動軸120に対し後方かつ上方に斜めに位置させる図5に示す閉作動位置の間で繰り返し往復動する。
【0075】
シャッタ作動軸120の稼動アーム121よりも入金口12側には、このシャッタ作動軸120から半径方向一側に延出するように補助アーム123が回転可能に支持されている。この補助アーム123のシャッタ作動軸120に対し反対側には、左右方向に軸線を配置して連結軸124が支持されており、この連結軸124には、出金口シャッタ本体63の作動片部62のシャッタ支持軸60に対し反対側の端部が回転可能に連結されている。
【0076】
補助アーム123の稼動アーム121よりも後側には、補助アーム123と稼動アーム121とがほとんど重なり合った状態で稼動アーム121に当接可能な係合ピン126が固定されており、これら補助アーム123および稼動アーム121には、補助アーム123の係合ピン126を稼動アーム121に当接させるように付勢するネジリバネ127が設けられている。なお、係合ピン126によって補助アーム123は稼動アーム121よりも前側には移動しないようになっている。
【0077】
そして、電動モータ65によって稼動アーム121を閉作動位置と開作動位置との間で往復回動させることで、稼動アーム121にネジリバネ127の付勢力で係合ピン126を当接させている補助アーム123も、通常この稼動アーム121と一体にシャッタ作動軸120を中心として回動することになる。このようにして電動モータ65の駆動力が伝えられて出金口シャッタ本体63が開閉する。
【0078】
上記のように、電動モータ65によって稼動アーム121が閉作動位置に位置させられるとき、この稼動アーム121にネジリバネ127で付勢されて当接する補助アーム123は、通常、出金口シャッタ本体63を、出金口11を閉塞させる閉塞位置に位置させることになる。ここで、稼動アーム121が閉作動位置に位置させられるとき、出金口シャッタ用駆動ディスク116の中心と駆動ピン118の中心とを結んだ線が長孔122に対し直交する状態となり(駆動ピン118がいわゆる死点に位置する)、稼動アーム121側からの外力でこれを動かそうとしても、動かせないようになっている。その結果、この稼動アーム121に係合ピン126を当接させている補助アーム123およびこれに連結された出金口シャッタ本体63は開方向の移動が規制され、操作者の操作で開くことはできないようになっている。
【0079】
これは、出金口シャッタ本体63が閉塞位置に位置する状態では、例えば、出金紙幣が出金ベルト54,55で出金口11に排出されている状態であり、この状態で出金口シャッタ本体63が操作者により開けられてしまうと、紙幣の飛び散り等が生じてしまうため、出金口シャッタ本体63を閉状態に維持しておくのである。
【0080】
なお、この状態でさらに大きな力で出金口シャッタ本体63を開こうとした場合には、駆動系が破損するよりも先に出金口シャッタ本体63が破損するように強度が設定されている。これは、比較的低コストで交換可能な出金口シャッタ本体63を破損させることで、修理コストが高い駆動系を保護するのである。
【0081】
また、電動モータ65によって稼動アーム121が開作動位置に位置させられるとき、通常、補助アーム123は出金口シャッタ本体63を、上記した開放位置に位置させることになる。ここで、稼動アーム121が開作動位置に位置させられるときも、出金口シャッタ用駆動ディスク116の中心と駆動ピン118の中心とを結んだ線が長孔122に対し直交する状態となり(駆動ピン118がいわゆる死点に位置する)、稼動アーム121側からの外力でこれを動かそうとしても、動かせないようになっている。
【0082】
ここで、稼動アーム121と補助アーム123とを設けることで、電動モータ65と出金口シャッタ本体63とが直結しないようにしている。これは、稼動アーム121と補助アーム123との間にネジリバネ127を用い、操作者の無理な操作による過剰な力をネジリバネ127で吸収することで装置の破損を防止するためである。具体的には、出金口シャッタ本体63が開放位置に位置する状態で、操作者が誤ってこれを閉じようとした場合、稼動アーム121は駆動ピン118が死点に位置することで回転が規制されているため、補助アーム123がネジリバネ127を変形させることで出金口シャッタ本体63の開作動の力を吸収する。その結果、回転が規制されている稼動アーム121に無理な力が導入されることがなく、その損傷を防止できる。また、出金口シャッタ本体63が開こうとしたときに操作者が誤って触れてこれが止められた場合にも、同様にして駆動系の破損等を防止する。
【0083】
図4に示すように、出金口シャッタ用駆動ディスク116の半径方向外側の所定位置には、出金口シャッタ用駆動ディスク116が稼動アーム121を閉作動位置に位置させるときに、出金口シャッタ用駆動ディスク116の検出片部117を検出する位置に閉作動位置検出センサ129が設けられており、出金口シャッタ用駆動ディスク116が稼動アーム121を開作動位置に位置させるときに、出金口シャッタ用駆動ディスク116の検出片部117を検出する位置に開作動位置検出センサ130が設けられている。
【0084】
以上により、出金口シャッタ59の電気的駆動源と押圧板28の電気的駆動源とが、一つの電動モータ65で共用化されている。すなわち、出金口シャッタ59の電気的駆動と押圧板28の電気的駆動とが同時に行われることがないため、電動モータ65を正回転させることで、ワンウエイクラッチ113で出金口シャッタ用駆動ディスク116への駆動力を遮断しつつワンウエイクラッチ75でビルプレス用駆動ディスク76へ駆動力を伝達し、その結果、押圧板28および出金口シャッタ59のうち押圧板28のみを駆動する。一方、電動モータ65を逆回転させることで、ワンウエイクラッチ75でビルプレス用駆動ディスク76への駆動力を遮断しつつワンウエイクラッチ113で出金口シャッタ用駆動ディスク116へ駆動力を伝達し、その結果、押圧板28および出金口シャッタ59のうち出金口シャッタ59のみを駆動する。
【0085】
しかも、出金口シャッタ59の電気的駆動源および押圧板28の電気的駆動源に加えて、入金口シャッタ37の電気的駆動源およびビルガイド107の電気的駆動源も同じく一つの電動モータ65で共用化されている。
【0086】
以上に述べた紙幣入出金機の入金口12および出金口11の作動について説明する。
【0087】
入金口12および出金口11は、ともに閉じられた状態が待機状態となっており、入金口12は、主として入金処理時に紙幣が操作者により機体10の外から投入される際に開作動され、出金口11は、主として出金処理するための紙幣や入金処理において生じたリジェクト紙幣等を操作者により取り出す際に開作動される。
【0088】
入金口12が待機状態(図1、図6および図8の状態)にあるとき、図示せぬ制御部は、ビルプレス用駆動ディスク76をその検出片部77が第2近接位置検出センサ100で検出される位置で停止させており、稼動アーム81が第2近接位置にある。そして、この稼動アーム81に引張バネ94,95を介して連結された補助アーム88はその検出片部92が第1近接位置検出センサ97で検出される位置にある。
【0089】
この状態では、押圧板28は取込機構21に最も近接する第1近接位置に位置することになり、入金口シャッタ37はその入金口シャッタ本体40で入金口12の押圧板28よりも取込機構21に対し反対側のスペースすなわち押圧板28と前壁部18との間のスペース44を全て覆って閉塞した状態となっており、同時に押圧板28が後壁部17に近接してこれらの間の入金スペース35を閉じた状態となっている。よって、入金口12は全体として閉塞されている。
【0090】
また、出金口11が待機状態(図5の状態)にあるとき、図示せぬ制御部は、出金口シャッタ用駆動ディスク116をその検出片部117が閉作動位置検出センサ129で検出される位置で停止させており、稼動アーム121が閉作動位置にある。そして、この稼動アーム121に係合ピン126を介して係合している補助アーム123は、出金口シャッタ本体63で出金口11を閉塞させている。
【0091】
入金口12および出金口11が上記待機状態にある状態で、図示せぬ操作部に入金処理を行う旨の操作入力がなされると、制御部は、電動モータ65を正回転させる。すると、ワンウエイクラッチ113で出金口シャッタ用駆動ディスク116は非回転の状態が維持される一方、ワンウエイクラッチ75でビルプレス用駆動ディスク76が一方向に回転する。そして、制御部は、ビルプレス用駆動ディスク76をその検出片部77が第2離間位置検出センサ101で検出される位置まで回転させて電動モータ65を停止させる(図2、図5および図7の各入金口12の状態)。
【0092】
この電動モータ65の正回転によるビルプレス用駆動ディスク76の一方向回転で、稼動アーム81は第2近接位置から第2離間位置に揺動する。この揺動により、この稼動アーム81に引張バネ94,95を介して連結された補助アーム88も同様に揺動し、補助アーム88のU字溝89にガイドローラ31において係合しているベース部33が前方に移動し、ベース部33に設けられた押圧板28が前方すなわち取込機構21に対し離間する側に移動する。すると、押圧板28で押されることにより、入金口シャッタ本体40が、押圧板28の押圧でネジリバネ42の付勢力に抗してローラ43を前壁部18に沿って下降させることになる。そして、入金口シャッタ本体40は、押圧板28と前壁部18との間で狭まっていくスペース44に応じて折り畳まれ、最終的に押圧板28が取込機構21から最も離間する第1離間位置に位置して停止する。また、稼動アーム81が第2近接位置から第2離間位置に揺動を開始すると、稼動アーム81の当接部109が当接板106から離間し、当接板106およびビルガイド107が揺動する。すると、ビルガイド107は、後壁部17を越えて入金口12内に進入して、取込口19を覆う状態となる。
【0093】
ここで、押圧板28の第1近接位置から第1離間位置までの上記移動が正常に行われれば、ビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が第2離間位置検出センサ101で検出された時点で、補助アーム88の検出片部92が第1離間位置検出センサ98で検出されることになり、このような検出状態になれば、制御部は、以降の作動を続けさせることになる。
【0094】
一方、例えばスペース44に何らかの理由で異物が入り込んでしまい、押圧板28の第1近接位置から第1離間位置までの上記移動途中でこの異物によって押圧板28が停止させられると、ビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が第2離間位置検出センサ101で検出され、稼動アーム81が第2離間位置に位置しても、稼動アーム81は引張バネ94,95を伸ばすのみで、押圧板28は停止させられた状態が維持され、補助アーム88の検出片部92が第1離間位置検出センサ98で検出されることがない。よって、このような検出状態になれば、制御部は、アラームを発生させるとともに以降の作動を停止させることになる。
【0095】
このようなアラームを受けて、操作者は、異物を取り除くことになるが、押圧板28に連結された補助アーム88は、引張バネ94,95を伸ばすことによって稼動アーム81に対し容易に揺動可能であるため、押圧板28の手動による移動が容易となり、異物の取り除きも容易となる。
【0096】
上記のように、ビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が第2離間位置検出センサ101で検出されると同時に、補助アーム88の検出片部92が第1離間位置検出センサ98で検出される状態となると、押圧板28が最も後壁部17から離間する第1離間位置に位置することになり、押圧板28と後壁部17との間に入金スペース35が形成される。一方、押圧板28と前壁部18との間のスペース44は折り畳まれた入金口シャッタ本体40で閉塞されることになる。
【0097】
このようにして形成された入金スペース35に入金紙幣が投入されることになる。このとき、ビルガイド107によって入金紙幣が直接取込口19に入り込むことがなく、すべての紙幣が立設状態で底板部14上に載置される。
【0098】
上記のように入金スペース35に入金紙幣が投入されると、紙幣検出センサ103がこれを検出することになり、図示せぬ制御部は、紙幣検出センサ103による紙幣の検出に基づくタイミングで、電動モータ65を正回転させる。すると、このときも、ワンウエイクラッチ113で出金口シャッタ用駆動ディスク116は非回転の状態が維持される一方、ワンウエイクラッチ75でビルプレス用駆動ディスク76が一方向に回転する。そして、制御部は、ビルプレス用駆動ディスク76をその検出片部77が第2近接位置検出センサ100で検出される位置まで回転させて電動モータ65を停止させる(図1、図6および図8の各入金口12の状態)。
【0099】
この電動モータ65の正回転によるビルプレス用駆動ディスク76の一方向回転で、稼動アーム81は第2離間位置から第2近接位置に揺動する。この揺動により、この稼動アーム81に引張バネ94,95を介して連結された補助アーム88も同様に揺動し、補助アーム88のU字溝89にガイドローラ31において係合しているベース部33が後方に移動し、ベース部33に設けられた押圧板28が第1離間位置から第1近接位置に向けて移動して、入金スペース35に投入された紙幣に当接して停止しこれを主に引張バネ94の付勢力で取込機構21の蹴出ローラ22に押し付ける。このように押圧板28が第1離間位置から第1近接位置に向けて移動すると、押圧板28に連結された入金口シャッタ本体40が押圧板28の移動量に応じてローラ43をネジリバネ42の付勢力で前壁部18に沿って上昇させることになる。これにより、押圧板28と前壁部18との間のスペース44の拡がりに応じて入金口シャッタ本体40が揺動してこのスペース44を常に閉塞させる。また、稼動アーム81が第2離間位置から第2近接位置に揺動すると、その終盤に稼動アーム81の当接部109が当接板106に当接し、当接板106およびビルガイド107を揺動させる。すると、ビルガイド107は、後壁部17を越えて入金口12内から外に退避して、取込口19を覆う状態を解除する。
【0100】
そして、制御部は、稼動アーム81の第2離間位置から第2近接位置への揺動で、ビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が第2近接位置検出センサ100で検出されると、取込機構21により紙幣の取り込みを開始させる。すなわち、最も後壁部17側の紙幣を蹴出ローラ22で取込口19に向け蹴り出すとともに、取込ローラ23および分離ローラ24で紙幣を一枚ずつに分離しつつ入金側搬送路25に繰り出す。
【0101】
このような紙幣の取り込みによって、押圧板28と蹴出ローラ22との間に挟持された入金紙幣も徐々に量が減ることになるが、主に引張バネ94の付勢力で押圧板28は入金紙幣の量に応じて蹴出ローラ22に近づいて常に紙幣を蹴出ローラ22に押し付けることになる。最終的に紙幣をすべて取り込むと押圧板28は第1近接位置に位置する。
【0102】
そして、紙幣検出センサ103で紙幣が検出されなくなると、入金スペース35の紙幣がすべて取り込まれたことになるため、制御部は、取込機構21の駆動を停止させる。
【0103】
このとき、押圧板28の第1離間位置から第1近接位置までの上記移動が正常に行われれば、ビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が第2近接位置検出センサ100で検出された後、紙幣検出センサ103で紙幣が検出されなくなった時点で、補助アーム88の検出片部92が第1近接位置検出センサ97で検出されることになり、このような検出状態になれば、制御部は、正常と判定して以降の作動を続けさせることになる。
【0104】
一方、例えば入金スペース35に何らかの理由で異物が入り込んでしまい、押圧板28の第1離間位置から第1近接位置までの上記移動途中でこの異物によって押圧板28が停止させられると、ビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が第2近接位置検出センサ100で検出され、稼動アーム81が第2離間位置に位置するとともに、紙幣検出センサ103で紙幣が検出されなくなっても、稼動アーム81は引張バネ94,95を伸ばすのみで、押圧板28は停止させられた状態が維持され、補助アーム88の検出片部92が第1近接位置検出センサ97で検出されることがない。よって、このような検出状態になれば、制御部は、アラームを発生させるとともに以降の作動を停止させることになる。
【0105】
このようなアラームを受けて、操作者は、異物を取り除くことになるが、押圧板28に連結された補助アーム88は、引張バネ94,95を伸ばすことによって稼動アーム81に対し容易に揺動可能であるため、押圧板28の手動による移動が容易となり、異物の取り除きも容易となる。
【0106】
上記のように、ビルプレス用駆動ディスク76の検出片部77が第2近接位置検出センサ100で検出されると同時に、補助アーム88の検出片部92が第1近接位置検出センサ97で検出される状態となると、入金口12は上記した待機状態となり、全体として閉塞されることになる。
【0107】
上記入金処理において、入金側搬送路25に設けられた判別部で紙幣がリジェクト紙幣であると判定されると、このリジェクト紙幣は、リジェクト側搬送路58から出金ベルト54,55を介して待機状態にある出金口11内に繰り出される。また、出金処理において機体10内から紙幣を出金させる際にも、出金紙幣は、出金側搬送路56から出金ベルト54,55を介して待機状態にある出金口11内に繰り出される。
【0108】
そして、入金処理においてすべての入金紙幣の判別が完了した時点で出金口11にリジェクト紙幣が繰り出されていた場合と、出金処理が完了し出金口11に出金紙幣がすべて繰り出された場合とにおいて、制御部は、電動モータ65を逆回転させる。すると、ワンウエイクラッチ75でビルプレス用駆動ディスク76は非回転の状態が維持される一方、ワンウエイクラッチ113で出金口シャッタ用駆動ディスク116が一方向に回転する。そして、制御部は、出金口シャッタ用駆動ディスク116をその検出片部117が開作動位置検出センサ130で検出される位置まで回転させて電動モータ65を停止させる(図6の出金口11の状態)。
【0109】
この電動モータ65の逆回転による出金口シャッタ用駆動ディスク116の一方向回転で、稼動アーム121は閉作動位置から開作動位置に揺動する。この揺動により、この稼動アーム121にネジリバネ127の付勢力で係合ピン126を当接させた補助アーム123も同様に揺動し、補助アーム123に連結された出金口シャッタ本体63が回動して出金口11を開放し、紙幣の取り出しを可能とする。なお、操作者が何らかの理由で、出金口11を開放した出金口シャッタ本体63を閉塞方向に回動させようとした場合、ネジリバネ127が変形してこれを吸収し、稼動アーム121に無理な力がかかるのを防止する。
【0110】
図示せぬ紙幣検出センサが出金口11から紙幣が取り出されたことを検出すると、制御部は、電動モータ65を上記と同様に逆回転させる。すると、ワンウエイクラッチ75でビルプレス用駆動ディスク76は非回転の状態が維持される一方、ワンウエイクラッチ113で出金口シャッタ用駆動ディスク116が一方向に回転する。そして、制御部は、出金口シャッタ用駆動ディスク116をその検出片部117が閉作動位置検出センサ129で検出される位置まで回転させて電動モータ65を停止させる(図5の出金口11の状態)。
【0111】
この電動モータ65の逆回転による出金口シャッタ用駆動ディスク116の一方向回転で、稼動アーム121は開作動位置から閉作動位置に揺動する。この揺動により、この稼動アーム121にネジリバネ127の付勢力で係合ピン126を当接させた補助アーム123も同様に揺動し、補助アーム123に連結された出金口シャッタ本体63が回動して出金口11を閉塞する。なお、操作者が何らかの理由で、一旦出金口11を閉塞した出金口シャッタ本体63を開放方向に回動させようとしても、上記のように補助アーム123は揺動できず出金口シャッタ本体63が開かれることはない。
【0112】
以上に述べた紙幣入出金機によれば、入金口12と出金口11とが別々に設けられており、出金口11に出金口シャッタ59が設けられ、入金口12に押圧板28が設けられている場合でも、これら出金口シャッタ59および押圧板28を同時に駆動する必要性がないことから、これらの駆動源を一つの電動モータ65で共用化する。その結果、別々に駆動源を有する場合のように機体10が大型化することがなくコスト増にもならない。したがって、機体10の小型化が図れるとともにコストを低減することができる。
【0113】
また、共用の電動モータ65の正回転および逆回転の切り換えで押圧板28および出金口シャッタ59を別々に駆動することになる。したがって、駆動源を一つの電動モータ65で共用化して押圧板28および出金口シャッタ59を別々に駆動する場合でも、電動モータ65の回転方向を換えるという簡単な作動でこれを行うことができる。
【0114】
さらに、電動モータ65を正回転させるとワンウエイクラッチ75が押圧板28へ駆動力を伝達するとともにワンウエイクラッチ113が出金口シャッタ59への駆動力を遮断するため、押圧板28のみを駆動することになり、他方、電動モータ65を逆回転させるとワンウエイクラッチ75が押圧板28へ駆動力を遮断するとともにワンウエイクラッチ113が出金口シャッタ59への駆動力を伝達するため、出金口シャッタ59のみを駆動することになる。したがって、駆動源を一つの電動モータ65で共用化して押圧板28および出金口シャッタ59を別々に駆動する場合でも、ワンウエイクラッチ75およびワンウエイクラッチ113を用いるという簡素な構成でこれを実現できる。
【0115】
加えて、押圧板28の移動に連動して入金口12を開閉する入金口シャッタ37を有するため、ビルプレス駆動用の電動モータ65で入金口シャッタ37をも開閉させることができる。よって、ビルプレス駆動用の電動モータ65で入金口シャッタ駆動用モータを共用化することができ、この点でも、別々にモータを有する場合のように機体10が大型化することがなくコスト増にもならない。したがって、より一層、機体10の小型化が図れるとともにコストを低減することができる。
【0116】
また、押圧板28が取込機構21から離間する位置にあるときに入金口シャッタ37は入金口12を開放することになり、その結果、開放された入金口12の離間する押圧板28と取込機構21との間の入金スペース35に入金紙幣の投入が可能となる。一方、紙幣を機体10内に取り込むため押圧板28が取込機構21に近接すると、入金口シャッタ37は入金口12を閉塞することになり、その結果、入金口12への異物や紙幣の誤投入が防止される。また、紙幣投入時以外の状態では押圧板28を取込機構21に近接させておくことで、入金口シャッタ37は入金口12を閉塞することになり、その結果、入金口12への異物や紙幣の誤投入が防止される。したがって、押圧板28の移動に入金口シャッタ37を連動させるようにしても、入金口シャッタ37を確実に機能させることができる。
【0117】
具体的に、押圧板28が取込機構21から離間した状態では、この押圧板28に基端側が連結された入金口シャッタ本体40が、入金口12の取込機構21に対し反対側に設けられた案内部に近接しており、ネジリバネ42の付勢力に抗してその先端側が押圧板28に近接するように折り畳まれた状態となり、入金口12を開放した状態となる。一方、この状態から、押圧板28が取込機構21に近接する側に移動すると、入金口シャッタ本体40がネジリバネ42の付勢力でその先端側を入金口12の開口側に位置させるよう案内部で案内されながら入金口12からの飛び出しが規制される位置まで移動して、入金口12を閉塞した状態となる。したがって、押圧板28の移動に入金口シャッタ37を連動させるようにしても、入金口シャッタ37を確実に機能させることができ、しかも、簡素な構成でこれを実現できる。
【0118】
さらに、押圧板28が引張バネ94,95を介して電動モータ65により駆動されるため、異物で押圧板28の移動が途中で停止させられても、電動モータ65は引張バネ94,95の存在によって回転を続ける。その結果、引張バネ94,95よりも電動モータ65側の駆動系の位置データと、引張バネ94,95よりも押圧板28側の駆動系の位置データとの関係にずれが生じる。そして、制御部が、第2近接位置検出センサ100および第2離間位置検出センサ101の検出結果と第1近接位置検出センサ97および第1離間位置検出センサ98の検出結果とから、引張バネ94,95よりも電動モータ65側の駆動系の位置データである稼動アーム81の位置データと、引張バネ94,95よりも押圧板28側の駆動系の位置データである補助アーム88の位置データとの関係のずれを検出し、入金口12の異物の有無を判定する。このように、押圧板28の移動が途中で停止させられることに基づいて異物を検出できるため、非磁性体を含む種々の材質の異物の混入を検出することができる。
【0119】
しかも、制御部は、引張バネ94,95よりも電動モータ65側の駆動系の位置データを検出する第2近接位置検出センサ100および第2離間位置検出センサ101の検出結果と、引張バネ94,95よりも押圧板28側の駆動系の位置データの位置データを検出する第1近接位置検出センサ97および第1離間位置検出センサ98の検出結果と、紙幣検出センサ103の検出結果とから入金口12の異物の有無を判定するため、押圧板28の移動が途中で停止させられたときに、それが異物によるものなのか紙幣によるものなのかを区別することができる。したがって、非磁性体を含む種々の材質の異物の混入を確実に検出することができる。
【0120】
具体的に、押圧板28が第1近接位置に位置すると予想される、稼動アーム81が第2近接位置に位置したことを第2近接位置検出センサ100が検出したときに、押圧板28が第1近接位置に位置することを第1近接位置検出センサ97が検出しない場合と、押圧板28が第1離間位置に位置すると予想される、稼動アーム81が第2離間位置に位置したことを第2離間位置検出センサ101が検出したときに、押圧板28が第1離間位置に位置することを第1離間位置検出センサ98が検出しない場合との両方について、異物を検出することができる。したがって、押圧板28が取込機構21に近接する方向に移動する場合と、押圧板28が取込機構21から離間する方向に移動する場合との両方について異物を検出することができるため、さらに確実に異物を検出することができる。
【0121】
加えて、押圧板28を取込機構21に対し離間させた状態でビルガイド107を入金口12内に進入させるため、入金口12に紙幣が投入される際にこのビルガイド107が紙幣が取込口19に直接突っ込まれることを防止する。よって、図9に示すように、最も取込機構21側にあって最初に取込機構21で取り込まれるべき紙幣よりも、後に取り込まれる紙幣が取込機構21の取込口19に先に入り込んでしまうことがなくなる。したがって、入金口12に投入された紙幣をジャムなど生じることなく確実に取込機構21で機体10内に取り込むことができる。
【0122】
さらに、入金口12に紙幣の投入を可能とするように押圧板28が取込機構21に対し反対側に移動すると、ビルガイド107が入金口12内に進入することになって、入金口12に投入される紙幣が取込口19に直接突っ込まれることを防止する状態となる。一方、入金口12に紙幣が投入された後、押圧板28が取込機構21側に移動すると、ビルガイド107が入金口12から退避することで、紙幣が取込口19に至るのを許容する状態となる。したがって、入金口12に投入された紙幣をジャムなど生じることなく一層確実に取込機構21で機体10内に取り込むことができる。
【0123】
また、ビルガイド107が、押圧板28の移動に連動して入金口12に対し進退するため、ビルプレス駆動用の電動モータ65でビルガイド107を進退させることができる。よって、ビルプレス駆動用の駆動源とビルガイド駆動用の駆動源とを共用化することができ、別々に駆動源を有する場合のように機体10が大型化することがなくコスト増にもならない。したがって、機体10の小型化が図れるとともにコストを低減することができる。
【0124】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の紙幣処理機によれば、ビルプレスの押圧板の移動に連動して入金口を開閉する入金口シャッタを有するため、ビルプレス駆動用モータで入金口シャッタを開閉させることができる。よって、ビルプレス用の駆動源と入金口シャッタ用の駆動源とを共用化することができ、別々にモータを有する場合のように機体が大型化することがなくコスト増にもならない。したがって、機体の小型化が図れるとともにコストを低減することができる。
【0125】
また、ビルプレスの押圧板が取込機構から離間する位置にあるときに入金口シャッタは入金口を開放することになり、その結果、開放された入金口の離間する押圧板と取込機構との間に入金紙幣の投入が可能となる。一方、紙幣を機内に取り込むため押圧板が取込機構に近接すると、入金口シャッタは入金口を閉塞することになり、その結果、入金口への異物や紙幣の誤投入が防止される。また、紙幣投入時以外の状態では押圧板を取込機構に近接させておくことで、入金口シャッタは入金口を閉塞することになり、その結果、入金口への異物や紙幣の誤投入が防止される。したがって、ビルプレスの押圧板の移動に入金口シャッタを連動させるようにしても、入金口シャッタを確実に入金口シャッタとして機能させることができる。
【0126】
加えて、ビルプレスの押圧板が取込機構から離間した状態では、この押圧板に基端側が連結された入金口シャッタ本体が、入金口の取込機構に対し反対側に設けられた案内部に近接しており、付勢部材の付勢力に抗してその先端側が押圧板に近接するように折り畳まれた状態となり、入金口を開放した状態となる。一方、この状態から、押圧板が取込機構に近接する側に移動すると、入金口シャッタ本体が付勢部材の付勢力で押圧板から離間するよう案内部で案内されながら入金口からの飛び出しが規制される位置まで移動して、入金口を閉塞した状態となる。したがって、ビルプレスの押圧板の移動に入金口シャッタを連動させるようにしても、入金口シャッタを確実に入金口シャッタとして機能させることができ、しかも、簡素な構成でこれを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の紙幣処理機の一実施形態としての紙幣入出金機のビルプレスおよび入金口シャッタを含む要部の一状態を示す側断面図である。
【図2】 本発明の紙幣処理機の一実施形態としての紙幣入出金機のビルプレスおよび入金口シャッタを含む要部の別の状態を示す側断面図である。
【図3】 本発明の紙幣処理機の一実施形態としての紙幣入出金機の要部の平断面図である。
【図4】 本発明の紙幣処理機の一実施形態としての紙幣入出金機の要部の駆動系を示す側断面図である。
【図5】 本発明の紙幣処理機の一実施形態としての紙幣入出金機の出金口シャッタの駆動系およびビルプレスの駆動系を含む要部の一状態を示す側断面図である。
【図6】 本発明の紙幣処理機の一実施形態としての紙幣入出金機の出金口シャッタの駆動系およびビルプレスの駆動系を含む要部の別の状態を示す側断面図である。
【図7】 本発明の紙幣処理機の一実施形態としての紙幣入出金機のビルガイドを含む要部の一状態を示す側断面図である。
【図8】 本発明の紙幣処理機の一実施形態としての紙幣入出金機のビルガイドを含む要部の別の状態を示す側断面図である。
【図9】 紙幣入出金機の要部を示す側断面図である。
【符号の説明】
10 機体
11 出金口
12 入金口
21 取込機構
27 ビルプレス
28 押圧板
37 入金口シャッタ
40 入金口シャッタ本体
42 ネジリバネ(付勢部材)

Claims (1)

  1. 入金される紙幣が機外から投入される入金口に、投入された紙幣を該入金口の一側において機内に取り込む取込機構と、該取込機構に対し近接・離間するように移動可能な押圧板を有し該押圧板で前記取込機構に紙幣を押し付けるビルプレスとが設けられた紙幣処理機において、
    前記押圧板の移動に連動して前記入金口を開閉する入金口シャッタを有し、
    前記入金口シャッタは、
    前記押圧板が前記取込機構から離間する位置にあるときに前記入金口を開放する一方、前記押圧板が前記取込機構に近接する位置にあるときに前記入金口を閉塞するもので、
    前記押圧板の前記取込機構に対し反対側に配置されるとともに該押圧板の前記入金口における開口側に基端側が回動可能に連結される入金口シャッタ本体と、
    該入金口シャッタ本体をその先端側が前記押圧板から離間する方向に付勢する付勢部材と、
    前記入金口の前記取込機構に対し反対側に設けられて前記入金口シャッタ本体の前記先端側の移動を案内するとともに前記入金口からの飛び出しを規制する案内部と、
    を有することを特徴とする紙幣処理機。
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