JP3844313B2 - 1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの調製及び精製方法 - Google Patents
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Description
発明の背景
本発明はポリカーボネートの分岐剤、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以後時により「THPE」と呼ぶこととする)の調製及び精製に係わる。
米国特許第3,579,542号および第4,992,598号に開示されているTHPEはポリカーボネートの分岐剤として通常使用されている。そのような訳で、ビスフェノールAのようなジヒドロキシ芳香族化合物およびホスゲンあるいは炭酸ジフェニルのようなカーボネート源をも含んだ反応混合物中にTHPEを導入することができる。
【0002】
THPEは通常4−ヒドロキシアセトフェノンとフェノールとの反応により調製されているが、この反応はフェノールとアセトンとから2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以後「ビスフェノールA」と呼ぶこととする)を生成する反応に類似している。米国特許第4,992,598号に示されているように、この反応の生成物は好ましくは脱色量の硼水素化ナトリウムを添加したメタノール−水混合物で洗浄しおよび/または再結晶させて精製することができる。しかし、この方法は4−ヒドロキシアセトフェノンの価格が高いために経済的に望ましくない。そのため、もっと費用のかからないTHPEの製造方法を開発することに関心が持たれている。
【0003】
特開昭53−141250号公報によれば、酸性条件下に促進剤としてのメルカプト化合物の存在下で、全ての点で前述したビスフェノールAの調製法に類似した反応により、2,4−ペンタンジオンのようなジオンと過剰なフェノールとを反応させれば2,2,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタンが与えられる。
【0004】
発明の要約
ここに、前述した特開昭公報に記載された2,4−ペンタンジオンとフェノールとの間の反応は、少なくとも適当な条件下では、記載されたテトラフェノールを生成せずに、むしろTHPEとビスフェノールAを生成することが発見された。従って、これらの化合物を更に使用するために回収し分離することができる。これにより、THPEは高い収率で得られる。
【0005】
従って、本発明の第一の観点はTHPEの調製方法であり、この方法はフェノールと2,4−ペンタンジオンの、フェノール対2,4−ペンタンジオンのモル比が少なくとも約6:1である混合物を、約30−100℃の範囲の温度で、酸性条件下に、促進剤として有効量のメルカプト化合物の存在下において、加熱してビスフェノールAおよびTHPEの混合物を生成し、そしてTHPEをビスフェノールAから分離することからなる。
【0006】
本発明の第二の観点はTHPEを調製しそして精製する方法であり、この方法は、上記の加熱工程に加えて、更に、THPEで濃縮(冨化)されたTHPE−ビスフェノールA混合物の沈殿物を生成する量の塩素化アルカンに前記加熱工程のビスフェノールA−THPE生成混合物を組み合わせそして生成した沈殿物を単離し、少なくとも40容量%のメタノールを含み前もってTHPEで飽和されているメタノール−水混合物に前記沈殿物を接触させてTHPEのスラリーを生成し、そしてこのスラリーから精製されたTHPEを回収することからなる。
【0007】
好ましい実施態様の詳細な記述
本発明の第一の観点の方法においては、フェノールと2,4−ペンタンジオンは少なくとも約6:1のモル比で使用される。もっと高いモル比、典型的には少なくとも約8:1だと特に高い収率が与えられ、そして約11:1より高いモル比だと反応混合物が室温で少なくとも部分的に液体のままであって生成物の取り扱いと精製を容易にするのでしばしば有利である。これよりモル比が低いと反応混合物は40℃程度の温度では液体であるが、温度が25℃に近づくと固化する。
【0008】
フェノールと2,4−ペンタンジオンは酸性条件下で少なくとも約6:1のモル比で配合される。配合は如何なる順序で行ってもよいが、2,4−ペンタンジオンを最後に導入し、徐々に増分的に(例えば、滴下により)導入してフェノールを常に大過剰に維持することがしばしば有利である。溶媒を使用してもかまわないが、溶媒は通常必要でもないし好ましくもない。
【0009】
酸性条件は任意の酸性物質の添加により提供できるが、特には塩化水素のような比較的揮発性の物質による。典型的には、反応中の混合物中に塩化水素ガスが通される。気体状の酸性物質の代わりにまたはこれに加えて、酸水溶液を導入することも本発明の範囲内である。
同じく存在するものは、促進剤としてのメルカプト化合物即ち、−SH分子部分を有する有機化合物である。比較的に非揮発性のメルカプト化合物が好ましく、3−メルカプトプロピオン酸及び2−メルカプト酢酸のようなメルカプトカルボン酸が特に有用である。このメルカプト化合物は促進剤として働くのに有効な量で存在し、最も頻繁にはフェノールに基づいて約1−5重量%の範囲で存在する。
【0010】
反応温度は典型的には約30−100℃であり、好ましくは約30−60℃である。反応の間に、THPEとビスフェノールAは1:1程度の重量比で固体として分離し、その際混合物は非常に粘稠となる可能性がある。
調製の最終段階で、THPEとビスフェノールAは分離される。この分離に便宜な手段はメチレンクロライドあるいは1,2−ジクロロエタンのような塩素化アルカンによる抽出によりビスフェノールAを取り除くことである。この塩素化アルカンの気化により主要割合のビスフェノールAが回収できる。抽出残渣中のTHPEとビスフェノールAの重量比は94:6程度であるのが典型的である。ビスフェノールAからのTHPEのほぼ完全な分離が所望される場合には、塩素化アルカンにより少なくとも2回処理することができる。この残渣中にはまた一般に少量の割合の、最も頻繁には全粗生成物の約1重量%までの割合の未反応のフェノールも含まれている。
【0011】
2,5−ヘキサンジオンとフェノールがここに記載したのと本質的に同様の条件下で反応されたときには、前記特開昭53−141,250号公報から予測されるとおり、生成物は2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンである。それ故、THPEとビスフェノールAが2,4−ペンタンジオンからそうした条件下において得られる生成物であるという事実は全くもって予想外である。
【0012】
本発明の第二の観点の方法には生成物のTHPEを精製するための幾つかの工程が含まれている。第一の精製工程は、上述した如き2,4−ペンタンジオンとフェノールとの間の反応が完結した時点で行われ、最も頻繁には少量の割合の未反応フェノールを伴ったTHPEとビスフェノールAの混合物である粗生成物を、最も頻繁にはメチレンクロライドである前述の塩素化アルカンと組み合わせることである。メチレンクロライドの十分量は粗生成物に対する容量比で一般に少なくとも約2.5:1、そして最も頻繁には約3:1である。メチレンクロライドの添加前または添加後に、粗生成物を水酸化ナトリウムあるいは重炭酸ナトリウムのような塩基性試薬の添加により中和することができる。
【0013】
塩素化アルカンと組み合わせると、THPEで濃縮されたTHPE−ビスフェノールA混合物(以後「濃縮混合物」と呼ぶこととする)が析出し単離することができる。この濃縮混合物は約98重量%もの多量のTHPEを含んでいる可能性があり、その残部は主にビスフェノールAである。
この粗生成物から濃縮混合物への転換に伴い色が実質的に減少する。最も頻繁には粗生成物のAPHA色数が約2000またはそれ以上であるのに対して、濃縮混合物の色数は1000程度である。しかしながら、ポリカーボネートの分岐剤として使用するためには、色数が150またはそれ以下の本質的に無色の生成物が一般に要求される。塩素化アルカンによる洗浄を反復してもそれ以上の精製および脱色を達成することができないので、更なる精製工程が必要とされる。
【0014】
この更なる精製の最初の工程において、濃縮混合物は少なくとも40容量%のメタノールを含有するメタノール−水混合物と接触される。メタノール−水混合物中のメタノールの容量が40%未満だと、実質的な量の、典型的には2重量%より多いビスフェノールAが生成物中に残留することが分かった。最も頻繁には、メタノール−水混合物中のメタノールの割合は42−50容量%の程度である。メタノール−水混合物中へのTHPEの溶解を抑制するために、この混合物は使用に先立ってTHPEで飽和される。このように飽和されたメタノール−水混合物は以後時として「洗浄液」と呼ぶ。
【0015】
洗浄液と濃縮混合物との間の接触はスラリー化によるか或いは単に洗浄によりなしうる。典型的な接触温度は約25−50℃の範囲である。洗浄液は更にアルカリ金属硼水素化物または亜二チオン酸塩、好ましくはナトリウム硼水素化物(NaBH4 )またはナトリウム亜二チオン酸塩(Na2S2O3 )を脱色量、最も頻繁には約0.01−0.10重量%含有することができる。ナトリウム硼水素化物が好ましい。
【0016】
接触がスラリー化により行われるときには、最も頻繁にはスラリーの生成に約25℃より高い温度が使われている場合には約25℃に冷却した後、こうして得られたTHPEスラリーから濾過して精製THPEを回収する。この工程で生成される精製されたTHPEは一般に少なくとも98%の純度であり、ビスフェノールAが実質的な量で存在する唯一の不純物である。
【0017】
精製されたTHPEから回収されたメタノール−水の濾液自体もTHPEで飽和されている。従って、これを更なる濃縮混合物に対しての洗浄液として使用するために再循環することができる。
上記の精製法により得られる精製THPEは一般に淡いクリーム色を帯びている。これは、メタノールへの溶解および脱色割合のアルカリ金属硼水素化物または亜二チオン酸塩での処理により本質的に純粋な白色生成物に変換することができる。このような処理にかけると、当初琥珀色をした溶液は淡い黄色になる。これを濾過しそして25−50℃の範囲の温度に維持することができ、この後で同じ温度の水を攪拌しながらゆっくりと添加しそして必要なら溶液を周囲温度に冷却し、これにより本質的に純粋なTHPEを白色固体として沈殿させることができる。
【0018】
洗浄液と濃縮混合物との接触がスラリー化でなく、フィルターケーキを洗浄液で噴霧するなどの洗浄によるときは、これにより得られる濃縮混合物は幾分高いしばしば約5重量%に至るビスフェノールA含量を有する可能性がある。次いでこれを更に上述したように脱色割合のアルカリ金属硼水素化物または亜二チオン酸塩を含んだメタノールと、そして随意にはまた脱色炭と接触させることができる。必要なら濾過した後、得られた溶液を水と組み合わせて一般に少なくとも約97%のTHPEと残部のビスフェノールAを含む最終生成物を沈殿させることができる。生成物がポリカーボネートの分岐剤として使用されるときには、このような割合のビスフェノールAの存在は許容される。
【0019】
以下に実施例を掲げて本発明を例証する。別段の記載がない限り、%は全て重量%である。
実施例 1
攪拌器の装備された500mlの丸底フラスコに、フェノール100g(1.06モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.50g(14ミリモル)および内標準としてのp−テルフェニル100mgを装入した。反応混合物を60℃に温めてフェノールを融解した。塩化水素ガスを混合物中に30分間吹き込み、その後40℃に冷却してから、2,4−ペンタンジオン8.8g(88.3ミリモル)を30分間にわたり滴下して加えた。時折塩化水素ガスを加えながら40℃での加熱を継続し、その間に混合物は非常に粘稠となり沈殿物がゆっくりと形成された。攪拌を室温で24時間継続した。
【0020】
混合物の一部を濾過したところ、分析によりTHPEとビスフェノールAの混合物であることが示されたオレンジ色の固体を生成した。混合物の残りにメチレンクロライド300mlを加えたところ、ピンク色をした固体が沈殿し、これを濾過して回収した。液体クロマトグラフ分析によればこの固体は略95:5比のTHPEとビスフェノールAとの混合物であることが示された。メチレンクロライドで再度抽出したところ淡いオレンジ色の固体が得られ、これはビスフェノールAを約1−2%しか含んでいないTHPEであることが示された。THPEの全粗生成物収率は理論値の約49.5%であった。
【0021】
メチレンクロライドを気化すると、ビスフェノールAが約50−60%の収率で得られた。
実施例 2−7
フェノールと2,4−ペンタンジオンのモル比、促進剤の割合、温度および反応時間を含めたパラメータを変動させて、実施例1の手順を繰り返した。結果を表Iに掲げる。
【0022】
実施例 8
機械的攪拌器の装備された250mlの丸底フラスコに、フェノール94g(1モル)、3−メルカプトプロピオン酸3.06g(28.9ミリモル)、38%塩化水素水溶液1.65mlおよび内標準としてのp−テルフェニル100mgを装入した。反応混合物を60℃に温めてフェノールを融解し、それから塩化水素ガスを混合物中に30分間吹き込んだ。ついで室温に冷却させてから2,4−ペンタンジオン8.33g(83ミリモル)を30分間にわたり加えた。塩化水素の送り込みを室温で8時間継続し、その間に混合物は非常に粘稠になった。それから攪拌を40時間続けた。
【0023】
攪拌を止めたところ、混合物は褐色帯びた赤色の塊として固化した。メチレンクロライド150mlを加えたところ、ピンク色の沈殿物が分離し、これを濾過して取り出した。液体クロマトグラフ分析によればこの沈殿物は略95:5の比のTHPEとビスフェノールAとの混合物であることが示された。濾液をメチレンクロライドで更に抽出すると第二の収穫がえられ、これはTHPEとビスフェノールAの90:10比の混合物であることが示された。THPEの全粗生成物収率は59.9%であった。
【0024】
濾液を濃縮しそして水を添加したところ、赤み帯びた固体が生成し、これは分析によればフェノール55%、THPE5%未満およびビスフェノールA40%を含むことが示された。ビスフェノールAの全収率は約50%であった。
実施例 9
実施例1の最初の部分に記載したと同様な反応手順によりフェノールと2,4−ペンタンジオンとの反応生成物を調製し、メチレンクロライド中にスラリー化し、そして濾過した。濾過の残渣は淡い黄色−オレンジ色の固体で、そのAPHA色数は2144であった。この固体は液体クロマトグラフ分析によればTHPE93.4%、ビスフェノールA5.8%およびフェノール0.6%を含むことが示された。
【0025】
この粗生成物の100gの試料を水58容量%およびメタノール42容量%を含みそして前もってTHPEで飽和されている水−メタノール混合物300ml中に20分間50℃でスラリー化させた。このスラリーを攪拌しながら2時間かけて室温に冷却させた。分離した固体を濾過して回収しそして分析したところ、APHA色数1021を有しそしてTHPE98.3%およびビスフェノールA1.7%を含むことが示された。
【0026】
実施例 10
実施例9の生成物の各30gの各試料部分をそれぞれメタノールに溶解しそして得られたそれぞれの琥珀色の溶液をナトリウム硼水素化物50mgで処理したところ、各溶液は非常に淡い黄色に変わった。各溶液を濾過しそして各種割合の水を50℃または室温で攪拌しながら添加した。得られた曇ったそれぞれの溶液を室温で2時間攪拌し、濾過しそして水70容量%およびメタノール30容量%含んでなる水−メタノール溶液100mlで洗浄した。次いで、各生成物を真空中40℃で乾燥した。
【0027】
この結果を表IIに掲げる。収率は当初の30g試料に基づいている。
表IIから、沈殿を25℃で行うよりも50℃で行った場合の方がTHPEは若干高い収率でそして若干少ない色で得られることは明らかである。生成物の純度は温度に拘わらずほぼ同じである。各実験において、唯一の検出された不純物はビスフェノールAであった。
【0028】
実施例 11
水−メタノールの容積比を変えて、実施例9の手順を繰り返した。この結果を表IIIに掲げる。
表III から、メタノール−水混合物が少なくとも40容量%のメタノールを含むと実質的に純度のより高い生成物が得られることは明らかである。色数は水−メタノールの比によって実質的な影響を受けないようである。
【0029】
実施例 12
ガラスで裏打ちした反応器に19部(200ミリモル)のフェノールを装入しそして窒素雰囲気中にて50℃に加温した。3−メルカプトプロピオン酸(0.285部)および内標準としてのp−テルフェニル0.019部を加えた。この溶液を気体状の塩化水素で飽和しそして2,4−ペンタンジオン2部(20ミリモル)を添加した。この溶液を40℃で48時間加熱したところ、反応は完結しそして液体クロマトグラフ分析によればTHPEへの転換率が61%であることが示された。
【0030】
反応混合物にメチレンクロライドを添加しそして得られたスラリーを2時間攪拌してTHPE粗生成物を沈殿させた。このスラリーを濾過し、追加のメチレンクロライドで洗浄しそして乾燥して、THPE94%(粗生成物収率53%)、ビスフェノールA5.4%およびフェノール0.6%を含む淡褐色の固体3.43部を得た。
【0031】
このフィルターケーキを、水58容量%およびメタノール42容量%を含み、前もってTHPEで飽和されており、そして又ナトリウム硼水素化物0.05%を含んだ水−メタノール溶液13.9部で洗浄した。洗浄後生成物を分析したところ、THPE94.1%およびビスフェノールA4.9%を含むことが示された。
【0032】
洗浄したフィルターケーキをメタノール6.9部中に溶解しそしてナトリウム硼水素化物0.001部を添加して色を著しく減少させた。次いで脱色炭0.0015部を添加した。この溶液を30分間攪拌しそして濾過して微かに黄色の溶液を生成させた。この溶液を40℃に温め、そしてナトリウム硼水素化物0.001部を含みそして同じ温度に加熱された脱イオン水10部を攪拌しながら添加した。2時間かけて室温に冷却すると、精製されたTHPEが沈殿し、これを濾過し乾燥して分析したところTHPE97.5%およびビスフェノールA2.5%を含んでいることが分かった。
Claims (10)
- 1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの調製方法において、フェノールと2,4−ペンタンジオンの、フェノール対2,4−ペンタンジオンのモル比が少なくとも6:1である混合物を、30−100℃の範囲の温度で、酸性条件下に、促進剤として有効量のメルカプト化合物の存在下において、加熱してビスフェノールAおよび1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの混合物を生成し、そして1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンをビスフェノールAから分離することからなる方法。
- フェノール対2,4−ペンタンジオンのモル比が少なくとも8:1である請求項1記載の方法。
- 酸性条件が塩化水素ガスの添加により提供される請求項1記載の方法。
- メルカプト化合物がフェノールに基づいて1−5重量%の量で存在する請求項1記載の方法。
- 前記分離工程が塩素化アルカンによる少なくとも1回の抽出によりビスフェノールAを除去することにより行われる請求項1記載の方法。
- 前記抽出が少なくとも2回行われる請求項5記載の方法。
- 1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを調製しそして精製する方法において、フェノールと2,4−ペンタンジオンの、フェノール対2,4−ペンタンジオンのモル比が少なくとも6:1である混合物を、30−100℃の範囲の温度で、酸性条件下に、促進剤として有効量のメルカプト化合物の存在下において、加熱してビスフェノールAおよび1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの混合物を生成し、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンで濃縮された1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとビスフェノールAの混合物の沈殿物を生成する量の塩素化アルカンに前記生成混合物を組み合わせそして生成した沈殿物を単離し、少なくとも40容量%のメタノールを含み前もって1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンで飽和されているメタノール−水混合物に前記沈殿物を接触させて1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのスラリーを生成し、そして前記スラリーより精製された1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを回収することからなる方法。
- メタノール−水混合物が更に脱色に有効な割合のアルカリ金属硼水素化物または亜二チオン酸塩を含有している請求項7記載の方法。
- 精製された1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンから分離されたメタノール−水混合物を更にまた沈殿物との接触のために再循環する請求項7記載の方法。
- 前記精製された1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを更にメタノールと接触させて溶液を形成し、これから水との組み合わせにより更に精製された1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを沈殿させる請求項7記載の方法。
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