JP3844155B2 - Manufacturing method of thermal head - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルヘッドは、インク等の補充が不要である感熱紙あるいは熱転写紙の利便性を活かし、低廉で簡易なプリンターに広く用いられている。これらのサーマルヘッドに用いるプリンターも、最近では高画質プリントと高速プリントが要請されている。また、熱転写方式によるカラープリンター方式や、高画質を重視する写真プリントの自動化ミニラボのインデックスプリンター等に用いるまでに微細化し、600dpiないし1200dpiのような高密度なサーマルヘッドも要求されてきている。
【0003】
しかしながら、サーマルヘッドにおいては、発熱抵抗体の発熱部を急速に加熱して瞬時に昇温させ、素早く放熱して滲みを起こさせないという昇温・放熱の配慮が必要になる。急速な昇温には、熱が発熱部に集中して回りに逃げず、急速な放熱には、発熱部の熱が素早く逃げるという、相反する熱応答特性が要求される。
【0004】
すなわち、サーマルヘッドには、基本的に次のような事項が要請される。
1)軽薄短小化
2)低廉化
3)A3等への大画面化
4)低消費電力化
5)高速化
6)高密度で鮮明な、いわゆる高精細な画像プリント
7)色むらのない均質な画面
8)汚れが残らないメンテナンスフリー
従来のサーマルヘッドは一般に図6に示すように構成されている。図6に示すように、放熱体(ヒートシンク)を兼ねるアルミナ基板31上に、その全面にわたって例えば1000℃程度の融点を有するガラスからなる蓄熱層32を設け、該蓄熱層32上に発熱抵抗体33を設ける。34は発熱部35を形成する電極であり、電極34と発熱抵抗体33の表面は、感熱紙36等による摩耗を防ぐ保護層としての耐摩耗層37が形成されている。38はローラ、39は基板31上に接着層40を介して固定した周辺回路を構成するIC、41は電極34とIC39とを接続するワイヤである。
【0005】
上述のように、蓄熱層32を形成する場合は、ガラス粉末をバインダーによりペースト状にしたものを基板31上に塗布して焼成するが、この蓄熱層32として高融点のガラスを使用する理由は、第1に、電極としてアルミニウムや銅等の電気抵抗の小さい金属を用いる場合、これらの酸化や発熱抵抗体の変質を防止するため、前もって焼成温度の高いガラスを焼成しておく必要があるためである。第2に、TCR(抵抗/温度係数)を改善するために熱処理を行う場合、発熱抵抗体33の熱処理温度より融点の高いガラスは前に形成しておく必要があるためである。蓄熱層32は、凹凸のある基板31の表面を平滑化する役目もある。
【0006】
このような従来構造のサーマルヘッドの場合、蓄熱層32としてガラスを用いているが、高速印字を目的として、蓄熱層32にポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂を用いることにより、蓄熱層32における蓄熱効果を向上させて消費電力を少なくしたものが種々に提案されている。
【0007】
このようにポリイミド樹脂等を用いるものとして、特開平5−64905号公報においては、発熱抵抗体33上に間隔をおいて電極34を形成することにより発熱積層部42(この発熱積層部42は、前記蓄熱層32、発熱抵抗体33、電極34および保護層37からなる部分を指すこととする)の表面に生じる凹部43を解消し、感熱紙36の接触面の平滑度を得ると共に、発熱抵抗体33のTCRを改善するための熱処理を可能とすることを目的として、形成基材上に剥離のための犠牲層を介して保護層37、発熱抵抗体33、電極34、ポリイミド樹脂でなる蓄熱層32を順に形成し、その後、基板31を接着した後、形成基材と剥離層との界面で両者を剥離するサーマルヘッドの製造方法(以下これを転写方式と称す)が開示されている。
【0008】
この転写方式によれば、保護層37が仮の基板の平面上に形成されるので、感熱紙36に接触する面が平滑となり、感熱紙36との間に空間が生じないため、熱効率が向上する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記公報に記載のように、ポリイミド樹脂等の樹脂を蓄熱層32に用いたサーマルヘッドにおいては、発熱部35における発熱により樹脂が高温にさらされるため、軟化し、ローラ38と保護層37との間に砂等の硬質粒子を噛み込むと樹脂が変形するために、その噛み込んだ部分が凹む等の損傷を生じ易いという問題点があった。
【0010】
また、従来のように、蓄熱層32として高融点ガラスを用いたものにおいては、前記公報に記載のような転写方式を採用してサーマルヘッドを製造することができず、従って、感熱紙36との接触面に凹部43を生じることが避けられず、熱効率が悪くなるという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、発熱部の機械的強度が大であり、感熱紙等との平滑な接触面が得られるサーマルヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、発熱抵抗体を形成するステップと、
前記発熱抵抗体を形成する前または後に、前記発熱抵抗体に接続するアルミニウムからなる電極を形成するステップと、
前記発熱抵抗体をおよび電極の少なくとも一部を覆うように軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスからなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成するステップと、
前記仮の基板を除去または分離するステップとを含む
ことを特徴とする(請求項1)。
【0013】
また、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、仮の基板上に保護層を形成するステップと、
前記保護層の上に発熱抵抗体を形成するステップと、
前記発熱抵抗体を形成する前または後に、前記発熱抵抗体に接続するアルミニウムからなる電極を形成するステップと、
前記発熱抵抗体と電極からなる発熱部に蓄熱層の含有物質の拡散を防止するバリア層を介在させるステップと、
前記バリア層上に軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスからなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成するステップと、
前記仮の基板を除去または分離するステップとを含む
ことを特徴とする(請求項2)。
【0014】
【作用】
本発明のサーマルヘッドの製造方法は、仮の保護層、発熱抵抗体、アルミニウムでなる電極、バリア層を形成した後に軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスでなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成する方法であるから、保護層の表面が平滑なものが得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1(A)は本発明によるサーマルヘッドの一実施例を発熱積層部について示す断面図、図1(B)は全体構成を示す断面図である。図1(A)に示すように、発熱積層部は、耐摩耗層として作用する保護層3と、発熱抵抗体4と、発熱抵抗体4上に間隔をおいて重ねて設けられる共通電極5aおよび個別電極5bと、蓄熱層7と、前記電極5a、5bと発熱抵抗体4により形成される発熱部6と前記蓄熱層7との間に介在させて蓄熱層7からの物質の拡散を防止するバリア層8とからなる。
【0016】
前記保護層3としては、SiC系化合物、SiB系化合物、SiO系化合物、SiON系化合物等が用いられる。特に表面層を、摩擦係数が小さく、硬度が高く、化学的に安定なSiBとし、発熱抵抗体4側の裏面層を電気抵抗が高いSiOとすることが、発熱抵抗体4との間の電気絶縁性を確保する意味で好ましい。この保護層3の成膜方法としては、プラズマCVD等、従来より用いられている各方法を採用することができる。
【0017】
前記発熱抵抗体4としては、Nb−SiO、Ni−Cr、Ta、あるいはTiO、BN等を用いることができる。発熱抵抗体4の成膜方法としては、LPCVD(低圧CVD)、プラズマCVD、スパッタリング等を用いることができる。
【0018】
また、各発熱抵抗体4は、発熱ドット毎に形成されるようにエッチングする必要があるが、このエッチング方法としては、RIE(反応性イオンエッチング)等のドライエッチングを用いることが好ましいが、ウェットエッチングを用いることも可能である。また、ドライエッチングのエッチャー(反応性ガス)としては、SF、CF、Cl、O等が一般的であり、これらを混合して用いることもできる。
【0019】
前記電極5a、5bはアルミニウム(Al)により形成する。Alは廉価であって、特別の層を介在させる必要なく他の層との密着性を容易に得ることができ、プロセスが簡単になり、さらに電気抵抗が低いので、微細パターンを得やすいという点において好ましい。また、成膜方法としては、蒸着やスパッタリング等が用いられる。
【0020】
これらの電極5a、5bのパターンを得るためのエッチング方法としては、ドライエッチングを用いることもできるが、ウェットエッチングを用いることが好ましい。ウェットエッチングのエッチャント(エッチング溶液)としては、HSO、HNO等が一般的である。特にAlのエッチングに際しては、HPO、C、HNOを混合した混合液を用いることもある。
【0021】
前記バリア層8にはSiOを用いる。成膜方法としては、LPCVD、プラズマCVD、スパッタリング等を用いることができる。エッチング方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いてもよく、ウェットエッチングを行う場合は、エッチャントとしてHFあるいはHFとNHFとの混合液を用いるのが一般的である。
【0022】
前記蓄熱層7として、本発明においては低融点ガラスを用いる。この低融点ガラスは、電極としてAlを用いる場合、電極の劣化、反応を防ぐ意味において、軟化点が400℃以下であり、また、蓄熱層7の形成後の製造工程での加熱による軟化を防止する意味で軟化点が300℃以上、さらに好ましくは350℃である。すなわち、電極としてAlを用いる場合、低融点ガラスの軟化点は好ましくは300℃〜400℃、さらに好ましくは350℃〜400℃である。
【0023】
蓄熱層7の成膜方法としては、スクリーン印刷法やディスペンサを用い、これを350℃〜400℃で焼成する。また、この鉛ガラスの組成としては、例えばPbO−B系あるいはPbO−B−ZnO系のものを用いることが好ましい。
【0024】
図1(B)は図1(A)の基本構造の発熱積層部を踏襲したサーマルヘッドの一例を示す断面図である。図1(B)において、9は駆動IC、10は外部への配線、11は該配線10と駆動IC9とを接続する電極、12a〜12cは駆動ICや配線10と電極5a、5b、11との接続部、13はAlからなる放熱板であり、該放熱板13には駆動IC9を収容するための貫通穴13aが設けられている。14は該放熱板13を発熱積層部に固定するエポキシ樹脂やアクリル樹脂等からなる接着層である。
【0025】
このように、低融点ガラスを蓄熱層7として用いることにより、後述の図2に示す方法により発熱積層部を実現することができ、平滑な感熱紙接触面(印字面)を得ることができる。また、ガラスによって蓄熱層7を構成することにより、ポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂により蓄熱層を構成する場合に比較し、発熱積層部2(保護層3、発熱抵抗体5、電極5a、5b、バリア層8、蓄熱層7からなる部分)の強度を向上させることができ、砂等の硬質粒子を噛み込んだ場合においても損傷を免れることができる。
【0026】
また、本実施例においては、駆動IC9および外部への配線10が印字面の反対側に配置されているので、駆動IC9およびその電気的接続部12a〜12cと感熱紙等との接触がなくなり、電気系の断線や短絡等の不具合が発生する危険性を無くすることが可能となる。
【0027】
また、駆動IC9が印字面の反対面にあるため、駆動IC9を印字部に近接させて配置することができ、サーマルヘッドの大きさを従来構造に比較して大幅に小型化することができる。また、この小型化により、1枚の集合基板から得られるサーマルヘッドの個数を増加させることができ、その結果、一度に多数分の成膜が可能となり、サーマルヘッドの製造効率の向上が達成でき、サーマルヘッドの低コスト化が可能となる。
【0028】
図2は図1の実施例のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図である。本実施例においては、まず図2(A)に示すように、仮の基板1上に保護層3を形成する。仮の基板1としては、安価で入手が容易な0.7mm厚のホウケイ酸ガラス板(日本電気硝子社製、商品名BLC)を用いた。
【0029】
保護層3として、SiB層およびSiO層をプラズマCVDにより400℃の雰囲気で順に形成した。SiB層の厚みは7μmとし、SiO層の厚みは3μmとした。
【0030】
保護層3を形成後、図2(B)に示すように、発熱抵抗体4となるNb−SiO層を、300℃〜350℃の温度において、スパッタリングにより0.1μmの厚みに形成し、RIEにより、個々の発熱抵抗体4に分離形成した。発熱抵抗体4のピッチは167μmとし、発熱抵抗体4同士の間隔を10μmとした。なお、Nb−SiO層とは、アモルファスのSiO層の中に金属NbやNbの珪化物、酸化物が混在したものである。このように発熱抵抗体4を設けた後、そのTCRを改善するために、400℃程度で熱処理を行ってもよい。
【0031】
次に図2(C)に示すように、電極5a、5bとしてのAl層を100℃の温度において蒸着により0.5μmの厚みに形成し、HPO、C、HNOを混合した混合液をエッチャントとして用い、共通電極5aと個別電極5bとを、これらの一部を発熱抵抗体4上に重ねて形成し、かつ別の位置に電極11を形成した。
【0032】
次に図2(D)に示すように、バリア層8としてのSiO層をプラズマCVDにより0.3μmの厚みに成膜した。そして成膜したSiO層を、HFをエッチャントとしてエッチングすることにより、図1(B)のように、保護層3の反対側に駆動IC9を設けるため、電極5b、11にフリップチップボンディングによって接続するための穴をバリア層8に設けた。
【0033】
次に、図2(E)に示すように、蓄熱層7を形成するため、低融点のガラスフリットをバインダーに混合したペーストをバリア層8にスクリーン印刷後、360℃、2時間で焼成した。ガラスペーストとしては、日本電気硝子社製、品名PLS−1301のものを用いた。
【0034】
次に駆動IC9および外部接続用配線10の底面の半田ボールを電極5b、11に融着して駆動IC9を発熱積層部に固定した。すなわちフリップチップボンディングにより駆動IC9や配線10を固定した。
【0035】
次に、駆動IC9の部分にAl板でなる放熱板13の穴13aを合わせ、上述のように形成された部分に放熱板13をエポキシ樹脂でなる接着剤14により接着し、150℃で加熱することに硬化し、一体に固定した。
【0036】
その後、仮の基板1より下の部分を、日化精工社製、品名ブラックマスクからなるエッチングレジスト(プロテクトワックスでもよい)により覆い、HF液に浸漬して仮の基板1を溶解させた。これにより、図2(F)に示すように、仮の基板1上に形成された平滑な面の保護層3を露出させることができる。
【0037】
なお、図2の実施例においては、仮の基板1として安価なガラス板を使用し、仮の基板上に保護層3を直接成膜し、仮の基板1上に各層の成膜や駆動IC9の搭載後、仮の基板1を溶解させることにより除去したが、仮の基板1として高価な板材を使用する場合には、仮の基板1上にMgO等の犠牲層を成膜し、前述のように各層の成膜、駆動ICの固定後、前記犠牲層をりん酸等により溶解して仮の基板1を発熱積層部2から分離し、仮の基板1を再使用するようにしてもよい。
【0038】
また、電極5a、5b、11は、発熱抵抗体4を形成した後に形成するのではなく、発熱抵抗体4の形成前に形成してもよい。
【0039】
図3(A)は本発明のサーマルヘッドの他の実施例を発熱積層部について示す断面図であり、本実施例は、発熱部6の真下の部分の限定された領域に、バリア層8を介して低融点ガラスからなる部分グレーズ層としての蓄熱層7を設けると共に、その下に例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂からなる蓄熱層16を設けたものである。
【0040】
本実施例によれば、発熱部6が樹脂層より強度の大きなガラスでなる蓄熱層7によって支持されるため、樹脂層のみでなる蓄熱層で構成する場合に比較して強度の大きなサーマルヘッドを提供することができる。また、樹脂でなる蓄熱層16をガラスでなる蓄熱層7に重ねることにより、蓄熱作用が増大し、低消費電力のサーマルヘッドが提供できる。
【0041】
図3(B)の例は、前記樹脂でなる蓄熱層16を前記駆動IC9の固定手段として兼用したものである。本実施例によれば、図1(B)の実施例による効果を奏することができる上、さらに、樹脂層16を蓄熱層と駆動IC9の固定に兼用できるため、部品点数、工程数が低減されるという効果が得られる。
【0042】
図4は図3の発熱積層部構造を実現するための製造工程図であり、図4(A)〜図4(D)の工程は図2(A)〜図2(D)の工程と同じである。図4(D)のようにバリア層8を形成した後、図4(E)に示すように、前記低融点ガラスからなる蓄熱層7を、発熱部6の紙面左右方向の長さよりやや広い範囲にわたって、ガラスペーストの印刷またはディスペンサによる塗布と、350℃〜400℃での焼成により形成した。
【0043】
次に、エポキシ樹脂でなる蓄熱層16を形成するため、図4(F)に示すように、前記低融点ガラスでなる蓄熱層7全体を覆うように、該樹脂を含むペーストを印刷し、150℃で加熱し硬化させた。
【0044】
なお、図3(B)に示すように、該樹脂でなる蓄熱層16を駆動IC9の固定に用いるため、駆動IC9を固定する場合は、予め低融点ガラスによる蓄熱層7を形成した後、駆動IC9を電極5b、11に半田により固定し、その後蓄熱層16を形成する。
【0045】
本実施例においては、樹脂でなる蓄熱層16を駆動IC9および配線10の固定に兼用したが、蓄熱層16と固定用接着剤を別にし、予め蓄熱層7を形成した後、蓄熱層16を駆動IC9の配置場所を避けた箇所に設け、駆動IC9を固定するようにしてもよい。また、熱応答特性を調整するため、樹脂でなる蓄熱層16中に金属粉若しくは熱伝導率の高いセラミック粉(例えばAlN、Al等)を適宜分散含有させることも可能である。
【0046】
図5は本発明の他の実施例であり、本実施例は、前記低融点ガラスからなる蓄熱層7とポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂からなる耐熱層16により発熱積層部のみでなるサーマルヘッドチップ24を形成し、該チップ24は印字面より反対側にアルミナ等の絶縁性基板17との接続部が得られるように、チップ24に電極5a、5bから裏面に至る導体21、22を設け、該チップ24と駆動IC9とを別々に、絶縁性基板17上に設けた導体19、20に半田により固定したものである。18は絶縁性基板17に接着した放熱板、23は駆動IC19にモールドした樹脂である。
【0047】
前記チップ24に設ける導体21、22は、ポリイミド樹脂でなる耐熱層16にエキシマレーザ等の方法により穴を設け、この穴にNiや半田等の導電性を有する金属を充填することにより、形成することができる。
【0048】
このような構造においても、前記仮の基板を用いた製造方法を採用でき、平滑な印字面が形成できると共に、蓄熱層7として低融点ガラスを用いることにより、前記実施例と同様に強度の増大が図れる。また、印字面と反対側の面を基板17に電気的に接続することにより、従来のサーマルヘッドのように、配線接続箇所(ボンディングパッド)と発熱部との間の距離を、10mm程度まで長くする必要がなくなり、サーマルヘッドチップ24の幅を2mm程度にまで狭くすることができる。このため、従来のサーマルヘッドチップ24と比較して、同面積の集合基板から約5倍の数のサーマルヘッドチップを得ることが可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、サーマルヘッドの蓄熱層を、軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスを用いて350℃〜400℃で焼成することにより形成したので、比較的廉価で融点の低いアルミニウム電極を用いても、低融点ガラスの焼成の際に電極が酸化を起こすことなく、また発熱抵抗体の熱処理も可能となる。このため、印字面が平滑なサーマルヘッドを得ることができる。
【0050】
また、耐熱性樹脂を蓄熱層に用いる場合に比較し、機械的強度が向上し、砂等の噛み込みによる損傷を防止することができる。
【0051】
請求項2のサーマルヘッドの製造方法によれば、請求項1の効果に加え、蓄熱層と発熱部との間にバリア層が形成されるため、蓄熱層を構成する低融点ガラスの含有物質が発熱部に拡散して特性を劣化させるおそれがないサーマルヘッドが得られるという効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明によるサーマルヘッドの一実施例を発熱積層部について示す断面図、(B)は(A)の基本構成を踏襲したサーマルヘッドの全体構成の一例を示す断面図である。
【図2】 (A)〜(F)は図1(A)の実施例の製造工程図である。
【図3】 (A)は本発明によるサーマルヘッドの他の実施例を発熱積層部について示す断面図、(B)は(A)の基本構成を踏襲したサーマルヘッドの全体構成の一例を示す断面図である。
【図4】 (A)〜(G)は図2(A)の実施例の製造工程図である。
【図5】 本発明によるサーマルヘッドの他の実施例を示す断面図である。
【図6】 従来のサーマルヘッドの他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:仮の基板、3:保護層、4:発熱抵抗体、5a:共通電極、5b:個別電極、6:発熱部、7:低融点ガラスでなる蓄熱層、8:バリア層、9:駆動IC、10:外部への配線、11:電極、12a〜12c:接続部、13:放熱板、14:接着剤、16:樹脂でなる蓄熱層、17:絶縁性基板、18:放熱板、19、20:導体、21、22:導体、23:モールド樹脂、24:サーマルヘッドチップ
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a thermal head.
[0002]
[Prior art]
Thermal heads are widely used in inexpensive and simple printers, taking advantage of the convenience of thermal paper or thermal transfer paper that does not require refilling with ink or the like. Recently, high-quality printing and high-speed printing have also been demanded for printers used for these thermal heads. Further, there is a demand for a high-density thermal head such as 600 dpi to 1200 dpi, which is miniaturized before being used in a color printer system using a thermal transfer system, an index printer of a photo lab automation minilab that emphasizes high image quality, and the like.
[0003]
However, in the thermal head, it is necessary to consider the temperature increase and heat dissipation so that the heat generating portion of the heat generating resistor is rapidly heated to instantaneously raise the temperature and heat is quickly dissipated to prevent bleeding. For rapid temperature increase, heat concentrates on the heat generating part and does not escape around, and rapid heat dissipation requires a conflicting thermal response characteristic that heat of the heat generating part escapes quickly.
[0004]
That is, the following items are basically required for the thermal head.
1) Light, thin and small 2) Low cost 3) Large screen for A3, etc. 4) Low power consumption 5) High speed 6) High-density, clear, so-called high-definition image print 7) Uniformity without color unevenness Screen 8) Maintenance-free with no dirt remaining Conventional thermal heads are generally configured as shown in FIG. As shown in FIG. 6, a heat storage layer 32 made of glass having a melting point of, for example, about 1000 ° C. is provided on the entire surface of an alumina substrate 31 that also serves as a heat radiator (heat sink), and a heating resistor 33 is formed on the heat storage layer 32. Is provided. Reference numeral 34 denotes an electrode that forms the heat generating portion 35, and a wear resistant layer 37 is formed on the surface of the electrode 34 and the heat generating resistor 33 as a protective layer that prevents abrasion due to the thermal paper 36 or the like. Reference numeral 38 denotes a roller, 39 denotes an IC constituting a peripheral circuit fixed on the substrate 31 via an adhesive layer 40, and 41 denotes a wire connecting the electrode 34 and the IC 39.
[0005]
As described above, when the heat storage layer 32 is formed, a glass powder paste made of a binder is applied onto the substrate 31 and baked. The reason for using high-melting glass as the heat storage layer 32 is as follows. First, when a metal having a low electrical resistance such as aluminum or copper is used as an electrode, it is necessary to fire a glass having a high firing temperature in advance in order to prevent such oxidation and alteration of the heating resistor. It is. Second, when heat treatment is performed to improve TCR (resistance / temperature coefficient), glass having a melting point higher than the heat treatment temperature of the heating resistor 33 needs to be formed in advance. The heat storage layer 32 also has a role of smoothing the surface of the substrate 31 with unevenness.
[0006]
In the case of such a conventional thermal head, glass is used as the heat storage layer 32. For the purpose of high-speed printing, a heat storage effect in the heat storage layer 32 is obtained by using a heat-resistant resin such as a polyimide resin for the heat storage layer 32. Various proposals have been made to improve power consumption and reduce power consumption.
[0007]
In the case of using a polyimide resin or the like as described above, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-64905, an electrode 34 is formed on the heating resistor 33 at an interval to form a heating stack 42 (this heating stack 42 is The concave portion 43 formed on the surface of the heat storage layer 32, the heating resistor 33, the electrode 34, and the protective layer 37 is eliminated, the contact surface of the thermal paper 36 is smoothed, and the heating resistance is obtained. In order to enable heat treatment to improve the TCR of the body 33, a heat storage composed of a protective layer 37, a heating resistor 33, an electrode 34, and a polyimide resin through a sacrificial layer for peeling on the forming substrate A method of manufacturing a thermal head (hereinafter referred to as a transfer method) is disclosed in which the layer 32 is formed in order, and then the substrate 31 is bonded, and then the both are peeled off at the interface between the forming substrate and the peeling layer. That.
[0008]
According to this transfer method, since the protective layer 37 is formed on the plane of the temporary substrate, the surface in contact with the thermal paper 36 is smooth, and no space is formed between the thermal paper 36, so that the thermal efficiency is improved. To do.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, as described in the above publication, in the thermal head using a resin such as polyimide resin for the heat storage layer 32, the resin is exposed to a high temperature due to the heat generated in the heat generating portion 35. When hard particles such as sand are bitten between the two, the resin is deformed, so that there is a problem that the biting portion is easily damaged.
[0010]
Further, in the case where a high-melting glass is used as the heat storage layer 32 as in the prior art, a thermal head cannot be manufactured by using a transfer method as described in the above publication. The formation of the recess 43 on the contact surface is inevitable, and there is a problem that the thermal efficiency is deteriorated.
[0011]
In view of the above problems, an object of the present invention is to provide a method for manufacturing a thermal head in which the heat generating portion has a high mechanical strength and a smooth contact surface with thermal paper or the like can be obtained.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve this object, the thermal head manufacturing method of the present invention includes a step of forming a heating resistor,
Forming an electrode made of aluminum connected to the heating resistor before or after forming the heating resistor;
Forming a heat storage layer made of a low melting point glass having a softening point of 300 ° C to 400 ° C so as to cover at least a part of the heating resistor and the electrode by firing at 350 ° C to 400 ° C ;
Removing or separating the temporary substrate. ( Claim 1 )
[0013]
Moreover, the manufacturing method of the thermal head of the present invention includes a step of forming a protective layer on a temporary substrate,
Forming a heating resistor on the protective layer;
Forming an electrode made of aluminum connected to the heating resistor before or after forming the heating resistor;
Interposing a barrier layer for preventing diffusion of a substance contained in the heat storage layer in the heat generating portion composed of the heating resistor and the electrode;
Forming a heat storage layer made of low melting point glass having a softening point of 300 ° C. to 400 ° C. on the barrier layer by firing at 350 ° C. to 400 ° C . ;
Removing or separating the temporary substrate. ( Claim 2 )
[0014]
[Action]
The thermal head manufacturing method of the present invention includes a temporary protective layer, a heating resistor, an electrode made of aluminum, and a heat storage layer made of low-melting glass having a softening point of 300 ° C. to 400 ° C. after forming a barrier layer at 350 ° C. Since it is the method of forming by baking at -400 degreeC, the surface of the protective layer is smooth.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1A is a cross-sectional view showing an embodiment of a thermal head according to the present invention, and FIG. 1B is a cross-sectional view showing the overall configuration. As shown in FIG. 1 (A), the heat-generating laminated portion includes a protective layer 3 that acts as a wear-resistant layer, a heat-generating resistor 4, a common electrode 5a provided on the heat-generating resistor 4 in an overlapping manner, and It is interposed between the individual electrode 5b, the heat storage layer 7, the heat generating part 6 formed by the electrodes 5a, 5b and the heat generating resistor 4 and the heat storage layer 7 to prevent the diffusion of substances from the heat storage layer 7. It consists of a barrier layer 8.
[0016]
As the protective layer 3, a SiC compound, a SiB compound, a SiO compound, a SiON compound, or the like is used. In particular, the surface layer is made of SiB having a low coefficient of friction, high hardness, and chemically stable, and the back layer on the side of the heating resistor 4 is made of SiO 2 having high electrical resistance. This is preferable in terms of ensuring electrical insulation. As a method of forming the protective layer 3, conventionally used methods such as plasma CVD can be employed.
[0017]
As the heating resistor 4, Nb—SiO 2 , Ni—Cr, Ta, TiO 2 , BN, or the like can be used. As a method for forming the heating resistor 4, LPCVD (low pressure CVD), plasma CVD, sputtering, or the like can be used.
[0018]
Each heating resistor 4 needs to be etched so as to be formed for each heating dot. As this etching method, it is preferable to use dry etching such as RIE (reactive ion etching). It is also possible to use etching. Moreover, as an etcher (reactive gas) for dry etching, SF 6 , CF 4 , Cl 2 , O 2, and the like are generally used, and these can be mixed and used.
[0019]
The electrodes 5a and 5b are made of aluminum (Al). Al is inexpensive and can easily obtain adhesion to other layers without the need to intervene a special layer. The process is simple and the electrical resistance is low, making it easy to obtain fine patterns. Is preferable. As a film forming method, vapor deposition, sputtering, or the like is used.
[0020]
As an etching method for obtaining the pattern of these electrodes 5a and 5b, dry etching can be used, but wet etching is preferably used. As an etchant (etching solution) for wet etching, H 2 SO 4 , HNO 3 and the like are generally used. In particular, when Al is etched, a mixed solution in which H 3 PO 4 , C 2 H 4 O 2 , and HNO 3 are mixed may be used.
[0021]
SiO 2 is used for the barrier layer 8. As a film forming method, LPCVD, plasma CVD, sputtering, or the like can be used. As the etching method, either wet etching or dry etching may be used. When wet etching is performed, HF or a mixed solution of HF and NH 4 F is generally used as an etchant.
[0022]
As the heat storage layer 7, a low melting point glass is used in the present invention. This low melting point glass has a softening point of 400 ° C. or lower in order to prevent electrode deterioration and reaction when Al is used as an electrode, and also prevents softening due to heating in the manufacturing process after the heat storage layer 7 is formed. In this sense, the softening point is 300 ° C. or higher, more preferably 350 ° C. That is, when Al is used as the electrode, the softening point of the low-melting glass is preferably 300 ° C to 400 ° C , more preferably 350 ° C to 400 ° C.
[0023]
As a method for forming the heat storage layer 7, a screen printing method or a dispenser is used, and this is baked at 350 to 400 ° C. As the composition of the lead glass, it is preferable to use, for example, those of PbO-B 2 O 3 -based or PbO-B 2 O 3 -ZnO system.
[0024]
FIG. 1B is a cross-sectional view showing an example of a thermal head that follows the heat generation laminated portion of the basic structure of FIG. In FIG. 1B, 9 is a driving IC, 10 is a wiring to the outside, 11 is an electrode connecting the wiring 10 and the driving IC 9, 12a to 12c are driving IC and wiring 10 and electrodes 5a, 5b, 11 and The connecting portion 13 is a heat sink made of Al, and the heat sink 13 is provided with a through hole 13a for accommodating the drive IC 9. Reference numeral 14 denotes an adhesive layer made of an epoxy resin, an acrylic resin, or the like that fixes the heat radiating plate 13 to the heat generating laminated portion.
[0025]
In this way, by using the low melting point glass as the heat storage layer 7, a heat generation laminated portion can be realized by a method shown in FIG. 2 described later, and a smooth thermal paper contact surface (printing surface) can be obtained. Further, by forming the heat storage layer 7 with glass, compared to the case where the heat storage layer is formed with a heat-resistant resin such as polyimide resin, the heat generation laminated portion 2 (protective layer 3, heat generation resistor 5, electrodes 5a, 5b, The strength of the barrier layer 8 and the heat storage layer 7) can be improved, and even when hard particles such as sand are bitten, damage can be avoided.
[0026]
In this embodiment, since the driving IC 9 and the external wiring 10 are arranged on the opposite side of the printing surface, there is no contact between the driving IC 9 and its electrical connection portions 12a to 12c and the thermal paper. It is possible to eliminate the risk of occurrence of problems such as electrical disconnection or short circuit.
[0027]
Further, since the driving IC 9 is on the opposite side of the printing surface, the driving IC 9 can be disposed close to the printing unit, and the size of the thermal head can be greatly reduced as compared with the conventional structure. In addition, this miniaturization can increase the number of thermal heads obtained from one collective substrate. As a result, a large number of films can be formed at one time, and the thermal head manufacturing efficiency can be improved. The cost of the thermal head can be reduced.
[0028]
FIG. 2 is a process diagram for explaining a method of manufacturing the thermal head of the embodiment of FIG. In this embodiment, first, as shown in FIG. 2A, a protective layer 3 is formed on a temporary substrate 1. As the temporary substrate 1, a 0.7 mm thick borosilicate glass plate (manufactured by Nippon Electric Glass Co., Ltd., trade name BLC), which is inexpensive and easily available, was used.
[0029]
As the protective layer 3, a SiB layer and a SiO 2 layer were sequentially formed in a 400 ° C. atmosphere by plasma CVD. The thickness of the SiB layer was 7 μm, and the thickness of the SiO 2 layer was 3 μm.
[0030]
After forming the protective layer 3, as shown in FIG. 2B, an Nb—SiO 2 layer to be the heating resistor 4 is formed to a thickness of 0.1 μm by sputtering at a temperature of 300 ° C. to 350 ° C. The individual heating resistors 4 were separated and formed by RIE. The pitch of the heating resistors 4 was 167 μm, and the spacing between the heating resistors 4 was 10 μm. The Nb—SiO 2 layer is a mixture of metal Nb, Nb silicide, and oxide in an amorphous SiO 2 layer. After providing the heating resistor 4 in this manner, heat treatment may be performed at about 400 ° C. in order to improve the TCR.
[0031]
Next, as shown in FIG. 2C, an Al layer as electrodes 5a and 5b is formed by vapor deposition at a temperature of 100 ° C. to a thickness of 0.5 μm, and H 3 PO 4 , C 2 H 4 O 2 , HNO 3 was used as an etchant, a common electrode 5a and an individual electrode 5b were formed by overlapping a part of them on the heating resistor 4, and an electrode 11 was formed at another position.
[0032]
Next, as shown in FIG. 2D, a SiO 2 layer as the barrier layer 8 was formed to a thickness of 0.3 μm by plasma CVD. Then, by etching the formed SiO 2 layer using HF as an etchant, a drive IC 9 is provided on the opposite side of the protective layer 3 as shown in FIG. 1B, so that it is connected to the electrodes 5b and 11 by flip chip bonding. The barrier layer 8 was provided with a hole for this purpose.
[0033]
Next, as shown in FIG. 2E, in order to form the heat storage layer 7, a paste in which a glass frit having a low melting point was mixed with a binder was screen-printed on the barrier layer 8 and then fired at 360 ° C. for 2 hours. As the glass paste, a product name of PLS-1301 manufactured by Nippon Electric Glass Co., Ltd. was used.
[0034]
Next, the solder balls on the bottom surfaces of the driving IC 9 and the external connection wiring 10 were fused to the electrodes 5b and 11, and the driving IC 9 was fixed to the heat generation laminated portion. That is, the driving IC 9 and the wiring 10 were fixed by flip chip bonding.
[0035]
Next, the hole 13a of the heat radiating plate 13 made of an Al plate is aligned with the drive IC 9 portion, and the heat radiating plate 13 is adhered to the portion formed as described above with an adhesive 14 made of epoxy resin, and heated at 150 ° C. Especially hardened and fixed together.
[0036]
Thereafter, the portion below the temporary substrate 1 was covered with an etching resist (may be a protective wax) made of Nikka Seiko Co., Ltd. and a product name black mask, and immersed in HF solution to dissolve the temporary substrate 1. Thereby, as shown in FIG. 2 (F), the protective layer 3 having a smooth surface formed on the temporary substrate 1 can be exposed.
[0037]
In the embodiment of FIG. 2, an inexpensive glass plate is used as the temporary substrate 1, the protective layer 3 is directly formed on the temporary substrate, and each layer is formed on the temporary substrate 1 and the driving IC 9. After the mounting, the temporary substrate 1 is removed by dissolving. However, when an expensive plate material is used as the temporary substrate 1, a sacrificial layer such as MgO is formed on the temporary substrate 1, As described above, after the layers are formed and the driving IC is fixed, the sacrificial layer may be dissolved with phosphoric acid or the like to separate the temporary substrate 1 from the heat-generating laminated portion 2, and the temporary substrate 1 may be reused. .
[0038]
Further, the electrodes 5a, 5b, and 11 may be formed before the formation of the heating resistor 4, instead of being formed after the heating resistor 4 is formed.
[0039]
FIG. 3A is a cross-sectional view showing another embodiment of the thermal head of the present invention with respect to the heat-generating laminated portion. In this embodiment, the barrier layer 8 is formed in a limited region immediately below the heat-generating portion 6. In addition, a heat storage layer 7 as a partial glaze layer made of low-melting glass is provided, and a heat storage layer 16 made of a heat-resistant resin such as an epoxy resin or a polyimide resin is provided thereunder.
[0040]
According to the present embodiment, since the heat generating portion 6 is supported by the heat storage layer 7 made of glass having a strength higher than that of the resin layer, a thermal head having a strength higher than that of the heat storage layer made of only the resin layer is used. Can be provided. Further, by superposing the heat storage layer 16 made of resin on the heat storage layer 7 made of glass, the heat storage action is increased, and a thermal head with low power consumption can be provided.
[0041]
In the example of FIG. 3B, the heat storage layer 16 made of the resin is also used as a fixing means for the drive IC 9. According to the present embodiment, the effects of the embodiment of FIG. 1B can be obtained, and furthermore, since the resin layer 16 can be used for fixing the heat storage layer and the drive IC 9, the number of parts and the number of processes can be reduced. The effect is obtained.
[0042]
FIG. 4 is a manufacturing process diagram for realizing the heat generation laminated portion structure of FIG. 3, and the processes of FIGS. 4A to 4D are the same as the processes of FIGS. 2A to 2D. It is. After the barrier layer 8 is formed as shown in FIG. 4 (D), the heat storage layer 7 made of the low melting point glass is slightly wider than the length of the heat generating portion 6 in the left-right direction as shown in FIG. 4 (E). The glass paste was formed by printing or application by a dispenser and baking at 350 ° C. to 400 ° C.
[0043]
Next, in order to form the heat storage layer 16 made of an epoxy resin, as shown in FIG. 4F, a paste containing the resin is printed so as to cover the entire heat storage layer 7 made of the low melting point glass, and 150 It was cured by heating at ° C.
[0044]
As shown in FIG. 3B, since the heat storage layer 16 made of the resin is used to fix the drive IC 9, when the drive IC 9 is fixed, the heat storage layer 7 made of low-melting glass is formed in advance and then the drive IC 9 is fixed. The IC 9 is fixed to the electrodes 5b and 11 with solder, and then the heat storage layer 16 is formed.
[0045]
In this embodiment, the heat storage layer 16 made of resin is also used to fix the drive IC 9 and the wiring 10. However, after the heat storage layer 16 and the fixing adhesive are separated and the heat storage layer 7 is formed in advance, the heat storage layer 16 is The drive IC 9 may be fixed by providing it at a place avoiding the place where the drive IC 9 is arranged. Further, in order to adjust the thermal response characteristics, it is also possible to appropriately disperse and contain metal powder or ceramic powder having high thermal conductivity (for example, AlN, Al 2 O 3, etc.) in the heat storage layer 16 made of resin.
[0046]
FIG. 5 shows another embodiment of the present invention. This embodiment is a thermal head chip comprising only a heat-generating laminated portion by the heat storage layer 7 made of the low-melting glass and the heat-resistant layer 16 made of a heat-resistant resin such as polyimide resin. 24, and the chip 24 is provided with conductors 21 and 22 extending from the electrodes 5a and 5b to the back surface so that a connection portion with the insulating substrate 17 such as alumina is obtained on the opposite side of the printing surface. The chip 24 and the driving IC 9 are separately fixed to the conductors 19 and 20 provided on the insulating substrate 17 by soldering. Reference numeral 18 denotes a heat radiating plate bonded to the insulating substrate 17, and 23 denotes a resin molded on the driving IC 19.
[0047]
The conductors 21 and 22 provided on the chip 24 are formed by forming holes in the heat-resistant layer 16 made of polyimide resin by a method such as excimer laser and filling the holes with a conductive metal such as Ni or solder. be able to.
[0048]
Even in such a structure, the manufacturing method using the temporary substrate can be adopted, a smooth printing surface can be formed, and the use of low-melting glass as the heat storage layer 7 increases the strength as in the above-described embodiment. Can be planned. Further, by electrically connecting the surface opposite to the printing surface to the substrate 17, the distance between the wiring connection portion (bonding pad) and the heat generating portion is increased to about 10 mm as in the conventional thermal head. Therefore, the width of the thermal head chip 24 can be reduced to about 2 mm. For this reason, compared to the conventional thermal head chip 24, it is possible to obtain about five times the number of thermal head chips from a collective substrate having the same area, and the manufacturing cost can be greatly reduced.
[0049]
【The invention's effect】
According to the invention of claim 1, since the heat storage layer of the thermal head is formed by firing at 350 ° C. to 400 ° C. using a low melting point glass having a softening point of 300 ° C. to 400 ° C. , the melting point is relatively inexpensive. Even when an aluminum electrode having a low temperature is used, the electrode does not oxidize when the low melting point glass is fired, and the heat generating resistor can be heat-treated. For this reason, a thermal head having a smooth printing surface can be obtained.
[0050]
Moreover, compared with the case where heat resistant resin is used for a heat storage layer, mechanical strength improves and it can prevent the damage | wound by sand etc. biting.
[0051]
According to the method for manufacturing a thermal head of claim 2 , in addition to the effect of claim 1 , since a barrier layer is formed between the heat storage layer and the heat generating part, the substance contained in the low melting glass constituting the heat storage layer is It is possible to obtain an effect that a thermal head can be obtained which does not have the possibility of diffusing into the heat generating portion and degrading the characteristics.
[Brief description of the drawings]
1A is a cross-sectional view showing an embodiment of a thermal head according to the present invention, and FIG. 1B is a cross-sectional view showing an example of the overall configuration of a thermal head following the basic configuration of FIG. It is.
FIGS. 2A to 2F are manufacturing process diagrams of the embodiment of FIG.
FIG. 3A is a cross-sectional view showing another example of the heat-generating laminated portion of the thermal head according to the present invention, and FIG. 3B is a cross-sectional view showing an example of the overall configuration of the thermal head following the basic configuration of FIG. FIG.
4A to 4G are manufacturing process diagrams of the embodiment of FIG. 2A.
FIG. 5 is a sectional view showing another embodiment of the thermal head according to the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing another example of a conventional thermal head.
[Explanation of symbols]
1: Temporary substrate, 3: Protective layer, 4: Heat generating resistor, 5a: Common electrode, 5b: Individual electrode, 6: Heat generating part, 7: Heat storage layer made of low melting point glass, 8: Barrier layer, 9: Drive IC: 10: External wiring, 11: Electrode, 12a to 12c: Connection part, 13: Heat sink, 14: Adhesive, 16: Heat storage layer made of resin, 17: Insulating substrate, 18: Heat sink, 19 , 20: conductor, 21, 22: conductor, 23: mold resin, 24: thermal head chip

Claims (2)

仮の基板上に保護層を形成するステップと、
前記保護層の上に発熱抵抗体を形成するステップと、
前記発熱抵抗体を形成する前または後に、前記発熱抵抗体に接続するアルミニウムからなる電極を形成するステップと、
前記発熱抵抗体をおよび電極の少なくとも一部を覆うように軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスからなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成するステップと、
前記仮の基板を除去または分離するステップとを含む
ことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
Forming a protective layer on a temporary substrate;
Forming a heating resistor on the protective layer;
Forming an electrode made of aluminum connected to the heating resistor before or after forming the heating resistor;
Forming a heat storage layer made of a low melting point glass having a softening point of 300 ° C to 400 ° C so as to cover at least a part of the heating resistor and the electrode by firing at 350 ° C to 400 ° C ;
Removing or separating the temporary substrate. A method for manufacturing a thermal head, comprising:
仮の基板上に保護層を形成するステップと、
前記保護層の上に発熱抵抗体を形成するステップと、
前記発熱抵抗体を形成する前または後に、前記発熱抵抗体に接続するアルミニウムからなる電極を形成するステップと、
前記発熱抵抗体と電極からなる発熱部に蓄熱層の含有物質の拡散を防止するバリア層を介在させるステップと、
前記バリア層上に軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスからなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成するステップと、
前記仮の基板を除去または分離するステップとを含む
ことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
Forming a protective layer on a temporary substrate;
Forming a heating resistor on the protective layer;
Forming an electrode made of aluminum connected to the heating resistor before or after forming the heating resistor;
Interposing a barrier layer for preventing diffusion of a substance contained in the heat storage layer in the heat generating portion composed of the heating resistor and the electrode;
Forming a heat storage layer made of a low melting point glass having a softening point of 300 ° C. to 400 ° C. on the barrier layer by firing at 350 ° C. to 400 ° C . ;
Removing or separating the temporary substrate. A method for manufacturing a thermal head, comprising:
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