JP3844104B2 - 流体噴射弁の流量調整装置およびそれを用いた流量調整方法 - Google Patents

流体噴射弁の流量調整装置およびそれを用いた流量調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体噴射弁の流量調整装置およびそれを用いた流量調整方法に関し、特に内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)に燃料を噴射する燃料噴射弁の流量調整装置およびそれを用いた流量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載するエンジンの燃料噴射弁として、弁ボディの噴孔上流側に形成した弁座からニードル弁の当接部が離座または弁座に当接部が着座することにより、噴孔から流体を噴射または遮断するものが知られている。
【0003】
このような燃料噴射弁においては、一般に、噴孔から噴射される燃料の噴射量を調整可能な噴射量調整手段を備えており、燃料噴射弁を組付けた後、上記の噴射量調整手段を調整することにより、エンジンの仕様に応じた燃料噴射量の調整が行われている。噴射量調整手段としては、例えばアジャスティングパイプとスプリングとから構成される噴射量調整手段が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃料噴射弁の流量調整方法においては、燃料噴射弁に試験油を供給する油供給手段にこの油供給手段内を通る試験油の流量を計測する流量計測器を設け、この流量計測器からの信号に応じて噴射量調整手段を調整することにより燃料噴射弁の噴射量調整を行っている。このため、例えば燃料噴射弁の脱着時のように、上記の油供給手段を開閉することによる流量の変動差が大きい場合、上記の流量計測器の計測能力を超える恐れがある。流量計測器の計測能力を超えると流量計測器が計測限界異常となり、流量計測器が復帰するのに時間がかかるため、流量計測に時間がかかり、流量を調整するのに長時間を要するという問題があった。
【0005】
さらに従来の燃料噴射弁の流量調整方法においては、燃料噴射弁と試験油の供給手段との接続部から試験油が漏れているのを見過ごす恐れがある。燃料噴射弁と試験油の供給手段との接続部から試験油が漏れている場合、油供給手段内を通る試験油の流量を正確に計測することができなくなり、燃料噴射弁の噴射量を精密に調整することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、容易に調整可能で、調整時間を低減することが可能な流体噴射弁の流量調整装置およびそれを用いた流量調整方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、流量を精密に調整することが可能な流体噴射弁の流量調整装置およびそれを用いた流量調整方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の流体噴射弁の流量調整装置によると、電磁式の流体噴射弁に流体を供給する流体供給手段と、流体噴射弁のマスタモデルと同等の性能を有するダミー噴射弁と、流体供給手段から分岐しダミー噴射弁に流体を供給するダミー供給手段と、前記流体供給手段と前記ダミー供給手段との分岐点と前記流体噴射弁との間の前記流体供給手段に設置され、前記流体噴射弁の脱着時に前記流体供給手段を閉じ、前記流体供給手段に前記流体噴射弁を設置した噴射量調整時に前記流体供給手段を開く切替バルブと、前記流体噴射弁の脱着時に前記ダミー噴射弁に励磁電流を供給し、前記流体供給手段に前記流体噴射弁を設置した噴射量調整時に前記流体噴射弁に励磁電流を供給する切替手段と、を備え、噴孔から流体を噴射させて流体供給手段内を通過する流体の流量に応じて噴射量調整手段を調整することにより流体噴射弁の噴射量を調整する。このため、切替バルブおよび切替手段の切替作動により、例えば流体噴射弁の脱着時には、ダミー供給手段に流体を圧送してダミー噴射弁から一定流量の流体を噴射させることにより、流体噴射弁あるいはダミー噴射弁のいずれか一方に常に流体を噴射させることが可能である。したがって、例えば流体供給手段にこの流体供給手段内を通る流体の流量を計測する流量計測器を設け、この流量計測器からの信号に応じて流量調整手段を調整することにより、容易にかつ精密に流量を調整することができ、流量調整時間を低減することができる。
【0008】
本発明の請求項2記載の流体噴射弁の流量調整装置によると、一定周期のパルスを発生可能な駆動パルス発生手段により流体噴射弁あるいはダミー噴射弁を作動させ、流体噴射弁あるいはダミー噴射弁から流体を噴射させる。したがって、使用条件に見合った作動を流体噴射弁が行うように、駆動パルス発生手段により流体噴射弁の電磁コイルに励磁電流を流すことで、容易にかつ精密に流量を調整することができ、流量調整時間をさらに低減することができる。
【0009】
本発明の請求項3記載の流量調整方法によると、流体噴射弁に流体を供給する流体供給手段に流体を圧送し、この流体供給手段から分岐し、流体噴射弁のマスタモデルと同等の性能を有するダミー噴射弁に流体を供給するダミー供給手段に流体を圧送し、ダミー噴射弁から一定流量の流体を噴射させ、ダミー噴射弁から一定流量の流体を噴射させる替りに流体噴射弁の噴孔から流体を噴射させ、流体供給手段内を通過する流体の流量に応じて噴射量調整手段を調整することにより流体噴射弁の噴射量を調整する。このため、例えば流体噴射弁の脱着時には、ダミー供給手段に流体を圧送してダミー噴射弁から一定流量の流体を噴射させることにより、流体噴射弁あるいはダミー噴射弁のいずれか一方に常に流体を噴射させることが可能である。したがって、例えば流体供給手段にこの流体供給手段内を通る流体の流量を計測する流量計測器を設け、この流量計測器からの信号に応じて噴射量調整手段を調整することにより、容易にかつ精密に流量を調整することができ、流量調整時間を低減することができる。
【0010】
本発明の請求項4記載の流量調整方法によると、ダミー噴射弁から一定流量の流体を噴射させる工程において、噴孔から流体を噴射させずに流体噴射弁と流体供給手段との接続部からの流体漏れを確認する。このため、流量噴射弁と流体供給手段との接続部から流体が漏れるのを確認することができる。したがって、流体供給手段内を通る流体の流量、すなわち流量噴射弁の噴射量をさらに正確に計測することができるので、流量噴射弁の流量をさらに精密に調整することができる。
【0011】
本発明の請求項5記載の流量調整方法によると、ダミー噴射弁から一定流量の試験油を噴射させる工程において、ダミー噴射弁から一定流量の試験油を噴射させながら燃料噴射弁の噴孔から試験油を噴射させ、流体供給手段および燃料噴射弁内の空気を除去する。このため、例えば流体供給手段にこの流体供給手段内を通る試験油の流量を計測する流量計測器を設け、この流量計測器からの信号に応じて噴射量調整手段を調整しても、流体供給手段および燃料噴射弁内に混入した空気を排出することにより、流量計測器の計測限界異常を防止することができる。したがって、流量計測時間を低減し、流量調整時間をさらに低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
本発明をガソリンエンジン用燃料供給装置の燃料噴射弁に適用した一実施例を図1〜図6に示す。
図2に示すように、流体噴射弁としての燃料噴射弁10は、ハウジング11の一端が強磁性材料からなる固定コア12とコネクタ41により樹脂モールドされており、他端が弁ボディ13とレーザ溶接されている。ハウジング11と弁ボディ13との間にスペーサ14が挟持されている。スペーサ14の厚みは固定コア12と可動コア30とのエアギャップを所定値にするように調節されている。
【0013】
弁部材としてのニードル弁20は弁ボディ13に往復移動可能に支持されている。ニードル弁20の先端に形成した円錐面を有する当接部20aは、弁ボディ13の内周壁13cに形成した弁座13aに着座可能である。当接部20aが弁座13aに着座することにより噴孔13bが閉塞される。ニードル弁20の他端に形成された接合部21は可動コア30とレーザ溶接されており、ニードル弁20と可動コア30とが一体に連結されている。接合部21の外周には可動コア30の内周壁との間に燃料通路を形成するように二箇所面取り部21aが設けられている。ニードル弁20は、第1摺動部22および第2摺動部23において弁ボディ13の内周壁13cに往復移動可能に支持されている。第1摺動部22と第2摺動部23との間に両摺動部よりも小径の小径部24が形成されており、小径部24と内周壁13cとの間に燃料が通過する間隙35が形成されている。第1摺動部22および第2摺動部23は外周壁に四箇所面取りが形成されており、この面取りと内周壁13cとの間を燃料が通過する。
【0014】
可動コア30は、固定コア12と軸方向に対向し、固定コア12の下端面と所定の隙間を形成するように配設されている。スプリング31は、ニードル弁20および可動コア30を図2の下方、つまり当接部20aが弁座13aに着座する方向に付勢している。
【0015】
アジャスティングパイプ32は固定コア12の内周に圧入されている。組付け後にアジャスティングパイプ32の圧入位置を調整することによりスプリング31の付勢力を調整可能である。アジャスティングパイプ32とスプリング31とは噴射量調整手段を構成している。フィルタ33はアジャスティングパイプ32の上流側に配設されており、燃料タンクから燃料ポンプ等によって圧送され、燃料噴射弁10の内部に流入する燃料中のゴミ等の異物を除去する。
【0016】
電磁コイル40は樹脂製のスプール41の外周に巻回されており、スプール41は固定コア12の外周に配設されている。図示しない電子制御装置によってコネクタ42にインサート成形されているターミナル43から図示しないリード線を介して電磁コイル40に励磁電流が流れると、ニードル弁20および可動コア30がスプリング31の付勢力に抗して固定コア12の方向へ吸引され、当接部20aが弁座13aから離座する。当接部20aが弁座13aから離座すると、燃料フィルタ33、アジャスティングパイプ32の内周、面取り部21aと可動コア30との隙間、第2摺動部23と内周壁13cとの隙間、間隙35、第1摺動部22と内周壁13cとの隙間、当接部20aと弁座13aとの開口部を経て噴孔13bから燃料が噴射される。
【0017】
電磁コイル40への通電がオフの状態においては、図2に示すように、ニードル弁20および可動コア30はスプリング31の付勢力により図2の下方に付勢され、当接部20aが弁座13aに着座する。これにより、噴孔13bからの燃料噴射が遮断される。
【0018】
次に、上記の構成の燃料噴射弁10の流量調整装置のシステム構成について、図1を用いて説明する。
流量調整装置100は、ポンプ50と、流体供給手段51と、流量計測手段52と、圧力計測手段53と、第1切替バルブ54と、圧入手段55と、演算手段61と、ダミー噴射弁62と、ダミー供給手段63と、バイパス供給手段65と、第2切替バルブ64と、駆動パルス発生手段70と、第1切替手段71と、開弁信号発生手段80と、第2切替手段81とから構成される。図1において、燃料噴射弁10は図2に示すフィルタ33が取外されている。
【0019】
流体供給手段51は、ポンプ50から圧送される流体としての試験油を燃料噴射弁10に供給するための通路を有する流体供給手段であり、ポンプ50から燃料噴射弁10の供給口となるアジャスティングパイプ32の上端部32aまで延びている。
【0020】
流量計測手段52は、流体供給手段51とバイパス供給手段65との分岐点65aと、流体供給手段51とダミー供給手段63との分岐点63aとの間の流体供給手段51に設けられ、流体供給手段51内を通過した試験油の流量を計測してパルス信号として発信するものであって、ギヤポンプ式(体積式)流量計である。流量計測手段52は、試験油の流量を正確に計測できるように、流量計測手段52の出入口の圧力差を検出し、補正可能な構成となっている。
【0021】
圧力計測手段53は、流体供給手段51とバイパス供給手段65との合流点65bと、アジャスティングパイプ32の上端部32aとの間の流体供給手段51に設けられ、流量計測手段52による流量計測前後の流体供給手段51内の試験油の圧力の変動を確認するためのものである。
【0022】
第1切替バルブ54は、分岐点63aと合流点65bとの間の流体供給手段51に設けられ、分岐点63a通過後の試験油を燃料噴射弁10に供給可能にするためのものである。第1切替バルブ54の切替により、ポンプ6から圧送された試験油をダミー供給手段63のみに供給するか、あるいは燃料噴射弁10とダミー供給手段63との両方に供給するかのいずれかを選択することが可能である。
【0023】
圧入手段55は、アジャスティングパイプ32を固定コア12内に圧入するための圧入手段であり、モータ56と、ギヤ57および58と、ナット59と、ねじ60とから構成される。モータ56は、モータ56の回転力をねじ60に伝達するためのものであり、演算手段61に電気的に接続されている。ギヤ57および58は、モータ56からの回転力をねじ60に伝達するためのギアである。ギヤ57はモータ56の駆動力出力軸に固着されており、ギヤ58はねじ60に固着されている。ナット59は、図示しない固定部材により固定されているので、ねじ60を図1に示す矢印Z方向に移動可能にしている。ねじ60を矢印Z方向に移動することにより、アジャスティングパイプ32の圧入位置が調整され、スプリング31の付勢力が調整されて燃料噴射弁10の噴射量が調整される。
【0024】
演算手段61は、流量計測手段52からのパルス信号を入力し、ある一定時間におけるパルス数をカウントして演算後、モータ56に回転命令を与える演算手段である。
【0025】
ダミー噴射弁62は、燃料噴射弁10のマスタモデルと同等の性能を有するダミー噴射弁であり、燃料噴射弁10と同一構成である。ダミー噴射弁62においては、噴射量の調整がすでに完了している。
【0026】
ダミー供給手段63は、流量計測手段52と第1切替バルブ54との間の分岐点63aで流体供給手段51から分岐しており、ポンプ6から圧送された試験油をダミー噴射弁62に供給するための通路を有する供給手段である。
【0027】
バイパス供給手段65は、ポンプ50と流量計測手段52との間の分岐点65aで流体供給手段51から分岐しており、第1切替バルブ54と圧力計測手段53との間の合流点65bで流体供給手段51に合流している。バイパス供給手段65は、流量計測手段52、ダミー供給手段63および第1切替バルブ54を迂回してポンプ6から圧送された試験油を燃料噴射弁10に供給可能するためのバイパス通路を有する供給手段である。
【0028】
第2切替バルブ64は、バイパス供給手段65の途中に設けられており、その切替によりバイパス供給手段65を通過する試験油のバイパス回路を形成するためのものである。
【0029】
駆動パルス発生手段70は、使用条件に見合った、すなわち車載時と同等の作動を燃料噴射弁10が行うように、電磁コイル40に励磁電流を流すための駆動パルスを発生する駆動パルス発生手段である。また駆動パルス発生手段70は、第1切替手段71の切替により、ダミー噴射弁62の図示しない電磁コイルに励磁電流を流すことが可能である。
【0030】
第1切替手段71は、駆動パルス発生手段70と第2切替手段81との間に設けられており、駆動パルス発生手段70が発生する駆動パルスを燃料噴射弁10とダミー噴射弁62とのいずれか一方を選択して供給することが可能である。図1に示すように、燃料噴射弁10側の端子71aが接続されると、駆動パルスを燃料噴射弁10に供給することが可能であり、また、ダミー噴射弁62側の端子71bが接続されると、駆動パルスをダミー噴射弁62に供給することが可能である。
開弁信号発生手段80は、燃料噴射弁10が開弁状態となるように、電磁コイル40に励磁電流を流すための開弁信号を発生する開弁信号発生手段である。
【0031】
第2切替手段81は、第1切替手段71と電磁コイル40との間に設けられており、駆動パルス発生手段70が発生する駆動パルスと、開弁信号発生手段80が発生する開弁信号とのいずれか一方を選択して電磁コイル40に励磁電流を流すことが可能である。図1に示すように、駆動パルス発生手段70端子81aが接続されると、駆動パルスを燃料噴射弁10に供給することが可能であり、また、開弁信号発生手段80側の端子81bが接続されると、開弁信号を燃料噴射弁10に供給することが可能である。
【0032】
次に、上記の構成の流量調整装置100の作動について、図1、図3および図4を用いて説明する。
(1) 図4のステップS1において、図3に示すように、第1切替バルブ54および第2切替バルブ64の切替えにより、ダミー噴射弁62に試験油を供給するため、ポンプ50から流体供給手段51に圧送される試験油をダミー供給手段63に圧送する。第1切替手段71のダミー噴射弁62側の端子71bを接続して駆動パルス発生手段70の駆動パルスをダミー噴射弁62に供給し、ダミー噴射弁62の電磁コイルに励磁電流を流してダミー噴射弁62の図示しないニードル弁に往復運動を与える。そして、図4のステップS2において、ダミー噴射弁62の噴射量が一定の流量範囲にあることを確認する。
【0033】
(2) 図4のステップS3において、図1に示すように、燃料噴射弁10を設置する。そして、図4のステップS4において、第1切替バルブ54を切替え、ダミー噴射弁62の電磁コイルに励磁電流を流しながら圧力計測手段53により試験油の圧力チェックを行う。
【0034】
(3) 図4のステップS5において、流体供給手段51とアジャスティングパイプ32の上端部32aとの接続部の試験油の漏れチェックを行う。このとき、上記の接続部から試験油が漏れていなければ、ダミー噴射弁62は燃料噴射弁10のマスタモデルと同等の性能を有しているので、流量計測手段52の流量測定値は目標調整流量域内となる。このため、試験油が燃料噴射弁10側に供給されるように第1切替バルブ54を切替えても、流量計測手段52の限界流量測定域を超えることなく、つまり測定異常なく円滑な段取りが可能となる。また、流体供給手段51とアジャスティングパイプ32の上端部32aとの接続部から試験油が漏れている場合、流量計測手段52により流量測定値が目標調整流量域から外れていることを認識することができ、ダミー噴射弁62を用いることにより漏れチェックとして測定異常を確認することができる。
【0035】
(4) 図4のステップS6において、流体供給手段51および燃料噴射弁10内の混入空気を除去するため、第2切替バルブ64を切替え、バイパス供給手段65内に試験油を通過させる。そして、第2切替手段の開弁信号発生手段80側の端子81bを接続し、開弁信号発生手段80が発生する開弁信号を燃料噴射弁10に供給して電磁コイル40に励磁電流を流し、燃料噴射弁10から試験油を一定時間噴射させる。一定時間経過後、バイパス供給手段65を介して供給した試験油により流体供給手段51および燃料噴射弁10内に混入した空気を排出することができる。上記の一連の動作を静的フラッシングと称する。バイパス供給手段65を用い、流量計測手段52を迂回して静的フラッシングを行うことにより、空気排出による流量の変動差が大きくなることはなく、流量計測手段52の測定能力を超える、いわゆる計測限界異常を防止することができる。
【0036】
(5) 第2切替バルブ64を再度切替え、バイパス供給手段65を閉じる。そして、第1切替バルブ54を切換え、試験油が流体供給手段51内を通過して燃料噴射弁10に供給されるようにする。このとき、第1切替手段71の燃料噴射弁10側の端子71aを接続し、さらに第2切替手段81の駆動パルス発生手段70側の端子81aを接続して電磁コイル40に励磁電流を流し、ニードル弁20に往復運動を与える。上記の一連の動作を動的フラッシングと称する。動的フラッシングを行うことにより、流量計測の安定化を図ることができる。
【0037】
(6) 図4のステップS7において、連続的な流量調整を行う。この調整方法をさらに図5および図6を用いて説明する。
(6-1) 図5のステップS71において、フラッシング直後の噴射の安定、つまり流量計測手段52の安定を図るため一定時間待機する。
(6-2) 図5のステップS72において、モータ56を定速回転駆動させ、ねじ60を図1に示す矢印Z方向に移動させてアジャスティングパイプ32を押圧する。
【0038】
(6-3) 図5のステップS73において、図6に示す規定流量1に到達したとき、演算手段61によりモータ56に減速信号を与え、モータ56の駆動速度を減速させながら、ねじ60によりアジャスティングパイプ32を押圧する。
(6-4) 図5のステップS74において、図6に示す規定流量2に到達したとき、図5のステップS75において、モータ56に停止信号を与えてモータ56の駆動を停止させ、ねじ60の移動およびアジャスティングパイプ32の押圧を停止させる。
【0039】
以上が連続的な流量調整方法の流れである。本実施例においては、演算手段61により流量計測手段52からのパルス信号を入力し、そのパルス信号のパルス巾である時間を計測することで流量として計測確認し、流量計測しながらモータ56に回転指令を与え、圧入手段55によりアジャスティングパイプ32を押圧する一連の動作を連続的に並行して行っている。なお、上記の連続的な流量調整方法において、規定流量1および規定流量2は実験等により求められたものである。
【0040】
(7) 図4のステップS8において、目標調整流量に到達したかどうかの判定を行い、目標調整流量の上限に未到達であれば図4のステップS9において、連続的な流量調整による微調整を行う。また、図4のステップS10において、目標調整流量域内に到達していれば燃料噴射弁10を脱着し、次の未調整の燃料噴射弁と交換する。なお、目標調整流量の下限を越えた燃料噴射弁に関しては不良品として排除する。
【0041】
次に、図1に示す本実施例から第1切替バルブ54、ダミー噴射弁62、ダミー供給手段63、バイパス供給手段65、第2切替バルブ64、第1切替手段71、開弁信号発生手段80および第2切替手段81を取除いた構成の比較例を図7を用いて説明する。図7に示す比較例では、図1に示す第1実施例と同一構成部分に同一符号を付す。
【0042】
図7に示すように、流量調整装置200は、ポンプ50と、流体供給手段51と、流量計測手段52と、圧力計測手段53と、圧入手段55と、演算手段61と、駆動パルス発生手段70とから構成される。
【0043】
比較例においては、燃料噴射弁10の脱着時のように、流体供給手段51を開閉することによる流量の変動差が大きい場合、流量計測手段52の計測能力を超える恐れがある。流量計測手段52の計測能力を超えると流量計測手段52が計測限界異常となり、流量計測手段52が復帰するまでに時間がかかるため、流量計測に時間がかかり、流量を調整するのに長時間を要する。例えば、駆動パルス発生手段70からの駆動パルス信号を100Hz、2.5msの条件で燃料噴射弁10を駆動し試験油を噴射させ、燃料噴射弁10の流量調整を行った結果、27secの調整時間を要した。
【0044】
一方、本実施例においては、燃料噴射弁10の脱着時には、ダミー供給手段63に試験油を圧送してダミー噴射弁62から一定流量の試験油を噴射させることにより、燃料噴射弁10あるいはダミー噴射弁62のいずれか一方に常に試験油を噴射させることが可能である。したがって、流量計測手段52の計測限界異常を防止することができるので、流量計測時間を低減し、流量調整時間を低減することができる。例えば、駆動パルス発生手段70からの駆動パルス信号を100Hz、2.5msの条件で燃料噴射弁10を駆動し試験油噴射させ、燃料噴射弁10の流量調整を行った結果、13secで流量を調整することができた。すなわち、本実施例においては、比較例の2倍以上の短時間で燃料噴射弁10の流量調整を行うことができる。
【0045】
また比較例においては、流体供給手段51とアジャスティングパイプ32の上端部32aとの接続部から試験油が漏れているのを見過ごす恐れがある。上記の接続部から試験油が漏れている場合、流体供給手段51内を通る試験油の流量を正確に計測することができなくなり、燃料噴射弁10の噴射量を精密に調整することができない。
【0046】
一方、本実施例においては、漏れチェックを行うことにより、流体供給手段51とアジャスティングパイプ32の上端部32aとの接続部から試験油が漏れるのを確認することができる。したがって、流体供給手段51内を通過する試験油の流量を正確に計測することができるので、燃料噴射弁10の噴射量を精密に調整することができる。
【0047】
さらに、本実施例においては、静的フラッシングを行うことにより、流体供給手段51および燃料噴射弁10内に混入した空気を排出することにより、流量計測手段52の計測限界異常を防止することができる。したがって、流量調整時間をさらに低減することができる。
【0048】
さらにまた、本実施例においては、一定周期のパルスを発生可能な駆動パルス発生手段70により燃料噴射弁10あるいはダミー噴射弁62を作動させ、燃料噴射弁10あるいはダミー噴射弁62から試験油を噴射させる。したがって、使用条件に見合った作動を燃料噴射弁10が行うように、駆動パルス発生手段70により電磁コイル40に励磁電流を流すことで、容易にかつ精密に流量を調整することができ、流量調整時間をさらに低減することができる。
【0049】
本実施例では、電磁式の燃料噴射弁10の噴射量調整に本発明を適用したが、本発明では、機械式あるいは磁力式の噴射弁の噴射量調整に適用してもよい。
本実施例では、圧入手段55にねじ60を用いているが、本発明では、ラックピニオン、油圧サーボあるいはリニヤモータ等を圧入手段に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による燃料噴射弁の流量調整装置を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例の燃料噴射弁を示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例による燃料噴射弁の流量調整方法を説明するための模式図である。
【図4】本発明の一実施例による燃料噴射弁の流量調整方法を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明の一実施例による燃料噴射弁の流量調整方法を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の一実施例による燃料噴射弁の流量調整方法を説明するためのタイム図である。
【図7】比較例による燃料噴射弁の流量調整装置を示す模式図である。
【符号の説明】
10 燃料噴射弁(流体噴射弁)
13 弁ボディ
13a 弁座
13b 噴孔
20 ニードル弁(弁部材)
20a 当接部
31 スプリング(噴射量調整手段)
32 アジャスティングパイプ(噴射量調整手段)
40 電磁コイル
51 流体供給手段
52 流量計測手段
54 第1切替バルブ
55 圧入手段
62 ダミー噴射弁
63 ダミー供給手段
64 第2切替バルブ
65 バイパス供給手段
70 駆動パルス発生手段
71 第1切替手段
80 開弁信号発生手段
81 第2切替手段

Claims (5)

  1. 噴孔の流体上流側に弁座を設けた弁ボディと、前記弁ボディに往復移動可能に支持され、前記弁座に着座可能な当接部を有し、前記当接部が前記弁座から離座ならびに前記弁座に着座することにより前記噴孔から流体を噴射または遮断する弁部材と、前記噴孔から噴射される流体の噴射量を調整可能な噴射量調整手段とを備えた電磁式の流体噴射弁の流量を調整する装置であって、
    前記流体噴射弁に流体を供給する流体供給手段と、
    前記流体噴射弁のマスタモデルと同等の性能を有するダミー噴射弁と、
    前記流体供給手段から分岐し、前記ダミー噴射弁に流体を供給するダミー供給手段と、
    前記流体供給手段と前記ダミー供給手段との分岐点と前記流体噴射弁との間の前記流体供給手段に設置され、前記流体噴射弁の脱着時に前記流体供給手段を閉じ、前記流体供給手段に前記流体噴射弁を設置した噴射量調整時に前記流体供給手段を開く切替バルブと、
    前記流体噴射弁の脱着時に前記ダミー噴射弁に励磁電流を供給し、前記流体供給手段に前記流体噴射弁を設置した噴射量調整時に前記流体噴射弁に励磁電流を供給する切替手段と、
    を備え、
    前記噴孔から流体を噴射させ、前記流体供給手段内を通過する流体の流量に応じて前記噴射量調整手段を調整することにより前記流体噴射弁の噴射量を調整することを特徴とする流体噴射弁の流量調整装置。
  2. 定周期のパルスを発生可能な駆動パルス発生手段を備え、前記駆動パルス発生手段により前記流体噴射弁あるいは前記ダミー噴射弁を作動させ、前記流体噴射弁あるいは前記ダミー噴射弁から流体を噴射させることを特徴とする請求項1記載の流体噴射弁の流量調整装置。
  3. 請求項1または2記載の流体噴射弁の流量調整装置を用いた流量調整方法であって、
    前記流体供給手段に流体を圧送する工程と、
    前記ダミー供給手段に流体を圧送する工程と、
    前記ダミー噴射弁から一定流量の流体を噴射させる工程と、
    前記ダミー噴射弁から一定流量の流体を噴射させずに前記噴孔から流体を噴射させ、前記流体供給手段内を通過する流体の流量に応じて前記噴射量調整手段を調整することにより前記流体噴射弁の噴射量を調整する工程と、
    を含むことを特徴とする流量調整方法。
  4. 前記ダミー噴射弁から一定流量の流体を噴射させる工程において、前記噴孔から流体を噴射させずに前記流体噴射弁と前記流体供給手段との接続部からの流体漏れを確認する工程を含むことを特徴とする請求項3記載の流量調整方法。
  5. 前記流体噴射弁は燃料噴射弁であり、前記ダミー噴射弁から一定流量の試験油を噴射させる工程において、前記噴孔から試験油を噴射させ、前記流体供給手段および前記燃料噴射弁内の空気を除去する工程を含むことを特徴とする請求項3記載の流量調整方法。
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