JP3843891B2 - 多値変調装置と多値復調装置と多値変復調通信システムおよびその変復調プログラムならびに変復調方法 - Google Patents

多値変調装置と多値復調装置と多値変復調通信システムおよびその変復調プログラムならびに変復調方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,多値変復調技術に関し,特に,送信データを複数の変調シンボルに割り当てる多値変調装置および多値復調装置と,多値変復調通信システムおよび多値変復調プログラムならびに多値変調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多値変調技術は従来より,特にデジタルマイクロ波通信等で用いられ,4QAM,16QAM,32QAM,64QAM,128QAM,256QAM等の,2QAM方式(nは自然数)が多く用いられている。従来は一般に回路の簡便さからこれら変調方式が採用されているが,近年は周波数の有効利用,送信電力の有効利用に対する要求が強くなりつつある。すなわち,デジタルマイクロ波通信回線として確保する周波数帯域を極力狭く抑えつつ,必要とされるデータ伝送容量を無駄なく確保することが求められている。これは,例えば16QAM方式では要求されるデータ伝送容量を実現することはできないために,32QAM方式を採用することとしたものの,32QAM方式ではデータ伝送容量の余裕が大きく,周波数帯域を無駄に占有する,といった状況を改善したいという要求である。
【0003】
このような要請に応えるものとして,例えば,特開平04−196945号公報の「多値変復調通信方法及びそのシステム」に開示される技術がある。これによれば,一つの入力データを2または2以上の数の変調シンボルに割当てる,一般的な構成が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,この先例では一般的な構成を示したのみで,入力信号列を複数の変調シンボルに割り当てる場合の具体的な構成法は開示されていなかった。従って,例えば多値数を2(p+0.25)程度(pは任意の正の整数)にとりたいような場合,どのようにすれば具体的に構成できるかについては示されておらず,多値数を自由に設定するQAM変調方式を実施する上では困難があった。
また,上記特開平04−196945号公報には,一般的な構成が示されているだけであり,入力信号列を複数の変調シンボルに割り当てる場合の具体的な構成は,記載されていない。すなわち,上記特開平04−196945号公報には,入力信号列をn個の位相面(変調シンボル)に割り当てる場合の具体的な構成法を示しているわけではない。すなわち,例えば,多値数を,2(p+q/n)程度(ただし,p,nは任意の正の整数,qは0<q<nの整数)にとりたいような場合,どのようにすれば,具体的に構成できるかについては示されていない。
【0005】
そこで,本発明の第1の目的は,上記従来技術の欠点を解決し,より柔軟に変調周波数を設定することのできる多値変復調装置と多値変復調通信システムおよびその変復調プログラムならびに変復調方法を提供することである。
【0006】
また,本発明の第2の目的は,上記従来技術の欠点を解決し,周波数の有効利用を図るとともに,2QAM方式に比べて少ない所要の信号対雑音比で2(n−0.75)QAMが実現できる多値変復調装置と多値変復調通信システムおよびその変復調プログラムならびに変復調方法を提供することである。
また本発明のさらに他の目的は,周波数の有効利用を図るとともに,2QAM方式に比べて,少ない所要の信号対雑音比で,2(p+q/n)QAM(ただし,p,nは任意の正の整数,qは0<q<nの整数)を実現することができる多値変調方法,装置ならびにプログラムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の多値変調装置は,4p+1列の入力データ信号を4つのp+1列の信号に変換して,それぞれを独立の位相平面上に割当て,この4つの位相平面を一組として時分割多重し,多値変調して送出する。このとき,一組を成す4つの位相平面上の座標点の割当てに所定の関係を持たせることで,ひとつの変調シンボルに対してp+0.25ビットが割り当てられる構成を実現する。
周波数の有効利用を図るとともに,2QAM方式に比べて,少ない所要の信号対雑音比で,2(p+q/n)QAMを実現するという課題を解決する本発明は,nを2以上の整数,mを2以上の整数,pを任意の自然数,qを0<q<nである任意の自然数,Mを必ずしも2の自然数乗としない整数で,2(p+q/n)を超えるほぼ等しい整数として,n個の位相面に対して,2(np+q)の二値信号を割り当てる多値変調方法であって,
Mを第1の位相面の信号点数として,Mをm種類に分割し,M11,M12,M13,…,M1mとして,各々の総和がM,すなわち
M=M11+M12+M13+…+M1m
を満たす整数とし,第1の位相面は,それぞれ位相面信号点数がM11,M12,M13,…,M1mのm個に分割され,
iを2,3,…nとして,第iの位相面において,前記第1の位相面の信号点数を分割した値であるM11,M12,M13,…M1mの各々に対応する(n−1)個の位相面信号点数として,Mij(i=2,3,…n,j=1,2,3,…m)を割り当て,
ij(i=1,2,3,…n,j=1,2,3,…m)は,Mを超えない整数とし,
N=M11×M21×M31×・・・×Mn1
+M12×M22×M32×・・・×Mn2
+M13×M23×M33×・・・×Mn3
+・・・
+M1m×M2m×M3m×・・・×Mnm
=2(np+q)を満たしている。
あるいは,N≧2(np+q)であってもよい。
その結果,n個の位相面で,合計,2(np+q)値の信号を伝送しており,一つの位相面では,平均して,2(p+q/n)値の信号を伝送している。1つの変調シンボルには,等価的に(p+q/n)ビットが割り当てられる
【0008】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
本発明では,pを3以上の整数として,4p+1列の入力信号を4つの変調シンボルに割り当てる多値変調方式において,第1の変調シンボルにおいては(5/4)×2個の信号点を用い,第1の変調シンボルが予め定めた1から4×2(p−3)の信号点をとる場合には,第2,第3,第4の変調シンボルとしてそれぞれ入力信号に対応して予め定めた(5/4)×2個の信号点を用い,第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の信号点をとる場合には,第2,第3,第4の変調シンボルとしてそれぞれ入力信号に対応して予め定めた(5/4)×2個,(5/4)×2個,2個の信号点を用い,第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の信号点をとる場合には,第2,第3,第4の変調シンボルとしてそれぞれ入力信号に対応して予め定めた(5/4)×2個,2個,2個の信号点を用い,第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の信号点をとる場合には,第2,第3,第4の変調シンボルとしてそれぞれ入力信号に対応して予め定めた2個の信号点を用いることを特徴としている。本発明の変調方式は,pを3以上の整数としたとき,次の式が成り立つことに基づいている。
(4p+1)={(5/4)×2}×{(5/4)×2}×{(5/4)×2}×{4×2(p−3)}+{(5/4)×2}×{(5/4)×2}×{2}×{3×2(p−3)}+{(5/4)×2}×{2}×{2}×{2×2(p−3)}+{2}×{2}×{2}×{1×2(p−3)} … 式(1)
この式(1)の右辺第1項は,第1信号の(5/4)×2QAMのうちの4×2(p−3)回は,第2,第3,第4の信号で各々(5/4)×2QAM,(5/4)×2QAM,(5/4)×2QAMを意味し,第2項は,3×2(p−3)回は第2,第3,第4の信号で各々(5/4)×2QAM,(5/4)×2QAM,2QAMを意味し,第3項は,2×2(p−3)回は第2,第3,第4の信号で各々(5/4)×2QAM, 2QAM,2QAMを意味し,第4項は1×2(p−3)回は第2,第3,第4の信号で各々2QAM,2QAM,2QAMを実行する事を意味している。いうまでもなく第1信号の総数は,(5/4)×2となっている。すなわち,ひとつの変調シンボルに対して,p+0.25ビットが割り当てられる動作を実行する。このことから本発明によれば,QAM方式において,多値数を約2(n+0.25)にすることが可能となる。
【0010】
図1は,本発明の第1の実施の形態による多値変調装置100の構成を示すブロック図である。図1を参照すると,本実施の形態の多値変調装置100は,入力端子1と,データ列数変換回路2と,第1のデータ変換回路3と,第2のデータ変換回路4と,並列直列変換回路5と,多値変調器6と,出力端子7とを備えている。
【0011】
第1のデータ変換回路3,および第2のデータ変換回路4は,データ列数変換回路2の出力する4p+1列の入力データ信号21を変換する。第1のデータ変換回路3は入力データ信号21の値に応じて(5/4)×2種の値を示すp+1列の信号を出力する。第2のデータ変換回路4は,第1のデータ変換回路3の出力信号を受け,入力データ信号21の値を参照して4つのp+1列の信号131ないし134を出力する。ここで,第1のデータ変換回路3が,1から4×2(p−3)の値を出力する場合には,これを第1の出力信号とするとともに,第2,第3,第4の出力信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種の値を示す信号を出力し,第1のデータ変換回路3が,1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の値をとる場合には,これを第1の出力信号とするとともに,第2,第3,第4の出力信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,(5/4)×2種,2種の値を示す信号を出力し,第1のデータ変換回路が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の値をとる場合には,これを第1の出力信号とするとともに,第2,第3,第4の出力信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,2種,2種の値を示す信号を出力し,第1のデータ変換回路が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の値をとる場合には,これを第1の出力信号とするとともに,第2,第3,第4の出力信号としてそれぞれ予め定めた2種の値を示す信号を出力する。
【0012】
並列直列変換回路5は,第2のデータ変換回路4の出力信号131,132,133,134を入力して時分割多重化し,p+1列の多重化信号51を出力する。多値変調器6は,多重化信号51を多値変調し,出力端子7へ出力する。
【0013】
図2は,本発明の第1の実施の形態による多値復調装置200の構成を示すブロック図である。図2を参照すると,本実施の形態の多値復調装置200は,入力端子11と,多値復調器12と,直列並列変換回路13と,データ逆変換回路14と,出力端子15とを備えている。
【0014】
多値復調器12は,入力端子11に入力された通信信号を復調し,p+1列の受信復調データ列信号121を出力する。直列並列変換回路13は,受信復調データ列信号121を時分割多重分離して,それぞれp+1列の,第1,第2,第3および第4の復調データ列信号131,132,133,134を出力する。データ逆変換回路14は,第1ないし第4の復調データ列信号131,132,133,134を入力し,4p+1列の復調データ信号141を出力する。ここでデータ逆変換回路14は,第1の復調データ列信号が1から4×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種の値を示す信号を受け,第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,(5/4)×2種,2種の値を示す信号を受け,第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,2種,2種の値を示す信号を受け,第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた2種の値を示す信号を受けて,第1,第2,第3,第4の復調データ列信号の示す値に基づき予め定めた復調データ値を生成し,この復調データ値を4p+1列の復調データ信号として出力する。
【0015】
次に,本実施の形態の多値変調装置100および多値復調装置200の動作について,図面を参照して説明する。
【0016】
図3は,本実施の形態の多値変調装置100内部の各部における,信号の変換を示すタイミングチャートである。図3の(1)は図1の入力データ信号21を示す。図3の横軸は時間軸であり,入力データ信号21は一定の時間毎に変化することを示している。図3の(2)A,(2)B,(2)Cおよび(2)Dは,それぞれ図1の第2のデータ変換回路4の出力する信号41,42,43および44を示している。図3の(3)は,図1の並列直列変換回路5の出力する多重化信号51を示す。図3(3)では,同図(2)A,(2)B,(2)Cおよび(2)Dの信号を時分割多重し,(2)Aの信号を(3)のA期間に,(2)Bの信号を(3)のB期間に,(2)Cの信号を(3)のC期間に,(2)Dの信号を(3)のD期間に,それぞれ出力している様子を示している。
【0017】
図4は,4p+1列の入力データ信号(2値信号)21の値(図4の「入力信号の番号」欄)と,出力端子7に出力される信号の値(図4の「変調シンボルの取り得る値」欄)の対応を,一例としてp=4(入力信号は17列:17ビット構成)の場合について示す。
【0018】
図4を参照すると,4つの変調シンボルのうち,第1の変調シンボルは1から20までの値をとる。そして,第1の変調シンボルの値が1から8までの間は,第2,第3,第4の変調シンボルはそれぞれ1から20までの値をとり,第1の変調シンボルが9から14までの間は,第2,第3,第4の変調シンボルはそれぞれ1から20,1から20,1から16までの値をとり,第1の変調シンボルが15から18までの間は,第2,第3,第4の変調シンボルはそれぞれ1から20,1から16,1から16までの値をとり,第1の変調シンボルが19から20までの間は,第2,第3,第4の変調シンボルはそれぞれ1から16までの値をとることとしている。
【0019】
このとき,4つの変調シンボルによって表現できる信号の種類は,次の式(2)に示すとおりとなる。
【0020】
8×20×20×20+6×20×20×16+4×20×16×16+2×16×16×16=131072(=217) …(2)
ここで,第1項の8×20×20×20の8は,第1の変調シンボルが1から8までの値をとることを示しており,20×20×20は,第1のシンボルの値の1から8までのそれぞれに対して,第2,第3,第4の変調シンボルがそれぞれ1から20までの値をとることを示している。また,第2項の6×20×20×16の6は,第1の変調シンボルが9から14までの値をとることを示しており,20×20×16は,第1の変調シンボルの9から14までのそれぞれに対して,第2,第3,第4の変調シンボルがそれぞれ1から20,1から20,1から16の値をとることを示している。第3項の4×20×16×16の4は,第1の変調シンボルが15から18までの値をとることを示しており,20×16×16は,第1の変調シンボルの15から18までのそれぞれに対して,第2,第3,第4の変調シンボルがそれぞれ1から20,1から16,1から16の値をとることを示している。第4項の2×16×16×16の2は,第1の変調シンボルが19から20までの値をとることを示しており,16×16×16は,第1の変調シンボルの19から20までのそれぞれに対して,第2,第3,第4の変調シンボルがそれぞれ1から16の値をとることを示している。
【0021】
このように,入力データ信号と第1,第2,第3,第4の変調シンボルの値の対応は一義的に定めることができるので,第1,第2のデータ変換回路は,ROM(Read Only Memory)デバイスなどに所定のデータテーブルを格納するなどの構成を採用することにより,実現することができる。なお,本発明は3以上の整数pに対して有効であり,図4の表記をもって,本発明がp=4の場合に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0022】
図5は,多値変調器6の出力する変調信号の第1,第2,第3,第4の変調シンボルを,位相平面上のいわゆるコンスタレーションとして表現した信号図である。図5では,式(2)の左辺第1項から4項において,第1シンボル,第2シンボル,第3シンボル,第4シンボルのとり得る座標点を黒点にて示している。すなわち,図5の「第一シンボルの8点」は,左から順に,式(2)の左辺第1項における第1シンボル,第2シンボル,第3シンボル,第4シンボルのとり得る座標点を黒点にて示している。同様に,「第一シンボルの6点」は,左から順に,式(2)の左辺第2項における第1シンボル,第2シンボル,第3シンボル,第4シンボルのとり得る座標点を黒点にて示し,「第一シンボルの4点」は,左から順に,式(2)の左辺第3項における第1シンボル,第2シンボル,第3シンボル,第4シンボルのとり得る座標点を黒点にて示し,「第一シンボルの2点」は,左から順に,式(2)の左辺第4項における第1シンボル,第2シンボル,第3シンボル,第4シンボルのとり得る座標点を黒点にて示す。
[本発明の他の実施の形態]
本発明では,3以上の整数pにおいて実施可能な,一般的な形で構成法を示している。この応用例としてp=3〜7の場合,すなわち,10QAM,20QAM,40QAM,80QAM,160QAMについて,具体例を図6に示す。
【0023】
図6は,第1,第2,第3および第4の変調シンボルの,多値数およびそれらの繰り返し数を示している。例えば,150[Mbps]の伝送レートで通信したいが,周波数帯域が36[Msymbol/sec]相当しかない場合には,32QAMでは30.0[Msymbol/sec]となるために帯域の余りが大きくなるが,16QAMでは37.5[Msymbol/sec]しかとれないために,帯域が不足する。このような場合には,図6に示す20QAMを適用すれば,35.3[Msymbol/sec]の変調速度が確保できるので,帯域の利用効率よく伝送することが可能となる。
【0024】
また,このとき,符号誤り率で10のマイナス6乗を実現するために,従来の32QAMでは所要C/Nとして23.9[dB]を必要となるが,本発明による20QAMを用いた場合の所要C/Nは22.1[dB]となるので,1.8[dB]だけ送信電力を小さくしても,同一の品質で伝送でき,有利である。したがって,電力をより有効に利用することができる。
【0025】
さらに別の実施の形態として,本発明の多値変復調装置に制御手段を持たせ,多値変調装置,および多値復調装置におけるデータ変換テーブルをRAM(Random Access Memory)デバイスなどにより構成し,RAMに格納するデータ変換テーブルを制御手段により変更可能に構成することができる。こうして変調装置と復調装置のデータ変換テーブルを相互に対応させて変更することで,送受信するデータの値と,通信信号(コンスタレーション上の座標点)の関係を任意に変更することができる。こうすることにより,送受信データの秘匿性を高め,通信システムの信頼性を向上することができる。
【0026】
図7の多値変調装置300は,図1の多値変調装置100に多値変調制御手段7を追加したものである。その他の部分は図1と共通であるため,図1と共通の符合を付してある。図7の多値変調制御手段8は,第1のデータ変換回路3と,第2のデータ変換回路4とを制御し,これらの有するデータ変換テーブル(不図示)を変更する。
【0027】
図8の多値復調装置400は,図2の多値復調装置200に多値復調制御手段16を追加したものである。その他の部分は図2と共通であるため,図2と共通の符合を付してある。図8の多値復調制御手段16は,データ逆変換回路14を制御し,これの有するデータ逆変換テーブル(不図示)を変更する。
【0028】
また,図7の第1のデータ変換回路3および第2のデータ変換回路4を多値変調制御手段8の入出力デバイスとして構成し,第1および第2のデータ変換回路3,4のデータ変換機能を,多値変調制御手段8を構成するコンピュータによって行うようにしてもよい。この場合には,多値変調制御手段8の制御プログラムにてデータ変換回路3,4を代替する処理を行うよう構成する。
【0029】
図9は,このように構成した場合に,多値変調制御手段8のコンピュータで実行すべきプログラムのフローチャートである。多値変調制御手段8は,S1にて入力データ信号21を入力する。続いてS2で,入力データ信号21の値に対応する第1の変換データを生成し,S3で第2,第3,第4の変換データを生成する。これらの変換データは,一例として示した図4を参照して構成することができる。S4では,第1,第2,第3,第4の変換データを順次並列直列変換回路6に出力させる。なお,図9はひとつの入力データを変換する処理を示すが,図3のタイミングチャートに示したように入力データ信号は順次供給されるので,それにしたがってこのフローチャートに示す処理を繰り返し実行させることによって,順次変調信号を送出するよう制御できることはいうまでもない。
【0030】
同様にして,図8のデータ逆変換回路14を多値復調制御手段16の入出力デバイスとして構成し,データ逆変換回路14のデータ逆変換機能を,多値復調制御手段16を構成するコンピュータにて行うようにしてもよい。この場合には,多値復調制御手段16の制御プログラムにて,データ逆変換回路14の機能を代替する処理を行うよう構成する。
【0031】
図10は,このように構成した場合に,多値復調制御手段16のコンピュータで実行すべきプログラムのフローチャートである。多値復調制御手段16は,S11にて第1の復調データを入力し,S12にて第2,第3,第4の復調データを入力する。続いてS13にて第1,第2,第3および第4の復調データに対応する復調データ値を生成する。この復調データ値は,一例として示した図4を参照し,逆変換テーブルを作成することによって構成することができる。S14では,復調データ値を4p+1列の復調データ信号として出力させる。なお,図10は一組の復調データを入力し逆変換する処理を示すが,復調データが順次供給されるにしたがってこのフローチャートに示す処理を繰り返し実行させることによって,順次復調データ信号を出力するよう制御できることはいうまでもない。
【0032】
上記実施例の説明で用いた図1,図7では,第1のデータ変換回路3,第2のデータ変換回路4を2つの回路ブロックで構成した例が示されているが,これらのデータ変換回路を1つの回路で構成してもよいことは勿論である。
【0033】
また,前記した実施例では,第2のデータ変換回路4はp+1列のデータを4本並列出力しているが,この発明は,かかる構成に限定されるものではなく,多重化して,伝送を行ってもよいことは勿論である。
【0034】
上記実施例において,変換回路は,例えば図4に示したような,入力信号と変換データ(変調シンボル)との対応関係にしたがって,第1乃至第4の変換データを出力する。すなわち,2(4p+1)種の値,例えば1〜2(4p+1)(ただし,図4の例ではp=4)番の値をとる入力信号を入力し,4つの変換データを出力する変換回路は,前記入力信号をその値により,互いに共通な要素を持たない,予め定められた4つのグループ(p=4の場合,図4の1〜6400,6401〜120400,120410〜122880,122881〜131072)の4つに区分している。
【0035】
入力信号の番号値が第1のグループ(p=4の場合,入力信号の番号が1〜6400)に属する場合,第1の変換データ(第1の変調シンボル)は,前記入力信号の値に応じて,1〜4×2(p−2)(p=4の場合,1〜8)の値をとり,第2,第3,第4の変換データ(変調シンボル)として,1〜(5/4)×2(p=4の場合,1〜20)までの値をとり,第1のグループに属する入力信号に対する第1乃至第4の変換データは,5×2(4p−7)(p=4の場合,64000)種の組合せをなしている。
【0036】
入力信号の番号が第2のグループ(p=4の場合,入力信号の番号が6401〜120400)に属する場合,第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)〜4×2(p−3)+3×2(p−3)の値(p=4の場合,9〜14)をとり,第2,第3,第4の変換データとして前記入力信号の値に応じてそれぞれ1〜(5/4)×2,1〜(5/4)×2(p=4の場合,20),1〜2(p=4の場合,16)の値をとり,第2のグループに属する前記入力信号に対する前記第1乃至第4の変換データは,3×5×2(4p−7)(p=4の場合,38400)種の組合せをなしている。
【0037】
入力信号の番号が第3のグループ(p=4の場合,入力信号の番号が120410〜122880)に属する場合,第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)+3×2(p−3)〜4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の値(p=4の場合,15〜18)をとり,第2,第3,第4の変調シンボルとして,1〜(5/4)×2,1〜2,1〜2の値をとり,第3のグループに属する前記入力信号に対する前記第1乃至第4の変換データは,5×2(4p−4)(p=4の場合,20480)種の組合せをなしている。
【0038】
入力信号の番号が第4のグループ(p=4の場合,122881〜131072)に属する場合,前記第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)+3×2 p−3)+2×2(p−3)〜4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の値(p=4の場合,19〜20)をとり,第2,第3,第4の変調シンボルとして前記入力データ信号の値に応じてそれぞれ予め定めた1〜2の値をとり,第4のグループに属する前記入力信号に対する前記第1乃至第4の変換データは,2(4p−3)(p=4の場合,8192)種の組合せをなしている。この実施例における上記変換処理は,コンピュータで実行されるプログラムによって実現される。
【0039】
一般化した2(p+q/n)の多値変調方式について説明するまえに,上記した2(4p+1)の多値変調方式についてまとめておく。
【0040】
上記実施例では,M=(5/4)×2(=20)を,第1の位相面の信号点数(図5参照)として,この信号点数M(=20)をm種(=4種)に分割する。図5に示す例では,第1の位相面の信号点数は,M11(=8,すなわち図5の第一シンボル8点),M12(=6,すなわち図5の第一シンボル6点),M13(=4,すなわち図5の第一シンボル4点),M14(=2,すなわち図5の第一シンボル2点)と4種に分割されており,各々の総和は,
M=M11+M12+M13+M14 (すなわち,20=8+6+4+2)を満たしている。
【0041】
第2,3,4位相面のそれぞれにおいても,第1の位相面の信号点数を4種に分割したM11,M12,M13,M14の各々に対応する,3つの位相面の信号点数として,Mij(i=2,3,4,j=1,2,3,4)を割り当てる。
【0042】
図5に示す例では,
(M11,M12,M13,M14)=(8,6,4,2)
(M21,M22,M23,M24)=(20,20,20,16)
(M31,M32,M33,M34)=(20,20,16,16)
(M41,M42,M43,M44)=(20,16,16,16)
ただし,MijはM(=20)を超えない整数である。
【0043】
ijのi=1から4までの積
1j×M2j×M3j×M4j
のj=1〜4の総和Nは,131072(=2(4×4+1)=217)に等しい。
【0044】
N=M11×M21×M31×M41(=8×20×20×20)
+M12×M22×M32×M42(=6×20×20×16)
+M13×M23×M33×M43(=4×20×16×16)
+M14×M24×M34×M44(=2×16×16×16)
=131072(=2(4×4+1)
【0045】
上式において,積M1j×M2j×M3j×M4jのj=1〜4の総和Nは,正確に131072(=2(4×4+1))と一致せずに,131072(=2(4×4+1))をいくらか超えるものであってもよい。
【0046】
上記した原理に基づき,以下では,上記m,nを2以上の任意の整数に適用した実施例について説明する。nを2以上の整数,mを2以上の整数,pを任意の自然数,qを0<q<nである任意の自然数,Mを必ずしも2の自然数乗としない整数で,2(p+q/n)を超えたほぼ等しい整数として,n個の位相面に対して,2(n×p+q)の二値信号を割り当てることで,一つの位相面ではほぼ2(p+q/n)値の信号を伝送する。すなわち,1シンボルあたり(p+q/n)ビットを伝送する,多値変調を実現するものである。
【0047】
本発明についてその概要,及び実施例について以下に説明する。上記の通り,nを2以上の整数,mを2以上の整数,pを任意の自然数,qを0<q<nである任意の自然数,Mを必ずしも2の自然数乗としない整数であって,2(p+q/n)を超える値の整数(2(p+q/n)の整数部よりも大であり,且つ2 p+1)より小の整数)とする。図11には,本実施例の原理が示されている。図11においては,2(n×p+q)種の値,例えば1から2(n×p+q)番までの値をとり得る入力信号を入力するデータ変換回路が,第1乃至第nの変換データを出力する。第1の変換データに対応する第1の位相面の信号点数をM値として,このMをm種類に分割してM11,M12,M13,・・・M1mとし,各々は総和が,次の関係
M=M11+M21+M31+・・・+Mn1
を満たしており,第1の位相面の分割した各々に対して,第2,第3,…,第nの位相面の信号点数をMij(i=2,3,・・・n,j=1,2,3,・・・m)として割り当てている。ここで,全てのMijはMを超えない整数とする。
【0048】
N=M11×M21×M31×・・・×Mn1
+M12×M22×M32×・・・・×Mn2
+M13×M23×M33×・・・・×Mn3
+・・・
+M1m×M2m×M3m×・・・・×Mnm
=2(np+q)
を満たすものとする。あるいは,このNは,2(np+q)に正確に一致せずとも,2(np+q)をいくらかこえる値であってもよい。
【0049】
その結果,n個の位相面で,合計,2(np+q)値の信号を伝送しており,一つの位相面では,平均して2(p+q/n)値の信号を伝送する。すなわち,1シンボルあたり,(p+q/n)ビットの伝送を実現している。
【0050】
本実施例においては,図12に示すように,16QAM,32QAM,64QAM等2値QAM(Qadrature Amplitude Modulation)に比べて,中間の多値伝送を実現できる。なお,図12において,BPSK(Binary Phase Shift Keying:2相PSK)は送信データの"1","0"に対して搬送波の位相を0,πに変化させる2値伝送方式であり,1シンボルあたり1ビットを伝送し,QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4相PSK)は4種類の位相をとることによって1シンボルあたり,2ビットの情報を伝送する。また例えば3PSKでは,1シンボルあたりほぼ1+1/2ビットを伝送する。
【0051】
本実施例においては,2QAM(ただし,pは正整数)では周波数帯域に余裕があり過ぎであるが,2(p−1)QAMでは要求される周波数帯域に入らない場合に,それらの中間の変調方式を提供することが出来る。その結果,周波数の有効利用を図ることができると共に,2QAMに比べて少ない所用の信号対雑音比で2(p−α)QAM(ただし,0<α<1)が実現できる為に,電力の有効利用にもなるという作用効果が得られる。
【0052】
図13は,図12に示した多値伝送方式,及び,そのより多値への拡張の方式に対して,シンボル誤り率SER(Symbol Error Rate)を,各々を実現するためのパラメータとともに示している。なお,図13において,例えば(n=3,q=2,p=3)の場合に14QAMとされ,その1列目で8,4,2,2列目で14,14,8,3列目14,8,4とされ,第1位相面の信号14個を8,4,2と分割し(1列目),第1位相面の信号点数が8のときは,第2,第3の位相面では14QAM,14QAMとし,第1位相面の信号点数が4のときは,第2,第3の位相面では14QAM,8QAMとし,第1位相面の信号点数が2のときは,第2,第3の位相面では8QAM,4QAMとされる。そして,上記数字のそれぞれを半分とした場合,すなわち(n=3,q=2,p=2)とした場合,7QAMとなる。すなわち,1列目で4,2,1,2列目で7,7,4,3列目7,4,2とされ,第1位相面の信号7個を4,2,1と分割し(1列目),第1位相面の信号点数が4のときは,第2,第3の位相面では7QAM,7QAMとし,第1位相面の信号点数が2のときは,第2,第3の位相面では7QAM,4QAMとし,第1位相面の信号点数が1のときは,第2,第3の位相面では4QAM,2QAMとされる。図12の6PKSの場合,(n=2,q=1,p=2)となる。
【0053】
16QAMでは,伝送効率として,4bit/Symbolがシンボル誤り率10−6を満たすために,C/N(Carrier to Noise ratio)=20.9dBで実現できていた。
【0054】
伝送帯域に余裕があるときには,12QAMを用いて,伝送効率として,3.5bit/Symbolでシンボル誤り率10−6を満たすために,C/N=19.4dBで実現できる。すなわち,1.5dBだけ少ない電力で同等の品質を確保することが出来る。
【0055】
一方,24QAMを適用することで,伝送効率として,4.5bit/Symbolでシンボル誤り率10−6を満たすために,C/N=22.5dBで実現できるため,1.6dBだけ送信電力を増やすことで,同等の品質のもとで,伝送効率を向上させることが出来る。
【0056】
次に,上記した本実施例の多値変調装置の構成について説明する。この実施例の多値変調装置は,例えば図1にしたがって構成される。図1の多値変調装置の構成において,n×p+q列(nは所定の整数,pは2以上の整数,qは0<q<nの整数)の信号を入力する第1のデータ変換回路3が,p+1列の信号を出力し,n×p+q列の信号の出力と,第1のデータ変換回路3の出力を入力とする第2のデータ変換回路4が,例えばp+1列の信号(変換データ)をn本並列出力し,並列直列変換回路5に入力され,p+1列の信号を多値変調器6に供給する構成としてもよい。
【0057】
すなわち,大小の順番として、1から最大2の(n×p+q)の冪乗,すなわち2(n×p+q)(ただし,pは2以上の整数,qは0<q<nの整数)番までの値をとり得る入力信号を入力し,該入力信号に基づき第1乃至第nの変換データを生成して出力する変換回路(例えば図1の1,2,3,4)と,第1乃至第nの変換データを入力し多値変調して出力する回路(図1の5,6)を備え,変換回路(例えば図1の3)は,該入力信号をその値により,互いに共通な要素を持たない,予め定められた第1乃至第mのグループ(ただし,mは2以上の整数)のいずれかに区分する。なお、入力信号は、1〜2(n×p+q)のデジタルコードであってもよいし、あるいはオフセットが乗ったものであってもよく、1〜2(n×p+q)種に判別できる信号であればよい。
【0058】
第1の位相面の信号点数をMとして,Mをm種類に分割し,分割された整数M11,M12,M13,・・・,M1mの各々が,総和がMとなる関係,M=M11+M12+M13,+・・・+M1mを満たし,第1の位相面の信号点数Mを,M11,M12,M13,・・・,M1mの各点に分割し,iを2,3,4,・・・nとして,第iの位相面における前記分割したM11,M12,M13,・・・M1mの各々に対応する(n−1)個の位相面信号点数として,Mij(i=2,3,・・・n,j=1,2,3,・・・m)を割り当て,Mij(i=1〜n,j=1〜m)は,Mを超えない整数とする。Mは2の正整数の冪乗以外の整数であってよく,2(p+q/n)を超え,且つ2(p+q/n)にほぼ等しい整数とされる。そして,Mijのiが1〜nまでの積M1j×M2j×M3j×・・・・×Mnjのj=1からj=mまでの総和Nが,2(np+q)に等しいか,あるいは2(np+q)を超える値とされている。すなわち
N=M11×M21×M31×・・・・×Mn1
+M12×M22×M32×・・・・×Mn2
+M13×M23×M33×・・・・×Mn3
+・・・
+M1m×M2m×M3m×・・・・×Mnm
=2(np+q)
(あるいは,N>2(np+q)
【0059】
例えば図1の第1のデータ変換回路3において,入力信号が第1のグループに属する場合,第1の変換データは,入力信号の値に応じて1からM11の値をとるものとする。そして,この場合,図1の第2のデータ変換回路4は,1からM11の第1の変換データと,入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M21種乃至Mn1種の値をとる第2乃至第nの変換データを出力する。入力信号が第1のグループに属する場合,第1乃至第Nのデータの組合せは,M11×M21×M31×・・・・×Mn1種となる。
【0060】
図1の第1のデータ変換回路3において,入力信号が第2のグループに属する場合,第1の変換データは,入力信号の値に応じて,1+M11から,M11+M12までの範囲の値をとるものとする。図1の第2のデータ変換回路4は,この第1の変換データと,前記入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M22種乃至Mn2種の値をとる第2乃至第nの変換データを出力する。入力信号が第2のグループに属する場合,第1乃至第Nのデータの組合せは,M12×M22×M32×・・・・×Mn2種となる。
【0061】
図1の第1のデータ変換回路3において,入力信号が第3のグループに属する場合,第1の変換データは,入力信号の値に応じて,1+M11+M12から,M11+M12+M13までの範囲の値をとるものとする。図1の第2のデータ変換回路4は,この第1の変換データと,入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M23種乃至Mn3種の値をとる第2乃至第nの変換データを出力する。入力信号が第3のグループに属する場合,第1乃至第Nのデータの組合せは,M13×M23×M33×・・・・×Mn3種となる。
【0062】
図1の第1のデータ変換回路3において,入力信号が第mのグループに属する場合,第1の変換データは,入力信号の値に応じて,1+M11+M12+…M1m−1からM11+M12+…+M1mまでの範囲の値をとるものとする。図1の第2のデータ変換回路4は,この第1の変換データと,前記入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M2m種乃至Mnm種の値をとる前記第2乃至第nの変換データを出力する。
【0063】
図1の第1,第2のデータ変換回路3,4で生成出力された第1乃至第nの変換データは,例えば図1の並列直列変換回路5で時分割多重化され,多値変調器6に供給され,多値変調される。第1のデータ変換回路3,第2のデータ変換回路4におけるデータの変換は,例えば,ROM(不図示)に格納された変換テーブル(ルックアップテーブル)を参照して行われる。この実施例においても,第1のデータ変換回路3と第2のデータ変換回路4を1つの変換回路で構成してもよいことは勿論である。
【0064】
この実施例の多値復調回路の基本構成も,図2に示した構成にしたがう。通信信号を受信する多値復調器12で復調された信号を直列並列変換回路13でデマルチプレクスしてn本のp+1列の復調データとして出力されてデータ逆変換回路に入力され,第1の復調データが1からM11の値をとる場合,第2乃至第nの復調データとしてM21種乃至Mn1種の値をとる信号をうけ,第1の復調データが1+M11からM11+M12までの値をとる場合,第2乃至第nの復調データとしてM22種乃至Mn2種の値をとる信号をうけ,第1の復調データが1+M11+M12からM11+M12+M13までの値をとる場合,第2乃至第nの復調データとしてM22種乃至Mn2種の値をとる信号をうけ,以下,同様にして,第1の復調データが,1+M11+M12+…M1m−1からM11+M12+…+M1mのまでの値をとる場合,第2乃至第nの復調データとしてM2m種乃至Mnm種の値をとる信号をうけ,第1乃至第nの復調データ信号の示す値に基づき,1乃至2(n×p+q)の値のうち予め定めた復調データ値を出力し,この復調データ値を例えば(n×p+q)列の復調データ信号として出力する。
【0065】
本発明の他の実施例について説明する。pの値が3〜4について,
n=4,q=1として,10QAM,20QAM,40QAM,
n=3,q=1として,11QAM,22QAM,44QAM,
n=2,q=1として,12QAM,24QAM,48QAM,
n=3,q=2として,14QAM,28QAM,56QAM,
n=4,q=3として,15QAM,30QAM,60QAM,
の具体例を,図13に示しておく。なお,これらのパラメーター以外にも,pを6以上の任意の整数とする場合に対して,多値変調方式を構成できる事は勿論である。
【0066】
以上本発明を上記各実施例に即して説明したが,本発明は,上記実施例の構成にのみ限定されるものでなく,特許請求の範囲の各請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形,修正を含むことは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明では4p+1列の入力データを,4つの変調シンボルに割り当てた後,その4つの変調シンボルを時間軸上で多重化した1つの変調シンボル列によって,p+0.25列の2値データ列を伝送しているので,QAM方式の多値数を約2(p+0.25)とすることを可能としている。これにより,2QAMでは周波数帯域に余裕があり過ぎだが2(n−1)QAMでは要求される周波数帯域を超えてしまう場合に,それらの中間の変調方式を提供することができる。その結果,周波数をより有効に利用できるだけでなく,2QAMに比べて少ない所要の信号対雑音比で2(n−0.75)QAMが実現でき,電力を有効に利用できる効果をも奏する。さらに,本発明の構成は,3以上の任意の整数pについて構成することのできる,一般的な形で構成法を開示したので,10QAM,20QAM,40QAM,80QAM,160QAMの他,多くのQAM変調方式に応用することをも可能とした。
【0068】
また従来,多値変調においては,4QAM,16QAM,32QAM,64QAM,128QAM,256QAM,・・・等のnを任意の正の整数として2QAMが用いられてきたが,本発明によれば,多値数を2(p+q/n)(ただし,p,nは2以上の正整数,qは0<q<nの正整数)値にすることを可能としている。
【0069】
さらに,本発明によれば,2QAM(ただし,pは所定の正整数)では周波数帯域に余裕があり過ぎだが,2(p−1)QAMでは要求される周波数帯域に入らない場合に,それらの中間の変調方式を提供することが出来る。その結果,本発明によれば,周波数の有効利用を図ると共に,2QAMに比べて少ない所用の信号対雑音比で2(p−α)QAM(ただし,0<α<1)が実現できる為に,電力の有効利用にも貢献する,という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による多値変調装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による多値復調装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による多値変調装置の各部の信号の変換を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態による多値変調装置の第1および第2のデータ変換回路のデータ変換テーブルの構成方法を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による多値変調信号の位相平面において各変調シンボルのとり得る座標点を示した説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を構成する場合の他のQAM変調方式を構成するパラメータの具体例を示す図である。
【図7】本発明のその他の実施の形態による多値変調装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明のその他の実施の形態による多値復調装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明のその他の実施の形態による多値変調装置の多値変調制御手段を構成するコンピュータに実行させるべきプログラムのフローチャートの一例である。
【図10】本発明のその他の実施の形態による多値復調装置の多値復調制御手段を構成するコンピュータに実行させるべきプログラムのフローチャートの一例である。
【図11】本発明の別の実施の形態による多値変調信号においてコンスタレーション上とり得る座標を示した説明図である。
【図12】本発明の別の実施の形態において,2値QAMと比較して中間の多値伝送を説明するための図である。
【図13】本発明の他の実施の形態を構成する場合のQAM変調方式を構成するパラメータの具体例を示す図である。
【符号の説明】
100 多値変調装置
1 入力端子
2 データ列数変換回路
3 第1のデータ変換回路
4 第2のデータ変換回路
5 並列直列変換回路
6 多値変調器
7 出力端子
8 多値変調制御手段
200 多値復調装置
11 入力端子
12 多値復調器
13 直列並列変換回路
14 データ逆変換回路
15 出力端子
16 多値復調制御手段

Claims (23)

  1. 入力したデータ列を多値変調し通信信号を出力する多値変調装置において,
    前記入力したデータ列を4p+1列(pは3以上の整数)の2値信号からなる入力データ信号に変換するデータ列数変換回路と,
    前記入力データ信号を入力し変換する第1のデータ変換回路と,
    前記入力データ信号と前記第1のデータ変換回路の出力信号とを入力して4組のp+1列の信号に変換する第2のデータ変換回路と,
    前記第2のデータ変換回路の出力する前記4組のp+1列の信号を時分割多重する並列直列変換回路と,
    前記並列直列変換回路の出力信号を多値変調し通信信号を出力する多値変調器とを有し,
    前記第1のデータ変換回路は前記入力データ信号の値に応じて1から(5/4)×2までの値を示す信号を出力し,
    前記第2のデータ変換回路は前記第1のデータ変換回路の出力信号を受け,前記入力データ信号に基づき,
    前記第1のデータ変換回路が1から4×2(p−3)の値をとる場合には,これを第1の出力信号とするとともに,第2,第3,第4の出力信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種の値を示す信号を出力し,
    前記第1のデータ変換回路が1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の値をとる場合には,これを第1の出力信号とするとともに,第2,第3,第4の出力信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,(5/4)×2種,2種の値を示す信号を出力し,
    前記第1のデータ変換回路が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の値をとる場合には,これを第1の出力信号とするとともに,第2,第3,第4の出力信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,2種,2種の値を示す信号を出力し,
    前記第1のデータ変換回路が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の値をとる場合には,これを第1の出力信号とするとともに,第2,第3,第4の出力信号としてそれぞれ予め定めた2種の値を示す信号を出力するよう構成したことを特徴とする多値変調装置。
  2. 通信信号を復調し,4p+1列(pは3以上の整数)の復調データ信号を出力する多値復調装置において,
    前記通信信号を復調し,受信復調データ列信号を出力する多値復調器と,
    前記受信復調データ列信号を時分割多重分離して第1,第2,第3および第4の復調データ列信号を出力する直列並列変換回路と,
    前記第1,第2,第3および第4の復調データ列信号を入力し4p+1列の前記復調データ信号を出力するデータ逆変換回路とを有し,
    前記データ逆変換回路は,
    前記第1の復調データ列信号が1から4×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種の値を示す信号を受け,
    前記第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,(5/4)×2種,2種の値を示す信号を受け,
    前記第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,2種,2種の値を示す信号を受け,
    前記第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた2種の値を示す信号を受けて,
    前記第1,第2,第3,第4の復調データ列信号の示す値に基づき予め定めた復調データ値をとり,
    前記復調データ値を4p+1列の前記復調データ信号として出力するよう構成したことを特徴とする多値復調装置。
  3. 請求項1に記載の多値変調装置と,請求項2に記載の多値復調装置とを含んで構成したことを特徴とする,多値変復調通信システム。
  4. 請求項1に記載の多値変調装置において,さらに前記第1および第2のデータ変換回路を制御する多値変調制御手段を有し,
    前記多値変調制御手段は,前記第1および第2のデータ変換回路の前記入力データ信号と出力値との対応を,変更可能としたことを特徴とする多値変調装置。
  5. 請求項2に記載の多値復調装置において,さらに前記データ逆変換回路を制御する多値復調制御手段を有し,
    前記多値復調制御手段は,前記データ逆変換回路の入力する前記第1,第2,第3,第4の復調データ列信号と出力値との対応を,変更可能としたことを特徴とする多値変調装置。
  6. 請求項4に記載の多値変調装置と,請求項5に記載の多値復調装置とを含んで構成したことを特徴とする,多値変復調通信システム。
  7. コンピュータを制御することにより,4p+1列(pは3以上の整数)の入力データ信号を多値変調する多値変調プログラムにおいて,
    前記入力データ信号を第1,第2,第3,第4の変換データに変換する処理を実行させ,
    前記第1の変換データとして前記入力データ信号の値に応じて1から(5/4)×2までの値をとり,
    前記第1の変換データが1から4×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の変換データとして前記入力データ信号の値に応じてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種の値をとり,
    前記第1の変換データが1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の変換データとして前記入力データ信号の値に応じてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,(5/4)×2種,2種の値をとり,
    前記第1の変換データが1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の変換データとして前記入力データ信号の値に応じてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,2種,2種の値をとり,
    前記第1の変換データが1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の変換データとして前記入力データ信号の値に応じてそれぞれ予め定めた2種の値をとり,
    前記第1,第2,第3,第4の変換データを,順次多値変調器へ出力させることを特徴とする多値変調プログラム。
  8. コンピュータを制御することにより通信信号を多値復調し,4p+1列(pは3以上の整数)の復調データ信号を出力する多値復調プログラムにおいて,
    前記通信信号を第1,第2,第3,第4の復調データ列信号として入力し,4p+1列の前記復調データ信号に変換する処理を実行させ,
    前記第1の復調データ列信号として(5/4)×2種の値を受け,
    前記第1の復調データ列信号が1から4×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種の値を受け,
    前記第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,(5/4)×2種,2種の値を受け,
    前記第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた(5/4)×2種,2種,2種の値を受け,
    前記第1の復調データ列信号が1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の値をとる場合には,第2,第3,第4の復調データ列信号としてそれぞれ予め定めた2種の値を受けて,
    前記第1,第2,第3,第4の復調データ列信号の示す値に基づき予め定めた復調データ値をとり,
    前記復調データ値を4p+1列の復調データ信号として出力させることを特徴とする多値復調プログラム。
  9. 4p+1列(pは3以上の整数)の入力信号を4つの変調シンボルに割り当てる多値変復調方法において,
    第1の変調シンボルは(5/4)×2個の信号点を用い,
    前記第1の変調シンボルが予め定めた1から4×2(p−3)の信号点をとる場合には,第2,第3,第4の変調シンボルとしてそれぞれ前記入力信号に対応して予め定めた(5/4)×2個の信号点を用い,
    前記第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の信号点をとる場合には,第2,第3,第4の変調シンボルとしてそれぞれ前記入力信号に対応して予め定めた(5/4)×2個,(5/4)×2個,2個の信号点を用い,
    前記第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の信号点をとる場合には,第2,第3,第4の変調シンボルとしてそれぞれ前記入力信号に対応して予め定めた(5/4)×2個,2個,2個の信号点を用い,
    前記第1の変調シンボルが1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の信号点をとる場合には,第2,第3,第4の変調シンボルとしてそれぞれ前記入力信号に対応して予め定めた2個の信号点を用いることを特徴とする多値変復調方法。
  10. 1から2の(4P+1)の冪乗,すなわち2(4p+1)(ただし,pは3以上の整数)番までの値をとり得る入力信号を入力し,前記入力信号に基づき第1乃至第4の変換データを生成して出力する変換手段と,
    前記第1乃至第4の変換データを入力し多値変調して出力する手段と,
    を備え,
    前記変換手段は,前記入力信号を,その値により,互いに共通な要素を持たない,予め定められた4つのグループのいずれに属するか判別する手段を備え,
    前記入力信号が第1のグループに属する場合,前記第1の変換データは,前記入力信号の値に応じて,1から4×2(p−3)の値をとり,第2,第3,第4の変換データは,それぞれ,前記入力信号の値に応じて割り当てられた,1から(5/4)×2,1から(5/4)×2,1から(5/4)×2の値をとり,前記第1のグループに属する前記入力信号に対する前記第1乃至第4の変換データは,5×2(4p−7)種の組合せをなし,
    前記入力信号が第2のグループに属する場合,前記第1の変換データは,前記入力信号の値に応じて1+4×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)の値をとり,第2,第3,第4の変換データは,それぞれ,前記入力信号の値に応じて割り当てられた,1から(5/4)×2,1から(5/4)×2,1から2をとり,前記第2のグループに属する前記入力信号に対する前記第1乃至第4の変換データは,3×5×2(4p−7)種の組合せをなし,
    前記入力信号が第3のグループに属する場合,前記第1の変換データは,前記入力信号の値に応じて1+4×2(p−3)+3×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)の値をとり,第2,第3,第4の変換データは,それぞれ,前記入力信号の値に応じて割り当てられた1から(5/4)×2,1から2,1から2の値をとり,前記第3のグループに属する前記入力信号に対する前記第1乃至第4の変換データは,5×2(4p−4)種の組合せをなし,
    前記入力信号が第4のグループに属する場合,前記第1の変換データは,前記入力信号の値に応じて1+4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)から4×2(p−3)+3×2(p−3)+2×2(p−3)+2(p−3)の値をとり,第2,第3,第4の変換データは,それぞれ,前記入力信号の値に応じて割り当てられた,1から2,1から2,1から2の値をとり,前記第4のグループに属する前記入力信号に対する前記第1乃至第4の変換データは,2(4p−3)種の組合せをなすように変換して出力する手段を備えている,ことを特徴とする多値変調装置。
  11. nを2以上の整数,mを2以上の整数,pを所定の正整数,qが0<q<nである整数,Mを2の正整数の冪乗又は2の正整数の冪乗以外の整数であって,2の(p+q/n)冪乗,すなわち2(p+q/n)を超える整数とし,
    第1の位相面の信号点数をMとして,Mをm種類に分割した整数M11,M12,…,M1mの各々は,総和がMとなる関係,
    M=M11+M12+…+M1m
    を満たしており,
    前記第1の位相面を,位相面信号点数として,M11,M12,…,M1mのm個に分割し,
    iを2からnの整数として,第iの位相面における,前記第1の位相面の信号点数Mを分割したM11,M12,…M1mの各々に対応する,(n−1)個の位相面信号点数として,Mij(ただし,i=2,…n,j=1,2,…m)を割り当て,
    それぞれのMij(iは1からn,jは1からmの整数)は,Mを超えない整数とし,
    ijのi=1からnまでの積
    1j×M2j×…×Mnj
    のj=1からj=mまでの総和は,2(np+q)に等しいか,あるいは2 np+q)を超える値とされ,
    第1乃至第nのn個の位相面に対して2(np+q)の二値信号を割り当て,1変調シンボルあたり(p+q/n)ビットの割り当てを行うことで,多値数が2(p+q/n)の変調を行う,こと特徴とする多値変調方法。
  12. 1から2の(n×p+q)の冪乗,すなわち2(n×p+q)(ただし,pは2以上の所定の整数,nは所定の正整数,qは0<q<nの整数)番までの値をとり得る入力信号を入力し,前記入力信号に基づき第1乃至第のn変換データを生成して出力するステップと,
    前記第1乃至第nの変換データを入力し多値変調して出力するステップと,
    を有し,
    前第1乃至第nの変換データを生成して出力するにあたり,
    前記入力信号を,その値により,互いに共通な要素を持たない,予め定められた第1乃至第m(ただし,mは2以上の所定の整数)のグループのいずれに属するか判別するステップを有し,
    前記第1の変換データの第1の位相面の信号点数をMとして,Mをm種類に分割し,分割された整数M11,M12,…,M1mの各々は,総和がMとなる関係,
    M=M11+M12+…+M1m
    を満たし,
    前記第1の位相面は,位相面信号点数がM11,M12,…,M1mのm個に分割され,
    iを2からnの整数として,第iの位相面における前記分割したM11,M12,…,M1mの各々に対応する(n−1)個の位相面信号点数として,Mij(ただし,i=2,…n,j=1,2,…m)を割り当て,
    ij(ただし,iは1からn,jは1からmの整数)は,Mを超えない整数とし,
    ijのi=1からnまでの積
    1j×M2j×…×Mnj
    のj=1からj=mまでの総和が,2(np+q)に等しいか,あるいは2(np+q)を超える値とされ,
    前記入力信号が第1のグループに属する場合,前記第1の変換データは前記入力信号の値に応じて1からM11の値をとり,前記第2乃至第nの変換データは,前記入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M21種乃至Mn1種の値をとるように変換するステップと,
    前記入力信号が第jのグループ(ただし,jは1<j≦mの整数)に属する場合,前記第1の変換データは前記入力信号の値に応じて,M11からM1j−1までの和に1加算した値から,M11,…,M1j−1,M1jの和までの範囲の値をとり,前記第2乃至第nの変換データは,前記入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M2j種乃至Mnj種の値をとるように変換するステップと,
    を含む,ことを特徴とする変調方法。
  13. 前記Mは,2の正整数の冪乗のほかにも,2の正整数の冪乗以外の整数をとり得るものとされ,2(p+q/n)を超える整数である,ことを特徴とする請求項12記載の変調方法。
  14. 前記Mは,2(p+1)よりも小の整数である,ことを特徴とする請求項11又は13記載の変調方法。
  15. 請求項12乃至14のいずれか一に記載の変調方法で変調された通信信号を受信して復調する復調方法であって,
    前記通信信号を受信して復調するステップと,
    前記復調された信号を受け第1乃至第n(ただし,nは2以上の整数)の復調データとして出力するステップと,
    前記第1の復調データが1から前記M11の値をとる場合に,前記第2乃至第nの復調データとして,前記M21種乃至Mn1種の値をとる信号をうけ,前記第1の復調データが,前記M11からM1j−1(ただし,jは1<j≦mの整数)までの和に1加算した値から,前記M11,…,M1j−1,M1jの和までの範囲の値をとる場合,前記第2乃至第nの変換データとして,M2j種乃至Mnj種の値をとる信号をうけ,前記第1乃至第nの復調データ信号の示す値に基づき,1から2の(n×p+q)冪乗までのいずれかの値をとるデータ信号を出力するステップと,
    を含む,ことを特徴とする復調方法。
  16. 1から2の(n×p+q)の冪乗,すなわち2(n×p+q)(ただし,pは2以上の所定の整数,nは所定の正整数,qは0<q<nの整数)番までの値をとり得る入力信号を入力し,前記入力信号に基づき第1乃至第のn変換データを生成して出力する変換手段と,
    前記第1乃至第nの変換データを入力し多値変調して出力する手段と,
    を備え,
    前記変換手段が,前記入力信号を,その値により,互いに共通な要素を持たない,予め定められた第1乃至第m(ただし,mは2以上の所定の整数)のグループのうちのいずれに属するか判別する手段を備え,
    前記第1の変換データの第1の位相面の信号点数をMとし,Mをm種類に分割し,分割された整数M11,M12,…,M1mの各々は,総和がMとなる関係,
    M=M11+M12+…+M1m
    を満たし,
    前記第1の位相面は,それぞれ位相面信号点数が,M11,M12,…,M1mのm個に分割され,
    iを2からnの整数として,第iの位相面における前記分割したM11,M12,…M1mの各々に対応する(n−1)個の位相面信号点数として,Mij(ただし,i=2,…n,j=1,2,…m)が割り当てられ,
    それぞれのMij(ただし,iは1からn,jは1からmの整数)は,Mを超えない整数とし,
    ijのi=1からnまでの積
    1j×M2j×…×Mnj
    のj=1からj=mまでの総和が,2(np+q)に等しいか,あるいは2(np+q)を超える値とされ,
    前記入力信号が第1のグループに属する場合,前記第1の変換データは前記入力信号の値に応じて1からM11の値をとり,前記第2乃至第nの変換データは,前記入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M21種乃至Mn1種の値をとり,
    前記入力信号が第jのグループ(ただし,jは1<j≦mの整数)に属する場合,前記第1の変換データは前記入力信号の値に応じて,M11からM1j−1までの和に1加算した値から,前記M11,…,M1j−1,M1jの和までの範囲をとり,前記第2乃至第nの変換データは,前記入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M2j種乃至Mnj種の値をとるように変換する手段を備えている,ことを特徴とする変調装置。
  17. 前記Mは,2の正整数の冪乗のほかにも,2の正整数の冪乗以外の整数をとり得るものとされ,2(p+q/n)を超えた整数である,ことを特徴とする請求項16記載の変調装置。
  18. 前記Mは,2(p+1)よりも小の整数である,ことを特徴とする請求項17記載の変調装置。
  19. 請求項16乃至18のいずれか一に記載の変調装置で変調された信号を受信して復調する復調装置が,
    前記信号を受信して復調する多値復調部と,
    前記多値復調器で復調された信号を受け,第1乃至第n(ただし,nは2以上の整数)の復調データとして出力する手段と,
    前記第1の復調データが1から前記M11の値をとる場合に,前記第2乃至第nの復調データとして前記M21種乃至Mn1種の値をとる信号をうけ,前記第1の復調データが,前記M11からM1j−1(ただし,jは1<j≦mの整数)までの和に1加算した値から,前記M11,M12,からM1jの和までの範囲の値をとる場合,前記第2乃至第nの変換データとしてM2j種乃至Mnj種の値をとる信号をうけ,前記第1乃至第nの復調データ信号の示す値に基づき,1から2の(n×p+q)の冪乗までのいずれかの値をとるデータ信号を出力するデータ逆変換手段を備えている,ことを特徴とする復調装置。
  20. 1から2(n×p+q)(ただし,pは2以上の整数,nは所定の正整数,qは0<q<nの整数)番までの値をとり得る入力信号を多値変調して出力する処理を変調装置を構成するコンピュータに実行させるプログラムであって,
    前記入力信号を入力し,前記入力信号の値に基づき第1乃至第のn変換データを生成して出力する変換処理と,
    前記第1乃至第nの変換データを入力し多値変調して出力する処理と,
    を備え,
    前記変換処理は,前記入力信号をその値により,互いに共通な要素を持たない,予め定められたm個のグループのいずれかに区分し,
    第1の位相面の信号点数をMとして,Mをm種類に分割し,分割された整数M11,M12,…,M1mの各々は,総和がMとなる関係,
    M=M11+M12,+…+M1m
    を満たし,
    前記第1の位相面は,位相面信号点数がM11,M12,…,M1mのm個に分割され,
    iを2からnの整数として,第iの位相面における前記分割したM11,M12,…M1mの各々に対応する(n−1)個の位相面信号点数として,Mij(i=2,…n,j=1〜m)を割り当て,
    それぞれのMij(ただし,iは1からn,jは1からmの整数)は,Mを超えない整数とし,
    ijのi=1からnまでの積
    1j×M2j×…×Mnj
    のjが1からjがmまでの総和が,2(np+q)に等しいか,あるいは2 np+q)を超える値とされ,
    前記入力信号が第1のグループに属する場合,前記第1の変換データは前記入力信号の値に応じて1からM11の値をとり,前記第2乃至第nの変換データは,前記入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M21種乃至Mn1種の値をとり,
    前記入力信号が第jグループ(ただし,jは1<j≦mの整数)に属する場合,前記第1の変換データは前記入力信号の値に応じて,M11からM j-1までの和に1加算した値から,M11,M12,…M1jの和までの範囲の値をとり,前記第2乃至第nの変換データは,前記入力信号の値に応じてそれぞれ割り当てられた,M2i種乃至Mni種の値をとるように変換する処理を,
    前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
  21. 請求項20記載のプログラムにおいて,
    前記Mは,2の正整数の冪乗のほかにも,2の正整数の冪乗以外の整数をとり得るものとされ,2(p+q/n)を超えた整数である,ことを特徴とするプログラム。
  22. 請求項21記載のプログラムにおいて,
    前記Mは,2(p+1)よりも小の整数である,ことを特徴とするプログラム。
  23. 請求項20乃至22のいずれか一に記載のプログラムを実行するコンピュータを含む変調装置で変調された信号を受信して復調する復調装置を構成するコンピュータに,
    前記信号を受信して復調部で復調された信号を受け,第1乃至第n(ただし,nは2以上の整数)の復調データとして出力する処理と,
    前記第1の復調データが,1から前記M11の値をとる場合に,前記第2乃至第nの復調データとして前記M21種乃至Mn1種の値をとる信号をうけ,
    前記第1の復調データが,前記M11からM1j−1(ただし,jは1<j≦mの整数)までの和に1加算した値から,前記M11,M12,からM1jの和までの範囲の値をとる場合,前記第2乃至第nの変換データとしてM2j種乃至Mnj種の値をとる信号をうけ,
    前記第1乃至第nの復調データ信号の示す値に基づき,1から2の(n×p+q)の冪乗までのいずれかの値をとるデータ信号を出力する逆変換処理と,
    前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
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