JP3843469B2 - 照明器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、反射笠を備えて、例えばオフィスビルや店舗などの天井に埋め込んで使用される照明器具等に係り、特に、反射笠の端板が合成樹脂製の成形品で形成された照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来の天井埋め込み型照明器具全体の構成を示した斜視図であって、この器具は、下面が開放された反射笠1の内部に、断面V字状をなす仕切り用のV形反射板2を取付けるとともに、ランプソケット3に支持される直管形けい光ランプ4をV形反射板2の両側に夫々配置して形成されている。
【0003】
図15中5はV形反射板2の取付け金具、6は反射笠1の長手方向両端に個別に取付けられて、V形反射板2の内側からランプソケット3に至る配線(図示しない)を覆い隠すための樋状をなす線隠しであり、その一端部はランプソケット4の近傍に配置されて不適合ランプセット阻止部6aをなしている。この阻止部6aは、円弧状をなしており、ランプソケット3に支持される適合ランプのバルブに近接して、この適合ランプのバルブ径よりも大径のバルブを備える不適合ランプの取付けを妨げるものである。
【0004】
図13に示されるように反射笠1は、板金製の反射板7と、この反射板7の長手方向両端に夫々溶接止めされた板金製の端板8とで形成されている。図14および図15に示されるように反射板7は、天井壁7aの両側に斜めの側壁7bを互いにハの字形に配置されるように折り曲げて形成されている。
【0005】
図14に示されるように端板8には、天井壁7aの端部外面に重なる複数の固定片8aが折り曲げられているとともに、これらを間において側壁7bの端部外面に重なる固定片8bが折り曲げられている。これら複数の固定片8a、8bを反射板7の端部外面に重ねて、その部分をスポット溶接等で溶接することによって、反射板7と端板8とが連結されている。また、図14に示されるように側壁7bの下縁から外側に張出して形成され張出し縁部7cの端部と、端板8の下縁から外側に張出して形成された張出し縁部8cの端部とにわたって、これらの合わせ目9を上面から覆い隠す金属製の継ぎ手板10を設け、この板10を両張出し縁部7c、8cに溶接して、反射笠1が組立てられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように従来の照明器具の反射笠1は、その反射板7と端板8とを溶接止めして組立てられているため、予め表面処理が施されているカラー鋼板を用いることができず、もっぱら組立て後に塗装をするようになっている。こうした塗装が必要であること、および組立てのために必要な溶接箇所がかなり多いことと相俟って、合わせ目9を隠すとともに反射板7と端板8の組合わせ強度を高めるための継ぎ手板10を用いているために、反射笠1のコスト、ひいては器具のコストが高いという問題がある。
【0007】
特に、不適合ランプの誤装着を防止するための線隠し6を別部品で設ける構成においては、さらに部品点数とその取付けの手間が増えるために、コスト高となる。
【0008】
なお、溶接止めによる連結に代えて、ねじ、リベット等の固定部品を用いてカラー鋼板製の反射板とカラー鋼板製の端板とを連結してなる反射笠もあるが、このものにおいては固定のための部品数とそれにを用いた人手による連結の手間がきめわて多くなるから、結局のところ、コスト高であるという問題がある。
【0009】
しかも、従来の端板構造を、そのまま踏襲して、板金に代えて合成樹脂の成形品からなる端板を採用する場合には、板金製のものと同様に数多くのねじやリベットを用いて組立てなければ、所定の組立て強度を得ることが困難であり、そのため、結局のところ、コスト高になるという問題がある。また、端板を樹脂製とした場合には、これに継ぎ手板を溶接止めできないから、この板に代わる新たな対策が必要となり、この対策を怠る場合には前記合わせ目が目立って、品質が損なわれるという問題を招く。
【0010】
また、従来の反射笠1の張出し縁部7cは、その張出し端に上向きの起立部を折り曲げて断面L字状をなしているが、起立部の上端にエッジが露出している。そのため、反射笠1の組立ておよび室内天井部に反射笠1を設置する取付け施工の際等における取扱いにおいて、前記エッジにより作業者が傷を負う恐れが高いという問題がある。
【0011】
本発明の第1の目的は、合成樹脂製の端板とカラー鋼板製の反射板とを備える反射笠の組立て強度を向上できるとともに、端板の成形寸法ばらつきの影響を少なくでき、端板と反射板との張出し縁部相互の合わせ目を目立ちづらくできて、端板が反射笠の見栄えを損うことが少なく、かつ、安価に作ることができる照明器具を得ることにある。
【0013】
本発明の第3の目的は、前記第1の目的を達成するに当たり、反射笠の組み立てや器具の取付け施工等において作業者が傷を負うことを防止できるとともに、反射笠の組立てて強度をより向上できる照明器具を得ることにある。
【0014】
本発明の第2の目的は、前記第1の目的を達成するに当たり、反射笠の組立て強度をより向上できる照明器具を得ることにある。
【0015】
本発明の第4の目的は、前記第1の目的を達成するに当たり、不適合ランプの誤装着を防止できる機能を備えて、より安価に作ることができる照明器具を得ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するために、本発明は、カラー鋼板からなり、天井壁の幅方向両側に側壁が夫々斜めに折り曲げられるとともに、この側壁の下縁に、外側に張出し、その張出し端に起立部を折り曲げてなる張出し縁部が設けられ、かつ、前記天井壁の両端部に固定孔が設けられた反射板と、合成樹脂の成形品からなり、前記反射板の両端に夫々連結されるとともに、下縁に外側に張出し、その張出し端に起立部が折り曲げられ、かつ、前記反射板の張出し縁部に連続される張出し縁部が設けられた端板とを有する反射笠を備えた照明器具であって、
前記端板の斜めとなった両側縁に、これから折れ曲がって前記反射板の側壁の端部外面を覆う一対の第1の外側突出部を一体に設け、前記端板の上縁に、これから折れ曲がって前記反射板の天井壁の端部外面の中央部を覆う一つの第2の外側突出部を一体に設け、前記端板における前記第1、第2の外側突出部間の縁部分に、これから折れ曲がって前記天井壁と側壁とがなす角部に対応する角部形状をなして前記反射板の端部において前記角部内面に重なる一対の内側突出部を一体に設け、かつ、これら内側突出部と第1、第2の外側突出部とが、それらの隣接する端部間に夫々形成されたスリットを介して前記端版の両側縁および上縁に渡って連続的に設けられているとともに、前記一対の内側突出部の上面に前記固定孔に引っ掛かる係止凸部を夫々一体に突設し、前記端板の下縁であってかつ幅方向両端部に前記反射板の張出し縁部と前記側壁とがなす溝に挿入される連結凸部を夫々一体に設け、前記内外の各突出部が前記反射板の端部を内外から挟むように設けられた前記端板を、前記固定孔への前記係止凸部の引っ掛かりと、前記溝への前記連結凸部の挿入とにより、前記反射板の端部に連結したことを特徴としている。
【0020】
また、前記第3の目的を達成するために、前記反射板の張出し縁部の起立部が断面逆Uの字形をなすとともに、前記連結凸部が前記起立部内に挿入される挿入部を有し、かつ、前記連結凸部と前記張出し縁部との間には前記反射板の板厚と同じ深さの段差を形成したことを特徴としている。
【0021】
又、前記第2の目的を達成するために、前記連結凸部が前記端板から前記反射板方向に前記各突出部より長く突出されているとともに、前記第1の外側突出部の下端を前記連結凸部に一体につなげたことを特徴としている。
【0022】
また、前記第4の目的を達成するために、前記端板にソケット装着孔を設け、この孔を通って前記端板に掛合される係止突起部を有したランプソケットを前記端板の内面に直接装着し、前記ランプソケットに支持される適合ランプのバルブの周面に近接されるとともに前記適合ランプのバルブ径よりも大径のバルブを備える不適合ランプの取付けを妨げる前記角部形状の板部分からなる不適合ランプセット阻止部を、前記内側突出部の先端に一体に連ねて設けたことを特徴としている。
【0024】
【作用】
請求項1に係る発明の構成において、合成樹脂製の端板は、その内外の突出部で反射板の端部を内外から挟むように反射板に組み合わされて、反射板の端部開口を閉鎖する。こうした組み合わせは、内外の突出部間のスリットに反射板が通されることで実現でき、この組み合わせ状態における内外の各突出部と反射板端部との係合で、反射板と端板とが上下方向に不用意に分離することを防止する。この組み合わせにおいて、端板の連結凸部は側壁とその張出し縁部とがなす溝に挿入して、反射板と端板の張出し縁部相互を連結する。そして、外れ止め手段は、反射板と端板とを連結して、端板が反射板から外れることを防止する。
【0025】
そのため、溶接止めによることなく反射笠を組み立てることができるので、溶接の手間を省略できるとともに、反射板にカラー鋼板を使用でき、かつ、端板が塗装を必要としない合成樹脂製であるので、塗装を必要とすることなく反射笠を得ることができる。
【0026】
しかも、以上のように内外の突出部および連結凸部と反射板の端部とが互いに入り組んでいることにより、反射笠の組み立て強度を向上できる。それにより、ねじ止めによる外れ止め手段を設ける場合であっても、その箇所を少なくできるから、組み立てに要する部品や工数も少なくできる。
【0027】
その上、前記溝に挿入された連結凸部は、反射板および端板の張出し縁部同志の合わせ部を上面から覆って、その合わせ目を反射笠の下方から目立ちづらくする。
【0028】
更に、請求項1に係る発明の構成において、合成樹脂製の端板の寸法のばらつきは鋼板製の反射板に比較して大きいが、その内側突出部を反射板の天井壁と側壁とがなす角部内面に重ねたから、この角部に対応する内側突出部の角部間の寸法が天井壁の幅よりも大きめの場合には、反射板の弾性変形により吸収して反射笠を組み立てることができるとともに、同角部間の寸法が小さめの場合には、反射板と内側突出部との間に隙間を設けて反射笠を組み立てることができる。ところで、こうした寸法ばらつきの吸収に伴い反射板端部の変形や隙間が発生するにも拘らず、これらが生じる部分は反射笠の外面側であるので、それが反射笠を下側から見たときに視認されることがない。また、端板の外側突出部が反射板の側壁の外面を覆って設けられるから、この突出部が反射笠を下側から見たときに視認されることがない。
【0029】
請求項3に係る発明の構成において、反射板の張出し縁部の起立部が断面逆Uの字状をなすから、この起立部のエッジが上向きに露出することがなく、それにより、反射笠の組み立てや器具の取付け施工を行う作業者が起立部に触れることがあっても、前記エッジに接触することがない。そして、この逆U字状の起立部に挿入される挿入部を端板の連結凸部に設けたから、連結凸部が略L字状をなし、その強度が高められる。しかも、こうして強度が大きくなった連結凸部の挿入部の切欠溝と、起立部から切り起こした切り起こし片との係合により、固定部品を用いることなく連結凸部が反射板の張出し縁部から外れることを防止できる。したがって、反射笠の組み立て強度をより強くできる。
【0030】
請求項2に係る発明においては、端板に反射板の側壁に対応して設けられた突出部と連結凸部とが一体につながっているから、前記突出部は、連結凸部を支えて、連結凸部がその根元を中心に動こうとすることを防止するとともに、根元に掛かる負荷を軽減する。したがって、反射笠の組み立て強度がより向上されて、過大な衝撃が器具に加わった場合にも連結凸部と反射板との連結が損なわれる恐れをなくすことができる。
【0031】
請求項4に係る発明の構成において、不適合ランプセット阻止部は、所定のバルブ径を有した適合ランプがランプソケットに取付けられる場合に、その邪魔となることがないとともに、不適合ランプをランプソケットにセットしようとするときには、このランプのバルブに当たって、その装着を妨げ、この不適合ランプの誤装着を防止する。また、ランプソケットはその係止突起部を端板のソケット装着孔に通して掛止することで端板に直接取付けられるから、ソケット取付け用部品を省略できるとともに、前記阻止部は端板の内側突出部に一体成形されているため、不適合ランプの誤装着を妨げるための部品も省略できる。したがって、器具全体の部品点数が削減されるとともに、組み立ての手間も少なくできるから、より安価に作ることができる。
【0033】
【実施例】
以下、図1〜図9を参照して本発明の第1実施例を説明する。
図1は第1実施例に係る照明器具全体の構成を示した斜視図であって、この照明器具は、例えば2灯用であって、室内天井に埋め込んで設置される。この照明器具は、図1および図6に示されるように下面が開放された反射笠21と、この内部に反射板取付け具22を介して取付けられたV形反射板23と、この反射板23の裏側において反射笠2に固定された放電灯安定器等の点灯装置24と、ランプソケット25と、光源例えば反射笠21の長手方向に離間して配置されたランプソケット25に渡って着脱可能に支持された直管形のけい光ランプ26とを備えている。
【0034】
図1に示されるように反射笠21は、内面を反射面とした一つの反射板31と、この反射板31の長手方向両端を個別に塞いで設けられた左右一対の端板32とから形成されている。
【0035】
反射笠21の主部をなす反射板31は例えば白色系のカラー鋼板からなる。この反射板31は、図4〜図6に示されるように水平な平板状をなす天井壁33の幅方向両側に、夫々側壁34を折り曲げて形成されている。一対の側壁34は天井壁33との間に鈍角なして斜めに折り曲げられているとともに、図6に示されるようにハの字形の配置をなして設けられている。
【0036】
両側壁34の下縁には外側へ張出す張出し縁部35が夫々設けられている。これらの縁部35は、側壁34の下縁から水平に折り曲げられた張出しベース35aと、その張出し端から垂直に起立された起立部35bとから略L字状断面をなして形成されている。したがって、張出し縁部35とこれに連なった側壁34とにより、反射板31の長手方向全長に渡って延びるとともに、上面が開放された溝Aが形成されている。
【0037】
起立部35bは断面逆Uの字状をなして折り返されている。この折り返し部分は溝Aに臨んでいる。図5および図7に示されるように起立部35bの長手方向両端部には、溝Aに臨む一対のスリット36、およびこれらの間の部分からなる切り起こし片37が夫々形成されている。
【0038】
反射板31の長手方向両端部には、図5に代表して示されるように一対の小判形の固定孔38と一つのねじ受け孔39とが形成されている。一対の固定孔38は反射板31の端部における幅方向両端部に夫々設けられ、かつ、ねじ受け孔39は反射板31の端部における幅方向中央部に形成した隆起部に設けられている。
【0039】
左右一対の端板32は、PBT或いはABS等の合成樹脂の成形品からなる。これら端板32をPBT(ポリブチレンテレフタレート)で成形する本実施例では、端板32に高い難燃性(難燃性を定めた規格の難燃グレードでV0の難燃性)を得ることができるだけでなく、反射板31をなしたカラー鋼板と同じ白系色の成形を得ることができ、その反射特性がよい点で優れている。
【0040】
図3〜図6に示されるように端板32の下縁以外の縁部には、第1、第2の外側突出部41、42と、内側突出部43とが夫々一体に設けられている。第1外側突出部41は、一対あって、これらは端板32の斜めとなった両側縁から直角に折れ曲がっていて、対応する反射板31の側壁34の端部外面の殆どを覆うように設けられている。第2外側突出部42は、一つであって、端板32の上縁の中央部から直角に折れ曲がっていて、対応する反射板31の天井壁33の端部外面の中央部を覆うように設けられている。
【0041】
この外側反射部42にはねじ受け孔39に対向する通孔44が設けられていて、この通孔44を通ってねじ受け孔39に螺合されるねじ45により、端板32が反射板31に固定されるようになっている。したがって、ねじ受け孔39およびねじ45は第1の外れ止め手段をなしている。この手段は、より確実に反射板31に対する端板32の外れ止めをするために本実施例では設けたが、これは省略することもできる。
【0042】
内側突出部43は、一対あって、これらは端板32における第1、第2の外側突出部41、42間の縁部分から直角に折れ曲っていて、対応する反射板31の端部内面に重なり合うように設けられている。これら内側突出部43と第1、第2の外側突出部41、42の隣接する端部間には夫々スリット46(図6参照)が形成されている。したがって、各突出部41〜43はスリット46を介して端板32の両側縁および上縁に渡って連続的に設けられている。
【0043】
一対の内側突出部43は、反射板31の天井壁34と側壁34とがなす角部に対応する角部形状をなして、反射板31の前記角部内面に重なり合うようになっている。しかも、これら内側突出部43の上面には前記固定孔38と対応して係止凸部47が夫々一体に突設されている。係止凸部47は、内側突出部43の上面に対して垂直状に立ち上がる係止面を端板32の外面側に有し、かつ、この係止面から内側突出部43の先端側に行くにしたがって次第に低くなるように傾斜する斜面を有して側面視直角三角形状をなしている。これら係止凸部47は、固定孔38に入り込んで、その係止面を固定孔38に引っ掛けて端板32を反射板31に固定するようになっている。したがって、固定孔38および係止凸部47は第2の外れ止め手段をなしている。
【0044】
端板32の下縁には外側へ張出す張出し縁部48が夫々設けられている。この縁部48は、端板32の下縁から水平に折り曲げられた張出しベース48aと、その張出し端から垂直に起立された起立部48bとから略L字状断面をなして形成されている。したがって、端板32の下端部にはその幅方向に全長に渡って延びるとともに、上面が開放された溝Bが形成されている。この溝Bの両端は反射板31が備える溝Aの端に連続されるようになっている。
【0045】
端板32の幅方向両端部には、張出し縁部48の両端から一体に延出された連結凸部49が夫々設けられている。この凸部49は、図5に示されるように反射板31が備える溝に挿入されるものであって、張出しベース35aの上面に重なる凸部ベース49aと、この側縁から垂直上方に折れ曲るように起立されて前記断面逆U字形の起立部35bの内部に挿入される挿入部49bとからL字状をなして形成されている。
【0046】
この連結凸部49と張出し縁部48との間には段差50(図5参照)が形成されている。段差50は、凸部ベース49aの下面と挿入部49bの外面および上端面とにわたり略L形をなして設けられ、その深さは反射板31の板厚と同じである。それにより、反射板31に端板32を連結して反射笠21を組み立てた時に、互いに連続する張出しベース35a、48aが面一に連なり、同様に互いに連続するに起立部35b,48bの外面が面一に連なるとともに、起立部35b、48bの上端面が面一に連なって、良好な反射笠21の外観を呈するようになっている。
【0047】
挿入部49bは起立部35b内に容易に挿入できるように先細状に形成されている。そして、この挿入部49bにはその上面から切欠溝51が設けられている。この切欠溝51には図8および図9に示されるように前記切り起こし片37が入り込んで係合され、それによって、端板32を反射板31に固定するようになっている。したがって、切り起こし片37および切欠溝51は第3の外れ止め手段をなしている。
【0048】
また、図2および図5に示されるように端板32には一対のソケット装着孔52が二組設けられていて、これらを用いて端板32の内面にランプソケット25が夫々直接装着されている。
【0049】
すなわち、図5および図6に示されるようにランプソケット25は、その合成樹脂製ソケッドボデーの幅方向両側部に、背面側に一体に突出された係止突起部25aを有しており、これら一対の突起部25aの突出端には抜け止めベッドが形成されている。こうした係止突起部25aを備えたランプソケット25は、その突起部25aを自らの弾性変形を介して対応する一対のソケット装着孔52に通し、この孔52に前記抜け止めヘッドを掛合させることにより、ねじその他の固定部品を使用することなく端板32に取付けられている。
【0050】
ランプソケット25は、かつ、JIS C 7601に規定される「G13」に係る口金に適合する回転形のものであり、後述の不適合ランプセット阻止部がない場合には、高周波点灯専用形蛍光ランプ、および前記規格のうち「FLR40S」、「FLR40S/36」の一般的な蛍光ランプを接続できる。前者の蛍光ランプは、そのバルブ径が後者の一般用蛍光ランプのバルブ径よりも細いとともに、この高周波点灯専用形蛍光ランプは在来の一般的な商用電源周波数による点灯回路では点灯することができないものである。
【0051】
反射笠21の長手方向に対向するランプソケット25間には、けい光ランプ26が着脱可能に取付け支持されている。このランプ26には前記高周波点灯専用形蛍光ランプが採用されている。したがって、このランプ26のバルブ径よりも太い前記一般用蛍光ランプは、この照明器具に対しては不適合ランプとして認定されている。
【0052】
端板32には、前記不適合ランプの取付けを妨げる不適合ランプセット阻止部53が設けられている。すなわち、この阻止部53は、内側突出部43の先端に一体に連ねられた垂直な板部分で形成されていて、端板32の装着されたランプソケット25の上部正面を覆い隠している。この阻止部53の下端部は、円弧状をなしていて、ランプソケット25に適合して取付けられる適合ランプ26のバルブの外周面に近接されている。それにより、不適合ランプセット阻止部53は、ランプソケット25への適合ランプ26の取付けは許すが、このランプ26のバルブより太いバルブを有した不適合ランプを取付けようとする際には、このランプのバルブが当たって、そのランプソケット25への取付けを妨げるようになっている。
【0053】
なお、図2および図5に示されるように端板の幅方向中央部には送り配線用通孔55と、この両側に位置して一対の金具取付け孔56とが設けられている。複数の照明器具を長手方向に並設する場合に、隣接する照明器具間に設けられて、これら隣接する照明器具の相対向する端板同志を連結するための連結金具が、金具取付け孔56を通るねじにより端板32の外面に固定されるものである。
【0054】
前記反射板取付け具22は、反射板31の天井壁33に取付けられており、これらを介してV形反射板23が反射板31の内面に取付けられている。このV形反射板23は、反射笠21における端板32の内面間の長さと略等しい長さであって、反射板31の幅方向中央部に配置されており、その両側にけい光ランプ26が夫々配設されている。天井壁33にはV形反射板23で覆い隠されて点灯装置24が取付けられている。この装置24は高周波点灯専用形蛍光ランプを点灯させるための専用の高周波点灯回路からなる。
【0055】
V形反射板23の長手方向両端部には図示しないが夫々切欠溝が設けられていて、この溝を通って前記内側突出部43および不適合ランプセット阻止部53の長手方向一端部が、図6に示されるようにV形反射板23の内側に入り込んでいる。そして、内側突出部43および不適合ランプセット阻止部53の裏側を通って、点灯装置24からランプソケット25に至るリード線が配線されている。したがって、内側突出部43および不適合ランプセット阻止部53は線隠しを兼ねていて、前記リード線が反射笠21の内部に露出して器具の体裁を損なわないようにしている。
【0056】
前記構成の照明器具の反射笠21は次のようにして組み立てられる。
まず、図5に示されるように反射板31の長手方向両端に端板32を対向させ、その連結凸部49と反射板31の張出し縁部35とを位置合わせしてから、反射板31の端部に端板32が嵌まるように組み合わせる。
【0057】
それにより、はじめに、反射板31の側壁34と張出し縁部35とがなす溝Aに連結凸部49が圧入気味に挿入され、同時に、この凸部49の挿入部49bが張出し縁部35の起立部35b内に圧入気味に挿入される。そして、これらの進行に伴って、端板32の第1外側突出部41が反射板31の端部における天井壁33の中央部外面に重なるようになるとともに、一対の第2外側突出部42が反射板31の端部における側壁34の外面に重なるようになり、かつ、端板32の一対の内側突出部43が反射板31の端部における天井壁33と側壁34とがなす角部の内面に重なり合うようになる。この組み合わせは、内外の突出部41〜43間のスリット46に反射板31の端部が通されることで実現できる。
【0058】
こうした反射板31の端部への端板32の嵌合作業は、端板32の内面および段差50に反射板31の長手方向の端面が突き当たることにより終了する。それにより、合成樹脂製の端板32は、その内外の突出部41〜43で反射板31の端部を内外から挟むように反射板31に組み合わされて、反射板31の端部開口を閉鎖して設けられる。
【0059】
この組み合わせ状態では、内側突出部41〜43と反射板31の端部との係合で、反射板31および端板32が上下方向に不用意に分離することが防止される。しかも、側壁34とその張出し縁部35とがなす溝への連結凸部49への挿入により、連結凸部49を介して反射板31と端板32の張出し縁部35、48相互が結合して、反射板31から端板32が外れないように仮保持できる。
【0060】
その上、内側突出部43の上面に反射板31の天井壁33と側壁34とがなす角部が重なることに伴って、反射板31の一対の固定孔38に内側突出部43の係止凸部47が夫々引っ掛けられる。したがって、これらの係合によっても反射板31から端板32が外れないように保持できる。
【0061】
また、前記組み合わせ状態では、張出し縁部35の前記段差50への当接により、連結凸部49の切欠溝51と起立部35bの切り起こし片37とが位置決めされている。
【0062】
次に、切り起こし片37を側壁34側から変形させて、図8および図9に示されるように切欠溝51内に入り込ませ、この溝51と切り起こし片37とを係合させる。この係合により、固定部品を用いることなく連結凸部49が反射板31の張出し縁部35から外れることを防止できる。
【0063】
最後に、ねじ45を第1外側突出部41の通孔44に通して、これに対向している反射板31のねじ受け孔39に螺合して締め付ける。それにより、反射板31と端板32とを固定して、端板32が反射板31から万が一にも不用意に外れることを防止できる。
【0064】
以上の手順により下面が開放された反射笠21が組み立てられる。また、こうして組み立てられた反射笠21が天井部にセットされた後に、V形反射板23が反射板31に取付けられて器具全体の組み立てが完了する。このV形反射板23により、点灯装置24およびねじ45の先端部等が覆い隠される。なお、端板32の内面へのランプソケット25を取付け、および反射板31への反射板取付け具22、点灯装置24および図示しない端子台等の取付けは、反射笠21の組み立て前或いは組み立て後に行われる。
【0065】
このように組み立てられる照明器具は、その反射笠21を以上のように溶接止めによることなく組み立てることができるので、溶接の手間を省略でき、それに伴って反射板31にカラー鋼板を使用できるとともに、端板32を塗装を必要としない合成樹脂製とできるので、反射笠21の製造に当たり塗装を省略できる。しかも、以上のように内外の突出部41〜43および連結凸部49と反射板31の端部とが互いに入り組んで組み合わされることにより、反射笠21の組み立て強度を向上できる。それに伴いねじ止めをするにしても、そのねじ止め箇所を1箇所程度に少なくできるから、組み立てに要する部品や工数も少なくできる。したがって、この照明器具の中でも主要な部品である反射笠21を低コストで作ることができ、ひいては照明器具のコストダウンが可能である。
【0066】
そして、既述のように反射板31の溝Aの端部に挿入されて反射笠21の組み立て強度を向上するのに有効な連結凸部49は、反射板31および端板32の張出し縁部35、48同志の合わせ部を上面から覆っているから、この凸部49によって張出し縁部35、48の張出しべース35a、48a間の合わせ目C(図4参照)を反射笠21の下方から目立ちづらくすることができる。それのみならず、連結凸部49の挿入部49bが起立部35bの内部に挿入されているから、張出し縁部35、48の起立部35b、48b間の合わせ目D(図3参照)も目立ちづらくすることができる。
【0067】
また、合成樹脂製の端板32の寸法のばらつきは鋼板製の反射板31に比較して大きい。しかし、端板32の内側突出部43を反射板31の天井壁33と側壁34とがなす角部内面に重ねたから、この角部に対応する内側突出部43の角部間の寸法が天井壁33の幅よりも大きめの場合には、反射板31の弾性変形により吸収して反射笠21を組み立てることができるとともに、同角部間の寸法が小さめの場合には、反射板31と内側突出部43との間に隙間を設けて反射笠21を組み立てることができる。
【0068】
ところで、こうした寸法ばらつきの吸収に伴い反射板端部の変形や隙間が発生する。それも拘らず、これらが生じる部分は反射笠21の外面側であるので、それは反射笠21を下側から見たときに視認されることがない。しかも、端板32の外側突出部41、42が反射板31の側壁34の端部外面を覆って設けられるから、この突出部41、42が反射笠21を下側から見たときに視認されることがない。したがって、前記合わせ目が目立ちづらいことと相俟って、この器具の体裁をすこぶる良好なものとできる。
【0069】
また、前記のようにスリット46を介して連続的に設けられている端板32の各突出部41〜43は、反射板31の端部を内外から挟むように反射板31と組み合わされているから、これら突出部41〜43および反射板31の端部によって、反射笠21の端部からの光漏れを防止することができる。なお、端板32の成形寸法のばらつきで、反射板31の角部と内側突出部43との間に隙間ができる場合には、そこから光が漏れる可能性があるが、その箇所は下方から視認できるところではないので、商品性を格別に損なうものとはならず、実用上は無視できるものである。
【0070】
また、既述のように反射板31の張出し縁部35の起立部35bが断面逆Uの字状をなすから、この起立部35bのエッジが上向きに露出することはない。そのため、反射笠31の既述の組み立てや器具の天井部への取付け施工を行う際に、作業者が起立部35bに触れることがあっても、前記エッジに接触することはない。したがって、作業者が傷を負うことが防止され、安全に前記作業を行うことができる。
【0071】
しかも、既述のように端板32の連結凸部49に、逆U字状の起立部35bに挿入される挿入部49bを設けたから、連結凸部49が略L字状となり、その強度を高めることができる。そして、このように強度が大きい連結凸部49と反射板31の張出し縁部35とを、既述の切欠溝51と切り起こし片37との係合により、固定部品を用いないでも、連結凸部49と張出し縁部35とが強固に連結され、したがって、反射笠21の組み立て強度をより強くできる。
【0072】
また、端板32から反射板31方向に各突出部41〜43より長く突出された連結凸部49は、第1の外側突出部41に一体につながっているから、外側突出部41で連結凸部49を支えて、連結凸部49がその根元を中心にあおられるように動くことを防止できるとともに、この連結凸部49根元に掛かる負荷を軽減することができる。したがって、反射笠21の組み立て強度をより向上することができ、それにより、器具の搬送中の落下等において過大な衝撃が器具に加わった場合にも、連結凸部49と反射板31との連結が損なわれる恐れをなくすことができる。
【0073】
また、内側突出部43の先端に不適合ランプセット阻止部53を一体に設けたから、所定のバルブ径を有した適合ランプ26がランプソケット25に取付けられる場合に、その邪魔となることがないとともに、不適合ランプをランプソケット25にセットしようとするときには、このランプのバルブが前記阻止部53に当たって、その装着が妨げられ、この不適合ランプの誤装着を防止することができる。
【0074】
また、前記構成の照明器具においては、ランプソケット25がその係止突起部25aを端板32のソケット装着孔52に通して掛止することで端板32に直接取付けられているから、ソケット取付け用部品を省略できる。しかも、不適合ランプセット阻止部53は既述のように端板32の内側突出部43に一体成形されているため、不適合ランプの誤装着を妨げるための部品も省略できる。このように器具の部品点数が削減されるとともに、組み立ての手間も少なくできるから、器具をより安価に作ることができる。
【0075】
図10は本発明の第2実施例の要部を示している。この第2実施例は、非常照明明器具に適合する構成を付加した点、および第2外側突出部と連結凸部とをつなぐ構造が前記第1実施例とは異なり、それ以外の構成は図10に図示されない部分を含めて図1〜図9に示した前記第1実施例の照明器具と同一ないしは同様な構成であるので、図示されない構成については図1〜図9をもって代用するとともに、図示される同一ないしは同様な構成部分には第1実施例と同一の符号を付して、それらの構成の説明およびそれに基づく作用効果の説明については省略するが、これら同一ないしは同様な部分についても第2実施例に係る照明器具の構成の一部をなすものである。
【0076】
この第2実施例において、第2外側突出部42の下端部は、その下端に向かうに従い連結凸部49に沿うように次第に突出されて、連結凸部49の挿入部49bが起立された縁とは反対側の縁の略全体に渡って一体につなげられている。こうした構造により、連結凸部49に対する第2外側突出部42の支持性能をより向上させて、連結凸部49の変形・破損などをより確実に防止できる。
【0077】
また、第2実施例では合成樹脂製の端板32をその外面から覆う端板カバー61が付加されている。このカバー61は、端板32と略同形状であり、下縁に端板32の張出しベース48aに載置される張り出だし縁61aが折り曲げられているとともに、上縁略中央部に端板32の第1外側突出部41の上面に重なり合う取付け縁部61bが折り曲げられている。この取付け縁部61bには第1外側突出部41の通孔44に連通する通孔62が設けられている。端板カバー61は不燃材製、例えば材料の入手と加工が容易であって安価な鉄板で形成されている。この端板カバー61は、通孔62、44を通って反射板31のねじ受け孔39に螺合されるねじ45で、折り曲げ部61bを共締めすることで固定されている。なお、以上の点以外の構成は前記第1実施例と同じである。
【0078】
前記端板カバー61が付加された第2実施例に係る照明器具においても、前記第1実施例と同様な作用を得て、本発明の所期の目的を達成できる。加えて、端板カバー61の不燃性能により合成樹脂製の端板32を防炎性を向上できるので、周囲から及ぼされる熱に対して強く、したがって、少なくとも火災時に点灯して使用される非常用照明器具に適合する性能を得ることができる。また、こうした端板32の防炎性能を向上するための端板カバー61を固定するのに、端板32を反射板31に連結するために第1外れ止め手段をなすねじ45を兼用したので、特別に端板カバー61を固定するための部品を必要とすることがない。
【0079】
図11および図12は本発明の第3実施例の要部を示している。この第3実施例は、端板の上縁部に設けられる突出部の構成、および非常照明明器具に適合する構成を付加した点が前記第1実施例とは異なり、それ以外の構成は図11および図12に図示されない部分を含めて図1〜図9に示した前記第1実施例の照明器具と同一ないしは同様な構成であるので、図示されない構成については図1〜図9をもって代用するとともに、図示される同一ないしは同様な構成部分には第1実施例と同一の符号を付して、それらの構成の説明およびそれに基づく作用効果の説明については省略するが、これら同一ないしは同様な部分についても第3実施例に係る照明器具の構成の一部をなすものである。
【0080】
この第3実施例では、内側突出部43が端板32の上縁全体に渡って設けられていて、前記第1実施例において設けた第1の外側突出部は省略されている。この内側突出部43と外側突出部42とはスリット46を介して連続的に設けられている。そして、内側突出部43の長手方向両端部における上面には夫々係止凸部47が一体に設けられているとともに、先端部は不適合ランプセット阻止部53が一体に設けられている。また、内側突出部43の長手方向中央部にはねじ受け孔39が設けられているとともに、内側突出部43の上面に重なり合う反射板31の天井壁33にはねじ受け孔39に連通する通孔44が設けられている。なお、ねじ受け通孔39は、その強度を増すために必要により内側突出部43の上面または下面に肉盛り形成して、それを貫通してしてもよい。
【0081】
また、第3実施例では合成樹脂製の端板32をその外面から覆う端板カバー61が付加されている。このカバー61は、端板32と略同形状であり、下縁に端板32の張出しベース48aに載置される張り出だし縁61aが折り曲げられているとともに、上縁略中央部に端板32の第1外側突出部41の上面に重なり合う取付け縁部61bが折り曲げられている。この取付け縁部61bには第1外側突出部41の通孔44に連通する通孔62が設けられている。端板カバー61は不燃材製、例えば材料の入手と加工が容易であって安価な鉄板で形成されている。この端板カバー61は、通孔62、44を通って反射板31のねじ受け孔39に螺合されるねじ45で、折り曲げ部61bを共締めすることで固定されている。なお、以上の点以外の構成は前記第1実施例と同じである。
【0082】
こうした端板カバー61が付加された第3実施例に係る照明器具においても、前記第1実施例と同様な作用を得て、本発明の所期の目的を達成できる。加えて、端板カバー61の不燃性能により合成樹脂製の端板32を防炎性を向上できるので、周囲から及ぼされる熱に対して強く、したがって、非常用照明器具に適合する性能を得ることができる。また、端板カバー61を固定するのに、端板32を反射板31に連結するねじ45を兼用したので、特別に端板カバー61を固定するための部品を必要とすることがない。
【0083】
なお、本発明は前記各実施例に制約されない。例えば、本発明は、V形反射板を複数設けて、けい光ランプを3本以上取付けて使用される照明器具にも適用できるとともに、光源としてのランプは直管形のけい光ランプ以外に環型ランプその他のランプを使用できる。また、本発明は、埋め込み形以外の照明器具にも適用できる。
【0084】
さらに、本発明において、係止凸部47とこれが係合される固定孔38とからなる外れ止め手段は、外側突出部42と側壁34とに分担して設けてもよく、しかも、係止凸部47を反射板31の端部に切り起こして設けるとともに、この凸部47と対応する位置の内側突出部また外側突出部に固定孔38(通孔に限らず、凹部も含む。)を設けて実施することもできる。
【0085】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明は構成されているので、次の効果を有する。
【0086】
請求項1の発明に係る照明器具によれば、反射笠を作るに当たり溶接および塗装を省略できるとともに、その組み立てに要する部品や工数も少なくて済むから、安価に作ることができる。その上、端板の内外の突出部および連結凸部と反射板の端部とを互いに入り組ませて反射笠の組み立て強度を向上できるとともに、連結凸部により反射板と端板との張出し縁部同志の合わせ目を反射笠の下方から目立ちづらくでき、体裁がよい。
【0087】
更に、合成樹脂製の端板の成形寸法のばらつきにより、反射板の天井壁と側壁とがなす角部に対応する内側突出部の角部間の寸法が天井壁の幅よりも大きめであっても小さめであっても、反射笠を組み立てることができ、また、端板の成形寸法のばらつきが現れる部分が反射笠の外面側であるとともに、端板の外側突出部が反射板の側壁の外面を覆っていて、これらが反射笠を下側から見たときに視認されることがないので、端板が反射笠の見栄えを損うことを少なくできる。
【0088】
請求項3の発明に係る照明器具によれば、反射笠の組み立てや器具の取付け施工を行う作業者が反射板の起立部に触れることがあっても、前記起立部のエッジに接触することがないので、作業者が傷を負うことがなく安全に作業できる。しかも、連結凸部の強度を高くでき、この凸部の挿入部の切欠溝と、起立部から切り起こした切り起こし片との係合により、連結凸部が反射板の張出し縁部から外れることを防止したから、反射笠の組み立て強度をより強くできる。
【0089】
請求項2の発明に係る照明器具によれば、端板の突出部で連結凸部が支えたので、連結凸部がその根元を中心とする不要な動きが防止されるとともに、前記根元に掛かる負荷が軽減されて、反射笠の組み立て強度がより向上でき、それにより、過大な衝撃が器具に加わった場合にも連結凸部と反射板との連結が損なわれる恐をなくすことができる。
【0090】
請求項4の発明に係る照明器具によれば、ソケット取付け用部品を要することなくランプソケットを端板に直接装着できるとともに、不適合ランプセット阻止部を端板の内側突出部に一体成形したから、部品点数を削減でき、したがって、より安価に器具を作ることができる。また、不適合ランプセット阻止部により、不適合ランプの誤装着を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る埋め込み形照明器具全体の構成を示す斜視図。
【図2】第1実施例に係る埋め込み形照明器具の構成を図1中矢印Z方向から見て示す図。
【図3】第1実施例に係る埋め込み形照明器具の一端部の構成を示す側面図。
【図4】図3に示された一端部の構成を示す平面図。
【図5】図3に示された一端部の構成を分解して示す斜視図。
【図6】第1実施例に係る埋め込み形照明器具の構成を示す断面図。
【図7】図5中Y部を拡大して示す斜視図。
【図8】第1実施例に係る埋め込み形照明器具の第3固定手段の構成を示す斜視図。
【図9】第1固定手段の構成を図8中XーX線に沿って示す断面図。
【図10】本発明の第2実施例に係る埋め込み形照明器具の一端部の構成を分解して示す斜視図。
【図11】本発明の第3実施例に係る埋め込み形照明器具の一端部の構成を分解して示す斜視図。
【図12】第3実施例に係る埋め込み形照明器具の構成を示す断面図。
【図13】従来例に係る埋め込み形照明器具全体の構成を示す斜視図。
【図14】従来例に係る埋め込み形照明器具の一端部の構成を示す平面図。
【図15】従来例に係る埋め込み形照明器具の構成を図1中矢印W方向から見て一部切欠して概略的に示す図。
【符号の説明】
21…反射笠、25…ランプソケット、25a…係止突起部、26…けい光ランプ(適合ランプ)、31…反射板、32…端板、33…天井壁、34…側壁、35…反射板の張出し縁部、35a…張出しベース、35b…起立部、A…溝、38…固定孔(外れ止め手段)、41…第1の外側突出部、42…第2の外側突出部、43…内側突出部、46…スリット、47…係止凸部(外れ止め手段)、48…端板の張出し縁部、48a…張出しベース、48b…起立部、49…連結凸部、49a…凸部ベース、49b…挿入部、50…段差、52…ソケット装着孔、53…不適合ランプセット阻止部。

Claims (4)

  1. カラー鋼板からなり、天井壁の幅方向両側に側壁が夫々斜めに折り曲げられるとともに、この側壁の下縁に、外側に張出し、その張出し端に起立部を折り曲げてなる張出し縁部が設けられ、かつ、前記天井壁の両端部に固定孔が設けられた反射板と、
    合成樹脂の成形品からなり、前記反射板の両端に夫々連結されるとともに、下縁に外側に張出し、その張出し端に起立部が折り曲げられ、かつ、前記反射板の張出し縁部に連続される張出し縁部が設けられた端板と
    を有する反射笠を備えた照明器具であって
    前記端板の斜めとなった両側縁に、これから折れ曲がって前記反射板の側壁の端部外面を覆う一対の第1の外側突出部を一体に設け、
    前記端板の上縁に、これから折れ曲がって前記反射板の天井壁の端部外面の中央部を覆う一つの第2の外側突出部を一体に設け、
    前記端板における前記第1、第2の外側突出部間の縁部分に、これから折れ曲がって前記天井壁と側壁とがなす角部に対応する角部形状をなして前記反射板の端部において前記角部内面に重なる一対の内側突出部を一体に設け、
    かつ、これら内側突出部と第1、第2の外側突出部とが、それらの隣接する端部間に夫々形成されたスリットを介して前記端版の両側縁および上縁に渡って連続的に設けられているとともに、前記一対の内側突出部の上面に前記固定孔に引っ掛かる係止凸部を夫々一体に突設し、
    前記端板の下縁であってかつ幅方向両端部に前記反射板の張出し縁部と前記側壁とがなす溝に挿入される連結凸部を夫々一体に設け、
    前記内外の各突出部が前記反射板の端部を内外から挟むように設けられた前記端板を、前記固定孔への前記係止凸部の引っ掛かりと、前記溝への前記連結凸部の挿入とにより、前記反射板の端部に連結したことを特徴とする照明器具。
  2. 前記連結凸部が前記端板から前記反射板方向に前記各突出部より長く突出されているとともに、前記第1の外側突出部の下端を前記連結凸部に一体につなげたことを特徴とする前記請求項1に記載の照明器具。
  3. 前記反射板の張出し縁部の起立部が断面逆Uの字形をなすとともに、前記連結凸部が前記起立部内に挿入される挿入部を有し、かつ、前記連結凸部と前記張出し縁部との間には前記反射板の板厚と同じ深さの段差を形成したことを特徴とする前記請求項1または2に記載の照明器具。
  4. 前記端板にソケット装着孔を設け、この孔を通って前記端板に掛合される係止突起部を有したランプソケットを前記端板の内面に直接装着し、前記ランプソケットに支持される適合ランプのバルブの周面に近接されるとともに前記適合ランプのバルブ径よりも大径のバルブを備える不適合ランプの取付けを妨げる前記角部形状の板部分からなる不適合ランプセット阻止部を、前記内側突出部の先端に一体に連ねて設けたことを特徴とする前記請求項1ないし3の内いずれか1項に記載の照明器具。
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