JP3843051B2 - シャンプー組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗髪時には良好な泡立ちとすべりの良い泡質を有し、また乾燥後の毛髪のツヤ、柔軟性、しっとり感に優れ、かつ安定性にも優れるシャンプー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘアリンス、ヘアコンディショナー等の毛髪処理剤においては、毛髪にツヤや柔軟性を付与することを目的として、系のpHを低くすることが行われている。しかし、毛髪洗浄剤では通常ツヤや柔軟性の付与は目的とされないため、毛髪洗浄剤のpHを低くすることは試みられていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、毛髪洗浄剤に上記のようなツヤ、柔軟性、まとまり性を付与する機能を持たせるべく、有機酸を用いた低pHの毛髪洗浄剤について研究を行った。その結果、洗浄系においても低pHとすることで、ツヤ、柔軟性、まとまり性を向上できることが判明した。しかし、洗浄系における低pH領域では安定性が悪く、泡性能が劣化したり、すすぎ時の滑らかさが無くなるなどの使用感の悪化という問題があることがわかった。
【0004】
そこで、本発明は、安定性に優れ、かつ毛髪にツヤ、柔軟性、しっとり感を効果的に付与することができ、洗髪時には良好な泡立ちとすべりの良い泡質を有するシャンプー組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、シャンプー組成物にヒドロキシカルボン酸を含有させて一定の低pH領域に調整し、更に特定の溶剤と、ビタミン、アミノ酸、アミノ酸類似物質、タンパク加水分解物又はその誘導体を含有させることにより、上記要求を満たすシャンプー組成物が得られることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(E)
(A) マレイン酸、乳酸、リンゴ酸及びサリチル酸から選ばれる有機酸又はそれらの塩 0.75〜10重量%
(B) 次の(b1)〜(b5)から選ばれる有機溶剤
(b1) 一般式(1)で表される化合物
【0007】
【化3】
Figure 0003843051
【0008】
〔式中、R1は水素原子、低級アルキル基、又は基R2−Ph−R3−(R2;水素原子、メチル基又はメトキシ基,R3;結合手又は炭素数1〜3の飽和若しくは不飽和の二価の炭化水素基,Ph;パラフェニレン基)を示し、Y及びZは水素原子又は水酸基を示し、p、q及びrは0〜5の整数を示す。ただし、p=q=0であるときは、Zは水素原子ではなく、またR1は水素原子及び基R2−Ph−のいずれでもない。〕
(b2) 窒素原子に炭素数1〜18のアルキル基が結合したN-アルキルピロリドン
(b3) 炭素数1〜4のアルキレンカーボネート
(b4) 分子量200〜5000のポリプロピレングリコール
(b5) 一般式(2)、(3)又は(4)で表されるラクトン又は環状ケトン
【0009】
【化4】
Figure 0003843051
【0010】
〔式中、Xはメチレン基又は酸素原子を示し、R4及びR5は相異なる置換基を示し、a及びbは0又は1を示す。〕
(C) 硫酸残基を有するアニオン界面活性剤
(D) ビタミン、アミノ酸、アミノ酸類似物質、タンパク加水分解物、又はそれらの誘導体
(E) カチオン性ポリマー、シリコーン類及び油剤から選ばれるコンディショニング成分
を含有し、水で20重量倍希釈したときの25℃におけるpHが1〜4であるシャンプー組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
成分(A)の有機酸は、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸及びサリチル酸から選ばれるものであり、特に乳酸、リンゴ酸が好ましい。また、これらの塩を含有してもよい。
【0012】
これら成分(A)は2種以上を併用してもよく、またその含有量は、ツヤやまとまりといった毛髪の仕上がり感の向上の点から、本発明のシャンプー組成物中の0.75〜10重量%が好ましく、更には0.75〜5重量%、特に0.75〜3重量%が好ましい。
【0013】
成分(B)である有機溶剤のうち、(b1)としては、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p-アニシルアルコール、p-メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等が挙げられる。(b2)としては、N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン、N-ラウリルピロリドン等が挙げられる。(b3)としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。(b4)のポリプロピレングリコールとしては、分子量200〜1000のものが好ましい。(b5)において、一般式(2)〜(4)中のR4及びR5としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシ基、フェニル基、スルホアルキル基、リン酸アルキル基、カルボキシアルキル基等が好ましく、なかでもγ-ラクトンの場合にはγ位、δ-ラクトンの場合にはδ位(すなわちヘテロ酸素原子の隣接メチレン)に置換した、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましい。また、化合物(2)〜(4)の水溶性を増大させたい場合には、R4又はR5としてスルホン酸基、リン酸基、カルボキシ基等の酸性基やこれらが置換したアルキル基を有するのが好ましい。(b5)のうち、ラクトンとしては、γ-ブチロラクトン、γ-カプロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、δ-カプロラクトン、δ-ヘプタノラクトン等が挙げられるが、ラクトンの安定性の点から、γ-ラクトン、特にγ-ブチロラクトン、γ-カプロラクトンが好ましい。(b5)のうち、環状ケトンとしては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4-メチルシクロヘプタノン等が挙げられる。
【0014】
成分(B)は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、使用感、毛髪のツヤ、柔軟性の点から、本発明のシャンプー組成物中の0.01〜50重量%が好ましく、更には0.05〜50重量%、特に0.1〜35重量%が好ましい。
【0015】
成分(C)の硫酸系アニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられ、特に次の一般式(c1)又は(c2)で表されるものが好ましい。
【0016】
RO(CH2CH2O)nSO3M (c1)
R'OSO3M (c2)
【0017】
〔式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、R'は炭素数10〜18のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン又は塩基性アミノ酸を示し、nは重量平均で1〜5の数を示す。〕
【0018】
これら成分(C)は2種以上を併用してもよく、またその含有量は、泡立ち、使用時の液性、洗浄性の点から、本発明のシャンプー組成物中の1〜50重量%が好ましく、更には5〜30重量%、特に8〜22重量%が好ましい。
【0019】
成分(D)のうち、ビタミン類、アミノ酸、アミノ酸類似物質及びその誘導体は、低pH条件の下で毛髪内部に浸透しやすく、毛髪内部の脂質、タンパク質が溶出したと考えられる毛髪内部の空洞に効果的に吸着して光の散乱を抑制し、ツヤ向上に寄与するものと考えられる。ビタミン及びその誘導体としては、アスコルビン酸又はその塩、アスコルビン酸ステアリル等のエステル、ビタミンE又はそのエステル、パントテン酸又はその塩、パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル及びその誘導体が挙げられる。アミノ酸及びその誘導体としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、グリシンベタイン及びそれらの誘導体が挙げられ、また、アミノ酸類似物質及びその誘導体としては、タウリン及びその誘導体が挙げられる。
【0020】
成分(D)のうち、タンパク加水分解物及びその誘導体は、低pH条件下では、毛髪表面の汚れがよく除去されることから、毛髪表面の傷んだ部分に吸着し易く、毛髪表面のきめを整えることにより光の乱反射を抑制し、ツヤを向上させるものと考えられる。タンパク加水分解物及びその誘導体としては、シルクタンパク加水分解物、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、水溶性エラスチン、これらの誘導体等が挙げられる。
【0021】
成分(D)は2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明のシャンプー組成物中に0.001〜10重量%、特に0.01〜3重量%が好ましい。
【0022】
本発明のシャンプー組成物には、乾燥後の仕上がり性向上のため、更に成分 (E) として、カチオン性ポリマー、シリコーン類及び油剤から選ばれるコンディショニング成分を含有する
【0023】
カチオンポリマーとしては、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社製カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられ、特にカチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体が好ましい。
【0024】
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリエチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルジエチルメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルトリエチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(C14〜C20)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(C18〜C22)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソステアリン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソノナン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム及びアルキルトリメチルアンモニウムサッカリンなどが挙げられる。
【0025】
シリコーン類としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
【0026】
(シリコーン類-1) ジメチルポリシロキサン
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
【0027】
(Me)3Si-[(Me)2SiO]d-Si(Me)3
【0028】
〔式中、Meはメチル基を示し、dは3〜20000の数を示す。〕
【0029】
(シリコーン類-2) アミノ変性シリコーン
各種のアミノ変性シリコーンが使用できるが、特に平均分子量が約3000〜100000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国,Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載されているものが好ましい。このアミノ変性シリコーンは水性乳濁液として用いるのが好ましく、市販品としては、SM 8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、DC 929(ダウコーニング社)等が挙げられる。
【0030】
(シリコーン類-3) その他のシリコーン類
上記以外に、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0031】
油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボガド油、オリーブ油、ホホバ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、グリセリン等のアルコール類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類、その他イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、エステル類が好ましく、特に2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル等が好ましい。
【0032】
これらコンディショニング成分は2種以上を併用してもよく、またその含有量は、泡のすべり、洗髪時からすすぎ時までの滑らかさの点から、本発明のシャンプー組成物中の0.05〜5重量%が好ましく、更には0.1〜3重量%、特に0.15〜1重量%が好ましい。
【0033】
本発明のシャンプー組成物には、更に泡性能を向上させるため、成分(C)以外のアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤を含有させてもよい。
【0034】
成分(C)以外のアニオン性界面活性剤としては、スルホン酸系(sulfonates)及びカルボン酸系(carboxylates)のものが挙げられ、例えばスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、高級脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩等が挙げられる。
【0035】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドとしては、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましい。また、脂肪酸アルカノールアミドとしては、モノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよく、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましく、例えばオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
【0036】
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。このうち、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系界面活性剤がより好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインが特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が好ましい。
【0037】
これら成分(C)以外の界面活性剤は、必要に応じて本発明のシャンプー組成物に配合することができるが、本発明のシャンプー組成物を水性液状洗浄剤の形態とする場合には、成分(C)と共に、脂肪酸アミドプロピルベタイン又は脂肪酸アルカノールアミドを併用するのが、起泡力がより良好となるだけでなく、適度な液性が得られるので特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタイン又は脂肪酸アルカノールアミドを含有させる場合、その含有量は、本発明のシャンプー組成物中の0.1〜10重量%が好ましく、更には0.5〜8重量%、特に1〜6重量%が、良好な増泡効果が得られるので好ましい。
【0038】
本発明のシャンプー組成物には、上記成分のほか、通常のシャンプー組成物に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えば抗フケ剤;殺菌剤;抗炎症剤防腐剤;キレート剤;ソルビトール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、粘土鉱物等の粘度調整剤;アルカリ金属水酸化物等のpH調整剤;植物エキス類;パール化剤;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ〔ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS)〕に記載されている成分等が挙げられる。
【0039】
本発明のシャンプー組成物は、毛髪にツヤ・柔軟性を付与すると共に刺激を抑制する観点より、毛髪に適用する際のpH(水で20重量倍希釈,25℃)が1〜4であるが、pH2〜4未満、特にpH3〜4未満であるのが好ましい。
【0040】
本発明のシャンプー組成物の形態は、液状、粉末状、ゲル状、顆粒状等、適宜選択できるが、溶剤として水又は低級アルコール、特に水を用いた液状のものが好ましい。
【0041】
また本発明のシャンプー組成物としては、ヘアシャンプー、ボディーシャンプー、ペットシャンプー等が挙げられるが、特にシャンプー組成物が好ましい。
【0042】
【実施例】
以下に示す実施例のうち、「実施例7」は参考例であって、特許請求の範囲に包含されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜4
表1に示すシャンプー組成物を調製し、洗髪による毛髪補修効果及びコンディショニング効果、並びに保存による安定性を評価した。
【0043】
(洗髪方法)
髪を十分に濡らした後、シャンプー組成物5g又は10g(セミロングは5g、ロングは10g)をとり、洗髪を行った。良くすすいだ後、ドライヤーの温風で十分に乾燥させた。このようにして3週間使用した後、毛髪補修効果の評価及びコンディショニング性に関する官能評価を行った。
【0044】
(毛髪補修効果)
簡易型実体顕微鏡〔WIDE STAND MICRO;PEAK社製(10倍)〕を用い、毛髪の根元方向斜め(毛髪軸と光源からの光の照射軸との角度15〜60度)から光を照射し、毛髪軸と光の照射軸と同一平面で、かつ毛髪軸に対し垂直方向から毛髪を観察した。この方法により、観察の妨げになる毛髪表面での正反射光を除くことができ、空洞ができた毛髪はメデュラ部の多孔質構造のみが毛髪中心部に白っぽく筋状に観察される(フレグランス ジャーナル,6号,11頁,2000年)。毛髪処理の前後において空洞部の全長を測定し、次式に従って空洞消失率(空洞補修率)を求めた。
【0045】
【数1】
Figure 0003843051
【0046】
(官能評価)
パネラー5名により、下記基準に従って評価を行い、その平均値からランク分けを行った。
【0047】
・評価基準
(1)乾燥後の毛髪のツヤ
4:顕著なツヤの改善が見られる
3:ツヤの改善が見られる
2:ややツヤの改善が見られる
1:ツヤの改善が無い
0:ツヤが無くなった
【0048】
(2)乾燥後の毛髪のしっとり感
4:非常にしっとりしている
3:しっとりしている
2:ややしっとりしている
1:しっとりしていない
0:まったくしっとりしていない
【0049】
・ランク
◎:平均評価点が3.5以上
○:平均評価点が2.5以上3.5未満
△:平均評価点が1.5以上2.5未満
×:平均評価点が1.5未満
【0050】
(安定性評価)
50℃1ヵ月保存後、性能と外観から下記基準に従い評価した。
◎:変化しない
○:わずかに劣化した
△:劣化が認められる
×:著しく劣化した。
【0051】
【表1】
Figure 0003843051
【0052】
Figure 0003843051
上記シャンプー(20重量倍希釈液のpHは3.7)で洗髪した髪は、乾燥後のツヤ、しっとり感が良好であった。
【0053】
Figure 0003843051
上記シャンプー(20重量倍希釈液のpHは3.5)で洗髪した髪は、乾燥後のツヤ、しっとり感が良好であった。
【0054】
Figure 0003843051
上記シャンプー(20重量倍希釈液のpHは3.7)で洗髪した髪は、乾燥後のツヤ、しっとり感が良好であった。
【0055】
Figure 0003843051
上記シャンプー(20重量倍希釈液のpHは3.9)で洗髪した髪は、乾燥後のツヤ、しっとり感が良好であった。
【0056】
Figure 0003843051
上記シャンプー(20重量倍希釈液のpHは4.0)で洗髪した髪は、乾燥後のツヤとしっとり感が良好であった。
【0057】
【発明の効果】
本発明のシャンプー組成物は、洗髪時には良好な泡立ちとすべりの良い泡質を有し、また乾燥後の毛髪のツヤ、柔軟性、しっとり感に優れ、かつ安定性にも優れる。

Claims (1)

  1. 次の成分(A)〜(E)
    (A) マレイン酸、乳酸、リンゴ酸及びサリチル酸から選ばれる有機酸又はそれらの塩 0.75〜10重量%
    (B) 次の(b1)〜(b5)から選ばれる有機溶剤
    (b1) 一般式(1)で表される化合物
    Figure 0003843051
    〔式中、R1は水素原子、低級アルキル基、又は基R2−Ph−R3−(R2;水素原子、メチル基又はメトキシ基,R3;結合手又は炭素数1〜3の飽和若しくは不飽和の二価の炭化水素基,Ph;パラフェニレン基)を示し、Y及びZは水素原子又は水酸基を示し、p、q及びrは0〜5の整数を示す。ただし、p=q=0であるときは、Zは水素原子ではなく、またR1は水素原子及び基R2−Ph−のいずれでもない。〕
    (b2) 窒素原子に炭素数1〜18のアルキル基が結合したN-アルキルピロリドン
    (b3) 炭素数1〜4のアルキレンカーボネート
    (b4) 分子量200〜5000のポリプロピレングリコール
    (b5) 一般式(2)、(3)又は(4)で表されるラクトン又は環状ケトン
    Figure 0003843051
    〔式中、Xはメチレン基又は酸素原子を示し、R4及びR5は相異なる置換基を示し、a及びbは0又は1を示す。〕
    (C) 硫酸残基を有するアニオン界面活性剤
    (D) ビタミン、アミノ酸、アミノ酸類似物質、タンパク加水分解物、又はそれらの誘導体
    (E) カチオン性ポリマー、シリコーン類及び油剤から選ばれるコンディショニング成分
    を含有し、水で20重量倍希釈したときの25℃におけるpHが1〜4であるシャンプー組成物。
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