JP3843049B2 - 光ピックアップ装置の調整用ディスク、調整方法及び製造方法、並びにそれを用いた光再生装置の製造方法 - Google Patents

光ピックアップ装置の調整用ディスク、調整方法及び製造方法、並びにそれを用いた光再生装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種類の異なる光記録媒体に対応して波長の異なる光を射出する複数の光源を備えるとともに各光記録媒体に対応して複数の受光部を備えた光ピックアップ装置の調整用ディスク、調整方法及び製造方法、並びにそれを用いた光再生装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2000−207766号公報には、波長の異なる複数の光源と、複数の光源から射出して光記録媒体で反射した各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部パターンを同一基板上に形成した光検出器と、複数の光源から光検出器に至る光路を共有する光学系とを備えた光ピックアップ装置およびそれを備えた光記録再生装置が記載されている。
【0003】
上記公報には、複数の受光部パターンを同一基板上に形成することで、各々の受光部パターンが高精度な相対位置精度を有することにより、複数の光源から射出された波長の異なる光が光記録媒体で反射された各々の戻り光を受光部パターンに高精度に導くことが可能となり、種類の異なる光記録媒体に対して高品質の再生信号や記録信号を得ることが可能であることが記載されている。また、上記公報には、複数の光源を同一の半導体基板に構成すれば、光源の間隔を高精度で位置決めすることができることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような光ピックアップ装置は、例えばアルミダイキャスト製の光学ベース(ハウジング:筺体)に、2波長半導体レーザ、光検出器(フォトダイオード集積回路:PD−IC)及び光学系を構成する各種部材を取り付けて製作される。この際に、光源である2波長半導体レーザや、受光部である光検出器及び各種光学系部品の取付位置を調整する必要がある。
【0005】
特に、受光部である光検出器の取付けに際しては、光検出器を載置した受光部取付板(光検出器取付板)を光学ベースの受光部取付面に当接させた状態で、各光記録媒体からの戻り光(読み出し光,反射光)のスポットが各光記録媒体に対応した各受光部上に結像するように受光部取付板の位置を調整する。位置調整が完了した状態で、受光部取付板を例えば接着等によって光学ベースに固定する。
【0006】
このとき、波長の異なる複数の光源を備えた光ピックアップ装置では、各光源毎に受光部の位置調整を行う必要がある。まず一方の光源からレーザ光を射出させ、一方の受光部の位置を調整する。次に、他方の光源からレーザ光を射出させ、他方の受光部の位置を調整する。このため、光ピックアップ装置の取付位置を調整する工程が煩雑になってしまうという問題が生じる。
【0007】
特開平10−69647号公報には、レーザビームにより光再生可能な第1のフォーマットで記録された第1信号記録面と、レーザビームにより光再生可能な第2のフォーマットで記録された第2信号記録面とを含み、第1及び第2の信号記録面を同一の方向から再生できる光記録媒体及びそれを用いた光ピックアップ装置の調整方法について開示されている。
【0008】
上記公報には、コンパクト・ディスク(CD)系及びデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)系の2種の光ディスクの互換再生の可能な光ピックアップが実際に両光ディスクを再生できるか否かを検査するための光ディスクについて記載されている。この検査用光ディスクを受光部の位置調整を行う際に用いれば、波長の異なる複数の光源に対応する各受光部の位置調整を容易に行うことができる。しかしながら、CD側の受光部の位置調整を行う際と、DVD側の受光部の位置調整を行う際との間では、検査用光ディスクと光ピックアップ装置とを相対的に移動させている。このため、光ディスク又は光ピックアップ装置の移動に伴って生じる振動等により、位置調整された光検出器が移動してずれてしまうおそれがある。
【0009】
また、上記の検査用光ディスクでは、光検出器を位置調整する際に、信号記録面の情報信号を読み出すためノイズが増加して光検出器の位置調整が困難になり、光検出器の位置精度が低下してしまうという問題が生じる。
【0010】
本発明の目的は、複数種類の光記録媒体を再生可能な光ピックアップ装置を容易で高効率かつ高精度に調整できる光ピックアップ装置の調整用ディスク、調整方法及び製造方法、並びにそれを用いた光再生装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置の調整に用いられる調整用ディスクであって、前記光が入射する光入射面と、前記光入射面からの距離が互いに異なる複数層が形成され、前記複数層のうち少なくとも1層が、いずれかの前記光に対して同一層内で複数レベルの反射率を有する光反射膜と、ディスクの面内方向において、互いに異なる層構成の前記光反射膜で形成された複数の光反射領域とを備えることを特徴とする光ピックアップ装置の調整用ディスクによって達成される。
【0012】
上記本発明の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、前記複数レベルの反射率を有する光反射膜は、他の前記光反射膜のうち少なくとも1つより前記光入射面側に配置されていることを特徴とする。
【0013】
上記本発明の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、前記複数の光反射領域のうち少なくとも1つは、複数の前記光反射膜が形成された光反射膜積層領域であり、前記複数の光反射膜のうち前記光入射面側に配置された光反射膜は、他の前記光反射膜より低い反射率を有していることを特徴とする。
【0014】
上記本発明の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、前記光反射膜積層領域は、前記複数の光反射膜がいずれも鏡面状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
上記本発明の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、前記光反射膜積層領域は、複数の前記光反射領域に隣接していることを特徴とする。
【0016】
上記本発明の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、前記光反射膜は、複数の光記録媒体のフォーマットに対応するピットを同一層内に有していることを特徴とする。
【0017】
上記本発明の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、前記複数の光源は2つであることを特徴とする。
【0018】
また、上記目的は、互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置の調整方法であって、上記本発明の光ピックアップ装置の調整用ディスクを用い、前記光反射膜積層領域に、前記複数の光源のうち少なくとも2つから同時に前記光を射出することを特徴とする光ピックアップ装置の調整方法によって達成される。
【0019】
さらに、上記目的は、互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置の調整方法であって、前記複数の光源のうち少なくとも2つから同時に前記光を射出することを特徴とする光ピックアップ装置の調整方法によって達成される。
【0020】
また、上記目的は、互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置の製造方法であって、上記本発明の光ピックアップ装置の調整方法を用いることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法によって達成される。
【0021】
さらに、上記目的は、互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置を備えた光再生装置の製造方法であって、上記本発明の光ピックアップ装置の調整方法を用いることを特徴とする光再生装置の製造方法によって達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスク、調整方法及び製造方法、並びにそれを用いた光再生装置の製造方法について図1乃至図16を用いて説明する。図1は、本実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスクを光の入射する光入射面側から見た構成を示している。図2は、図1のA−A線で切断した調整用ディスクの半径方向の断面図である。図2では、光入射面が下方に配置されている。
【0023】
図1及び図2に示すように、調整用ディスク51は、直径120mmで厚さ0.6mmの円板状の2枚の透明基板52,53が、紫外線硬化型樹脂からなる厚さ10μmの接着層54を介して貼り合わされて作製されている。透明基板52,53は、ポリカーボネート等で形成されている。調整用ディスク51の中心部には中心穴部59が形成されている。
【0024】
また、調整用ディスク51を光入射面58に垂直方向に見ると、ディスクの面内方向(半径方向)に3つの光反射領域α,β,γに分割されている。光反射領域αは例えば半径24mmから40mmまでの範囲であり、光反射領域βは例えば半径40mmから45mmまでの範囲である。光反射領域γは例えば半径45mmから58mmまでの範囲である。透明基板52の裏面(信号面:図2では上方)には、例えば膜厚100nmのアルミニウム(Al)からなる光反射膜55が光反射領域αに形成され、例えば膜厚15nmのAlからなる光反射膜56が光反射領域βに形成されている。透明基板52の裏面の光反射領域γには、光反射膜が形成されていない。光反射膜56は、光反射膜55に比較して光の反射率が低くなっている。
【0025】
透明基板53の裏面(信号面:図2では上方)には、例えば膜厚100nmのAlからなる光反射膜57が光反射領域β,γに形成されている。透明基板53の裏面の光反射領域αには光反射膜が形成されていない。このように光反射領域α,β,γは、光入射面58に垂直方向に見ると、ディスクの面内方向において、互いに異なる層構成で形成されている。光反射領域βは、2層の光反射膜56,57が形成された光反射膜積層領域になっている。光入射面58側の光反射膜56は、光反射膜57よりも反射率が低くなるように形成されている。光反射膜積層領域である光反射領域βは、他の光反射領域α、γに隣接している。すなわち光反射膜は、光入射面からの距離が互いに異なる2層が形成されている。また、そのうちの1層である光反射膜55,56は、同一層内で複数レベルの反射率を有している。
【0026】
透明基板52裏面の光反射領域αには、DVD−ROMフォーマットの信号に対応するピット(凹凸)が形成されている。透明基板52裏面の光反射領域β,γにはピットが形成されていない。このため、光反射膜56は鏡面状に形成されている。また、透明基板53裏面の光反射領域γには、CDフォーマットの信号に対応するピットが形成されている。透明基板53裏面の光反射領域α,βにはピットが形成されていない。このため、光反射領域βの光反射膜57は鏡面状に形成されている。
【0027】
調整用ディスク51の各光反射領域α,β,γでの反射率(受・発光量比)は以下のようになっている。DVD再生用のレーザ光の波長λ1を655nmとし、CD再生用のレーザ光の波長λ2を785nmとする。また、透明基板52をレーザ光が透過する際(透明基板52表面での反射を含む)の光量の損失と、透明基板53及び接着層54をレーザ光が透過する際(透明基板53表面での反射を含む)の光量の損失を各5%程度とする。すなわち、光入射面58から入射して光反射膜55,56で反射し、光入射面58から射出する光は、光入射面58に入射する光に比較して10%程度光量が減少する。同様に、光入射面58から入射して光反射膜57で反射し、光入射面58から射出する光は、光入射面58に入射する光に比較して20%程度光量が減少する。
【0028】
調整用ディスク51の光反射領域αでの反射率は、光反射膜55での反射率を90%として上記10%程度の光量減少を考慮すると81%になる。また、調整用ディスク51の光反射領域γでの反射率は、光反射膜57での反射率を90%として上記20%程度の光量減少を考慮すると72%になる。
【0029】
表1は、光反射膜56での波長λ1,λ2の光に対する反射率及び透過率を示している。表1に示すように、光反射膜56での波長λ1の光に対する反射率をR1dとし、波長λ2の光に対する反射率をR2dとする。また、光反射膜56での波長λ1の光に対する透過率をT1d(=1−R1d)とし、波長λ2の光に対する透過率をT2d(=1−R2d)とする。光反射膜56が波長依存性のない材料で形成されていればR1d=R2d、T1d=T2dになる。
【0030】
【表1】
Figure 0003843049
【0031】
表2は、光反射膜57での波長λ1,λ2の光に対する反射率及び透過率を示している。表2に示すように、光反射膜57での波長λ1の光に対する反射率をR1cとし、波長λ2の光に対する反射率をR2cとする。また、光反射膜57での波長λ1の光に対する透過率をT1c(=1−R1c)とし、波長λ2の光に対する透過率をT2c(=1−R2c)とする。光反射膜57が波長依存性のないAl等の材料で形成されていればR1c=R2c、T1c=T2cになる。
【0032】
【表2】
Figure 0003843049
【0033】
調整用ディスク51の光反射領域βでの反射率を波長λ1の光に対してRaとし、波長λ2の光に対してRbとすると、
Ra=0.9×R1d
Rb=0.8×(T2d)2×R2c
となる。すなわち、反射率R1d=30%、透過率T2d=70%、反射率R2c=90%とすると、調整用ディスク51の光反射領域βでの波長λ1の光に対する反射率Raは27%になり、波長λ2の光に対する反射率Rbは35%になる。なお、反射率Ra,Rbの値には好適な範囲や互いの大小関係の限定はない。反射率Ra,Rbは、各光検出器で検出可能な受光量が得られるような値になっていればよい。
【0034】
次に、本実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスクの製造方法について説明する。まず、直径120mmで厚さ0.6mmの円板状の透明基板52,53を射出成形により作製する。このとき透明基板52の裏面(信号面)には、光反射領域αにDVD−ROM用の信号のピットが形成される。透明基板53の裏面(信号面)には、光反射領域γにCD−ROM用の信号のピットが形成される。
【0035】
透明基板52の信号面の光反射領域α及び光反射領域βが露出するマスクを用いて、透明基板52の信号面上に例えば膜厚15nmのAl膜をスパッタリング法により成膜する。次に、光反射領域αが露出するマスクを用いて、例えば膜厚85nmのAl膜をスパッタリング法によりさらに成膜する。これにより、膜厚100nmの光反射膜55と膜厚15nmの光反射膜56とが形成される。次に、透明基板53の信号面の光反射領域β及び光反射領域γが露出するマスクを用いて、透明基板53の信号面上に例えば膜厚100nmのAl膜をスパッタリング法により成膜する。これにより、膜厚100nmの光反射膜57が形成される。
【0036】
次に、透明基板52の信号面の全面に、例えば厚さ10μmの紫外線硬化型接着剤を塗布し、接着層54を形成する。次に、接着層54上に透明基板53の表面(非信号面:図2では下方)を重ね合わせる。次に、紫外線を照射して接着層54を硬化させ、透明基板52、53を貼り合わせる。以上の手順を経て、光ピックアップ装置の調整用ディスク51が完成する。また、必要に応じ、光反射膜57の上に保護コートを施してもよい。
【0037】
次に、本実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスクを用いた光ピックアップ装置の調整方法及び製造方法並びに光再生装置の製造方法について説明する。まず、光ピックアップ装置の構成について説明する。図3は本実施の形態による光ピックアップ装置の模式構造図である。本実施の形態による光ピックアップ装置10は、CD−R等を含む各種のCD1a及び各種のDVD(DVD−ROM,DVD−RAM等)1bなど種類の異なる光記録媒体に対応できるようになっている。光ピックアップ装置10は、2波長半導体レーザ(レーザダイオード:LD)11と、位相差板12と、2波長半導体レーザ11側から順に配置された回折格子13a,13bと、ビームスプリッタ14と、コリメータレンズ15と、図示を省略した立ち上げミラーと、対物レンズ16と、光検出器取付板17に取り付けられた光検出器(PD−IC:フォトダイオード集積回路)18とを有している。
【0038】
2波長半導体レーザ11は、CD再生用の波長785nmのレーザ光とDVD再生用の波長655nmのレーザ光を出力する。この2波長半導体レーザ11の光出力は再生クラス(例えば5mW)である。この2波長半導体レーザ11は、半導体基板(半導体レーザ本体)が金属製等の筺体(ケース:不図示)に封止されており、筺体に設けられたレーザ窓部から各レーザ光を射出するようになっている。不図示のバックモニタで2波長半導体レーザ11の光出力量を検知し、2波長半導体レーザ11に供給する電力をフィードバック制御することで光出力量を自動制御(APC:自動パワーコントロール)するようになっている。
【0039】
図4は光源を構成する2波長半導体レーザ11の概略構造を示す斜視図である。図4は半導体基板を封止する筺体を除いて、半導体レーザの本体部のみを示している。2波長半導体レーザ11は、例えばガリウム砒素(GaAs)半導体基板11a上に波長785nm用光導波路(第1の光導波路)11b及び波長655nm用光導波路(第2の光導波路)11cが所定の間隔(例えば110μm)で形成されている。光導波路11bの端部は第1の発光点11dになっており、光導波路11cの端部は第2の発光点11eになっている。第1の発光点(CD用発光点)11dからは波長785nmのレーザ光が射出され、第2の発光点(DVD用発光点)11eからは波長655nmのレーザ光が射出される。符号LAは2つの光源の発光点の間隔である。2波長半導体レーザ11はフォトリソグラフィ工程で製造されるため、間隔LAは高精度に形成され誤差が少ない。
【0040】
各発光点11d,11eから射出されたレーザ光は不図示の筺体に形成されたレーザ窓から筺体外部へ射出される。この2波長半導体レーザ11は、波長655nm(DVD用)のレーザ光を自励発振モードで発振させ、波長785nm(CD用)のレーザ光をゲインガイド型マルチモードで発振させる。なお、2波長半導体レーザ11は、各波長のレーザ光をシングルモードで発振させるものでもよい。
【0041】
図3に示す位相差板12は1/4波長板であり、位相差板12により直線偏光の光ビームを円偏光に変換する。一般にDVDの高速再生には円偏光が望ましいとされている。本実施の形態では、位相差板12として薄いガラス板の機能性フィルムを貼り付けたものを用いている。位相差板12は、直線偏光の偏光面に対し光学軸が45°傾くように設置されている。
【0042】
回折格子13aは、例えば2波長半導体レーザ11側の面にDVD用の格子面が形成され、回折格子13bは、ビームスプリッタ14側の面にCD用の格子面が形成されている。回折格子13a,13bでの分割光量比率は、DVD/CDともに例えば、1(+1次光):6(0次光):1(−1次光)である。格子ピッチは、例えばDVD側が21.2μm、CD側が31.0μmである。DVD格子面はCD波長(785nm)では回折しないように、また、CD格子面はDVD波長(655nm)では回折しないように波長選択性を持たせている。この排他的な作用(波長選択性)は、通常の回折格子よりも溝深さを深くするとともに、格子間隔のデューティ比を0.5からずらした格子形状とすることで実現している。
【0043】
ビームスプリッタ14は、2波長半導体レーザ11側からの光ビームを光記録媒体方向へ反射させ、また、光記録媒体からの反射光を光検出器18側へ透過させるハーフミラーの機能を有している。本実施の形態では、平板形状のビームスプリッタ板(BS板)を用いている。
【0044】
コリメータレンズ15は、光源である2波長半導体レーザ11からの発散光線束を平行光線束に変換して対物レンズ16に導くとともに、対物レンズ16からの平行光線束を集束光線束に変換して光検出器18へ導く。本実施の形態では、プラスチック射出成形による両面が非球面型のコリメータレンズを用いている。
【0045】
図示を省略した立ち上げミラーは、コリメータレンズ15からの平行光線束を対物レンズ16の方向へ反射させ、また、対物レンズ16からの平行光線束をコリメータレンズ15側へ反射させる。本実施の形態では立ち上げミラーとして平面状のミラーを用いている。折り曲げ角度(反射角度)は約90°である。
【0046】
図5は対物レンズの構造図であり、図5(a)は正面図を示し、図5(b)は側面図を示している。なお、図5(b)では各光ディスク1a,1bの側面も併せて示している。なお、図5(b)において、符号KaはCD1aの情報記録面、符号KbはDVD1bの情報記録面である。符号taはCD1aの厚さ(ta=1.2mm)、符号tbはDVD1bの厚さ(tb=0.6mm)である。
【0047】
本実施の形態による光ピックアップ装置10では、対物レンズ16として2重焦点回折型の対物レンズを用いている。この対物レンズ(2重焦点回折対物レンズ)16は、光学プラスチック材料を射出成形して製作されている。図5(b)に示すように、対物レンズ16は両面が非球面に形成されている。図5(a)に示すように、曲率の大きいレンズ面(立ち上げミラー側、すなわち光ディスクとは反対側)には、断面が鋸歯状の多数の同心円輪帯16cからなる回折格子が形成されている。なお、当該回折格子に代えてホログラフィック回折格子をレンズ面に形成してもよい。同心円輪帯16cのレンズ面中心側領域はCD/DVD兼用領域16aであり、その外周側の領域はDVD専用領域16bである。対物レンズ16はCD用(波長785nm)の光ビームをCD1aの情報記録面Kaに集束させ、また、DVD用(波長655nm)の光ビームをDVD1bの情報記録面Kbに集束させる。
【0048】
各光ディスク1a,1bの情報記録面Ka,Kbは、ポリカーボネート等からなる保護膜(透明基板)で保護されている。保護膜の厚さ(ほぼ光記録媒体の厚さに相当する)は光記録媒体の種類毎に異なる。保護膜の厚さに依存して入射光の球面収差が変化するので、光記録媒体の種類に応じて球面収差の量も異なる。そこで、2重焦点回折の対物レンズ16を用いることで、光記録媒体の種類による球面収差の相違を補正するようにしている。
【0049】
なお、対物レンズ16は不図示のアクチュエータ組立(アクチュエータアッセンブリ)上にフォーカス方向及びトラッキング方向(光記録媒体のラジアル方向)に移動自在に保持されている。そして、フォーカスサーボ制御及びトラッキングサーボ制御によって対物レンズ16の位置が制御され、光ビームのスポットを光記録媒体上の読み取り点に追従させることができるようになっている。
【0050】
図3に示すように、2波長半導体レーザ11から射出された直線偏光の光ビーム(レーザ光)は、位相差板12で偏光方向を変えられた後に順次回折格子13a,13bに入射し、トラッキング用の2つのサブビーム(+1次光,−1次光)と、RF検出用及びフォーカシング用のメインビーム(0次光)とがビームスプリッタ14に入射する。ビームスプリッタ14に入射したメインビーム及び各サブビームのそれぞれの約半分の光量の光はビームスプリッタ14で反射して進行方向が90°曲げられてコリメータレンズ15側へ射出する。コリメータレンズ15に入射するメインビーム及び各サブビームは発散光線束である。
【0051】
光検出器18は、CD1aからの反射光(CD用)の受光部18aと、DVD1bからの反射光(DVD用)の受光部18bとを備えている。図中の符号LBは各受光部18a,18bの間隔を示している。光検出器18は、メインビーム及びサブビームをそれぞれ受光してメインビーム及びサブビームのそれぞれに対応した電流信号に変換する受光部(PD:フォトダイオード部又はフォトディテクト部)と、受光部で発生した電流信号を電圧信号に変換して所定の演算を施して各種信号(再生信号(RF信号)、フォーカス誤差信号(FES)、トラッキング誤差信号等)を生成・出力する演算部(IC部)とを有している。本実施の形態では、受光部及び演算部(IC部)をモノリシックICで構成し、このモノリシックICを例えば14ピンのCOB(チップ・オン・ボード)パッケージに封入している。
【0052】
図6は光検出器の受光部の受光素子パターン構成を示している。図6中の符号LBは、CD用受光部18aの中心点とDVD用受光部18bの中心点との間隔である。CD用受光部18aは、メインビーム受光素子パターン部18a1と、第1のサブビーム受光素子パターン部18a2と、第2のサブビーム受光素子パターン部18a3とを備える。メインビーム受光素子パターン部18a1は、田の字状に4分割された4個のメインビーム受光素子パターンA,B,C,Dを有している。
【0053】
CD用受光部18aの第1のサブビーム受光素子パターン部18a2は、図示の上下方向に2分割された各サブビーム受光素子パターンE1,E2を有している。メインビーム受光素子パターン部18a1に近い側のサブビーム受光素子パターンE1は、遠い側のサブビーム受光素子パターンE2よりも面積が広く設定されている。この第1のサブビーム受光素子パターン部18a2は、メインビーム受光素子パターン部18a1に対して図示左方向に少しずらして配置されている。
【0054】
CD用受光部18aの第2のサブビーム受光素子パターン部18a3は、図示の上下方向に2分割された各サブビーム受光素子パターンF1,F2を有している。メインビーム受光素子パターン部18a1に近い側のサブビーム受光素子パターンF2は、遠い側のサブビーム受光素子パターンF2よりも面積が広く設定されている。この第2のサブビーム受光素子パターン部18a3は、メインビーム受光素子パターン部18a1に対して図示右方向に少しずらして配置されている。なお、本実施の形態では、各受光素子パターン部内における各受光素子パターンの分割間隔はそれぞれ4μm程度としている。
【0055】
DVD用受光部18bは、メインビーム受光素子パターン部18b1と、第1のサブビーム受光素子パターン部18b2と、第2のサブビーム受光素子パターン部18b3とを備える。メインビーム受光素子パターン部18b1は、田の字状に4分割された4個のメインビーム受光素子パターンa,b,c,dを有している。
【0056】
DVD用受光部18bの第1のサブビーム受光素子パターン部18b2は、田の字状に4分割された4個のサブビーム受光素子パターンe1,e2,e3,e4を有している。この第1のサブビーム受光素子パターン部18b2は、メインビーム受光素子パターン部18b1に対して図示左方向に少しずらして配置されている。第2のサブビーム受光素子パターン部18b3は、田の字状に4分割された4個のサブビーム受光素子パターンf1,f2,f3,f4を有している。この第2のサブビーム受光素子パターン部18b3は、メインビーム受光素子パターン部18b1に対して図示右方向に少しずらして配置されている。なお、本実施の形態では、各受光素子パターン部内における各受光素子パターンの分割間隔はそれぞれ4μm程度としている。
【0057】
さらに、DVD用受光部18bのメインビーム受光素子パターン部18b1は、CD用受光部18a1のメインビーム受光素子パターン部18a1に対して図中下方向に少しずらして配置されている。
【0058】
図7は光検出器18の動作様式の説明図である。図7は光記録媒体の種類(DVD−ROM,DVD−RAM,CD−ROM及びCD−RWの3区分)と、再生に使用する受光素子と、フォーカス誤差検出方法及びトラッキング誤差検出方法との関係を表形式に示したものである。なお、図7では光ビームスポットを表す丸印を付けることで再生に使用する受光素子を示している。
【0059】
DVD−ROMを再生する場合は、DVD用受光部のメインビーム受光素子パターンa,b,c,dのみを使用する。フォーカス誤差検出(FES)は非点収差法を用いて行う。各受光素子パターンa,b,c,dの出力をそれぞれVa,Vb,Vc,Vdとすると、非点収差法によるフォーカス誤差検出出力FESは次式で示される。
FES=(Va+Vc)−(Vb+Vd)
【0060】
DVD−ROMの再生に際してトラッキング誤差検出(RES)は位相差法を用いて行う。位相差法は、トラックずれが生じるとピットによる振幅変調に加えて位相変調も検出できることを利用してトラッキング誤差を検出する。なお、DVD−ROMのみを再生する場合は、サブビームが不要であるので回折格子13a,13bは不要である。
【0061】
DVD−RAMを再生する場合は、DVD用受光部の全ての受光素子パターンを使用する。フォーカス誤差検出(FES)は差動非点収差法を用いて行う。DVD−RAMはディスク面に形成されたランドとグルーブが等幅であり、通常の非点収差法では溝横断ノイズが発生する。この溝横断ノイズはメインビームとサブビームで逆位相となるので、メインビームによる検出出力とサブビームによる検出出力を加算することで溝横断ノイズを除去することができる。そこで、メインビームとサブビームの双方を用いて非点収差検出を行う。各受光素子パターンa〜d,e1〜e4,f1〜f4の出力をそれぞれVa〜Vd,Ve1〜Ve4,Vf1〜Vf4とすると、差動非点収差法(DAD)によるフォーカス誤差検出出力DAD−FESは次式で示される。なお、次式において、kは係数である。
DAD−FES={(Va+Vc)−(Vb+Vd)}+k{(Vf1+Vf3+Ve1+Ve3)−(Vf2+Vf4+Ve2+Ve4)}
【0062】
DVD−RAMの再生に際してトラッキング誤差(RES)の検出は差動プッシュプル法を用いて行う。また、DVD−RAMは千鳥状のエンボスピットによって記録されたアドレス情報(CAPA)を再生するためにプッシュプル出力が必要である。一方、単純プッシュプル法は、メインビームのみでトラッキング誤差を検出するため調整が簡単であるがラジアルシフト特性が悪い。差動プッシュプル法(DPP)は、メインビームのプッシュプル出力とサブビームのプッシュプル出力とがラジアルシフトにオフセットを生じた場合でも、サブビームのプッシュプル出力波形を上下反転させて同相の2信号を加算することで、ラジアルシフト特性が改善された良好なトラッキング誤差出力を得るものである。なお、この差動プッシュプル法では、各サブビームがメインビームに対してそれぞれ1トラック周期の分ずれていることが前提条件となる。
【0063】
CD−ROM及びCD−RWを再生する場合は、CD用受光部の各受光素子パターンA,B,C,D,E1,E2,F1,F2を使用する。フォーカス誤差検出(FES)は非点収差法を用いて行う。各受光素子パターンA,B,C,Dの出力をそれぞれVA,VB,VC,VDとすると、非点収差法によるフォーカス誤差検出出力FESは次式で示される。
FES=(VA+VC)−(VB+VD)
【0064】
CD−ROM及びCD−RWの再生に際してトラッキング誤差検出(RES)は3ビーム法を用いて行う。この3ビーム法はCDのトラッキング検出法として広く用いられている。各サブビームはメイントラックに対してそれぞれトラックピッチの1/4ピッチ分ずつずれて配置される。各受光素子パターンE1,E2,F1,F2の出力をそれぞれVE1,VE2,VF1,VF2とすると、3ビーム法によるトラッキング誤差検出出力(RES)は次式で示される。
FES=(VE1+VE2)−(VF1+VF2)
【0065】
なお、3ビーム法では、第1のサブビームの受光素子パターン部を各サブビーム受光素子パターンE1,E2に2分割しなくてもよく、同様に第2のサブビームの受光素子パターン部を各サブビーム受光素子パターンF1,F2に2分割しなくてもよい。
【0066】
コリメータレンズ15は、ビームスプリッタ14側から入射した光ビーム(発散光線束)を平行光線束に変換する。コリメータレンズ15から射出した光ビーム(平行光線束)は、図示を省略した立ち上げミラーによって光ビームの進行方向が光記録媒体1a,1bのディスク面(情報記録面)にほぼ直交する方向へ変更され、対物レンズ16に入射する。光ビーム(平行光線束)は、対物レンズ16で集束光線束となり、各光記録媒体1a,1bの情報記録面にスポット光として照射される。
【0067】
各光記録媒体1a,1bで反射された反射光は、対物レンズ16、不図示の立ち上げミラー、コリメータレンズ15の順でビームスプリッタ14に至り、約半分の光量の光がビームスプリッタ14を透過する。ビームスプリッタ14を透過した光は光検出器18へ至り、光検出器18で電気信号へ変換される。
【0068】
図8は本実施の形態による光ピックアップ装置10を搭載した光再生装置150の概略構成を示している。光再生装置150は、図8に示すように光記録媒体100を回転させるためのスピンドルモータ152と、光記録媒体100にレーザビームを照射するとともにその反射光を受光する光ピックアップ装置10と、スピンドルモータ152及び光ピックアップ装置10の動作を制御するコントローラ154と、光ピックアップ装置10にレーザ駆動信号を供給するレーザ駆動回路155と、光ピックアップ装置10にレンズ駆動信号を供給するレンズ駆動回路156とを備えている。
【0069】
コントローラ154にはフォーカスサーボ追従回路157、トラッキングサーボ追従回路158及びレーザコントロール回路159が含まれている。フォーカスサーボ追従回路157が活性化すると、回転している光記録媒体100の記録面にフォーカスがかかった状態となり、トラッキングサーボ追従回路158が活性化すると、光記録媒体100の偏芯している信号トラックに対して、レーザビームのスポットが自動追従状態となる。フォーカスサーボ追従回路157及びトラッキングサーボ追従回路158には、フォーカスゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール機能及びトラッキングゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール機能がそれぞれ備えられている。また、レーザコントロール回路159は、レーザ駆動回路155により供給されるレーザ駆動信号を生成する回路であり、再生出力を一定に保つために、適切なレーザ駆動信号の生成を行う。
【0070】
これらフォーカスサーボ追従回路157、トラッキングサーボ追従回路158及びレーザコントロール回路159については、コントローラ154内に組み込まれた回路である必要はなく、コントローラ154と別個の部品であっても構わない。さらに、これらは物理的な回路である必要はなく、コントローラ154内で実行されるソフトウェアであっても構わない。なお、光再生装置150は記録機能を備えた光記録再生装置に含まれていても、あるいは記録機能を有していない再生専用の装置であってもよい。
【0071】
図9は、本実施の形態による他の光ピックアップ装置の模式構造図である。図9に示す光ピックアップ装置20は、2波長半導体レーザ21から射出された光ビームの光軸を、対物レンズ26から光検出器28に至る反射光の光軸に直交する方向に対して所定の角度傾けることで、光ピックアップ装置20の幅方向(反射光側の光学系の光軸に直交する方向)の寸法を小さくして、光ピックアップ装置20のさらなる小型化を図ったものである。
【0072】
この光ピックアップ装置20の構成及び作用は、図3に示した光ピックアップ装置10と基本的に同じである。なお図9では、2波長半導体レーザ21から射出されたレーザ光が位相差板22で反射して2波長半導体レーザ21に戻ることを防止するために位相差板22を傾けて配置した例を示している。符号21aはレーザ光が射出するレーザ窓である。符号LAは、第1の発光点21dと第2の発光点21eとの間隔である。符号LBは各受光部28a、28bの間隔である。
【0073】
この光ピックアップ装置20では、ビームスプリッタ24として平行平板形状の基材を用いている。ビームスプリッタ24の一方の面(2波長半導体レーザ21側の面)24aにはハーフミラー膜が形成されている。また、ビームスプリッタ板24の他方の面(光検出器28側の面)24bには有害光反射防止膜が形成されている。
【0074】
2波長半導体レーザ21から射出された光ビームは、位相差板22、回折格子23a,23bを介してビームスプリッタ24の一方の面24aに入射し、一部がビームスプリッタ24で反射する。ビームスプリッタ板24で反射した光ビームは、コリメータレンズ25で平行光線束に変換され、立ち上げミラー(不図示)によって紙面垂直方向に折り曲げられる。さらに光ビームは、対物レンズ(2重焦点回折型対物レンズ)26で集束され、不図示の光記録媒体の情報記録面に光ビームスポットとして照射される。
【0075】
不図示の光記録媒体で反射された反射光ビームは、対物レンズ26、立ち上げミラー(不図示)、コリメータレンズ25を経由してビームスプリッタ24に至り、一部がビームスプリッタ24を透過する。ビームスプリッタ24を透過した反射光ビームは、光検出器28の各受光部28a,28bに入射し、各受光部28a,28bによって反射光ビーム強度が検出される。
【0076】
図3及び図9に示した光ピックアップ装置10,20は、不図示の光学ベースに、光源である2波長半導体レーザ11,21と、位相差板12,22と、回折格子13a,13b,23a,23bと、ビームスプリッタ14,24と、コリメータレンズ15,25と、図示を省略した立ち上げミラーと、対物レンズ16,26と、光検出器取付板17,27に取り付けられた光検出器18,28とを取り付けて製造される。
【0077】
図10は光検出器の取付位置の調整方法の一例を示す斜視図、図11は光検出器の取付部の構造の一例を示す図であり、図11(a)は平面図、図11(b)は側面図、図11(c)は光検出器取付板に対する光検出器の取付構造を示す図、図12は本実施の形態による光検出器取付位置調整装置のブロック構成図である。
【0078】
図11(c)に示すように、光検出器18が実装された基板(COB基板)41にフレキシブル配線板(FPC)42を接続した光検出器組立が光検出器取付板17に取り付けられている。光検出器18の各端子(不図示)はCOB基板41の各端子(不図示)に電気的にそれぞれ接続されている。そして、COB基板41の各端子(不図示)とフレキシブル配線板42に設けられた各端子(不図示)とが電気的にそれぞれ接続されている。これにより、光検出器18の各受光素子パターン部の光検出出力信号がフレキシブル配線板42を介して外部に取り出される。
【0079】
図11(b)に示すように、光検出器取付板17には少なくとも2箇所に孔17a,17bが設けられている。本実施の形態では、第1の孔17aを各受光部18a,18bの中心位置(設計上の中心位置)に対応する位置に形成し、第2の孔17bを光検出器取付板17の隅部に形成している。なお、各孔17a,17bは光検出器取付板17を貫通するいわゆる透孔ではなく、穴状の溝であってもよい。さらに、孔の代替として凸部を設けるようにしてもよい。また、孔又は凸部を1箇所に設け、光検出器取付板17の側辺部に例えばU字状やV字状の切欠部を設けるようにしてもよい。なお、本実施の形態では、第1の孔17aを各受光部18a,18bの中心位置に設けたが、必ずしも各受光部18a,18bの中心位置に設ける必要はない。孔,溝,切欠部等の代わりに切り起こし部を設けるようにしてもよい。
【0080】
図11(a)に示すように、光検出器18を装着した光検出器取付板17の左右両端側を光学ベースの各取付部19L,19Rの側端面に当接させた状態で、光検出器取付板17の位置を調整することで光検出器18の取付位置を調整する。そして、取付位置の調整が完了した後に、本実施の形態では、光検出器取付板17の左右の側端面と各取付部19L,19Rの側端面と各当接部に接着剤を塗布して光検出器取付板17を固定する。
【0081】
図10に示すように、光検出器18の取付位置の調整は、光検出器取付板17に形成された各孔17a,17bに係合する各係合ピン31,31を有する位置調整治具32を用いて行う。具体的には、各係合ピン31,31の先端を各孔17a,17bに挿入し、各係合ピン31,31を介して光検出器取付板17を各取付部19L,19Rの側端面に当接させた状態で、位置調整治具32をX方向(図示の左右方向)、Y方向(図示の上下方向)に移動させ、さらに、位置調整治具32をθ方向(光検出器を回転させる方向)に回転させることで、光検出器18の取付位置を調整する。
【0082】
図12に示すように光検出器取付位置調整装置30は、光検出器取付板17との係合部となる各係合ピン31,31を所定の位置に備えた取付位置調整治具32と、この取付位置調整治具32の移動・回転を行う取付位置調整機構33と、取付位置調整制御装置39とを有している。
【0083】
取付位置調整機構33は、取付位置調整治具32を回転駆動させる回転駆動機構34と、この回転駆動機構34が取り付けられた3軸移動テーブル35と、3軸移動テーブル35を水平方向(左右方向:X方向)へ移動させる水平方向駆動機構36と、3軸移動テーブル35を垂直方向(上下方向:Y方向)へ駆動する垂直方向駆動機構37と、3軸移動テーブル35を前後方向(Z方向)へ移動させる前後方向駆動機構38とを備える。3軸移動テーブル35を前方向に移動させることで、取付位置調整治具32の先端側に取り付けた各係合ピン31,31を光検出器取付板17の光検出器18の取付位置及び向きを調整するための機構である各孔17a,17bに係合させることができる。また、3軸移動テーブル35を後方向に移動させることで、光検出器取付板17との係合を解除することができる。
【0084】
回転駆動機構34は、ステッピングモータと減速ギア機構(共に不図示)等を備える。この回転駆動機構34は、ステッピングモータを数ステップ乃至数十ステップ駆動することで、取付位置調整治具32を1°回転させる。
【0085】
取付位置調整制御装置39は、光検出器18の各受光素子パターン部の各検出出力に基づいて各戻り光に対する光検出器18の取付位置のずれ及び光検出器18の取付方向のずれ(傾き)を求め、求めたずれ方向やずれ量に基づいて各駆動機構34,36,37,38を介して位置調整治具32の位置及び向き(回転方向の向き)を調整することで、光検出器18の各受光部18a,18bの略中心位置に各系統の戻り光の光ビームスポットが配置されるように自動調整する。
【0086】
次に、光検出器18の取付位置のずれ及び光検出器18の取付方向のずれ(傾き)を求める方法について説明する。図13は各戻り光の光ビームスポットに対する光検出器の取付傾き(取付位置の回転方向の位置ずれ)を検出する方法の一例を示す説明図である。光検出器18の光軸に対する回転方向の位置ずれの検出には、各メインビーム受光素子パターン部18a1,18b1を用いて行う。
【0087】
まず、いずれか一方のメインビーム受光素子パターン部の4つのメインビーム受光素子パターン(ここではDVD用受光部18bのメインビーム受光素子パターン部18b1の4つのメインビーム受光素子パターンa,b,c,d)の光出力Ia,Ib,Ic,Idの光出力バランスを検出して、DVD用戻り光の光ビームスポットとメインビーム受光素子パターン部18b1の中心位置とのずれを求める。
【0088】
具体的には、4分割されたメインビーム受光素子パターンa,b,c,dの中の上側の2つのメインビーム受光素子パターンa,bの光出力の和(Ia+Ib)と下側2つのメインビーム受光素子パターンc,dの光出力の和(Ic+Id)との差{(Ia+Ib)−(Ic+Id)}を求める。求めた差{(Ia+Ib)−(Ic+Id)}の極性及び値から上下方向(Y方向)のずれの方向及びずれ量を知ることができる。上記の差を求める代わりに、上側の2つのメインビーム受光素子パターンa,bの光出力の和(Ia+Ib)と下側2つのメインビーム受光素子パターンc,dの光出力の和(Ic+Id)との比を求めるようにしてもよい。比を求めた場合は、求めた比が1以上であるか1以下であるかに基づいてずれの方向を知ることができ、求めた比の値に基づいてずれ量を知ることができる。
【0089】
同様に、4分割されたメインビーム受光素子パターンa,b,c,dの中の右側の2つのメインビーム受光素子パターンb,cの光出力の和(Ib+Ic)と左側2つのメインビーム受光素子パターンa,dの光出力の和(Ia+Id)との差{(Ib+Ic)−(Ia+Id)}を求める。求めた差の{(Ib+Ic)−(Ia+Id)}の極性及び値から左右方向(X方向)のずれの方向及びずれ量を知ることができる。上記の差を求める代わりに、右側の2つのメインビーム受光素子パターンa,bの光出力の和(Ib+Ic)と左側2つのメインビーム受光素子パターンc,dの光出力の和(Ia+Id)との比を求めるようにしてもよい。比を求めた場合は、求めた比が1以上であるか1以下であるかに基づいてずれの方向を知ることができ、求めた比の値に基づいてずれ量を知ることができる。
【0090】
DVD用戻り光の光ビームスポットの結像位置とメインビーム受光素子パターン部18b1の中心位置とのずれが求まると、そのずれを補正するように光検出器18の取付位置を左右方向(X方向)及び上下方向(Y方向)に調整する。これにより、図13において仮想線で示したように、メインビーム受光素子パターン部18b1の中心位置からずれていたDVD用戻り光の光ビームスポットは、実線で示すように光ビームスポットの中心が4分割された各メインビーム受光素子パターンa,b,c,dの略中心位置にくる。
【0091】
次に、上記の光検出器18の取付位置の左右方向(X方向)及び上下方向(Y方向)の調整がなされた状態で、CD用受光部18aのメインビーム受光素子パターン部18a1の4つのメインビーム受光素子パターンA,B,C,Dの光出力のバランスを検出する。
【0092】
図13に示すように、CD用戻り光の光ビームスポットが受光素子パターン部18a1の上方側にずれている場合は、上側の2つのメインビーム受光素子パターンA,Bの光出力の和と下側の2つのメインビーム受光素子パターンC,Dの光出力の和との差{(IA+IB)−(IC+ID)}は正の値となる。これにより、光検出器18の取付向きが右回転方向(時計回り方向)にずれていることが分かる。
【0093】
ここで、光検出器18の取付角度のずれ量と前記差{(IA+IB)−(IC+ID)}の値との関係を予め求め、その関係を表す式を登録しておくことで、前記差{(IA+IB)−(IC+ID)}から光検出器18の取付角度のずれ量(補正すべき角度)を計算によって求めることができる。又は、光検出器18の取付角度のずれ量と前記差{(IA+IB)−(IC+ID)}の値との関係をテーブルとして例えば不揮発性半導体メモリ等に格納しておけば、当該テーブルを参照することで、前記差{(IA+IB)−(IC+ID)}から光検出器18の取付角度のずれ量(補正すべき角度)を求めることができる。
【0094】
なお、前記差{(IA+IB)−(IC+ID)}の代わりに、上側の2つのメインビーム受光素子パターンA,Bの光出力の和(IA+IB)と下側の2つのメインビーム受光素子パターンC,Dの光出力の和(IC+ID)との比{(IA+IB)/(IC+ID)}に基づいて、光検出器18の取付向きずれ方向及びずれ量(ずれ角度)を求めるようにしてもよい。
【0095】
光検出器18の取付向きのずれ方向及びずれ量(ずれ角度)が求まると、そのずれ量を補正するように、光検出器18の取付向きを調整する。その後に、いずれか一方のメインビーム受光素子パターン部の4つのメインビーム受光素子パターン(ここではDVD用受光部18bのメインビーム受光素子パターン部18b1の4つのメインビーム受光素子パターンa,b,c,d)の光出力Ia,Ib,Ic,Idのバランスを検出し、DVD用戻り光の光ビームスポットがメインビーム受光素子パターン部18b1の中心位置に配置されるように、光検出器18の位置を左右方向(X方向)及び上下方向(Y方向)に調整する。これにより、DVD用戻り光の光ビームスポットがメインビーム受光素子パターン部18b1の略中心位置に配置されるように、かつ、CD用戻り光の光ビームスポットがメインビーム受光素子パターン部18a1の略中心位置に配置されるように調整される。
【0096】
上記の光検出器18の取付位置の調整は、図12に示した光検出器取付位置調整装置30を用いて、光ピックアップ装置10を不図示の光ピックアップ装置装着治具に装着して行う。この際、調整用ディスク51を用いて戻り光を発生させる。調整用ディスク51は、DVD用の読取り光を光反射領域α,βで反射させてDVD用の戻り光を発生させ、CD用の読取り光を光反射領域β,γで反射させてCD用の戻り光を発生させる。
【0097】
まず、光ピックアップ装置装着治具のスピンドルモータに取り付けられたテーブル(図示せず)上に調整用ディスク51を載置する。次に、調整用ディスク51の光反射領域β上に、調整用ディスク51表面に垂直方向に揺動させた状態で対物レンズ16を配置する。次に、2波長半導体レーザ11からDVD用の光ビームとCD用の光ビームとを同時に射出させる。水平方向駆動機構36と垂直方向駆動機構37とを駆動させ、DVD用受光部18bの略中心位置にDVD用の光ビームスポットが配置されるようにする。光ビームスポットがDVD用受光部18bの略中心位置に配置されると、再生信号出力Va+Vb+Vc+Vd(メインサム信号)は最大になり、フォーカス誤差検出出力{(Va+Vc)−(Vb+Vd)}は対称性のよいS字になる。
【0098】
次に、回転駆動機構34を駆動させ、CD用受光部18aの略中心位置にCD用の光ビームスポットが配置されるようにする。光ビームスポットがCD用受光部18aの略中心位置に配置されると、再生信号出力VA+VB+VC+VD(メインサム信号)は最大になり、フォーカス誤差検出出力{(VA+VC)−(VB+VD)}は対称性のよいS字になる。
【0099】
DVD及びCDの再生信号を参照しながら、回転駆動機構34、水平方向駆動機構36及び垂直方向駆動機構37を駆動させ、DVD及びCDともに最適な再生信号が得られるように光検出器18を位置調整する(PD粗調)。次に、調整用ディスク51の光反射領域βにDVD用の光ビームを照射しフォーカスサーボをかける。このとき、DVD側のメインビームの光出力バランスを検出し、光出力バランスが0になるように、水平方向駆動機構36及び垂直方向駆動機構37を駆動して光検出器18を位置調整する。次に光反射領域βにCD用の光ビームを照射しフォーカスサーボをかける。このとき、CD側のメインビームの光出力バランスを検出し、光出力バランスが0になるように回転駆動機構34を駆動して光検出器18を位置調整する(PD微調)。
【0100】
次に、調整用ディスク51の光反射領域γにCD用の光ビームを照射しフォーカスサーボをかける。この状態で、最適なトラッキング誤差検出出力が得られるように、回折格子13bを回転させてサブビームの位相を調整する。次に、調整用ディスク51の光反射領域αにDVD用の光ビームを照射しフォーカスサーボをかけて、この状態で最適なトラッキング誤差検出出力が得られるように、回折格子13aを回転させてサブビームの位相を調整する。次に、トラッキングサーボをかける。この状態で最適な再生信号が得られるように、対物レンズ16の傾角及びフォーカスを調整する。
【0101】
なお、図12に示した光検出器取付位置調整装置30を用いずに、手動等で光検出器18の取付位置の調整を行うようにしてもよい。この場合は、画像表示装置の画面上に、各メインビーム受光素子パターン部18a1,18b1の形状を表示するとともに、各メインビーム受光素子パターン部18a1,18b1の各光検出出力Ia〜Id,IA〜IDに基づいて求めた各戻り光の光ビームスポットの位置を表示させ、さらに、光検出器18又は光検出器取付板17を移動させる方向及び移動量並びに回転方向及び回転角度を表示させる。移動させる方向は画面上に矢印等で表示し、その矢印の長さで移動量を表現するようにしてもよい。回転方向も同様に矢印で表示し、その矢印長さや太さ等で回転させる角度を表現するようにしてもよい。
【0102】
図13では、DVD用戻り光の光ビームスポットがDVD用受光部18bのメインビーム受光素子パターン18b1の中心に配置されるように光検出器18の取付位置を調整した後に、CD用受光部18aのメインビーム受光素子パターン18a1の光出力バランスを検出し、検出された光出力バランスに基づいて光検出器18の取付傾きを検出してその傾きを補正する方法を示したが、CD用戻り光の光ビームスポットがCD用受光部18aのメインビーム受光素子パターン18a1の中心に配置されるように光検出器18の取付位置を調整した後に、DVD用受光部18bのメインビーム受光素子パターン18b1の光出力バランスを検出し、検出された光出力バランスに基づいて光検出器18の取付傾きを検出してその傾きを補正するようにしてもよい。
【0103】
図14は各戻り光の光ビームスポットに対する光検出器の取付傾き(取付位置の回転方向の位置ずれ)を検出する方法の他の例を示す説明図である。まず、図12(a)に示すように、DVD用戻り光の光ビームスポットがDVD用メインビーム受光素子パターン部18b1の略中央に配置されるように光検出器18の位置を調整する。なお、ここでは4分割されたメインビーム受光素子パターンa,b,c,dの中の上側の2つのメインビーム受光素子パターンa,bの光出力の和(Ia+Ib)と下側2つのメインビーム受光素子パターンc,dの光出力の和(Ic+Id)との差{(Ia+Ib)−(Ic+Id)}がゼロになるように上下方向(Y方向)の取付位置が調整されれば、光ビームスポットの位置が左右方向(X方向)にずれていてもよい。
【0104】
次に、上記差{(Ia+Ib)−(Ic+Id)}がゼロになるように上下方向(Y方向)の取付位置が調整された状態で、CD用メインビーム受光素子パターン部18a1の各光検出出力IA〜IDに基づいて、CD用戻り光の光ビームスポットの位置を認識する。ここでは、CD用メインビーム受光素子パターン部18a1の中心位置に対してCD用戻り光の光ビームスポットが上方向にずれているか下方向にずれているかを検出するだけでよい。
【0105】
次に、検出したずれ方向を補正する方向へ光検出器18の取付位置を上又は下方向(Y方向)へ移動させる。ここでは、4分割されたメインビーム受光素子パターンA,B,C,Dの中の上側の2つのメインビーム受光素子パターンA,Bの光出力の和(IA+IB)と下側2つのメインビーム受光素子パターンC,Dの光出力の和(IC+ID)との差{(IA+IB)−(IC+ID)}がゼロになるまで、光検出器18の取付位置をY方向へ移動する。そして、上記差{(IA+IB)−(IC+ID)}がゼロとなるまでのY方向の移動距離ΔYを求める。
【0106】
図14(b)に示すように、Y方向の移動距離ΔYが求まれば、各受光部18a,18b間の距離LBとY方向の移動距離ΔYとの関係から光検出器18の取付向きの傾き角度θが求まる(θ=tan(ΔY/LB))。
【0107】
そこで、求めた傾き角度θだけ光検出器18の取付向きを補正した後に、光検出器18の取付位置を左右方向(X方向)及び上下方向(Y方向)に調整することで、各戻り光の光ビームスポットを各受光部18a,18bの略中心位置に配置されるように調整することができる。
【0108】
なお、求めた傾き角度θだけ光検出器18の取付向きを補正した後に、前記Y方向の移動量ΔYの1/2だけ光検出器18の取付位置を上下方向(Y方向)に戻し、その状態でいずれか一方の受光部18a,18bの光検出出力バランスを検出して光検出器18の取付位置を左右方向(X方向)及び上下方向(Y方向)に調整するようにしてもよい。
【0109】
図15は各戻り光の光ビームスポットに対する光検出器の取付傾き(取付位置の回転方向の位置ずれ)を検出する方法のさらに他の例を示す説明図である。図15に示す第3の取付傾き検出方法は、DVD用のメインビーム受光素子パターン部18b1の各メインビーム受光素子a,b,c,dの光出力バランスとCD用のメインビーム受光素子パターン部18a1の各メインビーム受光素子A,B,C,Dの光出力バランスとを検出して、光検出器18の取付向きのずれ方向を求めるとともに、ずれ量(ずれ角度)を推定するようにしている。なお、ずれ量の推定を行わずに、光検出器18の取付向きのずれ方向のみを検出し、そのずれ方向を補正する方向に光検出器18の取付向きを補正するようにしてもよい。
【0110】
そして、光検出器18の取付向きを補正した後に、例えばDVD用のメインビーム受光素子パターン部18b1の各メインビーム受光素子a,b,c,dの光出力バランスを検出して、光検出器18の取付位置を左右方向(X方向)及び上下方向(Y方向)に調整することで、各戻り光の光ビームスポットを各メインビーム受光素子パターン部18a1,18b1のそれぞれ略中央に位置させることができる。
【0111】
図13乃至図15に示したように、光検出器18の取付向きのずれ(回転方向の位置ずれ)θを検出し、又は、取付向きのずれの方向を検出し、その取付向きのずれを補正した後に、光検出器18の取付位置を左右方向(X方向)及び上下方向(Y方向)に再度調整することで、各戻り光の光ビームスポットを各メインビーム受光素子パターン部18a1,18b1のそれぞれ略中央に位置させることができる。
【0112】
上記のような本実施の形態による光ピックアップ装置の調整方法を用いて光検出器18の取付位置を調整する工程を経て、光ピックアップ装置が製造される。
【0113】
本実施の形態では、光検出器18の取付位置を調整する際に、調整用ディスク51の光反射領域βに2波長の光レーザを同時に照射することにより、光検出器18にはDVD用及びCD用の両戻り光の光ビームスポットが形成される。したがって、CD側の受光部の位置調整を行う際と、DVD側の受光部の位置調整を行う際との間では、調整用ディスク51と光ピックアップ装置10とを相対的に移動させる必要がない。このため、振動等により位置調整された光検出器18が移動してずれてしまうおそれがない。また本実施の形態では、光検出器18の位置調整に用いる調整用ディスク51の光反射領域βでは、光反射膜56,57が鏡面状に形成されている。したがって、情報信号がないためノイズが低減され光検出器18の取付位置を短時間で効率的に調整でき、また光検出器18の位置精度が向上する。
【0114】
次に、本実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスク及び光ピックアップ装置の調整方法の変形例について図16を用いて説明する。図16は、本実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスクの構成の変形例を示しており、図2に対応する断面図である。図16に示すように、本変形例による調整用ディスク51は、光入射面58に垂直方向に見ると、ディスクの面内方向(半径方向)に4つの光反射領域α1,α2,β,γに分割されている。光反射領域α1は例えば半径24mmから32mmまでの範囲であり、光反射領域α2は例えば半径32mmから40mmまでの範囲である。光反射領域βは例えば半径40mmから45mmまでの範囲であり、光反射領域γは例えば半径45mmから58mmまでの範囲である。透明基板52裏面の光反射領域α1には、DVD−ROMフォーマットの信号(アドレスピットなし)に対応するピットが形成されている。透明基板52裏面の光反射領域α2には、記録容量が片面4.7GBであるバージョン2.0のDVD−RAMフォーマットのトラック溝(アドレスピットなし)が形成されている。
【0115】
本変形例による調整用ディスク51を用いて光ピックアップ装置を調整する際には、上述のように調整用ディスク51の光反射領域γにCD用の光ビームを照射しフォーカスサーボをかけ、回折格子13bを回転させてサブビームの位相を調整する手順の後に、調整用ディスク51の光反射領域α2にDVD用の光ビームを照射しフォーカスサーボをかける。この状態で最適なトラッキングエラー信号が得られるように、回折格子13aを回転させてサブビームの位相を調整する。
【0116】
次に、調整用ディスク51の光反射領域α1にDVD用の光ビームを照射しフォーカス・トラッキングサーボをかける。この状態で最適な再生信号が得られるように、対物レンズ16の傾角及びフォーカスを調整する。本変形例によっても上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0117】
次に、本実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスク及び調整方法の他の変形例について説明する。本変形例では、透明基板52裏面の光反射領域α1に、DVD−ROMフォーマットの信号(アドレスピットあり)に対応するピットが形成されている。透明基板52裏面の光反射領域α2には、記録容量が片面4.7GBであるバージョン2.0のDVD−RAMフォーマットのトラック溝(アドレスピットあり)が形成されている。
【0118】
本変形例による調整用ディスク51を用いて光ピックアップ装置を調整する際には、上述のように調整用ディスク51の光反射領域γにCD用の光ビームを照射しフォーカスサーボをかけ、回折格子13bを回転させてサブビームの位相を調整する手順の後に、調整用ディスク51の光反射領域α1にDVD用の光ビームを照射しフォーカス・トラッキングサーボをかける。この状態で最適な再生信号が得られるように、対物レンズ16の傾角及びフォーカスを調整する。次に、調整用ディスク51の光反射領域α2にDVD用の光ビームを照射しフォーカスサーボをかける。この状態で最適なトラッキングエラー信号が得られるように、回折格子13aを回転させてサブビームの位相を調整する。
【0119】
次に、調整用ディスク51の光反射領域α2にDVD用の光ビームを照射しフォーカス・トラッキングサーボをかける。この状態で最適なアドレス信号が得られるように、光記録媒体の半径方向(ラジアル方向)における対物レンズ16の位置を調整する。本変形例によっても上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0120】
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、波長依存性を有さない材料により光反射膜が形成されているが、本発明はこれに限られない。波長により反射率の異なる材料により光反射膜を形成しても構わない。
【0121】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、複数種類の光記録媒体を再生可能な光ピックアップ装置を容易で高効率かつ高精度に調整できる光ピックアップ装置の調整用ディスク、調整方法及び製造方法、並びにそれを用いた光再生装置の製造方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスクを光入射面側から見た構成を示す図である。
【図2】図1のA−A線で切断した調整用ディスクの半径方向の断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置の模式構造図である。
【図4】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置で用いる光源を構成する2波長半導体レーザ(レーザダイオード)の概略構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置で用いる対物レンズの構造図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は側面図である。
【図6】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置で用いる光検出器の受光部の受光素子パターン構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置で用いる光検出器(PD−IC)の動作様式の説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置を搭載した光再生装置の概略構成を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態による他の光ピックアップ装置の模式構造図である。
【図10】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置で用いる光検出器の取付位置の調整方法の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置で用いる光検出器の取付部の構造の一例を示す図であり、図11(a)は平面図、図11(b)は側面図、図11(c)は光検出器取付板に対する光検出器の取付構造を示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態による光検出器取付位置調整装置のブロック構成図である。
【図13】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置の光検出器取付位置調整方法における各戻り光の光ビームスポットに対する光検出器の取付傾き(取付位置の回転方向の位置ずれ)を検出する方法の一例を示す説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置の光検出器取付位置調整方法における各戻り光の光ビームスポットに対する光検出器の取付傾き(取付位置の回転方向の位置ずれ)を検出する方法の他の例を示す説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置の光検出器取付位置調整方法における各戻り光の光ビームスポットに対する光検出器の取付傾き(取付位置の回転方向の位置ずれ)を検出する方法のさらに他の例を示す説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態による光ピックアップ装置の調整用ディスクの構成の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1a コンパクト・ディスク(CD)
1b デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)
10,20 光ピックアップ装置
11,21 2波長半導体レーザ(複数の光源)
11d,11e,21d,21e 発光点
12,22 位相差板
13a,13b,23a,23b 回折格子
14,24 ビームスプリッタ(ビームスプリッタ板)
15,25 コリメータレンズ
16,26 対物レンズ(2重焦点回折型対物レンズ)
17 光検出器取付板
17a,17b 孔(光検出器の取付向きを調整するための機構)
18,28 光検出器(PD−IC)
18a,28a CD用受光部
18b,28b DVD用受光部
18a1,18b1 メインビーム受光素子パターン部
18a2,18a3,18b2,18b3 サブビーム受光素子パターン部
41 COB基板
42 フレキシブル配線板
51 調整用ディスク
52,53 透明基板
54 接着層
55,56,57 光反射膜
58 光入射面
59 中心穴部
100 光記録媒体
150 光再生装置
152 スピンドルモータ
154 コントローラ
155 レーザ駆動回路
156 レンズ駆動回路
157 フォーカスサーボ追従回路
158 トラッキングサーボ追従回路
159 レーザコントロール回路
α,β,γ,α1,α2 光反射領域
LA 発光点の間隔
LB 受光部の間隔
X 水平方向(左右方向)
Y 垂直方向(上下方向)
Z 前後方向(光検出器の光軸方向)
ΔY Y方向(上下方向)の移動距離
θ 光検出器の取付向きのずれ角度及び光検出器の光軸に対する回転方向

Claims (9)

  1. 互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置の調整に用いられる調整用ディスクであって、
    前記光が入射する光入射面と、
    前記光入射面からの距離が互いに異なる複数層が形成され、前記複数層のうち少なくとも1層が、いずれかの前記光に対して同一層内で複数レベルの反射率を有し、他の前記層のうち少なくとも1つより前記光入射面側に配置されている光反射膜と、
    ディスクの面内方向において、互いに異なる層構成の前記光反射膜で形成された複数の光反射領域と
    を備えることを特徴とする光ピックアップ装置の調整用ディスク。
  2. 請求項1記載の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、
    前記複数の光反射領域のうち少なくとも1つは、複数の前記光反射膜が形成された光反射膜積層領域であり、
    前記複数の光反射膜のうち前記光入射面側に配置された光反射膜は、他の前記光反射膜より低い反射率を有していること
    を特徴とする光ピックアップ装置の調整用ディスク。
  3. 請求項2記載の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、
    前記光反射膜積層領域は、前記複数の光反射膜がいずれも鏡面状に形成されていること
    を特徴とする光ピックアップ装置の調整用ディスク。
  4. 請求項2又は3に記載の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、
    前記光反射膜積層領域は、複数の前記光反射領域に隣接していること
    を特徴とする光ピックアップ装置の調整用ディスク。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、
    前記光反射膜は、複数の光記録媒体のフォーマットに対応するピットを同一層内に有していること
    を特徴とする光ピックアップ装置の調整用ディスク。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置の調整用ディスクであって、
    前記複数の光源は2つであること
    を特徴とする光ピックアップ装置の調整用ディスク。
  7. 互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置の調整方法であって、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置の調整用ディスクを用い、
    前記光反射膜積層領域に、前記複数の光源のうち少なくとも2つから同時に前記光を射出すること
    を特徴とする光ピックアップ装置の調整方法。
  8. 互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置の製造方法であって、
    請求項7記載の光ピックアップ装置の調整方法を用いること
    を特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。
  9. 互いに波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光の光記録媒体で反射された各々の戻り光を個別に受光する複数の受光部とを有する光ピックアップ装置を備えた光再生装置の製造方法であって、
    請求項7記載の光ピックアップ装置の調整方法を用いること
    を特徴とする光再生装置の製造方法。
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